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プロフィール
コメント数 370
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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21.  切腹 《ネタバレ》 タイトルが単刀直入ですね。シナリオはそれほど単純ではなく、後段になって、前段の顛末のいきさつが分かるまったく飽きさせない展開です。これまで仲代達矢という役者の良さがなかなか分からなかったのですが、本作の仲代達矢は文句の付けようがないです。昔の役者は日本人離れした顔立ちがはっきりした人が多く、絵になるし、大物感がありますよね。丹波哲郎と三國連太郎があまりに男前で驚きました。三國連太郎は晩年の爺さんの印象が強く、本人だと気付きませんでした。あと、切腹をした石濱朗という役者は初めて名前を知ったのですが、BUCK-TICKの櫻井敦司似の色男ですね。岩下志麻は若いけれど岩下志麻です。[DVD(字幕)] 9点(2023-04-29 17:04:41)(良:1票)

22.  WINDS OF GOD/ウインズ・オブ・ゴッド(1995) 《ネタバレ》 今井雅之が特攻隊ものを舞台劇でやっていて、海外でも評判が良かったというような話は聞いていました。舞台を見に行くのはハードルが高いので、映画版を見ておこうかなと。やはり舞台で場数を重ねているだけあります。脚本がシンプルで、無駄なく、無理なく、よく練れてます。笑いと涙のバランスが絶妙です。出戻りしてきた隊員の戦闘機を奪うところなんか絶妙です。漫才師の漫才はクソつまらないのですが、それも演出の内でしょう。キャストも、よくハマっているんですよね。童顔でなかなか使いづらいかなと思う小川範子もはまり役でした。[DVD(字幕)] 9点(2023-04-26 17:53:49)

23.  天国と地獄 《ネタバレ》 白黒映画ですが、一部ピンク色が効果的に使われています。黒澤明の現代劇を初めて見たのですが、いやー、面白い。誘拐犯人を警察が捜査によって追い込んでいくという話なのですが、犯人が誘拐する子供を間違えるという発想がすばらしく、話が断然面白くなっているんですよね。でもあり得ないわけではない。なさそうで、ありそうな、絶妙なラインを巧く踏んでいます。そして、緻密かつ泥臭い捜査の詳細が、いちいち面白い。三船敏郎、仲代達矢、山崎努とキャラも立ちまくりです。若き山崎努は、医学生役。後年と比較するとまだまだ薄味で、向井理とか、そっちに近い感じ。でも、最後は迫真の演技でした。まだ新幹線ができる前で、特急こだま号の時代です。[DVD(字幕)] 9点(2023-04-05 20:43:50)

24.  ゆきゆきて、神軍 《ネタバレ》 ドキュメンタリー映画。主人公である奥崎謙三が、かつて自分も所属した日本軍ニューギニア残留部隊において実施された、兵士の不可解な処刑について、その遺族とともに関係者を訪問して、真相を追求するという内容です。当初、関係者の口は非常に堅かったのですが、暴力的に追い詰めることにより、口を割らせていきます。関係者が深刻に苦悩しているのがよくわかるわけですが、どういうわけだか、どこか笑ってしまうつくりになっているんですよね。奥崎謙三という男のキャラがとにかく強烈で、バイタリティと行動力が半端じゃなく、物腰低く相手の懐にもぐりこんだり、滔滔と自分語りをしたり、思い通りに行かないと急にキレて恫喝したり、文字通り寝技に持ち込むしぶとさです。適所でキレることで、こいつヤバイと思わせて、相手の戦意を削ぐんですよね。実際それ以上にヤバい人なんですけど。変な人が一人いるだけなら、あり得る話と言えるのですが、処刑された兵士の妹なる人物が、これまた強烈なキャラで、なんと、こともあろうか、(インチキ臭い)霊能者なんですね。奇跡的です。笑ってしまうシーンは多いのですが、特に好きなのは、押しかけた関係者宅のこたつの上に、たまたま置いてあったみかんを並べて、処刑時の立ち位置を再現して、問い質すシーンですね(人が死んでるんやで・・・)。処刑を指示したとされる隊長の妻が、撮影隊に対抗して写真を撮りまくっていたシーンも、結構好きです。[DVD(字幕)] 9点(2023-03-20 19:21:03)(良:1票)

25.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 かつてヒーロー「バードマン」(バットマン風)として人気を博した老いた映画俳優が、ブロードウェー舞台劇に主演兼演出で打って出るというような話です。業界の裏側を見せ、かつ、劇中劇と劇中現実の境界を曖昧にさせるところなどは、「脳内ニューヨーク」の感覚に似てるかなと思いました。なにせ、男女ともに、個性と主張の強い、濃ゆい人だらけで、仕事がらみだけでなく、元妻、元彼女、現彼女、子供までが、関係入り乱れて応酬を交わすので、飽きる暇が無いです。場面が変わるところでも、映像処理で長回し的に繋いだことも、テンポの良さに貢献しています。プレ講演だからとアドリブで暴れまくる人気俳優、そいつが娘にちょっかいを出すなど、主人公から見て、かなりムカつく役をムカつく顔の人が好演(後で調べると、日本語も話せるナイスガイらしい、それだけなりきって好演してたということですね)。「バットマン」の映画を見たこともないし、マイケル・キートンを初めて見ましたが、前知識が皆無でもメチャクチャ楽しめました。随所で笑えます。[DVD(字幕)] 9点(2023-03-08 18:39:05)

26.  セデック・バレ 第一部 太陽旗 《ネタバレ》 台湾の原住民が首狩り族だったという話は聞いたことがあります。日本が統治する際に苦労したと言うことも風の噂で聞いたような気がしますが、それ以上のことは知りませんでした。なので、そんな未開の土人をテーマに映画ができるものなのか?しかも、2部作?というのが見る前の正直な所感でした。ですが、これが見始めると実に興味深くて、エキサイティングで、作品世界に没入してしまいました。台湾原住民達は部族ごとに島内で敵対しているわけですが、他部族との闘いは、一に奇襲、二に奇襲で、油断しているところを襲って、背後に回って大鉈で首を狩るという具合で、鬼ごっこや、サバイバルゲームのような無邪気さがあるのですよね。敵の首を狩るまでは1人前の男として認められないとか、首を集めるほど部族の中で尊敬され地位が高くなるとか、首狩りが、部族の文化に組み込まれて、システム化され、いわばゲーム化されているわけです。よくこんなんで、つい最近まで全滅せずに生き残れたものだと思うのですが、むしろ首狩りありきで、島の生態系がうまくバランスしていたと考えるべきなのでしょうね。こんなことを考えさせられてしまう映画作品に今まで出会ったことがないので、まず、それが、驚きです。本作は首狩り族の青年が台湾を植民地化する日本人に対して蜂起する「霧社事件(1930年)」を扱っています。途中は長くなるので省きますが、壮絶な大虐殺をクライマックスに第1部は幕を下ろします。原住民の無邪気な残虐性、計略性と、欧米などに比べると激甘な植民地支配手法の対比がとても面白いなと思いました。史実とはかなり違い、演出過多になっているようですが、その分、本当にエキサイティングで、面白いです。全体的に、日本人がマヌケになっていますが、主人公をヒーローにするためには、演出上、いたしかたないですね。[DVD(字幕)] 9点(2023-03-05 15:48:24)

27.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 太平洋戦争終戦日の前日から玉音放送まで、ポツダム宣言を受諾すべきか否かで煮詰まる閣僚会議、その後の御前会議、ポツダム宣言受諾に反対する若い陸軍将校達による玉音放送阻止のクーデター未遂事件(宮城事件)などを描く歴史ドラマ。玉音放送に至るまでの裏側に、こんな濃密なドラマが渦巻いていようとは、想像もしていなかったです。まさに映画のようにドラマチックな史実。上層から下層まで、様々な人間が、各々の思惑で、同時並行的に動き、それが絡まる歴史のダイナミズムが感じられました。天本英世がハイテンションなわりに、何をやっていたのか、イマイチわからなかったですが。ゴタゴタ感があって良かったです。役者も熱演。特に、軍部の大物達のクセのある面構えと腰の据わりようが凄いです。若き日の黒沢年雄は、常時四白眼で、ちょっと力入り過ぎと思いました。(米国amazonのreviewを見たところ、唯一の弱点は、young army officersがover-playedなところだと指摘されてました)[DVD(字幕)] 9点(2023-03-03 19:57:23)(良:1票)

28.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - スペシャル・エクステンデッド・エディション - 《ネタバレ》 前作で、ゴラムを愛でる作品になりつつあると言ったのですが、早速、ゴラムの若き日の姿まで描く始末!さすがに調子に乗りすぎだろと(笑)本作も相変わらずゴラムが大活躍でした。映像のスケールの大きさは相変わらずですが、人海戦術にちょっと慣れてきてしまった中、蜘蛛はいいアクセントになりました。広げた話は結構しっかりと回収しているなという印象で、飽きることはありませんでした。むしろうまくおさまり過ぎの感もあって、逆に納得いかない感じも残りますかね。ゴンドールの親父の小物っぷりが、期待通りながら、それにしてもしょぼいなという感想。全体的には、フロドがちょっと気の毒。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2023-03-02 20:34:07)

29.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 《ネタバレ》 私にとってのこの作品は、廃墟での草薙素子による対多足戦車単独戦闘シーンに尽きます。自分は一体何者なのか?という疑問にとり憑かれ続ける鬱屈、答えを追い続ける孤独、解放への僅かな望みをかけた無謀行為。手足がはじけると同時に、こちらの胸も張り裂けました。ガラスの天蓋を撃ち落とすと光学迷彩が破れて戦車が姿を現す、生物の進化の歴史をあらわすレリーフが銃弾の穴で削られる、などなど、前振りの演出も密度が高く意味深なのですが、よくよく考えると、何の用途の建物なのかよくわからないですよね。哀愁漂う音楽も素晴らしいです。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2023-02-24 21:44:26)

30.  アポカリプト 《ネタバレ》 話はすこぶるシンプルながら、前作「パッション」同様、執拗なまでの映像的リアリティの追求が凄まじく、真に迫ってくるものがあります。林の中の村で生活する裸族の平和的な営み(とは言え、ドンくさいヤツはバカにされて笑いものにされるなどの弱肉強食で人間臭い営み)を捉えて始まります。そして、ある夜、他部族からの急襲を受けます。原始的だからこそ、鈍い痛みを伴うリアリティのある戦闘に、一気に引き込まれました。序盤からの狙い澄ました緩急が効いています。村は丸ごと焼き払われ、多くは殺害され、残りは捕虜としてとらわれ、紐につながれ、監督員に叩かれながら目的地をめざす死の行進となります。目的地に到着すると・・・そこは、村の原始的な暮らしとは対照的な古代文明の地。ピラミッドの頂上付近から何やら物が転がってくる奇っ怪な映像。そして、彼らが捕まった目的がわかったときの驚き・・・その後の逃亡劇も見応えありますが、個人的にはここがクライマックスでした。[DVD(字幕)] 9点(2023-02-18 20:49:42)

31.  ファイト・クラブ ヴァイオレンス映画と呼ばれるものは数多くあれど、緊張感を演出するため、または、派手なアクションを演出するためのお手軽選択肢としての暴力であることが多いと思われます。そういう意味で、本作における暴力は一線を画しています。世の中に対するフラストレーションのはけ口として、タイマンで裸の拳でただ殴り合う同好会をつくる男たちの話。殴り殴られることで得られる狂気の悦楽。骨がぶつかり合う音が鈍く響き、血がしぶきをあげて飛び散るさまは、暴力というよりは、痛みそのものであり、エンタメというよりは、狂気そのものです。自分たちの殴り合いだけに閉じていれば良かったのですが、もともとは社会に対するフラストレーションが発端であるため、主人公の意思に反してというか、潜在意識に即してというか、矛先が社会に向かっていくわけです。そして終盤に、大きなどんでん返しがしくまれ、すぐさま冒頭を再生せずにはいられないしくみ。なるほど~とうなりながら2周目を楽しめます。ここまで緻密なヴァイオレンス映画も他にないかなと。見終わった後でデヴィッド・フィンチャーと知って、なるほど納得でした。[インターネット(字幕)] 9点(2023-02-08 20:25:53)

32.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 まず、でんでんが凄いです。この年代のオッサンのあぶらぎったバイタリティ、明快な価値観、そのごり押し、それゆえのブレのなさ、迷いのない裏表の使い分け、あたりを見事に演じています。人物造形に妥協がないので、非常にリアルに感じられ怖いです。吹越満は、でんでんとは対照的に地味な役柄なので、どうしても印象が薄くなりがちですね。でも、そつなくこなしています。上記2人の男の妻2人が、また対照的で、でんでんの妻、黒沢あすかが、派手に武装した色気(初登場シーンではハッとしました)なのに対して、吹越満の妻、神楽坂恵は、平凡な生活にふてくされたような、化粧っけのない、くすんだ顔つきです。だがそれがイイ。そのギャップがイイんです。たまに表情が輝くのもイイ。ということで、いつのまにか、坂恵(さかえ)さんがお気に入りに。終盤に向かうところで、でんでんと吹越の殴り合いがあるのですが、吹越以上にヘタレな我々にはガツンと重く響く一撃でしたね。結果的には効果てきめんで、更に泥沼に向かって展開していきます。本作品は埼玉愛犬家連続殺人事件をモチーフに、その他現実社会のいろいろと濃い部分を抽出して、エンターテインメントとして再構築しているようですが、作品内に落とし込んだそれぞれの要素が、しっくりと絡み始めて、蠢き始め、新たなカオスを生み出しているんですよね。作品としてのナマモノ感、生臭さを強く感じました。[映画館(字幕)] 8点(2024-05-08 19:20:04)

33.  ライフ・イズ・ミラクル 《ネタバレ》 それほど古くはない映画ですが、古き良き映画を彷彿とさせる雰囲気です。全体的に赤錆がかっていて、透明感がない、カーキー色の目立つ油絵的な絵づくりなんですよね。ロケーションもとてもシャレてるなと思いました。主人公の家はボスニアの片田舎の山を背にして建てられているのですが、家の前方には結構な傾斜で下る草原が広がっていて、そこに張り出して設置したテラスからは草原を俯瞰することができます。ここで驚くのは、家の真ん前、テラスとの間に鉄道の線路が走っていることです。山は、家の背だけはなく、左右にも迫っているようで、家の前を通る鉄道の線路は左右の山をトンネルで抜けていきます。さて、このボスニアの山奥の一軒家に、妻と息子と3人で暮らしているセルビア人の男が物語の主人公です。男は鉄道技師、妻はオペラ歌手で、息子はサッカー選手をめざしています。家の前を通る鉄道は昔オーストリアが敷設したものの開通しておらず、現在、開通に向けた作業が進められています。おそらくその都合で、鉄道技師として現場近くに引っ越してきたという設定なのでしょう(仕事らしい仕事をしてるシーンがないので謎ではありますが)。主人公家族を中心に、この地での生活が、コミカルに、かつ、丁寧に描き出されていきますが、その切り出し方と、つなぎ方に絶妙なセンスを感じます。そうこうしているうちに、ボスニア紛争が勃発し、片田舎とはいえその影響を少なからず受けることとなり、話は動いていきます。ただし、あくまでも紛争は背景であり、一貫して人の生き様を描くことに軸足を置いているところが、他のボスニア紛争を扱った作品と異なるところでしょうか。結局、紛争があろうが、人間やることはやるし・・・という人間賛歌みたいなものになっていて、見終わって、すがすがしい気持ちになりました。[DVD(字幕)] 8点(2024-05-08 19:17:27)

34.  メメント 《ネタバレ》 ドラマチックなストーリーづくりのための便利アイテムとして、「記憶喪失」は、実に多くの作品で使い古されてきた感があります。本作は、前向性健忘症(ある時点から新しく記憶をすることができない)という、これまであまり馴染みのなかった種類の記憶喪失を患う主人公の心理状態および行動を話の中心に据えて、時間軸を逆転させて描写することにより、受け手に対して、主人公と同様の混乱状態を体感させることに成功しています。他のご都合主義的な記憶喪失ものとは完全に一線を画していると言えます。受け手は、主人公に同化し、感情移入するも、作品が終わった時点で、記憶を辿り、事実をつなぎ合わせて、このストーリーを終わらせることができます。一方、主人公は、記憶障害により、それができないため、ストーリーの中の無限ループを彷徨うことになります。人間の記憶とはあやふやなもので、しばしば都合良く書き換えられるもののようです。では、書き換えたい記憶がそもそもない場合どうなのか?その一つの答えとして、たいへん興味深いです。[DVD(字幕)] 8点(2024-04-14 17:38:12)

35.  若草物語(1949) 《ネタバレ》 四姉妹の物語ということくらいしか知りませんでしたが、苦手な分野かと思って敬遠気味でした。ですが、古き良きアメリカが詰まっていて、登場人物のキャラも立っていて、話の流れもスムーズで、過剰にドラマチックであったり嘘臭さかったりもせず、要所に笑いがちりばめられていて、とても楽しく見られました。また、絵づくりが素晴らしく、どの場面をとっても、絵画から切り取ったようで、パステル調の落ち着いた色彩には癒やされました。[DVD(字幕)] 8点(2024-04-14 17:35:21)

36.  ソウ 《ネタバレ》 昔、フラッシュの謎解き脱出ゲームにハマッたことがありますが、本作は、まさに脱出ゲームを映画化したような作品です。CUBEに類似していますが、本作の特徴は、タイトルにあるように、ゲーム作者が、プレーヤーのプレーっぷりを”見る”ことにこそ、最大の価値を見いだしていること。模範的ゲーム作者として当然の欲求で、まあ、わからなくもないですけどね。やっちゃいかんですけど。終盤にかけての盛り上がりと、そして強烈な印象を残す終劇、すばらしいです。[DVD(字幕)] 8点(2024-03-22 18:32:21)

37.  メトロポリス(1926) 《ネタバレ》 巨大ビルが林立する隙間を高架道路が走るメトロポリスの外観イメージは、ファイナルファンタジーなどで描かれる未来都市とあまり変わらないと思いますが、ビルの内部は、かなり戯画化されていて、ビル上部の生活を支えるために、ビルの地下で、中の人達が一所懸命働いて支えているという構造になっています。物語が労働者と資本家の階級闘争に展開していくあたり、時代を感じさせます。演技はサイレント映画特有のオーバーアクションなもので、皆、狂気じみています。時代がかった様式美と、サイエンスフィクションとの組み合わせが、とても斬新に感じます。2時間半と長い作品ですが、飽きることがありませんでした。それにしても、これほどの莫大な予算が掛かったセットおよび群集を用いた壮大なSF作品がサイレント時代に創られていたということが、何よりも驚きです。[DVD(字幕)] 8点(2024-03-11 17:46:10)

38.  脳内ニューヨーク 《ネタバレ》 舞台劇の監督をしている中年のおじさんが主人公です。現代人の抱えるストレス、人生の苦みを、受け手があまり鬱屈した気分にならない程度に、適度なウィットをまじえて描いていきます。脚本があまり前にしゃしゃり出て来ないで、丁寧なキャラクターづくりと、役者の理解と技量で、何とはなしに創り出される空気感で勝負できている作品だと思います。娯楽作品にありがちな、客を飽きさせてはならないという強迫観念に捕らわれたことによるマンネリ化とは、まったく無縁です。刺激的でとても面白かったです。邦題から、軽めのおちゃらけ映画かなと思っていたのですが、もうちょっと渋めで深めでした。ちなみに原題は「Synecdoche, New York」で、もうちょっとスマートです。[DVD(字幕)] 8点(2024-03-05 18:49:25)

39.  猿の惑星 《ネタバレ》 さて、いきなり、宇宙船の内装がチャーミングです。床屋の赤と青がくるくる回るやつの小さいのが組み込まれ、近未来メカっぷりを主張しています。ハッチの開閉用に、緑、黄、赤のボタンがシンプルに並んでいます。手作りの温もり感が残るヒューマンスケールなSF感がとても懐かしい気持ちとワクワク感を与えてくれます。宇宙船が見知らぬどこかの惑星に墜落した後は、宇宙にいた時の狭苦しさとは、うってかわり、荒涼とした土くれの大パノラマが広がります。食糧を求める探検もまたワクワクです。そして、いきなり、猿に遭遇するのではなく、まずは半裸の人類に遭遇し、そのワンノブゼムとして巻き込まれていく流れが巧みです。学者カップルが、口をぶつけ合っているのがとても微笑ましかったり、女学者の、主人公を見る時の驚きと興味が混じった知性を感じさせる目の表情がとても素晴らしかったり。人類の牝(♀)ちゃんもかわいいです。そして、最後のシーンは、絵として鮮烈に心に残ります。後発作品で、厄災、終末、滅亡を表すアイテムとして、しばしば流用される程ですが、やはり、本家は素晴らしいですね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2024-02-09 17:48:07)

40.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 新幹線に速度が80km以下となると爆発する爆弾を仕掛けて、乗客を人質に身代金を要求する犯人グループ。それと対峙する警察および国鉄とが織りなすパニックサスペンスアクション。これだけのスケールの大きな娯楽大作は、日本映画では他に例がないんじゃないかと思う程です。そして、キャストも豪華。竜雷太や北大路欣也が若いのに驚きましたが、それ以上に渡辺文雄がインテリ二枚目でびっくりしました。食いしん坊ばんざい以降のイメージしかなかったので。当時の日本の特撮技術は、まだ相対的に優れていたこともあるのでしょうか。最前線のエンターテインメントを創っているという創り手達の自信と気概がひしと伝わってくる作品です。国鉄の司令室セットも出来が良く、適度にアナログでいい感じです。壁に張り巡らされた監視盤を双眼鏡で眺めてチェックするなど、なかなか風流です。内容的には、ハリウッド映画「スピード」と非常に類似しています。映像トリックもあることから、元ネタと言っても過言ではなさそうですね。「スピード」は、より一般受けしやすく、アクションも見栄えがして、それはそれで非常に上手くやっていると思いますよ。本作は日本人好みに、犯人側の心情描写であるとか、人質に対する倫理観であったりとか、結構複雑な後味が残る感じです。本作は、国内での興行は芳しくなかったのですが、国外、特にフランスで大ヒットしたらしいです。フランス語版では、犯人側の心情描写はすべてカットされ、ただの悪人になっていたというのが興味深いところですね。[DVD(字幕)] 8点(2024-02-09 17:41:08)

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