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コメント数 644
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ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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321.  時の支配者 ルネ・ラルーの作品はどれも「フランス的」なんだけど、本作はその中で最もフレンチ・コミック的な味わいがありますねえ。テキトーでケバい操縦席とか、アングルによって太極拳マークが浮かび上がるマイクとか、各キャラクターの主義主張が(日本人から見れば)異常にハッキリしてるとか。つまりはゴッホな世界ですね。人間性から哲学・宇宙社会・異星生態系・ストーリーに至るまでケバケバな原色で組みあがってる世界。どこかくすんだ『ファンタスティック・プラネット』や、何となく透明感のある『ガンダーラ』に比べ、どこまで行ってもケバケバ、ケバケバ、ケバケバ…。ラストのオチだって最初に観た時は「ぬおぉぉぅぉぅそんなんありかぁ~っ?」と頭を抱えるコト必至ですが、冷静に考えればフランス芸術が基本的にそうなんだから。これはお国柄としか言いようがないですねー。同じフランスでも、頑固一徹なグリモーの対極にいる、天才肌の原色哲学者ルネ・ラルー(いやま、グリモーも日本人の感覚からすれば十分ケバケバですけど…)。何となく鬼才音楽家エリック・サティの生き方に似てるとも思います。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-06-06 21:07:14)

322.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 《ネタバレ》 5人の仲間の色分けが明確で、なんか戦隊モノみたいですね(イエローは途中ですべっちゃって代替わりしますが)。歴史モノってよりは、ウッズ=レッド、デニーロ=ブラックの確執を描いた壮大な戦隊モノです。ちゃんと(カネ貰ってるけど)弱きを助けてヒーローしてるし。そしてドラマの時間線が、他の映画にはない独特なセンスで組み立てられていてちょっとビックリです。特に最初、BGMだけがジャンプした時は「え? 禁酒法時代に“イエスタデイ”なんてまだないよ?」ってドキリとさせるあたり、憎いぞコノヤロ。家を出たジェニファー・コネリーが群集の中に消えて行き、モブシーンになるかと思わせておいてまた戻ってきたりとか、大作ぶってる割に発想が若いです。新鮮です。レオーネの遺作だなんて信じられない。他にも演出が跳びすぎてる関係で、いろいろ意味不明な部分があったんだけど、今回じっくり鑑賞して細部がようやくわかった次第。なんせテレビ放映された頃にビデオに撮って、早送りで観たつもりになっていたので…いやあ浸れる映画だなあ。時間がたっぷりある時に、葉巻を片手に楽しむ余裕がないとダメそうですね。こういう、雄大なスケールのしっとりした戦隊ヒーローの引退後映画って、東映で作んないかなあ…作んないよなあ…レッド=役所広司、ブラック=岸部一徳あたりで…チョイ妄想気味…。 ●2007/9/29 追記:エンディングについて。いろいろ思い出しつつレビュー読んでみたけど、「全部が主人公の妄想」以外の解はないと断言する。ヌードルスが今やってきた事への悔やみと償いの想いが、あの都合のいい友情物語に昇華し、過去まで美化したのだ(まあ『マルホ』の男版だね)。この苦みは、味わうに値する。人生は、やった事への取り返しはつかないけれど、まだ夢を観れるじゃん?…ってね。[DVD(字幕)] 7点(2005-06-06 05:53:17)《改行有》

323.  ニッケルオデオン 《ネタバレ》 のっけからネタバレで申し訳ない(ずっとずっとずーっと誰かが1番レビューしてくれるのを待ってたんだけどさー)。こないだ『イントレランス』で初めてグリフィス作品に触れたんですが、彼の語り口はどうしても鼻につく部分があって、のめり込めない事がわかりました。原因はおそらく、この映画をずっと先に、リアルタイムで見ていたから(っても日本公開は80年代に入ってからですが)。劇場に2回足を運んで、4回観ました。そこかしこで遊びまくりの画面が楽しい逸品。俳優的には、バート・レイノルズとライアン・オニールという当時のハリウッド2大プレイボーイにドタバタやらせたり、『ペーパームーン』で人気爆発直後のテイタム・オニールに魅力を殺した演技させてる(同じスタッフだから、これは確信犯)のも見どころか。 …さて、サイレントが復権するのは90年代。タランティーノやカウリスマキやベント・ハーメルなんかの異色監督が、この時代の技法を多用して再度市民権を得ます。でもそれまでは、古きよきニッケルオデオン時代の字幕やオーバーアクトや無茶なカット繋ぎは(仏ヌーベルバーグ時代を除いて)ファッション的に、スパイスとして使われただけ。サイレントはなぜそこまで冷遇されたのか…? オイラは映像作家グリフィスが音を欲し、サイレントスタイルを叩き潰したようにしか見えないんです。本作の最後で、『國民の創生』のプレミア上映の帰り道、「俺たちの時代は終わったんだ…」とシンミリ去っていく主人公たち。ボグダノヴィッチ流のペーソスの中に混じって、天才グリフィスへの「シラケ感」が漂って、観客までが映画の新しい時代の到来を全く喜べない心境になります。初期の映画の手作り感覚や一発屋的ショーマン感覚に満ち溢れた怪しげな香具師たちのドタバタは、字幕が復権した今の時代に見返すと、また一層味わいが増しますよ。70年代作品でありながら、極めて今風なテクニックを駆使した本作。内容的には70年代らしくヌルくてキレは悪いけど、今の時代に振り返れば、予見的で、示唆的で、刺激的です。サイレント万歳。[映画館(字幕)] 7点(2005-06-05 22:04:22)《改行有》

324.  合衆国最後の日 《ネタバレ》 全権を掌握していたはずの大統領。その彼が単に役所のトップでしかなかった事を悟った時の衝撃。官の論理を延々と述べ立てて、政府の方針を変える事を拒む長官たち。サイロを占拠し、全てを操るパワーを手に入れながら、それを行使できないテロリスト。まったく救いのない70年代の縮図ですなあ。大統領の死の間際、事の真相を明らかにするよう懇願するが、誰も返事をせずに臨終を看取るエンディングが秀逸でした。真実・国民の審判・正義。そんなモノが意味を持たなくなった現代政治の、言ってみれば愚痴映画です。けれど、ホンキの愚痴には観客を涙させる力がある。泣きましたね。テレビムービーという「視聴者を引っ張り続けるためにダレ場を許さない」特殊な造りが、本作ではプラスに働いていたと思います。●追記:アマゾンで調べたら、TVMじゃなかった…あのいかにもTVっぽい、ちゃっちいオープニングとエンディングは何なんだ…? あと、劇場用だとすると、ちょっとカメラアングル(バストショット)が平板でショボいぞ。加えてあの画面分割は『ハルク』の元ネタでもあるワケですな。[DVD(字幕)] 7点(2005-06-04 23:37:21)

325.  殺意の夏 別にイザベル・アジャーニ作品を全作見たわけじゃないんだけど、本作は彼女のフィルモグラフィー上ダントツの脱衣度を誇るハダカ映画です(全裸ヘアヌードもあり)。アジャーニ、何かというとすぐ脱いでるし。まあこの頃の彼女は他作でもけっこうおっぱい見せてますけどね(ポロリ程度)。とはいいつつ内容的にも気合が入って、人間の暗部に分け入る凄いミステリになってます。見せ方や構成にもトリックが含まれる、いかにもフレンチミステリらしい展開なので、ストーリーに関しては何も語りません。が、点数分の保証はできる良作です。この時代、こういう現代ミステリで2時間を越える大作を取るには、アジャーニの裸は観客動員数を上げるために仕方なかったのかもしれない、と余計な事まで考えてしまいました。その女優魂と度胸に、ごちそうさまです。[DVD(字幕)] 7点(2005-05-17 23:41:49)

326.  魔の家 これは歴史上、極めて珍しい希少品映画だ。以下うんちく。この世にミステリーとSFが生まれる前の事。この世の大衆小説ジャンルはロマンス(恋愛物ではない。『宝島』『岩窟王』なんか)と、ゴシックロマンスに分かれていた。要するに冒険小説か怪奇小説か、である。ロマンスは19世紀末に歴史・戦記・冒険などへと専門ジャンル化していく。他方、ゴシックロマンスが生み出したのはミステリ・SF・ファンタジー・ホラーなど。本作はこの進化する前の原始ゴシックロマンス映画と言ってよく、明確なジャンル意識がない(ホエールの前作『フランケンシュタイン』もそう)。したがって、時々怖いんだか可笑しいんだかよくわからないシーンが出て来て、現代の観客を戸惑わせる。また、表面上語られるよりも明らかに深いドラマが、この家の過去にあったはずなのだが、観客へはいろいろな手がかりを提示するだけで種明かしは行われない。そしてこういう不条理な状況下で自分自身を見つめ直すという、教養小説的な展開まで見せるのである。かくしてホエールは19世紀中期のイギリス小説の風味を映像に移植するのに成功したが、以後このスタイルを真似する映画は出なかったように思う(一部を切り取ってパクったというのはあるが)。知る限り唯一の、正統派ゴシック・ロマンス映画。見るほどに理解が深くなる、スルメ的逸品。[DVD(字幕)] 7点(2005-05-14 17:22:40)(良:1票)

327.  ハード・キャンディ(1999) 禁断のDVDボックス第2弾。買った当初、15分くらいで見るのをやめてお蔵入りしちゃってました。いやだって、誰一人(本当に全ての役者が、誰一人)高校生に見えないんだから。アレですよ。AVビデオでセーラー服着てるのに近いノリですよ。でも刑事役でパム・グリアが出てるのは知ってたんで、ガマンして見てみる事にしたんですが…心の中で叫びましたね! 「うわっ! まっくろ!」って。いいのかハリウッド、高校生向けにこんなん作って! でもこのドス黒さ、日本人的には割と気持ちいい…映像的には『ワイルド・シングス』をちょっとプロム映画風におしゃれーにしてみました、って感じですが、シナリオは『十階のモスキート』並みにどよ~んとした閉塞感が漂いまくり。もっとドロドロした演出で日本映画にしたらウケそうな感じですなあ。お目当てのパム・グリアは撮影日程が短かったのか、キャラは強烈に立ちまくりながらも本筋にはあまり関わらず、って感じです。そもそも別撮りが多すぎるし…まあ客寄せパンダ的扱いですね。でもパンダにつられて見て良かったと思いました。最後になりますが、オイラもあのアメ玉のデカさにはまいりました。あんなん食えねえよ。[DVD(字幕)] 7点(2005-05-08 21:17:35)

328.  薔薇の名前 《ネタバレ》 バスカーヴィル(=コナン・ドイル)対ホルヘ(=ルイス・ボルヘス)という空前の構図を作ったのが当時、画期的でした。しかもクライマックスの舞台が『バベルの図書館』。これは中世版『名探偵登場』ですよ。他にも主要キャラクターは全て文学者が割り当たっているらしいんだけど、一度しか見なかったんでちょっとチェック漏れてますゴメン。ちなみに薀蓄。プラトンやアリストテレスは当時否定されていたわけではなく、「哲学者」と呼ばれ、異教徒の知識人の考えとして神学では研究対象になっていました。修道院の会派にもよるでしょうが、そんなに排他的じゃなかったんじゃないかな。何はともあれ、ロン・パールマンという性格俳優を発掘したのが本作最大の功績だと思ってます。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-29 14:08:06)(良:1票)

329.  フレンチ・コネクション たまにカラオケでクリスタル・キングとかドリカムとかを絶叫したくなる時がある。あんな音程出せるわけないのに。でも、声がかすれて裏返っててもホンキの魂があれば拍手をもらえる。歌ってのは技術じゃないんだ、ソウルなんだよ。音程が外れようがリズムが狂おうが関係ない、歌の本質はそこじゃない…というのを映画に置き換えるとそのまんま本作になるワケですな。最小限の情報しか写さないオープニング(しかも黒バックに白字のみ)。夕方の追跡シーンがいつの間にか昼になってる矛盾。音程外れっぱなしで吼え続けるだけのトランペット。よく見ると尾行過程の不明な、ズサンなカットつなぎ。強引に挿入される狙撃シーン。時々メチャクチャに狂ってるフィルムのカラー。オチたんだかどうだかよくわかんないエンディング…『フレンチ・コネクション』を評価する時に、こんな部分で減点する奴はまずいない。全ての画面が「オレの魂を受け取れーッ!」と叫び続けるこのパワーに、どう気の利いたレビューを加えりゃいい? 蛇口が壊れたように溢れ出る男性ホルモンの洪水に、オイラなんか大人しく溺れるだけだよ。「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」のなれの果てアクション巨編。個人的には続編の方を評価してるんで、この点数で。[地上波(吹替)] 7点(2005-04-27 22:57:21)

330.  ゴースト・オブ・マーズ まーね、映画本体だけなら5点てとこです。カーペンターだからってオマケしません。でもでも! DVD特典の監督&主役コメンタリー、コレが凄すぎ! あらゆる部分に猛烈に突っ込むヘンストリッジ、のらりくらりと話題を変え攻撃をかわしつつも追い詰められて行くカーペンター。苦笑しながら最後まで聞き切ってしまいました。これは、本編の裏に隠された「番外編」です。必聴![DVD(字幕)] 7点(2005-04-24 13:56:21)

331.  シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック 《ある意味ネタバレ》舞台でのマジックショーに様々な特撮を施して「何がなんだかわかんないけどスゴイ」的勢いで押し切ったヤンのデビュー作。上映会があるたびに足を運んで何度も見たんだけど、何年か前DVDが出たときにですね、もう速攻で買ったワケですよ。で、昔から気になっていた本作の豪快な特撮の秘密を解き明かそうと、じ~っくりとコマ送りでチェックしたワケです。「ひぇ~! フィルムに書き足ししてるよ!」「あーコレはフィルムに写った黒子を塗りつぶしたのね」…そう。ヤン爺さんの特撮は、ひとコマひとコマフィルムに絵の具で『描いて』たんです。シーンによっては筆の跡までわかります。この作品、操演している黒子がキレイに消去されてますから、おそらく半分以上のフィルムに手が入っていると思います。コマ撮りの忍耐力だけでもスゴイのに、ポストプロダクションにかけるパワーも尋常じゃないよ。若き魔術師ヤンの贈る、セルアニメとは違った意味での《動くグラフィック・アート》。[映画館(字幕)] 7点(2005-04-22 17:26:32)(良:1票)

332.  ブルーサンダー あにやんさんに激しく激しく激しく同感! 公開時のロングバージョン、見れないんですよねーっ! 記憶ではカーチェイスシーンがもっと、こってりとハードだった気がします(主人公の奥さんの暴走ぶりがスゴイ)。全体の伏線もカッチリと決まっていて、映画館で「うーむ」と腕組みしちゃった記憶あり。あと、何かってーと画面いっぱいにどアップになるカシオの腕時計がカッコ良すぎたっ。以来オイラはカシオの時計しか買わなくなりました。俳優陣では(ロイ・シャイダーはもちろんイケてますが)、「嫌な奴を演らせたらJ・T・ウォルシュに肩を並べる」マクドゥエルたんの怪演が恐ろしいくらいハマってますダ。完全版復刻を切に希望!! 点数は、現行の公開バージョンを評価して。[映画館(字幕)] 7点(2005-04-20 22:52:07)

333.  シャーキーズ・マシーン 《ネタバレ》 なぜかコレ、封切りの時に映画館で見たんだよなあ…ちなみにビデオはバッサリとカットされてるシーンが多くて、燃えなかった記憶があります。助けた超高級娼婦のヒロインと一晩隠れる事になって、寝ないための言い訳が「俺の給料じゃ一晩に千ドルも払えん」(んで、ヒロインまじ泣きでフェードアウト)。若かった当時は、この台詞にメロメロですね。この武骨な男くささと照れ。バート・レイノルズ満載、って感じです。DVD、ノーカット版なら見ようかなあ。[映画館(字幕)] 7点(2005-04-03 01:06:58)

334.  GIRLS★GIRLS 「あげまん」ならぬ「さげチン」なるモノが存在するかもしれない…という、妙な説得力に満ちた映画(いやあ、大マジで、ホントにすごいさげチンぶりでした。笑いっぱなし!)。去年『ロシアン・ブライド』という映画で大失敗(純度100%のポルノだった)したので、前知識なしのタイトル借りにはちょっと抵抗があったんだけど、自分のカンを信じてネットレンタル。今回は成功だったようです。15分でエンディングが読めるのはご愛嬌。観客の予測を先読みして思いっきり迷走する主役三人に「おいおいおい! そーじゃねーよ!」と突っ込みを入れたりヤキモキしたり。「キャラ」と「観客」の間合いの取り方が絶妙で、感情移入できる作品でした。武骨でメカニカルなイメージのあるドイツ映画ってところにも、飽きさせない新鮮さがあったようです。これがアメリカ映画やフランス映画なら「てやんでェこんなん見てられっか~っ!」って…まあ、あのへんの青春セックス映画なんて食傷気味なワケですよ。この作品も難点がないワケじゃないが…主役のインケン、どう見ても高校生じゃないだろ。ま、それがベッド上ではすっごい良い味になるんですが(どーしても感じられないって演技がメチャメチャ可笑しい)。標準的な佳作だと思いますが、私的にチョイとプッシュしたいので、2点UPしときます。 (2007/12/24:サービス期間終了)[DVD(字幕)] 7点(2005-01-28 04:19:53)《改行有》

335.  夜の蝶(1998) 魔法の夜。生命なき物体に命が吹き込まれ、動き始める…短編アニメではよくある題材です。でもこの作品は有名なシュールレアリズム画家、ポール・デルヴォーの油彩をアニメで動かしちゃう所に、尽きない魅力があるんです。夜会服を着た二人の貴婦人。でもその服はちょっと特別で、胸の部分が何もないので乳丸出し(これ、元絵は検索しても名前がわかりませんでした)。彼女達があるきっかけで命を吹き込まれ、油彩の部屋の中でクルクル踊り始める。この効果が無機的かつ、めっちゃ美しいんだけど、デルヴォー的に言えば《魔女の夜宴》という事なんだろうね。屋敷の外は有名な『森の駅』の風景になっていて。列車も走ってやってきます。きっと他にもいろいろ使われてるだろうなあ。以下、マメ知識になりますがデルヴォーは若い頃ジュール・ヴェルヌの大ファンで、中でも『地底旅行』に出てくる丸眼鏡の博物学者・リーデンブロック教授にほれ込んでたそうです…これをラストに結びつけるのは、ちょっと深読みし過ぎかなあ…?[DVD(字幕)] 7点(2005-01-06 01:19:44)

336.  ハーピア 乾いたユーモアの漂う、モンティパイソン風の短編アートアニメ。でも怖いんですコレが。童話みたいな感じで先が読めるドッキリ系なんです。しかもホラーお約束のヒュードロドロなBGM(古すぎ)やドキドキ演出が一切ないから、間合いが測れず「ここで来る!」という身構えが効かない。いきなり出てこられて笑っちゃう系。セルヴェ監督も「観客を怖がらせたかった」と言ってるので、本当にソレだけに徹したアートアニメだと思います。ちなみにハーピアを演じた女優さんは、自分でも怖くて作品を観れないそうです。欧州ならではの漆黒のブラックジョーク。逸品。[DVD(字幕)] 7点(2005-01-05 23:45:20)

337.  二つの霜 民話を元にしたごくごく短い話だけど、ユーモラスな佳品。霜の精(といいつつ、映像的には往年の『おばけのキャスパー』みたいな奴)が薪を運ぶお爺さんを脅かそうとして…まあ世界的によくある民話です。おそらく人形アニメ+セルアニメ(実は切り紙アニメなんだそうです)という手法を使ってみたかったのでこの話を作ったんだと思う。「アメリカ風のアニメーションもやってみたいなー」というトルンカの探究心が垣間見える、楽しい実験作。7点(2004-12-19 21:40:54)

338.  悪魔の水車小屋 『都会の牙』に続き、かんたーたさんエライ! よくぞトルンカ御大を登録してくれました!(←超面倒臭がり) この作品はトルンカ作品の持つ「アニメーションはこうあるべき」という哲学のようなモノがにじみ出ていますよね。前半で「ちゃんとリアリズムもできるんだよ~ん」と丁寧な撮影をしておいて、後半のポルターガイスト魔物バトルでは「でもやっぱり本当にモノを動かすのは観客の想像力なんだよ」とばかり、詩情と怪奇現象を両立させる。記号的・合理的・論理的な画面造りに傾斜していったアメリカのアニメが忘れたものが、トルンカ(と彼のあまたの弟子たち)の映画には普通に息づいています。観客が想像力を尽くして積極的に《観る》という楽しい作業をする事で、彼らの作品は初めて《完成》するのです。7点(2004-12-18 15:55:47)

339.  ケン・ラッセルの 白蛇伝説 おんや、いつの間にか登録されてる…いつも登録しようと思って後回しにしちゃってたんだよなあ。なんせへちょちょさんの仰る通り、思いっきり退きまくる映画ですからねー。でもでもケン・ラッセルといえばコレでしょう(超偏見)! ストーリー展開に従って、画面の構図が「通常モード」と「蛇SMモード」に分かれてるんですが、蛇SMモードに移行した時のパワーがとんでもない! 「はっはっはー俺様の世界によく来たなーッ!」とばかり、監督の脳からほとばしるギトギトの血まみれパンクロックが展開されます。ここだけ、60年代のドラッグ系ムービー+ゴア・ムービーの世界なんです。通常モードがあまりに地味だからギャップの凄さにひっくり返っちゃうんですよね。脳内皇帝ケン・ラッセルがリミッターを外し、事象の地平線までノリノリで突っ走って行く有様は、あの『鉄男』ですら勝てないと思う。『ザ・セル』? 『アイデンティティ』? メじゃないね。比べるなら『ポゼッション』だ(ちょっと違う気はするが)。イッちゃった人の脳内世界を覗いてみたいなら、迷わずこの作品を推します。あ、ストーリーとかアクションには期待しないで頂きたいですが。7点(2004-12-13 23:51:22)(笑:1票)

340.  クイズ・ショウ まず懺悔する。ITバブルの頃はウハウハだった。楽天の社長の給料の半分くらい稼いでた。90年前後のバブル崩壊の反動で、カネを湯水のように使ってた。もちろん欲しいDVDは全部買った。この映画も、そんな中の一枚だ。レッドフォード印だけあって出来はいいけど、たいして面白い話とも思わなかった。…そして、当然のごとくバブルは弾けた。今はレンタルするDVDを選ぶのにも、小銭を数えて慎重に考えてる暮らしだ(貯金しとけとかゆーな! 人間欲望には弱いのだッ!(^^;)。今はステンペルの気持ちが痛いくらいにわかる。アメリカの黄金時代、トリビアな才能で貧乏暮らしを抜け出そうとして、いつの間にか一線を踏み越えてしまった、等身大の男…。世間の「夢」を牛耳る仕組みと、それに人が群がっていく原理、限界を超えてまだ行こうと思う者が手を染める犯罪、そしてその夢のあっけない崩壊。これはヤラセ番組の話には留まらない広範なテーマだ。人間の弱さと、弱い者こそが持っている「夢の力」を描いた寓話だ。ここから自分の姿を引き出せない奴の5割は、いつの日かオイラと同じ穴にハマるですよ。7点(2004-11-16 01:31:08)

071.09%
1162.48%
2223.42%
3324.97%
4456.99%
5558.54%
68413.04%
713420.81%
811417.70%
98913.82%
10467.14%

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