みんなのシネマレビュー |
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3021. フォー・ザ・ボーイズ ベット・ミドラーのこの種の役柄はほかでいろいろ見ているような気がするのだが、それらと比較しても、そんなに人格表現がうまくいっているようには見えない。慰問の歌手という結論ありきで、主人公がそれをなぜライフワークとしてこだわるのか、その結果主人公の人生には何をもたらしたのかといった点については、突っ込みが浅いのです。とはいえベットの気迫あふれる演技パワーには見るべきところもあるので、点数はそこに対して。[DVD(字幕)] 6点(2009-11-02 02:27:25) 3022. Dear フランキー 本来、良質のドラマがあるはずなのに、終始淡々と各シーンを追っているだけなので、平坦な描写になってしまっている。状況設定の特殊性をもっと生かせなかったのかな。派手な色遣いを極力抑えた映像感覚は良い感じだったので、そこに4点。[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-10-28 03:16:35) 3023. トゥルーマン・ショー 《ネタバレ》 前半では、シチュエーション・コメディの様相を保ちつつ、主人公を画面上で見る観衆の姿を入れるメタ構造をさりげなく挿入することによって、この作品を見る側もいつの間にか作品世界の一部に取り込んでいる。この辺では、愛想の良い中にも作り物っぽさ満載の演技を絶妙に繰り広げるローラ・リニーの貢献が大きい。そして後半では、その世界が一気に崩壊するのだが、最後に主人公が外に出て行く扉は、別に何の装飾もガードも施されていない、ただの扉。つまり、そこから一歩を踏み出す意思があるかないかがすべてである、ということ。こうやって後からじわじわと見る側の視座のありようまで浸食していく、実は結構恐ろしい作品。●再見してさらに鳥肌。この全体の構成は何のメタファーなのか、いろんな解釈が可能です。コメディっぽい体裁をとっていながら、これは一流のホラーであり、サスペンス作品です。[DVD(字幕)] 8点(2009-10-26 00:42:32)(良:1票) 3024. 栄光のエンブレム この辺の青春映画には低い点はつけられないのですが、それにしてもこの作品は、単純すぎる上に主人公およびヒロインのキャラにもあまり魅力なしですね。見せ場のはずのアイスホッケーシーンも、撮り方が工夫されてないのか、迫力を感じません(敵キャラが妙に人の良さそうな顔をしているのも・・・)。ミッキー・トーマス(おおっ!)が歌う"Stand In The Fire"に+1点。[DVD(字幕)] 6点(2009-10-25 04:34:47) 3025. きみがぼくを見つけた日 《ネタバレ》 タイムトラベラーの宿命を乗り越えて2人が結びつく話、かと思っていたら、実はそれは前置きであって、その先の夫婦生活や家族生活の内容こそが真のテーマでした。言われてみれば、タイムトラベラーが相手と結びついて、子供はどうなるのか?とか、未来に飛んじゃって先が予測できたらそれはそれで問題ではないか?とか、その先にも問題はあるのであって、そこまで立ち向かおうとした姿勢はなかなか偉い。とはいえ、最初の2人が結びつくまでがあまりにもタメがなくてあっけなくて、そこで拍子抜けしてしまったのも事実。また、母親や父親のサイドストーリーもあまり機能しておらず、もう少しバランスを考えてほしかった。[映画館(字幕)] 6点(2009-10-25 04:14:37) 3026. My Son あふれる想い 筋立てはともかく、画質が終始暗くて汚いのが気になった。心理描写は中盤まで凡庸なのだが、女友達への紹介のシーンと、駅のシーンに+1点。[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-10-22 04:12:57) 3027. アトランティスのこころ 完全に雰囲気だけで作ってしまったような感じで、中身にも乏しく、何が表現したかったのか分かりません。肝心の主人公の子役に演技力がないのも難点。ホプキンスは明らかにどう演技していいのか困っている。[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-10-12 23:50:53) 3028. 私の中のあなた 《ネタバレ》 「姉妹間でのドナー関係」「娘から親に対する訴訟」という設定に寄りかかることなく、各登場人物の内面をきちんと掘り下げた秀作。何よりも優れているのは、主人公をはじめとする各登場人物の「意志」の力に焦点を当て、またそれを讃美していること。ドナー関係を続けるのか、止めるのか、実はそれ自体はどちらでもよいこと(どちらでも正解)であり、大事なことは、それぞれの意志、決断、そして、姉が妹にとって大切で重要な人物であるというこの一事なのである。演技面では、キャメロン・ディアスは、いつものお馬鹿コメディとは正反対の役柄にきちんと向き合っている。彼女はこれからもこういうシリアスな作品に挑んでほしいと思う。アビゲイル・ブレスリンは、役作りと存在感はかなりのものがあるが、表情の柔らかさがもう少し欲しい。あと、ジョーン・キューザック姐御の場面引締力が凄まじい。目の動き一つで全部を表現している。[映画館(字幕)] 9点(2009-10-12 14:53:21)(良:1票) 3029. 松川事件 《ネタバレ》 司法の正義を信じる制作者たちの執念が生んだ重要作品。未だ裁判が差戻控訴審で係属中に映画を作ってしまったというのも凄いが、何よりも圧巻なのは、序盤で延々20分以上にわたって朗読される「赤間自白」(最初に拷問によって作成され、後に他の被告人の検挙の根拠となった内容架空の供述調書)と、それに基づいて淡々と進行する「再現」シーンであろう。こういうところで手を抜かず、またおそらくは記録を忠実に反映しているという点において制作者の強い真摯性を感じるし、また、こういう(一見)もっともらしい供述調書でも、事実に反するものがいくらでも作られうるということは、全国民が認識しておくべきである。また、法廷開廷後も、カメラはほかに浮気することなく、忠実に地道に尋問の様子を映し続けるし、台詞の一つ一つからも、被告人の心の叫びを極力大切に扱っていることが伝わってくる。ただし、第一次上告審の「諏訪メモ」や、差戻控訴審で発覚した検察官による重要物証の隠蔽をまるまるカットした(前者は字幕では出てくるが)のは、何でなんでしょうか。裁判の進行上も最も重要な場面であると思うのですが。[DVD(邦画)] 7点(2009-10-11 04:47:22) 3030. 君よ憤怒の河を渉れ 《ネタバレ》 西村寿行原作ということで期待したのですが、これはいただけません。全体の進行は、逃げる→追いつかれる→何だかんだでまた逃げる→追いつかれるの繰り返しで、そのうち、「あ、また何とかして逃げるんだね」と思ってしまいます。また、西村原作の主人公は、言語に絶する壮絶な体験、それを乗り越える超強靱な意志というのが必須の要素なのですが、高倉健にそれをやらせると、どんな場面もごく淡々と乗り切ってしまうので、シチュエーションの苛酷性が浮かび上がってきません。ラストはほとんどその辺の刑事ドラマですね。原田芳雄のやりすぎな時代錯誤いでたちに5点。[DVD(邦画)] 5点(2009-10-10 02:36:57)(良:1票) 3031. キング・コング(2005) ピーター・ジャクソンがLOTR3部作を作り終えてそのままのノリと感覚で作ってしまったのか、全部が全部力が入りすぎてしまって、逆に何の物語だったのか分からなくなってしまっている。で、力が入れば入るほど逆に際立つのがキャスティングの問題で、ジャック・ブラックはどこで何をやっていても笑わせにかかっているようにしか見えないし、ナオミ・ワッツはこの修羅場を乗り切ってコングと対峙するには線が細すぎて、基本的な体力とか根性みたいなものを感じない。[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-10-08 00:56:52) 3032. 地上最大のショウ サーカスのシーンの映像的迫力は認めますが(象の行列とか)、それ以外のドラマ部分が、同じようなシーンの繰り返しで退屈です。また、サーカスのシーンも、「何でその場面が必要なのか」という考察抜きに積み重ねられても、インパクトが薄れてしまいます。[DVD(字幕)] 5点(2009-10-04 23:53:00) 3033. 努力しないで出世する方法 ただ単にみんなで脳天気に騒いでいるだけにしか見えませんでした。ミュージカルといえど、ストーリー上の大事なポイントはきちんと押さえて表現してくれないとだめです。原色系の色彩感覚は面白かったので、点数はそこに。[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-10-03 00:04:24) 3034. ストレンジャー(1996) 久々にここまでつまらないものを見てしまった・・・レベッカ・デモーネイって、こんなに華もなければ演技力もない人だったっけ?[DVD(字幕)] 2点(2009-10-02 23:48:55)(良:1票) 3035. 老人と海(1958) もともと、そんなに映像向きの話とも思えないのだが、はたして、延々と同じような構図の画面で同じような説明的ナレーションを聞かされるだけの内容でした。大自然のダイナミックさやそれに立ち向かう主人公の根性といったものを感じられませんでした。[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-09-28 01:36:36) 3036. おくりびと 《ネタバレ》 納棺師の作業を指先までしっかり撮りきっている、その敬意に満ちた撮り方だけでこの作品は存在価値がある。銭湯の女将との再会時の会話の一言が、後の妻の主人公への見方を変えるところにつながっている流れなど、語り口も巧妙。決して素材に寄りかかっていない。[DVD(邦画)] 7点(2009-09-26 04:06:02) 3037. 黄金の犬 《ネタバレ》 前半は、少々詰めが甘いながらも古き良きサスペンスとして順調に進んでいたのですが・・・菅原文太と三田佳子の各登場シーンが、どうみても客寄せのために余計な時間をとっていて、ここで一気にトーンダウン。そして終盤はダラダラつないでいるだけで緊張感なし。これにはがっかりでした。ところで、西村寿行の作品は、スケールからいってもインパクトからいっても映像化に適した作品が多いと思いますが、そんなに映画化はされてないですね。今からでも遅くないと思うのですが。[DVD(邦画)] 6点(2009-09-22 03:17:18) 3038. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 特に笑える場面というのは見当たらなかったのですが・・・。重大な対象をあえて笑い飛ばそうというのであれば、だからこそ、ただ俳優に台詞を喋らせるのではなく、対象の背景やプロセスをディテールまで真剣に描いてくれないといけません。90分が長く感じました。[DVD(字幕)] 5点(2009-09-21 02:42:14) 3039. 革命児サパタ タイトルでまで「革命児」と言い切っちゃってるわけだから、どれだけ痛快でドラマチックな生涯が描出されるのかと思っていたら、単なる英雄一代記みたいな内容でした。革命家ならではの緊張感や切迫感も感じられず、伝えられていることをそのまま映像化しただけのような感じです。[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-09-21 01:25:02) 3040. カランジル 《ネタバレ》 何でいちいち各囚人へのインタビューなどという構成をとっているのかな。単調な上に話がブツ切りになってしまい、逆の効果しか感じません。暴動場面ではいくつか鋭いショットが見られたりもするので、大変もったいないと思います。[DVD(字幕)] 5点(2009-09-16 02:12:13)
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