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プロフィール
コメント数 1647
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
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21.  河(1951) 《ネタバレ》 テーマとなっているインドの人生観は深遠なもので、この優れた作品でさえ、我々に明らかに出来るのはそのほんの僅かな一部分であろうことは想像に難くない。あくまで本作は、その価値観の一端に触れることを可能にしてくれる、という作品だと理解すべきだ。 最初、それを西洋人たる登場人物を通して描く、という建付けにやや違和感を覚えたのだが、最後まで観ると、むしろ西洋人がそれに感化される様子を描くことで、その高い精神性を顕彰しようという試みである様にも思える(まあ、単に西洋人を使わずに映画自体が撮れる状況では無かった、というだけのことかも知れないが)。 ストーリーの軸となっているのは、どれもありふれた人の生き様である。恋と愛、生と死、出会いと別れ、そのどれもが大いなる繰り返し(=流れ)の一部分であることを理解し、逆らわずにその流れに身を委ねるべきだ、と本作は説いている。と言いつつも、説いているという程に明示的である訳ではなく、あくまでそのように生きるインドの人々(と、そういう風に生きるのもイイかもね、と思いつつある西洋人)が描かれている、ということである。奥ゆかしい映画だと思う。 メインのストーリーと交互に描き込まれるインドの情景・風習も、カラーの美しい映像を通して非常に興味深く眼に映る。単純に、インドを見てみたい!という興味で観るのも全然アリだと思う(70年前だけど)。[インターネット(字幕)] 8点(2020-06-15 23:59:43)《改行有》

22.  決断の3時10分 《ネタバレ》 カネの為に護送を買って出たダンが、仲間の死に際して下すのがひとつ目の「決断」。男には、命を投げ出しても貫き通すべきモノが確かに在るのだということ。ふたつ目の「決断」は、そんなダンを殺してはならないと思う悪党の一種の「諦め」というか。そしてそれは、ただ「借りを返した」と嘯きつつも、ダンの潔さと夫婦の愛情を直に見せつけられたことにより心に芽生えたものであろう。 その意味では、ダンの困窮ぶりと悪党の誘い掛け、頼りない飲んだくれのアレックスが相棒であったこと、嫁さんがワザワザ駅まで来ちゃうこと(私も正直「何しに来てんねん!」と思いました最初は)、等々、細かい所までわりかし良く工夫の効いたシナリオだったなあと思う。ただそれを踏まえてもやはり素晴らしいのが、見事に描き出される「男の美学」。それは彼ら2人がある意味、自分の身を捨ててまで護り抜いたモノだったのだなあと思います。このカッコ良さ、実に心地良い。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-31 15:08:43)(良:1票) 《改行有》

23.  サマー・ストック 《ネタバレ》 こちらも最強の二大スター共演が楽しすぎる傑作ミュージカル。歌と踊りは正に大盤振舞い、かつクオリティもハイでグウの音も出ないが、とりわけジーン・ケリーの踊り、ジュディの歌はどちらもベスト・パフォーマンスに近く、大絶品。加えて両スターはルックス的にも全盛期な感じ。話の方も終盤がやや雑なご都合主義だが、中盤まではドタバタが相当に面白い。ミュージカルとしては一流。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-03 01:51:09)

24.  悪魔のような女(1955) 《ネタバレ》 本作は、サスペンスではなくホラーとして観るのが一番良い鑑賞法であると思う(私がホラーマニアだからそう言ってる、ということではありません)。まず、世評に「世紀のドンデン返し!」とか言われているのを耳にしてしまうと「ああ、これはサスペンスなんだ」となってしまうので、そこがまず本作を真に楽しむ阻害要因になっているように思う。そして、邦題も実はイケてない。「うん?誰が悪魔なの?」となって、やっぱりサスペンスになってしまうからだ(つーか主人公以外には女なんて1人しか出てこないやんけ→ほぼネタバレやん)。シンプルに『悪魔』というタイトルだったら良かったのにと思う。 映画人生における後悔はいくつも在るが、本作を事前情報を入れた状態で観てしまった、というのは間違い無く最上位に入る。他に上位なのは「サイコをリメイクから先に観たこと」「シックス・センスのオチを先に聞いてしまったこと」とかだろうか。[DVD(字幕)] 8点(2020-03-07 03:37:51)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

25.  祇園囃子 《ネタバレ》 天真爛漫な若尾文子の可憐さ、それにも増して木暮実千代の艶っぽい風情は素晴らしい。素晴らしいが、男に頼らざるを得ない芸者の悲哀、と言えば聞こえは良いが、内容はかなりドロドロと欲望に塗れた陰惨・醜悪なもので(とにかく男共は本当に碌でもない奴しか出て来ない)、正直中盤は相当キツかった。男なんてこんなもの、そしてそういう男を相手にカネを遣わせる以上は、芸者だってこんなもの、というような一種の諦観すら感じられるが、この感覚も時代と共に変わりつつあるものだと思いたい。 とは言え、ラストの美代栄のまっすぐさ、そして美代春のしなやかさ・強かさはやはり素直に美しかった。気さくなようで地味に冷酷な浪花千栄子の演技も素晴らしい。非常にシンプルで無駄も無いが、味わい深い。[DVD(邦画)] 8点(2020-02-15 02:07:01)《改行有》

26.  夜ごとの美女 《ネタバレ》 小品だとは思いますが、全編思いのほかヒジョーに心地好いのですよね。ジェラール・フィリップが作曲家・音楽家(⇒実際はしがない音楽教師)であるコトを踏まえて、そこかしこに何かしら「歌う」シーンが入ってて、その上でお気楽・お気軽なコメディであるのでソレこそオペレッタみたいな風情が高度に感じられるのです。がしかし、歌はともかくジェラール・フィリップ自身はこーいう軽~いコメディにも全然順応してるな…とゆーか、かなりノリノリで楽しそうに演ってくれてるって感じでソレがイチバン好かったと思うのですね。女優陣も相変わらずかなりの美形揃いですし、暇潰しにせよ何にせよ今なお全然有用な作品だと思いますよね。時間が余ってれば是非。 一点、暢気なコメディ&音楽に包まれた夢のシーンがこの通り心地好く微笑ましいのは、ソレと対比される主人公の侭ならない喧しい現実の生活が(観てるダケのコッチとしても)ごく高度に忌々しく思えるモノだからだ、と感じるのですよね。なんつーか、ソコの忌々しさってまた中々にリアルだったな…とゆーか、この頃のパリってたぶん実際に騒音公害とか酷かったんだろーな…と思ってはしまいましたよね(こないだ、ピエール・エテックスのこーいうヤツを観てた時も思ったコトではありますケド)。まあ、ソレ自体は世界中ドコでも別に変わらないコトだった⇒なんなら昨今の東京だって大して変わらん、てなコトなのだとも思うのですケドね。[インターネット(字幕)] 7点(2024-06-11 17:45:14)《改行有》

27.  放射能X 《ネタバレ》 この手のもので恐らく最初に観るべき『原子怪獣現わる』の方は観れてないのですが、初代『ゴジラ』とほぼ同時期・同コンセプトの(割かし)有名な特撮作品かとは思います。冒頭から暫くがホラーっぽいコトや、その放射能が引き起こした災厄を「戦争」と重ね合わせる様な視点を持っているコトなんかは、確かにかなり『ゴジラ』にも似ていると思われましたよね。ただ、その特撮のクオリティ・ボリューム自体は『ゴジラ』とは比べるべくもないB級的なレベルだった…とは思えど、逆にそのチープさを如何にパニック風に大袈裟に見せるか、という点でのストーリー上の工夫とゆーのは、却って非常にクオリティ高かった…とも思えたのですよね。重ね重ね、冒頭からのSFホラー風味の箇所も(ネタは当然バレているのに)結構引き込まれて観れましたし、そっから先も砂漠⇒都会(ロサンゼルス)⇒地下道、と適切にしっかりと楽しめる様に展開してゆくので最後までごくハラハラと観切るコトが出来ました。かなり迷いましたが、もう1点アップしておきます。良作。[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-17 10:21:07)

28.  薄桜記 《ネタバレ》 うーん、市川雷蔵カッコ好いな~~ちょっと驚きのカラー作品だったのですが、時代的にも相当に古めかしい時代劇映画で、かつ(たぶん時代相応に)色々とコッテコテ!でもありますよね。雷蔵自身も、後に他の作品で観た時よりも、シンプルに遥かに「歌舞伎」寄りの演技をしてると思いました…がソレが何やら実にカッコ好い!凄みに溢れて居る!のですよね。重ね重ね、コテコテに武士の(古~い)価値観丸出しな感じなので、やはり少しダケ「ソコまでせんでも…」みたいなコトも随所で感じられはするのですが、私みたいな小物としては(だとしても)モ~黙るしかない…みたいな凄さが在りますね。殺陣も、オーラスなんか特にそー思いますが総じて好い出来でしたよね(⇒ココに関しては、古い作品過ぎてチャンバラにSEが全く入らないのが結構に違和感ではありましたケドね⇒そーいうのって何年ごろから入り出すんすかね?) とは言え一点ダケ、また肝心な真城千都世さんに関してはやはり率直に今一つ…だったかも知れませんね(まあ多分、ほぼ新人みたいなコトなのかとは思うのですケド…)。ルックスはフツーにかなりの美形で、見たダケなら「綺麗で瀟洒なお姉さん」みたいな感じなのですが、特に序盤は十八九の女のコか!的なキャラの浅さマデが見え透いてしまうホドで。。終盤付近は、流石にちょっと好くなった気もするのですが、もっともっと好くなってくれないと元が取れない…みたいにも(やや)思われてはしまいましたですかね。[DVD(邦画)] 7点(2024-02-13 23:38:25)《改行有》

29.  寄席の脚光 《ネタバレ》 フェリーニの処女作というコトですが、テーマはまた彼の作中で幾度も描かれる「芸人の生き様」でありますし、お話の内容自体もごくプリミティブ・普遍的なモノであります。しかし、何と言うか実に暖かみのあるハナシだとゆーか、とても心地好いコメディでありましたね。重ねて、フェリーニはこういったモノ・こういった人々を本当に愛していたのだろう、と=だから、第一作映画の題材がコレなのだろう、と。重ね重ね、映画に描くべきは第一には己の「最も愛するモノ」だとゆーのを再認識しましたです。小品の範疇かとは思いますが、やはり傑作かと。[インターネット(字幕)] 7点(2023-06-14 12:04:50)

30.  血のバケツ 《ネタバレ》 今回、DVDを調達しての(久方振りの)再見なのですが、画質は正直それでもチョ~荒かったすね。ただ、ソッチの方がむしろ好かったのではないか…とも(確実に)思うのです。低予算らしく諸々の大道具・小物の質のつくり込みは流石に高度ではなくて、むしろ(監督一流に)不要なモノ・不必要なクオリティは極限まで削ぎ落されている…という風情の中、やはりモノクロの低画質だと粗さ雑さは大いにボヤかされますケド一方で肝心の彫刻の悍ましさは大いに残ってるので結論、いま観ても巧いコトそこら辺はかな~りグロく見える…てなモンでして。 ただ、そのグロさってのは(質的&技術的にも)やはり今なおシンプルに相当なキレ味の代物だとやはり思いますよね。有名なシーンですが「首なし死体が発見!」からの頭の彫刻ドーン!はやっぱ吐き気がするホド気色悪かったです。オーラス付近で主人公が急速に人間を辞めていく感じも、ココは展開もスピーディで尚更キレも素晴らしいし、そーなってゆくコトにまずまず説得力も在って結果かなり盛り上がったと思います。その意味でもやはり、とにかく無駄(ないし無駄になる可能性があるモノ+そーいったモノ諸々への「未練」)が全く無いのが色々と非常に効いている作品だと思いますね。甘めですがこの評価で。[DVD(字幕)] 7点(2022-10-03 21:42:03)《改行有》

31.  現金に手を出すな 《ネタバレ》 序盤~中盤は荒事も無く、正直ちょっと退屈(とまでは言わんケドも、ごくまろやか)な感じでもあるのですね。とは言え、言わずもがなジャン・ギャバンの魅力とゆーの自体はこのパートでも際立っているとゆーか、丁寧で隅々まで粋な物腰とゆーのはじっと観ていても決して楽しめないというモノではありません。で、残り30分位からのノワールな展開は、コレはモ~文句の付けドコロが無いと言いますか(前半のまろい雰囲気とも上手いコト整合しつつ)キレ好くパワフルでありつつもニヒルでオシャレ、という極上のモノでありました。ノワールとしてはごくシンプルな作品であるとは思いますが、コンパクトな尺も含めて実はかなり完成度の高い方なヤツだと思いますね。オススメ。 ジャン・ギャバンはかなりの壮年に見えるのですが(実際に50歳だし)マ~幾ら誰にモテていても全く嫌味じゃねーなとゆーか、確かにコレも極上のイケオジなのですよね。で、ソレを彩る今作での彼の情婦ベティとゆーのが、コレまたドエラい美人なのです。演じるマリリン・ビュファードという方は女優としては決して大成したという人でもないよーですが、聞いてみると1946年のミス・アメリカなんだそーで(納得)。[DVD(字幕)] 7点(2022-07-04 21:07:08)《改行有》

32.  肉体の冠 《ネタバレ》 シモーヌ・シニョレにせよセルジュ・レジアニにせよ(少なくとも話の当初は)全然こんな顛末になる様にも思えないキャラではあるのですよね。特にレジアニは躰のナリも全然ゴツくないですし顔立ちもワリと甘い感じで、ソコにこれ見よがしにヒゲだけ蓄えてるモンだから個人的には何つーかマリオ(否、ルイージの方)にも見えてしまって……でも、かなり高度にノワールなラス前を越えてゆくと、結局行きついた先はスーパー純愛(悲恋)物語…という作品なのであって、ソコの質感には2人の繊細さは実にドンピシャだったかなあ、と(ラストシーンとか超・好かったですよね)。その意味ではシンプルに、ノワールとロマンスで二度美味しい映画だ、と言っても好いのかも知れません。コンパクトながらそのお得感も在る優れたクラシックだったかと。[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-28 12:10:12)

33.  悲しみは空の彼方に 《ネタバレ》 うーん、ドラマですね~確かに、主要キャラにしても実にオーソドックスな為人とゆーか、かつソレだって段々と描き出されてゆくとゆーよりはいきなりバン!と出揃ってお話が始まってく…という感じですし、そこからの展開運びもその中での実際の各々の演技も実に「古風」なヤツではあるのですね。ま~流石にキョウビ流行らねーだろーな…という内容ではありますですね。 しかし、古典的とゆーのはある種普遍的だと言っても好いモノか、ともね。かつ、今作では各俳優の演技の質もそれぞれ中々に十分、となると尚更そーいう「時代を超える」価値を見出せる部分も在るものかと思います。かくいう私も、何箇所かまんまと泣かされてしまいました。偶に観る分には全然面白く観れてしまうごくベタベタなヤツ、かと思います。甘めのこの評価で。 メロドラマですから主題歌はワリかし重要かとも思いますが、コレも実に古風ですが『Imitation of Life』はけっこう好い曲でした。『偽り』の人生…否、一見はそう見える人生において、ひとつ確かな真実を描き出した映画なのかな、とも思います。それを胸に抱いて生きてゆこう…というごく実直な邦題なのか、とも(実はまま適切な、優れたタイトリングかとも思いました)。[DVD(字幕)] 7点(2022-03-28 19:07:47)《改行有》

34.  夜と霧 《ネタバレ》 短編ドキュメンタリで、語り口も非常に淡々としたものだが、終盤の映像の凄惨さは中々に凄まじい。ただ、そもそもこの題材を短編作品で語る、という建付けにはなんとはなしに疑問(無理)があると感じるのもまた事実かと。個人的には、より後年のNHK『映像の世紀』をかつて観たときの方が衝撃は上だったとも思う(まあ、アッチを先に観たとゆーのもデカいのは確かだが)。 とは言え、例えば学校の授業で使うのには(尺的にも)持って来いだと思うし、そういった目的に供するとしてのクオリティもまた間違い無く十二分以上かと。今後とも、とても価値の在る作品で在り続けるのも確実と言えるだろう。[DVD(字幕)] 7点(2022-01-15 19:32:56)《改行有》

35.  地下水道 《ネタバレ》 とにかく、件の地下水道のシーンに尽きる映画ですね。このパートの果てしない絶望感・狂っていく登場人物の悲惨さというモノは、中々他に類を見ないというレベルに思います。終盤の畳みかける様なネガティブ展開の嵐も実に見事でした。この部分だけにでも十二分にユニークな鑑賞価値というものが確実に存在する映画だと思います。 この後半に比して、前半は正直あまり出来が好くはないですかね。戦闘シーンは地味にそこそこ頑張っていますが、肝心の登場人物の描写はちょっと浅くて、あまり悲壮感や状況の切羽詰まった感じが汲み取れません。むしろもう少しだけ戦闘シーンの質・量を向上させられるだけの予算的なモノがあれば、ダラっとした人間ドラマで場繋ぎすることなく後半までスピーディかつ劇的に話を運んでゆけた、というコトかもと感じました。 もう一点少しだけ気になるのが、いくら実話ベースとは言えレジスタンスをここまで徹底的に悲惨に描く必要があったのか、というコトですかね。個人的にはそこに少しだけ、この事件におけるレジスタンスの行動自体に対する批判的な感情も感じられたのですね(コレは私の穿ち過ぎでしょうか)。まあ、赤軍を信用するなどという愚かな判断の末に彼らが退くに退けなくなった挙句、文字通りワルシャワは灰燼に帰したワケですから、この顛末というのはお世辞にも褒められたモノではなさそう、というのも理解できます。戦場においてはあくまで生き残る為に頭を冷たく研ぎ澄ますべきなのであって、命を賭してでも国の為に戦うという熱いモチベーションに捉われたレジスタンスというのは、ちょっと「熱すぎた」というコトなのかも知れない、と思います(どこぞの島国の嘗てのナンという軍隊にも、少し通じるトコロがある様な気もします)。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-13 22:37:15)《改行有》

36.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 シモーヌ・シニョレとゆーと、どうしても「クセ者」な方の仕事を思い出してしまうのですけれど、今作の清純そうな薄幸そうな可哀そうな感じも意外なホドに全然素晴らしかったです。シンプルなサスペンスですが、登場人物全員に瑕があると言うか、何かしらな心暗さを背負ってゆくなかで運命がそれを悉く許してくれない、とでも言いますか。ある種、勧善懲悪のキッチリした話なのだとも思いますが、個人的にはどれも少し、運命がわの「やり過ぎ」にも感じます。皆が不幸になって終わりますが、最後の2人の破滅は手紙一本で、というラストの呆気無さ・さり気なさが、洒落ているしそれでいて残酷さが際立つようで中々秀逸です。フレンチ・フィルム・ノワール斯くの如し、という佳作。[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-29 09:51:33)

37.  情炎の女サロメ 《ネタバレ》 映画全体のつくりがそこまで重厚長大というワケではないが、個々のシーンのつくり自体は非常にソリッドな史劇映画。とは言え、スペクタクルな場面が見せ場というワケでもなく、見どころは俳優陣の演技合戦というトコロ。 ヘロデ王&ヘロディア王妃には名優チャールズ・ロートン&ジュディス・アンダーソン。いずれも重厚で奥行きのある演技で、好色・狡猾・尊大・憎悪と恐怖、といった負の人間性を味わい深く醸し出す。洗礼者ヨハネ役のアラン・バデルは思ったよりも実は若造だが、民衆をアジる煽動者としての熱量のある演技はこれも中々(ただ、キリスト教の預言者としては若干ながら胡散臭い&存在感が重々しくない感じもする…カモ)。 そして肝心のリタ・ヘイワースだが、今作時点で35歳、と本来のサロメのキャラ的にはもう少し若い方が望ましい…のではないかとも思われるが、纏う色気はその分また抜群である。ただ、そもそもリタ嬢は別に若い頃からセクシー全開だったのだから、彼女だけに着目するなら10年前に撮っても好かった作品にも思われる(とは言えお蔭でカラー作品になっているのであり、色付きリタ嬢を楽しめるという意味ではこれも重畳ではある)。相手役スチュワート・グレンジャーも、それに十分値する爽やかイケメンでこれもグッド。 話も結構面白いですよ。見事に妖艶な「七つのヴェールの踊り」をクライマックスとするラストの盛り上がりも、率直に素晴らしい。[DVD(字幕)] 7点(2020-10-09 07:05:18)(良:1票) 《改行有》

38.  稲妻(1952) 《ネタバレ》 ドロドロと金&色の欲に塗れる人々が描かれてゆくが、そういった自分の欲望に素直な人間の方が概して世渡りは上手く、その面で潔い人間の方が却って社会的には弱くて頼りない、というのは然もあることであろう。どちらの人々にせよ、特に現代の感覚から言えば本当の意味で「幸福」からは程遠く見える。そこには、率直に「隔世の感」を覚えるのである。 一方で、亡くした夫の面影を見出せば妾の子にも情をかける次姉にせよ、自分の娘が捨てた婿に延々貢いでしまう母親にせよ、これも現代的な感覚からすれば実に人情味・人間味に溢れるというか、そこにはまた古めかしくも愛おしい魅力を感じ取れるのである。もちろん、なんとも一本気で清らかな高峰秀子もとても清々しかった。個人的には呆気無いラストも実はかなり好み。素直に観て良かったと思える古典の良作。[インターネット(邦画)] 7点(2020-09-04 23:59:51)《改行有》

39.  追想(1956) 《ネタバレ》 『追想』or『追憶』という映画をまとめ観していたのだけど(都合5本ほど)、何故そのまま『アナスタシア』というタイトルにしなかったのか小一時間問い詰めたい本作、舞台の映画化だそうで、ラストの唐突さはそれに由来するものなのだろう。個人的には皇太后とアナスタシアの最初の邂逅が完全にクライマックスで、そこからラストまでは余禄、と言っても過言ではない様に思う。 しかし観直して思ったが、アナスタシアが本物だと分かるまでの展開はかなり緊迫感があって意外なほどに面白かったし、何より本作、個々の演技も非常に重厚。気品に加えて熱の入った演技が実に素晴らしいイングリッドもモチロンだが、前述のシーンで皇太后の心が解ける瞬間のヘレン・ヘイズも非常に良かった(言うまでもなく、威厳ある様子などもグッド)。ユル・ブリンナーのパリッとした風貌も実にカッコいい。古典だが素直に面白い映画だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2020-06-12 21:26:29)(良:1票) 《改行有》

40.  キッスで殺せ! 《ネタバレ》 アルドリッチ、大好きなのですよ。彼我の双方が死力を尽くす、正に死闘と言うべき争い。そしてそれがもたらす重厚なスリルの素晴らしさたるや。本作もずっと観たいと思っていた所、微妙に中古DVDの価格が下がっていたので、世知辛い昨今、少しでもテンションを上げてゆくために思い切って購入してしまった。 ただ、本作に関して言えば展開運びは決して巧みとも言えず、かなり終盤までグダグダと、かつ率直にイマイチよく分からない展開が続くのも事実。しかしながら、随所で冴え渡るお得意のヴァイオレンス描写に加え、非常に個性的なその他のシーンも多く(ヴァ・ヴァ・ブーンとか)、観ていて決して飽きが来るとかいう訳ではない。そして件のラストはこれまた非常に独特な一種のショックシーンになっており、これは確かに「名作というよりはむしろカルト」という類いの映画と言って間違いは無い。普通にそこそこ面白くもあるが、だいぶんマニア向けな作品かと思う。[DVD(字幕)] 7点(2020-04-04 23:00:37)《改行有》

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