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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
301. ミスト 《ネタバレ》 ダラボン初の現代劇で本格的なモンスターホラー。真のモンスターとは人間の中にあると教えてくれる。例として、宗教狂いの中年女性の射殺のくだりはスカッとはしても法的に見たら悪でしかない、大火傷の男のために主人公の取った行動が更に多くの人間を死なせる、最後まで動かなかった方が助かった。「もし、ああしていれば……」というそんな皮肉。モンスターが現実にいなくても、大地震や津波でもケース的にどう判断を下すか応用できるだろう。あの結末は確かに衝撃的であるけど、逆に狙いすぎてあざと過ぎる。あれだけの醜悪さと絶望を見れば心中したくなる理由も分からないわけないが、まだ動機付けとしては弱い気がしてならない。裏を返せば、「何が起こるか分からない、なるようになるしかないさ」という監督の優しさだろう。質としては代表作に匹敵するわけでもないのでこの点数。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-20 22:47:45) 302. マジェスティック(2001) 『ショーシャンクの空に』と『グリーンマイル』が良かった分、凄い肩すかしを喰らってしまった。ダラボン初のオリジナル脚本がイマイチなのか、キャプラ的な人間賛歌が現代では時代遅れだったのか、自分が赤狩りの背景をよく勉強していなかったのか分からないけど、ただただ冗長で捻りもない映画で終わってしまった印象。ジム・キャリーがミスキャストであることも大きいだろう。映画館とDVDで見たのに記憶があまりありませぬ。[映画館(字幕)] 4点(2014-12-20 22:42:35) 303. ハンニバル・ライジング ハリウッドはネタ切れなのか、何でもかんでも前日談がお好きなようで。結局、レクター博士のエピソード0も作られることになり、原作者が脚本を担当するも、信者が描いたような盲信ぶりに若きレクター博士に奥行きが感じられない。人食いになった理由が殺された妹の復讐という、映画史に残る悪役の割にはあまりにもショボすぎて。何故、怪物になったかは触れずに見る人の想像の余地を残すからこそ、そのキャラクターは永遠に輝くと思います。どちらかといえば、ギャスパー・ウリエルの熱演を堪能するアイドル映画として見れば楽しめるかも。これが成長するとアンソニー・ホプキンスになるのか……どう転んでもイメージが結び付きませぬ。[DVD(字幕)] 4点(2014-12-20 22:07:24) 304. レッド・ドラゴン(2002) 原作既読。『ハンニバル』にガッカリした人でも、ある程度満足できる作品ではないか。『羊たち~』の脚本家が担当しているためリスペクトは相当なもので、アンソニー・ホプキンスはもちろん、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズを初めとする演技派俳優の演技合戦が見物。ブレット・ラトナー監督の演出も堅実で安心して見られる。ただ、『羊たち~』のインパクトが凄すぎたせいか、焼き直し感が否めず、ただのサスペンス映画の域に留まっている。冒頭の『これって何の肉?』のくだりとラストシーンが好き。[DVD(字幕)] 6点(2014-12-20 21:59:39) 305. ハンニバル(2001) 《ネタバレ》 原作既読。あの『羊たちの沈黙』の続編ということで期待半分、不安半分。監督がリドリー・スコットだからか、案の定、生理的嫌悪感を煽るグロシーンが際立って、前作のようなある種の"品"がなくなってしまった。冷淡で青みがかったスタイリッシュな映像や冒頭の銃撃戦、フィレンツェの荘厳さを描いた美意識は買いたいが…。なお、原作にはラストのアレを凌ぐ凄惨な腑分け死体があり、監督が監督なので映像化するかと懸念したが、(尺の理由もあって)撮影しなくて懸命。レクターに屈服しなかったクラリスの強さを示した原作とは違うラストは映画版に軍配かな。やはりレクター博士は牢獄にいないと恐くない。でも、これはこれは嫌いではないし、ラスベガス経由で手紙が届き、クラリスが「彼の感性では堪えられない街」と評するシーンにはクスッときた。[DVD(字幕)] 5点(2014-12-20 21:52:48)(良:1票)
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