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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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321.  ブレーキ・ダウン アクションというより、むしろサスペンス、ホラーとして観たほうがいい。この映画最大の特徴は、不気味すぎる敵役の造型にある。平凡な家庭を営む善良な一般人のような顔をして、地味な、しかし冷酷な犯罪に手を染める。動機は単純にお金。生活費の足しにでもするつもりか、大それた目的はない。なんというか、淡々と仕事をするように、平然と残酷なことをするのだ。普通の人の仮面を被りつつも、まったく良心というものがない。貴志祐介の『黒い家』を思わせる、異様な犯人像だ。  ストーリーは運のない主人公が犯罪に巻き込まれ、孤立無援の窮地に追い込まれるという一見『ダイハード』的な流れ。だが圧倒的不利をどのように挽回するかという娯楽的な面で孤立を描く『ダイハード』に対し、こちらはひたすら恐怖を煽る。助けはどこにもなく、主人公は刑事でもなんでもないごく平凡な男。いつ殺されてもおかしくない状況下で、針の穴を通すようにぎりぎりで危機を乗り越えていく。おまけにとことん地味で、リアルである。  『ジョーズ』公開の翌年には海水浴客が減ったそうだが、この映画を観た後ではアメリカの片田舎を自動車旅行する気にはなれない。荒れ果てた広大な土地に、だだっ広い道路が一本だけ。助けを求めても誰にも届かないのだ。  アクションの棚ではなくサスペンスの棚にあったならもう少し注目されていたであろう、秀作。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-08 13:53:45)(良:2票)

322.  エターナル・サンシャイン 《ネタバレ》 詩的な映像と音楽がツボにはまり、最期まで夢中になって観ることができた。崩壊していく記憶のなかでの追いかけっこのシーンは美しく、ファンタジックで、それでいて身を引きちぎられるように切ない。幼年時代の記憶に紛れ込んで、ジョエルは「子供の頃に君と出会いたかった」という。愚かしい夢だけど、誰しも似たようなことを考えたことがあるんじゃないだろうか。クレメンタインが昔は自分をブスだと思っていたと話して泣き、ジョエルが抱きしめるシーンも好きだ。氷上に寝っころがった夜、転げて笑いあった雪の日、シーツごしの日差しのなかで抱き合った時間。美しい記憶の結晶が生み出した万華鏡。壊してしまって初めて価値に気づくなんて、ちょっと間抜けが過ぎる。二人で過ごした日々はお互いの心に深く深くくい込んでいて、記憶が消えたときには自分自身の一部をも失っている。失くした破片を捜して最後に再会したことは奇跡のようでいて、ある意味では必然だった。あまりにもきれい過ぎる恋愛物語は鼻につくのが通例だが、ここまで素敵な作品を差し出されては文句は言えない。斬新な脚本と洗練された映像で、『人を愛することの素晴らしさ』という普遍的過ぎてほとんど陳腐になりつつあるテーマを見事に現代的に描いてみせた。素晴らしい手腕に、素直に拍手。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-07 11:26:35)(良:2票)

323.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 最期の選択について。同じ障害を抱えていても強く生きている人はいるんだから、彼女も死ぬべきではない――そう思う人もいるだろう。でもボクシングというスポーツにすべてを賭けていた彼女が全身不随になってしまうことの苦しみ、しかも支えてくれる家族もいないという孤独を思えば、彼女の決断を責めるのはおかしいと思う。そもそも人の心の苦しみはあくまで主観的なもので、他のケースと比較して重い軽いとたやすく言えるものではない。身体障害のない人がどうこう言うべきではないし、たとえ障害があったとしても、苦痛の感じ方は個々人によって異なるのだ。  同じように、この結末に希望を見出せるか否かもまた人によって違う。少なくとも私は、救いのない絶望的な結末だとは思わない。むしろ不幸と断ずることは失礼じゃないかとすら思う。短い間とはいえ栄光を手につかみ、心から信頼できる人物と出会うことのできた人生。生きるために生きるのではなく、ボクサーとしての誇りのために、ほんとうの意味で「生きる」ために死んだ(*)。最後の瞬間、ベッドの上の彼女の笑顔にはまぎれもない幸福があった。重い物語ではあるけれど、一口に不幸とも幸福ともいいきれない、歓びと哀しみの入り混じった物語だ。少なくとも彼女の人生にはかけがえのない生の実感があったではないか。何の価値もない絶望的な人生だったなんて、誰が言えるだろう? 幸福のあり方は人によって違うのだから。この映画には確かに、生きることの美しさがある。イーストウッドの映画は暗い。しかしただただ陰惨なのではなく、光を探すために暗闇を見つめる、そんな映画なのだと思う。 (*念のためにいっておくと、全身不随の生活が「ほんとうの意味で生きていない」と言っているわけではありません。あくまでも「彼女にとって」の話です。文脈からわかると思いますが念のため)[DVD(字幕)] 8点(2005-11-06 12:06:48)(良:1票)

324.  ロード・オブ・ザ・リング - スペシャル・エクステンデッド・エディション - 監督のファンだし、続く二作については文句なく素晴らしいと思うが、残念ながら一作目については手放しに褒めらずにいた――この特別版を観るまでは。  30分増えただけで、まったく別の作品になっている! キャラクターひとりひとりに厚みが増し、通常版では詰め込みすぎに思えた脚本が、長くなって逆に自然で無理のないものとなっている。原作が大長編であるだけに、特別版のほうが本来の出来に近いのだろう。  主人公が弱々しいのでのめり込むのはたやすいし、異世界を舞台とした物語でありながら、登場人物たちの抱く感情は普遍的で理解できるものだ。CGを駆使した迫力満点の映像と、心から感動できる人間ドラマを両立させている映画はなかなかない。遊園地で遊ぶように楽しんで、しっとりした小説を読むように泣くことができる。とても贅沢な作品だ。  ところで、通常版を鑑賞したときは「ドワーフのギムルはだんだんお笑い専門になってきて可哀そうだなあ」と思っていた。しかし特別版を観て、最初から最後までお笑い専門だったことを知った。思ってたよりずっととぼけた、愛すべきキャラクターだったんだなあ。[DVD(字幕)] 10点(2005-11-04 16:30:11)(笑:2票)

325.  エクソシスト 本当に恐ろしいものとはなんなのだろうか。たくさんのホラー映画を観てきたが、いまだにそのことについて考える。  病院でリーガンが検査のために血を抜かれ、機械に挟まれる場面は直接悪魔は関係していないのに、辛く恐ろしい。苦しそうな娘をなすすべもなく見つめる母親は一体どんな気持ちなのだろう? 彼女の視点で見ていると、グロテスクな映像もまた見る目が変わってくる。もしあれが、自分の娘だったら?(若い自分には想像の範囲内でしかないが)  悪魔と対決する神父は、同時に心に抱える罪の意識と闘うことになる。嫌がる母親を病院に収容させ、看取ることもできずに寂しい最期を迎えさせてしまった過去と向き合う。彼もまた、大切な人が苦しんでいるときに何もできない辛さを知っている。  だからこそ、神父は心が折れそうになったとき、母親の「娘は死ぬの?」という言葉を聞いて立ち上がることができた。そしてためらわずに命をも捨てた。悪魔なんかよりも、愛する人の死のほうが遥かに恐ろしいと知っていたから。  恐怖とは大切なものの喪失から生まれる感情だ。その大切なものとは自分の命であったり、あるいは他人の命だったりする。もし後者を題材としたなら、それは恐怖の物語であると同時に愛の物語でもある。  ホラーにしては気品がある美しい映像で、内容もまた単なるショッカーではない深みのあるドラマとなっている。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-03 12:09:25)(良:4票)

326.  キング・コング(1933) けっこう、怖い。原住民を踏みつけて、煙草の火を消すようにぐりぐりと潰したり、高層ビルで捕まえた女性を、間違いだと気づくや平然と放り投げたり……怪獣としては小さめだけに、人間の死に様もしっかり描写されている。列車を潰す前にわざわざ乗客の姿を映すなんて、今の怪獣映画ではやらないと思う。怖がらせる演出が巧みなのだ。  また、特筆すべきはコングの表情の豊かさ。手についた美女の臭いを嗅いだり、不思議そうに美女の服を脱がせたり、ヒロインに対する場面ではとくに繊細な動きを見せる。銃で撃たれて「あれ?」という表情で傷口を見る演出の上手さには唸った。表情や仕草の細やかな変化ゆえに、下手なCG映画よりも遥かに「生き物っぽい」のである。チープな特撮なのに、「生きている」モンスターという感じがする。この辺がオブライエンが現在においてもリスペクトされている由縁なのだろう。[DVD(字幕)] 7点(2005-11-01 13:22:20)

327.  12人の優しい日本人 根本的なところに疑問がわいてくる。陪審員が推理して有罪だ無罪だと騒いでいるが、状況証拠しか存在しない以上、最初から推定無罪であることはわかりきっている。有罪を主張する陪審員の推理は、すべて偶然で片付けることもできるようないい加減なもので、あれで人の有罪無罪を決められたらたまったもんじゃない。被告や被害者がいちいち合理的に行動したとは限らないし、物理的な証拠はゼロにひとしい状況ならなんとでも「推理」できる。ピザの大きさで殺意の有無を測れると?  陪審制度の危うさに警鐘を鳴らす意図があるとしたら、大成功を収めているといえるだろう。ハッピーエンドを迎えてしまう本家よりもずっと。  パロディをやる以上、ある意味では本家を超えるネタがないと単なる退屈な二番煎じになってしまう。どんでん返しの数で本家を上回り、テーマ自体も対照的なところにあるこの作品はパロディとしては最も秀逸な部類に入るのではないか。  ただし、時代もあってか、別に笑えない。ところどころ面白い場面もあったが、とてもコメディとして優れているとは言えないのが難点だ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-11-01 09:01:41)

328.  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 登場人物は個性的で魅力的だが、どっぷり感情移入できる人物は少なく、おまけに目まぐるしく展開するので物語が散漫。キャラは奇抜な割りに話は平坦で、大きなドラマはない。細部にこだわる前に、素直に楽しめる脚本を考えるべきだったのでは? 『ガープの世界』『ホテル・ニューハンプシャー』のようなアーヴィング作品を思い出したが、何か違う。最後に車が突っ込んできて犬が死ぬエピソードはいかにもアーヴィング的だが、アーヴィングは犬が死んだ直後に新しい犬を連れてくるなんていう無神経な話は絶対に書かない。たとえ寓話的な雰囲気でも、登場人物の心情をしっかりと描いて、血の通った存在にしなければ心を動かされることなどありえないだろう。自殺未遂のエピソードにすら痛々しさを滲ませることができないというのは致命的な欠点だ。この映画で人間として厚みを持って感じられたのはせいぜいロイヤル・テネンバウムス一人か。 長男親子の魅力に免じて、6点。[DVD(字幕)] 6点(2005-10-29 11:51:05)

329.  運動靴と赤い金魚 テレビ番組「はじめてのおつかい」を髣髴とさせる、子供の可愛さ全開の作品。兄のえなりかずきを思わせる老け顔が気になったが、あまりの情けなさに可愛く見えてくるから不思議だ。妹も文句なしに可愛らしい。「天使のような子供たち」という原題にあざとさを感じずにはいられないが、わかっていても監督の術中にはまってしまう。DVD特典の採用秘話は必見。  ラストでは金魚がお兄ちゃんの頑張りを称えてくれたということかな? けっしてカバの背中をつつく鳥みたいに、寄生虫をエサにしているわけではないよね? あと、親父、お前はもっと頑張れ。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-28 04:10:05)

330.  インファナル・アフェア 無間序曲 《ネタバレ》 悪党であるはずの人間がほんの一瞬だけ垣間見せる人間らしさ、あるいは善良であるはずの人間が魔が差したばかりに犯す取り返しのつかない罪。善と悪、どちらに転んでもおかしくない人間の性が上手に描き出されている。とくに死の間際のハウの表情には心を動かされずに入られなかった。心から信頼していた弟の裏切りに気づいた瞬間、彼の胸にはどんな思いが去来したのだろう?  ただし、サムについては役者の選出に失敗しているように思える。深刻なシーンでも、いまいち役者がブサイクすぎるというか、犯罪組織の頭が持ってしかるべき迫力というものがなく、入り込めない。  ハウが四人を組織に引き込むシーンや、四人を粛清するシーンには迫力があった。後者はあきらかに『ゴッドファーザー』に似ているが、それでもなお魅せる。映像のセンスが現代的で洗練されている。  しかし疑問が一つ。サムによって兄を追い詰められたヤンが、どうしてサムの仲間になれて、しかも後々絶大な信頼を得るようになったんだろうか。ハウの遺骸に泣いてすがっていた男を、ハウの一族を皆殺しにしたサムが信じるか? 復讐されてもおかしくないんだから殺しておくのが当然では?[DVD(字幕)] 8点(2005-10-26 00:06:24)

331.  ヴァン・ヘルシング 最初から遊園地のアトラクションを楽しむつもりで観たので、何の不満もない。話の整合性がないのも許せる。お行儀よくまとめるよりも、とにかくやりたいこと全部やってしまう、子供のような大胆さがいい(皮肉でなく)。CGとアクション先行のイベント系作品のなかでも、ソマーズほど徹底的にふざけて、遊んで、冒険してくれるバカ(悪口でなく)は逆に貴重だ。必ず、いくらなんでもやりすぎというくらいにやってくれる。  ターザン的空中ブランコシーンが山ほどあって、しかも毎回それなりにひねっているけど、よっぽどああいうアクションが好きなのだろうか? でも冒頭の対ハイドの場面がいちばん好きだな。あと、ヘルシングといいヒロインといい、君たちの肋骨は鋼でできてるんですか? ゴムまりみたいに弾んでましたけど。  ラストシーン、批判も多いけど案外好き。ヒロインが途中で言っていた2、3の意味ありげな台詞の意味が一気に氷解するんだよね。不覚にも、ちょっぴり泣きそうに。これで泣いたらマジで不覚なので、我慢したが。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-19 02:24:18)

332.  シン・シティ 『パルプ・フィクション』への最高にクールなオマージュ。これほどの敬意をもらって、タランティーノも幸せだろう。  想像を絶する暴力と、その奥底に流れる温かな情愛。原作はコミックだし、単純に面白いのも確かだが、暴力のカタルシスの裏には常に悲しみが潜んでいて、浅いドラマには終わっていない。敵役だけじゃなく、ヒーローも皆罪を犯している。善を成すためには悪を為すしかなく、罪を償うためには罪を犯すしかない、という運命が苦い。  この街で頼りになるのは力だけ。だけど力の影にはときおり優しさが見え隠れし、暗闇に支配されたこの街が、ときおり途方もなく美しい瞬間を見せることに気づく。ときには交叉しながら繰り広げられる三人の物語が重層的に「罪の街」を浮かび上がらせ、この荒唐無稽な世界がいつのまにかリアルになる。それと気づかぬうちにこの冷え冷えとした世界に魅き込まれ、観る者はいつのまにか「罪の街」の住人になっている。目を逸らしたいのに、いつまでも見ていたい、残酷で美しい街。  グロテスクな映像が苦手じゃなければ、お奨めします。[映画館(字幕)] 9点(2005-10-16 04:16:59)(良:1票)

333.  ニューオーリンズ・トライアル 血なまぐさいシーンがほとんどないのに、こんなにもスリリングな映画ができる。暴力によるこけおどしではなく、知性と知性がぶつかる頭脳戦の迫力が素晴らしい。陪審員制度という切り口も新鮮で引き込まれた。  また役者もいい。とくに敵役が魅力的だと話が引き締まるものだが、ジーン・ハックマン演ずるフィンチの存在感は際立っている。シャーロック・ホームズもどきの登場シーンからずっと、彼が登場するたびに画面にかじりついた。悪党でありながら、その鋭い知性としたたかさには舌を巻いた。  けっしてリアリティのある展開とはいえないものの、馬鹿らしくならない程度にうまくバランスがとれていて、ラストは爽快。非常に良質のエンターテイメントとなっている。[DVD(字幕)] 8点(2005-10-12 14:00:44)

334.  オールド・ボーイ(2003) クライマックスでの主人公の懇願、あれだけでも観てよかったと思える。格闘シーンもよかった。イメージ・トレーニングだけで暴力のプロ数十人を倒せる不自然さをさしひいても。 ただ、カンヌの割には深みがないような気がした。どちらかというと娯楽映画だ。別に悪くはないが、予想と違ったのでちょっと驚いた。さすがタランティーノのチョイスだけある。 大富豪じゃなきゃできないような復讐計画であるという時点でリアリティもへったくれもない。でも、監督も俳優も上手いので、楽しめた。でたらめな脚本にもかかわらず、強引に観客を引っ張りこむ手腕には本当に感心した。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-07 01:31:13)

335.  千と千尋の神隠し 《ネタバレ》 酷評が多いですけど、普通に面白かったです。みなさんジブリには期待してるんでしょうね。私は何の期待もせずに観たので。 確かにストーリーには「?」も多く、もう少しなんとかなったんじゃないかなとは思います。でも映像や世界観はとても楽しい。人外の連中がキモかわいくて、観てるだけで満足。 落下しながら泣いて、上に涙の粒が飛んでいくシーンもよかった。そこまでのめりこんでいたつもりはないけど、あれには少々胸を動かされました。自分のためじゃなく人のために、それも悲しみからじゃなく嬉しさから流れる涙って、見てて気持ちいい。前半の涙とは真逆です(方向が逆なのは偶然でしょうが)。助けられる側から助ける側に、自分のためじゃなく他人のために泣ける人に。あの場面でちひろの成長ぶりがわかった気がしました。[DVD(字幕)] 7点(2005-10-06 19:57:35)

336.  ゴジラVSビオランテ タイトルバックのダサさから引いた。音楽もダサくて引いた。スーパーX2というネーミングにも引いた。外国人俳優の演技力にも引いた。超能力少女にも引いた。大空に浮ぶ少女の顔にも引いた。あらゆるセンスの賞味期限が切れている。 オープニングの銃撃戦からあまりにもしょぼいので嫌な予感がしたが、全体的に突っ込みどころが多くて疲れる映画だった。面白い場面もないわけじゃない。自衛隊の動き方がリアルで、ゴジラの口に向けて普通の人間が引き金を引くシーンはかなりかっこよかった。高嶋の弟さんの役柄もかっこいい。でも欠点が多すぎてやっぱり高い点はつけられない。 怪獣ものとしては傑作というのが一般的な評価のようだけど、とても信じられなかった。[DVD(字幕)] 5点(2005-10-06 06:26:13)

337.  ベルヴィル・ランデブー あまりにデフォルメが効いて、もはや人間以外の領域に……! 自転車選手の孫のふくらはぎがあまりにもむきむきで笑った。触ってみたいな~と思っていたらおばあちゃんがいろいろな道具で揉む揉む。笑った。 でもストーリーは地味で子供向け。絵柄はともかく、脚本は退屈だった。おばあちゃんと男しか出てこず、若い女性が出てきても可愛さのかけらもないので、色気ゼロ。地味な印象。 高い塔が並んだ都市の映像も面白かったが、「美しい」映像とはちょっと違っていて、あんまり好みでもなかった。悪くはないが、いま一歩満足がいかない。[DVD(字幕)] 6点(2005-10-06 00:53:45)

338.  エイリアン エイリアンの造型、設定はもはやひとつの芸術で、これについてはもはや何も言うことがない。あの異形の、しかし魅力的な怪物は映画ファンの記憶にいつまでも留まり続けるだろう。  ストーリーはホラーの常套を踏んでいるようで、『ブレードランナー』のようなハードボイルド的な渋い演出が多い。登場人物が一人ずつ死んでいくのは確かだが、いたずらに派手な死に方をさせるのではなく、静かに、非情に殺されていく。息が詰まるような暗闇の閉塞感のなか、たった一人で怪物と向き合わなければならないあの緊張感には吐き気すら覚えた。  音楽と音響の使い方がまた超一流。怖い場面で派手で陳腐な音楽を流したりはしない。個性的でなおかつ映像とマッチする音楽もすごいが、ここぞという場面ではむしろ沈黙が神経に響く。呼吸、衣擦れ、機械の作動音、エアロックから漏れる空気の音、時計が秒を刻む音――普段はなんでもない音が大きく感じられ、神経は今にもぷちんと切れてしまいそうなほどに張り詰める。自分の心臓の音さえ聞こえてきそうな気がした。  ところで、エイリアンのデザインなど、性的な要素が盛り込まれていることも興味深い。かの『エクソシスト』が、ロウソクの燭台の影を男性器に似せたりして人間の潜在意識に強く訴えるようなイメージで恐怖を促したというが、こちらの方がずっとあからさまである。[DVD(字幕)] 9点(2005-10-05 17:12:13)(良:3票) 《改行有》

339.  キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 有名監督が絶賛する価値があるのかな? 「イーサンはホラー映画の未来だ」だそうだけど、目新しいものはなくむしろ「過去」を観ているような気がする。理解不足のためか、面白さがよくわからなかった。後半の展開はまったく予想がつかないが、むちゃくちゃ過ぎて怖くない。  別に陸の孤島というわけでもないのに、都合のいい偶然の連続で逃げられない。どれだけ不運なのか。それに、あの店の連中は一体なんなの? 平気で死体を焼く警察といい、この地方の連中みんなおかしいよ。あの伝染病は風土病かなにかで、彼らはもう慣れてるんだろうか? 主役の突然の冷徹さも意味不明。残るは疑問ばかり。 そしてこの残酷さと牧歌的な雰囲気を併せる結末、古典ホラー『2000人の狂人』からそのまんま引用している。観た人の3%ぐらいにしか伝わらない上に、笑いにもならないパロディはパクリも同然。そもそも元ネタの方が断然怖かったし、なにがしたかったんだ? ホラーにはそれなりに詳しいつもりだが、こういうマニアの内輪受けを狙った狡すからいネタは好きじゃない。[DVD(字幕)] 5点(2005-10-04 22:49:29)《改行有》

340.  駅馬車(1939) 登場人物全員のキャラクターがたっているのは確かだけど、どうにもドラマのバランスが悪い。医者の活躍と博打うちの死は胸にじんと来るものがあったのに、肝心のジョン・ウェインがよくわからない。「家族を殺された」とありがちな説明をさらっとされただけで、復讐にいたる心の動きは省略。結局リンゴがどんなやつで何を考えて生きているのかよくわからなかった。娼婦のダラスとの恋も、あまりにも急な展開で強引すぎる(そんな衝動的にプロポーズしたら、絶対離婚するって!)。脇役の存在感はいいのに、肝心の主役二人の掘り下げがおざなりに過ぎる。  インディアンの襲撃シーンは、弱すぎる敵がぱたぱたと死んでいく様子がシューティングゲームのよう。馬から馬へ飛び移るところ以外はたいしたことない。せめてご婦人方は窓から顔を出さずに床に伏せるべきでは? インディアンはなぜ馬を狙わないのかな?  歴史的な価値は知らないが、娯楽としても人間ドラマとしてもたいしたレベルとは思えなかった。 ただ、西部荒野の雄大な光景には感動したが。[DVD(字幕)] 6点(2005-10-02 01:59:36)(良:1票)

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