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301.  黄昏のチャイナタウン ハードボイルドの話のややこしさにはいつもついていけない者で、二人のジェイクの男と男の(一人の女を挟んでの)心の理解の話らしい。最初、靴の向こうにジェイクがいて、あとで二人とも同じ靴だったり…。ゴルフボールをコップに…。エレベーターが閉まる直前にタバコを…。など演出の洒落っ気はなかなかのもので、モノローグでハードボイルドの匂いが高まる。裁判所の場で銃声のテープが出てくるたびにビクッビクッとする主要人物たち。注目すべき失敗作ってやつですか。映画としてはあまり楽しめなかったが、この新人監督にもう一本撮らせてみたい、って気分は残った。このころリチャード・ファンズワースを立て続けに見ていたと記している。まだ『ストレイト・ストーリー』まで9年ある。[映画館(字幕)] 6点(2013-09-19 09:28:36)

302.  アンボンで何が裁かれたか ジュネーブ条約ってのがそもそも変なものだと思うべきで、それは戦争ってものの「変」につながっている。将校は労役につかせてはいけない、なんて格差にこそ戦争の本質があるんじゃないか。『戦争にかける橋』も、けっこうそこにこだわってたし、欧米人にとっては日本の野蛮のポイントだったらしい。そしてそのしわ寄せが一般兵士に行っちゃう図式。自首してきたクリスチャンの好青年を裁かねばならなくなる不条理。ただ図式がきれいに浮かびすぎたきらいはありました。イケウチのふてぶてしさこそが、あちらの人が見る日本人の典型なんでしょう。やはり切腹は出ちゃいました。怨みつらみを述べずに従容と死についていく、あれも分かりやすい日本人の姿。うねりに欠けた作品だし、分かりやすく簡単に整理しすぎちゃった気もするが、理解しようとする姿勢は認めます。[映画館(字幕)] 6点(2013-09-16 09:20:08)

303.  愛がこわれるとき 《ネタバレ》 だんだんと旦那がパラノイアと分かってくるあたりがいい。いかにも楽しげな新婚生活。服の汚れを謝るのも微笑ましい。と思っていると、タオルの掛け方から缶詰の向きとか、潔癖の過剰さが露わになってくる。嫉妬狂を扱ったブニュエルの『エル』を思い出す。マニアっていいんだな。どうしても旦那のほうに肩入れして見てしまうんだけど「幻想交響曲」を流すってのはつまんなかった。ヒロインが海に消えてからは、視点が代わる。ここらへんからは旦那とヒロインとの知恵比べとなる。男装させたり舞台衣装つけて踊ったり、いささかプロモーションフィルム的でダラケた。愛する妻を見つけた夫が、タオルを揃えたり缶詰を整頓したりしてるとこを想像するとおかしい。何も殺さなくてもいいとおもいません? 愛ゆえの襲撃者は怖い。愛を捧げ尽くした男の物語。[映画館(字幕)] 6点(2013-09-06 09:54:56)

304.  ワールド・アパートメント・ホラー 日本人にとって「外人」は、黒船以来、さらにはマッカーサー以後、まずアメリカの白人によって代表されるんだけど、本作には出てこない。台湾、中国、フィリピン、パキスタン、バングラデシュとアジア人ばかり。しかも彼らに個性を勝手に付けないで、「日本人の目を通して見たアジア人一般」であり続けているところがこの作品の面白さ。まずタテマエとして「アジアは一つ」「隣人と仲良くしなければならない」「日本で苦労している外国の方たちの立場に立って」といった無垢な弱者としてのアジア人像ってのがある。それと同時に(欧米文化はどんどん入ってくるのに)いまだに未知の闇というアジアに対する不気味感もある。どちらも個性を持てない。それを反映した映画世界は、ホラーに近づいていく。住人たちに追い詰められて「日本人は白人なんだ」って言っちゃうとこ、せりふの上からだけ見ればテーマを整理しすぎたと思うが、ちょっとためらって言うし、言って、あれ? 変だな? というニュアンスがあったし、あそこらへん、正直に1991年の日本人だった気がする。クレーンでゆっくり浮遊しながらアパートを見る視点。[映画館(邦画)] 6点(2013-08-29 09:39:03)

305.  ハートに火をつけて 愛は屈折する。一途な愛ってのははたから見ると滑稽になってしまうもので、現代ってのは「はたから見る」時代だから、そういう話が多くなってしまうのか。D・ホッパーが木の陰からドキドキしながらJ・フォスターを見守ってるあたりおかしい。募る愛に苦悶するとサックスがむせび泣く。この湿った音色がかえってカラッとしたギャグになってしまっている。異様にくどく身元調査をさせるの。殺し屋としての執拗さが、そのまま恋する男の執拗さに、質感が同じまま横滑りしてしまった男。C・シーンがあっさり処理されてしまうのも嬉しい。テクノ芸術の現代から、羊のいる開拓時代へさかのぼっていく旅のようでもある。情熱は隠すことが出来ない、ってなセリフがありましたな。なんか公開にあたって揉めてた映画。[映画館(字幕)] 6点(2013-08-27 09:56:45)

306.  虚栄のかがり火 冒頭のB・ウィリスの長回しの印象がどうしても強い。酔いどれてホテルに到着してから会場に行き着くまで。カートに乗ったりエレベーターに乗ったりしつつ、わざと失敗を許されないようなアクションばかり織り込んでいる。お盆を引っくり返したり、ケーキを手づかみで壊して壁に投げつけたり、「長回し」というドキュメントを見ている感じで、これでいいのかな、とか思ってるうちにT・ハンクスの物語に入っていき、やがてウィリスも絡む。検事や黒人宗教家をもっと膨らませ、全体をグツグツ煮立ってる「虚栄の都市」として笑い飛ばせればよかったのに、あんまり笑いが弾けてくれない。デモのふりして自宅に帰ったところのパーティシーンなんかけっこう良かった。猟銃撃っても、みんなただ笑うばかり。判事までは笑い飛ばせなかったところが弱点。「裁く人」になっちゃって、説教しちゃう。B・ウィリスは良かった。どこか一途になりきれない雰囲気があり、人物にゆとりが生まれてる。[映画館(字幕)] 6点(2013-08-03 09:54:19)

307.  グリーン・カード 《ネタバレ》 本当は夫婦でない二人が、出会いから結婚して現在に至るまでの来歴を作っていくあたりがミソ。スキー抱えた写真やら、アフリカとの間で往復した手紙やらを捏造しつつ、その歴史を追体験するように、だんだんその気になっていってしまう。まず多民族の都市ニューヨークをスケッチして始まり、入国管理の非人間性を描いた社会派映画でもあるわけ。ラストもニューヨークに住めぬ二人はフランスで落ち合うことを暗示して、これがオーストラリア人監督の見たアメリカ。自然保護運動を絡めたのはちょっとうるさかった。パーティの席でピアノを弾かねばならなくなったときの切り抜け方が楽しい。二人に愛が生まれるまでの間に、もっと何度も揺り戻しがあっていいんじゃないか。面接室へ走るとき、公園の中のグリーン地帯をたっぷり通過させる趣向。自然を通って、喧嘩した二人も浄化され、愛は蘇るのよ。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-18 09:22:42)

308.  キンダガートン・コップ シュワルツェネッガーが幼稚園の先生をやってるってとこに、面白味の大半がかかってて、面白くなくはないんだけど、だいたい予想の範囲内ってとこね。笛吹いて鍛えてくってのには閉口。そしてリンカーン演説でアメリカ精神を真っ直ぐに謳いあげていく、非常時の娯楽映画って感じで、そういう気分だったのか、当時のアメリカ。犯人が子への愛ゆえってとこが、切ない。というよりも、孫への愛に狂う母親の影響ってとこ。狂えるママって怖い。だいたいほかにも脇の若くない女優陣がよかった。中年以降の女優ってアメリカ映画はうまく使える。邦画はうまく使おうとしない。もったいない。途中幼稚園シーンに、も少し犯人側の動きを入れてもいいんじゃないか。コメディとアクションが、うまく融けあってくれてなかった。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-15 09:37:21)

309.  スターダスト(1991) アイルランドってどこか湿っぽい。イギリスのブラックで乾いたのと手触りが違う。イギリスが人の心をとげとげしく観察するのに対して、人と人との間の空気の感触を大事にするみたい。これなんかぼんやりと心のどこかで主人公が母親かもしれないとうすうす感じてるところがいいんじゃないか。ローズ嬢のロレイン・ビルキントンっての、おそらく主役をやることはないだろうが、覚えといてやろう(そばかすがちらほらしてる文学趣味)。曇った朝に放たれる動物たちのイメージがいい。教会を訪れる象から始まって、うらぶれた幻想味が溢れる。ジミーへの情熱の解放でもあって、さっぱりした感じもある。自嘲と言うと毒々しくなりすぎて、もっと穏やかな気分。こういうのが一番アイルランド的と思っちゃう。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-08 09:18:47)

310.  ドアーズ ヒッピーにサイケの60年代後半。ドアーズってよく知らなくて、“タッチ・ミー”は知ってる、あと“ジ・エンド”を『地獄の黙示録』で知ってるぐらい。あんまりピンと来ないんですが、群衆としての聴衆ってのをポイントに観てた。冒頭、映画学校でのナチの群衆が提示され、当時ベトナム戦争への興奮と、それの裏返しのようなラブ&ピース運動への興奮とがきれいに吊りあってしまっている「興奮する群衆」の気味悪さみたいのがあった。少年時代に目撃したインディアンの交通事故がトラウマになってる。土着の原住民がよそから来た文明に殺されるアメリカの原罪みたいなものが、同じ東洋人顔のベトナム人に通じていく。世界は傷ましさで満ちていて、その傷ましさを拒絶しきろうとして生きていかねばならない現代の傷ましさ、みたいなものがあった。メグ・ライアンは付属品だった。コンサートシーンに気合いがあり、それも駄目になっていくほどいい。[映画館(字幕)] 6点(2013-07-02 09:17:53)

311.  今夜はトーク・ハード 昼はさえない高校生、夜になると地下室からこっそり海賊放送する人気DJ(親にとっては心配なウツのせがれ)。昼はクラーク・ケント、夜はスーパーマン、と当時のノートに記しているが、今ならブロガーだな。ネットの世界でなら万能者。青春像は普遍です。ひとりひとりが電波を通じてかろうじてつながり合おうとしている。DJが彼と分かったときの周囲(クラスメイトや親たち)の反応をちゃんと見たかった。自殺少年への詫びが、次第に抗議の興奮に盛り上がっていくあたりが、まあ眼目。学校の不正はわざわざ要らなかったんじゃないか。C・スレーターはA・パーキンスの道を歩むのではないか、と当時心配している。目つきが危ない、と。[映画館(字幕)] 6点(2013-06-28 09:59:25)

312.  おいしい結婚 平成版秋日和。親子も似せてある。不愉快な人物を登場させず、淡々とゴールインまでを描いていくんだけど、なんなんだろう、このうつろな感じ。『家族ゲーム』ではそこに焦点が当たっていたんだけど、もしかすると監督の作品で感じるうつろさは、意識的なものじゃなくて体質的なものだったのかも。現代のそういううつろさ・手応えのなさを、そのまま反映できるってのも才能の一種ではあろうが。都会の白いオフィスや原色の家具だけでなく、ラストの緑の野にもうつろさがある。南美江のおばあさんが弱かった。あれが重しになれたのかもしれない。おかしかったのは夫を送り出すときに異様に躁状態になる入江若葉。階段を一段ずつ上がりながらの会話。あるいは鍋を囲んでの会話。うまく合わない楽しさ。テーブルの配置も不思議。あとは、競技場での顔合わせのときのせりふの入れ方。[映画館(邦画)] 6点(2013-06-27 10:04:19)

313.  ニュー・ジャック・シティ ほとんどが黒人、脇はイタリアンと東洋系で、ホワイトアングロサクソン、いません。善玉悪玉を人種で分散させるような配慮、いりません。何も黒人が白人やっつけるとこを黒人見たかったわけじゃなく、うちらだけで全部やっちゃうさっぱり感がウケたんでしょう。それで「ドラッグはいけない」という教訓もちゃんとついて、音楽はもちろんラップ。イキのいい映画ってのは、どうしても犯罪ものになってしまうのか。やるかやられるかで命がかかってるし、やたら走るし。冒頭の空撮がいいよ。ラストの青空も意表をついた。でも話はちょっと小粒の印象。[映画館(字幕)] 6点(2013-06-21 09:24:47)

314.  絶叫屋敷へいらっしゃい 《ネタバレ》 金曜日に見るにふさわしい映画で(土日だったらもうちょっと歯応えがほしい)、二日たてばきれいに忘れてしまい、次の週に引きずらない。お化け屋敷もの。落とし穴あり、滑り台あり、迫り来る壁あり、でも庭にジェットコースターがあるのは珍しい。テーブルにおもちゃの汽車がまわる仕掛け。仕掛けのある家の面白さってのは何なんだろう。初めて招かれたよその家に対するある種の緊張を具象化するとこうなるのかな。ブラジル人二人組はなんか中途半端でした。若者グループと警官がピストルを突き付け合うとこ、彼らが老判事を見てワッハッハと笑うとこ、結婚の誓いをもぐもぐと口ごもるとこ、再度乗り込んで警官たちがニッコリ笑って「判事」というとこ、などなど。アメリカは麻薬に対してはほんとに厳しい。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-30 09:47:45)

315.  アンディ・ウォーホル/スーパースター スーパースターってのは、ウォーホルの造語だったそうだ。なんか意味が違ってきてる。今はスターの中のスターって感じだけど、この人のは、スターを超えて、って感じ。ウォーホルのドキュメンタリー映画。この人の表情はヤク中だとばかり思ってたけど、ああいう表情で防御しなければならない立場に自分を追い詰めていった、って感じもある。自分から大衆=マスコミと関係を持ち続け、彼らがそうしてほしがる「微笑」の対極へ対極へ押されて行っちゃった、っていうのか。微笑も駄目だが奇人を装うことも陳腐になってしまう、そういう恐ろしい時代を、彼も加担して作ってしまったのだ。芸術家は奇人を装って大衆から隠れていればよかった、たとえばダリなんかの時代はまだ牧歌的だった。家族とファクトリーの連中とは会わせなかった、っていうとこ、なんか痛ましい。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-28 09:57:55)

316.  トイ・ソルジャー だいたい立て籠もる話はその設定だけで好きになっちゃうんで、『わらの犬』あり『狼たちの午後』あり『ダイハード』ありと、永の年月見てきたもんだが、これはあんまり立て籠もった甲斐がなかった方。ワルモノがコロンビアから逃げ出して来るんだけど、ずっと追跡されててヒョッコリ学園にやってこられるもんかな。あるいはラスト、軍の突入となれば犯人側はまず人質を固めると思うんだけど、外を走り回って死んでっちゃうのがトンマ。そういうのはいいとしても、不純な要素が死んでいって、アメリカの純潔な部分が残るように見え、古めかしいヒロイズム讃歌が聞こえてくる。ま、黒人が残っただけでもヨシとするか。こういうので多いのが、有色人種がしばしば尊い犠牲になってみんなに哀悼されつつ消えていくパターン。それはなかった。内部情報を伝えに外に出た主人公が、軍隊にとどめられるあたりちょっとハラハラした。ああいう仕掛けをもっと欲しかった。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-24 10:37:55)

317.  就職戦線異状なし 情報もの的な青春群像もの、ってことになるのか。バブル期の優雅なリクルートの記録になった(『大学は出たけれど』と二本立てで上映すると昭和平成における学生の就職比較を学ぶ講座になるでしょう)。「なりたいものより、なれるもの」になっていくことより、「なりたいもの」が外部から決定されていくとこに、この時代の問題点があったんでしょうな。若者たちが社会を手玉にとってるようでいて、実は嬉々としてシステムの中に飛び込んでいく、ようなところがあって、こういう方向にはより強固な「社会」が存在する気がして、いささか不安を感じたが、その未来が今になってるわけだ。会話が弾むところは脚本協力の坂元裕二か。本田博太郎の不快感をもっと大きく扱ってもよかった気がする。ラスト近くの「楽園の終わり」の感覚は悪くない。仲間っていいもんだ。でもそれ本来「社会」と拮抗させるべきものなのでは、と思うのは、バブル時代を謳歌しなかった者の僻みか。[映画館(邦画)] 6点(2013-05-23 09:42:02)

318.  ゴッホ 群像ものではなく兄弟もの。困った兄さんをとことん尊敬しぬく弟、で彼も兄と同じようにだんだん閉じていき、妻も追い出し、兄の絵だらけの部屋に閉じこもる。徹底した社会への不信。でもこの病む兄弟に対して弟の妻はやたらに食べて健康。彼女がいたからヴィンセントの絵は残ったんだなあ。弟テオは自分の「家庭」よりも、兄との「家族」に拘束されてしまっていたんだ。芸術の狂気の物語でありつつ、現代の投資としての芸術とどこかで対比させていた。カラスがワッと飛び立つとき、麦畑に隠れて合図を待っていたスタッフたちのことを想像してしまってはいけない。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-18 10:26:07)

319.  ダンス・ウィズ・ウルブズ 白人にとっては輝かしいフロンティアの時代、インディアンにとっては楽園の終わりの恐怖の時代、その向こう側からフロンティアを見てしまった白人の物語。システムから逃げるように果てに行ってしまう。馬と狼のみを友として(ここらへん突っ込めばカフカ的物語になったかもしれない)。でこの馬と狼を奪うのが開拓者側の人間なんだ。ま最後は家族を守るために、ってのが出てくる。これを膨らますと民族的ナショナリズムになってしまう微妙なところ。巨大な社会が小さな共同体を潰していく歴史への悲哀、っていう点で納得しました。ツー・ソックスに象徴されるもの、アメリカが殺してしまったもの。インディアンが白人を殺すシーンに溜飲が下がるアメリカ映画、という特異な作品になった。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-08 10:05:59)

320.  スウィッチ/素敵な彼女? プレイボーイの悪夢、ってあるんでしょうなあ。いつか贖罪のときが来るのではないか、いう恐れ。そういう妄想によってチャラにしてもらおう、てな下心もちょっとあったりして。冒頭、青空に雲、スローテンポで「青春の光と影」が流れ出すと、ある世代は確実に泣ける。男声と女声が対位法的に絡んで。主人公が行方不明と知らされると秘書が喜びのあまり泣き出しちゃうなんて、ほんと被虐的な妄想。プレイボーイが怨みによって女たちに殺されるんだけど、なぜか女としてこの世に送り返されちゃうの。レディーってどうしてもハイヒールはかないといけないのかな、とか。やっぱりそういう結論に落ち着いちゃうのか、という物足りなさはありますな。監督・音楽は『ティファニーで朝食を』のコンビ。[映画館(字幕)] 6点(2013-05-06 09:39:03)

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