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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  地球の静止する日 《ネタバレ》 原作付きだが、内容は殆どオリジナルだという、「地球の静止する日」。何しろ60年前の映画だから、映像表現だって古いし、目を見張るスペクタクルもない。でも、それだからこそ却って、映画のテーマ・主張がハッキリわかる。まあ、悪く言ってしまえば、「チャップリンの独裁者」のように、せっかくの映画なのに、最後の演説が言いたいことの全て、みたいな事だけど。それでもやはり同作のように世界的な大問題だったであろう、米ソ冷戦の危機に対して映画のできること、映画人の行動の凄さ、というものを感じる。 ストーリーとしては、クラートゥが街へ出て、少年との交流の中で何を得たものがあったのか。アーリントン墓地の墓標を見て、地球人をどのように思ったのか。それとリンカーンの言葉を読んで彼自身何か変わったのか?ちょっと気になるが、彼は結局初期の目的通りの演説を行うだけ。当初世界各国の代表と直接会いたいと言っていたのが、一部の科学者たちに変更になったのは、それらの結果だったのだろうが、科学者が政治的に有力な力でないことは、地球を観察してきたものなら判っていたろうに。それでも少年の母親の女性と、ヘンに恋愛関係にならなくて、良かった。 それと、細かいこと言うと、「テルミン」って実用された先端の楽器だったのか、とか、さすが、宇宙船の内部のデザインなんか、日本の特撮とはセンスが違う、とか、感心しきりであった。 最後にこれは、邦題の問題だから映画には関係ないけど、地球『が』静止する日ではなく、地球『の』静止する日、最近こういう微妙な言い回し・表現(国語学的にどういう事か自分には説明できないけど)が、ややもすると「間違い」なんて言われてしまうのが、腹立たしい。難読漢字を読み書きするだけが、国語力じゃないぞ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-13 02:47:42)《改行有》

22.  一心太助 天下の一大事 《ネタバレ》  いやー、痛快!太助の真っ直ぐさが、気持ちいい。  しかし、この中村錦之助という人の啖呵というのは、実に凄いものがあるな。  自分の始めて見た錦之助は、子連れ狼なものだから、どうしても物静かなスゴ味というイメージがあった。だが、殿様を演じている時の凛とした高貴さ、太助の時のチャキチャキの江戸っ子を感じさせる快活さ。双方見事に演じ分けるというのは、まぁ役者ってそういうモノと言ってしまえばそうだが、それでも唸らされる。  それと、こういう庶民の、侍の論理で事が運ぶ物語ではない時代劇をもっと見たいものだ。 [ビデオ(邦画)] 6点(2014-04-19 23:09:07)《改行有》

23.  シンバッド七回目の航海 《ネタバレ》  こういうのは、というかこの作品は、特撮の凄さを楽しむための映画なのだろう、普通に勧善懲悪的な冒険活劇だ。  日本の着ぐるみ特撮になれた目には、どうしてもカクカク感が邪魔をするが、一方着ぐるみでない分、人の形に引きずられない造形が見事でもある。例えば巨人の馬の後ろ足のような形。胴体と手足がキリッと分けて模られた恐竜的なヤツ。ラドンやモスラのように人形然としていない双頭の鳥。  見事である。  ところが、お話の方はどうも間抜け。いや、登場人物が間抜けなのか。蛇と人の合成をその目で見ていながら、小さくなった人を見て誰の仕業か判らない主人公。魔法使いが毒だと言ってるのに、水を飲んじゃう手下。生まれてくるのが巨大ヒナなのも判り切ってるのに、卵を割っちゃう連中。『プロメテウス』の学者たちを思い出す。ああ、そうか、それのレビューで読んだ「志村後ろ!」を楽しむ映画なのだな、コレは。[DVD(字幕)] 6点(2013-06-09 20:20:18)《改行有》

24.  丹下左膳(1958) 《ネタバレ》  丹下左膳が主人公と言われても、納得できかねる感じ。  どう見ても話の中心にいるのは、柳生源三郎だし、なにしろ、左膳にカッコいい見せ場が殆ど無い。斬り合いのシーンは幾つかあるけど、圧倒的に強いシーン、たとえば敵の中で最も強いであろう、峰丹波との一騎打ちをやるとか。  彼が隻眼隻腕である理由は、おそらく新版大岡政談を見ると判るんだろうが、ここから初めて見る人にも判るようにしておいてほしいものだ。そう考えると、毎回小っちゃくなった説明をするコナンは、親切なのかも知れん。  近いうちに、これの前の物語を探して見てみたいものだ。  あ、それと、いつもいつも女優が綺麗と書くのもバカっぽいが、お藤の人、こういうタイプの人最近見ないけど、いいな。[DVD(邦画)] 6点(2012-11-26 23:24:39)《改行有》

25.  ゴジラの逆襲 《ネタバレ》  核の脅威の象徴であるゴジラを、多くの犠牲を出しはしたものの、超科学ではなく、通常兵器と人間の知恵で封じ込めたこの作品は、その部分においては、かなり評価されるべき事だと思う。人の知恵が核の脅威に打ち勝ったのだ。  しかし、いかんせん、人間のドラマが面白くない。人間側の主役は、どうやらカッコイイ青年パイロット、月岡クンのようだが、カノジョとよりもゴジラと運命の糸が繋がっていそうな、小林パイロットの方のドラマをもっと見たい。特に写真でしか出てこない、小林の想い人との話を、もっと展開すべきだった。  また、時代とはいえ、民間人を自衛隊の、しかもミサイル搭載のジェット戦闘機に乗せてしまうって、乱暴な話だ。[DVD(邦画)] 6点(2012-10-31 22:59:41)《改行有》

26.  決断の3時10分 《ネタバレ》  捕らえられた強盗団の首領と、その男を列車で送致するために護送する男の物語。  リメイク版と比べると、非常にスピーディでテンポよく話の進む、コンパクト版。 チャーリーの残虐性も抑えられていて、最後の突撃に対する銃撃も、かなり少なく地味。リメイク版の、弾丸の雨をかいくぐる緊張感と、撃たれるか、いつなのか、というこちらオリジナル版の緊張感、どちらも甲乙つけがたい魅力。  汽車に乗り込む瞬間に、撃たれない工夫として、もうもうと煙る汽車の蒸気を使うのは、上手い。ただ、何もかもうまく行った「ハッピーエンド」が、若干安易にも見えるも事実。殊に、命を救われた借りを返しただけ、的な説明はいらなかった。ベンは、もっと違うもののために、汽車に乗ったのだと思う。それは、リメイク版を見ると、よりはっきり分かるようになっているのだが。  最後に、牧場主の求めていた雨が彼らに降り注ぎ、爽やかに物語を締めくくる。ダンを苦しめた干ばつの終わりを告げる、雨なのに明るいこのシーンは、彼らの明日を暗示していると思いたい。[DVD(字幕)] 6点(2012-10-23 23:49:24)《改行有》

27.  喜びも悲しみも幾歳月 《ネタバレ》  見合いをして、結婚して三日目に、すぐさま灯台守の仕事に就いた夫婦が、世の中の事情と厳しい自然環境に、揉まれ苦しめられながらも生きてゆく、灯台守の夫婦の一代記。  灯台の光を集中させるフレネルレンズの、ギラリとした質感が何故だかすごいと感じた。日本初のカラー映画を撮った人にしては、6年ぶりのカラー2作目なのは意外だったが、この複雑な光の屈折を見せるレンズの描写は、灯台の光がある意味、主人公を象徴している事を考えると、実に見事だ。  最後に、娘の結婚旅行の船に光と霧笛を送るシーンは、ジンと来る。 [DVD(邦画)] 6点(2012-08-04 04:53:30)《改行有》

28.  裏窓(1954) 《ネタバレ》  松尾貴史氏がラジオでオススメしていたので鑑賞。  名作の誉高い分、期待値が高すぎたか、思ったほど名作感がない。いや、傑作だとは思うのだが…。  さて、誰もが言うようだが、グレース・ケリーの美しいこと。最初のジェームス・スチュアートにキスする時の正面からのカット、文句なく美しいが、もう一つ、明かりをつけながら自分の名を名乗るシーン。「リサァ…キャロォル…フレモント…(セリフの後、クルリ!)」このクルリが、まあチャーミング。この2カットのためだけにでも、DVDを買う価値がある!  あっ!動けない主人公の代わりに、外に出て探偵するのはいいが、どんどん暴走しちゃって、事件を加速しちゃうのも面白い、と思っていたら、ひょっとしてこの映画は、この人のために作られたんではないか?と思えてきた。  事件自体は、ごくストレートな殺人事件で、刑事が調査して疑惑がないなら、違うんじゃないか?と思っていたのに、やっぱり、事件でした、は推理作家の原作付きとしては、凡庸。自分は、他のあまり興味を惹かない家の誰かと奥さんの悪巧みで、奥さん失踪、というオチかと思っていた。[DVD(字幕)] 6点(2012-06-10 21:21:48)《改行有》

29.  明治天皇と日露大戦争 《ネタバレ》  タイトルがイメージさせるほど、軍国主義的な内容には思えない。いや、たしかに軍国なのだが、それが真実であるか否かは別として、不当に好戦的なわけではない。世界中が植民地主義のこの時代の国の方針を、現代の倫理で断罪するのは、公正な視点とはいえないし。だからそういった意味で、この映画に不満はない。かえって明治天皇の性格が、良い人すぎるのでは、とも思う。  だが、戦争に勝利して国民が浮かれて、お祭り騒ぎをしているシーンで終わるこの映画の、最後のナレーションが「今こそ我らは日本民族の誇りと力を合わせて、今後の世界平和の発展に貢献すべきであろう。」というのは、さすがにこじつけが過ぎるような気もする。が、敗戦から十年ほどしか経っていない国と国民の、偽らざる思いなのだと考えておく事にする。 [DVD(邦画)] 6点(2012-05-28 18:59:10)《改行有》

30.  OK牧場の決斗 《ネタバレ》  ジェームズが弟って事になっていて、決闘前に殺されてしまう、という改変は「荒野の決闘」同様だ。両派の確執をエスカレートさせて、決闘の気運を盛り上げる手段なのだろうが…。  今回のドク・ホリデイは随分と女のことで、悩んだりイジケたりして、「キラー」ドク・ホリディな感じがない。そのかわり、このドクは義理堅く、友達にするにはいいかも、なんて思わせる。ケイトがよりによって、ジョニー・リンゴによろめいちゃうのも、ドクに決闘の動機を持たせるためか。ちなみに、この映画のせいで、ケイトはドクの愛人と思われてるが、実際にはドクと結婚している身なので、あれは不倫だよな。  後の2本のOKコラル映画でも踏襲されている、決闘前にアープら一行が並んで現場へ向かうシーンがカッコいい。このシーンを創りだしたというのが、この映画の一番の功績かも。  今回見て気付いたが、ワイアット嫌いで有名なバージルの奥さん、アリー・アープが、ワイアットにきつく当たっているのを見て、妙に納得。 [DVD(字幕)] 6点(2012-04-06 01:12:56)《改行有》

31.  雪之丞変化(1959) 《ネタバレ》  主人公・雪之丞と義賊・闇太郎を、一人二役で演じるのが、何やら伝統になっているようだが…。一人二役というのが、作劇上の意味を持っていない物語というのを、初めて見た。というか、物語の中で別人に見えるように意図された一人二役を、初めて見た。最初の衣笠監督版と同じ時代に原作が書かれており、原作にも監督の名をもじった役が登場するなどしており、この配役も原作者の意思かも知れぬ。顔の違う別人なら、別の役者がやればいいのにとは思うが、どうやら、主演俳優のいろいろな役の演技を楽しみたい、ということらしい。うーむ、舞台の有名な役を、いろんな俳優が演じる、その違いなどを楽しむのと、似ているのかもしれない。  さて、このマキノ版は、娯楽に徹した大胆な脚色。特にお初が、かなり良い人になっている。雪之丞も浪路を積極的にコメ問題にひきずり込む。  どうも闇さんとお初っちゃんが主役の印象。孤軒先生と脇田一松斎の役が一つにまとめられたのはいいが、お初までもが雪之丞側に都合の良すぎる役になって、話は単純化した。  原作と違い、最後の土部三斎への決着が刀による勝負なのはよし。欲を言うと、ラスボスである三斎との一騎打ちは、もうちょっと時間をとって、魅せて欲しい部分でもあった。しかし、その勢いで、浪路まで切ってしまうのは、安直。 [DVD(邦画)] 6点(2012-02-08 02:43:55)《改行有》

32.  帰らざる河 《ネタバレ》 こういうドンパチのない西部劇(っていうか時代劇だよね)って、好きですよ、私は。 悪いギャンブラーが、農民の銃と馬を奪って町に行くが、残されたギャンブラーの女とその男を追う農民と息子が、追跡の旅のうちに一つの家族となる話。 人間長く生きてると、世間の規範的には「悪い事」と言われるような事もせねばならない時がある。そういう過去を引きずった男が息子に嫌われながら旅を続け、その旅路の果てに、息子も「決まり事」よりも大事な事があることを知る話。最後、モンローが脱捨てた、いつも磨いていた舞台用の派手で美しい靴のカットが、彼女の心を表現していて嬉しくなる。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-30 02:46:11)《改行有》

33.  禁断の惑星 《ネタバレ》 55年前の映画とは思えない。いや、映像表現はたしかに古い部分もある。同時代の東宝SFと似たり寄ったりの部分もある。それはしかし、この映画を少しも貶めてはいない。幾つかのデザインは今でも優れているように見えるし、何よりこの物語性というか、異星の進化した人の末路と、現在の人の潜在意識が具現化するストーリーの妙が、素晴らしい。一年遅れて日本が作ったのが、地球防衛軍であることを考えると、やはり映画のそしてSFの先進国だと思わざるをえない。 それと、本筋とは関係ないけど、予告編に出てきた巻物字幕、スターウォーズの元ネタ?一番ビックリしたのこれかも知れない。あと、巨大なシステムの説明の時の構造物、大きな吹き抜けの真ん中に、パワーシステムらしい何かがあって、その間、柵もない渡り廊下がある図、これもデススターの中で見たような絵。やっぱり古典って凄い! [DVD(字幕)] 6点(2011-07-16 02:47:10)(良:1票) 《改行有》

34.  現金に体を張れ 《ネタバレ》  この強盗のキモは、バーで騒ぎを起こして、警官を引きつけた隙に内部に入り込み、窓から金を放り投げて、仲間に渡す。たったこれだけだ。持ち込むのに苦労したでかい銃より、自動拳銃1丁もあれば充分だったはずだし、馬なんて殺す必要もない。  でも、見ている途中では、そんな事わからないので、着々と計画が進んでいるさまが、ドキドキ感を盛り上げる。ただし、各人の行動を描写する時に、時間が戻るのがちょっと違和感。悪妻の若いツバメ絡みの話とその描写を、もうちょっと見たい気がした。なんか、「あ、お前いたんだっけ」的な感じ。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-05 19:01:46)《改行有》

35.  野菊の如き君なりき(1955) 《ネタバレ》  回想シーンに枠をはめる手法、悪くはないんだけど、殆ど全編という長時間になると、ちょっと鬱陶しい感じもする。  十五歳という絶妙な子供ぐあいの頃合いの、淡い恋心。回想者(正男さん)の視点を約50年ずらした木下版は、この物語が昔の思い出であることをことさら強調し、その情緒の機微を偲んでいる。が、原作では、正男の一人称で語られて、気持ちの移ろいや、成り行きへの悲しみなどが、よく理解できるようになっているが、映画の場合には客観視点で描かれるため、主演の二人の演技のそっけなさも相まって、その辺がちょっと分かりにくい事は否めない。  ところで、正男さんはリンドウのような人。リンドウの花言葉は、「悲しみに暮れているあなたを愛する」。巧く出来てますね。 [DVD(邦画)] 5点(2012-08-04 04:35:18)《改行有》

36.  スタア誕生(1954) 《ネタバレ》  我々が通常、星と呼んでいるものは、自ら輝く恒星のことだ。太陽に照らされて光っている月は、所詮太陽の光が届かなければ、見えなくなってしまう。ノーマンに見出され、彼がいたから輝いていたヴィッキーは、いわば月のようなもの。ノーマンを失って、それでも(彼のためにだとしても)舞台に立つことを選んだ瞬間、ヴィッキーはほんとうの意味で、自ら輝くスタアとして誕生したのだろう。  …なんて、書いてみたが、ちょっと違うな。自分としてはそのように解釈したから、一回すれ違うシーンなどはカットのままで良いと思ったし、途中冗長に思えたシーンも多々感じられた。でも、この映画は多分、主演女優の実際の境遇をダシにしつつ、人気の上り下り交差する映画スター夫婦の悲哀と愛を、描いているのだろう。でもだとしたら、『スタア誕生』というタイトルは何?と思わざるを得ない。  正直言うと、ジュディ・ガーランドの歌は聴かせるものだとは思うけど、どう展開したいのかよく分からないメロディラインの曲、(これは、この時代の映画ミュージカルの常道なのかもしれないけど)ストーリーの根幹とは関係ない部分の歌&ダンスシーンには、あまり楽しくノルことはできなかった。先に書いたように自分はヴィッキーはトントン拍子に出世しちゃっていいと思っているので、もっと切る所切って、最大限妥協しても2時間20分くらいでまとめたほうが良かったと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-14 01:20:34)《改行有》

37.  聖衣 《ネタバレ》  昔、『トリノの聖骸布』という本を読んだ。イエスの遺体を包んでいた布という触れ込みで、イエスの全体像が転写されている。その本は初版では真偽は不明としていたが、重販される頃には、科学的に否定された旨、追加されていた。二十数年前、この映画は、てっきりその布のことだと思って見た。なぜなら、そういう紹介をしている本を、昔読んだからだ。……騙された。 ”これは、イエスが生前羽織っていた布の物語です。”  キリスト教では、イエスの直接使ったものは残されていないが、その後の聖人の遺したものを、聖遺物と称して霊力を認めていたりする。その中には、亡くなった司祭の腕を切り落としたものがあったり、なかなかおぞましい世界らしいのだが、そういう文化を引き継いだ欧米の人たちには、この布が力を発揮するさまを、素直に受け入れられるのかも知れない。  イエスをその手で処刑したローマ役人の奴隷が、エルサレムに入城するイエスを、見ただけで心酔してしまうのは、聖遺物同様、信者でないと受け入れ難い表現だ。更に、マーセラスが問題の布切れを羽織っただけで、かの人の教えが彼の心を苦しめる。この辺の描写が心的なものなのか、超常的な力があるのか、判りにくい。微妙にどうとも取れる描き方なのだ。後にペテロが奇跡を起こすように、超常的な事を描く世界観で行くのなら、布の力にしてしまえばいい。少なくともペテロが奇跡を起こすよりは、その方が。しかし、そうではなく、もっと精神世界的な物語を期待していた私には、最初はどっちつかずで、とうとうペテロがやらかした、と映ってしまう。 [DVD(字幕)] 5点(2011-10-23 05:00:53)《改行有》

38.  ギターを持った渡り鳥  スナックのカラオケでおじさん達が時折歌う、どことなくウエスタンっぽくもあり、南の汐の香りをも感じる甘いメロディの、この歌を主題歌に持つこの映画を、前から見てみたいと思っていたのだが……。  今まで幾つか見てきた日活アクション映画と同じく、たいして工夫もなく成り行きで事が運ぶ事件、それでいて後出しジャンケンのように後から判る重大な事実。当然伏線なんてほぼ皆無。なんのために要るのかわからない登場人物。まあ3週間で撮影されて、クランクアップ後3日で初号試写だもんな。凝った映画は作れないよな。  それでも、基本的な路線、「カッコイイ旭、美しいルリ子、派手なアクション、風光明媚な土地の風景」によって、成り立っている邦画黄金期の一本。 [DVD(邦画)] 5点(2011-07-24 01:25:33)《改行有》

39.  毒蛇島奇談 女王蜂 《ネタバレ》  allcinemaによると、これの公開は52年の2月、原作の連載は同年5月号までというから、原作の種明かしギリギリか或いは先行していたのかもしれない。私の時代に『銀河鉄道999』が完結前に結末を見せて話題になったが、それに匹敵する事例かも知れない。  話は大幅に端折っている、というかかなり違う部分があるし、金田一先生は洋装のカッコイイおじさんで変装までするし、色々と驚くことが多い。「さ」というダイイングメッセージを告げた次のシーンに、サスケ・サブロウ・サクライの旦那が登場した時には笑ってしまった。ミスリード面白すぎ。  それでも、このややこしい話を90分で収めたのは、ナレーションや説明セリフの多用があるとはいえ、大したものかもしれない。  横溝正史の面白さを期待すると、当然がっかりするが、彼の作品をどんなふうに料理したか、を見たい人には面白いかも。昔の人が、これや千恵蔵の金田一を見てきた事を思うと、市川崑版の金田一はさぞ完璧に見えたことだろう。  それにしても、毒蛇島奇談って何だよ。[ビデオ(邦画)] 4点(2013-04-19 09:48:06)《改行有》

40.  怪獣ゴルゴ 《ネタバレ》  外国の怪獣映画というので、期待して見てみた。映像的には、ほとんど文句はない。日本の怪獣映画のように、ハッキリクッキリ気ぐるみ映ってます!ミニチュア凄いでしょ!的な作り物感が希薄だし、戦車や戦闘機の映像もホンモノ。  しかし、ストーリーが単純すぎて面白味が無い。珍しいモンスター級の生物を捕らえてきて、都会で見世物にしようと企むのは、キングコングなどにあるような、大道なのだろう。攫われた者を取り返しに来るという部分は、子と妖精の差はあるがモスラでも使われた。  でも、前述二作のように、モンスターやその周りの人物のドラマに、心打つほどのモノが無いので、ロンドンの被害も台風の過ぎ去った後の「ヤレヤレ」みたいな醒めた感じがしてしまう。「さ、後片付けだ!」なんて言ってしまいそうだ。  人間は万物の霊長などではない事を、思い知るべきだと、この映画は言うが、そういう事なら、もうちょっと人間の驕った部分を描かれているべきかも。[DVD(字幕)] 4点(2012-12-17 22:53:05)(良:1票) 《改行有》

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