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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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401.  幻影師アイゼンハイム 《ネタバレ》 映像はきれいだし、雰囲気もいい。しかし、それらもまずまずといった程度に留まっている。脚本は複雑な割に荒っぽく、とくに後半は話の筋を追うのに必死で、とりえであるはずの映像もなおざりになる。この題材なら世界観を魅せるのを優先して脚本は単純化しても許されただろうに、やっていることがまるでちぐはぐだ。肝心のどんでん返しも新味はない。なにもかもがひどく中途半端だ。 また奇術の描写に堂々とCGを使っているが、それをやったら映画だからなんでもありというのが前面に出てしまうわけで、マジック本来の魅力である不思議さ、幻想性が損なわれてしまう。トリックとも魔法ともつかないぎりぎりの境界線上を描くべきだったんじゃないだろうか。E・ノートンを十九世紀の奇術師に据えるというわくわくするような配役だが、充分に魅力を引き出せているとはいい難い。 恋愛描写に重みがないのも痛い。少年時代に引き裂かれた初恋の相手が現れたからといってそうそう夢中にならない――っていうか幻滅するパターンの方が多いだろう。 そもそもどうしてスティーヴン・ミルハウザーの小説を、どんでん返しがメインの娯楽映画にしようと思ったのだろうか? 別に原作に忠実である必要はないが、これは村上春樹を原作にミステリを撮るぐらいむちゃな挑戦だ。その結果がこの微妙な出来なのだから、なんとも残念としかいいようがない。[DVD(字幕)] 5点(2009-07-08 00:50:06)(良:1票) 《改行有》

402.  ダーウィン・アワード 《ネタバレ》 原作はちゃんと読んだわけではありませんが、ある程度内容を知ってました。それでちょっと、期待しすぎたのかもしれない。非常に努力の感じられる脚本で、さまざまなエピソードの寄せ集めである原作を一本の映画にまとめたのは評価できる。温かい視点にも好感が持てました。しかし……。 元心理分析官で保険調査員というところまでは文句なしに秀逸な設定だけど、素人カメラマンの視点というのはさすがに詰め込みすぎなのでは? やりたいことはわかるんだけど、いろんなアイディアを使ったせいでごちゃごちゃしてるというか。コメディに突っ込みたくはないが、あまりにぎこちない展開も目に付いた。 ちゃんと笑えるのは確かで、クオリティも高く、手抜きが感じられない。とりわけ役者がよかったと思う。もっともよくできていたのはロケットエンジンで吹っ飛ぶ男のエピソードで、単に笑えるだけでなく、じんときた。短い登場ながらジュリエット・ルイスの演技が印象深い。メタリカの出演にはびっくり。 ただ、最後のシリアルキラーとの対決がそれまでに比べて面白くないというか、そもそもあんまりテーマに沿っておらず、ちぐはぐに感じた。主人公が〝バロウズ〟で事件にもビートニク文学が絡んでいるのは、作り手の趣味だろうか。尺が短いのだから、本編であるダーウィン賞のエピソードをもう一つくらい付け足してもよかったと思う。[DVD(字幕)] 5点(2009-06-23 13:03:52)《改行有》

403.  スターシップ・トゥルーパーズ3 相変わらずのあくの強さで、悪趣味な自分もさすがにちょっと引きました。軍国主義&宗教マンセーという世界を描きつつそのすべてをおちょくっているという風刺の仕方は面白いけれども、ここまでアホだと誰も真面目に受け取ってくれないんじゃないかと心配。[DVD(字幕)] 5点(2009-04-21 02:04:28)

404.  やわらかい手 アイディアは独創的だけれど、あらすじから想像できる以上のものは何もなかった。俳優陣は与えられた役割を最大限果たしている。でも台詞のほとんどはあらかじめ引かれたストーリーのレールを辿るだけのもので、人物の体温が感じられない。 友達とのエピソードなんかは取ってつけたように思えた。息子さんとの関係も当然こうなるんだろうと予想される範囲内の展開で、それでも別に構わないんだけど、もっと丁寧な心理描写があればなおよかったと思う。どの登場人物もまるで脚本家の手で動かされるコマのよう。厚みを持った人間としての存在感がない。 全編を覆う鬱な音楽にも首をひねってしまう。一箇所も明るいトーンがないのは、なぜ? もしかしたら少しアキ・カウリスマキを意識しているのかもしれないけれど、あの世界観を中途半端に真似るのはあまりに危険でしょう。[DVD(字幕)] 5点(2008-10-10 18:21:07)《改行有》

405.  地獄の変異 そこそこに優秀だけど冒険しない、いまいちぱっとしない優等生のような映画。 映像・美術への力の入れ方は半端じゃなくて、冒頭を観て間違ってヨーロッパの戦争映画を借りてきたんじゃないかと疑ったほど。洞窟内の映像もドキュメンタリーに劣らないクオリティで、ときどき話の筋と無関係にキレイだなーと見惚れていた。 でもお話としては毒にも薬にもならないというか、クズでもないけどA級でもないという平凡さ。暗闇のなかで怪物の姿がはっきりしないのは『エイリアン』第一作とか意識してるのかもしれないけど、いかんせんデザインが微妙。悪くもないけど、パンチが効いてない。 洞窟という閉塞感のある状況設定は秀逸なんだから、ウォータースライダーみたいな下りやロッククライミングの場面をもっと生かしてもよかったと思う。岩壁でロープを利用して振り子のように逃げるあの場面、演出次第によっては戦慄の名シーンになったはずだけど、そこもなぜか普通だった。全体を通して演出が抑え目なんだけど、それが功を奏しているのはラストぐらいなんじゃないかな。 なんというか、惜しい。何もかもが中途半端で、思い切った部分がない。もっとドラマティックにエンターテインメントできたはずなのに(あるいは、B級風味のない硬質なサスペンスにもできただろう)、地味で大人しいレベルに留まってしまったという感じ。[DVD(字幕)] 5点(2008-02-02 16:32:45)(良:1票) 《改行有》

406.  恋恋風塵 よっぽど小津安二郎が好きな監督なんだろうなーと思った。でも似ているのは雰囲気だけで、中身は薄い。現実感にこだわりすぎたためかドラマ性がほとんどなく、抑制の度合いを越えて単なる退屈な代物になっている。厚みのある台詞や演技は皆無で、最後まで観ても登場人物の人となりすら伝わらない。映像やシンプルな音楽の使い方が秀逸で、美しいと思える場面もあったけれど、いかんせん人間が描けていない。[ビデオ(字幕)] 5点(2007-12-16 17:52:06)

407.  禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 冒頭で入り込めないと結局最後まで感情移入できないことが多いんだけど、この映画がまさにそれだった。 まず感じたのは映像的な薄っぺらさで、モノクロだからまだいいものの、映画というよりは古いテレビドラマを観ているかのようで、想像以上に安っぽかった。とくにあの空襲の場面でのぎこちなさには興ざめしてしまった。 あと子どもに対して大人の描き方が偽悪的に過ぎるというか、狙ってやっているんだろうけど過剰に感じた。まず橋から犬の死骸を投げ捨てるシーンで唖然。ミシェルの家族にしてもあまりにも無神経な言動が多く、かなり引いた。戦争がそうであるように大人の身勝手な理屈の犠牲になるのはいつも子ども、ということだろうか。 終盤に至ってはミシェルの両親がまるで悪役のように思えた。孤児院に引き渡さざるを得ないのは仕方ないとしても、短期間とはいえ娘のように扱っていたのだから、もう少し配慮してあげてもいいだろうに。とくに平然と笑顔で引き渡そうとする母親は空恐ろしくすらあった。 テーマ曲については、まったく個人的な理由から受け付けなかった(というのはうちの両親の趣味がギターで、子供の頃からこの曲が家に流れているのがごく当たり前だったため、耳に入ると悲しみや切なさを感じるよりも全然関係ないことを思い出してしまうので)。この映画に音楽が果たしている役割は相当に大きいはずで、それがないから余計に脚本のあざとさや映像の貧しさに目が行ってしまった。 というわけで、平均点が非常に高い中心苦しいけれど、終始心を動かされることはなかった。八十分がひどく長く感じられた。[DVD(字幕)] 5点(2007-11-18 19:56:27)(良:1票) 《改行有》

408.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 できの悪い『ルパン三世』の域を出ていないように感じた。最初の三十分は面白かったけど、空港でのどこかで観たようなアクションシーン以降は眠くて眠くて……もっと後半に見せ場を持ってくるべきじゃなかったの? ホールデム・ポーカーでの対決という重要な下りにまったく迫力がないというのも痛い。冒頭のヤマカシとジャッキーとカリオストロを足したようなユニークな追跡劇や、リアルで血生臭い暴力描写には(おおっ)と思ったけど、クライマックスには普通のアクションに戻ってしまった。ボンドガールの死も、さもありなんと冷静な目でスルー。これがシリーズの最高傑作だというのなら、自分は007とは相性が悪いのだろう。退屈だった。[DVD(字幕)] 5点(2007-06-12 00:02:54)

409.  空中庭園 《ネタバレ》 家族ものかと思ったら……サイコサスペンス?! 目新しい設定ではなく、中盤の流れもどこかで見たような感じのネタが多い。ラストのまとめ方が比較的上手かったので腹は立たなかったけれど、あまり良いとは思わない。 とくに悪い意味でマンガ的というか、あまりにも大仰で過剰な表現が目立っていた。 たとえば、あの携帯をくるくる回している男はいったい何者なのか。なまっちろくてぷよぷよのお腹にださいタトゥーして、「バビロンにようこそ」ってあんた……笑っちゃったよ。あと、おばあさんが殺し屋のような動きでソニンをぶちのめす場面。あのシーンだけ全体から浮いていると思う。格闘漫画じゃないんだから。ていうかソニンの顔に煙草の火を落とす前に、孫を殴れ。 血の川が流れるシャイニングみたいな映像や、泣き叫ぶ小泉今日子の姿には正直、失笑してしまった。もっと抑制を効かせたほうがいいんじゃないだろうか。 それに母親と娘との間にある根深い確執が、娘の思い込みが強かった、という説明でああも簡単に氷解してしまうのは、いくらなんでも強引過ぎる。歪んだ母娘関係というものを実際に目にしたことがあるけど、真面目な話、あれはとんでもなくやっかいなものだ。そう単純に片付けられてたまるかよ、と思う。 おおまかな話の筋は良かった。しかしテーマにしても表現方法にしても、もう少し突き詰める余地があると感じる。[DVD(字幕)] 5点(2007-01-01 15:13:21)《改行有》

410.  モロッコ 《ネタバレ》 高評価ばかりのなか恐縮なんですが、あんまり楽しめませんでした。いちばんの原因は、ディートリッヒがゲイリー・クーパーにあそこまで惚れこむ理由がわからなかったという点。 ショウの場面を観ればゲイリー・クーパーのほうが惚れるのはわかるんですよ(というか惚れなきゃおかしい、あんな女)。でもそのあとの二人きりの夜を過ごす場面は、別にロマンティックでもなければ、心が通じ合ったようでもなく……あの程度で男性不信だった女が砂漠まで追いかけていくかなあ? マンジューだって相当立派な男だし。二人が熱烈に愛し合う理由がどうしてもわからず、終始冷静な目で観てしまった。 ディートリッヒの心が揺れ動いたり、ここぞというときに糸が切れたように平静を失ってしまう描写に関しては、とても秀逸だったと思う。この女優さんにしかない美しさを映像に閉じ込めたという点でも、間違いなく大きな価値のある作品だろう。この映画のストーリーを忘れることはあっても、あの男装のディートリッヒはけっして忘れることができないと思う。 それだけに、乗り切れなかったことがとても残念だった。 【余談】テレビで観た美輪明宏の歌い方が、微妙にディートリッヒっぽかった。けれん味の強さは十倍増しでしたが…。[DVD(字幕)] 5点(2007-01-01 14:49:07)《改行有》

411.  DEAD OR ALIVE 犯罪者 人知を超えている。[ビデオ(字幕)] 5点(2006-03-23 01:10:15)

412.  サンゲリア あってないようなストーリー…よくこれで91分も続いたなと感心した。キモい、エグい、エロい、それだけ。あのゾンビ対ジョーズの企画は誰が考えたのか。バカなのか。バカだよな。いやに温和そうなサメで、あんまりゾンビに興味がなさそうだった(そういえば、サメのなかでも人間を襲う種類は希少らしい)。さっさと逃げようとするサメの口に無理やり腕を突っ込むゾンビ。アホな人間の思いつきに巻き込まれたサメ君が哀れでならなかった。[DVD(字幕)] 5点(2006-03-23 00:43:04)(笑:1票)

413.  ザ・ブルード/怒りのメタファー クローネンバーグ特有の粘着質の気色悪さは健在だが、活劇としては面白くはなかった。主な舞台が普通の民家と小屋であるため世界観に広がりがなく、脚本にも起伏がないので盛り上がらない。低予算のためかクリーチャーも地味で、わざと顔を映さなかったり暗闇で撮影したりして誤魔化しているのが見え見え。存在感のある人物造型や知性を窺わせる台詞には感心させられる部分もあっただけに、もったいないと感じた。この頃もっとお金が使えれば、傑作になっていたのかも。[ビデオ(字幕)] 5点(2006-03-21 21:54:51)

414.  オリバー・ツイスト(2005) ポランスキーがなぜ脚本を読んだ時点でやり直しを命じなかったのか理解に苦しむ。ジョン・アーヴィングが絶賛しているというのもとても信じられない。最大の欠点は登場人物の心理描写が不充分で感情移入することができない、という非常に基本的なこと。  まず題名に主人公の名前を冠しながら、主人公に共感するのが困難であるというのは致命的。オリバーが家出して一人ロンドンまで旅をする下りまではまだよかった。それ以降の彼ときたらただただ泣いているだけ、運命に翻弄されるがままで、自ら道を切り開こうという意志はどこにもない。喜怒哀楽の基本的な心理描写も少なく、はっきり言って空虚なキャラクターだ。  しかも信じられないことに、クライマックスが近づくに連れて主役の出番が減っていき、存在感すらなくなる。こんな少年がただ幸運だけでのし上がっていく姿を見せられても、カタルシスも何もあったもんじゃない。  共感できないのは脇役も同じ。命を懸けてオリバーを援助する人々が登場するが、彼らがそんな行動に出る動機がほとんど説明されておらず、ここでもやはり観客は置いてけ堀にされてしまう。オリバー少年には涙で母性本能をくすぐる特殊能力でもあるのか?? 薄っぺらいのは敵役も同じで、重要な役割であるはずの殺人犯は凡庸でインパクトに欠ける。唯一厚みを感じられた登場人物はオスカー男優キングスレー演じるフェイギンだが、彼ですら中途半端な人物造型であることは否めない。  それなのにストーリー展開はちょっと目まぐるしすぎるほど速い。原作が長大なのはわかるが、もう少しやりようがあったと思う。だいたい予告編で紹介していたあらすじとはけっこう印象が違っていて、微妙に誤解させるように宣伝していたとしか思えない。  どんなにリアルに十九世紀のロンドンを再現したとしても、そこに息づく人々に血が通っていなければ面白いはずがない。ポランスキーは子供でも観られる作品を作りたかったそうだが、その結果がこれだとしたら子供をバカにしている。大人も子供も楽しめない、しょうもない凡作。[映画館(字幕)] 5点(2006-02-10 02:17:07)(良:3票) 《改行有》

415.  Dolls ドールズ(2002) ある意味、究極の純愛映画でしょう。「最も危険な性的倒錯は純愛である」と言った作家がいましたが、それを端的に表している。無償であることが愛情の本質だとしても、あまりにもその精神が純化してしまえば狂気と相違ない。映像も綺麗といえば綺麗だが、できすぎた感のある美しさは逆に怖い。自然色にしては色彩が鮮やか過ぎて、美しさを超えてほとんど空恐ろしい気持ちになる。登場人物たちの純粋さもこれと一緒。  ただし、個人的には北野さんの演出があまり好きになれないので低得点に。台詞の抑揚のなさは北野流のリアリズムなのだろうが、やりすぎていて却って不自然だ。「かっこつけない」というポーズをとることが一種の「かっこつけ」であるように、演出も極端に抑制すれば、過剰に演出しているも同然になる。わざとらしく、リアリティが感じられない(フィンランド人から見たカウリスマキなんかもこうなのだろうか? 外国語で聞けば抵抗が薄れるとか……)。とくに肝心の中心となるエピソードに首を傾げるような部分が多く、冒頭で笑う人たちの演技からしてすでに嘘臭さ全開、結末もギャグすれすれ。人形浄瑠璃の映像については知識がないとまったく理解できない。ヤクザネタにもううんざりしているのは自分だけだろうか? なくてもなんとかなったんじゃないかと思えてならない。  映画のテーマは悪くないと思うのだが、その提示の仕方に傷が目立つように思えた。[DVD(字幕)] 5点(2006-01-09 10:05:33)(良:1票)

416.  鮮血の美学 コアなホラーファン、あるいはその業界の人ですら「非常に不愉快」と評するこの作品。ドキュメント『アメリカン・ナイトメア』によればヴェトナム戦争の影響を多大に受けた作品らしく、現実のニュース映像の射殺シーンをなぞるような映像もある。生理的に気持ち悪いというのもあるが、何より脚本にまったく救いがない。罪のない少女が暴行されたあげく惨殺され、少女の両親がたまたま出会った犯人たちに常軌を逸した復讐をするというストーリー。名匠ベルイマンの『処女の泉』という神話的な作品を下敷きにしているとのことだが、宗教的な救済のもたらされる『処女の泉』に対し、本作は「この世に神なんているものか」という呪詛の言葉が聞こえてくるかのようだった。きっと監督は自身のトラウマ、狂気を消化するために、この奇妙な映画を製作せずにはいられなかったのだろう。心的外傷を受けた子供は遊びの中で辛い出来事を再現するというが、ヴェトナムという地獄を経験したあとではこんな形で世界に対する悪意を発散するほかなかったのかもしれない。内容にまったく合っていないコメディの要素を取り込んでいる辺り、正気じゃないなあと思う。[ビデオ(字幕)] 5点(2006-01-03 06:46:32)

417.  ハモンハモン つまらないんだけど、ある意味ではものすごく面白かった。何度も「えええええ?」と目を疑う展開が待っていた。「は? そこで関係しちゃうの?」という。登場人物の関係を図にしたらマジでとんでもないことになる。貞操観念が動物以下です。本当に欲望のままです。途中ペットの子豚が死んでしまい、哀しみつつも丸焼きにして食べてしまうというシーンがあったけど、あれがこの映画全体を表している。欲求がすべてのモラルを超越する(笑)。いや、モラル以前に、こいつら何も考えてないんじゃないか? 『ソウ』よりも遥かに意外なラストシーンは誰にも想像できないであろう、バカすぎるラブストーリー。自分もぜひスペイン人に生まれたかった。[DVD(字幕)] 5点(2005-12-13 11:10:16)

418.  初恋のきた道 どうしよう、わからない…。気持ち悪かったの一言。今回ばかりはおすぎに同意する。途中までは可愛らしいと思っていられたのだが、二人ですごい笑顔を見せながらすれ違うシーンで引いた。このキモカップルをどうしてくれようかと思った。普通に走って馬車に追いつこうとする場面では戦慄。望月峰太郎のストーカーマンガ『座敷女』の、異常なスピードで追いかけてくる女を思い出した。と思ったら案の定転んでお弁当を地面にぶちまけて泣いている。そんなベタなことはさすがにやるまいと思ったのに、マジでやるとは…。  自然の風景や食事の温かみなど、雰囲気的にはいいと思える部分もあったのだけれど、どうしてもこの少女に感情移入することができなかった。たぶんチャン・ツィイーが致命的に好みではないのが敗因だろう。なにしろどこが可愛いのかが理解できない。顔はいいけど、おさげもいや、仕草もいや、笑顔もいや。純情ぶったぶりっ子にしか見えない。なぜ他の方はみんな褒めているのか? 自分の好みがマニアックだとか? いやいやそんなはずは…。 生理的に受けつけなかったので、本作を楽しめる人たちを羨ましく感じる(皮肉ではなく)。[DVD(字幕)] 5点(2005-12-09 09:30:55)(笑:1票) (良:2票)

419.  ゴジラVSビオランテ タイトルバックのダサさから引いた。音楽もダサくて引いた。スーパーX2というネーミングにも引いた。外国人俳優の演技力にも引いた。超能力少女にも引いた。大空に浮ぶ少女の顔にも引いた。あらゆるセンスの賞味期限が切れている。 オープニングの銃撃戦からあまりにもしょぼいので嫌な予感がしたが、全体的に突っ込みどころが多くて疲れる映画だった。面白い場面もないわけじゃない。自衛隊の動き方がリアルで、ゴジラの口に向けて普通の人間が引き金を引くシーンはかなりかっこよかった。高嶋の弟さんの役柄もかっこいい。でも欠点が多すぎてやっぱり高い点はつけられない。 怪獣ものとしては傑作というのが一般的な評価のようだけど、とても信じられなかった。[DVD(字幕)] 5点(2005-10-06 06:26:13)

420.  キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 有名監督が絶賛する価値があるのかな? 「イーサンはホラー映画の未来だ」だそうだけど、目新しいものはなくむしろ「過去」を観ているような気がする。理解不足のためか、面白さがよくわからなかった。後半の展開はまったく予想がつかないが、むちゃくちゃ過ぎて怖くない。  別に陸の孤島というわけでもないのに、都合のいい偶然の連続で逃げられない。どれだけ不運なのか。それに、あの店の連中は一体なんなの? 平気で死体を焼く警察といい、この地方の連中みんなおかしいよ。あの伝染病は風土病かなにかで、彼らはもう慣れてるんだろうか? 主役の突然の冷徹さも意味不明。残るは疑問ばかり。 そしてこの残酷さと牧歌的な雰囲気を併せる結末、古典ホラー『2000人の狂人』からそのまんま引用している。観た人の3%ぐらいにしか伝わらない上に、笑いにもならないパロディはパクリも同然。そもそも元ネタの方が断然怖かったし、なにがしたかったんだ? ホラーにはそれなりに詳しいつもりだが、こういうマニアの内輪受けを狙った狡すからいネタは好きじゃない。[DVD(字幕)] 5点(2005-10-04 22:49:29)《改行有》

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