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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  かぶりつき人生 神代辰巳監督作品には同じく名前に「神」を冠するゴダール(「God」ard)作品の影響を隠さないものが多々あるのだが、この神代監督デビュー作にもその刻印が見てとれる。とくに主人公が名声を得て洗練されてから以降の街中での描写に強く感じる。やたら印象的なテーマソングの「♪男は男~、女は女~、みんなはみんな~~」なんて歌詞なんかはもろにゴダールの影響下にあることを宣言している。とはいっても冒頭の母親のキャラの濃さとその痛快な面白さはいかにも邦画独特のもの。この母が中盤以降、ほとんど顔を出さず、しかもラストには全くからみもしないというのがいいキャラだっただけに残念。母子の話を引っぱって人情ものにしなかったのは良かったが、それにしてはたまに出てくると意味ありげに出てくるもんだから。あと、エピソードが豊富すぎる感が。[映画館(邦画)] 6点(2011-02-14 13:37:27)

22.  招かれざる客(1967) 戯曲のような会話劇。キャラがあまりにも型通りということも含めて戯曲用に作られたか、もしくは戯曲の面白さを映画でも、といったところか。黒人男性が、そんな奴おらんやろ~な超好男子なのも、白人女性が、その偏見の無さは一歩間違えたらアホっぽいで~な純真無垢なのも、あまりに極端に単純化されており一層戯曲的に見える。当時の社会ではここまで非現実的な好条件をそろえないと物語として成り立たなかったというのもあったのかもしれないが。ただ、しゃべっている人間が映されるとき、対面の人物、つまり話を聞いている人間の斜め後頭部もいっしょに画面に入れているのだが、しゃべる人物が入れ替わるごとにこの構図が切り返される。このあたりが「戯曲」ではなく「戯曲の面白さを兼ねた映画」であることを主張しているようでもある。部屋から部屋への移動がやたら多かったり、扉ごしに別の部屋の人物を見せたりというのも「映画」を主張しているのだと思う。[DVD(字幕)] 6点(2011-02-10 14:26:47)

23.  続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 唐突に映される小汚い顔のクローズアップと荒野という魅力的な背景を効果的に見せるロングショット。セルジオ・レオーネの映画だ。イーストウッド、あるいはリー・ヴァン・クリーフが画面に登場するときのかっこいい構図。中でもイーストウッドの右腕越しにイーストウッドと対峙する4人の男をとらえた構図にはしびれた。ドラマの長くかったるい紆余曲折があまり気にならないのは三人の男たちがその紆余曲折の中で徐々に徐々に絡まってゆく様に面白さがあるからだろう。まるでコンビのように連れ立っているイーストウッドとウォラックにしたってその関係性は微妙に揺れ動いてゆく。そしてクライマックスの三角形。あの墓場の配置も素晴らしいが三者が対峙する三角形が凄まじく素晴らしい。映画はなんだかんだ言ってかっこいいのがいい。かっこいいシーン一つで心躍るのよ、私って。[DVD(字幕)] 7点(2011-01-28 14:51:12)(良:1票)

24.  絞殺魔 《ネタバレ》 こりゃおもろいと思ったのだが評価悪いな。前半は連続殺人の犯行シーンと捜査する側の試行錯誤が描かれる。そこで分割画面が多用されるんだけど、捜査する側が全く犯人を追い詰めることなく右往左往してる様がこの分割画面でより顕著に表現されているように思う。見た目のかっこよさより実用性で選ばれた分割画面。で、まずまず面白いこの前半は前フリでしかなく、なので犯人が誰なのかとかどうやって捕まるかなんてのは映画の肝となりえない。犯人は捜査側の懸命の努力とは関係なく市民にいとも簡単にとりおさえられてしまう。ここからが実は見所。犯人は二重人格であって犯行を全く覚えていない。で、本人に少しずつ思い出させようとするんだけど、その悪夢のような回想の見せ方がなかなか凝ってて唸らせてくれる。唸らせてくれるんだけどちょっと冗長な気がしないでもない。だけど本当の見所はまだここからあって、犯人が正常から異常になったときの様相をじーーっくり見せるところ。ここ。ここでこれまでのことが全て前フリと化す。このシーンの重さ、尋常じゃない。[DVD(字幕)] 7点(2010-12-22 17:20:44)

25.  ウイークエンド(1967) ジャック・タチのような風刺映画にちょっぴりの毒を入れようとしたら中蓋が開いててどっさり入っちゃったみたいな。しかも中蓋開いてたの、わざと、みたいな。文明=車社会=事故=死、この飛躍が笑える。まるでゾンビ映画のようにあらゆる場所に死体が転がってる。ゴダールの映画っていつも何かに怒ってるというか反論してるというか、そういうところがあるんだけど、こういうの見ちゃうとホントに怒ってるの?怒ってるフリして楽しんでない?って思っちゃう。で、結局面白いんだか面白くないんだかよくわからんままに進み、正直退屈感を覚えてきたところでとんでもないシーンが出てくる。実に退屈な農村での日常風景が延々と映されているだけなんだけど、カメラが360度回ってそれらを何度も映し出すことでえらくドラマチックに見えてくるというシーン。ジャック・リヴェット『北の橋』でバイクが同じところを延々と走ってる退屈な画が音楽ひとつで壮大な画になっちゃうってのがあったけどそれと同じ効果をカメラ一つでやっちゃうのだ。エロ会話とか政治的な風刺を装ったセリフとかいまひとつノレなかったんだけど、このワンシーンだけですっかりやられた。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-09 17:12:53)

26.  乾いた花 どこかフランスの犯罪映画を彷彿させるモノクロ画面がシブイ。しっかりとした黒を背景に賭場の灯りに映し出される顔にも陰影を残す。寡黙な主人公というのもフィルムノワールっぽい。これで音楽がジャズだったら。でも武満徹の音楽もかなりインパクトがあって良くも悪くも作風に大きく影響を及ぼしている。池部良の小林旭みたいな目張りが気になってしょうがなくて、刑務所から出てきたばかりでその眉毛はないぞと。モダンな作風ともミスマッチでかなり残念。加賀まりこはかわいかった。[映画館(邦画)] 5点(2010-11-25 14:48:43)

27.  ぼんち これより一昔前の映画ならば、封建的社会や男尊女卑の慣習の中で痛めつけられながら強く生きる女、あるいは生きられなかった女が描かれるんだろうけど、いつからか女は感情的な生き物から現実的な生き物として描かれるようになった。一人の男が多数の女を囲うという構図、市川崑だと『黒い十人の女』も同じ構図なんだけどこれもやっぱり女が一枚も二枚も上手。男は情けないというよりも優しい。だからといって女たちは男の優しさに翻弄されるわけでもなく、もちろん封建的社会や慣習に翻弄されるわけでもない。むしろ社会、慣習に翻弄されるのは男。豪華女優陣はさすがに目を引くが、ぼんち市川雷蔵がいい味出してる。[映画館(邦画)] 7点(2010-08-26 15:16:40)

28.  ああ結婚 《ネタバレ》 人生の苦汁が全部顔に出てますみたいなソフィア・ローレンが出てくる。なんだか重そうな雰囲気だ。時を遡り十代のうぶな彼女が出てくる。同じ人物とは思えない変化にびっくり。『昨日・今日・明日』の三変化も凄いけどこの年齢からくる変化に人生経験のあるなしを加味した変化がまじで凄い。男は女が好いていることをいいことに都合の良い女中のように扱い続ける。女は女で三人の子供のために男の金を当てにし続ける。どうしようもなくドロドロである。仮病を使って結婚とか、自分の子供はどの子か捜すところなんか、かなりコメディな様相を見せるんだけど、これとてドロドロの賜物なわけで。ところが突如ハッピーエンディングへ。なんだかんだいって心のずっと深いところで愛し合っていた、なんて、んなあほな、という納得しがたい展開なんだけど、マストロヤンニとソフィア・ローレンだもんでまあそれもありかと。いやほんと、この二人でないと無理でしょ、この展開。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-23 18:20:29)(良:1票)

29.  コレクションする女 今まで見たロメールの映画で唯一面白くないと思った作品だったのだが、ロメールが亡くなった際、録画しておいたビデオテープを引っ張り出し勝手に追悼鑑賞をしたのだが、そのとき選んだのがこれ。面白くなかったのは作品のせいではなく私のせい、などと思いたくもないがこれ以外の作品はどれもこれもめちゃくちゃに面白いもんだからあえてこれに再チャレンジ。だったがやはり退屈。恐ろしく美しい空の色とか窓の光とか透き通る水とかが挟まれてもやはり退屈。しかしそれも当然。主人公は退屈な休日を送ろうとしているのだから。あと、終わり方が『クレールの膝』同様に楽しかったが『クレールの膝』同様に主人公がいけ好かない。ただ二度目の鑑賞ゆえにこのいかにもロメールな、いかにも教訓話的なエンディングを知っているわけで、そのおかげでこのいけ好かない男に対する嫌悪感はずいぶんと薄れていたように思う。女の子は映画が進むにつれてどんどん可愛くなってゆく。二度目の鑑賞で主人公が振り回されるのも納得の可愛い笑顔を見てしまった。たぶんまた見ると思う。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-03 17:06:21)

30.  アデュー・フィリピーヌ 《ネタバレ》 始まってしばらくは男がメインで映されている。時はアルジェリア戦争6年目。兵役につくまでの限られた時間といっても若者のすることはいつでもどこでもどこか無駄で怠惰に過ぎ去ってゆくものだ。共同購入した自動車を走らせ女の子を口説き。この口説かれた女の子二人組みが徐々に画面を支配してゆくと映画はどんどん面白くなってゆく。ベッドの上で戯れる二人の女の子はまるで『男の子の名前はみんなパトリックっていうの』(監督ゴダール、脚本ロメール)の女の子。一人の青年をめぐって何かを企み何かを企まれる。が、秘かであるはずの企みはあっけらかんと陽の下にさらけ出され、譲ったり譲られたりのロマンスという名のお遊びが展開する。男はたまったものじゃない。若いってことはもうそれだけで罪。映画はその罪の瞬間をしっかりと映しきる。やがて眩しい一瞬を切り取ったバカンスが終わる。成年が乗る船がゆく。ふたりが手を振り走り出す。その手の振り方が、走る速度が大きくなる。散々弄んでってこともないが、楽しんでおきながらなぜそこで必死ともいえる動きをするのか。唐突に思いだす。青年は兵役につくのだと。それとも単なる眩しい一瞬が過ぎ去ろうとすることへの購いなのだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2010-08-02 16:23:14)

31.  真田風雲録 《ネタバレ》 関が原の合戦跡を徘徊するガキ共が長い横移動で捉えられる。おお!と思ってるとそこに超能力少年佐助が現れる。おいおい。一気に胡散臭くなる。安易な発想とチープな特撮。やばいなこれ。と思ってたら時代は進み、ガキ共は若者に。ミッキー・カーチスがギターを弾きジェリー藤尾はスカーフを巻いている。なんだこれ。紅一点お霧って霧隠才蔵ですかい。なんだかとぼけた真田幸村が出てきたぞ。大阪冬の陣。佐助の妖術が笛とギターで拡散される。負けてられない敵方服部半蔵率いる忍者部隊が華麗なダンスパフォーマンスで迎撃する。なんだこれ。面白すぎる。冒頭で感じた胡散臭さを最大の武器とし、徹底したデタラメさで攻めてくる。特撮のチープさすら作品のデタラメ性向上に一役買っているではないか。天然ギャル千姫の今どき発言や歌謡ショーで十二分に和ませても、ミュージカル・コメディ特有のフワフワ感はなくひたすらデタラメ感が充満する。フワフワ感どころかどこか仁義に尽くす者の悲しき定め的な空気が漂っているのは加藤泰ゆえか。最後にやらなくたっていいけどやらなくちゃならない男の勝負、佐助VS半蔵で締めるあたりもやっぱり加藤泰。[映画館(邦画)] 7点(2010-07-27 14:50:44)(良:1票)

32.  マタンゴ 《ネタバレ》 怪獣ものかと思ったらシチュエーションスリラーに近い。無人島ってことで「蝿の王」にも近い。そこに怪奇ものが加味されるからんだけど、マタンゴなかなか出てきません。引っぱります。だからシチュエーションスリラーとしての面白さがあるわけなんだけど、まあ面白いと言っても知れてます。だって、こいつの本性ってこんななの?とか、こいつが裏切っちゃうわけ?とかないし(最初から本性悪そうにしか見えない)。で、いよいよマタンゴ登場です。襲ってきません。いや、襲ってるんだけど全然怖くないです。気持ち悪いだけです。『エイリアン』みたいな密室パニックになりません。マタンゴが出てきても相変わらず人間ドラマです。キノコを食うか食わないかの葛藤ドラマです。そのキノコはめちゃくちゃ美味しいらしい。で、最後まで食べなかった大学の先生だけが日本に帰ってこれるのだ。彼は欲望に勝ったのだ。葛藤を克服したのだ。多勢に流されずに人間であり続けようとした男。空腹に惑わされずに生還した男。最後に勝者の顔が映される。食っとるやんけ![DVD(邦画)] 6点(2010-03-11 17:45:40)(笑:1票)

33.  影の軍隊(1969) 私の大好きな映画のひとつに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』というギャング映画があるのだが、この『影の軍隊』の至る所にその原型を見ることができます。いや、そんな気がするのです。内容は全然違うんだけど。でもこれはどう見てもギャング映画でしょ。トレンチコートに帽子、クラシックカーとその背景となる町並み。映像だけを眺めると、画面に映し出されているのはギャング映画でありアメリカ映画なのだ。そこにモリコーネ風音楽が挿入される。車が街から離れ、海の見えるところ(波音が聞こえるところ)で止まる。ここもまた『ワンス~』を思い出さずにおれない。そこからてくてくと寂れた雰囲気の場所へ。そして建物の中へ。中へ入ると外で遊ぶ子供の声が目立つ。窓を閉めカーテンを閉めると靴音だけが響き渡る。あることを悟るのにじゅうぶんな空気が満たされ、あとはさるぐつわから漏れる嗚咽と男のむせび泣きが聞こえるのみ。このセリフ無きシーンの素晴らしいこと。ラストシーンだって一言もしゃべらせない。トレビアン! (本作のレビューとは関係ないのだけど)思えばイタリア人レオーネ(『ワンス~』の監督ね)は西部劇を真似たマカロニウェスタンで新境地を開き、フランス人メルヴィルは犯罪映画の本家を凌駕する作風を確立している。アメリカ映画を愛し、そしてそこから新しいものを生み出した先人なのであった。とムリヤリに共通項を探したくなるくらいに同じ(好みの)匂いを両者に感じるのでした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-16 16:33:19)

34.  荒野の七人 スマートで淡白で薄っぺらくて予定調和。つまらん。つまらんなりに楽しめてしまうのは音楽の力か。この頃の映画音楽は音楽単体で勝負せず、しっかりと映画と繋がっていることが必須。だから音楽を聴くとちゃんと映像が蘇る。あと、薄っぺらいなりに7人が7人共に魅力的なのは役者の実力か、はたまたジョン・スタージェスの演出の力か。役者それぞれのその後の活躍からすれば役者自身が魅力的だったというのもあるだろうが、個性派をまとめあげた監督の手腕も捨てがたい。なにしろこの監督はこの後『大脱走』でも見事に個性派連中を魅力的に描くことに成功しているのだから。[DVD(字幕)] 5点(2009-11-05 16:09:32)

35.  恐怖の足跡 《ネタバレ》 私も例の映画の元ネタであることを知ったうえで観たので、もし知らなかったらはたしてオチに驚いたのか、そのあたりは今さら知るよしもないのですが、この作品の公開当時ならばじゅうぶんに驚けたように思います。でもけしてオチだけの映画ではなく、オチを知ったうえで観てこそ、主人公のこの世界に存在することの違和感、孤独感がいっそう引き立ってみえたような気がします。廃墟となった遊園地の遠景が実に怪しく実に寂しく、よくまあこんなにもドンピシャなロケーションを探せたものだと感心。あまりくわしくは書けませんが例の映画にはまだいろいろな意味での「救い」があったのですが、これはただそのことを知らされるだけなので、悲しい後味を残します。[映画館(字幕)] 6点(2009-10-21 13:29:47)

36.  怪談(1964) 小泉八雲の怪談四篇。 ■「黒髪」内容もさることながら屋敷の風貌が溝口健二『雨月物語』を彷彿させるが、『雨月物語』と比べられちゃうとちときつい。しかしクライマックスのダイナミズムは迫力満点。後悔と謝意、そしてそれらを上回る恐怖が男を襲う。 ■「雪女」雪女メイクの岸恵子が怖い。空に浮かぶ目のような渦模様が幻想的。この一編に凝縮された世界観がとにかく素晴らしい。 ■「耳なし芳一」冒頭の源平合戦のくだりが長く感じたが、赤子を抱えて入水する悲劇の直接的描写が、その後に見せられる平家の霊の強さに結びつく。芳一を演じた中村賀津雄がいい。 ■「茶碗の中」怪談話とは言い難い一編。作風的にもこれだけが妙に軽い。 ■<総評>総じて話がきっちりとまとまっていて丁寧。丁寧に紡いでいるからこそ少々アバンギャルドなセットにしても古典的なるものが現れているのだろう。豪華な演者と型にはまらない演技も素晴らしく、なによりも短編それぞれを1本の映画のように妥協無く作っただろうことがひしひしと伝わってくるのがいい。[映画館(邦画)] 7点(2009-10-20 18:47:32)《改行有》

37.  殺しのテクニック じ、地味だなあ。期待しすぎたか。冒頭の淡々とこなす殺しのシーンはその地味さがかえって良かったんだけど、その後の地味な展開はどうしたもんか。いや、美女の色仕掛けはあるし、カーアクションはあるしでけっこう観客を楽しませてくれる要素は取り揃えられてはいるんだけど、その全てが盛り上がらない。こっちが勝手に緊張感溢れるところだと思って見てたらすかされて、ここは見どころかと構えるとスルーされて、ここで相棒がきめてくれるのかと思ってたら無視されて、、。この稼業から足を洗うってこととか相棒の存在そのものとか、全然意味ないじゃん。だいたい主人公が見せてくれるのは殺しのテクニックじゃなくて名推理ばかり。いろんなものを強引に継ぎはぎしただけの映画。それでもそのいろんなものがてんこ盛りの割りに尺が短いのが凄い。たしかに退屈感はなかった。さすがはイタリアB級映画。[ビデオ(字幕)] 5点(2009-10-09 17:25:17)

38.  続・黄金の七人/レインボー作戦 1作目が傑作で続編はいまひとつというのが一般的評価なのだろうが、私は1作目よりもこの続編のほうが好きかも。バカバカしくって。元来1作目だってけっこうバカバカしいはずなのに妙に落ち着いているというか大人びているというか。比べて続編の弾けっぷりときたら。話がワールドワイドな展開になってたり大袈裟な銃撃戦があったりと調子こいてるなってのが笑えるというか、ある意味で続編らしい続編だなと。さらに続編にありがちな「縛り」を感じないのもいい。弾けすぎたための破綻を恐れていない。何よりも嬉しいのが1作目の一番の見所でもあったロッサナ・ポデスタのコスプレがさらにパワーアップしているところ。小悪魔ぶりもパワーアップしている。[DVD(字幕)] 6点(2009-09-30 16:00:38)

39.  女系家族 《ネタバレ》 大阪商人が使う船場言葉がなんともいやらしく、中村鴈治郎二代目と浪花千栄子の思惑とは裏腹な白黒つけない物言いが金のからんだ物語に抜群の相性を見せる。同じ大阪弁でもお嬢様育ちの三姉妹は歯に衣着せぬストレートさが強烈なインパクトを与え、田宮二郎(意外にも大阪出身)の京都の言葉が混じったようないかにもお師匠はん的優しい言い回しがまた実にエロくて実に腹黒さを感じさせてていい。屋内シーンがほとんどの中で宮川一夫の仕事も制限されたかと思いきや、屋内にも関わらず着物のきらびやかさは損なうことなく、陰影はあっても女優の顔に影は射さず、常に見やすい画面を持続させているのはやはり宮川の力か。最後は東京出身の女優がしとやかな大阪弁でもって女のしたたかさを見せつける。でも最もしたたかだったのは女系家族の中で一矢を報いた婿養子社長だったのかもしれない。天晴れ。[DVD(字幕)] 7点(2009-09-11 12:10:23)(良:1票)

40.  黒の試走車(テストカー) 「タイガー自動車」は日産に吸収される前のプリンス自動車をモデルにしているらしく、試走車のモデルは同じくイタリアのデザイナーがデザインしたスカイライン・スポーツ。というのはどうでもいいのだが、原作ありきとは言え、男たるものは仕事に生きなければならないとでも言いたげな強烈な企業戦士ぶりは『巨人と玩具』に通じるところがある。戦後の高度経済成長の中で仕事に命をかける男たちに本当に大切なものは何かを問う。思えば増村映画はほとんどここに落ち着く。「本当に大切なものは何か」に。大切なものに導くのは女である。愛に生きる女だ。ああ、いかにも増村ではないか。ベタベタに増村ではないか。増村映画の「濃さ」の原因は、この前時代的な「愛に生きる女」にある。それらを臆面もなく堂々と登場させるのが増村。イタリア帰りが成せる技か。このストレートさはたしかに邦画において異色であるが、けして異色を狙っているのではないところが良い。[DVD(吹替)] 7点(2009-08-19 16:37:43)

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