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341. 高地戦 《ネタバレ》 韓国と北朝鮮の戦争で、とある高地のでの戦いを描いた戦争映画。戦争における不条理で、同民族どうしの戦いの虚しさや、戦争とゆうシステムそのもののバカバカしさに特化して描かれていて、ただそれだけでなく、飽きさせない娯楽要素が散りばめられていて、僕的には退屈せずに楽しめました。僕が特に面白く感じたのは、各キャラ設定。なにかを秘めたイケメンな主人公の親友や、心の痛みから逃れるように薬漬けの若い大尉など、それぞれにキャラが立っていて、それらがうまくストーリーの推進力になっているように感じました。中でも中盤に登場する「2秒」と呼ばれる北朝鮮のスナイパーが印象的。相手をどこからともなく撃ち抜き、きっちり2秒後に銃声がなるそのキャラ設定は、実際にそのくだりを観れば、不気味でかっちょよく、ゾクゾクしてテンション上がります。名前からしてなんかかっちょいい。あと、終盤の中国軍も怖くてよかったです。明かりがついた時の、中国軍のその絶望的な多さ。ヒエーッてなりました。[DVD(字幕)] 7点(2016-11-23 14:01:17) 342. シャーロック・ホームズ(2009) 《ネタバレ》 ホームズとワトソンのバディーもの。ワトソンがホームズなみに強いのが目新しいです。推理も一応あるけど、アクションや戦闘は多め。中ボスが結構、強い。ホームズが戦闘するとき、一瞬で理論を構築するんだけど、それを見せるのが、なんかホームズ的戦闘って感じでした。次作に続く感じで終わっている。次作はモリアーティ教授が登場みたいので面白そうだけど、今作は可もなく不可もなくでした。[DVD(字幕)] 5点(2016-11-22 11:56:28) 343. SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 子供たちが青春しつつ、ある陰謀に巻き込まれて頑張るジュブナイルSF映画。前半の勢いは悪くない。列車爆発など迫力ある絵作り。ただ、後半、お話が徐々に失速。最後まで退屈せずには観れるけど、個人的には、この映画、面白いよと友達にはオススメできないです。ヒロインが主人公に、「太っちょはリーダーぶってあなたを利用してる」ってセリフいるかな?それも中盤の色々物語が展開していくタイミングで。そこでそのセリフ?なんかヒロインがやな奴に思えてしまうではないか。とか、主人公の父が軍から、勇ましく脱出するわりには、最後は特になにもないとか。敵の描き方とか、物語に統一性をあまり感じなかったです。でも一昔前の家族でのんびり見る感じのお茶の間SFとしては、こんな感じでもいいかもしれません。[DVD(字幕)] 5点(2016-11-21 18:56:18) 344. ミラクル7号 《ネタバレ》 とにかくナナちゃんがかわいすぎる。しかも、再生光線を発射する時はなぜかカンフースタイル。ぺちゃんこになったり、ビローンって伸びたり、ウンコの弾丸発射したり、なんかどれもこれもかわいい。お話はチャウシンチー版ETで、ベタだけど、なぜか面白い。男の子役は全部女の子が演じたり、マギーってゆう巨大女の子は完全におっさんだったり、しかも吹替えで観たけど、声がかわいい女の子なんで、なんてゆーか、ギャグ漫画的に楽しいとゆーか、色々、興味深い。マギーとドラゴンの対決なんて、吹っ飛び方とか、完全にファンタジーなんだけど、そのヤリスギ感がチャウシンチーらしいです。僕は、主役の子が「もう眠いんです」ってくだりで、涙腺決壊、泣けましたけど、その涙がかわく間もなく、笑いに変えるオチもお見事。橋の向こうからやってくるビジュアルと音楽と主役の笑顔で、なんか感動。いい映画みたなーってスッキリ終れました。ちなみに、これは監督の作家性で仕方ないんですけど、ドギツイ場面、下品で残酷ともとらえられる箇所はやっぱ存在してるんで、単純なハートフルファンタジーをお求めの方には、その毒っ気が受け入れられないかもしれません。[DVD(吹替)] 10点(2016-11-21 00:06:28) 345. 僕達急行 A列車で行こう 二人の鉄道オタクがひょんなことで知り合いになり、それぞれが抱える問題をトントン拍子に解決するハートフルコメディー。ゆるーい笑いがちりばめられていて、のんびり見るにはちょうどいい感じの映画。ご都合主義過ぎるとか、変な効果音入れ過ぎとか、今どきキャバレーって言葉に昭和過ぎるとか、乗れない方には退屈かも。僕は、鉄道にはウトイんですけど、ボーッと車窓の風景を眺める感じには楽しめた方かな。子供の影響で鉄道好きになってる嫁は、それなりに楽しかったみたいです。心にしんどい事が起こらないのも、そーゆう気分の映画を観たい時にはちょーどいいです。[DVD(邦画)] 5点(2016-11-20 18:04:52)(良:1票) 346. リダクテッド 真実の価値 《ネタバレ》 実際のイラクでのレイプ事件を題材に、フェイクドキュメンタリー方式でアメリカ兵が少女をレイプする前後を描いた問題作。前半の退屈さは意図的であるのは、なんとなくわかる。久しぶりに映画を観てて眠気が襲ってきた。これは兵士の感覚を体感させるためだろう。リピートされる音楽、何かが起こりそうで何も起こらない、そのうち緊張感は退屈へと変わっていく。そして突発的に起こる事件。ただ、正直に言うと、フェイクドキュメンタリー形式だけど、個人的にはリアルさはあまりなく、その後は、お決まりのクソみたいな出来事がただ退屈に過ぎていく感じでした。緊迫感や怖さ、異常さがそんなに伝わってこないし、こーゆうことはわかってるとゆう既視感から、単に嫌なものを見てるだけみたいな。僕の心の方が麻痺してるのかな。でもこーゆう映画は重要だし、ラストの実際の写真も世界がしっかり見て嫌な気持ちになるべきだとは思います。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-11-20 01:22:51) 347. ズートピア 《ネタバレ》 多様性のすばらしさ、人種差別と偏見といったテーマを、子供も大人も楽しめるエンターテイナー的な作品で表現した映画。刑事捜査もの、バディーものが基本展開となっていて、そこだけでも普通に十分面白かったです。そこかしこにある小ネタも、わかりやすい面白い表現あり、他の映像作品のパロディーあり、毒気ありで、そこにきて、CG表現のクオリティーの高さで、どこを切り取っても楽しく飽きなかったです。追いかけっこで小さなネズミの世界に入るくだりとか、ミスタービッグのくだりや、ナマケモノのくだりは思わず笑ってしまいました。特に主役のジュディーがとってもキュート、そのガンバリ感に、観ててこっちが元気になってきます。物語的にも伏線の回収がさりげなくなされたりしていて、なんか気持ちいい――。特にラストのオチ、サイコーでした。なんかピースがピッタリはまったーって感じで、しかも笑えるし。世の中をいいものに変えるには、まず、自分自身とその隣にいる人に対する接し方からって、単純な事なんだけど、それが最善なんですよねー。後、何事も色々あるって、それだけで楽しい、単純に。[ブルーレイ(吹替)] 10点(2016-11-19 18:01:24)(良:1票) 348. イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 《ネタバレ》 ちょっと前にありましたよね、スペインの教会の壁画をおばさんが修復したら、トンデモな絵になってしまい、世界の失笑を買ったんだけど、その後、その絵を見るために多くの観光客が殺到し、逆に人気者なってしまったってゆーやつ。世界は不思議です。何が価値を持つのか、全く予測不可能。逆にいいとか普通にあったりして、いやその逆がまたいいとか、糞でも何でも、発想を変えるだけで、素晴らしいとか判断されたりしてしまいます。で、この映画、そんな価値観についての映画です。それもストリートアートとゆうものを扱ったドキュメンタリー。監督はバンクシー。僕はストリートアートもバンクシーも聞いたことあるくらいで、さっぱり知らなかったんですけど、いやー、こんな世界観が実際にあるんですね。お恥ずかしながら、全く知らんかったです。違法行為である街の落書きが、そんな凄い事になっていたなんて。で、そんな中で最も有名なものが、バンクシーってゆう名前以外、顔も声も全く不明である、謎の人物。芸術テロリストの異名をもち、有名な美術館に勝手に自分の絵を飾ったり、パレスチナの壁に、命の危険も顧みずに絵を書いたり、世界的に話題になるような行為を次々やっていたらしい。全然、知らんかったです。世間の話題に疎くてすいません。で、そんな彼が作ったドキュメンタリー映画がこれ。しかも自分のじゃなくて、そんなストリートアーティスト達をビデオで撮り続けたおっさんのドキュメントです。映画を鑑賞してまず思ったのは、よーできた話やなーってこと。あまりにもよく出来すぎているので、これ、フェイクじゃないの?って思ってしまうくらい。ラストはびっくりする事実を知ることになり、いやマドンナが一番びっくりしてるかも。でも、これって日常でもたまにあるなーとも思いました。例えば、高級食材とか使って作る料理とか。どこそこのあんま取れない卵使ったチャーハンとか、よくテレビで紹介されたりしてるけど、普通の卵使った料理とかとの味の違いとか、本当のところ、わかる人っているのかなー。そもそも、そんな貴重価値の食材がおいしいってゆう根拠ってなに?とか。普通に安い食材のほうがおいしいかもしれんし、調理の具合で、味なんて色々変わるし。味なんて人それぞれだし。それって誰かが価値をつけたから、おいしいように錯覚してるだけじゃないの?とか。実際、僕も高級焼肉屋と食べ放題の肉屋に両方行くけど、本当の所、食べ放題の方が、おいしいって感じもあるし。映画の中で、アートは洗脳って言葉があるけど、まさに世の中の価値観なんて、それによって成り立ってるものが結構あったりしますよね。本当にそれって自分自身が何者かの影響を受けずにいいと判断したのか?そんな事を色々考えてしまう映画でした。[DVD(字幕)] 7点(2016-11-18 13:33:19) 349. 私は貝になりたい(2008) 《ネタバレ》 私は貝になりたい、こんな言葉を発する人間はどんな心境なんだろう。だりーなー、猫になりてーなーってな感じでは絶対ないと思うけど。例えば、僕は昔、死ぬのがものすごく怖かった。死後の世界などないし、生まれ変わることなどなくて、人間は死んだら、そのままいなくなるだけ。じゃー、今ある、この自分の意識はどーなっちゃうの?無になるって、意識が完全に消滅するって、考えれば考えるほど怖い。今ある、ちょっとした幸せとか思い出とか全部が消えて、完全に一人ぼっちの孤独で、消えていく。そんなことを突き詰めて考えていくと、いっそ、こんなことなら、生まれてこなきゃ良かった。そしたら最初から存在しないし、死に恐怖を感じることもないってゆう思考が、一瞬、頭をよぎったりした。貝になりたいって、それにちょっと近いのかなー。そんな気分で映画鑑賞。さて、この映画、映画の題材に対して、配役がちょっとポップ過ぎるとゆう評価をよく聞くけど、僕は逆にこの配役で良かったと思っている。なぜなら、それによって、映画の絶望感が少し中和されているから。この映画のストーリーだけを追うと、かなりきつい。主役は希望⇒絶望の繰り返しだ。やっと幸せになれそうと思ったら赤紙、で、戦争で生きて帰ってこれて、これでよーやく幸せになれそうと思ったら逮捕、で、なんとか死刑だけは免れたと思った矢先に死刑宣告、で、減刑だ、やったーって思って移動したら、24時間後に死刑。これは普通の絶望より数段レベルの高い絶望だ。それは例えて言うなら、彼女が最初からいないのと、彼女が出来てから、その彼女がいなくなるくらいの差がある。ちょっと違うか。こんな絶望的なお話、過酷すぎる感じでやられたら、僕的には精神衛生上とても良くない。もう観てられない。でも、中居くんや仲間由紀恵がやることで、演技がんばってるなーとか、きれいだなーとかってゆう余計なノイズが逆に救いになる。例えば、初めて死刑宣告された時、もう酷すぎて、きついんだけど、その部屋に草薙くんがいることで、そのスマップ力に、ちょっとだけ心強い気分になれる。ただ、それを凌駕するほど、クライマックスの中居くんの表現は凄かった。絶望のはてに狂気が宿る感じがこっちに伝わってきた。それによって、貝になりたいってゆう強烈な世界否定、自己否定の感情がちょっとだけ理解できた気がした。助かったーって思ってからの、死刑発動。この怖さ、この絶望感、狂気的な感じ。それが中居くんのあの目、あの動き、あのしゃべり方のなかに垣間見れて、鑑賞後、トラウマ的に引きずってしまった。きっと、こーゆう人がこんな境遇になったら、貝になりたいってゆうかもって、ちょっと想像できてしまった。そして、その手紙を後々、豊松の家族が知ることになることを想像すると、欝だ。果てしなく欝。そんな映画でした。[DVD(邦画)] 10点(2016-11-17 12:38:47) 350. チョコレート・ファイター 知的障害の女の子がめちゃくちゃ強い格闘映画。主役の設定がめちゃくちゃいい。一人で生きていくのにはちょっと無理があるほどの知的障害者なのに、誰よりも強い格闘家ってのは、なんかシビれてしまう。で、それに輪をかけて、格闘シーンがさらにいい。立ち姿、技のキレ、特に最後のビルの壁での戦いは、漫画とかゲームとかでしかありえないアクションが飛び出し、しかもそれがCGじゃなくて、実際にやってる迫力に、もう悶絶です。看板に体当たりして、下の階の壁にとりつくなんて、凄すぎる。格闘を観てて、涙が溢れてくるなんて、なんなんでしょ?これは。クライマックスで登場する、中ボス的な、障害者の敵も良かった。犬みたいにクスクス鼻をならしながら、これまためちゃくちゃ強い。あさっての方向を向いて、腕をブラブラふるわせて、スキがありそうなのに、的確に主役を打ちのめしていく強さに、ゾクゾクしちゃいます。それを見て、相手の能力を取り込んで反撃にでる主役。いやー、面白すぎる。クレジットのNG集で、本当に死にそうになってる悪役を見たら、やられ役も、めちゃくちゃ大変だなーと、そこにも感動。阿部寛のチャンバラアクションもおまけ的だけど良かったです。とにかく、キュートでカッコイイ女の子ジージャーに、ズッッキューーーーンでした。[DVD(吹替)] 10点(2016-11-16 13:48:11) 351. オールド・ボーイ(2013) 《ネタバレ》 昔の韓国版は観たはずなんだけど、トンカチ持ってオヤジが人を殴りまくるってゆう所以外、全くストーリーが思い出せず、これはこの映画を観てる間もずっと思い出せず、だもんで、最後は普通に衝撃を受けちゃいました。最初からテンポよくストーリーが進み、主役が20年間、監禁されるところもスルスル進み、最後までダレることなく映画を楽しめました、ただ、監禁前の主人公がちょっとクズ過ぎて、ラスト、真実を知った時に絶望に陥る所で、なんかあまり絶望に思えなかったのが、ちょっと残念かな。監禁で、主役の人柄が変わって、娘が全てになるのはわかるんだけど、ただ20年間監禁と言っても、映画の時間内では1時間くらいなので、こっちはまだ当初のクズな主人公を引きずってるわけで、これが最初から、娘を溺愛している主人公なら、ラストの絶望も素直にこっちも理解できて、体感できたんだけど、それじゃダメやったんかなー。アメリカを体現してるからダメか。でも結末も含め、それなりに面白かったです。[DVD(字幕)] 7点(2016-11-16 13:01:54)(良:1票) 352. 愛のむきだし 《ネタバレ》 よーやく、この映画が観れました。だって4時間近くあるんやもん。観るのにそれなりの覚悟がいるやん。でも、体感時間はそんなに長く感じませんでした。つまり、それなりに楽しめました。ざっくり言えば、主役が愛のために、ヒロインを悪の組織から救い出すって映画。パンチラ盗撮と愛と勃起がつまった王道エンターテイナー作品。まずメインで登場するキャラが面白い。神父の父に愛されたくて、罪をわざと犯して、父のもとで懺悔を繰り返し、たどりついたのが、パンチラ盗撮とゆう主役のユウ。しかも、ただの盗撮じゃなくて、アクションパンチラ盗撮。そして、父に性的虐待を受けて、男に暴力をふりまくる女性となってしまったヒロイン、ヨーコ。で、同様に父に性的虐待を受けて、悪魔のような女性になってしまったラスボス、コイケ。この3人、演じる役者がはまり役で、前半はぐいぐい映画の世界に引き込まれていきます。だって、カンフーアクションで華麗に舞って、パンチラ撮って、みんなですごく真剣。バカとしか言いようがないけど、なんか面白い。満島ひかりが若くて、なんかめちゃ魅力的に見えるヨーコ登場で、いよいよ本格的にストーリーが動き出す。後半は、やっぱ長いんで、ちょこっとしんどくなったんだけど、クライマックスでまたまた盛り返し、最後はちょっとグッときてしまいました。[DVD(邦画)] 7点(2016-11-15 23:34:04) 353. 川の底からこんにちは 《ネタバレ》 満島ひかりさんは僕的にはそんなに女性的魅力は感じないんですが、でも、彼女の嫌な感じキャラは天下一品とゆーか、なんだかもう目が離せないってゆーか、僕はとてもひきつけられてしまいます。そんな嫌な感じな彼女の魅力全開のこの作品、とても面白かったです。卑屈で投げやりなのに開き直って駆け出すクライマックスはかっこよくて燃えました。全てがしょーがない、しょーがないっしょ、中の下なんで、でもしょーがないから頑張るしかない、ってゆうこの人生観、すごくささったとゆーか、このダメモト感からの、開き直った頑張り感、負の感じをそのまま攻撃に変える感じがなんかカッコよく思えてゾクゾクしてしまいました。投げやりでも、色々抱え込んで、また、周りの色んな事はちゃんと理解してて、でもそれを表に出してグダグダやるのもわかり過ぎてるが故にバカらしくて、だからこそ、父の愛情を感じとれた時に、投げやりでありつつも彼女の中で何かが変わって、そーゆうのもビンビン伝わってきました。コミカルな部分では、おばちゃん連中のだいたいそーだけど大丈夫って感じが笑けました。主役キャラがかなりクセのある感じなので、好き嫌いは分かれると思います。[DVD(邦画)] 7点(2016-11-14 23:16:12)(良:1票) 354. その日のまえに 《ネタバレ》 大林監督の作品は人によっては全くノレなかったりするほど、クセが凄すぎます。普通の映画文法は完全無視。リアリティー?なにそれ?状態とでもいいましょうか、とにかく、ヤバい。ナンチャンの演技っぷりに輪をかけて、セリフとか、僕は普通ならもう見てらんないんだけど、なぜか、映画に引き込まれていく自分がいて、気がつきゃ、涙ポロリ。突然始まる喫茶店での攻防戦、あまりのキテレツさに思わずゾクッとしてしまう「出発進行」の青年。なんの前触れもなく割り込んでくる昔の浜辺での奇抜なドラマ。次は何が飛び出すのか全く予想できないのです。でも後半はしっかり、こちらの心を動かしてきます。永作の表現で、ナンチャンのヘンテコさも、なんだか受け入れられて、鑑賞後の感覚は独特でした。悲しいんだけど、どこか心が安らぐような、そんな感じ。ここ立て続けに大林作品を3本観ましたが、どれもこれも死に関して描いてて、なんか色々考えちゃいました。[DVD(邦画)] 7点(2016-11-13 21:52:41) 355. ルーム 《ネタバレ》 僕には同じくらいの息子がいるので、前半はもう観るのが辛くて、まるで息とめて映画見てるみたいで、正直、DVDを何回か止めて、ひと呼吸置いて観たりしました。それくらい、子供への感情移入が半端なかったです。ただ、子供が外へ出て初めて世界の空を観た瞬間、子供の不安と驚きが直に伝わってきて、なんかよくわからん感動がきて、ゾクゾク震えました。後半は落ち着いて観れたんですけど、それでも二つ目の課題、この境遇で、どう社会にて適応していくかをドキドキしながら観てました。最後の部屋に訪れるくだり、子供が世界へ一歩前に進んだことで、もう二度と後戻りはできない、その切なさと勇気感とゆーか覚悟感に、成長することへの残酷さと素晴らしさを同時に味わった気分になりました。ちなみに、涙は映画見てる間、最初から最後まで止まりませんでした。それにしても子供って、適応能力が凄いですね。[DVD(字幕)] 10点(2016-11-11 11:18:08) 356. ばしゃ馬さんとビッグマウス 《ネタバレ》 夢を追いかける2人の脚本家を描いた青春コメディー。最初の方は、ちょっとノれんかったです。ばしゃ馬さんは、がんばってるけど理屈が多くて痛い感じだし、ビックマウスの方はほんま薄っぺらな口だけ男っぽい感じで。ただ、観てるうちにドンドン映画にのめり込み、この二人がドンドン魅力的になっていき、クライマックスにはなんか高揚感に包まれ、鑑賞後は、久しぶりにドラマらしい、いいドラマを観たなーって感じで清々しい気分。僕は昔から夢らしい夢なんてもたず、バンドやるぞーとか、税理士になるぞーとか、表面的な思いつきの夢を一時的にもつくらいで、夢なんて語る人間ではないんですが、それゆえに最初にビックマウスのキャラを観たときは、あー、こんな感じ、わかるわーってなって、なんか同族嫌悪で、観てるのが辛くて、それが最初の方でノれんかった理由かな。このキャラはもちろん、そんなキャラではなく夢もちゃんとしてるってのが後半わかっていくんだけど。あと、そんな夢に苦しめられた事のない僕でも、所々にある描写が、ほんとアルアルな感じで、リアリティーがあって、そのへんも面白かったなー。テーブルにぶつかる店員さんとか、どなるおばさんとか、みんなで盛り上がってる横に会話に全く入らない人がいたり、背景描写も日常でよくある感じだし、テンション高めで挨拶したら向こうが自分の事を覚えてなかったり、なぐさめからのオスになる元彼とか、嫌な気持ちになってるのに、そんな感じじゃないですよって振舞ったり、見に覚えるのある細かい描写てんこ盛りで、それ観てるのなんか楽しい。[DVD(邦画)] 7点(2016-11-10 12:17:59) 357. ぼくのエリ 200歳の少女 《ネタバレ》 ハリウッドで「モールス」とゆう映画でリメイクされた異色の吸血鬼映画。僕はどちらも観たけど、少しだけ改変はあるが、概ね、同じ感じ。雰囲気は淡々としてて静か、そしてその静かな中にギョっとするエグい描写がある。どちらかといえば「モールス」の方がちょっとわかりやすく派手に出来ており、例えばイジメ描写などは結構、相手の少年像を含めてドギツ目に描かれている。後、主役の少年はのちに、エリのオヤジ役の男みたいになるかもってゆう暗示はハリウッドの方がよりハッキリと描かれてる。ただ、酸をかぶった後の顔はこちらの方がドギツイし、少年の親父像や母親とのちょっとした交流などの細やかな描写は、こちらのほうがちゃんと描かれていて、登場人物などの実在感はこちらの方が大きいかもしれない。で、こちらの方の映画のラストはどーとでもとれる様に出来てはいるのだが(原作とは違い監督はそーゆうふうに撮ったらしい)、僕は少年がやがてあのオヤジのような存在になるのではとらえた。そう考えると、とっても後味の悪い余韻を引きずる欝映画となり、またあのオヤジ役の人の人生を考えるととっても怖い。そして、そこが面白い。[DVD(字幕)] 7点(2016-11-09 17:22:52) 358. 野のなななのか 一人の老人が死んで家族が集まり49日までを描いた映画が、この、おのののかじゃなくて、野のなななのかです。いやー、まいった。序盤から、まったくセリフが頭に入ってこない。日本語しゃべってんのに。自分の言語野がいかれてしまったんじゃないかと不安になってしまったぜ。膨大な情報量の会話、いちいち入るテロップ、過剰な寄りなど、奇しくもシンゴジラに似た演出をとってるのだけど、何を観てるのかうまく説明できない。なのに、この3時間近い映画、退屈感はほとんどない所が、ある意味、凄いとゆーか、意味わかんね。不自然すぎる演出や反戦のメッセージ性、陳腐なセリフの羅列など、普通なら、リアリティーなし、偽善、左翼的とか思うところも、無理やり一週回らせて、いや、そーゆう嫌いなところも理解したうえで、こちらの思考を、それ以上の許容範囲にさせてくれる、全部含めてなんか観てられる。つじつまは全然あってないけど、後半は結構、衝撃的な真実が明かされ、意味のわかんなかった伏線もそれなりに回収されるんだけど、それでもわけわかんない。でも高揚感に包まれてしまう。それにしてもカメラ寄るなー。すげー寄る。寄って寄って寄りまくりだなー。[DVD(邦画)] 7点(2016-11-08 12:45:08) 359. キャロル(2015) 《ネタバレ》 僕は基本的に恋愛映画にそんな惹かれず、映画を表面でしか観ないのですが、評判いいので、この映画を観てみたら、やっぱり、少々退屈で、あんま楽しめず、でもそのままじゃ悔しいので、この映画に関して、なんで評判がいいのか、ちょっと調べてみました。すると、なにやら、原作者パトリシア・ハイスミス自身も同性愛者で、元になった小説「キャロル」は自分の実体験を元に書いた自伝的な小説みたいである。で、映画化するのに11年もかかったらしい。パトリシア・ハイスミスは「太陽がいっぱい」などの原作者で、もともと密かに同性愛を含む作品が多かったらしい。当時は、同性愛に関しては道徳的にタブーとされてた時代であり、「キャロル」に関しては作者名を伏せて発表し、それを告白したのが、なんと1990年。それまで発表できなかった事に、時代背景と世間の偏見と自身の葛藤で色々大変だった事がうかがえる。面白いのは彼女がカタツムリの観察を趣味としていたこと。カタツムリは一般的には雌雄同体である。同性を愛し、それを告白できない苦悩の生活の中、カタツムリを観察する彼女の姿を想像すると、人間的にすごく興味が湧いてくる。で、彼女の写真を見てみた。すると彼女の若い頃は、どことなくこの映画のテレーズ・ベリベットに似ていて、年老いてからは、どことなくキャロル・エアードに似ている。なんだかこの映画はパトリシア・ハイスミスそのものを描いてるような気がしてきた。映画の中の夫との話し合いの場で、キャロルが自分の事を隠さないよう発言するくだりは、原作の「キャロル」の作者を公表する彼女の姿にダブって見える。この映画は雰囲気から1950年代に非常にこだわった作りになっている。僕はこの映画がなぜ評価が高いのかちょっとだけわかったような気がしました。[DVD(字幕)] 5点(2016-11-07 15:03:45) 360. もらとりあむタマ子 家でウダウダしているプー太郎の女性とお父さんの何気ない1年を描いた映画。派手なことはなく地味、変わった色と形の扇風機だなーとか、野菜ばっか食って、あれは青汁か?とか、細かい部分の描写に思わず目がいってしまうほど地味目で特に何も起こらないけど、その何気なさや空気感が好きってゆう人には、恐らく、ずっと観てられる映画かもしんない。細かい描写も丁寧に感じました。前田敦子が演じるタマ子がとても自然なぐーたら感でそれでいて、仕草の一つ一つが普通なんだけど、なんか魅力的。あと、手下的な男子学生が登場するだけで面白く、タマ子とのやりとりはさすがに笑ってしまいました。ただ、ほんま淡々とふつうの生活を描いているので、全体的に面白いかと言えば、派手目な映画好きな僕には、微妙でした。[インターネット(字幕)] 5点(2016-11-06 17:45:13)
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