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プロフィール
コメント数 1647
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
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21.  吸血鬼ドラキュラ 《ネタバレ》 『魔人ドラキュラ』の約30年後、再び映画界にクラシック・ホラーの大流行を巻き起こした(コチラも)歴史的作品…とのコトですが、驚ろ驚ろしい質感自体は前作から引き続きでしょーが諸々と技術的進歩は著しく、その「怖さ」自体は確実にこちらの方が上…という様にはまず思われますね。映画の尺とゆーのはあまり変わりませんが話自体の密度・テンポはだいぶ向上しており、かなり原作に近い展開に仕上がっているよーで単純にシナリオとして(今なお)面白く観れると思いました。ショック描写も(ルゴシの気品溢れる雰囲気に比しても)ハンサムではありますが無口、かつ(牙を剥いた)顔が単純に恐ろしい・野卑なクリストファー・リーがとにかくまずシンプルにおぞましいですし、荒事なシーンも結構豊富で(特にオーラス)その意味でもパワフルさとゆーのは前作とは比較にならないかと。個人的にはコッチの方が面白かったすね。 ただ一点思うのは、クリストファー・リーが…とかではなくて、やっぱ古典的吸血鬼ってのは今どき「弱点」が多すぎますよね。前作・今作ともにまず単なる十字架にすらかなり弱いですしニンニク等を仕掛ければ近くにも寄って来ないという描写にもなってますし、今作のオーラスなんて太陽一発で即死!てのはキョウビじゃちょっと呆気無さすぎ…と思ってまうのが正直なトコロすよね。個人的には現代でも尚ホラーモンスターとして活躍できるだけの十分なポテンシャルを備えるキャラだとは思うのですケド、他に強力なライバルも多い以上は古典的設定にこだわらないユニークで「柔軟な」描写の仕方、とゆーのは今後は必須なのかもな、と。[DVD(字幕)] 6点(2022-06-02 11:48:40)《改行有》

22.  天はすべて許し給う 《ネタバレ》 メロドラマとしてはコレもコテコテすね(オーラスで唐突に大怪我するトコなんて特に)。でも、2人とも(時代的なコトでしょーが)無闇にベタベタしたりしないので、その部分はむしろ品好く心地好く目に映ります(今や)。画づくりやジェーン・ワイマンのルックスも含め、全体的にそんな感じのごくエレガントな「美しさ」てのを湛えていてソコも確かに見ドコロでしょーが、面白いのはやはり子供2人や町の連中を交えてドロドロと陰湿な雰囲気になってゆく場面かと。キョウビ同じコトになっても流石にココまで悪い空気にはならないかとも思いますが、でも似た様なコトは発生し得るだろう…とある種分かり易く共感し易く、一方で社会倫理的な意味での向上としての「隔世の感」も覚えられる…てのも実は本作を観る価値ではないかな、と。重ねて、ジェーン・ワイマンの素晴らしき品格を含めて、今だに十分楽しめる映画だとは思いました。[DVD(字幕)] 6点(2022-06-02 01:53:54)

23.  女吸血鬼 《ネタバレ》 Wikiに依れば本邦初の本格吸血鬼もの怪奇映画とのコトらしいのですね。で、おおまかな流れは西洋の吸血鬼物語をチャンとなぞっている…とも思われるのですが、細かい部分が妙にややっこしくて(かつその「効果」とゆーのが率直に微妙な様に思われて)ちょっとスッと頭に入ってこない…とゆーか(=な~んか無駄やないケ?と)。 まず、天草四郎伝説を下敷きに置いていながら、吸血鬼本人は天草四郎ではなくその家臣なのですよね。で、狙われる一家の方が天草四郎の血族なのですが、メインヒロインとしてソコの娘が居ながらも吸血鬼のターゲットはその母親の方で、なんと20年前に既にかどわかされていたのが今になって(姿はそのままで)戻ってきた…という。しかも、肝心の吸血鬼は吸血鬼ながら何故か若干「狼男」的とゆーか、ショックシーンで月光に照らされると凶暴化する…とゆーのにも(現代的な感覚からすると)ちょっと違和感を覚えますよね。他にも展開運び自体等もろもろと結構に支離滅裂ぎみで、そこら辺、やはり舶来のホラー的存在を我が国の「怪談」系映画に落とし込むのにかなり苦戦した…とゆーコトなのかな、と。 ただ、中でひとつ非常に面白かったのは、肝心のその本邦初の吸血鬼の由来…と言いますか。この男は島原の乱の最中にごく悲惨で禍々しい経緯を経て人から鬼に成り果てた、近年の日本の吸血鬼もので言うトコロの「真祖」とでも言うべき存在なのですよね(『HELLSING』なんかに見られるよーな)。ソコはやはり少し面白いとゆーかコレは実はごく日本的な捉え方なのかなとゆーか、ある種の「文化的差異」なのかも…という様にも思われました。つまり、日本の「怪談」ものにおけるホラーモンスターは「元・人間」だとゆーのが結構重要で、ソレが何故ヒトならざるモノに成ってしまったか…を描くコト自体をホラー要素として比較的重視するものなのかな、と(=最初から怪物だった or 血が呪われていた、とかは、やっぱあまりしっくり来ない…というコトなのかな、と)。[インターネット(邦画)] 4点(2022-06-02 01:23:10)《改行有》

24.  亡霊怪猫屋敷 《ネタバレ》 シナリオの中核部分はごく典型的な因果応報的「怪談」ばなしとは言え、まずはカラーとモノクロを使い分けるアイデアがとても素晴らしかったすね。血腥い凄惨な過去パートでは竜胆寺小金吾の無表情な青白い顔(に流れる鮮血)が実に不気味でしたし、片や現代パートの化猫老婆も何処かモ~幽霊画の如き侘び寂びの風情をも纏って無彩色にごく寒々しく…と言いますか。どちらにせよ現代的ホラーの鋭い怖さ、とゆーよりはもっと脂汗の滲み出る様なジトっとした重い(和の趣き溢れる)恐ろしさが在った…といった感じで好かったな~と思います。クラシカルですが、これからの季節には決して観て損も無いかと。[インターネット(邦画)] 6点(2022-05-31 03:12:20)

25.  情炎の女サロメ 《ネタバレ》 映画全体のつくりがそこまで重厚長大というワケではないが、個々のシーンのつくり自体は非常にソリッドな史劇映画。とは言え、スペクタクルな場面が見せ場というワケでもなく、見どころは俳優陣の演技合戦というトコロ。 ヘロデ王&ヘロディア王妃には名優チャールズ・ロートン&ジュディス・アンダーソン。いずれも重厚で奥行きのある演技で、好色・狡猾・尊大・憎悪と恐怖、といった負の人間性を味わい深く醸し出す。洗礼者ヨハネ役のアラン・バデルは思ったよりも実は若造だが、民衆をアジる煽動者としての熱量のある演技はこれも中々(ただ、キリスト教の預言者としては若干ながら胡散臭い&存在感が重々しくない感じもする…カモ)。 そして肝心のリタ・ヘイワースだが、今作時点で35歳、と本来のサロメのキャラ的にはもう少し若い方が望ましい…のではないかとも思われるが、纏う色気はその分また抜群である。ただ、そもそもリタ嬢は別に若い頃からセクシー全開だったのだから、彼女だけに着目するなら10年前に撮っても好かった作品にも思われる(とは言えお蔭でカラー作品になっているのであり、色付きリタ嬢を楽しめるという意味ではこれも重畳ではある)。相手役スチュワート・グレンジャーも、それに十分値する爽やかイケメンでこれもグッド。 話も結構面白いですよ。見事に妖艶な「七つのヴェールの踊り」をクライマックスとするラストの盛り上がりも、率直に素晴らしい。[DVD(字幕)] 7点(2022-05-30 01:01:07)(良:1票) 《改行有》

26.  肉体の冠 《ネタバレ》 シモーヌ・シニョレにせよセルジュ・レジアニにせよ(少なくとも話の当初は)全然こんな顛末になる様にも思えないキャラではあるのですよね。特にレジアニは躰のナリも全然ゴツくないですし顔立ちもワリと甘い感じで、ソコにこれ見よがしにヒゲだけ蓄えてるモンだから個人的には何つーかマリオ(否、ルイージの方)にも見えてしまって……でも、かなり高度にノワールなラス前を越えてゆくと、結局行きついた先はスーパー純愛(悲恋)物語…という作品なのであって、ソコの質感には2人の繊細さは実にドンピシャだったかなあ、と(ラストシーンとか超・好かったですよね)。その意味ではシンプルに、ノワールとロマンスで二度美味しい映画だ、と言っても好いのかも知れません。コンパクトながらそのお得感も在る優れたクラシックだったかと。[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-28 18:32:39)

27.  風と共に散る 《ネタバレ》 これまた、21世紀となってはちょっとモ~古臭すぎるとゆーか、観ていてあ~アレがコーなって、んでコレが…てなモンで総て手に取る様に次の展開が見えてしまう、つーかね。んで、これまたその中で善玉はごく唯の善玉で、悪者?はそれ以上にごくワルい様にしか立ち振る舞わない…とゆーか、その意味でもちょっとキョウビならモ~極端すぎる!というレベルで分かり易いってキャラ設定にはなってますよね。なので正直、演技的・シナリオ的な見ドコロとゆーのはオーラスのマリリーの場面に集約されるかな…とゆーのは確かにそう感じるコトではあります(いちおう、この演技でドロシー・マローンはオスカーを勝ち取っているのですし)。ただし、私は決してこーいう分かり易い古風なのが嫌いではないってのと、ゆーてその他キャストだってその古風な演技自体は決して悪くもなかったかとは思うのです。程好くコンパクトなコトも含めて、予定の無い昼下りの暇潰しとかには今だ十分使えるかと。ローレン・バコールだって流石のクール・ビューティではあるのですし(今作では美人な上に超・誠実な善人だし)。[DVD(字幕)] 6点(2022-05-27 01:55:00)

28.  悲しみは空の彼方に 《ネタバレ》 うーん、ドラマですね~確かに、主要キャラにしても実にオーソドックスな為人とゆーか、かつソレだって段々と描き出されてゆくとゆーよりはいきなりバン!と出揃ってお話が始まってく…という感じですし、そこからの展開運びもその中での実際の各々の演技も実に「古風」なヤツではあるのですね。ま~流石にキョウビ流行らねーだろーな…という内容ではありますですね。 しかし、古典的とゆーのはある種普遍的だと言っても好いモノか、ともね。かつ、今作では各俳優の演技の質もそれぞれ中々に十分、となると尚更そーいう「時代を超える」価値を見出せる部分も在るものかと思います。かくいう私も、何箇所かまんまと泣かされてしまいました。偶に観る分には全然面白く観れてしまうごくベタベタなヤツ、かと思います。甘めのこの評価で。 メロドラマですから主題歌はワリかし重要かとも思いますが、コレも実に古風ですが『Imitation of Life』はけっこう好い曲でした。『偽り』の人生…否、一見はそう見える人生において、ひとつ確かな真実を描き出した映画なのかな、とも思います。それを胸に抱いて生きてゆこう…というごく実直な邦題なのか、とも(実はまま適切な、優れたタイトリングかとも思いました)。[DVD(字幕)] 7点(2022-04-16 01:10:24)《改行有》

29.  驟雨 《ネタバレ》 あまり広く観られている映画でもないのかも知れないのですケド、今作ってマジでスゲー面白いのですよね(大昔にたまたま観れた時にもチョー意外だったのですケドね)。でも、コレが何故にこんなに面白いのか?てのは正直言って私にも好くは分からないのですわ。そもそも、雨が降ったら旦那を駅まで迎えに行く貞淑な細君にせよ、七面倒臭いご近所付合いにせよ、少なくとも往年の世代にとってさえソレはもはやノスタルジイと化しているのでしょうし、我々世代にとってはソレはもうファンタジーでしかないのでして。しかしながら重ねて、とにかく全編メチャクチャ面白いですし(私なんか)終盤はもうゲタゲタ笑って観てましたのですね(何年振りかの再見でさえ)。皆さんも機会があれば是非。 多分に時代的な要素を含みつつも、決して全く普遍性の備わらない映画ではないとも思いますが、少しだけ気になっているのは(前述どおりの)今作の捉え方についての世代間差異だとか、或いはコレって海外の視聴者には「刺さる」のかなあ…なんてコトですね。国内でももうチョイ観易くなるとイイな…と思いますし(DVDのレンタル取扱いは未だになさそうだし)、なんならカンヌクラシックスとかで上映されたら尚イイな…なんて思ったりも。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-06 00:27:26)《改行有》

30.  ティーズラマ 《ネタバレ》 「史上最低の映画とは?」となれば、ソレは多分『死霊の盆踊り』だろう…とゆーのが昨今の本邦ではもはや共通認識に成りつつあるかと思うのですが、個人的にはココには少しだけ違和感とでもゆーべきモノがあるのですね。つまり、あの映画は60年代アメリカで盛んにつくられた「ヌーディ・キューティ」と言われるポルノ映画の一作であり、要は「ハダカが映って(さえ)いればナンでも好い」という類の作品なのであって、かつ更に溯るコト50年代にはその「ヌーディ・キューティ」の原型たる「バーレスク映画」とゆーのもシコシコとつくられていた…とゆーのまで含めると、このコト自体は(『死霊の盆踊り』の知名度に比すれば)あまり世間でも知られていない事実だと言えるかと思います。要は結論、ヌーディ・キューティなら(或いはバーレスク映画なら)別にアレに限らずどれも大体あんな感じじゃねーのかね?(ソコまで大差は無いのでは?)というコトが言いたいのです。 本作はその「バーレスク映画」の中では比較的有名な作品で、ややカルト的な扱いもされている…とのコトですね。一重にソレは出演者のスペシャリティ、つまり50年代の伝説的ピンナップ・ガールことベティ・ペイジと、往年の伝説的バーレスク・パフォーマーことテンペスト・ストームが出演してるというコトに依るものです。とは言え、映画としての内容自体は前述どおり精々『死霊の盆踊り』並み…とでも言いますか、現代の視点からするとかな~り温めな…というモノではあるのですね(=コッチも所詮薄着のおねーさんがゆーてチンタラ踊ってるだけ…てなモンで)。そもそもバーレスクという文化自体、戦前までにはストリップ主体のエロティックなショーが主流になっていたというコトらしいのですが次第に規制を受けて衰退し、本作時点の50年代においてはバーレスクそのものがもはや「過去のもの」になりつつあった…てなコトだそーなのです。また50年代ではまだエロに対する全般的な規制自体も厳格なままであって、だからバーレスク映画はヌーディ・キューティに比べてもエロの面はかなり控えめな質感に留まっています。まず乳首は映りませんし、その他の肌の露出もだいぶ控えられています(特に下半身については、かなり分厚いパンティを履き込んでその上に布を一枚纏わせているのが標準、てな感じすかね)。その意味で言えば、オッパイはバルン!と全開で尻もTバックで丸出し!な『死霊の盆踊り』の方がエロ的な価値はハッキリ高いとまで言えるでしょう(少なくとも「表面的」には)。 ただ今回、実は『死霊の盆踊り』の方もYouTubeでリマスター版をレンタルして観直しました(画質がスゲー綺麗になっててビビりましたわ)。そこで2作を観比べてみると、確かに『死霊の盆踊り』の方はそれでも諸々と非常に出来が悪い、つまりは本作『ティーズラマ』は(規制が厳しい中で)可能な限り色々と「工夫」とゆーのを施そうとはしているのだな…というコトも確実に実感できたとは言えるのですよね。 何よりとにかく『死霊の盆踊り』とゆーのは異常なまでにメリハリとゆーのが無い映画だ、というコトなのですよ。個々の演者のパフォーマンスにしても最初から最後まで全く抑揚・盛上りやストーリーというものが無いと感じます。『ティーズラマ』ではパフォーマーは3分間の中で多少は踊りにもバリエーションを付けようという姿勢が垣間見えますし、そもそもストリップ宜しく(ランジェリーまでとは言え)段々と脱いでゆく…というストーリーが基本的にはあるものなのですが、『死霊の盆踊り』は何故か「最初から脱げるトコロまで脱いで出て来る」or「最初は服着てるケド次の瞬間全開になってる(=脱いでる過程を映さない)」という2パターンしかないのですよ(コレは率直に「何故だ?」と思いますね)。あとそもそも『死霊の盆踊り』では揃えたダンサーも皆似た様な体形、かつ全員最後はトップレスにTバック…とルックス面でもバリエーションが皆無です。『ティーズラマ』ではまずテンペスト・ストームが文字通りの爆乳を引っ提げた超ダイナミックな容貌にして、一方ではモデル体形の娘もチャンと居たり…とある程度のバリエーションがあります(ベティ・ペイジは絵に描いた様なボンキュッボン!で凄いクビレでした)。もう一つ、特にペイジとストームの両名はパフォーマンス中の表情や「品の作り方」が非常に多彩でココは確かに実に魅力的です(流石)。コレも『死霊の盆踊り』のおねーちゃん達がパフォーマンス中終始ごく微妙な表情をしているのとは違いが一目瞭然ですね。これぐらい、ある種コレを「本職」にしてるのなら当然のコトかとは思うのですが、ソレを『ティーズラマ』は多少は出来てるケド『死霊の盆踊り』は全然出来てない…とゆーのもまた間違い無いとは感じられましたのですね。[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2022-01-22 02:19:29)《改行有》

31.  夜と霧 《ネタバレ》 短編ドキュメンタリで、語り口も非常に淡々としたものだが、終盤の映像の凄惨さは中々に凄まじい。ただ、そもそもこの題材を短編作品で語る、という建付けにはなんとはなしに疑問(無理)があると感じるのもまた事実かと。個人的には、より後年のNHK『映像の世紀』をかつて観たときの方が衝撃は上だったとも思う(まあ、アッチを先に観たとゆーのもデカいのは確かだが)。 とは言え、例えば学校の授業で使うのには(尺的にも)持って来いだと思うし、そういった目的に供するとしてのクオリティもまた間違い無く十二分以上かと。今後とも、とても価値の在る作品で在り続けるのも確実と言えるだろう。[DVD(字幕)] 7点(2022-01-19 17:10:40)《改行有》

32.  情婦 《ネタバレ》 史上最高レベルに「いったい何考えてんだよ」な邦題ですが要は私と同じ様に、もォ~マレーネ・ディートリッヒしか見えてなかった、というコトだとは思うのですね。今作の彼女は正に圧倒的!で、最初の登場シーンのオーラ全開なサマにせよ、件の"Damn you!"なんてワタシ最初観たときは10万ボルトか!てぐらいにシビレまくりましたし、その後証人台で涙を流すシーンの神々しい程の美しさもまた!(美しいでゆーともう一つ、変装をロートンにネタばらしして再び髪を掻き上げるシーン、カット切り替わった後の裏から見た横顔が、実はワタシ大好きなんですよね)。今作時点で56歳とは、ちょっと信じられませんです。 このとおり、彼女の演技その他のレベルはもう凄まじいのですが、本作がスゴいのは彼女と相対すべきチャールズ・ロートンとタイロン・パワーもまた負けず劣らずな高品質の演技を披露しているという極め付きの豪華さでしょう。そしてもう一つ、彼らの法廷での様子というのは全て「『演技をしている』という演技」だとゆーのも中々面白いですね(ディートリッヒとパワーは劇中の実際として、またロートンは弁護士として法廷では感情を表に出さない、という意味で)。二重構造とゆーかある意味で少しメタな、とも言えるかと思うのですが、ソコに関しても3人の演技には違和感が無いのがまず素晴らしいですし、そしてそのコトがラスト5分における「本音」の暴露大会というドンデン返しのスーパーな衝撃にまた繋がっている、とも思うのです。サスペンスとして一段上、とゆーか、実に精密に好く出来た作品だと思います。その部分のシークエンスの「あれよあれよ」なハイテンポぶりも、また他に類を見ないというレベルで最高ですし。 そのドンデン返しを爽やかに締めくくるのがこれまたエルザ・ランチェスター。彼女にしたって助演としての出来は出色で、こんなのもう完成度が高い!(参りました!)と言う他ないですよね。傑作かと。[DVD(字幕)] 9点(2021-10-22 23:14:16)《改行有》

33.  長い灰色の線 《ネタバレ》 好きな映画ですね。市井の一個人の人生の物語ですが、それがこんなにも波瀾万丈であるとは!もちろんそれは、彼が生涯を過ごしたのがウエストポイントという戦争にごく「近い」場所だったことも大いに関連しているのでしょうが、幸福も不幸も、出会いも別れも、人生の全てがこの映画には描き込まれている様に思います。ラスト付近の諸々の演出、そして感涙に咽ぶタイロン・パワーの姿には、かなりグッとくるものがありましたですね。長尺ですが、是非観ていただきたい一作です。[DVD(字幕)] 8点(2021-09-10 21:46:56)

34.  クォ・ヴァディス(1951) 《ネタバレ》 古代中華のいわゆる「三王」、夏・殷・周の最後の王はいずれも、悪い(とされる)妃に誑かされて国を滅ぼした。このお話はつまり、神話的類型と不可分である中華古代史の特性を表していると同時に、歴史愛好者にとってのささやかなる希望的観測、即ち、古の人の世に王者たりし男というものは、その人の為に国を滅ぼすという程に深く女を愛するということが可能だったのかも知れない、というひとつの芳しい可能性を包含しているとも言えるのだ。 古代史の中に生きる人々からは、概して、より直情的で純粋な感情を感じ取ることができる。それは彼らが、過去から現在に至る過程で人類が身に付けてきた複雑な倫理観・価値観をいわば脱ぎ捨てた状態に在るからであろう。そして、人が人をただ純粋に愛し抜くには、今の世界もまた複雑すぎると言えるのかも知れない、とも思う。 本作は、キリスト教的価値観に応える部分を除けば、極めて単純な男女の愛の物語だ。尚且つ、男と女が互いに恋に落ちることの理由には何らの説明も為されない。これは、世界がよりシンプルで本質的な史劇の中だからこそ可能となることであり、そして、そこに無造作にも描き出される愛の結実にはまた、却って現代劇では得ることの出来ないひとつの高度な純粋性を感じ取ることが出来る様にも思われる。 最後に一言。史劇にこそ、描かれるべきは人の正しき在り方である。宗教的な価値観の表出に傾注しがちなこのジャンルの作品として、原典の持つその部分のテーマ性を決して疎かにしなかった本作には、個人的には非常に好感が持てるのである。[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-08-08 20:49:43)(良:1票) 《改行有》

35.  灰とダイヤモンド 《ネタバレ》 「命を賭しても好いと思える様な(自分にとって)重要な」仕事と、「ただ命を賭す覚悟が無ければ出来ない」仕事、というのは似て非なるものであり、一見はレジスタンス活動の危険な任務の齎す高い目的意識で充実している様に見えなくもないマチェクの人生は、その実確かにとても空虚である様に思える。崇高な理想の下に立たせて「貰って」はいたとしても、所詮彼も(替えの効く)歯車でしかないのだ。『世代』と同様にコレも本質的には青春映画、ただ今作は徹底して、その何者でもない若さの「虚無感」を逆説的に描き出している様に思われる。 クリスティーナがマチェクに惹かれたのは、彼に自分と同じモノを感じ取った、からだと思いませんか。彼女も虚ろな人生を生きているのでしょうが(彼女の人生をそう至らしめたのは確実に戦争なのでしょうが)、だから今作で描かれる彼と彼女の交りというのは、おそらく愛だ恋だと言えるモノでもない様に思えて、唯「成り合わざる」トコロの埋め合せ合い、なのではないかと思うのです。でも、不思議にもその一夜だけの情交には、これも逆にどこかピュアで清々しい人間性というのを感じ取れたのですよね。それは、終戦を祝う乱痴気騒ぎと其処で浮かれる濁々とした「大人」達、其れと彼らとの対比が見せる幻、なのかも知れませんが。[インターネット(字幕)] 8点(2021-07-24 00:19:16)《改行有》

36.  勝負師(1958) 《ネタバレ》 ドストエフスキーの『賭博者』を原作・原案とする映画として、先に『大いなる罪びと』を観たトコロ、コレが予想以上に面白かったため、こちらはジェラール・フィリップ主演ということで観比べることにしたものです。今作の方が原作に忠実だということなのでしょうが、しかし賭博シーン以外の部分が率直にあまり面白くないというか、特に前半(=本題の賭博シーンに入るまで)は相当に退屈でしたね。 更に、賭博シーンに関してもハッキリ言って『大いなる罪びと』の方が盛上げ方・脚色の質という点で二回りは上ですね。特に、将軍の伯母に関するシーンの出来は雲泥です。『大いなる罪びと』の10年後の作品であることを考えれば、この進歩の無さは極めて残念だと言って全く過言ではないでしょう(カラーにしたから許してちょ!というコトなのであれば、そうは問屋が卸さねーよ、と)。 何より、肝心のジェラール・フィリップの出来もまるで冴えないです。まず見た目からして全く冴えてないというか、なんか老け込んでて干乾びてて瑞々しさが皆無、という感じで。同年の作品『モンパルナスの灯』ではあんなに美しかった彼が、これは一体どーしたことでしょうか(モノクロ・マジックというコトなのでしょうか)。とは言え、実際に彼は翌年にはガンで亡くなっています。本当に体調がすぐれなかった、それが故の本作の出来映え、というコトも、まま想像は出来るのですケドね。[DVD(字幕)] 4点(2021-05-27 10:49:14)《改行有》

37.  鍵(1959) 《ネタバレ》 実は原作未読だが、高度にインモラルで倒錯的な内容が単純にかなり面白いと思った。そこへ来て今作、実際に直接的な「行為」の描写は無い、というのが映画の構成的にもひとつ素晴らしい。が、一方で映画としてはやはり少しパンチに欠ける、と言えるのも確かかなあ、と(いや、これはまだ私が「青い」だけ、というコトにも若干思われますが)。 俳優陣の緻密な演技はどれも相当に優れた仕事だった(特に、結構にクズ男な仲代達矢がエラいイケメンなのもあって存在感抜群)。京マチ子も流石の熟した色気だし、和風文芸映画として決して観て損ということはないのではないか。[インターネット(邦画)] 6点(2021-05-20 01:06:16)《改行有》

38.  地下水道 《ネタバレ》 とにかく、件の地下水道のシーンに尽きる映画ですね。このパートの果てしない絶望感・狂っていく登場人物の悲惨さというモノは、中々他に類を見ないというレベルに思います。終盤の畳みかける様なネガティブ展開の嵐も実に見事でした。この部分だけにでも十二分にユニークな鑑賞価値というものが確実に存在する映画だと思います。 この後半に比して、前半は正直あまり出来が好くはないですかね。戦闘シーンは地味にそこそこ頑張っていますが、肝心の登場人物の描写はちょっと浅くて、あまり悲壮感や状況の切羽詰まった感じが汲み取れません。むしろもう少しだけ戦闘シーンの質・量を向上させられるだけの予算的なモノがあれば、ダラっとした人間ドラマで場繋ぎすることなく後半までスピーディかつ劇的に話を運んでゆけた、というコトかもと感じました。 もう一点少しだけ気になるのが、いくら実話ベースとは言えレジスタンスをここまで徹底的に悲惨に描く必要があったのか、というコトですかね。個人的にはそこに少しだけ、この事件におけるレジスタンスの行動自体に対する批判的な感情も感じられたのですね(コレは私の穿ち過ぎでしょうか)。まあ、赤軍を信用するなどという愚かな判断の末に彼らが退くに退けなくなった挙句、文字通りワルシャワは灰燼に帰したワケですから、この顛末というのはお世辞にも褒められたモノではなさそう、というのも理解できます。戦場においてはあくまで生き残る為に頭を冷たく研ぎ澄ますべきなのであって、命を賭してでも国の為に戦うという熱いモチベーションに捉われたレジスタンスというのは、ちょっと「熱すぎた」というコトなのかも知れない、と思います(どこぞの島国の嘗てのナンという軍隊にも、少し通じるトコロがある様な気もします)。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-14 00:12:40)《改行有》

39.  世代 《ネタバレ》 もちろん、非常にシンプルなレジスタンス映画としての価値も十二分な作品ではあります。がそれ以上に、実に普遍的な価値を擁する青春の物語だとも思いました。世界を変えたいという熱情と、情熱的な恋というのは、正に青春の両輪たる炎ではありませんか。本作の主人公においてはそれらが文字通り綯交ぜになり、彼は闘争活動に没入してゆきます。ラストが実に好かったですね。ひととき手にした恋が破れると同時に、闘争にも一つの敗北が訪れる。限り無い高揚からの耐え難い挫折、これも正に青春そのものではありませんか。ある歴史の事実を冷徹なリアリティで描き抜いた作品でありながら、歴史を超越した価値をも備えるという。傑作だと思います。[インターネット(字幕)] 8点(2021-04-11 01:20:35)

40.  赤線地帯 《ネタバレ》 いわゆる「赤線」というのを描いた映画として、もう少し後の年代だとロマンポルノ、例えば『赤線玉の井 ぬけられます』なんてのがあって、現代の我々の目から見ると非常に特殊な習俗を描いた作品としても価値が高いのはソッチも今作も同様だろう。 一方で、アッチはロマンポルノなので直接的な濡れ場(とそれがもたらす独特の淫靡で蠱惑的な雰囲気)というものにセールスポイントがあるワケだ。それが無い今作は何をウリに勝負するか、と思って観ていたら、実に単純に登場する女性たちの抱える物語の「凄み」というトコロの質が高くて、心を穿つ様な重厚さがあった、と。お話としては完全にコッチの方が面白いですし、観た後に何か「残る」モノというのがありますね。 他方で、女性たちの描かれ方はとても品好く洒脱で、却って女性的な魅力(「魔性」な部分も含めて)というものが実に素晴らしく引き出されていた、と思いました。「賤業」などと称される彼女らに対する監督の温かい感情・目線が感じられます(監督が本当に彼女らを美しいと思っているから、こうも美しく彼女らを描き出すことが出来たのだ、と)。[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-08 23:17:40)《改行有》

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