みんなのシネマレビュー |
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381. 神さまがくれた娘 最初はインド版の「アイ・アム・サム」くらいかと軽い気持ちで見ていたのだが、なかなかの力作。特にラストはこっちの方がずっと良いと思うし泣かせる。子役のベイビー・サーラーが可愛すぎだけど演技もなかなか良い。それと何よりも知的障害者になりきったヴィクラムの凄さだろう。こういう演技があればこそ、大感動を呼ぶのだろう。この映画は「ボリウッド」と称されるヒンドゥー語映画とは違い、「コリウッド」と呼ばれる南インド、タリム語映画だそうである。したがって今までの歌とダンスのインド映画とはイメージが大きく違う。[映画館(字幕)] 8点(2014-03-27 17:54:46) 382. どら平太 役所広司のお奉行ぶりは飄々としていておもしろい。これならもっとコメディに徹してほしかった。だけど巨匠が勢揃いした脚本のためか、勧善懲悪の筋書きに目新しさがなくどこにもあるストーリーになってしまったのは残念。それにあれだけの悪人を追放とは、自分の藩内さえ良ければということになってしまう。悪事はよそでやってくれということか。[DVD(邦画)] 4点(2014-03-26 06:57:57) 383. 60歳のラブレター 黄色いハンカチならぬシーツに描いたラヴェンダーはさすがにやり過ぎだと思うが、優しさと心の温かさが込められた良い映画だと思う。思いを伝えるには見栄も外聞もない、体裁を気にする必要もない。へそくりで夫にそっとプレゼントしたギター、そのギターで妻の枕元で歌うビートルズの「ミシェル」夜の病室で歌うのはもってのほかという常識を越え感動が伝わってくる。[DVD(邦画)] 8点(2014-03-25 11:41:49)(良:1票) 384. 死闘の伝説 終戦直前の疎開者と地元の人間との対立なのだが、地元有力者の息子との縁談を断ったことから騒ぎが広がってくる。その展開はわからぬでもないが、描き方がどうも好きでない。好きな岩下志麻が出ているのに残念。木下監督向きの映画ではないのかもしれない。[DVD(邦画)] 4点(2014-03-24 20:32:19) 385. グッモーエビアン! 大泉洋によるコメディとばかり思っていたら、「家族って何?」の問いに始まるなかなかのドラマだった。冒頭のやかましい音楽に少々うんざりしたが、ラストのライブ音楽はこっちもうきうきした気分になった。同じ音楽でも映画を見る前と後では随分変わるもの、ロックも捨てたもんじゃないと改めて思った。アキって呼ぶから能年さんかと思ったらお母さんの方だった。(あまちゃんの見過ぎのせい)[DVD(邦画)] 7点(2014-03-23 06:38:30)(良:1票) 386. パラダイス・ナウ パレスティナ問題を日本の感覚で捉えるのは困難ことだけど、自爆テロも辞さない強い信念の一端をかいま見ることができた。何とか平和になってほしいと願望するが・・・。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-22 19:31:28) 387. 塔の上のラプンツェル 元々はグリム童話だったらしい。それを明るく元気なお姫様とハンサムな泥棒というディズニーらしい映画に変えユーモラスに描く。そのユーモラスさの極めつけは何と言っても馬のマキシマス、表情たっぷりの滑稽さは最高。その他の登場人物もすべて良く、ミュージカルというよりコメディの要素が勝っているように思える。これなら万人受けするのでは・・・。[DVD(字幕)] 8点(2014-03-20 21:27:10) 388. 鉄くず拾いの物語 第63回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリに輝いた映画。「ノー・マンズ・ランド」の監督ダニス・タノヴィッチがわずかな自己資金でたった9日間の撮影で作りあげた。当事者の夫婦を出演させ、実際に起きた物語をドキュメント風に綴ったもの。ロマ族一家の現実のきびしさを感じさせられる。[映画館(字幕)] 7点(2014-03-20 14:15:16) 389. 現金に手を出すな 評価が高くて見てみたけど、こういう犯罪映画は私好みではない。ジャン・ギャバンの渋さを主題曲を繰り返し流すことで強調しているようだけど、所詮機関銃をぶっ放す映画にしかなっていない。[DVD(字幕)] 3点(2014-03-18 18:06:53) 390. 危険な関係(2012) 幾度となく映像化されてきた「危険な関係」今回は1931年の上海が舞台。中国のチャン・ツィイー、香港のセシリア・チャン、韓国のチャン・ドンゴンとアジアの名優をそろえてきた。スキャンダラスなエロティックさは中国映画だから今ひとつだけど、三者をめぐる関係はなかなかのもの、見応えはある。ただ日中戦争前の不穏な空気は感じるものの、日本軍が関係してくるような原作にない独自の展開はなかった。[映画館(字幕)] 6点(2014-03-18 07:44:07)(良:1票) 391. マリー・アントアネットの生涯 映画だから脚色はあろうが、政略結婚から王妃、派手な宮廷生活、首飾り事件、フランス革命、断頭台と進む流れは結構史実に近いのではあるまいか。主役はノーマ・シアラー演じるアントワネットだけど、男優としては格好いいタイロン・パワーよりもルイ16世を演じたロバート・モーレイに愛着を感じる。ルイ16世は国王としての能力は欠けていたかもしれないが、穏和でやさしく愛情深い人だったのだろう。国王として生まれなかったらきっと良き家庭人であっただろうにとさえ思う。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-16 09:32:32) 392. 少女は自転車にのって どんなに映画通の人であっても、この映画以前にサウジアラビアの映画を見たことのある人はめったにはあるまい。イスラム教のきびしい掟があり、サウジアラビア国内では映画館の設置さえ禁じられているという。一夫多妻制度やヒジャブを巻いて肌をさらさないなど女性には特に厳しく、車の運転もかなわない。そういう厳しい情勢のなかで、サウジアラビア初の女性監督が国内で出演者を募集し、映画を製作したとなると驚嘆という言葉以外にはない。映画は決して反イスラムを掲げたものではなく、少女が自転車に乗るという優しく愛らしく描いている。サウジアラビアという国を理解する上でも必見。[映画館(字幕)] 7点(2014-03-16 07:28:28) 393. モンパルナスの灯 顔と首が異様に長いモディリアーニの肖像画は非常に印象的、良さはと聞かれても絵画にはさっぱりの私には答えようがない。美しい絵がいい絵と言われていた時代であればなおのこと理解されなかったのは仕方ない。酒と女に溺れ放蕩の生活を送っていたとばかり思っていたら、こんなに美しい女性がいたのだなあ。だが私が一番印象に残ったのはリノ・ヴァンチュラが演じる画商モレノ。いち早くモディリアーニの才能を見抜きながら、絵の価値が上がる彼の死を待ち望む、そしてそのラスト、あまりにも悲しく、あまりにもむごい。リノ・ヴァンチュラの真価を発揮した映画だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-15 22:24:59) 394. パンと恋と夢 ヴィットリオ・デ・シーカは監督として有名だが、「武器よさらば」など俳優としても映画に出演していた。結構な男前である。このデ・シーカとジーナ・ロロブリジーダが共演するのだが、貧乏だけど明るく天真爛漫というマリアの役がいかにもぴったりしている。映画はほのぼのとして心地よいコメディだ。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-13 07:17:49) 395. 今年の恋 悪友高校生の片方は美人の姉、もう一方はハンサムな男となれば、いかにも正月映画という雰囲気が漂っていてなかなか良い。田村正和の若き姿が評判になるけど、ちょっとちゃらんぽらんしすぎに思える。[DVD(邦画)] 6点(2014-03-12 12:24:07) 396. 鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 ミステリー映画と知りつつも、「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」の雰囲気で見ていたものだから、まんまとだまされてしまった。隠し部屋の肖像画がすべてなくなっていたときは、主人公同様唖然としてしまった。依頼人がなぜ顔を出さないのかそっちにばかり気を取られていたからかもしれない。そういえば顔を出してからはちょっとばかり簡単にロマンスの方向へ行ってしまったような気もするし・・・。ジェフリー・ラッシュは何をやらせても上手い。[映画館(字幕)] 7点(2014-03-11 16:03:54) 397. 風雪の海峡 青函トンネルは、今… <TVM> NHKプロジェクトXや映画「黒部の太陽」「海峡」と較べてみるとやはり見劣りをしてしまう。青函トンネル工事を背景にした家族の絆の物語なのだろうが、テレビドラマとしてはまずまずでも映画としては迫力にも深みにも欠ける。ただそれらより早くトンネル工事着工中作られた作品としての価値は十分考えられると思う。原田美枝子の若き姿を久しぶりに見られたのは良かった。[DVD(邦画)] 5点(2014-03-11 07:47:39) 398. 女はそれを我慢できない 「女はそれを我慢できない」の「それ」って何?と思いつつ見ていたが、途中からそんなこと忘れておもしろさ満載、好きだなあ。もちろんジェーン・マンスフィールドの魅力たっぷり、でっかい胸の膨らみに目のやり場に困るけど・・・。音痴とばかりに思っていた彼女の歌に思わずびっくり、エドモンド・オブライエンもなかなかやるう![DVD(字幕)] 8点(2014-03-09 09:27:48) 399. マイ・フレンド・メモリー 脳みそと足のチビデカ少年友情物語と髙をくくって見ていたのだけど、単なる友情ヒューマンドラマ以上だった。マックスがケビンから受けた影響は大きく、マックスの成長の物語になっているのが良い。終盤のまっさらな本や天国へ旅立ったケビン、謎の研究所(実は・・・)など感動するものばかりだった。[DVD(字幕)] 8点(2014-03-08 22:33:40) 400. にっぽん泥棒物語 山本薩夫と言えば当代きっての社会派映画監督だ。戦争と人間の三部作や白い巨塔、華麗なる一族、不毛地帯など数多くの名作を作り、どの映画にも深い感動を受けた。この映画は題名からしてコメディっぽく、泥棒稼業の主人公らにもとぼけたおもしろさを感じる。ところが列車転覆という事件が起こるとやはり山本監督らしい社会派映画となった。他の方も言われているように、伊藤雄之助のねちねちとした追求と三國連太郎のとぼけた言い逃れが非常におもしろい。だがやはり前科者の更生のむずかしさや証言と新生活の葛藤なども良く表現できていると思う。[DVD(邦画)] 8点(2014-03-08 07:42:21)
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