みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
21. アラモ(1960) 《ネタバレ》 史実であるアラモ砦の戦いを、大胆に脚色して魅せるウエスタン大作。と言っても、アメリカの歴史などよく分かっていないのだが、おそらくクロケットがサン・アントニオに入ってから戦況が厳しくなるあたりまでは(あれ?殆どか)、創作だろう。だが、そこの所が面白い。西部劇のいろんな要素を目いっぱい詰め込んだ、「特盛り」感があり、お腹いっぱい楽しめる。上映時間が長いのは、そういった意味でのサービスの結果なのだろう。 内容的には、ヘンにアメリカの国土拡張の思惑などの政治的な部分を描かずに、男の信念と「共和国』に対する思いを、前面に出した話なのが良い。デイビー・クロケットが、子供を慈しむように共和国への思いを話すシーンは、私の大好きなシーンだ。 [DVD(字幕)] 8点(2013-06-29 17:30:23)《改行有》 22. 不知火檢校 《ネタバレ》 盲や障害者の人たちは善人だという根拠の無い思い込みを、これだけ豪快にぶっ飛ばしてくれると、清々しくもある。そして、その悪行ぶりも目の見えない事を理由にしておらず、純粋な悪意として描かれており、勝新の演技の生々しさと相まって、実に憎々しい悪党ぶりだ。 最後に自ら仕掛けた罠に、返り討ちに会うように身を滅ぼすのも気持ちイイ![DVD(邦画)] 7点(2013-06-22 22:14:58)(良:1票) 《改行有》 23. 草を刈る娘 《ネタバレ》 石坂洋次郎と言う人の原作映画は、イマイチ自分には面白味が判らない。何となく、古い価値観と新しいそれとの、対立や対比を描いているというイメージなのだが……。 で、原作を読んでみると、これが実に純朴な農村の若者たちの恋物語であった。確かに作中で殺される少女もいるし、その事件も未解決だが、それはこの草を刈る部落の外の話。都会帰りの青年も、縁日にモノを売りに来る男も登場しない、純粋な農村部落内での物語。いいじゃないの、これ。 さて映画版では、殺される女に余計な設定を付けて、金ばかりためている女はどうとか、それに惚れてる青年の描写の危うさなど、若干不快感を起こさせる部分もある。それが、小百合ちゃんの最後の決断に余計な「ガヤ」となっているのがイヤな部分。 イメージしていた新旧の価値観的なものは、薄っすらと存在しているのだが、驚いたことにそれは映画版の方がよりハッキリと描かれていた。殺人犯は明確に都会の人間だったし、暴力的で小百合ちゃんにフラれる青年など、町にいいイメージは無い。時造さえも、都会の論理を振り回すが、彼に関してはそれほどそこが機能していないのが、救い。 しかし全体としては、二つの部落の婆さんらのやり取りや、部落中で喧嘩になってしまう人たちやら、人のいいお巡りさんなどの登場人物たちの好感度が高く、微笑ましく魅入ってしまう。 [DVD(邦画)] 6点(2013-06-18 12:28:50)《改行有》 24. あすの花嫁 《ネタバレ》 連れ合いを無くしたお父さんお母さんの、再婚問題。それぞれ事情の異なる問題だから、一概にどうこう言えないけど、小百合ちゃんのお母さんの場合は、お父さんと結婚する以前から続く話なので、ちょっと深刻だ。 と思っていると、学友の女の子なんて睡眠薬まで飲んでしまう有り様なのに、意外にも小百合ちゃんは、母の相手である宇野重吉に会っただけで、その男を忽ち認めてしまう。何でしょうか、この安直さ。ひょっとして「血は争えない」って事かな?その勢いをかって、浜田光男も一気に結婚できそうで、まあめでたそうですね。って感じ。[DVD(邦画)] 5点(2013-06-06 13:56:14)《改行有》 25. ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》 私の考えている、ミュージカルの(特に作曲者の)評価基準に、音楽による世界観というのがある。その作品世界を的確・端的にあらわした音楽、そしてどの一曲をとってみても、その世界の一部であることが明白に分かる統一感。 『南太平洋』は聴いただけで潮の香りがしてくるし、『キャッツ』では忽ち月夜の猫の集会に引き込まれ、『ミス・サイゴン』では東南アジアの落日の前に喧騒の街が浮かび上がる。そう多くは無いそういった優れた楽曲の一つが、この『ウエストサイドストーリー』だ。そのプロローグで我々は、対立する不良グループのイキがった争いを目の当たりにする。 しかも、このシーンはダンスまでが一体となって、二つのグループの諍いとその緊張感を表現していた。とりわけ、彼らの小競り合いがそのままダンスになっているのは見事で、才能というものを感じさせる。 ジュリエットであるマリアがトニーと共に死なないのは、ちょっとバランスが悪い感じはするのだが、一方それにより物語の視点が「二人の悲劇」にある感じの原典よりも、二つのグループの対立に重きが置かれ、よりテーマを前面に押し出していて、それはそれで良いのかも知れない。[DVD(字幕)] 8点(2013-05-28 19:47:27)《改行有》 26. 許されざる者(1960) 《ネタバレ》 昔のTVドラマなどによくある、子供をすり替えられたり、攫われたりするドラマは、攫われた側の倫理観・正義感で物語が進行することが多いと思う。こういう攫った側の倫理観で進む話は珍しいな、と考えたら、ちょっと前に『八日目の蝉』を観たことを思い出した。 あの場合はまだ小さな子供だったし、法の支配する社会の話だから、子は生みの親に戻されたが、本作のような事情の場合、あながちインディアン側を支持する気にもならない。 この映画を白人入植者が、原住民であるインディアンを侵略し子を強奪した話として、現代の倫理観でコキ下ろすのは簡単だが、その子は白人の社会で生活し家族を得ているのだ。 「血は水よりも濃い」とは言うが、「生みの親より育ての親」とも言う。今ある絆を絶つのも簡単な事ではないし、本人は白人のつもりでいるのだ。たとえ許されなくても、家族として乗り切る事を非難は出来ない。 ところが、そんな事以上に違和感、というか嫌悪感を起こさせることがある。レイチェルとベンの結婚を匂わせる件である。「家族」という絆をテコに、この状況を乗り越えようとしている時に、突然兄妹が夫婦になる(レイチェルにとってキスは結婚を意味していた)、3人兄弟の抱擁のシーン(弟妹を両の腕で抱きかかえているが、弟に見えないように妹とキスするシーン)は、ちょっとショックだった。 私には、白人―インディアン問題より、この方がよっぽど嫌悪感が強い。最後にレイチェルがインディアン側の兄を撃ったのは、家族の為ではなく男の為のように見えてしまうではないか。[DVD(字幕)] 5点(2013-05-23 22:38:05)《改行有》 27. 黒部の太陽 《ネタバレ》 このダムの事は、小学校で教えられた記憶がある。日本が世界に誇るものの一つだった。本作はその前段階の工事である、トンネル掘りの話。何か話が『海峡』とダブる。 しかし、こちらのプロジェクトの原動力は「電力需要の増大」。いきなり発電所がダウンした経験を持つ今の我々には、図らずも説得力のある話になった。が、そのあたりはあまり描かれずに、現場のトンネルやたちの話が中心。 前時代的なトンネル掘りの爺さんの息子で、専門教育を受けているらしい裕次郎が、合理的な判断で工事を否定するのだが、いつの間にか工事責任者の一人になっているのが、ちょっと腑に落ちないと言える。 まあ、やることに決まったならまっしぐらに進む、というのが望ましい会社員なのかも知れないが、精神論的に物事を突き進めるというのは、日本人の悪い癖だ。 で、結局『海峡』と同様、水に悩まされる工事だが、こちらもシールドマシンでトラブル解決。なんか凄い新技術科かと思っていたが、調べてみると結構昔に開発されたものらしく、ちょっとガッカリした事は事実。 それでも、黒部の自然は美しく、難工事に挑む技術者の物語には熱くさせられる部分はあり、殊に出水シーンの迫力は凄い(ありゃ、これ前にも書いたな)ので映画としては面白い。 ところで原作ありきとは言え、この話がなぜ黒部の太陽というタイトルなのか、ちょっとわからなかったのだが、最後にトンネルが開通したシーンを見て、『黒部の風』でもよかったのではないかと思った。[DVD(邦画)] 8点(2013-04-24 16:05:33)《改行有》 28. 太平洋ひとりぼっち 《ネタバレ》 出航前の主人公はロクでもない奴だが、何だかんだ言っても人のやれない事を成し遂げたというのは、大したものだ。 あえて「偉業」や「立派」という言葉を使わないが、人が目標を成し遂げるエラさというのは、本当のところ、その行為の意義とは関係ないチカラにあるんだろう。だから人は、こんな意味の無い事でも、感動してしまうのだろう。 また、たった一人の航海による、精神的な部分での葛藤など、役者・裕次郎の本領を見た気がした。 [DVD(邦画)] 7点(2013-04-23 18:05:18)《改行有》 29. ひとりぼっちの二人だが 《ネタバレ》 このタイトルが実にいいと前から思っていた。ひとりぼっちが二人いたら、もうひとりぼっちじゃないんだという、実にあたりまえだけど、嬉しくなってくるようなタイトル。それに続く「だが」のもたらす希望。『明日に向かって撃て』級の良いタイトルだと思う。 ’62年といえば、終戦後17年。戦災孤児と言うのが、そこそこ一人前の年齢になった頃か。こういう意味のひとりぼっちの人が、町にはたくさんいたんだろうか。いたんだろうな。 そういった境遇の者が、苦しい社会を生きていくうちに昔の仲間と再会し、助け合い信じ合って生きてゆくようになる青春物語。 身を売らされそうになる芸妓やら、戦災孤児やらが登場するが、決して暗くならずに見られるのは、坂本九のキャラクタのお蔭だろう。役柄と言うより「坂本九」というキャラクタにそのまま乗っかった感じである。彼の独り舞台シーンは、まあ今実際に笑いはしないが、当時は面白いシーンだったんだろうと思わせる。 そして、まるで『ウエストサイドストーリー』の最後のシーンのように、若者たちが罪を悔いて共に歌い歩き出すシーンは、作り事めいてはいるがそれ故か、若者の歩く先の明るさを思わせる良いシーンだ。[DVD(邦画)] 8点(2013-04-16 18:16:51)《改行有》 30. 大奥絵巻 《ネタバレ》 大原麗子は確かに愚かだ。姉さんたちがよせと言うのに、きれいな着物が着たいなどと言い、勝手に大奥に入っちゃうのを見て、頭いいのに制服のためにアホ高校へ行く、と言っていた同級生を思い出した。女ってそういうもんなのかねえ。 それと、恋人が浮気をした時に、男はその恋人を憎むが女は浮気相手を憎む、という言葉をも思い出す。この人たちにとっては、家斉の意向なんて、関係ないのだな。 [地上波(邦画)] 5点(2013-04-02 01:24:47)《改行有》 31. 大魔神逆襲 《ネタバレ》 今回の物語の中心は、少年たちの冒険物語。正直、(少年役者たちに罪はないが)その一人が川に流されてゆくシーンの演技の拙さに引く。メインの視聴者層はやはり子供だと思うが、だからこそ、あからさまな自己犠牲によって、魔神が発動するのもどうかと思う。まあ、これは今だから言えることで、当時見ていたら、自己犠牲というものの胡散臭さには気付かなったと思うが。 それにしても今回は、煮えたぎる沼(?)の地獄谷とか、そのセットのしょぼさと相まって、あまりにもリアリティを失った。 ところで、この作品はどういう意味で逆襲なんだろうか?鷹を殺されたから?自身を木っ端みじんにされた前作を『逆襲』にして、農民と少年を苦しめている今作を『怒る』にしたほうが、名と体が合ってないだろうか?[DVD(邦画)] 5点(2013-03-24 22:24:38)《改行有》 32. 大魔神怒る 《ネタバレ》 取り立てて何が良くなった、悪くなった、と言う訳でもない話だが、ひとつだけ私的には不満が残るのは、今作以降の魔神は、聞き分けが良く、きっちりワルモンとイイモンを区別して、目的がすんだら行儀良く帰る、という事だ。魔神なのに、ヒーローになってしまった。コメディアンになったゴジラよりはましだが。 今作は前作と違って、ワルモンも火薬を使う事で派手で強力になった。まず初めに石像が木っ端みじんになるし、怒ってからも吹き飛ばされそうな場面もある。それでも結果が決まっている話だから、ドキドキ感は無いけれど。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-03-24 22:08:05)《改行有》 33. 大魔神 《ネタバレ》 謀反により領地領民を手にして悪辣非道を行う悪侍と、それに囚われた旧領主の残党たちの争いの物語。それと、昔からの言い伝え・神への信心を軽んじる者の話をうまく組み合わせて、勧善懲悪を描いた時代劇特撮。 映像的にはやはり、日本家屋の瓦が崩れて落ちる屋根が見事。ゴジラシリーズのビルのような「中身の無さ感」を感じない、今作の木造建築物の破壊シーンはリアル。 それと大魔神の怒り顔、その切り替わりの発想。我々のような子供(当時)にも、ちゃんと魔神の心がわかる仕掛けが良し。 で、興味深いのは物語中、人間たちは魔神を封じ込め石像を置いた、と思っているが、封じ込めた像と魔神は一体であったことだ。大魔神は単なる正義のヒーローではなく、悪を滅ぼすこともあれば人間に害することもある、畏れるべきものとして描かれる。人間に都合のいいばかりの神様ではない「大いなるチカラ」、ニライカナイなどと言う言葉を思い出す。 だからこそ、少女が「この身を捧げます」とまで言わないと、止まらない。正直、もうちょっと大暴れして、「ありがたいけどこのままでは大変」という展開になっても良かった。神様の御利益は、簡単には得られないのである。[DVD(邦画)] 7点(2013-03-23 19:30:29)(良:2票) 《改行有》 34. ロミオとジュリエット(1968) 《ネタバレ》 さて物語は古典中の古典、昔読んだが忘れてしまうほどの昔で、結構新鮮に見られた。むしろ「うわ、これ『ウエストサイド』のバルコニーシーンだ」などと思う始末。 しかしロミオってのは、ずいぶんと直情型だったんだな。浅はかなヤツばっかり登場するこの物語、昔っから思っていたんだが、一番の罪びとである神父が罰せられる版を見たいものだ。 思えば、自分は「ロミオとジュリエットもの」と言えるような、この物語にインスパイアされた作品がわりと好きだった。そのような後世の作品は、この主人公たちの「浅はかさ」の部分をうまく工夫して、自業自得感が無くしているものが多い。 やっぱり自分はどうしても、この部分が気になるようだ。 それにしても、オリビア・ハッセーの可愛く美しい事。日本に来てCMに出た時のポスターを、化粧品屋から貰って部屋に貼ったのを思い出す。 この映画のおかげで知ったこと。あのヨーロッパ人のピッタリしたスパッツみたいなやつ、パンツ穿かないんだ…。[DVD(字幕)] 8点(2013-03-22 16:57:28)《改行有》 35. 網走番外地 大雪原の対決 《ネタバレ》 物語の大元となる話が、ちゃんと刑務所内の事件にあって、ムショ内の描写も(オカマが多いのは閉口だが)しっかり描いている。 舞台も北海道で、そういう部分では『網走番外地』っぽい。我も我もと集まってくるムショ帰りの仲間というのも(あまり)無く、かなり物語を立て直した感がある。 鬼虎さんの登場にびっくりさせられるのは同じだが、今作ではそれも、あるカタルシスのための「タメ」で、ここまで来るとそういうのも楽しくなってくる。 しかし、ラスボスを倒すのが主人公でない、と言うのはちょっとどうなのか?とも思う。確かに健さんの当初の目的は白熊にあったとは言え。[DVD(邦画)] 5点(2013-03-21 16:09:35)《改行有》 36. 丹下左膳 乾雲坤竜の巻 《ネタバレ》 面白いじゃないの。今、「決定版』と称している物よりも。 期待していた、隻眼・隻腕になった謂れも物語に密着していて、ダークヒーローとしてのカッコよさも充分。その後豪放磊落の部分が、拡大してゆく主人公の、シリアスで真面目な精神的な部分を楽しめた。 三人が旅立つラストカットは、連続活劇の始まりのような、続きを期待してしまう終わり方もよい。[ビデオ(邦画)] 7点(2013-03-15 02:46:45)《改行有》 37. 丹下左膳 濡れ燕一刀流 《ネタバレ》 苔猿の壺物語の続編的で微妙なパラレルワールド物語。 面白いんだけど、絶体絶命の危機からの脱出場面を省略しちゃったり、裏切者だった与吉を簡単に許しちゃったり、そもそも与吉が左膳らを助ける事にした心境とか、とにかく大雑把で雑。 でも、苔猿の壺の話よりは面白い。悪く言えばTV時代劇的ではあるけど。[ビデオ(邦画)] 5点(2013-03-15 02:45:40)《改行有》 38. 網走番外地 南国の対決 《ネタバレ》 山田組での吉岡秀隆を見ると、いつもある種の不愉快を感じていた。映画という仕事の中で育てて貰っちゃってる「特別扱い」感だ。しかし、今回このシリーズで、しかもたった半年の間に(特に胸が)成長した大原麗子を見て、考えを少しだけ改めた。そういう成長を見るのも、楽しいものなのかもしれない。美少女は得だ。 さて、返還よりも6年も前の沖縄。事実上、アメリカだ。そんなところで大暴れしちゃうと、網走どころではない、トンでもない所へ収監されちゃうんじゃないかと心配になる。でも、日本の刑務所よりも、マシな暮らしができるかもしれない。 今作の始まりでの健さんは、普通のヤクザっぽくて、ちょっと引く。世話になった(であろう)組長の、不審な死の事より、組が自分を裏切っていることに憤っているように見えるのだ。そのからくりは当然、想像通りある訳だが、ちょと橘真一のキャラが揺らいだような不安感があった。 ま、最初だけだけど。 [DVD(邦画)] 5点(2013-03-10 10:10:19)《改行有》 39. 網走番外地 荒野の対決 《ネタバレ》 予告編で「西部劇」と断言しちゃってるくらい、西部劇である。北海道が、どこの西部なのかは判らないが。 それはさておき。 中々、それらしい西部劇だ。雄大な自然と北の果てという設定が、日本なのにちょっとだけ、無法の世界らしく見せている。もちろん舞台が日本だから、腰にリボルバーと言う訳にはいかない。狩猟用のライフルを持っているのが精いっぱいで、誰でもみんなが持っている、というものでないのが、物語上の抑制にもなっている。最後は結局、長ドスというのも、このシリーズらしい。 物語は、本家アメリカの西部劇にもありそうな、牧場主のイザコザの話。今作で虐められる役は、人間ではなく馬。イイモンの牧場の馬がたくさん殺されて、大原麗子がオイオイと可愛く泣くと、健さんも我々も怒り頂点。網走帰り連中が殴りこむわけだが、どうも「こちら側」が強すぎに見えるのが、難と言えば難。それと、ライバルと思われていた杉浦直樹が、結局こっち側というのも、イマイチの原因か。 しかし、最後さあ、健さん。「ヤツ」が撃つ前に、権田の首を叩き落としちまえば、ヤツの撃つ理由も無くなって、すっきり丸く収まったんじゃねえか?そうすれば健さんももう一回、網走に戻って(多分)次の作品につながるし。[DVD(邦画)] 5点(2013-03-09 10:59:09)《改行有》 40. 網走番外地 望郷篇 《ネタバレ》 前作(続)よりもはるかに「アリ」である。橘真一というキャラクタの、元々の魅力の部分を、再び物語に仕立て直した映画だからだ。悪く言えば、第一作目の「ムショ入りの原因になった事件」の再現、だけどそれがこの人の魅力の原点だから、やっぱりきちんと描いておくべき物語だったのだろう。[DVD(邦画)] 6点(2013-03-07 17:32:25)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS