みんなのシネマレビュー |
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341. ツーリスト 《ネタバレ》 オリジナルは未見。序盤は外れ映画の空気がギュンギュンしててどうなるかと思いましたが、方向性が分かってからは割と楽しめました。ハリウッドが誇る男女のトップスター初共演というと期待感がありましたけど、コッチ方面でも悪くないんじゃないかと。無駄に派手なアクションもなく、ロマンチックな水の都ヴェネチアの美しさもあるし、二人の粋な会話や雰囲気を楽しむ往年のハリウッドスター映画みたいだなと思いました。 終盤のデップのタキシード姿も決まってましたが、絵になるというかジョリーはイチイチ優雅でセレブぶりが様になってるのが流石だったな。どっかの姉妹とは違うわ。[映画館(字幕)] 6点(2011-03-11 00:47:19) 342. 恋とニュースのつくり方 《ネタバレ》 恋に仕事に奮闘する女性のサクセス・ストーリー。お決まりのコースでベタベタではありますが、主演のレイチェル・アダムスはいつも一生懸命で周りも活性化されるし、仕草や笑顔がとってもキュート。彼女を見ているだけで元気が湧いてくる気がしますんね。 脇を固めるプライドの高い伝説のキャスターにハリソン・フォード、そのプライドの高いキャスター曰く「元ミス・カッペ」でゴシップ好きなキャスターにダイアン・キートン。両者は余裕綽々で普段とは違うキャラを楽しげに演じており、抜群に良い味を出していた。ハリソンはクールにダイアンは笑顔を浮かべながらも、終始やりあう皮肉の応酬は面白くニヤニヤしっぱなしでした。片や気に入らない事はやらない、片や視聴率アップのために何でもやる、その二人が最後には…って落ちも面白くもあるし、当然主役のレイチェルも恋も仕事もゲットしてハッピーエンド。ちょっと妬ましく思っちゃった方もいるかもしれませんが、「頑張ろう!」って気になるし、みんながハッピーになれる映画は良いなと思いました。[映画館(字幕)] 7点(2011-03-03 23:44:50)(良:2票) 343. ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島 原作未読。ユースチスを演じたウィル・ポールターは『リトル・ランボーズ』で素晴らしい演技を見せていましたが、この作品でも元気で性格に難のあるクソガキっぷりと成長ぶりを上手く演じていて今後がますます楽しみになりました。ただ、観に行った地元では吹替えしかやってなくて本人の声が聞けず残念でしたが。 第3章は出来としては1章に戻ってしまったなという感じ。いい雰囲気になった2章からまた軽くなってしまって残念かな。[映画館(吹替)] 5点(2011-02-28 00:26:45) 344. ヒア アフター 《ネタバレ》 リゾート地を襲った大津波や地下鉄爆破テロなど実際に起こった事例を織り込み、「死者と交信できる霊能力者」「臨死体験をしたジャーナリスト」「双子の兄を亡くした少年」の、死に触れたコトのある3人のストーリーが1つにまとまっていくストーリー展開は悪くないし余韻の残る音楽も良い。ただ冒頭の大津波でいつものイーストウッド映画とは違う?と思わせたものの、以後は相変わらず抑えに抑え観る者に委ねる様な演出ばかりなので霊を扱った内容共々観る人を選びそう。死に触れたコトにより、ソレに囚われた感のある3人が解き放たれるような開放感のあるラストは良かった。最後のアレは「え?」と思ったけど(笑)。 日本にも「川を渡りかけたが向う岸にいたお爺ちゃんにまだ来るな!と言われて帰ったら目が覚めた」とか「寝ている自分を上の方からもう一人の自分が見ている」など臨死やら幽体離脱やらの体験談も多く、諸説様々ありますね。興味深い話でハッキリ知りたい気もしつつも、UMAなんかと同じで曖昧なままが一番な気がします。科学も発達して来ているからいつかスピリチュアル的なモノも解明されちゃうのかな。 この作品でも嘘の霊能者が多数出てますが、本物の強い力を持っている霊能者はマーカスのように霊と交信を願っている者や、生者へのコンタクトを願っている霊などの救済を行っているのだろうか。普通の人の生活を送りたいと願い死者と交信できるコトを「呪われた力」と忌わしく思っているジョージは疲れ果てていましたが、あそこまで出来てしまう強い霊能力は「選ばれし者の力」というイメージがあるし、ある意味宿命を背負ったと思いますけどね。双子の兄を亡くしその兄との交信を切望していたマーカスを救済し兄依存体質からも脱却する道を示した。その流れから分かり合える臨死体験をしアッチ側を覗いた女性とも知り合えたのもその「力」のおかげだけどもジョージはどう生きていくんだろうな。まぁ「大いなる力には大いなる責任が伴う」って有名な台詞が浮かびましたね。そういえば、最近あまり話を聞かなくなった『恐山のイタコさん』は健在なんだろうか?とか、お婆ちゃんばっかで後継者いるんだろうか?などと心配になってしまったのは私だけだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2011-02-25 00:52:42) 345. あしたのジョー(2010) 《ネタバレ》 原作既読。幼少時に初めて読んだ漫画が『あしたのジョー』で「これを実写化しちゃダメだろ」と『デビルマン』の時と同じ思いで行きました。ドヤ街と涙橋、丹下拳闘クラブはCG好きな監督だけにCGで誤魔化すのかと思いましたが、しっかりと細部まで造り込んであるし、ドヤ街の路上にタムロしている小汚いオッチャンらも配置されていて再現度は完璧でしょう。チビ連も可愛かった。 誰もが気になる主要キャラですが、力石は伊勢谷よくやった!と言えるくらいの身体作りをしたおかげか雰囲気も仕草も抜群で力石にしか見えなかった。願わくば最後のジョー戦は青のガウンに黄色の字で【力石徹】を見たかったが、ちょっと前のシーンで見れたから良しとする。香川演じる丹下段平、予告編では特殊メイクで見た目は似てるけど口調がなぁと思ってましたが悪くなく、本人同様ボクシング愛を感じさせてくれた。白木葉子、場末のキャバ嬢みたいな香里奈には到底向いてないキャラだがなんで香里奈なんだろうか。『こち亀』でも葉子同様の令嬢である『麗子』を演じてますが違和感しかなかったです(TBS繋がり?)。しかも変な方向にキャラが変わっているし、今回はジョーと力石の魂のぶつかり合いだけで良かったのに妙に出番があり過ぎていて常に話の腰を折られた感があった。そして肝心のジョーですが、野性味に溢れ天真爛漫で陽気な兄ちゃんだったジョーが、力石を亡くした事から暗い影を背負った男になって行くはずが既に影を感じさせるようになっていたのはどうなんだろうなぁ。無駄にクールというか冷めた部分ばかり強調されていたので違和感あったし、喜怒哀楽をほとんど感じさせてくれないのでジョーに見えないのが残念だった。残念ついでに言うとやたらとスローを連発するなら力石戦の「きたっ!こいつをはじきかえして右のダブル・クロスで勝負!」は観せて欲しかった。 まぁ色々と細かい点も気にはなりましたが概ね満足できる作りかな。最後に宇多田は嫌いではないんですが、『あしたのジョー』の世界観には全く合っていないので男のアツい唄で〆てくれと思いました。[映画館(邦画)] 6点(2011-02-15 21:24:14) 346. ウォール・ストリート 《ネタバレ》 一番最初の低音の音楽がバッチリ決まっている予告編を観た時は、出所したゲッコーが復讐のために金融界をグッチャグチャにしてくれるんだろうな、と思ってたんですが、結局は娘に残しておいた金を掠め獲ってそれを元手にちょっと暴れるってだけで面白くなかったですね。ゲッコーが復活宣言するところは良かったんですが最後の方だし、ほぼ単なる不仲親子の和解に終始し、マネーロンダリングした金を元手に増やし娘婿の投機先に寄付して孫が生まれてハッピーエンドじゃ、ゲッコーも日和ったなとガッカリ。金の亡者であった父親と同じ職業の男をゲッコーの娘が受け入れているのも、なんだかなぁと思いますけど自分が良ければいいんでしょうか?金融界の人間の潰し合いや狡猾さや汚さをもっと見せてもらいたかったかな。事前に情報を入れるのは好きじゃないので、チャーリー・シーン演じるがフォックスが出て来た時は「あっ!」と思わず声が出てしまいました。[映画館(字幕)] 3点(2011-02-10 22:37:07) 347. ザ・タウン 《ネタバレ》 銀行強盗が親から子へ受け継がれている街。日本人には到底理解できない街だな。主人公であるダグは優しく人間らしい男ではあるが、街と環境がそれを許さなかったのか強盗団のリーダーにおさまっている。その生まれ持った運命から逃げる事ができるのか?という物語ですが脚本も練ってあるし見せ方も上手く面白かったです。 表向きは花屋のジジイでありながら穏やかに脅してくる裏では凄味のある元締めを演じたピート・ポスルスウェイトは抜群に良かったし、狂気を忍ばせている幼馴染で共犯者のジェムを演じたジェレミー・レナーは若い頃の何を仕出かすか分からないショーン・ペンを思わせる好演だった。街に囚われた男、街を捨て行こうとする男、それを追う男のドラマは見応えがあり、銃撃戦は音も弾痕もリアルで終始緊張感にあふれた作品。彼女はオレンジのある場所に行ったのだろうか。 伏線の回収も出来ているし、台詞の妙を感じさせてくれる巧さもあった。ベン・アフレックは主演、脚本、監督を担当したそうですがセンスありますね。 [映画館(字幕)] 8点(2011-02-10 22:35:50)(良:2票) 《改行有》 348. GANTZ 《ネタバレ》 原作既読。今の日本のVFXレベルでは実写は無謀としか思えない『GANTZ』でしたが、ソッチ方面は少なめだしアングルや陰影で多少は上手く誤魔化せていたかな。でも転送シーンは案の定残念な出来だった。 三度の戦闘があり概ね原作通りの流れになっていますが、上辺だけなぞっただけですね。ネギ星人戦で追い詰められた玄野がヒーローであった少年期を思い出しスーツの凄さにも触れネギ星人を圧倒する。それが、次戦の田中星人戦でスーツを忘れてきてしまい生身で戦わなければならなくなるという恐怖、絶望感も無い。星人も弱すぎるし数も少なくて不条理なモノに巻き込まれ、圧倒的なモノに蹂躙される絶望的な状況が全く無く残念。軽薄で性格に難のある玄野が加藤の正義感に感化され変わっていくのも薄かったな。 全体的にかなり原作を薄めた感はアリアリだったが邪悪丸出しの西だけは良かったかな。パート2は完全オリジナルになるっぽいけど、どうケリをつけるのか興味津々ではある。[映画館(邦画)] 5点(2011-02-02 22:59:22)(良:1票) 349. RED/レッド(2010) 《ネタバレ》 余裕綽々な面子の中でマルコビッチのイっちゃっているようなキャラは良かったな。ブルース・ウィリスは慣れたキャラだろうけど、他のはほぼ演技派と呼ばれる方々だらけなのでギャップが面白かったです。 『ボーン・シリーズ』でも凄味の出ていたカール・アーバンが新進気鋭のエージェントとして出てきますが、このRED(引退した超危険人物)の前ではまだ貫目が足らなかったな。戦うわけではなく共謀して巨大な悪に立ち向かうという意味でスタローン率いる直球勝負のエクスペンダブルズvs策略のREDってのも面白そうだなと。保管庫の番人としてアーネスト・ボーグナインが出ていてビックリしました。まだまだお元気なようで頑張って欲しいですね。 まだ仕事ができるのに年齢で退職させられてしまう今の世の中。野村勝也監督も楽天は年齢を言い訳にして切ってましたっけね。オートマ化やコストカット、円高のせいでやっていけなくなった町工場の職人なんか中国にどんどん引き抜かれて日本の技術が流出してたりする。望むなら、望まれるなら定年はなくしても良い時代なのかもしれないなと思ったが手に職が無いと話にならないかもな。なんにせよ技術のある人は羨ましいわ。[映画館(字幕)] 6点(2011-02-02 22:57:04) 350. スプライス 《ネタバレ》 ビジュアルとか面白そうな雰囲気はあり異形の生物ドレンはキモ可愛い。でもすべてが予想通りに展開するというか至って平凡な作品。人間と動物の遺伝子を組み合わせ新生命体を製造(創造)するという神の領域へ踏み込んだ内容ながら科学者夫婦のマッドぶりも無いため倫理(道徳)感に訴えるモノも無い。人間の本能というか欲望だけ。母親に蔑ろにされて育ったエルサも自らのDNAを使ったドレンに同じような事をし、そのドレンも夫婦相手に色々と仕出かすという。考えてみるとエルサのDNA(血筋)がおかしいってコトじゃないのかね? まぁ異形の生物と人間のある意味「ぶつかり合い」が見ものかな。「ソッチ系」の倫理(道徳)感を思うと本国で大コケだったのも分からないでもない。フリークスが好きな人向け。[映画館(字幕)] 5点(2011-01-21 01:01:27) 351. バーレスク アギレラは多少聴いた程度。ベタなストーリー展開ではありますが一見の価値がありますね。テニス界のヴィーナス姉妹並に筋肉ムキムキなバックダンサーを従えて颯爽と踊りまくる華奢ながらもパワフルボイスのアギレラは抜群にカッコ良かったです。貫録のシェールのナンバー、「You Haven't Seen The Last Of Me」にはシビレました。借金で立ちゆかなくなり万策尽きた感のあるクラブが、シネコンに圧され3D映画に対応できず閉鎖されていく映画館の悲哀に通じてしまったな。クラブの再生にかけ、己を奮い立たせていたテスにも魅せられた。微力ながらも映画ファンとして応援させて頂きますので単館系のオーナーの方々頑張ってください。3Dなんて一過性のモンだと思います。[映画館(字幕)] 7点(2011-01-13 21:48:34)(良:1票) 352. 相棒 -劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜 《ネタバレ》 土曜ワイド劇場時代からすべて見ています。宣伝で「シリーズ最高傑作!」とやたら謳ってますが、前作がファンや関係者へのご褒美的なモノでしたし、そうなって貰わなければ困るよなぁと思って観てました。まぁ話の規模としてはテレビスペシャルの域を出ていませんが、間違いなく「シリーズ最高傑作」です(スピンオフ含め3本目ですしどうなんだろ?と思いますけどね)。TVシリーズ同様地味ながらも存在感抜群で仕事のできる役者が大勢出ていて緊張感ありました。前作が「相棒の紹介」であるならば、今作が「これぞ相棒」と言える作品に仕上がったと思います。 前代未聞の事件の裏に策略や陰謀が炙り出てくるという展開の中、小野田をアッサリと逝かせてしまいましたが、今後のテレビシリーズに吉と出るか凶と出るか。最重要ともいえる人物の死で『相棒』の作品としての落とし所がどこになるか不安になりますね。右京と対等またはそれ以上に渡り合える人はもういないんだよな。 「殺されるならお前にと思っていた…」という最後の言葉は、いつか官房長官の地位を殺す(諸々の悪事を暴く)という意味で右京に引導を渡して貰いたかったので非常に残念。権力の象徴として底知れぬ暗黒さと貫録では他を圧倒し、時には特命係の後ろ盾にもなり時には敵対する間柄にもなったキャラなだけに、ポッと出たノンキャリアに殺されるという最後はイマイチ感も残ります。まぁアッサリなのも相棒らしいともいえるかなぁ。 「あなたの正義を問う。」というフレーズ、「正義なんて立場によって変わるもんでしょう。」「絶対的な正義がこの世にあるなんて思ってる?」「それでも僕は、僕の進む道を変えるわけにはいきません。」組織の正義と個人の正義。レベルが違いますが身につまされるセリフでした。右京の意を決したような表情と名曲揃いの『相棒』の中でも屈指の曲である「終わりの始まり」がかかるエンドロール中は色々と考えさせられましたね。右京はあらゆる意味で強いな。 それにしても警視庁のATMにも「振り込め詐欺注意」のビラを貼る陣川くんは好いわ。一服の清涼剤というかオアシスだな。[映画館(邦画)] 8点(2011-01-10 21:13:45) 353. トロン:レガシー 前作は見ましたが覚えてないです。コンピューターの世界のお話ですが、昨今色々なところに使われているLEDのように綺麗な光がそこら中に巧く配置されていたし洗練されている映像が近未来的で見せ方もカッコ良かったですね。でも割とベタな未来世界ともいえるかなぁ。 観終わって考えてみると普段使っているパソコンなんかでもウィルスはあるわけで、この作品で迷いプログラムとされていた主人公などがウィルスとし、防衛側プログラムとの戦いがウチのパソコン内でも盛大に行われてるのかも?と思うとなんか笑えたな。現実世界から見ればそれを削除するだけで終わっちゃうのがまた笑えた。 ダフト・パンクの音楽が抜群に世界観にはまってますね。特報を観て楽しみでしたが割と面白かったです。 関係ないけど、「やるっきゃない」と度々訳す人はこだわりでもあるんでしょうかね。[映画館(字幕)] 6点(2010-12-23 19:17:36) 354. クロッシング(2009) 《ネタバレ》 波風を立てず無難に生きてきた定年間近のベテラン警官、家族のため大金を必要としている生活苦の麻薬捜査官、友情と昇進で揺れる捜査官の重圧に疲れている潜入捜査官。善でも簡単に悪に染まってしまう環境に生きる男たちの物語は緊張感があり見応えがあった。虚無の毎日を送っている自分自身のため、愛する家族のため、友情のため、それぞれが行動を起こすが感情移入出来るものだったな。まぁ全てが同じ地区ってのはどうかと思ったけど、どれもが虚しい結果に終わったのも厳しさを感じた。最後、少女を救い英雄になったはずであるギアの、事件前と何も変わっていない冷めた表情が印象的だったな。[映画館(字幕)] 8点(2010-12-20 22:40:08) 355. ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 《ネタバレ》 原作未読。最後に向かっているだけあってダークで重い雰囲気で全編包まれていますが悪くないですね。最終章となる今作を分けたのは良い判断だったとは思いますが、ハリーとダドリーの別れもアッサリだったし所々で余韻が短く、半分にしても尺が短く感じたな。 魔法の表現は相変わらず「微妙だなぁ」とか「言ったモン勝ちなんだな」とか思いますが、大きく成長した3人は頼もしく見えた。宿敵であるヴォルデモートは姿を現すたびに小物感が出ていて馬脚をあらわしている気がしたけど。まぁどんな結末になるのか楽しみです。[映画館(字幕)] 6点(2010-11-28 20:27:48) 356. ナイト&デイ アクションや笑いが起きそうなシーンを予告編で見せ過ぎちゃったんだなという印象。 全てを見通していて余裕綽々でいながらイっちゃっているようなトム、天性の明るさを持っていて相変わらず誰からも好かれそうなオッペケペー風演技が抜群に上手いキャメロンだったけど、老けっぷりが気になってきているのでアップの多用は避けた方がいいかも。 過去の栄光で生きて行くのも辛くなってきたトム×キャメロンの組み合わせも10年前であればもっと話題になりヒットもしただろう。 ロマンティックな雰囲気に溢れた世界を駆け巡るアクション・ラブ・コメディ。華と雰囲気はまだある二人のデートに最適なお気楽作品でした。重ねて言うけど予告編で魅せ場を見せ過ぎなので、劇場によく行く人には高揚感は無かったかもね。[映画館(字幕)] 4点(2010-11-28 20:27:06)(良:1票) 357. リトル・ランボーズ 《ネタバレ》 宗教を信奉しその教え(道徳規律)を守る厳格な母と暮らす、子供の無邪気さ快活さを失ったウィルと、母は子育てを放棄して海外暮らし、学校では問題児だが年の離れた粗暴な兄と二人暮らしのため背伸びして大人になる必要があったカーター。そんな二人が出会い、友情が芽生え、映画『ランボー』に触発され映画製作をする過程は微笑ましかったし大いに共感できた。純粋で奔放な子供の想像力はなんと豊かなんだろう。ところどころに挿入される二人のイマジネーションの世界なんかも上手く表現されていて監督のセンスの良さを感じた。最後はホロリとさせられたなぁ。 将来有望そうな子達でしたが、今作は2007年制作の映画だそうで現在はどんな感じに育っているのか気になりますね。[映画館(字幕)] 8点(2010-11-12 22:43:20)(良:1票) 358. ソウ ザ・ファイナル 3D 《ネタバレ》 遂に完結だそうですが、案の定な人が出てきましたね。人体の専門的な知識が必要で、生死不明だった医師であるゴードンが裏で手助けしてこそ可能なゲームが多く、こりゃ絡んでるんじゃ?ってのは予想していた人も多いでしょう。OPの脚を切断したため這いずって行き、噴き出す血を止める為に脚の切断面を高温の鉄パイプに当てる精神力の強さを見せるのは良かったけど、早々と無駄なトコ(生還者の会)でも出しちゃうので後半に向けテンションは上がらなかったな。生還者がいかにして生まれ変わったかをゴードンに変わり代読してるかのようなデイゲンという存在は面白いけど、ゴードンが早々と出たおかげで落ちは予見できてしまい、「どうやってホフマンにお仕置きをするか」というトコだけに興味が行っちゃった。残念。 結局ジグソウの思想はゴードンや仲間に受け継がれるんだろうか?ゴードンが『ジグソウ』として信奉者を統率し君臨しているのなら、序盤のショーウィンドウや派手な仕掛けのゲームの数々も納得できるが、一種のカルト宗教的になりそうだし、末端までジグソウの思想が理解、浸透できているのか?と言ったら疑問符が付く気がするな。 演出やカット割りはシリーズで一番悪く、ストーリー展開もゲームもグロさも微妙でした。 3D公開でしたが全く無意味で最後のひと儲け的でした。最近はなんでも3Dへの流れですが、業界的には新たな金脈なんだろうけど割増料金のくせに面白くない、映像も凄くない、というならますます客足は遠のくと思いますけどね。作品の質を上げてもらいたいモンです。 [映画館(字幕)] 5点(2010-11-05 01:03:41)(良:1票) 《改行有》 359. エクスペンダブルズ 《ネタバレ》 これだけ主役を張れる面子を揃えたら割りを食う人もいそうだなと思ったんですが杞憂に終わりました。当たり前のように全員キャラが立っていて見せ場がしっかりとあって得意技を繰り出しまくり。カット割りと編集が速いのでよく見てないと見逃すかも知れませんが、それぞれのファンも納得できると思いますね。そんな中でもドルフ・ラングレンは相変わらず狂気を潜ませたキャラが似合いすぎだった。その濃い面子を仕切るスタローンは終盤でペイン(スティーブ・オースチン)に敗北し、「後でやり返すだろうな」と思わせるも、その役目は影が薄目だったトール(ランディ・クートゥアー)に任せるなど、映画の中でも一歩引いた面も見せていて晩年のジャイアント・馬場を見る思いでした。でも「俺にはこれしかない!」とでも言いたげにCG全盛の世に無骨なまでに己の身体を張る肉体アクションは観ていて気持ちが良かったな。後進に道を譲る時期が来た気もしますが、まだトップを張って貰いたいモンですけどね。ぜひ続編をお願いします。 【余談】スタッフ・ロールで日本版限定とし、長渕剛の曲が本来の曲を無くしてまで本編にねじ込まれてますが、歌い出しの「我慢がならねえ~!」ってトコで「お前の歌がかかるのが我慢ならねえよ!」と思った人も多いでしょうな。長渕はとんぼくらいまでは役者としても歌手としても好きだったし、この歌の曲調も思いっきりどこかで聞いた事があるようなアメリカンなロックンロールで悪くはない。だが、わざわざ入れるセンスが理解できない。一般層を引き込みたいのはわかるけど、ここ数年のこの手の手法は一番の理解者である映画ファンを蔑ろにしてると思います。まぁ版権の関係でDVDやBDには収録されないと思うけどね。やってしまったモンは仕方が無いので、DVD化する場合は吹替えにスタローン=佐々木功、ジェイソン=山路和弘、ジェット=池田秀一、ウィリス=野沢那智、シュワ=玄田哲章くらいは見返りとしてキッチリやって下さい。[映画館(字幕)] 7点(2010-10-18 21:51:51) 360. 十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 オリジナルは未見。役所は命を預けるに相応しい存在感があったし、伊原は剣豪浪人って雰囲気が抜群だった。そんな中でも松方弘樹は張りのある声と滑舌の良さ、鬼気迫るずば抜けた殺陣の切れをしていて凄かったなぁ。いまだ健在ですね。 観る人を選ぶ三池得意のグロ演出ですが、将軍の弟である松平斉韶の残忍で鬼畜な暴君ぶりを増幅させるのに大きく貢献しましたね。行いを諫める訴状を出し切腹した臣下の残された家族を縛り上げ弓で射殺すわ、藩士の息子の嫁を手篭めにし嫁の目の前で息子を惨殺し何度も刀を振り下ろして首を切断し、「山猿の骨は硬いのう。」と言い放つ、その後に嫁も自害。とどめに親兄弟を皆殺しにされ、舌を抜かれ四肢を切り落とされ弄ばれた娘。その娘が口惜しそうに血の涙を浮かべ筆を咥えて書いた「みなごろし」は物凄くインパクトがあった。ここまで悪行の限りを尽くし嫌悪させる殿様も、病的で封建的な社会で生まれ好き放題の毎日で感覚が麻痺し、ある意味では被害者であったのかもしれないし、史実ではもっと残酷な行いをしていた人もいる。が、「こいつは生かしては置けん」と、完全に憎悪の対象としか見れなくなったな。その殿様をスマップ稲垣が感情が死んでいるかのような演技で好演しているが、トップアイドルと殿様で通ずるものがあったのかもな。完全に狂っていると理解しながらも、武士として忠義を重んじ主君を守るべく奔走する半兵衛を演じた市村も良かった。 どうでもいいけど、封建的で絶対だった身分制度は今の世の中じゃ考えられないが、「キレる」「逆ギレ」などと誰かれ構わず簡単にしてしまう今時の人がいたら島流し、市中引き廻しの上磔獄門、お家取り潰しなど各種を食らうだろうな。今もしちゃえば良いのに。 狂った殿様を世のために暗殺するという密命を帯びた男たち。残虐非道な斉韶に弄ばれた民の仇討ちでもあったが、太平の世に死にきれぬ思いをしていた侍に相応しい場所だった。斉韶に宣戦布告し、四肢を切られた娘の書いた「みなごろし」を見せつけ、「斬って斬って、斬りまくれ~っ!」は心が震える思いがしましたね。男気というか日本男児の壮絶な武士道、侍魂を見せて頂きました。[映画館(邦画)] 9点(2010-10-06 00:57:50)(良:1票)
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