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プロフィール
コメント数 418
性別 男性
自己紹介 1959年生まれの48歳。
神戸市近郊に在住の、映画をこよなく愛する
市井の人であります。
ま、コツコツとレビューしようと思ってます。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  眼には眼を イスラム圏では、こんな身の毛もよだつ復讐の仕方もあるのだろうか。戦後、日本人は西欧文化の合理主義に慣らされてしまっているせいもあると思うが、これはどう見ても不条理に巻き込まれてしまった“世にも気の毒な男”の物語にしか映らない。いや、西欧の支配下に置かれていた当時のシリアの国情も考えなくてはならず、アラブ人の視点からするとまた違った受け取り方をするのかもしれない。この映画は個々のシーンが丁寧に作り込まれており、しかもミステリアスな雰囲気を漂わしながら進行するためグイグイと画面に引き込まれる。《ネタバレ》そして後半、クルト・ユルゲンス演じるフランス人医師に向かって放つアラブ人ボルタク(フォルコ・ルリ)のことば、「よい旅を! !」から二人の心理サスペンス劇がただならぬ緊張感を持って展開される。太陽が照りつける岩石砂漠が延々と続く中、脳裡に焼き付くシーンも数多い。工事用のロープウェイのシーンは見ているだけで縮み上がりそうで、喉の渇きに耐えかね瓶に入ったオイルを飲み干すシーンなんかは想像しただけでもゾッとする。ボルタクの本心は最後まで分からず謎のままだが、ラスト、俯瞰から捉えた延々と続く熱砂がこの絶望的な不条理劇を物語っている。スゴい作品です。9点(2004-10-16 11:36:32)(良:1票)

22.  隠し砦の三悪人 捻りを効かした抜群のストーリーテリング、全編オープンロケが放つ独特の雰囲気描写、見る者を唸らせるスリリングな演出などなど、いかにも黒澤監督らしい重量感のある作品。序盤、二人の百姓男の前に現われる三船敏郎演じる荒くれ者と、その背後に見え隠れする謎の若い女。この二人、一体何者であるのか。しかも多額の黄金が砦近くに隠されているという。ミステリアスな雰囲気を漂わしゾクゾクさせてくれるわけだが、それがこのままサスペンスフルなシーンの連続で終盤まで一気に見せてくれる。また途中、六郎太の前に田所兵衛(藤田進)が立ちふさがり、この勝敗がラストの見せ場へ繋がるという演出も個人的には気に入っています。姫君の気になる台詞回し、百姓男二人の漫才調のやり過ぎ感もなくはないが、エンターテイメント時代劇としては他の作品と一線を画しておりやはりクロサワは格が違う。8点(2004-10-08 16:41:06)

23.  空の大怪獣ラドン 「ゴジラ」の有無を言わさぬ激烈なキャラクター、「モスラ」のファンタジー色豊かで平和の象徴とも言える異色性。確かなメッセージ性に裏打ちされた前2作に挟まれ本作は、これといった特徴もなく印象度は高いとは言えない。精巧なミニチュアワークを取り入れた特撮という技術がウリなだけに、改めて見直すと悲しいかな時代を感じさせてしまう。しかも、ただ怪獣が出ましたやっつけましたでは如何ともしがたく、度重なる核実験による放射能汚染が出現の要因というのも今回は取って付けたみたいだし…。しかしそんな中にあっても、伊福部昭の荘厳で哀感溢れる音楽は時代を超え素晴らしいものがあります。作品全体を格調高く押し上げており、とくにラスト、人間社会の前に姿を現した巨大生物の悲劇を描き切ることに多大に貢献していた。まぁなんだかんだ言いましたが、邦画史上記録されるべき特撮怪獣映画の名作には違いありませんね。8点(2004-09-21 15:45:11)

24.  日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声 “わだつみの声”とは、戦後生き残った学徒兵たちの手により、戦没学徒の家族や知人に宛てた手紙や日記などを手記としてまとめあげたもの。反戦の願いが込められたこの手記は、当時若者たちのあいだで大ベストセラーになったという。そしてこの映画は“わだつみの声”を原作にビルマ戦線を舞台としたもので、脚本は船橋和郎で監督は関川秀雄による演出。戦況が悪化の一途を辿る南方戦線に於いて、将校や上官たちだけで配給された食料を分け合い、末端の一兵卒クラスにはまともに与えられなかったのは事実だったらしい。戦闘の足手まといとなる負傷兵の自爆シーンも、また悲し過ぎる事実。敵弾に撃ち抜かれるだけではなく、栄養失調やマラリアで多くの兵隊がバタバタと死んでゆく光景は凄惨さを極めていたという。「かあさん… 死にたくない」「ああ坊や…」各俳優たちのドロドロかつ迫真の演技が、戦場の惨絶さを見る者に強烈に訴える。脳裡に表われる楽しかった故国の思い出が、戦争の悲劇性をより一層浮き彫りにする。心底無念だったろう。戦争を、運命を憎んだであろう。夢多き学徒たちの凄絶な死を描いた戦争映画としては、今井正作「ひめゆりの塔(53)」と共に日本映画史上、永遠に記録されるべき名作です。9点(2004-09-09 10:58:29)(良:1票)

25.  ひめゆりの塔(1953) “ひめゆり部隊”とは大平洋戦争末期、勤労奉仕と称し最前線に駆り出された沖縄師範学校女子部と第一高等女学校の生徒達のことで、負傷兵の手当てや死体運びなどに従事させられた看護部隊のこと。そのほとんどが10代半ばから19歳であり、犠牲者は教師を含み194名に上り、生き残った者はほんのわずかだったという。そんな彼女達の、最後の悲劇となる壕跡の上に建てられた慰霊碑が「ひめゆりの塔」である。大平洋戦争に於いて、夢多き学徒達が悲惨な結果をたどるという歴史的事実を取り上げた戦争映画の名作としては、関川秀雄作「きけわだつみの声」と双璧を成すものであろう。このような人間としての良心により生み出された作品に対しては、心から敬意を表さずにはいられない。原作と脚本は水木洋子で、監督は名匠今井正。当時の日本を代表する俳優陣が出演しており、津島恵子を初めノーギャラでもいいから出させて欲しいと、監督今井正のもとに直訴したというのは有名なエピソード。今井正の力強い描写はもちろんのこと、彼女達の体当たり演技がリアリティを高め強烈なメッセージを放つ。米軍戦闘機による機銃掃射に空爆。抵抗の術を持たない彼女達はただ逃げ惑うだけであり、銃弾に射抜かれたり爆撃で五体バラバラになる様は凄絶過ぎる。鬼畜米英に殺されるより、手榴弾で自決する場面は目を覆いたくなるほど悲痛である。しかし生き残った女性の証言によると、実際はこの映画の比ではなく想像を絶する地獄絵図であったという。この悲し過ぎる歴史的事実を決して忘れてはならない、と訴えかけている本作を世に出した今井正の功績は余りにも大きい。10点(2004-09-04 14:06:42)(良:2票)

26.  シェーン 主題曲「遙かなる山の呼び声」が似合うワイオミングの大自然をバックに、西部開拓期の人々の苦労と人情を詩情豊かに描いた西部劇。人物描写、展開、背景など丁寧に描き込まれており、まさに良質の名画といったところでしょう。さらに孤独で多感な少年ジョーイの視点から見ると、胸躍るヒーロー物ともいえます。どこからともなく現われたアラン・ラッド演じるシェーン。やがて愛する人のために凄腕の殺し屋(ジャック・パランス)と決闘することになるが、あえて町に留まらず、馬上の人となりどこえともなく去って行きます。ところで、アラン・ラッドは本当に早撃ちだったらしいですね、神話になるくらい。しかしその後、役に恵まれず失意のどん底でこの世を去ることになるわけですが、そのことがこの作品をより一層切なくしていると思います。やはり、エンディングシーンは最高です。大自然を背景に、何回でも見たくなるこの感無量のシーン。主題曲と共に浮き彫りにされる素晴らしい名画に、文句なしの10点満点。10点(2004-09-02 13:44:12)

27.  ダイヤルMを廻せ! ヒッチコック劇場のゴージャス版という感じで、サスペンスのお手本みたいな作品。ひねりが利いており、二転三転、最後の最後まで眼が離せない。俳優陣の手慣れた演技は、今さらどうこう言うこともないレベル。やはり紅一点のグレース・ケリーは美しく魅力的で、とくに判決を下される時の表情は印象的でした。7点(2004-08-31 13:48:52)

28.  海底二万哩 この作品は子供の頃から特別な思い入れがあり、深海をゆったりと潜行するノーチラス号にはもうゾクゾクものでした。頭部は硬質なエビ、胴体はカジキをイメージさせるノーチラス号の荒々しくも美しい勇姿にすっかり一目惚れ。潜水艦の出てくる映画は数多くありますが、これほど毒っ気が強くインパクトのある潜水艦は、そうはお目にかかれないでしょう。見せ場もたっぷりと用意されており、とくに巨大イカとの格闘シーンと人喰い人種の襲撃シーンは力強い描写も手伝いなかなかの見応え。ディズニーの家族向け映画にしては、意外なプロットと個々の人物描写ともに秀逸。特撮は今見ても充分に味わい深く、質の高い古典SFといえるでしょう。9点(2004-08-31 13:47:23)(良:1票)

29.  手錠のまゝの脱獄 人種を超えた友情を描いているのはもちろんのこと、囚人の命さえ軽く見る人狩りにリンチという蛮行をも取り上げている辺りは、いかにもスタンリー・クレイマーらしい。さらに保守的な南部の人々にも悪玉と善玉とに色分けしており、なかなか厚みのある人物描写。その一方、ありきたりなラブドラマをヤマ場に持ってくる展開には、ちょっと興醒め。しかも、子供を一人残して囚人と母親の逃避行?ってオイオイ。まぁしかし、シドニー・ポワチエとトニー・カーティスの、ドロドロかつ危険度の高い好演も手伝い見応えのあるサスペンス映画にはなっている。7点(2004-08-24 11:33:58)

30.  橋(1959年/ベルンハルト・ヴィッキ監督) 少年達は愛国心と責任感から生まれ育った愛する家族のいる町のため、米軍の攻撃から懸命に橋を守り抜こうとする。子供扱いされるのを嫌い、早く祖国のため役立つ人間になりたいと願う。ましてや男子たるもの腰抜けの卑怯者だけにはなりたくない。愛国心を煽るプロパガンダ教育も行われたと思うが、当時少年達がこのような考え方を持つのはごく自然であったと思われる。しかし戦場では壮絶な殺し合いが繰り広げられ、敵味方のそのほとんどが即死か苦しみ悶えて死んでいく。周りの大人達は誰もこんな事は教えてくれないのだ。ところで、この作品での戦闘シーンは独特の色彩を放つ。とくに、重い金属音を響かせ米軍戦車が現われるまでの緊張感は特筆もので、後の「プライベート・ライアン」でも利用されるほど。また、敵である米兵が少年達に「戦争は遊びじゃない」と叱りとばすシーンも印象的だ。戦場を実際に体験した時にはもはや手後れで、死ぬか生き残るかの二つにひとつ。地獄を体験するには余りにも幼すぎた。ただ泣きじゃくりながら母のいる町へと歩いてゆく少年の姿が、戦争の悲劇性を切々と訴えている。名作です。9点(2004-07-29 10:25:10)(良:1票)

31.  原子怪獣現わる モデルアニメーションの巨匠、レイ・ハリーハウゼンの特撮映画デビュー作。しかも↓の【鱗歌】さんのおっしゃるとおり、「ゴジラ」の元ネタと思われる記念すべき作品。ちなみに、ハリウッド版「GODZILLA」はこの作品のまんまリメイクですね。初見はずいぶん前なんですが、灯台守がマド越しに怪獣(もっとも巨大化した恐竜なんだが)と目と目が合うシーンがインパクト大で、あれはホントにコワかった。そうそう、怪獣が発散する放射能の影響で人々がバタバタと死んでいくシーンも印象的で、あれもホントにオソロシかった。アイデア、メッセージ性とも素晴らしく、本作は特撮怪獣映画の古典的名作と言い切って良いと思いますよ。8点(2004-07-08 11:07:08)

32.  ゴジラの逆襲 前作の「ゴジラ」に比べると衝撃度や新鮮味が落ちるのは仕方ないが、何とも魅力のない演出にダメダメなストーリー展開。その一方で特撮はなかなか迫力があり、ラストのゴジラを氷に埋めるシーンは見応え十分(当時としてはネ)。本作では“売り”であるはずの怪獣格闘場面にやや満足感に欠けるが、史上初の試みということでそれなりに評価したく思います。特撮のみ評価対象で、6点。6点(2004-05-09 10:49:21)

33.  眼下の敵 人物描写、艦内描写(とくにUボート)共に何だか嘘っぽく底が浅いなーと思いつつも、作り手のスリリングな演出のおかげで最後まで一気に見せてくれた。米軍と独軍、対等に血の通った人間として描かれており、しかも予想を覆す結末をも含め、この時代に米国で、本作のような映画が作られたことは評価に値するのではないだろうか。もっとも作り手は、スポーツマンシップというか騎士道精神みたいなものを、ただ単に、戦争映画に託して描きたかっただけなのかもしれないが。しかし、歴史的事実を踏まえたリアリティ溢れる戦争映画という視点からすると話は別。戦争の本質がさほど見えて来ず、とくにラストの人間ドラマは嘘っぽく説得力に欠ける。(強烈なメッセージと余韻を残す「Uボート」「プライベート・ライアン」を見よ!) 頭脳戦アクション映画として見るならば上出来です。7点(2004-05-08 11:09:33)

34.  地球の静止する日 宇宙人侵略ものである同年に出された「遊星よりの物体X」や、「宇宙戦争」と対極に位置される友好型宇宙人を描いたSF映画の古典的名作。その後、「未知との遭遇」や「アビス」、そして「サイン」などSF映画に多大な影響を与え続けており、かなり高得点を付けてもおかしくはないエポックメーキング的な作品と個人的には思う。特撮や描写は時代を感じさせなくはないが(もっとも本作は社会派ドラマとして見るのが正解でしょう)、宇宙人による人類に対しての文明批判や警鐘というメッセージ性は当時としては斬新で、未来永劫語り継がれるべく永遠のテーマ。冒頭の主人公宇宙人と地球人側のファースト・コンタクトは大変考えさせられるシーンであり、さらに人間側との交流の中、会話のやりとりも深遠で味わい深い。このような説得力のあるドラマチックな演出は、さすが名匠ロバート・ワイズと言ったところか。不安を煽る不気味なテーマ曲も印象的だった。9点(2004-04-13 15:07:57)(良:2票)

35.  顔のない眼 強烈なインパクトを放つ作品だった。後々、恐怖映画に多用される白マスクは、この作品がきっかけになったのであろうか…。ただ、この白マスク、不気味さだけではなく悲哀をも醸し出しているところが秀逸。若い女性の顔の皮膚をペロッと剥ぎ取る手術シーンもショッキングだったが、何より、シュールな雰囲気満点なラストが強烈な印象を放つ。怪奇色を彩るオリジナリティ溢れる音楽と共に、白ずくめの少女が闇夜を彷徨うエンディングは大変もの悲しく、恐怖映画の名作と言われるだけのことはあると思います。8点(2004-04-12 21:00:10)

36.  人間魚雷回天 特攻隊といえば、敵艦目掛けて体当たりするゼロ戦ことゼロ式戦闘機が有名。そして、もうひとつの特攻隊である人間魚雷「回天」も忘れてはならない。潜水艦に備え付けられた魚雷に隊員が乗り込み、ゼロ戦と同様、敵艦に突っ込むという正気の沙汰とは思えない戦法である。まさに戦争による狂気が生み出した産物であり、人間を人間として見なさない当時の帝国陸海軍の証左ともいえよう。この作品は回天特別攻撃隊津村敏行の手記を映画化したもので、脚本は須崎勝弥に、監督は松林宗恵による演出。戦後10年しか経っていないこともあるとは思うが、リアリティ溢れる描写とセット美術が素晴らしい。荘厳で哀愁漂う音楽も、この戦争ドラマに厚みを加えている。岡田英二演じる特攻隊員を筆頭に木村功、宇津井健、沼田曜一など個々の切々と訴える好演も手伝い、見る者により一層悲壮感を掻き立たせる。とくにラスト。「赤とんぼ」の歌声が幻聴となって表われる中、朝倉少尉(岡田英二)が「我未だ生存せり」と心境を刻み込み、生を噛みしめんとするエンディングは悲し過ぎる。このシーンは何回見ても涙なしではいられない。もう遅い、すべてが遅過ぎたのである。神よ神よとおだてられ、自ら志願した後では時すでに遅く、お国の為に散っていくより選択の余地のない土壌が用意されていたのである。純粋な学徒達を特攻隊へと駆り立てた歴史的事実を描いた作品としては、「雲ながるる果てに」と共に日本映画史上、永遠に記録されるべき名作です。9点(2004-04-05 23:07:33)(良:2票)

37.  誓いの休暇(1959) なんと! ! 旧ソ連にも、こんなに素朴で胸に染み入る映画があったんですね。まさに、隠れた名作という言葉がぴったりではありませんか。しかも様々な愛を描く中、厭戦感に満ち溢れた見事な反戦映画となっている。当時のソ連の実情から察すると、よくもまあこんな腹の据わった作品を作ったものだと思う。この映画は、善意のかたまりの様な主人公アリョーシャに尽きる。自然体で望んだかの様な演技は大いに好感が持てた。もちろん恋人役のシューラも負けじ劣らず、初々しく魅力的だった。物語りは、帰郷途上で出逢う人々との人情話しを描いているわけですが、なかでも松葉杖の男のエピソードがジーンと胸を打ち目頭が熱くなった。もちろんラストの母が言う「もうどこにも行かせない 」(確か記憶では)は、生涯忘れ得ぬ屈指の名台詞。何回でも見たくなる見事な作品でした。10点(2004-04-05 21:54:16)(良:2票)

38.  宇宙水爆戦 50年代を代表するSF映画のひとつで、お目当てはSF好きなら一度は見てみたいメタルーナ・ミュータント! 「早く出ろ出ろ」で中盤あたりまで若干退屈なんですが、突如、円盤が現われるシーンからおもしろくなってくる。やがて終盤に、何の脈絡もなく姿かたちを現すメタルーナ・ミュータント。たしかに不気味だが(もちろん当時としては斬新で強烈だったろう)、モタモタ歩くだけで何だか迫力不足。それよりも、特撮と映像が素晴らしい。とくに、流星群や地下都市なんかは目を見張るものがあり、リアルタイムで観たならばさぞや驚いたことであろう。テクニカルカラーも一役買っており、なかなか味わい深いSF映画でした。7点(2004-02-25 23:45:30)

39.  七人の侍 時は乱世。野武士集団による略奪と襲撃が横行する戦国の世。巨匠黒澤明の手による一級品の演出はもちろんのこと、舌を巻くカメラワーク、絶妙なストーリーテリング、そして俳優達の魅力溢れる演技…等々、どれを取り上げても文句の付けようがない。その後、国内外の諸作品にどれほど多大な影響を及ぼしたかは、言うまでもないことでしょう。志村喬演じる首領的な役割である勘兵衛を軸に、七人の侍それぞれが個性的かつ魅力的に描かれており、その中でもお互い対極に位置する三船敏郎と宮口精二の侍像が抜群に素晴らしい。優れた演技力で独自のモノにまで昇華させている。物語は二部構成となっており、前半はややユーモラスな展開の中、七人の侍個々の出揃うシーンが見どころ。とりわけ志村喬演じる侍が、幼子を人質に捕った盗人を仕留める演出は見事の一言。具体的な場面を見せず、観客の想像力にまかせるところが凄いしセンスの違いを感じさせる。後半クライマックス、七人の侍率いる百姓達と野武士集団による一進一退の攻防の盛り上がる事といったら。雨降りしきる中、リアルで迫力満点な描写も言うことなし。つねづね思うわけですが、傑作が傑作たる所以は視点を変えて観る度に何らかの新たな発見があり、しかも飽きないということです。文句なしに10点満点。10点(2004-02-25 23:27:06)(良:1票)

40.  ビルマの竪琴(1956) 日本映画史上に輝く素晴しい名作。情感豊かに人間愛を描いた感動作なんですが、切々と訴える反戦映画とも言えます。市川崑監督の丁寧で味わい深い演出がひときわ冴える。とりわけ、水島上等兵(安井昌二)が山のような日本兵の死体をまの当たりにして、なぜ彼が僧となりこの地に残るのかが説得力を持って描かれている。役者陣の確かな演技も申し分ない。とくに井上小隊長を演じた三國連太郎の誠実で人間味溢れる演技が秀逸かつ印象的。「植生の宿」を初め伊福部昭の音楽が感動を盛り上げる。ラストに用意された「水島の手紙」はもちろんだが、水島が柵越しに弾く別れの「仰げば尊し」にはもう涙ボロボロ。個人的には、邦画史上指折りの感動的シーン! ! また、市川崑という監督の偉才振りをも教えられた記念すべき作品でした。10点(2004-02-25 23:25:34)

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