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21.  ぼくのエリ 200歳の少女 北欧の寒々とした美しくも寂しい雪景色をバックに、孤独な少年と少女(?)の生きるための選択を描いた作品で、甘酸っぱい初恋的要素を含みながらも、ここで描かれとるのは生きることのつらさと厳しさっちゅう紛れもない現実であり、そんななかで互いに寄りそってなんとしてでも生き残っていくことを決断したふたりの姿は、正直どっか哀れですらあった。結局は他者を犠牲にしなければ生きていけないという、悲しい現実やよねぇ……。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-18 16:45:09)《改行有》

22.  ハート・ロッカー パンチドランカーならぬ戦争ドランカーを描いた作品で、戦場っちゅう過酷な状況に長期間さらされた結果、人間に芽生える両極端な感情を非常に冷静に描き出しとったし、ドキュメンタリータッチの臨場感あふれる戦場描写も秀逸で、とくに視線の扱い方がめっちゃうまかった。しかしこういう撮り方はデ・パルマが『リダクテッド 真実の価値』ですでにやってもうてるので、ちょい二番煎じ的な印象はぬぐえんかなぁ……。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-12-18 16:42:04)《改行有》

23.  キック・アス オタクの妄想を見事に具現化させた作品で、ヒーローにあこがれるオタク少年の夢と現実をシニカルさとユーモアを交えて痛快に描き出しとったし、アクションシーンにおける容赦のないバイオレンス描写は圧巻で、とくにヒットガールの最後の突撃シーンの美しさと残酷さは絶妙な挿入歌の使い方も含めて燃えに燃えた。唯一の不満があるとすれば終わり方をもうちょい苦いもんにしてほしかったっちゅうことかな。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-12-18 16:37:18)《改行有》

24.  瞳の奥の秘密 サスペンスを軸としながら人間ドラマ、ラブストーリー、コメディ、アクション、社会的メッセージなども内包して見事にまとめあげた極上のエンターテインメントで、過去と現在を複雑に行き来する構成や、二転三転するスリリングな展開がホンマにすばらしかったし、最終的なオチのなんともいえん衝撃は強烈やったんやけど、そのあとのエピローグが見事にそれを救ってくれとった。しかし中盤の追跡劇のワンシーンワンカットの長回しにはおいさん感動してもうたなぁ。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-18 16:30:05)《改行有》

25.  第9地区 アパルトヘイトのメタファーとしてエイリアンを使うのはややベタやねんけど、フェイクドキュメンタリー的な手法や細かな設定、エイリアンの生活形態などによって見事なリアリティを付与しとったし、主人公が生体実験をされ出したあたりからいっきに映画が加速し、エイリアン、政府軍、そして地元ギャングによる三つ巴の血みどろ合戦のカオス状態なんて圧巻で、夢見る男子のハートはもはや灼熱状態。唯一いらんかったのはラストのカットかな。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-12-18 16:27:20)《改行有》

26.  白いリボン 上から下へと流れていく抑圧の連鎖っちゅうか、それによって村全体を覆っていく不穏な空気や不安、恐怖、憎悪、嫉妬、猜疑心、そして形成されていくナチズムの萌芽を静かで不気味で美しいモノクロ映像によって映し出しており、なんちゅうかこのいかがわしさは只事ではなかったし、謎を謎として解決しないまま放置している物語もまさにハネケの本領発揮。ホンマもうロクデモナイ人間しか出てけーへんねんなぁ。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-18 16:24:56)《改行有》

27.  息もできない 劣悪な家庭環境から発生していくどうしょうもない暴力の連鎖と、それでも他者のぬくもりを求める悲しい人間の性を、遠近を巧みに使い分けたカメラワークによって鋭く切り取っとり、そこで描かれる暴力描写の痛さと哀れさは半端やなかったし、後半はやや予想どおりで国民性である粘着系のしつこさが出て失速してもうたんやけど、暴力が生み出していくどうしょうもない現実っちゅうもんをいやおうなしに突きつけてくれとった。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-18 16:22:12)《改行有》

28.  スプライス ちょっとだけ高尚な『スピーシーズ』っちゅう感じで、自分たちが生み出した新種の生命体によって右往左往させられとる中盤ぐらいまではそれなりにおもしろかってんけど、それ以降の展開がなんや凡庸で、最終的には陳腐な愛憎劇みたいになってしもうてたし、新種の生命体であるドレンのキャラクターはよかってんから、そこをもうちょい突っ込んで描いてほしかった。あれじゃ結局なにがしたかったんかよくわからん。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-18 16:17:57)《改行有》

29.  わたしが美しくなった100の秘密 こんだけ不快な気分にさせられた映画っちゅうのも久々で、なんかアマチュアフィルムを見せられとるような感じがしてもうた。とにかく全編通して下品かつセンスのないギャグの連続で、ホンマに笑えんかったし、意外な展開っちゅうのがなにひとつない延々と同じことを繰り返しとるだけの進行にもウンザリ。どうせやるんやったらとことんまでバカでやらんかい![DVD(字幕)] 0点(2011-12-18 16:11:09)

30.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/鬼脚 たぶん本家シリーズとはまったく関係ない一本やと思うんやけど、鬼脚役にユン・ピョウを起用してもうた時点で失敗で、町で有名な札つきのワルという設定にまったく説得力がなかったし、いうほど足技を使っとらんかったんも問題あり。そして肝心のアクションに関しては、いいところもあんねんけど全体的には完全なる迫力不足やったし、めっちゃ香港らしいサッブいギャグの連発にも背筋がゾ~。[DVD(字幕)] 3点(2011-12-18 16:06:22)

31.  私の頭の中の消しゴム 忘れていく苦しさと、忘れられていく悲しさちゅう、若年性アルツハイマーを扱ったテーマはまあまあよかったんやけど、後半の悲劇を際立たせるために重要な前半のラブストーリー部分があまりにベタクサでひいてしもたし、中盤からの展開も正直キレイゴトのオンパレード。彼女が夫に対して宛てた別れの手紙にはさすがにウルッときてしもたんやけど、同じ韓国製の難病純愛ものである『八月のクリスマス』のようにもうちっと上品に描けんもんかねぇ……。[DVD(字幕)] 4点(2011-12-18 15:58:09)

32.  笑う蛙 展開的にはちょっとベタな感じもすんねんけども、淡々とした進行がけっこういい間を演出しとったし、のぞき見的視線によるエロティシズムや、人のアホさ加減を浮き彫りにするという狙いも成功。そして大塚寧々のなんとも気の抜けた、それでいてどっか妖艶な演技はめっちゃハマってて、ラストの一言もネタバレはしてんねんけどオチとしてそないに悪いもんではなく、全体的にパンチはないねんけどぼちぼち良質な作品へと仕上がっておましたね。[地上波(邦画)] 5点(2011-12-18 15:53:29)

33.  忘れられない人 難病純愛ものっちゅうめっちゃベタなネタやねんけども、この手の作品に顕著なベタベタメソメソ感は薄く、さわやかな余韻を残してくれるような好編へと仕上げとったのは正解やったし、彼女のことを愛しているこのハート(心臓)を大事にしたいねん、このまんまの自分でいたいねんっちゅう生き方にも深く共感。悲しくて涙を流す作品っちゅうよりかは、観るモンの気持ちを幸せにしてくれるような心温まる佳作ラブストーリーやったね。[DVD(字幕)] 6点(2011-12-18 15:46:05)

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