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3501.  彩り河 《ネタバレ》 もともと、主題のはっきりしない話ではあるのだが、全体を見通しても、やっぱり何が言いたいのかはよく分からない。主人公の背景はかなり適当だし(言葉で説明されているだけ)、いろいろな登場人物がいるわりには事件の発生経緯はありがちだし、二人が結びつく過程も不明確である。それと、平幹二朗と夏八木勲の配役は、どうみても逆であるべきだったと思うけどな・・・。真田広之の若々しさに4点、今ではすっかりいい人になってしまった石橋蓮司の毒々しい不気味さに1点。[DVD(邦画)] 5点(2007-07-25 00:53:55)

3502.  もしも昨日が選べたら 《ネタバレ》 もっと面白くなる設定かと期待したんですが・・・。前半は、コメディチックな部分が驚くほど笑えないし、未知の機器が日常生活に入ってくることによるギャップも表現されていない。そもそも、アダム・サンドラーだったら、もともと家族をほっといてばりばり仕事しそうなタイプにはとても見えないわけで、自分で主演してるのがまず問題でしょう。後半は、無茶な展開とはいえ、その無茶ゆえにかえってそれなりに盛り上がりますが、あそこまでやったのであれば、それ以上いじらずにそのまま閉じた方が感動が残ったと思う。あと、早送りができるなら巻き戻しもできるはずで、そのあたりの「他人の時間を自由に操作できてしまうことへの恐怖」みたいなものが物語を解く鍵になるかと予想していたのですが、結局は早送り機能とそれによる「自分の時間が失われること」だけに解決の原動力が矮小化されてしまったのも少々残念。[DVD(字幕)] 5点(2007-07-23 00:02:54)(良:2票)

3503.  ダニー・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 もう少し生々しい内容(少年時代の飼育ぶりが延々と描写されたりとか、娘が巧妙に人質に取られたり脅されたりとか、最後は娘をかばって主人公が死んだりとか)を予想していたので、意外に古典的というかむしろ牧歌的な展開がかえって新鮮でした。難点は、悪のボスがあまり悪そうに見えない、もっといえば何となく間が抜けていて笑いすらとれそうなところ。わざわざ「犬」なんて設定をしているのですから、ここはもっと徹底した極悪人であるべきでした。[DVD(字幕)] 6点(2007-07-17 03:03:09)(良:1票)

3504.  オネーギンの恋文 この脚本って、原作の適当なダイジェスト版じゃないのか?と疑ってしまうくらい、起伏に欠ける中途半端なやりとりが延々と繰り広げられるだけの作品。レイフ・ファインズは、製作総指揮まで買って出て一体何がやりたかったんだろう・・・。そもそも、こういう上品・優雅系の作品でヒロインがリヴ・タイラーという時点で、センスなさすぎでしょ。[DVD(字幕)] 4点(2007-07-16 03:04:24)

3505.  ボルベール/帰郷 ペネロペ・クルスの実力全開の作品。まさかここまで存在感と表現力のある人とは思いませんでした。決して大袈裟にならず、日常生活の中にさりげなく主人公の「業」と「性」をにじみ出させる、かなり難易度の高い演技をクリアしています。それぞれの登場人物がいろいろな背景を内心に秘めて行動しているので、決して分かりやすい話ではないのですが、見終わった後でもあの家に潜む「空気」のようなものがじっと心に残る作品です。[映画館(字幕)] 7点(2007-07-16 00:27:35)

3506.  恋しくて(1987) 《ネタバレ》 「モテナイ君と高嶺の美女」「友人関係に秘められた恋愛感情」なんて、切なくなる要素ビシバシなのですが、それが無駄なく手際よくまとめられています。主役の3人が3人とも、いろいろ考えていながらそれを全然うまく表現できず、もどかしさに満ちています。青春というのはそういうものです。中でも、「練習キス」のシーンがベタだと分かっていても特に好きです。ただし、ラストはもうちょっと引っ張ってほしかった。一番大きな感情の変化が起こるところなのですから。[DVD(字幕)] 8点(2007-07-15 02:59:50)

3507.  逢う時はいつも他人 直訳とはいえこの邦題は趣と余韻があって期待させるのだが、そこから連想される切なさとかやるせなさとかは作品からはそれほど感じられず、むしろ普通の男女間のくっついたり離れたりとそれほど差がない感じ。大体、男の方がはじめからやる気満々というか堂々としすぎというかあまりにも一直線で、不倫ならではの背徳感とか躊躇いを感じさせてくれないのがいけない。[DVD(字幕)] 5点(2007-07-15 00:35:16)

3508.  バード・オン・ワイヤー 《ネタバレ》 設定は少し回りくどいが、中盤のコメディ要素を押し出した展開はなかなか。特に、主人公がかつて潜伏先でいろいろいいことをして大活躍だったというのが面白い。ただし、終わってみれば、シリアスな方向性と笑いの方向性が上手く融合しておらず、中途半端に終わってしまったという印象は否めない。ゴールディの天性の雰囲気(&色気)に大きく助けられてる感じ。[DVD(字幕)] 5点(2007-07-12 03:15:10)(良:1票)

3509.  明日の記憶 《ネタバレ》 演出として目新しい部分は特にないながらも、それなりに堅実にまとまっていると思っていたのです。終盤の入り口くらいまでは。しかし、肝心のクライマックスの部分・・・何でそこでファンタジーに逃げる?現実の生活に立脚したアルツとの関わりの表現に挑戦したからこそ意味があったのではないの?あんな解決をされては、美しい静寂で大いに期待させたオープニングにもつながってきません。むしろ、退職した後に突然会社に行こうとする、ああいった場面とか、あと、妻に対する認識すら失った後の両者の生活上のやりとりとか、そういったところを見たいのです。[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-07-10 00:53:47)

3510.  女と男の名誉 冒頭のやたら長い結婚式の描写からして何かが違っているのですが、内容的にも、ロマンスののどかな部分とマフィアの怖い部分と双方が殺し屋という設定がもたらすギャップの面白さの部分がどれも中途半端で、まったく適合していません。ゴッドファーザーの劣化バージョンみたいなマフィア会話の描写など、ほとんどいらなかったと思うけどな・・・。むしろ、本来はコメディ向きの素材でしょう。各俳優の個人技で何とか成り立っている感じ。[DVD(字幕)] 5点(2007-07-09 02:35:36)

3511.  インドへの道 《ネタバレ》 異国情緒への表面上の憧れだけでできてしまったような作品です。インドを舞台としていながらインド人はほとんど進行に絡んでこないし、数少ない接点であるアジズ医師にしても、その描写はかなり西欧人的です。そもそも、最初の方はどうみてもアデラよりもモア夫人の方が主役みたいだし、終盤は完全にアジズ医師が主役に成り代わってしまっていて、視点の大きなブレも気になります。160分強という尺も長すぎ。[DVD(字幕)] 5点(2007-07-06 03:13:44)

3512.  ファイティングラブ 《ネタバレ》 筋だけ聞いたらごく普通のラブコメなのですが、二人の間に漂う自然な空気が実に良い。作り物っぽさがないのです。最初は険悪な関係、その後は何となく友人みたいになってたのが、なぜかだんだんぎこちなくなってくる流れもいい感じだし、告白の際のヒロインのリアクションやその後のワクワク感の表現も何とも愛らしい。ただし、クライマックスのはずのパーティーの場面で、各当事者の感情表現の方向がきちんと「決まってない」のは惜しい。そもそも、何のためのパーティーで、何で関係者がみんないるのかよく分からないし。[DVD(字幕)] 7点(2007-07-05 02:15:45)

3513.  ひとりぼっちの青春 《ネタバレ》 あまりにも突飛な設定であるわけですから、そこに集まった人たちについても、それぞれの背景とかそれを受けたダンス会場でのやりとりなどのドラマが展開されるかと思ったんですが・・・どちらかといえば、ひたすら延々とダンスが続けられ、参加者の疲労困憊の様子だけが描写されている感じ。しかも、参加者の疲れや虚しさ以上に、司会者のオッサンの異常なほどのタフさが目立っていて、ポイントがよく分からなくなっています(これで○日、○時間経過!とか言われても、司会者や演奏者や観客は平然としているため、リアリティが削がれています)。ただし、すべてを一瞬で結実させる最後の一言、そしてレースの結論を出さないラストは強力で、あの締め方に+1点。[DVD(字幕)] 7点(2007-06-28 04:07:00)

3514.  つきせぬ想い 《ネタバレ》 すごく期待したのに、味付けや盛り上げに乏しくてがっかり。ほとんどがどこかで見たようなシーンばかりでした。アニタ・ユンの調子っ外れな喋り方も今ひとつ合いませんでした。唯一、文字通り場末の路上(?)で歌う一家と、誇らしげにお金を集めて回るヒロインの場面のみ印象的。[DVD(字幕)] 6点(2007-06-27 03:17:52)

3515.  ウィズ・ユー ケビン・ベーコンの演技が珍しく不調気味なのはびっくりしたが、これはむしろ表現にふさわしい場を与えられなかった演出側の責任だと思う。知的障害によって彼の意識や行動がどのような影響を受けるのかという点がきっちりと詰められていないから、少女とうちとける過程にも説得力がない。これはエヴァンの役の方も同様で、少女の言動、特に会話の返し方などは、「大人びた」というよりも大人そのまんまというべきであって、キャラクターにふさわしい表現がなされていない。もっと突っ込んだ描写ができるはずの内容だと思うだけに、残念です。[DVD(字幕)] 5点(2007-06-26 03:20:19)

3516.  好きと言えなくて 《ネタバレ》 初期設定からほとんど想像できるとおりの内容。無難ではあるし不快ではないのですが、この内容だけだったら1時間の単発ドラマでもできてしまいます。男はカメラマンだったら、ファインダーを通して見比べたときでも気づかないのか?とか、会話の中でどこか違和感を持つ場はなかったのか?とか、もっといろいろ掘り下げてほしいところでした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-24 00:49:53)

3517.  ラスト・ショー 《ネタバレ》 登場人物の何気ない日常生活を追っている中で、まるで一つの街が静かに消滅する断末魔の過程を抽出したかのような、実は壮絶なドラマ。吹きすさぶ風に舞う砂、およそ人通りのまったくない街並みで統一したトーンが、その容赦なさを浮かび上がらせている。それでも最初はそれなりにがやがやといろんな人がいたはずなのに、いつの間にか一人ずついなくなり、最後は気がつけば荒涼とした光景だけが残っている。その中で、若者たちにスポットを当てながら、同時に周辺の大人たちの人生を巧く絡めている周到な重層的構成が、作品の価値を高めている。●最初に見たときは、青春映画のヒロインのくせしてこのジェイシーの最悪さは一体何なんだ、と思っていたのですが、彼女はもともと、このスモールタウンには存在しえない都会の象徴だったのですね(なので、最後に「8月からは戻ってきていない」と語られている)。そう考えると、位置づけや行動原理がぴったり分かってきます。一方で、クロリス・リーチマンの中年の色気はもちろんのこと、まさにジェイシーの血筋はここからだろうと思わせる母親(エレン・バースティン)もよく見ると結構可愛いし、食堂のおばさんにすぎないアイリーン・ブレナンも魅力的に撮られているし、この辺の細部への気遣いが、作品に輝きを与えています。●最後、行くところがなくなった主人公がどこへ行き、そこで何が起こったか。このラストシーンもまた、物語の着地点として、何度見ても秀逸です。[DVD(字幕)] 9点(2007-06-23 02:51:15)

3518.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 昔何回か見ていて、いたずらな高校生コンビが元気に活躍して最後は無事解決、みたいなお気楽な印象を勝手に記憶していたのですが、改めて見直してみると、冒頭のエピソードといい、容赦なくFBIに拉致される展開といい、意外に重たい部分も多かったのに驚きました。最後の3目並べのオチも、単に意外性で落としただけではなく、「戦争だなんだってのも所詮こんなレベルじゃねえか」という暗黙のメッセージが伝わってきます。そのように中身があるからこそ、コンピューター技術の経年劣化にもかかわらず、今でも十分鑑賞に耐えるのです。あと、博士の家族の映像で、亡くなった子供が3目並べに興じているシーンを再発見。これにも驚き。[DVD(字幕)] 7点(2007-06-21 04:40:01)

3519.  情婦 《ネタバレ》 ラストのところは、告白だけあってそのまま法廷を出て行く、1人取り残される弁護人、被告人は何も知らない、の方がはるかによかったんじゃないのかな・・・。あの後のひねりの上乗せは、技巧に走ってかえって登場人物の人間性を奪っているのではないかと思います。なお、映画的には、法廷のシーンは著しく緊張感が抜け落ちており、それよりも、法律事務所内のやりとりだけで見せ切る最初の40分の方がずっとスリリングでした。[DVD(字幕)] 7点(2007-06-18 01:08:21)(良:1票)

3520.  天空の城ラピュタ 《ネタバレ》 実は最も印象的だったのは、初井言栄さんの充実した声優ぶり。そりゃ、舞台やテレビで海賊の女親分なんて役は絶対不可能だから、本当にこの役は楽しかったんだろうな。それが声の端々から伝わってきます。気のせいか、画面上のドーラの表情もほかの登場人物よりよく描けているように見えます。●そう思って見てみると、この作品の名シーンは、(1)とぼとぼ戻ってきたパズーが、海賊団の仲間に入るシークエンス。「私の若い頃にそっくりだよ」の一言。(2)見張りの2人の会話を盗み聞きして起こるドーラの変化。(3)ナイフと銃の交換のシーンでの、パズーとドーラの信頼関係。と、どれもドーラ絡みなのです。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2007-06-18 00:56:58)

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