みんなのシネマレビュー |
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3081. シングルス(1992) キャメロン・クロウの作品って、どうにも人物造形が観念的というか、頭の中で考えただけという感じがして、ただ「描かれているだけ」にしか見えないのです。この作品でもそれは同じ。なので、何か新しい雰囲気を狙っている風でありながら、終わり方も含めてすべて予定調和にしか感じられません。それと、小汚さとか粗雑さがウリのグランジ・オルタナの世界には、ブリジット・フォンダはまるで合わないのでは?[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-04-28 03:39:03) 3082. 告白的女優論 《ネタバレ》 タイトルと設定からして作品の実験性がありありなのですが、筋は何とかつかめたものの、それによって何が表現したいのかは分かりませんでした。登場人物に人格性が感じられなかったので、俳優陣も、極端に言えば、与えられた脚本通りに台詞を読んでおしまいという感じ。ただし、最後のインタビューからラストショットに至る流れは、構図的にも内容的にもなかなか新鮮だったので、点数はそこに対して。[CS・衛星(邦画)] 4点(2009-04-28 02:01:58) 3083. 嵐が丘(1988) 主演が松田優作で脇役陣がこのキャストとなれば当然期待するんですが・・・鬼丸はひたすら吠えるだけ、欲望のままに行動するだけで、これでは彼といえども演技のしようがありません。じっくり型の田中裕子とは、演技の相性も合ってない感じです(むしろ、石田えり相手のシーンの方が伸び伸びとしています)。映像で見られるのは今や貴重かもしれない高部知子に4点。彼女の登場が一番楽しみでした。[CS・衛星(邦画)] 4点(2009-04-28 01:29:40) 3084. 10日間で男を上手にフル方法 最初の設定だけで制作者がすっかり満足してしまったような感じ。それ以外のことが何も描かれてないですからね。ケイト・ハドソンの個性のなさもマイナス。[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-04-25 10:12:10) 3085. サルバドル/遥かなる日々 《ネタバレ》 実話ベースの内容でありながら、肝心なところでありがちな演出をしてしまっています。相棒が銃撃される場面とか、土壇場で上から一報が入って殺害が中止になる場面とか、どこかで見たシーンみたいで緊張感が削がれます。この辺のところで、似た系統のコスタ=ガブラスの「ミッシング」に大きく及んでいません。ただし、ジェームズ・ウッズの気合の入った演技は印象的。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-23 04:48:28) 3086. さらば愛しき大地 どってことない郊外の、退廃した希望のない雰囲気の描写はなかなかそそられるのですが・・・肝心の、誰が何をしたいのかという部分が不明確で、逆に雰囲気に流されてしまったような感じ。俳優陣も、渋いキャスティングで揃えていながら、本来の持ち味を出していたのは蟹江敬三くらいかな。作品全体に共通する、風景的な画面の美しさに5点。[DVD(邦画)] 5点(2009-04-21 03:47:50) 3087. 宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 スピルバーグ作品とは思えないくらい、変に安っぽくて暗い感じの映像にびっくり。ダコタ・ファニングのブ○○クな成長ぶりにもびっくり。これではパニックの先に何も生み出しません、ということが予想できてしまうわけですが、とにかく描写として目新しい部分が何もなく、怖がることも感動することもなく終わってしまいました。車が群衆に囲まれるシーンで、あれだけのネタであそこまで引っ張る根性には感心したので、そこに3点。[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-04-14 03:07:56) 3088. 寒椿 脚本がこの人という時点で嫌~な予感がしていたのですが、まったくそのとおりでした。80's宮尾土佐モノの「鬼龍院」「陽暉楼」「夜汽車」なんかとは比べるまでもありません。何よりも、いきなり始まる子供の説明的なレーションにげんなり。大体、こんな大人の話で、子供目線なんかまったく不要でしょ。役者の演技レベルも大きく落ちているのですが、これは適切な場所を与えられなかったスタッフの責任(かたせ梨乃や藤真利子のあんな中途半端な使い方は・・・)。そんな中でも何とか頑張っていた萩原流行に3点。[DVD(邦画)] 3点(2009-04-14 02:59:08) 3089. インサイダー せっかく面白そうな対象を選択しているのに、とにかく長すぎ。作る側がポイントを絞り切れていません。実話を頑張って裏付け取材したから、全部映像化しないと気が済まなかったのでしょうか。主人公2人の造形も平坦で、人格の裏側や奥行きが感じられません。映画というよりも、壮大な再現フィルムを見てるだけのような感じ。[DVD(字幕)] 5点(2009-04-10 01:03:16) 3090. 風と共に去りぬ これだけ重厚で華麗な作風でありながら、同時にスピード感とテンポの良さをも備えているのが素晴らしい。とても70年前の作品とは思えません。4時間ほとんど出ずっぱりながら最初から最後までテンションを維持し続けているヴィヴィアン・リーのパワーとオーラも凄い。また、ゲーブルもそうなのですが、台詞は割と仰々しい言い回しのものも多いのに、それを自然にするっと言ってのけて、しかもそれを時間をかけて応酬してくれるものだから、見ていてとても心地いいのです。ただし、この2人+オリヴィア・デ・ハヴィランド以外の俳優陣には、もう少し個性が欲しいところでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-10 00:42:16) 3091. エンパイア・レコード 《ネタバレ》 基本的に、レコード店というものをなめてるんじゃないのかという内容。何よりも頭に来るのは、店員がこれだけいながら、音楽に対する愛情とかレコードに対するこだわりとかいうものを誰1人感じさせないこと。要するに、何にも考えていないのです。むしろこういう店はさっさと消え去って下さいとしか言いようがありません。ハイ・フィデリティとかスクール・オブ・ロックとかを見た後でこれを見ると、さらにレベルの低さが分かります。レネー・ゼルウィガーがミニスカで歌って踊るシーンの貴重度に3点、実は1日のお話でしたという構成のまとまりに+1点。[DVD(字幕)] 4点(2009-04-06 23:47:53) 3092. メリー・ポピンズ 《ネタバレ》 私にとってのマイナスポイントは3つ。(1)肝心の子供2人が全然可愛くない。だからといって、歌や演技が上手いわけでもない。どういう選考をしたらこうなるんだろう・・・。(2)ファンタジーの部分の描写が安直すぎ。ただ何となく楽しく遊んで、それだけでいいの?という気になる。あれでは単に甘やかしてるだけというか、子どもたちの成長が何もないんでは?(3)ジュリー・アンドリュースとそれ以外の人たちとで、歌唱力に差がありすぎです。というわけで、ジュリー・アンドリュースの凜と伸びた背筋に4点。[DVD(字幕)] 4点(2009-04-06 22:57:43) 3093. コブラ 最初から最後まで、見事なくらい、何の工夫もない。というか、この敵集団、一体何がやりたかったんだろう・・・(せいぜい数名かとお思っていたら、途中では無限に増殖するし)。あと、連続殺人をまったく抑えられないのに、危機感のかけらもなく、「俺たちが捜査するぜ!」みたいに振る舞っている上司連中は、やっぱり突っ込みどころなのでしょうか。[ブルーレイ(字幕)] 3点(2009-04-05 01:55:29) 3094. ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 ヒース・レジャーのジョーカーが作品のイメージを何倍も強烈なものにしていることはいうまでもない。ただ冷酷で残忍なだけではなくて、その中に常に「人の心を操作する」という明確なコンセプト(?)が存在する。そして確かに、彼の手法は、手法としては成功している、というか、「そうされたらそうなっちゃうよなあ」というところを的確に突いてきている。しかし、彼を破ったのは、警察でもなければバットマンでもなく、顔も見えない向こうの船の人々を信じる「人の心」であった。そこで彼は自らの敗北を悟る(おお、これはあのメフィラス星人と同じパターンではないか。道理で彼が格好良く見えるはずだ)。人心の良識が復活すればバットマンは社会に必要がない。だから、主人公は最後に甘んじて悪役を引き受け、その決断に説得力が出る。単にキャラクターの造形に頼ることなく、そこまで突っ込んだ世界を作品として作りあげたというところを評価したい。[映画館(字幕)] 8点(2009-04-02 04:52:53)(良:2票) 3095. マグダレンの祈り 自国の一大宗教の恥部ともいうべき部分に、しかもごく最近に起こった事実について堂々とスポットを当てたそのスタンスには素直に敬意を表したい。主人公たちの体験についても、体制側の横暴・抑圧を踏まえつつ、陰惨になりすぎず、前向きな意志を感じさせる手際の良い描写がなされていると思う。ただし、事実の重みに一歩引いてしまったのか、その中で登場人物たちが何を考え、どのように変化していったのかという人格表現の部分については、十分な次元に達しなかったのではないかと感じた。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-02 04:11:03) 3096. ピアノを弾く大統領 展開が最初から全部見えてしまうのは別にいいのだが、肝心の2人の会話のお粗末さは何とかならなかったのか。プロが書いた脚本とはとても思えません。どこかから引っ張ってきたやりとりを2段階くらい劣化させてつぎはぎさせた感じ。珍しく表情が綺麗に撮れているチェ・ジウのアップショットに3点。[DVD(字幕)] 3点(2009-03-27 03:00:44) 3097. チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 前半は、厳しい視点の中にも地に足の着いた安定感のある描写が良い。特に、母親がスーパーウーマンでも何でもなく、ただ泣くだけ、立ちつくすだけ、または弱々しく抗議するだけというのが、逆にその中にある我が子への信念と愛情を、リアリティをもって裏打ちしている。●後半は、公聴会やら死刑執行やらと幅が拡がりすぎなんじゃないかなあ・・・と前は思っていたのですが、再見して気にならなくなりました。おそらくイーストウッドは、そこにあったもの、コリンズ夫人が体験したものはきちんと盛り込もうとしたんだろうけど、彼の場合、「これも入れようかな」とふと思っただけで、あっという間にまとめて入れ込んでしまえるんですよね。●それと、ぞくっとしたのは、偽ウォルターと実母の対面シーン、実母は物腰丁寧だし、再会を喜んでもいるんだけど、偽ウォルターが何か重大なことを言おうとすると、それに耳を貸さずに、ささっと汽車に押し込んでしまうのです。この一瞬が表す描写の重さ、奥の深さ!●カメラワーク、照明、音楽は相変わらず文句なし。[映画館(字幕)] 8点(2009-03-23 04:25:36)(良:1票) 3098. 天井桟敷の人々 演技はみんな平坦だし、描写も同じようなやりとりばかりだしで、見ていて心引かれる部分がありませんでした。一部と二部に分かれていても、その対比や位置関係も明確に示されていません(同じ話が3時間続いているような感じ)。点数は、美術関係とエキストラの動員力に対して。[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-03-23 04:14:08) 3099. ラッキーナンバー7 《ネタバレ》 どうみてもありがちB級アクションなこの筋立てに、何でこんな豪華キャストがつぎ込めたのか、作品中の謎よりもそっちの方が謎。一応、プロローグ裏返し型の様式は好きなので、点数はこの辺で。しかし、ルーシー・リュウのあの役は大分辛いよね。もっと若くて元気な人がやるべき役なのでは?[DVD(字幕)] 4点(2009-03-22 03:28:15) 3100. 小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 昔見たときには、何か盛り上がりなくあっさり終わってしまったなあという感想を持っていたものです。しかし、今見ると、少年少女の日常生活を地道に描写しているのが、作品に地に足の着いた雰囲気を与えていますね。むしろ、主人公2人の直接的な会話は必要最小限であり、オシャレなフレーズも気の利いたやりとりもないのが良い。また、だからこそ、決めの「僕たち結婚します」という一言の原始性・初期衝動性が、この上なくストレートなインパクトを発しています。ただ、最後はドタバタになってしまったというのは前から思っていましたが、再見してもやはりそうでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-03-22 03:21:58)
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