みんなのシネマレビュー
no oneさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425

361.  ワイズマンとのピクニック 《ネタバレ》 家具の皆さんが記念写真を撮っているのには笑いました。普通の家具なのに、シュヴァンクマイエルの手にかかるとなんだか可愛らしい生き物になってしまう。観ていない人は信じてくれないだろうが、「椅子」が可愛いんですよ! あの「椅子」が! そしてラストのどんでん返し。何があったんだワイズマン(笑)。家具たちが反乱を起こしたのでしょうか?? ただ欠点をあげるとすれば、他作品に比べてやや地味なところだろうか。瞼に焼きつく鮮烈な映像がなく、脳みそに新しい回路を作られるようないつもの斬新さがない。だからこそラストが生きるのかもしれないが、華に欠ける感は拭えなかった。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-11 16:07:59)

362.  僕の村は戦場だった そこらの青春ものでもかなわないくらい、繊細で美しい戦争映画。主演の少年の演技は素晴らしく、過去の場面と現在の場面での表情の違いは、ほとんど別人だ。あれほど無邪気で子供らしい顔つきだったのが、復讐に取り付かれてからは獣のように酷薄な表情になる。普段は弱みを見せないくせに、真っ暗な部屋で一人遊びをしているときに泣き伏す場面の痛ましさは真に迫っている。ほんとうにすごい役者だ。また、他の方がすでに言及されているが、水の描写の美しさが非常に印象的だ。光が水滴とともに弾け、みなもに落ちてゆらゆらとたゆたうのをはっきりと見ることができる。  ただしそれで感動できたかというと、そうでもなかった。あれほど上手な描写なのにいまひとつ引き込まれないのは脚本の弱さだろう。単純でひねりがなく、もう少し膨らませようがあっただろうに、短くまとめてしまった。それでいて意味の分からない余計なエピソードも残っている。きっと無駄を削ぎ落とすと一時間弱程度にしかならないだろう。伝えたい内容の重みに対して時間が短すぎたように思える。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-11 12:59:54)

363.  人間人形 デッドドヲル アルバトロスも良作を配給することがあるのか! と軽い驚きに打たれた。メインアイディアはチープと言ってもいいものなのに、人形をバトンタッチしていく構成、暗いタッチの映像感覚など、とても丁寧に作られているので普通に楽しめる。早回しやカットバックが登場人物たちの精神状態を表現するのに非常に効果的に使用されていた。あの人形はどのように映しているのかはわからないが、男たちが狂わされるのも無理がないというくらい綺麗で、物語に説得力を持たせている。がりがりの不気味な人形なのに、不思議と可愛くて色っぽい。アニメ声のロニ・コッチという女優さん、なかなかいい。エロティックな場面が多いが、たいていのホラーとは違って安手のポルノまがいとは一線を画す、味のある雰囲気が漂っていた。低予算ながら、作り手がホラーをバカにせずに真剣に取り組んでいるのが分かる。いいんじゃないでしょうか。今度はぜひ予算を手にしたシャーマン監督の作品を観てみたい。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-10 22:16:23)

364.  エトワール(2000) 親戚にダンサーの女性がいるのだが、彼女は温泉の電気風呂にはほとんど入っていることができないそうだ。体脂肪率の低い全身筋肉みたいな体だから、身体が過剰に痙攣してしまい、まともに動くこともできない(!)のだという。その話を聞いたときは冗談だろと笑ったけれど、この映画を見て改めて慄然とした。針金のように細い身体が、精密機械のように完全に統制された動きをする。かといって機械的な訳ではなく、しなやかさと力強さを併せ持った、間違いなく生き物にしかできない動きだ。とにかく、すごい。人間にしかできない動きを人間業ではない領域まで昇華する。それに必要とされる気の遠くなるような努力。バレエのために他の何もかもを捨ててしまうだけの情熱は、一体どこから出てくるんだろうか? 想像するに、ダンスの快感は音楽や絵画といった芸術表現の快楽と、スポーツの身体を動かす快楽が一体となったものだ。自己表現の気持ちよさと、身体を動かす気持ちよさが同時になされる――それらの快楽の一端しか味わったことのない自分にも、なんとなくその凄まじさは理解できる。精神と肉体の快楽の頂点。それはきっと、性的快感をも凌駕しているだろう。だが、間違ってもバレエダンサーになりたいとは思わない。アーティストの苦しみとアスリートの苦しみを一身に背負うこと、精神も肉体も極限まで研ぎ澄ませることの苦しさを、いやというほど観せられたからだ。変な話だが、観終えた今は彼らを羨ましいと思う気持ちと、死んでもああはなりたくないという気持ちの両方が混在している。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-10 10:28:33)(良:1票)

365.  眠狂四郎 無頼剣 シリーズ他作品は未見ですから明言できませんが、やっぱり悪役がいいと主役も栄えますね。うたい文句通り、主人公の影。剣の流儀だけでなく、自らの正義を信じて誇り高く闘う彼の姿は狂四郎に重なるものがある。敵役ながら卑しい雰囲気がまったくなく、もう一人の主人公と言えるでしょう。とくにあの子供との交流がいい味わいを出していたと思います。最後はあっけないと感じましたが、考えてみればあれ以上続けたら野暮かもしれません。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-08 09:47:53)

366.  ほしのこえ わずか25分の掌編。新海誠も映画として作った気はさらさらないだろうから、この場で二時間前後の映画群と同じものさしで評価するのは少々酷な気がする。酷というか、ほとんど無茶である。映画を観るより軽い気持ちでさらっと鑑賞すれば、それなりに満足できるのではないか。状況を考慮して、サービスで6点付けときます。  アニメーションを見慣れている人なら大丈夫なのかもしれないが、年端も行かない女の子が巨大ロボットに乗って宇宙のモンスターと戦う、というリアリティのない設定にはやはり抵抗があった。しかし結末は悪くなかったと思うし、言葉の使い方や、とくに背景美術の美しさには息を呑むものもあった。透明感のあるきれいな映像は、一人で製作したからどうという意味ではなく、文句なしに素晴らしいと思う。脚本の力を伸ばすか、あるいは他の優れたクリエイターと手を組んだなら、将来は大傑作が生まれるかもしれない。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-05 13:36:11)

367.  アメリカン・ナイトメア(2000) 興味深いには興味深いが、もう少し掘り下げてほしいところ。これが一時間足らずのテレビ番組であったならそれなりに満足しただろうが、映画としてはいまひとつ物足りない。ホラー好き、あるいは逆にホラー映画を全然観ないという人にはちょっと面白いかも。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-03 06:13:21)

368.  鬼畜大宴会 グロいというよりかは、汚い。登場人物も舞台も、とにかく汚い。70年代の若者の不細工さが妙にリアルで、役者に演技力はないが、とにかく嫌なキャラクターばかりで胸がむかついた。狭い部屋にやり場のないどろどろとした鬱屈が溜まっていく息苦しさはひどく不愉快で、そりゃ学生運動で爆発しなきゃやっていけないだろうなと思わせる。映像にも音楽にも独特のこだわりがあって、なかなかどうして成功しているように思えた。とくに荒んだ空気の表現が非常に上手いのだ。しかし人間が狂気に囚われていく過程としては、さほど真に迫っているとは思えなかった。恐慌へ向かう集団心理のリアルな描写を期待していたのだが、細かな経過はすっ飛ばしていきなり発狂。「へ?」という感じ。これじゃ学生たちにもともと発狂する素質があったとしか説明のしようがない。狂気そのものを描くという意味ではすごいのだが、おかげで少し物足りなかった。もっともこんな題名の映画にドラマを求める方が筋違いなんだろうが……[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-03 05:41:51)(良:1票)

369.  キャメロット・ガーデンの少女 《ネタバレ》 少女のキャラクターのせいで素直に楽しめなかった。そもそもトレントが逃げ出す羽目になったのは主人公の少女のせいなのに、少女が助けてめでたしめでたしと言われても…。子どもだから仕方ない、というのが大人の解釈なのだろうが、こんな子は可愛いとは思えない。わざわざトレントを変態と誤解させるような言い方をして追いつめてしまうところは観ていて腹が立った。ちょっと頭が悪すぎるんじゃないの!?[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-03 03:17:47)

370.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 一市民の視点から宇宙人の侵略を描き、恐怖と混乱に焦点を絞ったSF大作をつくったという点では評価できる。ただ、原作ファンの方には申し訳ないが、このオチは完全に賞味期限が切れていると思う。小さな微生物が強大な存在を倒すという結末に、何かしら意味合いを見出そうとすればできないわけでもないのだろうが、やはり現代の感覚では薄っぺらく感じてしまう。スピルバーグにこれを言うのは酷かもしれないが、本作をパニックホラーとしてとらえたなら、人類の絶滅、あるいはそれを暗示する絶望的な結末にするのが理想的だったと思う(それじゃロメロのゾンビ映画だが)。一人の平凡な父親が、たいした悪人というわけでもない男を殺し、娘がただ耳を塞いで耐えているあの地下室の場面には素晴らしい。あそこまで極限状態に追い込まれた人間の醜さを活写したのだから、いっそ娯楽作のお約束は忘れて問題作にしてほしかった。ラストのナレーションには失笑してしまう。だってさ、天然痘やチフス菌を利用してインディアンを虐殺、侵略した連中がアメリカを作った訳ですよ。説得力ゼロ。やはりアメリカ人には9.11を体験してもなお、侵略される絶望感は想像もできないのでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-02 02:25:25)

371.  ジョゼと虎と魚たち(2003) う~ん……ちょっと、共感できないなあ。とくに恒夫、自分とはかなり違う性格の持ち主で、よくつかめない。話の流れを見ても、自分の経験と重なる部分がない。雰囲気は良い。でも映像的にとりたてて洗練されているというわけでもないし、記憶に残らないだろう。海の場面がいちばんきれいだけど、海を鮮やかに映すのって比較的簡単なんじゃないの? 珍しくもないし。また、恋愛映画なのに、二人の恋愛感情はあまり伝わってこない。感覚的な表現が非常に上手く(朝ごはんの味とか、乾いた空気とか)、巧みに観客をひきこむ力があるのは確か。それだけに、あまり実感の伴わない恋愛物語でも、騙されて最後まで観てしまった。本当にお互いを好きだったの? という根本的な疑問すら感じる。寂しさと、ほっとけないという使命感で引き合ってただけじゃないのと思った。ほんと、わっかんないよなあ……そもそも出刃包丁を振り回す女に惚れる気持ちがわかんないだもんなあ。 あ、でも音楽にくるり、イラストにDを選ぶのはほんとにいいセンスだと思う。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-01 04:48:05)

372.  インファナル・アフェア 終極無間 《ネタバレ》 恥ずかしながらクライマックスに至ってもしばし意味がわからず、「へ?」という感じだった。まあ考えればなんてことないのだが、少し不親切な気がした。サプライズを優先するあまり、主人公の心理描写を怠っている。最後の言動が唐突な印象。サプライズも新味がなく、びっくりするよりもまず「こいつも潜入捜査官かよ」と呆れてしまった。警察もマフィアもあまりにもスパイに頼りすぎ。他にネタがないのだろうか。ヨンが死んでもあまり哀しみが湧かないというのもどうかと思う。やっぱりどんでん返しを弱めてでも人間ドラマに集中すべきだったんじゃないかなあ。[DVD(字幕)] 6点(2005-12-28 02:29:15)

373.  BLOOD THE LAST VAMPIRE デジタル技術はすごいが、かっこいいとは感じなかった。技術はあるが、センスがない。見せ方が上手いのはせいぜい冒頭の列車のシーンくらいか。せっかく日本刀という絵になる武器を持っているのに、普通にぶったぎるだけ。戦闘機に飛び移ろうとするモンスターを斬るクライマックスなんか、もっとドラマティックに演出できたはずで、これじゃ尻すぼみだ。セーラー服に日本刀というキャラクターも好評のようだが個人的には「?」。男みたいな顔立ちなので女子高生が日本刀を持つというギャップも薄れている。心理描写も少なく愛着も湧かない。本作ヒロインをモデルにしたGOGO夕張は可愛くてかっこいいのになあ。モンスター造型は安っぽいの一言で、デビューしたての三文漫画家レベルのデザインだ。いちおう退屈はしなかったので6点。短くまとめたのは潔くてよい。[DVD(字幕)] 6点(2005-12-28 00:22:11)(良:1票)

374.  リュミエールと仲間たち 百年前の技術で撮影された映像は繊細な光と影が美しく、詩的だ。もしかして大して力のない人間が適当に撮っても、それなりに深いように見えるんじゃないかと少し疑ってしまった(いや、やっぱり差は出るだろうけど)。四十人の作品の合間に入るインタビューや撮影風景は余計に思えた。作品の撮影開始の瞬間、撮影終了の瞬間を作品に直接つなげるのは感心しない。冷めてしまうし、作品の味を殺している。曲の順番も考えない、数秒の間も置かないアルバムみたいなずさんな編集だ。一分間の異世界の余韻に浸る暇すら与えてくれない。監督への質問も、意味深長にみえて実は中身がない。  映画誕生時の撮影で、たとえ一分以下の時間でも素敵な映画が撮れるのはわかった。しかし総監督のサラ・ムーンのやり方には疑問が残る。贅肉を極限まで削ぎ落とした映画の結晶のような繊細な作品を乱暴に扱い、わざわざ蛇足を継ぎ足している。一時間足らずに収めるべきだったろう。[DVD(字幕)] 6点(2005-12-27 15:46:26)(良:1票)

375.  夕陽のガンマン かっこよさを印象づける演出がすごく上手。冒頭の遠距離での銃撃戦、多勢に無勢の状態からの逆転、二人の出会い、最後の決闘などなど、けれんの効いたシーンが山ほどある。ライフルや独特の銃、オルゴールつきの懐中時計のような小道具の使い方も非情に効果的だ。脚本も思ってたよりもずっと凝っていて、後半で明らかになる敵の首領の狡猾さにうなった。『ホワイトアウト』のボスみたいな。それなのに甘さも見え隠れするところが、人間味があってよい。主人公に最強の男を据えないというバランス感覚も絶妙。  しかしあまりにもかっこよすぎて、おいおいそれはねえだろ~という部分もあったのでちょっと減点。わざわざポーカーでターゲットを倒してから、取り分に「お前の命を頂く」とは……かっこつけてないでとっとと撃てよ(笑)。その間に味方を呼ばれてるじゃねえかよ。[DVD(字幕)] 6点(2005-12-16 14:32:21)(良:1票)

376.  美しき諍い女 優れた芸術作品が生まれる過程が実際にこの映画のような流れだとは思わない。リアリティを感じない。  まず、画家の人物造型に胡散臭さを感じてしまった。例えば「銀河が始まる前の混沌、それを君に見たいんだ!」という言葉には失笑してしまう。芝居がかったことを言い、大げさに苦悩するのだが、こんなことを言うのは理屈ばかり先行する三文画家だと思う。コメディ作品の画家を風刺する場面ならこんな台詞があってもよいが、大真面目に才能ある画家を描きたかったのだとしたら、類型的で安直なイメージだという他ない。  そして予想通り、四時間かけたあげく完成した作品は見せてくれない。あれほど期待を煽ってしまえば、本当に絵画史に残るような傑作を見せないと観客は納得してくれないだろうから当然だ。マンガの中に登場する「素晴らしい絵画」がしょぼくて読者に嘲笑されるのと同じで、仕方のない流れである。だが仕方ないとわかっていても、やはりこの映画は絵空ごとだったと白けずにはいられなかった。私は絵が好きで、よく美術館にも行くが、この映画に出てきたような被写体の内面を露にして、モデルを苦悩させるような絵が実在するとはどうしても思えないのだ。絵が登場しなかったことについて何かしら深い意味を読み取ることもできるのだろうが、ただ単にそんな絵を見せる自体が不可能だったのだと思う。  もしも創造の過程を描きたいのなら、実際の画家に密着してドキュメンタリーを撮ればいい。沈黙の中に絵筆の滑る音だけが響く場面は確かに心地よかった。でもこれは安っぽい嘘っぱちだ。いくら映像や演出でリアリティを求めたとしても、現実には遠く及ばない。[DVD(字幕)] 6点(2005-12-15 15:53:20)

377.  mute ミュート(2001) 《ネタバレ》 ほとんど台詞なし、しかも老人の生活をたんたんと映しているだけ。なのに、不思議と飽きない。沈黙の場面が長いと聞いて素人くさい自己満足映画ではないかと疑ったのだが、案外形になっているように思えた。うら寂しい風景や、何気ない生活音が印象的で、静けさが上手く不気味さに昇華されている。そして話が半ばを過ぎて、劇中初めて口に出される言葉が"murder"(殺人)。これはちょっとかっこいいと思った。少女の亡霊の映し方も気持ち悪く、個人的にはオチも嫌いじゃない。地味だけど、妙に生々しい陰惨さがよい。[DVD(字幕)] 6点(2005-11-30 22:07:58)

378.  ブルーベルベット デビッド・リンチの映画ってちらっと映像を観ただけで誰が作ったかすぐにわかってしまう。なんともいえない暗鬱さと、艶っぽさ。それこそブルーベルベットの色彩に似ているかもしれない。悪趣味と高級さの中間にある、光沢のある紫色。昼間の映像でもどこか夜の暗闇を孕んでいるかのような不穏さがある。  幕開けの庭で水撒きをしている男が倒れる場面から、上手いなあと唸らさせられた。飼い主の異常な状態に気づかずにホースから水を飲み続ける犬、とてとてと歩いてくる何もわからない赤ん坊、突然どアップになる虫たちと、その蠢く音。嫌な感じだ。ただ人が倒れるだけの場面で、ここまで嫌な気持ちにさせることができるのはリンチくらいだ。  脚本はわかりやすいという声も多いが、それは監督がリンチである割には、という意味であって、これが普通の監督だったら「なにあれ?」という場面がいくつもある。題材とされる犯罪はたいして複雑なものではなく、ミステリー的な驚きはほとんどない。にもかかわらず、裏で行われている犯罪が示唆されるだけで普通に画面上で進行せず、観客には隠されている。麻薬関係のいざこざは現場がちらりと映るだけ、フランクという男の不可解な言動には一切の説明なし。車を走らせた先には傷だらけの裸の女が唐突に立っているし、アパートのドアを開けると立ったまま死んでいる男がいる。何が起きたか、は想像するしかない。事情はなんとなく想像がつかないわけでもないが、かといってわかりやすく見せてくれるわけでもない。このじらし方、触るか触らないかの微妙な手つきで肌を撫ぜられているような気持ちの悪さ。嫌な感じがするのは確かなのに、半端に隠されているために観客もつい「なになに?」と覗きたくなってしまうのだ。好奇心で危険に顔を突っ込んでしまう主人公のように。  地味な話だが、観る者を引き込む異様な空気の作り方にはやっぱりすごいものがある。ごく普通の風景ですら、リンチの手にかかればかすかに死の香りが漂っている。[DVD(字幕)] 6点(2005-11-29 03:24:38)

379.  恋愛適齢期 ジャック・ニコルソンの演技に関しては文句なくよかった。ダイアン・キートンも非常に魅力的。高齢の彼女がもてもての脚本は女性にとって都合が良すぎるという声も多いけど、男性の自分から見てもとくに違和感を覚えなかった。年をとってもあれだけ可愛らしければもてるだろう。  ただ途中までは俳優の魅力でとても楽しく観られたのだが、二人がケンカするシーン以降は冷めてしまった。無理やりドラマチックな展開にしようとして、無駄に長くなってしまっている。  それに主要登場人物の感覚が、あまりにも幼稚。精神年齢が低いので情緒も中学生レベル、思春期レベルである。恋愛適齢期はまだ来ていないんじゃないか? キアヌが可哀そう過ぎるぞ。コメディとしては楽しめるが、ラブストーリーとしてはバカバカしい点が目立つ。[DVD(字幕)] 6点(2005-11-21 22:35:50)

380.  王妃マルゴ 血なまぐさい宗教戦争と権謀術数飛び交う王宮のドラマを、カラヴァッジョの絵画を思わせる暗く陰惨な映像で雰囲気たっぷりに描いている。全編に渡って暗闇が多く、ラストシーンでようやく美しい日の光が差してほっとさせられた。それぞれの思惑が絡み、もつれた末に、思わぬ結末に至る運命的な物語が面白かった。  しかしマルゴを含めたすべての登場人物に距離を感じてしまい、入り込むことが出来なかった。マルゴの丁寧な心情描写がないので、彼女がどんな人物なのかをつかみにくい。アンリが一番共感しやすかったが、彼よりもマルゴとラ・モールに感情移入させる作りにしなくては話にならないのでは?   映像に凝っているようでいて、とりたてて美しいと思える場面が少ないのも残念。いちばん印象的なのは、暗闇に白く浮かび上がるカトリーヌ・ド・メディチの顔。どう見ても吸血鬼ノスフェラトゥ(笑)。歴史に残る悪女とはいえ、あんまりな扱いだ。[DVD(字幕)] 6点(2005-11-15 16:57:27)

010.21%
161.23%
261.23%
3163.29%
4255.13%
5336.78%
610521.56%
712225.05%
810922.38%
95310.88%
10112.26%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS