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プロフィール
コメント数 87
性別 男性
年齢 31歳
自己紹介 採点は甘め。
でも、10点は特別に好きな映画にだけ。

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21.  グレート・ビューティー/追憶のローマ 凄かった。でも、何が凄かったかは説明できない。だから凄いのだと思う。真面目に言うと、これは絶対に映画という媒体でしか表現できないから凄いのだと思います。美しいローマの街並みに品のない人々が群がっているのをただただ美しく描いた作品です。全てのショットが絵画のようだったし、文化人を気取った人たちを見るのは楽しいし、映像と音楽がめちゃくちゃマッチしていて気持ち良くなったし・・・あーでも良さをはっきりと説明できない。主人公は好き放題遊んでいるようだけど、実はそんな自分を嫌悪しているように見えるのも興味深かった。あと僕に言えることは・・・意外と笑える。[映画館(字幕)] 9点(2014-11-30 23:22:18)

22.  インターステラー まさにジェットコースターのような映画でした。正直、プロットはあまり理解できませんでした。宇宙船内で繰り広げられる会話に関しては10%くらいしか理解できなかった。これは自分の頭の鈍さが最大の原因なんですけれども、そんなことがどうでも良くなるくらいに「面白かった」んですよね。興奮しっ放しだったんです。前半はそれこそ高波のように迫りくる科学的情報の量に圧倒されてノレなかったのですが、後半のあの疾走感!爽快感!そして不覚にも涙腺が緩む展開!絶頂でした。完全に我を忘れてしまって映画の世界に入り込んじゃうと、他の点はどうだって良くなるんですよね。映画鑑賞って、結局は「体験」ですから。[映画館(字幕)] 9点(2014-11-30 23:08:45)(良:1票)

23.  THE BATMAN-ザ・バットマン- 《ネタバレ》 マーベル含むアメコミ映画は基本的に好みではないが、バットマンだけは観てしまう。物語とゴッサム・シティにまとわり付く暗さがフィルム・ノワールとの相性が良いのだろう。 ライブストリームを使ってコミュニティを形成し、カリスマとなる悪役が現代的で面白かった。ティム・バートン版から30年に渡って映画化されているバットマンだが、公開当時のテクノロジーを確認するだけでも興味深いシリーズになったと感嘆。 音楽が印象的でバットマンの強さ、怖さ、暗さ、脆さ、それらが全て感じられる奥行きのあるものだと思った。 何よりキャラクターデザインが非常に好き。キャスティングがとても良い。 あれがコリン・ファレルだとは未だに信じられない。[映画館(字幕)] 8点(2022-03-18 08:42:55)《改行有》

24.  いとこのビニー 笑えて為になる法廷コメディ。 裁判の慣習とか、弁護士と検察の駆け引きや戦術など、いろいろと勉強になる。 自分は法の世界とは全く無関係な人間だけど(笑) 「二次提案」などの法律用語も出てくるし、こういうウンチクを詰め込んだ映画は結構好き。 ペシ「俺の巧みな話術で検察から資料のコピーを全部貰ったぜ!」 トメイ「バカ!弁護士から要求があったとき、検察は全ての情報を開示する義務があるのよ」 ペシ「え~?!」 ↑この場面なんて『世界一受けたい授業』のVTRみたいで面白かった。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-25 18:26:40)《改行有》

25.  ゲット・アウト 《ネタバレ》 主人公の友人のTSA野郎が好きでしたね。彼のユーモラスで明るい存在感が、この映画のホラーとサスペンスを引き立てる良いスパイスになっていたと思う。自分の職業にめちゃくちゃ誇りを持っているところとか愛らしいです。 脚本は本当によく出来てる!有り得ないようなストーリーだけど、矛盾点が見当たらないし、筋が通ってるし、「あのときのあのセリフにはそういう意味が!」という発見も鑑賞する度にあるでしょう。特に主人公の恋人、今になって思い返すとなかなか恐ろしいこと言ってたなー。TSA野郎に「貴方が本命よ」とか。 そして、人種差別を裏テーマ(裏でもない?)として扱っているのがこの映画最大のポイントだろう。劇中、黒人は身体能力に優れた素晴らしい人種だと崇められているんだけど、それは「遺伝子が良いから」って言っているし、それも結局は一種の差別ですもんね。敢えて黒人が妙にチヤホヤされる様子を描くことで、アメリカ国内で今なお起きているであろう不当な人種差別を皮肉っている。人種差別を真っ向から描いた重いドラマ映画よりも、誰でも気軽に観られるホラー映画でさりげなく風刺する方が、観客に自ら考えさせて、より強いインパクトを与えるのかもしれない。このセンスには脱帽。 黒人たちの失踪事件に関与しようとしない警察の描き方にも風刺が効いている。しかも、自分の記憶が正しければ、黒人の警官もあの場にいたはずなので闇は深いですね。 そういう社会派的な側面を抜きにしても、一本のホラー映画としての完成度は高く、しっかり娯楽作になっているのが素晴らしい。頭が良い、クレバーな映画だ。 しかし、主人公の今後が不安。あの人をお茶に誘ったら大変なことになる。[映画館(字幕)] 8点(2018-02-05 11:05:14)(笑:1票) 《改行有》

26.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 ノーランの最新作で当然気にはなっていたけど、あまり期待せずに観に行きました。それもあってか、かなり楽しめた。開始早々に文字で状況が簡潔に説明された後、いきなり銃声が轟き、そこから僕はずーっと画面に釘付け。 登場人物、とりわけダンケルクから身動きが取れなくなっている兵士たちがどういう人物なのか紹介はほとんどされない。戦争映画でありがちな、夜に兵士たちが輪になって座って故郷を想うシーンなんてものもない。この映画では、いつ死ぬか分からないような状況の中、母国に戻るためにもがいているので、戦地で友情を育む暇はなく、兵士同士で他愛のない会話など交わされない。その部分はリアリティを意識していて、他の映画では意外と(?)見られないものだったので面白かった。 ダンケルクからの脱出劇(現地の兵士にとって)であり、救出劇(英国の空軍や民間人にとって)であるので、ストーリー性はあまりない。映画というよりは、一つのアクションシーンを100分くらいまで延ばした感じ。そういう意味では緊張感が途切れることがなかった。 アクション自体もなかなか素晴らしかったと思う。兵士が銃撃や爆撃に倒れるシーンよりも、例えば船と防波堤に挟まれる場面や、海に溺れて苦しむ映像の方が印象に残る。実際にはこういう状況で命が危機になるんだろうな。本作では海、水の怖さがよく伝わる演出が多く、生々しい表現をあまり用いていないのも評価したい。 しかし、気になる点もあった。ケネス・ブラナー演じる海軍中佐のあの顔面どアップの連続はベタすぎて芸がないし、あれだけ空襲とか受けてるのにずーっと防波堤の上に軍服も乱さずに立っているのがなんか不自然。実際に居た人物をモチーフにしているのかもしれないけど、あのキャラクターの描き方がなんか粗雑に感じた。ラストのややハッピーなエンディングもちょっとどうかと思った。中佐は「負傷兵をこれ以上船には乗せられない」と恐ろしいことを言っていたり(仕方ないけど)、目の前で転覆する船から兵士たちが海に飛び降りる光景をその目で見ているのに、民間の船がずらーっと並んだシーンでニターっと誇らしげに笑っているのには違和感。なんか、ブラナーの悪口ばかり言っているようだけど、そんなつもりではないです、あの中佐にこの映画の良くない部分が詰まっているような気がして。 「ギブソン」が亡くなった後、彼を追悼するシーンがないのも寂しい。それはそれでリアリティはあるけど、序盤に船に乗れなかったり、のけ者扱いされたり、仏兵の扱いが全体的に可哀想だった。最後の中佐の「俺は仏兵のために残る」という取って付けたようにフランスをフォローする台詞には苦笑い(また中佐の悪口)。同盟国とは言えど国は違うので、ああいうことはよく起きたのだろうけど、ラストはハリウッド的なハッピーエンドにしてるんだから、もう少しフランス人が観てもモヤモヤしない作りにしても良かったんじゃないかな? それと、「ここで音楽は必要か?」となることも多かった。不安感を煽る音楽が映像とマッチしていなくて気が散ることも・・・。ノーラン、ハンス・ジマーに心酔しすぎじゃない?ハンス本人が彼に言ってほしい、「あんまり俺に頼らないでよ」って。 最後にこれは自分自身の話なんだけど、この映画を観て楽しい気持ちになってしまっている自分がどうかなと思いましたね。この映画は戦争ものというよりは『脱出もの・サバイバルもの』に近いけど、それでも空中戦などを観て興奮しちゃってたりするので、自分は平和ボケしているなと嘆いてしまった・・・。 でも、実際、この映画ってあんまり政治色はないですよね。思想がないというか。戦争を題材にした映画って結局は戦地の惨さ冷酷さだったり、母国に帰ってからの苦悩を描くイメージがあるけど、これにはそういうのもあまり感じられない。このダンケルクの物語を映画化して何かを伝えたいというよりは、「この話、映像にしたら面白い画が撮れそう」ってノーランが思って製作されたような気がして、そこはちょっと引っかかった。自己満足で撮ってない?って。 なんかいっぱい書いてしまった。またトンチンカンなこと書いてないといいが・・・。[映画館(字幕)] 8点(2017-09-21 10:59:05)《改行有》

27.  インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 《ネタバレ》 コーエン兄弟の人間の描き方というか、映し方?が好きだ。何かをやっても上手く行かず、環境に振り回される人間は様々な映画に登場するが、この兄弟の映画に出てくる人たちはちょっと違う。愛らしいのだ。 ルーウィンは決してダメな男ではない。お世話になっている夫婦の猫ちゃんが脱走すれば走って捕まえに行くし、自身が妊娠させてしまった相手の中絶費を払うためにフリーランスとして仕事を引き受けた。ちゃんと責任を取ろうとする男ではあるのだ。彼なりのプロ意識や、ミュージシャンとしてのポリシーも持っている。そして、常に夢を見ているわけではなくて、まともな生活を送るためにかつてのように船に乗り海に出ようともしている。 夢は叶わない。嫌なヤツとばかり出会う。思い通りにいかない人生を送るルーウィンをコーエン兄弟はいつものようにコミカルに描くが、主人公のその姿は実に人間らしいと感じた。元・相棒の影に苦しむルーウィンはとても自然で、ちょっと美しくも見えた。 残念ながら、彼はこの映画の最後まで成功を手にすることはない。しかし、その姿に哀しさはあまりない。本作はオープニングの場面にループしてエンディングを迎えるのだが、これからもルーウィンはこんな感じであり続けるんだろうなぁと示唆させられた。ポケットに100ドルくらいだけ入っていて、どこかで知り合った人の部屋で寝泊まりし、歌う場所をさまよって、くたびれた顔で“存在”し続けるのだなぁ、と。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-12 15:02:48)《改行有》

28.  ネオン・デーモン dopeな映画だ!レフン監督作は“ドライヴ”、“オンリー・ゴッド”に続いてこれで3作目の鑑賞になるが、映画館で観たのは今回が初めて。 監督のビジュアルセンスには脱帽。攻撃的で刺激たっぷりだけど美しい映像の連続。ありきたりな表現になってしまうが、映像のどの瞬間を切り取っても一枚の写真になるくらいに構図が緻密に計算されている。パソコンの壁紙にしたい画がたくさん出てきた。衣装や美術、ロケ地も素晴らしくて、一つの世界観が幻想的に確立されていると感じた。ビジュアルに関しては大満足。お腹いっぱいだ。 また、今回は音楽がとても良い!“ドライヴ”からレフン監督とタッグを組んでいるクリフ・マルティネスだが、本作のサントラが一番イカしてる。映画の質を高める大きな要因となっていて、存在感があった。 ストーリーに関しては凡庸であったかもしれない。「美」がテーマで、人間がいかに「美」を追い求め、「美」になろうとするかという、ある意味人間の永遠のテーマだ。それを最新の技術を使って映画という媒体で表現したということか。少し残酷な童話を言葉ではなくて映像を使って語るイメージ。 ストーリーどうこうよりも、映像美であったり、役者の演技や顔であったり、音楽であったり、とにかくスクリーンに映し出されるものと耳に入ってくる音をひたすらに楽しむ映画であった。 もっとこの映画のことを褒めたいんだけど、「美しい!カッコいい!」みたいな単純な言葉しか出てこない。でも、映画ってそれだけで良いのかなと思ったり。[映画館(字幕)] 8点(2017-03-16 10:00:06)(良:1票) 《改行有》

29.  白い帽子の女 《ネタバレ》 結婚してから14年が経ち、以前のようにお互いを愛せなくなった夫婦のお話。夫のローランドをブラッド・ピットが、妻のヴァネッサはアンジェリーナ・ジョリーが演じる。 奇しくも本作が日本で封切りされるほんの数日前に、ブラピとアンジーの離婚騒動が話題になった。この騒動を知った後に本作を観ると、猛烈な生々しさが増し、結果的によりインパクトの強い映画として記憶に残るであろう。 この映画の特徴として、同じようなシーンが繰り返し出てくるということが挙げられる。 ホテルの部屋のバルコニーで日光を浴びるヴァネッサ。 カフェに入り浸って酒を飲み続けるローランド。 ほぼ一日中部屋に独りで過ごすヴァネッサに、朝早くにホテルを出て夜遅くに帰ってくるローランド、そして、二人の冷め切った愛のない会話。 これがゆっくりとしたペースで繰り返されるので、映画全体が気だるげで退屈な雰囲気を醸し出している。 これこそが“結婚”なのだろうか。僕は未婚な上に恋愛経験もほぼ皆無なのでよくは分からないのだが、誰かと人生を共に過ごすことを永遠に続けるのは無理難題なことのような気がする。 お互いを知り尽くした後にはお互いへの興味が失せ、“日常”がはっきりとした形になり、ルーティンのような毎日を過ごすことになってしまう。そんなイメージ。 結婚生活。それは格闘技なのかもしれない。ローランドもヴァネッサも、お互いのことを魅力的だとは思わなくなっているようだが、それでもお互いを、愛を、取り戻そうと闘い続けているように見えた。夫婦であり続けることを諦めているようには見えなかった。 魚を全く捕まえられないにも関わらず、毎朝、沖に出ては港に戻ってくる漁師のように、得るものが何もなくても毎日続けなければいけないこと。それが結婚生活・・・なのかな? 本作の映像はとてつもなく美しかった。ロケ地そのものが魅力的だし、撮影班が優秀なのだろうけど、アンジーの監督としての技量は確かなものなのだろう。これからしばらくは私生活が大変なことになりそうだが、彼女の今後のキャリアに期待せずにはいられない。[映画館(字幕)] 8点(2016-09-30 18:42:14)《改行有》

30.  海よりもまだ深く 観終わったあと、少しだけ元気が出た。 僕は23歳の大学生。4年間大学に通ったけど、友達はあまりできず、サークルにも入らず、勉強も適当にやり過ごしてきた。周りの人たちの真似をしながら続けたしょぼい就職活動の末、なんとかとある会社から内定を頂いたものの、なんか自分の人生が気に食わなくて、卒論を書かずに留年し、現在休学中。絶賛親の脛齧り中のダメ人間だ。 そんな自分に、この映画は「ダメでも生きていて良いんだよ」と優しく微笑みかけてくれたような気がした。とりあえずは生きてれば良いんだよ、と。今の自分のために作られたんじゃないかと思うくらいバッチリとハマった。 映画の中で、ダメダメな阿部寛を樹木希林が温かい心で包み込むというような親子関係が描かれているが、ちょうどこの映画そのものが樹木希林で、観ている僕が阿部寛になっている感じだった。不思議な感じだった。でも、そんな感じを味わったのは僕だけじゃないと思う。僕以外にもダメ人間はいっぱいいるはずだ。いっぱいいてほしい。そして、その全員がこれからちょっとずつ幸せになってほしい。なんとなく僕も頑張ろうと思った。[映画館(邦画)] 8点(2016-06-16 00:14:50)(良:2票) 《改行有》

31.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 豪華キャストが売りの映画は数多く存在するが、本作のキャスティングにはしっかりとした意図が感じられた。様々な大作に出演した俳優たちが勢揃いしているので、「何か凄い展開が始まりそう」という期待を観客に与えてくれるのだ。そして、見事に何も起こらない。エンドクレジットが始まる頃にはズッコケたくなる。観ている側の期待を裏切るためのキャスティングなのだと思う。 この映画に出てくる人たちは皆、自分たちが特別な人間だと思っていたり、国際社会を揺るがす情報を握っていると考えていたりする。しかし、結局はその全員が特別でも何でもない人々だったことが露わになる。ジョージ・クルーニー演じる不倫男も人目の届かないところで何やらヤバそうなマシンを製造しているように見えたが、結局ただただ壮大なオモチャを作ってるだけだった。本当にただの不倫男だった。 実際は人間なんてこんなもんだよと、ちっぽけな存在なんだよと、そういうことを再確認させてくれるそんな映画だと思う。 世界中から絶賛された“ノーカントリー”のすぐ後にこれを制作したのがコーエンらしくて好きだ。常に観客の一歩先に行って遊んでいる。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-22 15:59:21)《改行有》

32.  おつむて・ん・て・ん・クリニック 《ネタバレ》 鑑賞中、マーヴィン医師がだんだん可哀想に見えてくるが、これも当然の結果だと思う。彼はクソ野郎なのだ。 映画の中では描かれていないが、おそらく以前から精神的に病んでいる人々に自分の本を売りつけて、高い診察料を巻き上げていたのだろう。彼は患者を食い物にしていて、自分の成功のことしか考えていない。自身の患者が自殺したという電話を受けたときも「ま、僕らの休暇には関係ないことだから」とこれっぽっちも気に留めずに眠りについていた。 そんな金のことしか頭にない医者を討伐するために現れたのが、ボブ・ワイリーである。病気を持った人間から金をむしり取る心無い医療界にメスを入れるために立ち上がった彼は正義の味方なのだ。そう、この映画、実はヒーローものでもあるのだ。 マーヴィンは「ボブのせいで何もかもがメチャクチャだ!」と嘆くが、ボブが登場してから彼の家族は明らかに以前より幸せそうだし、ボブと揃って出演したテレビ番組はクルーからも視聴者からも好評だった。マーヴィンと違ってボブは周りの人間を笑顔にできる力を持っている。 これまでの悪行の罰として、マーヴィンが病人から巻き上げてきた金で建てた豪華な別荘は派手に爆破される。そもそも爆弾でボブを殺そうとしたわけだし、全てマーヴィンが悪い。[DVD(字幕)] 8点(2016-05-21 10:09:56)《改行有》

33.  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 暖かい印象を受けた。衣装やセットのデザインがカラフルで暖かい。チャスと息子二人の赤いジャージ。パゴダの真っピンクのズボン。リッチーの黄色いテント。マーゴの金髪。イーライのカウボーイハット。スカイブルーの壁紙・・・などなど。 この映画、父親のせいでバラバラになってしまった家族の話で、意外と悲惨な内容だったりするんだけど、観ていて落ち込むものではなくて、むしろ可笑しい。これも暖かい色の演出のおかげなのだろう。 ロイヤルの服装の変化も面白い。22年前のロイヤルはダークなジャケットを羽織り、サングラスを掛けていて、どこか邪悪な感じだったが、家族のもとに帰ってきたときは明るいグレーのスーツにピンクのシャツ、赤いネクタイに眼鏡を掛けていた。フレンドリーな印象を与える服装で、彼が家族との絆を修復しようと考えているのが分かる。 色彩を巧みに利用した視覚的なストーリーテリングが素晴らしい。 登場人物ひとりひとりを個別に見ると、皆が変わった衣装を身にまとっていてクセを感じる。しかし、全員が集まるとバランスが取れて優しい暖かい印象が残る(DVDのパッケージでは彼らの集合写真が使われている)。家族が一つになるって大切なんだなと思った。[DVD(字幕)] 8点(2016-05-20 15:12:31)《改行有》

34.  シリアナ 《ネタバレ》 ゾッとするくらい残酷ですよね。世の中、強い人間が勝ち続けるように動いていて、他の人間はそれを変えることは出来ないのかと思うと。本当に不条理だ。 ラスト、アメリカ人であるアナリストが事なきを得たのが皮肉だなと思った。直前まで王子と同じ車に乗っていたし、これは明らかに製作者の意図でしょう。王子と共に爆死したCIA工作員もカナダ人だったし。 日本に住む僕も夏は涼しく冬は暖かく快適に過ごせる設備のついた家で暮らしているが、そのための資源(石油に限らず)は外国から搾取している部分は大いにあるだろうなーと思うとやはり罪悪感を覚えてしまう。 テロが何故起きるかを考えたときも、格差社会が存在しているからだとすると、誰が被害者なのかよく分からなくなる。自分が人間であることが少し嫌になる話だ。 豪華キャストを揃えてこんな映画を制作、公開できるのは本当に凄い。こういうのを撮ったからといって、観た者のほとんどは現状を変えようと動き出すことはないだろうけど、映画という媒体を用いて告発するという行動は勇気があると思う。[DVD(字幕)] 8点(2016-05-16 14:31:48)《改行有》

35.  モール・ラッツ シリアスな映画を立て続けに観た後や、皆が称賛している映画を観たけどピンと来なかった後に、こういうのを観るとホッとする。コメディって良いよなぁ。楽しいって良いよなぁ。 僕は子供の頃、“ルーニー・トゥーンズ”や“トムとジェリー”などのアメリカのギャグアニメが大好きでした。ケヴィン・スミスの映画を観ていると、ちょうどその頃の自分に戻ったような感覚になります。細かいことを考えずに、食い入るように画面を観て、ただただキャッキャ笑う。心が優しくなる。 ケヴィン・スミスの映画にはお馴染みの俳優やキャラクターたちが毎回のように出てくるんだけど、これも観ている者に安心感を与えてくれる一つの理由。 彼の創ったあの世界が、僕を笑顔にしてくれる。気分が落ち込んでいるとき、ジェイとサイレント・ボブのことを思い浮かべると、ちょっとだけ元気になる。大好き。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-05-15 14:45:51)《改行有》

36.  バートン・フィンク 《ネタバレ》 一度ハマったら抜け出せない、そんな中毒性のある映画。 大手映画会社のオファーで脚本を書くことになった作家のバートン・フィンク。 普段は労働階級の『普通の人々』を描いているバートンだが、今回はとにかく書けない。 『ブラッド・シンプル』から10年も経たずして世界的に評価されたコーエン兄弟・・・彼らもいろんな著名映画人からアプローチを受けたのだろうけど、創作に苦しんでいたのだろうか。 二人が抱いていた苦悩がバートン・フィンクに投影されているようだった。 バートンは自分を崇高な存在だと思っているようで、彼のいう『普通の人々』も含めて周りの人間を見下してる気がするけど、これもコーエン兄弟が自分たちがそうなってしまっていると感じていたのだろうか。 観ていていろいろなことを想像させてくれる映画。 チャーリーを演じるジョン・グッドマンが強烈。 彼は一体誰なんだろうか。もう一度観ないとなー。[DVD(字幕)] 8点(2016-05-11 20:26:32)《改行有》

37.  ファーゴ 笑える怖い映画。というより、怖いコメディ映画か?とにかく不思議な空気が常に画面の中に漂っているようだった。笑いと狂気がここまで共存している映画はあまり観たことがない。しかも、笑いと狂気のどちらにも偏っていない。それどころか、笑いが怖さを増幅させ、その恐怖がまた滑稽に見えてくる。でも、めちゃくちゃ笑えるとは言えないし、スゲー怖いわけでもない。個性溢れる登場人物たちは皆、愛らしくもあり憎たらしい。一面に広がる白い雪景色は冷たく厳しい印象を与えるが、愚かな人々を優しく見守る寛容さも仄かに感じられた。 そんな中、フランシス・マクドーマンド演じる婦人警官だけが唯一、明るくて優しくて強い。癖のあるキャラクターが次々に出てくる中、映画の中盤から登場する彼女の存在感が際立つのは、このコントラストによるものなのだろう。 「コーエンで一番好きなのは?」と訊かれたら“バートン・フィンク”や“バーバー”と答えるが、「最高傑作は?」と訊かれたら、やはり“ファーゴ”なのかもしれない。 役者たちのハマりっぷりも本作の大きな魅力だ。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-05-09 16:21:44)《改行有》

38.  ブラック・スキャンダル ストーリーは淡々と進行し、これといってドラマチックな展開もないのですが、そのおかげでバルジャーの怖さが際立ったと思います。彼にとって人殺しは腕に止まった蚊を叩くくらいの感覚なのだろうか。こんなヤツ、もっと豪快にハゲれば良いのに。[映画館(字幕)] 8点(2016-05-06 08:27:48)(笑:1票)

39.  ボーダーライン(2015) 《ネタバレ》 どこで生まれ育つかによって人生は決まるんだなと、そういうことを考えてしまった。ラストのサッカー少年の眼差しを見て、彼もまた、父親の仇を討つためにデル・トロの首を狙うのかと思い、悲しくなった。彼が警察官になるのか、それともカルテルのもとで働くのか、あるいはそのどちらにも属さずに生きるのか。いかなる立場になったとしても、彼が復讐のために何でもするような人間になることに変わりはないという予感がした。その少年の父親はあるカルテルから買収されていたし、デル・トロも元検察官だったので、麻薬がどうこうじゃなくて、ただ生き残るために、もしくは復讐のために、一人一人がもはや機能していない法や秩序を破っているように見えた。 度々映し出されるフアレスの住宅街や砂漠のショットの広大なスケールから、麻薬戦争の底の知れない規模の大きさを感じた。[映画館(字幕)] 8点(2016-05-02 09:35:43)《改行有》

40.  キャロル(2015) 女性同士の恋愛を描いた作品。この手の映画はどうしても「同性愛者として生きていくことの難しさ」というテーマのもとに制作されて、最終的に社会派ドラマになりがちな印象があるのですが、本作は最後まで純粋なラブストーリーでした。そこが良かった。「同性愛者」という単語も変ですよね、よくよく考えると。まるで同性しか好きにならない生き物、同性しか好きになってはいけない存在だと勝手に決めつけられているみたいで。キャロルには夫がいたし、テレーズにもボーイフレンドがいた。「相手が女だったから好きになった」とか「男だったから好きなった」とかそういうことじゃないですもんね、恋愛って。 本作は衣装やヘアメイクも含めてプロダクション・デザインがたいへん良かった!1950年代のニューヨークが舞台らしいですが、平成生まれのジャパニーズな自分にとって何の縁もない時代と場所なはずなのに、観ていてノスタルジックな良い気分になれた。[映画館(字幕)] 8点(2016-02-22 00:09:13)《改行有》

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