みんなのシネマレビュー |
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321. ヒストリー・オブ・バイオレンス 《ネタバレ》 観ていて辛い映画だ。 少なくとも3連休最終日に観る映画では無かった。 皆、物語の展開上ヴィゴ・モーテンセン演じる主人公を悲劇のヒーロー的に思いがちだが勘違いしてはいけない。 彼は過去の所業をいっさい清算する事無く、一方的に抜けだしてきた「酷い奴」なのだ。 悪事一家には一家なりのルールが有る筈で、それを無視して行方をくらました奴に制裁を加えようとするのは有る意味当然だ。 過去を一切隠されて、良い人と思い結婚した奥さんも気の毒でしかない。 家族を取り巻く人々も事の顛末を知らされたら皆騙されたと思うだろう。 それが極普通の対応だと思う。 本作で唯一カタルシスを感じた息子のいじめっ子撃退シーンも、観終えてから冷静に思い返すと暴力の連鎖・血は争えない事を如実に物語っているだけ。 因果応報なのだが「高校生が暴力で病院送りにされる」のは、普通に考えて只事では無い。 ここで観客にカタルシスを感じさせ、後でどうにも嫌な思いをさせる語り口はとてもクローネンバーグらしいと思った。 さて、この家族のその後はどうなるのだろう。 父と息子、母と娘の組み合わせで別居するのが自然な展開の様な気がする。 そして、フィラデルフィアを牛耳っていた悪党を全滅させた主人公に平穏な日々が訪れる筈が無く、 程なくして離れて暮らす母と娘が危機に巻き込まれ、父と息子が勇躍救出に向かうのでは無いか・・・ って私は何を勝手に続編を期待しているのだろうか。この展開じゃ72時間と大して変わらないし(爆)[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-17 13:09:05)(良:2票) 《改行有》 322. 雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 《ネタバレ》 誓って狙っている訳では無いのですが、またもや一番乗りです。 この場をお借りして登録頂いた方に御礼を申し上げます。 そっけない原題に対し、狙い過ぎとも取れる意味深な邦題。 「一体どんな映画なのか?」と興味を抱かせる点では大成功。 この邦題がなければWOWOWの番組表を見ても鑑賞する気にはならなかった筈。 内容は何不自由の無い生活をしていた主人公が、突然の交通事故で妻を亡くす所から始まる。 周囲の心配をよそに平静を保っている主人公。 でも妻の居ない日々を過ごす中で、自分を取り囲む全てにに違和感(と取り敢えず表現しておく)を感じ始め、 それが周りの全てを壊す行動に繋がり、そこからもたらされる主人公の新しい人生の日々が描かれている。 文章にすると至極つまらない(私の文才が無いせいだが)。 だが、観始めると何故か飽きずに見続けてしまう。 これも「アメリカの良心」とも言われる俳優、ジェイク・ギレンホールの演技力と佇まいの成せる業か。 捉えどころの少ない作品ながら、さりげなくも未来を明るく照らすかの様なラストシーンに胸が熱くなった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-17 12:49:49)(良:1票) 《改行有》 323. エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 劇場で観なくて良かった。 壮大なる予算無駄遣いの典型例。 前作で不評だった点に関する情報は製作陣も少なからず知っている筈だが、 それらを敢えて無視しているとしか思えない程に相変わらず展開は支離滅裂だし、 登場人物は前作に輪を掛けて馬鹿ばかり。 SF映画なのだから観る側も作品に対して寛大になるべきかも知れないが、 本作は世界屈指の映画製作会社が小国の国家予算並みの費用を掛けて製作しているのだから、 私はそこまで寛大にはなれない。社会的責任を全うしろと声を大にして言いたい。 リドリー・スコットは自らの晩節を汚しまくっている事に気が付いていないのだろうか? 例えは悪いが、貴方はブラッカイマーでは無いのだ。 トランスフォーマーと同じ様な作品を垂れ流していて良いのか? 第1作目がフロックでは無かった事を証明するかの様な作品には、 もう出逢えないのだろうか?[CS・衛星(字幕)] 1点(2018-07-16 14:03:23)《改行有》 324. ルームロンダリング 《ネタバレ》 おっと、一番乗りですか。 鑑賞のきっかけは池田エライザ目当て。 「みんな、エスパーだよ!」鑑賞以来、絶世の美女とまでは行かないものの、独得の雰囲気が妙に気になり注目していた女優さん。 物語は1996年公開のマイケル・J・フォックス主演、「さまよう魂たち」を和風に緩く解釈した様なジャンル。 幽霊が見える家系の血を引く主人公、御子(みこ)の少々(かなり?)変わった日常を描いています。 この手の作品は、主要人物のキャラ立ちがしっかりしていないと観るに堪えない作品になりがちですが、 本作の場合は主演の池田エライザ(色々な表情が観られます)を脇で固める俳優陣のお陰で、最後までしっかり観られます。 尚、物語冒頭に控えめなサービスショットはあるものの、池田エライザのビジュアル「のみ」目当ての男性諸氏には物足りない作品です。[映画館(邦画)] 7点(2018-07-08 22:53:26)《改行有》 325. ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 巷の評判が悪い理由は明白。 「短いインターバルで作品を作り過ぎ」だから。 初期3部作(4-6)のインターバルは3年、この位の間隔で本作が公開されていたら皆さん大喜びだったんじゃないかと。 そう、悪いのは全部ディズニーであり作品には何の罪も無い。 本作の評価を受けて製作方針を変えたとの話も聞くので、エピソード9や次のスピンオフ(オビワン主役!拍手!!)はもっと期待出来るかと。 いっその事、エピソード9はエピソード8の内容も勘案して2025年位の公開で丁度良いのでは? (そうすれば反乱軍が人員増強してても納得) 翻って本作、盗賊団のボスの馬を盗むかの如く、ランドスピーダーを盗む冒頭の描写から始って拳銃よろしくブラスターで結着を付ける決闘シーン等々、 西部劇臭がプンプンで私は終始ニヤニヤしてました。 各キャラも雰囲気が合っていてすんなり受け止められたし、夏休みに観る娯楽作としては充分以上に面白いと思いますよ。 [映画館(字幕)] 9点(2018-07-05 13:08:43)《改行有》 326. LUCY ルーシー 《ネタバレ》 予想通りかなり個性的な映画。 スカヨハのキャラが無ければ成立しない映画。 肉体の呪縛を解かれ精神だけの存在になる...って、まんまGhost In The Shell。 この数年後に本家本元を演じるとは、ご本人も夢には思っていなかった筈。 スカヨハさんはこの手のサイバー系は嵌り役ですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-05 12:57:11)《改行有》 327. ジーサンズ はじめての強盗 《ネタバレ》 これはお伽話として観るべき映画ですね。 クリストファー・ロイドが良い味出してます。 あと、放題のセンスが悪過ぎます。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-06-24 12:56:51)《改行有》 328. 女と男の観覧車 《ネタバレ》 良質な舞台演劇を観ている様でした。 ケイト・ウィンスレットは相変わらず綺麗で盤石の演技。 特に後半から終幕に掛けての神経衰弱ギリギリの演技は観ていて辛くなる程。 掘り出し物は旦那役のジム・ベルーシ。 人の良さそうな、それでいてうだつの上がらない疲れた中年オヤジを、 巻き舌の印象的な台詞回しで巧く演じており、彼を見直した次第です。[映画館(字幕)] 7点(2018-06-24 12:50:02)《改行有》 329. テクノポリス21C 《ネタバレ》 な、な、な、懐かしぃ〜!! 夏休みの早朝、新宿まで劇場限定公開を観に行ったのが36年前とは… 私も歳です。 本作のブルーレイ&テクロイド・ブレーダーの発売は全く持って想定外でした。 低予算作品なので随所に作画の粗はあるものの、楽しく再鑑賞させて頂きました。 ブレーダーのデザインは今でも極めて秀逸です。 CGを駆使したOVAでの新エピソード発表なんて、夢物語でしょうか? ビバ、スタジオぬえ!![映画館(邦画)] 7点(2018-06-07 00:49:15)《改行有》 330. OVER DRIVE(2018) 《ネタバレ》 良作だと思います。 邦画+モータースポーツ物と言う、とかくトホホな展開になりがちなオーラ全開のイメージでしたが、 モータースポーツ好きの一人として観に行く事は責務と思い、不安一杯で劇場に赴きました。 結果としては心配は杞憂に終わりました。 青臭い演出が少々鼻に付く事と、ヒロインが私好みでは無かった事がマイナス要因ですが、 コンマ1秒の世界に鎬を削るモータースポーツの世界を上手く・楽しく・若干荒唐無稽に表現出来ていたと思います。 それにしても、本作で開催されていた様な内容のチャンピオンシップが本当に開催されていたら楽しいでしょうね〜。 飛騨高山の風光明媚な光景の中や、首都高を閉鎖してレインボーブリッジを疾走するラリーマシンの姿は美しかった。 CGの発達有ってこその作品ですね。 願わくば、近い将来にこの様な夢の有るチャンピオンシップが実際に開催される事を祈念して、8点献上致します。[映画館(邦画)] 8点(2018-06-07 00:38:07)(良:1票) 《改行有》 331. ダゲレオタイプの女 《ネタバレ》 これは掘り出し物です。 印象的なTVCF以来、いつかは観たいと思っていた作品ですが、ここまで印象に残る作品とは思っていませんでした。 観客に明快な解を提示せず、随所に散りばめた伏線で様々な解釈を促す作風は、本来は余り好みでは無いのですが、 本作では抵抗無く受け止める事が出来ました。 ジャンルとしては「ホラー」に分類される作品だと思いますが、この流れはラブストーリーでも通用するかと。 主人公:ジャンはヒロインのマリーが生きている事を妄想し、妄想と会話する事で精神の均衡を保っていたのでしょう。 ラストの独り芝居は悲しすぎました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-04 13:05:54)《改行有》 332. デッドプール2 《ネタバレ》 相変わらずエグいっすねぇ。 一作目以上には笑えなかったかな、やっぱりこの手の作品は鮮度命かと。 それでも、まさかの御大カメオ出演と自虐ギャグの連打には笑わせてもらいました。[映画館(字幕)] 6点(2018-06-04 12:56:55)《改行有》 333. 追憶(2017) 《ネタバレ》 2019/5/30追記 追悼、降旗康男監督。 「良い映画」との前評判から劇場鑑賞したかったが都合が合わず、WOWOW放送を録画してようやく鑑賞。 予備知識皆無で臨んだ事も功を奏し、充実した時間を過ごす事が出来た。 噂に違わぬ良作。 邦画としてあるべき姿を提示された様に思う。 書きたい事は沢山有るが、以下列記させて頂く。 1.柄本祐の演技をまともに観るのは今回が初めて。今は「只の七光り俳優」だと認識していた自分を恥じている。 他二人に比べ出番は少ないが、どちらかと言うと無表情な演技の中で時折見せる表情の変化や所作が強烈な印象を残す。 「剣岳・点の記」で香川照之を見直した時の様な感覚を覚えた。 今後に期待したい俳優さんだ。 2.長澤まさみのファンになった。本作は彼女の出演作としてはおそらく相当地味な部類だろう。 人生に疲れ、寂しさを感じている一人の女性を上手く演じていたと思う。 岡田準一の母親が自殺未遂を起こした後、病院の廊下で二人で話すシーンのしみじみとした良さは特筆ものと言える。 3.木村大作の撮影。 もはや鉄板とも言える存在の日本映画界での重鎮らしく、随所で素晴らしい仕事をしている。 4.岡田準一と小栗旬 柄本祐ほどではないにしても、中々上手い役者さんだと思う。 特に岡田準一の本業は(本人は嫌がると思うが)アイドルタレントの筈。 上付いた所もなくしっかりと重厚に過去に暗い闇を抱えた男を演じていたと思う。 5.物語の構成 柄本祐が殺される件はあくまでも本作を構成する幹に生えている一本の太い枝に過ぎない。 他レビュアー諸氏もご記載の通り、本作の根幹は「過去との対峙と、それを乗り越えての再出発」に有る。 こういった意味では、ラストの小栗旬の告白(内容は伏せる)と、それを経て思い出の喫茶店を自ら解体する時の何とも言えない表情は観ていて泣けてきた。 今後も繰り返し観る事になるであろう、良作とまた出逢う事が出来た。。[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-05-31 14:51:21)(良:1票) 《改行有》 334. 東京喰種 トーキョーグール 《ネタバレ》 初めは馬鹿にするつもりで観ていたが、引き込まれてしまった。 原作は未読だが、恐らくキャスティングが功を奏しているのだろう。 主役の男性は勿論、楽しそうに演じている蒼井優や大泉洋、 そして何よりも特筆すべきは清水富美加! ご本人は演じることが嫌で仕方がなかったそうですが、皮肉な事にこれまでで一番のハマり役に思えました。 次作で彼女の演じるトーカさんを観られないのは残念です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-05-29 00:19:22)《改行有》 335. ウォークラフト 《ネタバレ》 CGは確かに見応えあり。 劇場の大画面だったら尚更だろう。 ポーラ・パットンがハロウィンの仮装をしている様で最後まで馴染めなかった。 ストーリーは、、、正直良く判らず。ゲームの映画化って難しいんでしょうね。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-24 10:29:24)《改行有》 336. ジェーン・ドウの解剖 《ネタバレ》 予備知識ゼロ、鑑賞理由はジェーン・ドウを演じる女優さんのルックスだったという不謹慎な私。 この点では大満足(馬鹿)でした。 この女優さん、Olwen Kellyさんと言う方だそうです。 Webで画像検索すれば皆さん納得されると思いますが、綺麗な方です。 他の出演作を観てみたいですねぇ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-23 12:52:23)《改行有》 337. キング・アーサー(2017) 《ネタバレ》 期待が高すぎたか? 私に取って、ガイ・リッチー=「スナッチ」のイメージ。 なので、本作も由緒正しい英雄譚を彼らしく解釈した斬新な作品と思っていたが、残念ながら中途半端な作品と言う印象。 荒唐無稽な作風に振るか、史実に忠実な作風に振るか。そのどちらでも無く、淡々と物語は進む。 なんだかとても勿体無い作品。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-23 12:43:32)《改行有》 338. フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 《ネタバレ》 邦題が余計。 あの母親が最初から自堕落な荒んだ生活をしていたとは思わない。 劇中に幾度となく挿入される母と娘・子供同士のの楽しそうなやりとりが、 重くのしかかる現実をより鮮明に浮き彫りにする。 夢の王国に迷いこんでも、そこに有るのは厳しい現実のみ。 --------------------------------- 追伸1 本編上映前になんと本作の予告編を上映していた。 数分間、目をつぶり耳を塞いでいるのはかなりの苦行だった。 某シネコンの責任者様、センス疑いますよ。 追伸2 エンドクレジットが始まってすぐにスマホを見るそこのお前とお前! そんなにスマホが見たいなら映画館に来るな。 追伸3 外国の方との笑いのツボが違う事を再認識。 主人公(母親)が生理用品を窓ガラスに貼り付けるシーンで隣の外人さん大爆笑。 私は苦笑い・・・ 感覚の違いっておもしろいですね。[映画館(字幕)] 7点(2018-05-21 12:56:10)《改行有》 339. ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 爆音上映で待望の初鑑賞! 予備知識無しで臨んで本当に良かった。 「傑作」との評判に偽りが無い事を実体験。 冒頭から文字通りドライブの掛かったセンス冴え渡る編集にハート鷲掴み。 少し前のアベンジャーズの映画で「日本よ、これが映画だ」と言う大それた宣伝文句を目にした事が有るが、 私に取っては正に、「これが映画だ!!」 かつて無い程の悪役キャラを演じたジェイミー・フォックス、その極悪非道なキャラに相応しい痛快な死に方! 意外な展開を見せるジョン・ハムとケヴィン・スペイシー(いい役者さんなんですが・・・)との関係、 そして何より、ヒロインを演じたリリー・ジェームズ!! 正に旬の女優さんと言う感じで私には終始キラキラ輝いて見えてました(笑)。 クライム・アクションものとしては少々軽すぎるのが減点要因ながら、またもや面白い作品にめぐり合えました。 勢いでBDとサントラ買っちゃいましたよ・・・ 通勤途上で意味も無く暴走しそうになりそうです。[映画館(字幕)] 9点(2018-05-14 13:21:34)(良:1票) 《改行有》 340. レディ・プレイヤー1 《ネタバレ》 10点以外考えれらないでは無いか! 理由は山ほど有るが、絞りに絞って以下の通り。 ①RX-78ガンダムが主役級の活躍をしている! 小学校5年の時(39年前!)からガンダム大好きな私に取って、スピルバーグ監督のハリウッド大作の中でその勇姿を拝見出来る事は喜び以外の何物でもない。 ②散りばめられた小技の数々、しかもそれらが全て宝石の様に輝いている。 バリー・フォージ号が登場した時は本当に椅子からずり落ちそうになった。 ブルーレイを買ったら一時停止の連打になりそうだ。 1967年生まれ、80~90年代のアニメ・特撮を首まで浸かって楽しんだ私に取って、本作は天からの贈り物だ。 スピルバーグ監督、本当に有難う。[映画館(字幕)] 10点(2018-05-10 12:51:02)(良:1票) 《改行有》
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