みんなのシネマレビュー |
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381. ギター弾きの恋 確かにラストシーンは「道」を思い出させますね。でもちょっと違うかなぁ。「ギター弾きの恋」って邦題名は最初けっこうベタだなって思ったけど、案外的を得ていると思う。これは恋物語ですよ。ラストに恋を知ったギター弾きがその後によりいい演奏をするようになったというナレーションには結構ぐっときますよね。ギターを叩き壊しちゃうのはちょっと過激だったけどね。それにしてもショーンペンは何をしてもブロンクスのチンピラ的あやうさを隠せませんねぇ。まぁそれが味なのかもしれないけど。9点(2002-03-24 16:19:26) 382. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ キューバ音楽に興味がない人<普通の人はあまりないよね>でもお薦めです。音楽って素晴らしいなぁって単純に思える。忘れられたキューバ音楽の巨人達<おじいちゃん達>が演奏する姿は本当に感動的です。なぜだろうか?本来、音楽って世代を超えた根源的なものなのに今ではなかなかそう言えない部分がありますよね。おじいちゃん達の演奏は音楽が魂を揺さぶるものだってことを、キューバ音楽に限らずいいものは流行り廃りに関係なくやっぱりいいんだっていう当たり前のことを改めて感じさせるのでしょうね。あらゆるしがらみを超越した老フラミンゴ達がそれぞれ自慢の楽器を持って集う楽しい音楽パーティって感じでとても心が和みました。音楽ドキュメンタリー風映画としては、スコセッシ/ザ・バンドの「ラストワルツ」もお薦めなんだけどね~。10点(2002-03-24 16:04:52) 383. メメント 《ネタバレ》 観ている時は、昔はやったゲームブックを思い出しました。普通の映画とは全く違った感覚が要求されるけど、まぁそれはそれで面白かった。考えようによっては、いろいろな心理学的な解釈もできるけど、こういう構成で迫られてはそんなことをしている暇はなく、実際、この映画に人間共有的な「解釈」はあまりそぐわないような気がする。というか、「生きる」辛さを自ら作り出さなければならないというのは特殊な状況<それを忘れてしまうという>に他ならないから。生きるために謎をつくり、解く、そしてまたそれを繰り返すという主人公の生き方はその繰り返しの辛さをも忘れてしまうために普通の人間の感覚じゃない。ある意味では逆説を提示しているのかもしれないけど、まぁあまりその辺は考えすぎない方がいいかもね。だってストーリーを思い出そうとすると頭が痛くなってくるんだもん。8点(2002-03-21 12:04:48)(良:1票) 384. トカレフ(1994) ラストの乾いた銃声が妙に印象に残る映画でした。<ラストシーン自体もすごいけどね>佐藤浩市演じる男は実に現代的な殺人者だと思うけど、立ち向かう側の主人公もかなり奇妙です。それはそれである種のリアリティがある。でも最も乾いていたのはヒロインかな。9点(2002-03-17 01:46:45) 385. クイック&デッド 面白いと思うけどね。ディカプリオが良かったよ。キザでちょっとまぬけはキッド。個人的には「ギルバートグレープ」や「タイタニック」なんかよりこっちの方がしっくりきた。西部劇も昔と違ってゲーム感覚でマンガちっくなところが現代的ですね。8点(2002-03-17 01:26:56) 386. ブルーベルベット リンチの映画には独特の違和があります。「ブルーベルベット」では、非日常的で妖しい、暴力的な世界を主人公が覗き見ますよね。僕らは主人公の覗き見を通して映画を見るわけで、主人公が覗き見ることによって惹かれてしまう世界に僕らも惹かれる。僕ら自身の心に揺蕩(たゆた)う異様さへの希求と恐怖感の微妙な捩れ。そのことに気づかされるリンチの映画は、はっきり言って、とても「快感」なのであーる。ちょっと自分自身が怖くなるなぁ。リンチ映画の観すぎ注意!10点(2002-03-10 10:39:44) 387. マルホランド・ドライブ 「マルホランドドライブ」はリンチの集大成的作品といえるでしょう。リンチの映画は一種の妄想です。まぁ映画そのものが映画作家の妄想であることも確かなんだけど、リンチの場合はそのことを明確に主張しているように僕には思える。この映画のすごいところは、リンチの妄想という土俵の上でさらに妄想的な世界と現実的な世界が入り乱れているにも関わらず、メインストーリーがしっかりと成り立っていることである。前半はマルホランドドライブの境界に入り込んだカミーラが妄想の世界に迷い込んでいるというのが僕の解釈だけど、観てる時には全くそのことに気がつかない。逆にカミーラの存在に違和を感じてしまう。箱を明けたところで妄想的世界が終わり、その後に「以前の」物語が始まるんだけど、それまでの流れと一変して激しい展開になる。これが実は現実的世界で、この物語の軸となるのは、ダイアンのカミーラへの強烈な恋心である。この「恋」への執心と現実の違いに対する嫉妬、憎しみ、絶望がダイアンの中の世界を歪ませてつくらせた物語が前半の妄想世界だと僕は思う。最後にカミーラはダイアンの雇った殺し屋に殺られそうになるんだけど、不意の交通事故で助かって最初のシーンにつながる。とにかくこの作品のストーリー展開と映像にはもう観ている最中から興奮しまくりました。(レズシーンだけじゃない!?)それはリンチの奇妙に捻れた映像感覚が僕らの内面の捻れに共鳴しているからなんだと思う。そして観終わった後に、この物語の核がダイアンの恋心であり、それがとても哀しい「ラブストーリー」なんだって気がついた時には妙に心が揺さぶられるものがあったのです。「マルホランドドライブ」は、リンチのベスト作品だと思う。ついにここまで来たか…っていうのが素直な感想。 10点(2002-03-10 10:35:18) 388. X-メン 最高です。とにかく面白い。これは「甲賀忍法帖」の世界ですね。まったく。わくわくしました。8点(2002-03-01 22:38:10) 389. ストレイト・ストーリー ストレイトじいさんのストレイトなお話。いいですね。ただひたすら自分を抱えて生きてきたこと。その素直な表明。自分の生きがたさは誰のせいでもなく、ただ自分のうちで耐え続けていくべきものなのだ。その凛然とした態度。それを理解し、理解される娘の姿にも心動かされる。10点(2002-03-01 22:25:21) 390. ヒート 「ゴッドファーザーPART2」以来の共演となった本作ですが、あの頃の若々しく、精悍な2人と比べると、ずいぶんと年をとったなぁという印象を受けます。(当たり前だけど) さすがに二人が対峙したシーンにはしびれたけど、「あ~、これを20年前に観たかった」と思ったのは僕だけかなぁ?でも、この長~い年月を想起させるのが、あの対峙シーンの狙いでもあったのだろうな。ドラマを越えたところに別のドラマが見えた瞬間だったのだ。うん。8点(2002-03-01 22:05:12) 391. 未来は今 ジェニファージェイソンリーを決定的に好きになった作品です。彼女が持っている違和感と作品が妙にマッチしていました。あの登場シーンは良かったですね。あと、まぁとにかく笑えました。コーエン兄弟の作品の中では一番。。。笑えた。10点(2002-03-01 02:36:13) 392. トリコロール/青の愛 青は孤独に美しい。この映画で表現されるビノシュの青は、哀しみです。画面の彼女が崩れ落ちるとき、青白い素肌が妖艶な炎のように、情景に広がる静謐から沸き立ちます。僕らは、ただひたすら、彼女の青に溶け込む透徹な美しさ、何ものをも受容しない絶望の美しさに酔うのみなのでしょう。フランス国旗のトリコロールの青は自由を表すといいますが、哀しみが何ものにも代えられない自分を抱えることと同義であるという意味において、この映画の青と象徴的な重なりをみせるのでしょう。 10点(2002-03-01 02:29:10) 393. ルームメイト(1992) これを観て、ジェニファージェイソンリーがますます好きになりました。クセがあっていいですね。8点(2002-03-01 02:09:11) 394. ザ・コミットメンツ この映画のサントラが中古で500円で売られていた時はショックだったなぁ。定価で買った僕としては。物語としてもなかなか面白かったけど、やっぱりライブ映像が良かったな。ボーカルが良い。「トライ・ア・リトル・テンダネス」はとても感動的でした。パブロック的な白人R&Bは結構イケると思うんだけど。10点(2002-03-01 02:03:02) 395. 恋のためらい/フランキー&ジョニー 「スカーフェイス」の2人がこんなことになるとはね。まったく。このころのミシェルファイファーは可愛らしさがあってよかった。8点(2002-03-01 01:52:27) 396. ライトスタッフ ナンバーワンはやっぱりサムシェパードだけど、デニスクエイドとフレッドウォードのコンビもいい。あと、エドハリスも精悍だし、スコットグレンもいい味だしていたなぁ。とにかく役者もライトスタッフたちでした。もちろんバーバラハーシーも可愛かったぞ。10点(2002-03-01 01:45:02) 397. 髪結いの亭主 恋の話だと思う。恋とはなんて自分勝手なものでしょうか。この映画は妄想そのものだといえる。それは男の妄想。最後の手紙以外は全て男の頭の中の映像だったのではないかな?だって相手の女性が綺麗すぎるもの。10点(2002-03-01 01:40:33)(良:1票) 398. ショコラ(2000) ジュリエットビノシュとレナオリンといえば「存在の耐えられない軽さ」を思い出すけど、あの時とは全く違った2人の役柄には妙に関心しました。でも、ジュリエットビノシュはいいですね。誰がなんと言おうと僕は好きです。この映画の何ともしっくりこない不思議な味わいは彼女の存在に負うところが大きいと思う。物語は普通なんだけどね。彼女の存在自体に違和があるというか。それは彼女のどの作品でも感じるんだけど、その味わいはそれぞれに違っている。。。と思いません?8点(2002-03-01 01:23:25) 399. ニューヨーク・ニューヨーク 個人的にはデニーロの役が結構魅力的で改めて彼のカッコ良さにうなった映画。ストーリーも悪くない。演出もいい。ただ、ライザ・ミネリとのミスマッチングがなぁ。。。何とかならなかったのかなぁ。 9点(2002-01-19 01:03:06) 400. インディアン・ランナー 正義漢の兄と落ちこぼれの弟のお話。兄弟は、話の展開にしたがって徐々に心が離れていくようにみえる。理解しあえるようでいて、それはどんどん遠くに離れてしまうのである。そのことの理由は語られない。最終的に警察官の兄が犯罪者となった弟を追跡するシーンにまで至り、父親は兄弟の確執とは関係のないところで意味もなく自殺する。図式はありふれているし、話としても結構単純だ。しかしそのモチーフは僕にとって切実に思えた。兄は弟を追いながらそのことの意味を理解できない。弟は兄に追われながらその理由を失っている。自分の心さえ掴めない寂莫感にお互いが自覚的ではあるけれど、最後に兄が弟を見逃すシーンに言葉はなく、ただ「アイ・シャル・ビー・リリースト」(byザ・バンド)が流れるのみ。「いつかきっと僕は解放されるだろう」 あー、なんてリアリティのないフレーズだろうか。そのことの空虚さが心を締め付ける。「インディアンランナー」はたぶん時代遅れな映画だ。すべてに自覚的でありすぎる分、それはもう時代遅れなのだ。僕らはその時代遅れの気分でしか、もう心を震わすことができないかもしれない。それはとても切ないことだけど…。 <ちなみに冒頭で、狼の力を盗んで鹿狩りをするインディアンの逸話が出てくる。弟の中で幻影のように現れるインディアンとは、自分自身に潜む凶々しさとその神々しさが一体となったスピリチュアル・イメージであり、その「らしさ」に理由がない絶対的な存在としての強迫観念でもあるのだ。> 10点(2002-01-17 02:36:29)(良:2票)
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