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3281.  キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ! 《ネタバレ》 頭空っぽのアホ高校生2人組という設定と、国政を動かしたディープ・スロートという取り合わせのギャップこそが面白みを生むはずなのですが、作品の中身はニクソン側とのやりとりで占められていて、記者側との接点はほとんどないじゃん!これではせっかくの設定もおかしさを出すことはできません。高校生の何も考えてないアホな言動がなぜか記者側にとってはすごく役に立っている、みたいな笑いを期待したのですが、その辺が生かされているのはディープ・スロートのネーミングくらいでした。ここぞというところで突然かかり出したイエスの"I've Seen All Good People"に4点。しかも、曲がPart1からPart2に移るところで、同時にシーンも切り替えているのがさりげなく凄い。[DVD(字幕)] 4点(2008-05-12 03:10:36)

3282.  ミラグロ/奇跡の地 《ネタバレ》 邦題と出だしの感じからは、例えばフィールド・オブ・ドリームスのような、いろんな奇跡が起こって不可能と思われた耕作が可能になり、開発計画も追い出されていくみたいなファンタジックな展開を想像していたのですが、全然違いました。実際は最後まで会社側と住民側の焦点のはっきりしない対立がずるずる続き、しかも銃撃やら何やらが頻繁に出てくる割と陰鬱な内容でした。弁護士とか一時滞在の学生とかのもっともらしい登場人物も、全然生かされていません。というわけで、何が表現したくて作られたのかよく分かりませんでした。焼かれるかと思った新聞が風で舞うシーンに4点、ルビーの格好良さに1点。[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-05-12 03:02:05)

3283.  エレファント・マン 非常に特殊な題材を選択していながら、中途半端な感情を入れずに客観的な描写に徹しているのが良い。この作品では、病院側の人物も、来訪者として登場する人物も、主人公を見世物として扱う人物も、その他一般の公衆も、すべてが同一次元において位置づけられており、誰か1人の立場に立つようには作られていない。その上で、限られた時間の中で、様々な立場の人物が表れるように周到に計算されている。これは、見る側にとっての、主人公に接したときに生じる重層化された様々な心理の表現そのものでもある。だから、見た後には、単に話に酔うだけではなく、自分の心の持ち方そのものにまで思いを至らせることができるのである。[DVD(字幕)] 7点(2008-05-11 01:55:50)

3284.  我が道を往く 《ネタバレ》 導入部で若い神父が自然に天然に善行を重ねていく様子には、なかなか素朴で新鮮だと感じたのですが・・・結局、最後までそのまま何となく流れていっただけでした。特段脈絡のないシークエンスが積み重ねられているだけで、映画というよりも道徳の教科書を順々に読んでいった状態に近いような気がしてきます。登場の意義がよく分からない人物も数名いました。[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-05-10 00:59:57)

3285.  チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 何というか、人にものを見せるんだったらもっと真面目に作ってほしい。お馬鹿映画でもそれは同じ。[CS・衛星(字幕)] 2点(2008-05-07 02:15:41)

3286.  ミュリエルの結婚 《ネタバレ》 前半の全員の駄目っぷりがなかなか強力なんです。父親は横暴で見栄っ張りな上に汚職に不倫、母親はそれに対し何も言えない、弟妹は何もせずごろごろしている、知人連中も性格悪いアホばかり。主人公はその現実から逃避するために嘘を塗り重ねる。これはさぞかし最後に主人公が失われた自我を取り戻して爽快に一発決めるのだろうと思っていたら、何と、何も起こらずに、主人公がしたのは再びシドニーに逃避することだけでした。これでは不快感が残るだけです。何よりも、母親の自殺に対して何も回答を出さないというのは、不誠実といわざるをえないのでは。[DVD(字幕)] 4点(2008-05-06 04:59:46)

3287.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 最初の15分間で、下積み時代の孤独な発掘作業をすべて表現している手腕は見事。また、その後も、画面内に余計なものを登場させず、ひたすら荒涼たる平原での地味な発掘をじっくりと見せてくれる。ダニエルの表現力、存在感は、いささかも低下することはなく、150分以上ほとんど出ずっぱりながら、テンションがまったく途切れていない。他方、ポール・ダノは良い俳優だとは思うが、ダニエルとの完全一騎打ちバトルというのはさすがに荷が重かったのではないか。主人公の静かなる狂気に対抗し、これを裏打ちするためには、神父もまた別な方向からの狂気を示していなければならないが、そこまでは遠く到達していなかった。[映画館(字幕)] 6点(2008-05-06 04:43:07)

3288.  ルパン三世 カリオストロの城 アニメ版のルパンに必須の、騒々しさ、賑やかさ、お洒落さ、キザさ、猥雑さ、スピード感、ドライブ感といった要素が根こそぎ取り払われ、毒にも薬にもならないお利口な優等生ルパンに成り下がってしまっている。こんなものはルパンではありません。[CS・衛星(邦画)] 2点(2008-05-05 03:40:06)

3289.  ザ・コミットメンツ 《ネタバレ》 音楽映画として一番まずいのは、アクションを起こすまでの主人公の音楽に対する愛情なり心情が見えないこと。それと、集まった多数のメンバーが担当楽器で特定できるだけで、描き分けがほとんどできていないこと。また、ロックに背を向けてソウルをやろうとしている割には、演奏とかステージのノリはロックそのものなので、あまり説得力もないですよね。あっさりバンドが破綻してしまう素っ気ないラストに4点、控え室で大喧嘩しながら知らん顔でアンコールに応えているシーンが可笑しかったので+1点。[DVD(字幕)] 5点(2008-05-05 03:18:49)

3290.  ダウンタウン物語 《ネタバレ》 全員子役のギャング・ミュージカルという蛮勇は買うとしても、やはり、すみずみまで演技指導が行き届いているとはとてもいい難いので、見ていて心地よいとはいえませんでした。もっと言うと、尺の割にやたら長く感じました。ただし、大人の映画では考えられない滅茶苦茶強引なオチは面白かったので+1点。パイまみれのジョディ・フォスターというのも今となっては貴重?[DVD(字幕)] 5点(2008-05-04 00:21:27)

3291.  ヴェロニカ・ゲリン 《ネタバレ》 このような強靱な意志と前向きな目的のある主人公をケイト・ブランシェットに演じさせれば、それだけでつまらなくなるわけがありません。警察や勤務先で何か言われたときにさっと切り返すときの表情もいいし、撃たれたり殴られたりしたときの弱気オーラの表現も見事です。ただ、93分はいかにも短すぎですね。特に序盤の進行がえらく速く感じます。ケイトももっといろいろ演技したかったのではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-05-03 02:22:20)

3292.  シャーロット・グレイ 《ネタバレ》 フランスでのレジスタンス戦線という素材に着目し、しかもせっかくケイト・ブランシェットの起用に成功したんだったら、女性戦士としての訓練なり闘争の場面を存分に入れて、素材描写の価値を高めることはいくらでも可能だったはず。しかし、この作品では、中途半端にロマンスっぽい雰囲気とか子供とのやりとりとかに浮気しているため、全体の軸が崩れかかってしまっている。終盤の、屋敷内でドイツ軍兵士に銃を突きつけるケイトの表情などはものすごいものがあったので、こういう場面をもっと見たかったと思うのだが。そもそも、レジスタンスを描写の対象としていながら、作戦内容とか指示系統などのディテールにふれていないので、その点からも説得力に欠ける結果となってしまっている。[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-05-02 04:07:50)

3293.  理想の恋人.com 展開のすべてがまるっきりワンパターンというのはまだ許すとしても、登場人物の人間関係とかやりとりとか言動とかがことごとく陳腐かつ凡庸極まりなく、作品として成立しているかどうかすら疑われるレベルです。どこかから引っ張ってきたそれっぽいシーンを最初から最後までつなげただけの作品。ダイアン・レインとキューザックという配役もミスキャスト。[CS・衛星(字幕)] 3点(2008-05-02 03:47:29)

3294.  つぐない 《ネタバレ》 ただ単に良家の姉妹と使用人との三角関係を描いても面白くはないわけで、あえて妹の「偽証」にスポットを当てるのであれば、当然、その失敗をした「後」の妹の心理変化や行動にこそ物語の中核が表れるはずなのですが・・・その辺はほとんどすっ飛ばされて、後半は戦場でのロビーの様子が延々と描写されるだけです。結果、コールドマウンテンの劣化コピーのような、本来の話の出だしとは全然関係ない方向に着地してしまいました。最後のバネッサによる裏返しは多少新鮮でしたが、肝心の物語の核がないため、ただひねっただけのように感じてしまいます。中盤の砂丘での長回しは面白かったので+1点。[映画館(字幕)] 5点(2008-04-30 02:59:07)

3295.  オール・アバウト・マイ・マザー 同じ路線だったら、後発の「ボルベール」の方がはるかに上。この作品の弱点は、登場人物のどこに注目するのか、その焦点が定まっていないこと。周辺人物の事情までをあれもこれも詰め込んでいるのはいいけど、時系列の飛び方も含めて処理が雑すぎで、どこで誰がどう変わったのかがよく分かりません。また、登場人物の日常の「生活感」が感じられないのも、この種のドラマでは大きなマイナスで(この点がボルベールは優れていた)、監督の独善性を感じさせてしまいます。[DVD(字幕)] 5点(2008-04-30 02:57:49)

3296.  トスカーナの休日 出だしのところで大体の方向性が読めてしまうのだが、ほとんどそのまんまで進んでしまうのはまだいいとしても、登場人物たちの陳腐なやりとりは何とかならなかったのか。家を買うときのやりとりにしろ、予定調和的に現れるいい男とのやりとりにしろ、親友という設定らしいサンドラ・オーとのやりとりにしろ、そして主人公が1人でいるときの言動にしても、あまりにも描写が説明的かつ稚拙で、脚本家が机の上で考えただけなのがミエミエです。これでは、トスカーナという新天地での再生とか言われても、リアリティもなければ夢もありません。キアーラ役の女優さんはびっくりするほど可愛らしかったので、そこに4点。[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-04-30 02:56:46)

3297.  ベルエポック(1992) 《ネタバレ》 出だしは何となくシリアスで哲学的な雰囲気を感じさせますが、主人公が偶然出会った老人の家にいつの間にか居着いてしまったり、突然登場する美人四姉妹ともえらくうまくいってしまったりと、一方的に都合の良い展開になってしまうのが笑えます。しかも、誰かがアホだったり邪だったりすることもなく、みんな真面目に大らかに生きている結果としてそうなっているのがよろしい。最初は区別のつきにくい四姉妹も、展開にしたがって個性が明らかになっています。老人以外誰もいなくなったラストの一抹の侘びしさも印象的。[DVD(字幕)] 7点(2008-04-28 00:36:23)

3298.  風の前奏曲 《ネタバレ》 ラナートって観光ついでに見たくらいの印象しかなかったのですが、これほど激しくダイナミックな楽器だったんですね。また、大戦下では国策として伝統芸能が否定されていたなんてことも描写されていて、勉強にもなります。ただし、主人公がラナートの名手であることはよく分かっても、それによってどういう生き方をしたのかというところまでは踏み込まれていないため、伝記映画としては足りない感じがします。功成った後の絶頂期にどういう生活をしていたのかという描写が欲しいところでした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-04-28 00:26:51)

3299.  夜霧のマンハッタン レッドフォードとデブラ・ウィンガーを投入しておいてこんなドタバタ・サスペンス・コメディとは、こんなことが許されていた時代もあったんだね。謎の持っていき方の方向性が次々に変わっているので、サスペンスとしては破綻しています。大体、検事と弁護人が仲良く一つの事件を解決するなんてのがそもそも無茶だよな・・・。そうはいってもやっぱり可愛いデブラに4点。[DVD(字幕)] 4点(2008-04-24 02:52:40)

3300.  デブラ・ウィンガーを探して 日本だったら、「百恵ちゃんを探して」というところでしょうか・・・。まず何よりも、これだけの女優を一作品に会させることのできたロザンナの人脈と熱意に素直に敬意を表したい。しかも、各女優にとっては別に話すことによるプラスがあるわけではない、というよりむしろリスクの方が高いわけですから。インタビューの内容は一見無秩序に見えますが、よく見ると、子育ての話、制作陣との関係の話、演技表現の話など、それなりに整理されていることが分かります。また、どのインタビューも画面上には凝縮した一部分しか表れていないので、きちんと内容を理解するためには、複数回見る必要があるでしょう。あと、さらに贅沢をいえば、メリル・ストリープやゴールディ・ホーン、キム・ベイシンガーなどの話も聞いてみたかったです。[DVD(字幕)] 7点(2008-04-21 02:49:36)

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