みんなのシネマレビュー |
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21. 漁港の肉子ちゃん 《ネタバレ》 この映画では劇的なことは何も起きない。 だけど、友人との関係に振り回されたり、変わりものの異性が気になったり、 そういった些細な出来事の一つ一つが思春期の心情を思い起こさせ、見ていてとても心地が良かった、 主人公のキクリンにシンパシーを感じる部分も多く、終盤のシーンに至ってはボロボロと泣かされてしまいました。 最後の方で二宮の指摘によって明かされるキクリンの癖もいいですよね、 これどういうことだろ?と思っていたことに納得がいくとともに、2人を引き合わせる切っ掛けにもなっていて、 秀逸な仕掛けと魅せ方に感心しました。 それにしても公開当時、この映画をスルーしてしまったことが本当に悔やまれる、 制作がSTUDIO4℃ということで気になってはいたけれど、明石家さんまプロデュースということで高をくくってしまった…、 さんまさんごめんなさい、この映画を作ってくれて本当にありがとうございます、自分にとっては紛れもない傑作です。[ブルーレイ(邦画)] 10点(2023-07-22 23:50:54)《改行有》 22. もののけ姫 主人公のアシタカの強さと凛々しさが痛快で、シンプルに見ていて楽しい、 その上で、人間と自然との共存など勧善懲悪で割り切れないテーマ性も内包しており、深堀りしたくなる魅力もある。 2時間強の中でエンターテイメント性とメッセージ性の両立を見事に成し遂げた力作、テレビで放送されているとついつい観てしまうジブリ映画の筆頭作品。[地上波(邦画)] 9点(2023-07-22 22:02:42)《改行有》 23. 君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》 個人的には事前情報を徹底してカットした今回のアプローチはとても良かった。 鑑賞後に物足りなさを感じたのは事実だし、人に勧めたくなるほど面白い訳でもなかったが 上映開始に至るまで完全にベールに包まれている映画の鑑賞というのは、 めったに出来るものでは無いし、このドキドキ感を味わえただけでも良い経験が出来たかなと思う。 前述した通り、事前情報無しがこの映画の良いところの一つなので 未鑑賞者はこの先で述べるネタバレ感想は見ないことをおすすめする。 ※ネタバレ感想 「異世界に迷いこみ数々の試練を乗り越え、精神的に成長して現実世界に戻ってくる」 こういった筋書きはジブリだけで見ても、既に「千と千尋の神隠し」と「猫の恩返し」でもやっているが このテンプレートでしかない安直な構造の物語を、何と宮崎駿の最終作でもなぞっている、 もっと端的に言えば時代背景と登場人物を変えただけの千と千尋のセルフコピーのような印象すら覚えてしまった。 この既視感によるマイナス要素を除いたとしても、そもそもこういった異世界を舞台にした物語は 荒唐無稽な展開が許されてしまうし、いくらでも話の折り合いが付けられるため 見ていてあまりのめり込めず、自分はどこか白けて見てしまい、 登場人物に感情移入したり、作品世界に没頭したりといったことが出来なくなってしまう。 物語にこそ馴染めなかったが、異世界の描き方については宮崎駿の健在さを感じさせてくれた。 死生観を感じさせる荘厳さと、夢の世界かのような珍妙さ、そして不気味さがない交ぜになり 奇想天外でユニークだった、まあこれも千と千尋の良いところをそのまま挙げたようなものなのだが…。[映画館(邦画)] 6点(2023-07-19 17:49:51)《改行有》 24. RRR 自分にはインドの方の顔は判別し難い、皆さん髭が生えてるし精悍な顔つきなので 「あれ、この人さっきの人だっけ?じゃあ、あっちの人は誰?」なんて状態になることがままあり、 登場人物が頭の中で整理されるまでそこそこ時間が必要だった。 それもあって前半はそこまでのめり込めなかったのだけれど、話の理解が追いついて来ると 思いのほかストーリーが面白く、2人の主人公が抱くジレンマ、激情、鬱憤など、溜め込んだあらゆる感情が クライマックスのアクションによって吐き出され、爽快な気分のまま鑑賞を終えられた。 前半の出遅れと上映時間の長さもあって、もう一度観たいかと言われると悩むところだが、観ておいて損の無い映画だったと思う。[映画館(邦画)] 7点(2023-02-23 22:03:04)《改行有》 25. 映画大好きポンポさん 90分という上映時間にこだわりを感じさせられる一作。 これが1分でもオーバーしていたら、この映画の説得力は失われるところだった。[映画館(邦画)] 7点(2023-02-23 21:46:08)《改行有》 26. すずめの戸締まり 《ネタバレ》 過疎化や自然災害を扱いながら日本を縦断していくロ-ドムービー。 これが受けない訳ないというくらい、日本人のツボを押さえまくってる気もするが、地震にトラウマのある人にはかなりキツイ内容かもしれない。 新海監督は「君の名は」以降スマホを物語の進行に欠かせないガジェットとして巧みに取り入れているが、今作も恐怖を駆り立てる要素として、スマホの地震通知が上手いこと機能している。 背筋が寒くなる地震通知からの災害描写、そこから一気に物語に引き込まれると、そのまま最後までのめりこんで観てしまった、いやー面白い。[映画館(邦画)] 8点(2022-11-19 22:47:14)《改行有》 27. セブン 《ネタバレ》 ラストの展開までに起こる数々の事件は料理で言えば仕込みのようなもので、 時間の関係もあってかトントン拍子で消化されていく。 テンポこそいいが単なる仕込みでしかないため面白味は薄く、 それが終盤まで続くため、つまらないと感じる時間が長かった。 一つ一つの事件をもっと肉付けして掘り下げながら 連続ドラマなどの形式に落とし込めれば、もっとラストのカタルシスが得られたかもしれない。[ブルーレイ(吹替)] 5点(2021-01-14 23:32:50)《改行有》 28. 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 《ネタバレ》 続き物なので「話題になっているから」と何も知らない状態で鑑賞しても、この映画を完全には楽しむことが出来ない 最低限テレビアニメシリーズ全26話か、若しくは原作コミックの6巻までを読了している必要がある。 自分はテレビアニメを観て、漫画を最新巻まで読み、先の展開を知った上で鑑賞、 ここからはネタバレ有りで語るが、ギャグが少し滑っている感があることと、 アニメではナレーションを用いない仕様の為、結核少年が改心するくだりが強引に感じてしまう点が気になった。 しかし後は期待通りの素晴らしい出来、テレビシリーズ同様、高品質な作画と音楽は言うまでもなく、 原作で端折られていた戦闘描写の一部が肉付けされ、煉獄VSアカザ戦の見応えはまさに圧巻、 アニメで観たいと頭の中で思い描いていた映像が過不足なく再現されていることに、ただただ感動させられた。 改めて物語を紐解くと、大きな山場を越えたところでさらに一山用意するこの二段構造は、 2時間という短い時間の中で確かな満足感が得られ、ラストは興奮と切なさの感情を抱いたまま鑑賞を終えられる。 原作を読んで内容を知っていても充分感動出来るのだから、それだけ没入感が高い作品になっているということだろう、 それだけに何も知らない状態でこの映画を観てみたかったという想いもある、 きっと今以上にジェットコースターのような感情の起伏を味わえていたに違いない。[映画館(邦画)] 8点(2020-10-26 20:26:23)《改行有》 29. エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 主人公が好きになれない。 取材する旨を電話一本入れただけで、一週間音沙汰無しじゃクビ切られて当然でしょって思う。 最後のエドの粋な計らいに対して、短絡的にすぐ罵りだす主人公を見てやっぱり鼻持ちならない人物だと再確認した。[インターネット(字幕)] 5点(2020-10-14 21:38:18)《改行有》 30. ミスト 立て続けに起こる奇怪な出来事に加え、霧の存在が分からないことへの不安をさらに増強させており パニック映画としての最低限の面白さはクリア出来ている。 だが難点は登場人物の誰にも共感出来ないということ、観ていて「何でそうなる!?」の連続だった、 人間達の間抜けな行動に途中からはハラハラするの通り越して笑えてきてしまった。[インターネット(字幕)] 6点(2020-05-08 22:07:38)《改行有》 31. 魔女の宅急便(1989) 主人公キキがこの映画で経験していくことって、現実でもみんなが思い悩むようなことばかりなんですよね 自立していく上での不安、心細さ、異性に対する嫉妬、周囲からの疎外感、上手くいかないことへの苛立ち、焦燥、 空想の世界が舞台だけど、主人公のキキはまさに等身大の少女そのもの、だから共感できるし感情移入してしまう。 そして主人公に感情移入すると、その世界が途端に身近に感じられ、 いつの間にかその世界へとトリップしてしまう、その感覚はまさに魔法そのものだと思う。[地上波(邦画)] 9点(2020-03-13 21:01:25)(良:2票) 《改行有》 32. ミスティック・リバー ショーンの奥さんとのやり取りは完全にいらない、ただでさえ主人公3人が子供時代から面影のない顔立ちに成長してて 登場人物の把握にもたついてるってのに、いらん設定ぶちこまないでほしい。 そもそも上映時間が2時間強と長すぎるから、意外と地上波なんかでテレビサイズに短縮すれば逆に面白くなるかも もちろん最後のパレードはいらないし、ショーンの奥さんにいたってはこの際だから全カットして存在を抹消してしまおう。[インターネット(字幕)] 6点(2020-03-13 20:32:12)(良:1票) 《改行有》 33. バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 たった2時間の中に、タイムリープものとしての面白さがちゃんと詰め込まれている。 少し強引に思えるシーンもあったが、全体としては上手くまとまってるし、何よりほろ苦いあの終わり方が好みだった。[DVD(吹替)] 7点(2020-03-01 23:25:04)《改行有》 34. 映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ あまりにもゆるくて、のほほんとした内容に途中から睡魔が襲ってきました。 例えば、100ページ以上ある平仮名の絵本を大人が読もうとしたら意外と気力がいると思いませんか? この映画もそんな感じで中盤まで話の起伏があまりないので、脳が思考停止しようとしてました。 でも批判してる訳じゃないです、児童向けの映画なんで当然それでいいと思いますし、 逆にこのキャラクターを使って小難しい内容にしたらナンセンスですよね、 しかしその制約の中でも、物語の締めくくり方は評判に違わぬ綺麗でドラマチックなもので、最後にはちゃんと感動させてもらいました。 児童向けの映画としては満点ですし、大人が鑑賞しても幸せな気持ちになれる良作だと思います。寝なければ…ですがw[映画館(邦画)] 6点(2019-11-15 23:54:24)《改行有》 35. この世界の片隅に(2016) 終わり方は好きなんですが、退屈だなあと感じる時間がとにかく長かったんでこの点数です。 何だろう日常パートが淡々としすぎてるんですかね、 ミスリードで笑いをとる手法を多様してるところとかが気になって、物語に入っていけませんでした。 今年の年末に30分の追加シーンを加えた新作が公開とのことですが、 2時間のこの映画を観るだけで疲れてしまった自分には、「正気か」としか思えないです。[映画館(邦画)] 5点(2019-11-01 17:53:49)《改行有》 36. ジョーカー バットマン本編を一度もまともに観た事ない自分が、話題性だけで観に行った映画。 鑑賞前はアメコミヒーローのスピンオフ作品ということで、たかをくくっていた部分があったが、 鑑賞後には、これはむしろスピンオフだからこそ成立した特異な映画だなと考えさせられた。 例えば、実在の事件や悪人をモデルにした映画として撮られていたら不謹慎で観ていられないし、 完全に独立したフィクション映画でこの内容だったら、単なる暗い映画で終わってしまう。 この主人公が後のバットマンの悪役へと繋がっているからこそ どん詰まりに見える終わり方でも、今後に繋がる広がりを感じられるし キャラクターの掘り下げとしても充分にこの映画が活きてくる。 本編のバットマンには興味が無かったが、自分にとってこの映画が本編を観てみたいと思わせる原動力になりそうだ。[映画館(字幕)] 7点(2019-11-01 16:52:33)(良:1票) 《改行有》 37. 天気の子 《ネタバレ》 主人公の男の子が終始、向こう見ずで短絡的な行動を繰り返す為、ストーリーに共感できませんでした。 せめて家出した理由の一つでも明かされていれば多少は違ったのかもしれませんが、 その辺の境遇も劇中ではノータッチ、まあこの主人公なら大した理由でもないんでしょうけど。 さて、この映画は最後の主人公の決断、いわゆる二者択一な選択が賛否あるところだと思います。 最後の主人公の選択自体に文句がある訳ではありませんが、 何かを犠牲にする選択を主人公にさせるなら、尚のこと主人公の生き方や人柄は重要だと思うのです、 応援したくなるようなキャラクターにしてくれないと、どちらを選択したにせよ反感を抱いちゃいますよ、 「決断」なんて大仰に書きましたけどこの主人公、別に悩んだりしてませんし 徹頭徹尾、自分のやりたいように振舞ってただけですから。 例え同じストーリーラインだったとしても 主人公の家出に相応の理由が用意されていて、常識の範疇に則った行動をしていれば 最後に主人公がどんな選択をしようと、気にならないと思うんですよね。 グダグダ書きましたけど、結論言えば自分はこの主人公が嫌いだったってだけです。 映像、音楽始めアニメーションの質に関しては文句のつけようがありません。[映画館(邦画)] 6点(2019-07-19 14:54:54)(良:1票) 《改行有》 38. 海獣の子供 お話自体は割とシンプルな内容だけど、 後半かなり抽象的な表現を交えて話が展開するので、 なんとなく置いてけぼりを食らった感覚が最後に残りました。 とはいえ、映像美と音響は圧倒的ですし、 芸能人を起用しているけど違和感を感じる声優さんもいません、 画作りという部分に於いて、隅の隅までこだわって制作されたんだろうな、というのが伝わってくるアニメでした。 この映画をまた観るかは分かりませんが、この制作陣の新作が公開されたら是非見に行きたいですね。 あとついでに米津玄師のエンディング曲も良かったです、 ただそれだけに挿入歌としても流してほしかったなあ、 あの歌が劇中で流れてれば、もう少し心に残る映画になったと思うんですよね。[映画館(邦画)] 6点(2019-06-14 17:22:34)《改行有》 39. カメラを止めるな! 前半の1時間はとても退屈、登場人物の叫び声やBGMも耳障りで嫌悪感すら感じる作り。 しかし後半の巻き返しで最終的には「面白い映画だったな」で終われる、終わりよければ全て良しな作品。 とは言え、テレビ放送で観てたら絶対途中でリタイアしてた、 そういう意味では画面に集中せざるを得ない映画館で鑑賞しておいて良かったなと思える映画。[映画館(邦画)] 7点(2018-08-27 23:59:37)(良:1票) 《改行有》 40. ショーシャンクの空に 終盤のどんでん返しは勿論素晴らしいが、それだけではない。 まず何よりも主人公のアンディが魅力的、無実の罪で幽閉されながらも、 自らを見失うことなく超然としている姿がひたすらにカッコよく、 彼の生き方や精神性に触れたくてつい何度も観てしまう。 大袈裟かもしれないが、人によっては人生の標(しるべ)となる一作だと思う。[DVD(吹替)] 10点(2018-03-19 23:55:19)《改行有》
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