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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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301.  シャイニング(1980) 初めて鑑賞したのはほんの小さな頃のことで、これが大きな間違いだった。いやおうなく"ダニー"として劇中に放り込まれ、半ばトラウマになってしまった。  怖そうな父親と、神経質で気弱な母親。まずこの配置がすごく嫌だ。男性なら想像がつくと思うが、あの年頃の少年は母親にべったりのマザコンで、父親にはエディプス・コンプレックス的な反感を抱いている。父親は家族を守ってくれる頼りになる存在でもあると同時に、非常に強くて恐ろしい存在でもある。男性にとって父親がもっとも大きな意味を持つ時期に、発狂した父親が襲ってくる。これ以上に恐ろしい怪物はいない。  キングが母子家庭に育ったことを思い出した。世界でいちばん安らげる場所であるはずの家庭が、この世界でいちばん恐ろしい場所になる。それは子供にとっては、文字通り世界がひっくり返る恐怖だ。そしてキング版とは違って、まがりなりにも親子の絆が回復することはない。父親は怪物となり、平和な家庭は崩壊したまま二度と元には戻らない。安心して眠れる場所は、もうどこにもない。  また、あの海となって流れてくる血の色が忘れ難い。おぞましく、それでいて不思議に美しい。上品さと下品さのどちらにでも転びかねない色。あんなにたくさんの血が流れるのは、人が死ぬときか生まれるときのどっちかだ。腐乱した女性の誘惑もまた性と死というありえない組み合わせであり、生理的に不愉快極まりない。  この映画は人間のもっとも根源にある、本能的な恐怖を刺激する。『シャイニング』は、幼い頃の筆者のむき出しの感受性に深々と突き刺さり、消えない痕を残した。今でもあの雪中の迷路の場面を思い出すと胃がぎゅっと縮こまるような恐怖を覚える。あの限りなく絶望に近い恐怖と、途方もない心細さ。個人的には今なお特別な意味を持つ作品であり、恐怖の原点ともいえる作品だ。[ビデオ(字幕)] 10点(2006-01-05 10:30:55)(良:2票)

302.  ジョゼと虎と魚たち(2003) う~ん……ちょっと、共感できないなあ。とくに恒夫、自分とはかなり違う性格の持ち主で、よくつかめない。話の流れを見ても、自分の経験と重なる部分がない。雰囲気は良い。でも映像的にとりたてて洗練されているというわけでもないし、記憶に残らないだろう。海の場面がいちばんきれいだけど、海を鮮やかに映すのって比較的簡単なんじゃないの? 珍しくもないし。また、恋愛映画なのに、二人の恋愛感情はあまり伝わってこない。感覚的な表現が非常に上手く(朝ごはんの味とか、乾いた空気とか)、巧みに観客をひきこむ力があるのは確か。それだけに、あまり実感の伴わない恋愛物語でも、騙されて最後まで観てしまった。本当にお互いを好きだったの? という根本的な疑問すら感じる。寂しさと、ほっとけないという使命感で引き合ってただけじゃないのと思った。ほんと、わっかんないよなあ……そもそも出刃包丁を振り回す女に惚れる気持ちがわかんないだもんなあ。 あ、でも音楽にくるり、イラストにDを選ぶのはほんとにいいセンスだと思う。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-04 06:00:13)

303.  ビヨンド・ザ・マット ピューク(げろ)というレスラーが登場した冒頭の時点で、レンタルするビデオを間違えたかと思ったのだが、伝説的スターのテリーやミックらが中心となってからは普通に楽しめた。中でもDDTの開発者であるジェイク・ロバーツのエピソードが強烈。リングに大蛇を持ち込むパフォーマンスをする狂犬みたいなおっさんなのだが、この人の生涯がまた不幸の連続なのだ。そして父親や娘との空虚な家族関係について語った後の、「理想の家族は?」という質問に対するあまりにもナイーブな返答。あれにはさすがに泣いてしまった。あのいかつくて、怖そうな連中の内面に、普通の人と何も変わらないナイーブな感情が隠れているのだ。プロレスに興味はないし、この映画を観る前には彼らのうちの一人として知らなかったのだが、充分に見ごたえのある作品だった。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-03 11:40:45)

304.  スウィングガールズ 女子高生の集団は見た目は可愛い。だが内面は獰猛な獣の群れも同然――とかねがね思っていた。この映画の彼女たちはまさにそんな感じ。  青春ものということで、もっと成長や恋愛にスポットを当てているのかと思ったら、いさぎよくエンターテインメントに徹している。これはこれで悪くない。でも主人公らに次々と降りかかる困難に直接音楽に関係ないものが多く、設定を生かしきれていないと思った。たんなるドタバタの印象が強い。音楽の見せ場も主にラストだけで、中盤にもう一つくらい印象的なシーンがあってもよかったんじゃないだろうか。  DVD特典であるメンバー一人一人のプロフィールが秀逸。脱力系のユーモアに満ちたエピソードの作り方がほとんど神がかり的に上手く、この点前作を超えている。矢口監督には純粋なコメディを手がけてみて欲しいと思った。 この映画で一番好きなのは、偶然川越しに演奏していた二人が相手の出す音に気づき、うれしそうに曲を合わせるシーン。音楽で心が弾んでくるようすが観ていて伝わってきた。  音楽ってこんなに楽しいよ、人生ってこんなに楽しいよ、という明るい作品。気分が落ち込んでいるときに見ればいいかもしれない。[DVD(字幕)] 5点(2006-01-03 07:00:56)(良:1票)

305.  世界残酷物語 まったく対照的な文化を続けて観せるのは面白いです。犬を食べる台湾と犬を人間のように埋葬するアメリカのコントラスト。後者の映像では生きている犬がその墓におしっこをひっかけたりして、「犬からすれば人間が何をやっているのかわからないでしょう」って、すごい皮肉だなあ。人の営みの不思議さ、滑稽さを見せつけます。  ただ、映画としては普通につまらないです。酔っ払いやフラダンスのシーンなど、なんらかの効果を狙ってのことなんでしょうが、それ以前に退屈です。おまけに、全体的に胡散臭すぎる。ドキュメンタリーっぽく撮るならそれはそれでいいけど、あまりそれが上手いとは思えません。しかも少数民族やアジア人をバカにした描写が多すぎ。嘘ならなんでもOKなんでしょうか(「東京温泉」って何だ?)。差別意識ばりばりの胡散臭いものを出し物にする、昔の見世物小屋みたいな映画です。  作中で嘲笑されている芸術家イヴ・クラインは、お気の毒に本作の鑑賞中に心臓発作で亡くなったそうです。ヤコペッティには、撮る対象への侮蔑、差別意識があります。この人に「人間は愚かだ」式の説教をされたくありません。[ビデオ(字幕)] 3点(2006-01-03 06:57:09)(良:1票)

306.  アメリカン・ナイトメア(2000) 興味深いには興味深いが、もう少し掘り下げてほしいところ。これが一時間足らずのテレビ番組であったならそれなりに満足しただろうが、映画としてはいまひとつ物足りない。ホラー好き、あるいは逆にホラー映画を全然観ないという人にはちょっと面白いかも。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-03 06:13:21)

307.  鬼畜大宴会 グロいというよりかは、汚い。登場人物も舞台も、とにかく汚い。70年代の若者の不細工さが妙にリアルで、役者に演技力はないが、とにかく嫌なキャラクターばかりで胸がむかついた。狭い部屋にやり場のないどろどろとした鬱屈が溜まっていく息苦しさはひどく不愉快で、そりゃ学生運動で爆発しなきゃやっていけないだろうなと思わせる。映像にも音楽にも独特のこだわりがあって、なかなかどうして成功しているように思えた。とくに荒んだ空気の表現が非常に上手いのだ。しかし人間が狂気に囚われていく過程としては、さほど真に迫っているとは思えなかった。恐慌へ向かう集団心理のリアルな描写を期待していたのだが、細かな経過はすっ飛ばしていきなり発狂。「へ?」という感じ。これじゃ学生たちにもともと発狂する素質があったとしか説明のしようがない。狂気そのものを描くという意味ではすごいのだが、おかげで少し物足りなかった。もっともこんな題名の映画にドラマを求める方が筋違いなんだろうが……[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-03 05:41:51)(良:1票)

308.  白い家の少女 サスペンスとしてはそんなに面白くはないが、ジョディ・フォスター演ずる幼い殺人者のあまりにも痛ましい姿が印象に残っている。エンディングを聴きながら、誰も彼女の側にいてくれない、この子を守ってくれる人はどこにもいないのだという実感が、きりきりと胸に食い込んでくるのを感じた。こんなにも淋しい、やりきれない結末はなかなかない。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-03 04:20:25)

309.  自殺サークル たぶん「レミングスみたいに人間がぼろぼろ自殺していったら楽しい(!)だろうな」という発想だけで作り始めた映画で、深いテーマは何もない。なにやら小難しい理屈や謎を散りばめているけれど、大失敗に終わっている。せめて余計な謎を省き、冒頭のシーンをクライマックスに持ってきて、後半に向けてエスカレートしていくような展開にすればまだ観られただろう(もっとも、それでも支持するのは一部のコアなホラーファンだけだろうが)。わけのわからない話を作るのは簡単だが、わけがわからない話を作品として成立させるのはものすごく難しい。リンチのような天才以外は安易に手を出してはいけない。後半に至っては失笑に継ぐ失笑。ギャグにしても寒すぎる、哀れな作品だ。[ビデオ(字幕)] 4点(2006-01-03 03:50:56)

310.  キャメロット・ガーデンの少女 《ネタバレ》 少女のキャラクターのせいで素直に楽しめなかった。そもそもトレントが逃げ出す羽目になったのは主人公の少女のせいなのに、少女が助けてめでたしめでたしと言われても…。子どもだから仕方ない、というのが大人の解釈なのだろうが、こんな子は可愛いとは思えない。わざわざトレントを変態と誤解させるような言い方をして追いつめてしまうところは観ていて腹が立った。ちょっと頭が悪すぎるんじゃないの!?[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-03 03:17:47)

311.  モハメド・アリ かけがえのない日々 本作鑑賞後、興奮冷めやらず、酔っ払ってシャドウボクシングしていたことを白状します。【黒猫クロマティ】さんは観終えて疲れたとおっしゃってるんですけど、自分は逆にアリの溢れんばかりのエネルギーを分けてもらったような気がして、元気が出ました。ボクサーとしての強さというか、人間としての強さに魅せられた感じです。彼が残した世界一短い詩が今でも脳裏にこびりついています。誇りのために、自分が自分であるために全力で戦う。その生き様の力強さ、美しさは鮮烈でした。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-03 03:02:19)

312.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか ここまで真っ黒なコメディに抵抗なく笑ってしまった自分の人格を疑った(自分の右手と戦う博士に爆笑)。それはさておき、キューバ危機当時の国防長官のインタビューから構成されたドキュメンタリー映画『フォッグ・オブ・ウォー』をこれと併せて観ると、また興味深い。『13デイズ』ではかっこよく描かれていたケネディらだけど、マクナマラ元国防長官は「核戦争を避けられたのは単に運が良かっただけ」と断言していた。「ケネディもフルシチョフもゲバラもみんな、理性的な人間だった。それなのに、もう少しで核戦争というところまで行ったのだ。理性は、あてにならない」。そう、この映画、実はまったく洒落になってない。このどうしもうもなく狂っていて滑稽な連中は、現実の人間とそう遠くないところにいる。米軍幹部には当然のようにソ連との全面戦争を主張した人物もいたことも思い出す。ここまで強烈かつ秀逸な風刺は、映画であれ小説であれ見たことがない。ラストシーンの核の輝きは、一度観たら絶対に忘れることのできない、人間性に対する最大限の皮肉だ。[ビデオ(字幕)] 10点(2006-01-03 02:42:40)(良:2票)

313.  男と女(1966) いつも脚本を中心に映画を観てしまう方なので、初めはかなり戸惑った。脚本よりも映像が優位にあり、映像以上に音楽が物語を引っ張る。音楽とともに台詞のない場面を積み重ねるモンタージュは普通の作品でも一部では使われるけれど、ほぼ全編にわたってこの調子というのには驚いた。すごいのは、それでも退屈せずに引き込まれること。作りはプロモーションビデオ的なのに、映像感覚や音楽、少ない台詞のひとつひとつが瑞々しくて、心の奥まですうっと浸透していく。白黒とカラーの使い分けやロングショットの多用が美しいと思ったら、予算との兼ね合いで偶発的に生まれたものらしいですね。ううむ、ますますすごい。あとは、役者の力。子供も含め、最大限に魅力が引き出されていると感じた。この映画では、脚本がいちばん下にあるのかも。[DVD(字幕)] 7点(2006-01-03 00:31:02)(良:1票)

314.  セルラー 人物設定が絶妙。敵役はロス市警のブルース・ウィルスっぽい強そうな刑事で、味方は軽い感じのお兄ちゃんと、W・メイシー演ずる勤続26年間人を撃ったことのないムーニー巡査(しかもスパへの転職を考えている)。このムーニーさん、わざわざ倒れた金魚鉢の中の魚を助けるんですよ。こんな可愛い警官初めて見た(笑)。味方が一見頼りないので、最後までずうっとハラハラしてた。  全体的に小味だけど、それが地味じゃなくて切れ味の良さにつながっている。90分足らずにまとめたのが高感度高し。舞台の明るさも手伝ってか、カラッとしてて後味もすごくいい。良質の娯楽作です。[DVD(字幕)] 7点(2006-01-02 07:10:18)(良:1票)

315.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 一市民の視点から宇宙人の侵略を描き、恐怖と混乱に焦点を絞ったSF大作をつくったという点では評価できる。ただ、原作ファンの方には申し訳ないが、このオチは完全に賞味期限が切れていると思う。小さな微生物が強大な存在を倒すという結末に、何かしら意味合いを見出そうとすればできないわけでもないのだろうが、やはり現代の感覚では薄っぺらく感じてしまう。スピルバーグにこれを言うのは酷かもしれないが、本作をパニックホラーとしてとらえたなら、人類の絶滅、あるいはそれを暗示する絶望的な結末にするのが理想的だったと思う(それじゃロメロのゾンビ映画だが)。一人の平凡な父親が、たいした悪人というわけでもない男を殺し、娘がただ耳を塞いで耐えているあの地下室の場面には素晴らしい。あそこまで極限状態に追い込まれた人間の醜さを活写したのだから、いっそ娯楽作のお約束は忘れて問題作にしてほしかった。ラストのナレーションには失笑してしまう。だってさ、天然痘やチフス菌を利用してインディアンを虐殺、侵略した連中がアメリカを作った訳ですよ。説得力ゼロ。やはりアメリカ人には9.11を体験してもなお、侵略される絶望感は想像もできないのでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-02 03:01:58)

316.  キング・コング(2005) 日本でもアメリカでも大コケ寸前らしい、この作品。冒険ファンタジー好きの観客はハリポタに流れ、人間ドラマ好きはCG先行の薄っぺらい作品だと思い込んで無視、おまけにモンスターは一見ただの巨大ゴリラで華がない――劇場に客が入らないのもわからないでもない。でも、声を大にして言いたい。今映画館をがら空きにしておくのは、流星群の降る夜に地面を眺めているのも同然だ。  まず30年代のアメリカをリアルに描いた冒頭から上質で味わい深く、文芸作品が始まってもおかしくないような雰囲気。この時点で単なるモンスター映画ではないことがわかる。 人間描写にも手を抜かず、最初の三分の一で魅力的で個性的な登場人物たちをしっかりと見せる。ナオミ・ワッツ、ジャック・ブラック、エイドリアン・ブロディといったなかなかあくの強いキャストが見事にはまっており、未熟な少年ジミーやナルシスト俳優ブルース(意外といいやつ)といった脇役までキャラが立っている。コングが出てくるまで長いという声もあるが、序盤がなければ十分に感情移入できない。これがあるからこそ中盤の大冒険でおいてけぼりにならず、夢中になることができるのだ。 スカル・アイランドでのアクションは文字通り息継ぐ暇もなく、前代未聞の暴れっぷり、スピルバーグが発狂したのかと思うほどだ(←褒めている)。これが現実だったらナオミ・ワッツは30回ぐらい死んでいる(←やっぱり、褒めている)。おそらくは映画史上もっとも強烈なアクションシーンであり、絶対に劇場で観るべき映像だ。 そしてニューヨークでのクライマックス。中盤あれだけ暴れたからにはラストはもっと…? と思いきや、アクションは控えめに、コングとアンの間に生まれた絆を、クリスマス間近の美しいニューヨークを舞台に描く。公園のシーンは美しく、下手なディズニーよりもずっと感動的だ。最後の決戦は、恐ろしさよりもコングの哀しさ、雄々しさが胸に刺さった。  前/中/後とカラーを変えた構成で、3時間8分の長尺も飽きることがなかった。心を打つドラマと、時を忘れさせるエンターテインメントの両立。ときに雄大で、ときに恐ろしく、ときには美しい物語。モンスター映画の姿を借りた、胸に迫るラブストーリー。あの美しい朝焼けは、今も目に焼きついている。[映画館(字幕)] 10点(2005-12-30 07:21:19)(良:7票)

317.  ナポレオン・ダイナマイト いるいる、こんな人(笑)。普通の青春ドラマでは間違ってもスポットライトの当たることがないオタクくん。でもあえてスポットライトを当ててみたら、意外と面白かったというのがこの映画。口を開きっぱなし、分厚いメガネに天パ、いつも変なTシャツを着用し(やはり裾はジーパンに入りっぱなし)、ここぞというときの服をファッションセンターしまむら(みたいな店)で購入する。いちいち言動がずれている感じが、非常にリアルだ。おそらく身の回りを捜してみれば主人公を髣髴とさせる人物が必ずいるはず。ゆるーい話なのに、ナポレオンの挙動不審ぶりが面白くてついつい夢中になってしまう。どうみても冴えないのに、いつのまにか愛すべきキャラクターとしか思えなくなっているのである。例のダンスシーンは超クール!! 文句なしに最高だった(ある意味本気)。オタクの人生にもそれなりのドラマがあり、それなりの喜びがあるということを教えてくれた。秋葉原系の人たちをバカにするような人間こそ、観るべきかもしれない。 【おまけ】本作最大の欠点は、邦題だろう。流行作品に題名を似せるだけで大して売り上げが増加するのかがまず疑問であり、むしろ一部の映画好きによって語り継がれていくような良作を埋もれさせてしまう危険すらある。変な邦題をつけたり、作品の方向性を歪めて宣伝したりするのは、短期的な視点で見ればいくらかは利益があるのだろうが長期的にはけっして得にならない。何より詐欺まがいの方法を使ってでも小金を掠め取ろうとする姿勢が、あまりにもあさましい。客に対しても作品に対しても、敬意がない。いつから配給会社はけちな詐欺師に成り下がったのだろうか? いい加減にして欲しい。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-29 17:26:26)(良:2票)

318.  アメリカン・ヒストリーX 話自体はたいしたことない。でもとにかくノートンがすごすぎてそれだけで点数が倍増。頭がよく、それでいて狂った人間が放つ独特のカリスマ性は、演技とは思えないくらい怖かった。[映画館(字幕)] 6点(2005-12-29 05:57:19)(良:1票)

319.  太陽がいっぱい これまでこんなに魅力的な犯罪者がいただろうか? アラン・ドロンはただ顔立ちが整っているだけじゃなくて、その眼に野生動物のような凶暴な光がある。その光に惹きつけられて、観ているうちにいつのまにかトムを応援している自分に気づく。あれだけ巧妙な計画が実は最初から破綻していて、すべて無駄だったなんて……。眩しいくらいに明るい日差しと、青年の暗い心。光と闇のコントラストが鮮烈でした。[映画館(字幕)] 9点(2005-12-29 04:47:40)

320.  秘密と嘘 とても地味なお話だと思うのだが、なぜか画面から目が話せなかった。このサイトで特異な演出方法を知って初めて、なぜこの映画があんなにもスリリングに感じたのかがわかったような気がする。この映画は脚本にまったく作り物臭さがなく、「現実ならこうなるかもしれない」というタイミングの悪さ、計算の上ではありえない台詞と演技がある。地味な作品と評価される方も多いが、個人的にはほとんどサスペンス並みに目が離せなかった。  家族を大切に思うのは当然だが、当然シンシアのようにみっともなく、自分勝手な人物もいるわけで、平和な家庭を保つことはまったく簡単ではない。ましてや家族の綻びを秘密や嘘で誤魔化そうなんて甘い話で、一時しのぎはできても、結局は悲惨な断裂を招いてしまう。いくら真実が醜くても、なりふりかまわず立ち向かわなければ、とりかえしのつかないことになる。 それを伝えるために、リー監督はその特異な手法で、現実の一部をそのままえぐりだしたかのような映画を観客の前に突きつける。相手の弱さ、醜さまでも許さなければ、家族は世界で一番大切な人々から、世界で一番憎い人々に転じてしまう。家族を愛することの素晴らしさ、そして難しさを考えさせられた。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-29 04:46:08)

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