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421.  ジェロニモ(1993) 基本は友情が交錯し青年が成長する話。前半、保留地の暴動のあたりがイキイキしている。発砲の瞬間、フィルムに白いコマをはさんでいるみたい。ただ後半はちょいと演説的になってもたれる。難しいところだ。インディアンの扱い。ちょうどアメリカ映画史において西部劇がたどった苦難をなぞるように、この映画も後半停滞していってしまう。スカッとはいけない。こういうときアメリカは、すべての集団の中に、イイヤツと悪イヤツがいる、ということで処理していく。しかし追い詰められるアパッチ族の悲壮感が今ひとつ湧かず、平和を説く古老なんかを配置するのは、段取り過ぎて鬱陶しい。切り捨てられる斥候インディアンのほうに、悲惨を感じた。西部劇は荒れた土地があればだいたい撮れちゃうから、時代劇よりいいね。[映画館(字幕)] 6点(2010-12-17 09:56:11)

422.  マンハッタン殺人ミステリー 《ネタバレ》 これなんか別にテーマを掘り下げるとか言うんじゃなく、ほんとに軽く作った感じなんだけど、うまいよね。D・キートンの倦怠主婦のイキイキぶりが眼目で、「巻き込まれ型」ならぬ「強引な自分からの巻き込ませ型」ミステリー。現代生活における最大の謎は「隣人」ということで、『裏窓』の匂いもある。忍び込んでしまうあたりの、やり過ぎによるイキイキぶり。眼鏡をベッドの下に忘れる、いうオチもついて。死んだはずの夫人を目撃してから第二幕。エレベーター、追跡、溶鉱炉というトントン拍子の展開も何かおかしい。この人の映画では「4人」というのが一番安定するみたい。男2女2で、それぞれ線が引かれあう。そして最後に『上海から来た女』のスクリーン裏で、さらに鏡を使ったシーンで、視覚的なポイントを作っている。[映画館(字幕)] 8点(2010-12-13 10:09:23)

423.  トゥームストーン 《ネタバレ》 西部劇映画の祖である大列車強盗で始めて、ワイアット・アープの葬儀に西部劇俳優が涙したというナレーションで終わる。西部劇と西部劇史を重ねたような気分があり、そこらへん徹底すれば面白いものができたかも知れない。なんか尻すぼみ。神父をあっさり殺すリンゴの登場のさせ方なんかもいいんだけど(生まれてきたことに復讐しようとしている男)、変に湿っぽくなったりもする。阿片中毒や銃規制や女性の地位の問題とか、なんか現代に色目を使っているようなとこが露骨で、不純感。「酔ってて二人に見えるだろう」「そのために二丁持ってるのさ」。ワイアット・アープものではドク・ホリデーが大事で、西部劇常連のキャラクターの中でも、魅力的な存在。肺病やみで医者くずれで賭博師と、ロマンの要素をたっぷり持っている。この黄金のコンビが出れば、それだけである程度は見せてしまうとこがある。撃ちながら前方に走っていく姿勢というのは、誰がやってもかっこいいなあ。[映画館(字幕)] 6点(2010-12-11 09:58:16)

424.  愛と精霊の家 長編の映画化は本当に難しい。総集編になってしまう。弟たちをカットして女系の線でまとめたのは仕方あるまい。それでもエステバンという人物の複雑さは出せなかった。いっそエステバンだけに絞るという手もあっただろう、「『愛と精霊の家』より」、として。メリル・ストリープは、まったくの死に役、グレン・クローズに負けた。風土は南米でも監督の北欧の気配がところどころある。空気の濃密さが感じられないとか、少女たちは北欧っぽいとか。大河ものってのは忘れたころに人物が再登場するところにドキドキがあるんだけど、この時間だとそのタメが足りなくて、ドキドキにまで至らない。私生児はまだしも、あの娼婦なんかオッという感じがまったく出ない。まあ豪華配役陣を眺め回す楽しみはあった。[映画館(字幕)] 6点(2010-12-03 10:27:10)

425.  押繪と旅する男 話を膨らませた部分がどうか。つまり現代の部分、図書館で引きずられていくあたりの背後との隔絶感にちょいとした味はあったものの、余分なものの気がする。兄の生き方の対照物として特高を持ってきてしまったので、ベクトルが浅くなったというか。レンズ狂ということ。双眼鏡・のぞきからくり・蜃気楼、なるほど「楼」ということで、また「十二階」に戻ってくるか。老人・少年が見上げた十二階が、まさに蜃気楼だったわけだ。兄さん兄さん、と追いかける境内のあたり。ラストの砂丘に過去の人々が点々とサイレンにうながされて蜃気楼を見つめている図は美しい。[映画館(邦画)] 6点(2010-12-01 10:03:41)

426.  カリートの道 「昔気質の男」と「バカ」は紙一重。チンピラに突っかかってみたり、裏切りかけてることが分かってる男に女を駅に送らせたり、それが「昔気質の男」ということで昇華されるかというと、どうもそこまではいかず、「ちょっとバカじゃないか」という感じと微妙なところになる。弁護士への友情も「昔気質の男」というだけではイマイチ説得力不足なんだ。おそらくパチーノだから「バカ」に一気に傾かないでいられたんだろう。最初の少年が殺されるシーンのだんだんヤバい感じが濃くなってくるあたりとか、ラストの駅のあたりが見せ場だが、長い2時間25分の代償としては、ちと物足りなく思えた。最後に「努力はしたんだ」って言われてもなあ。ペネロープ・アン・ミラーいうのは面白味のない顔だ。南米のリズムがあふれるのはパラダイスのイメージか。[映画館(字幕)] 6点(2010-11-30 10:15:10)(良:1票)

427.  木と市長と文化会館/または七つの偶然 《ネタバレ》 とにかくいつものように人々が喋りあう。対立してはいるんだが非難には至らず、グツグツ煮込んでいるような楽しさに転じていくところが、この監督の人柄か、けっきょく庭を開放してのルノワール的パーティーでのミュージカルになってしまう。こうくるとは思わなかった。ドキュメンタリー的なインタビューシーンの対極のよう。それぞれが自分の主張を歌い、何も本当の解決にはなっていないんだけど、人の世の楽しさを遠望するような位置に監督は退いていく。これ少しズルいなあって気もしたが、少女によって導かれた夢として見るべきなんだろう。ぜんぜんカドがない世界。登場人物のすべての出会いが実になごやかなんだ。市長と教師の娘との出会いに至るまで。どこでも市長ってものは文化施設を造りたがるのか。もっとも建設業界からのリベートのために建ててるんではないらしいところは違う。[映画館(字幕)] 7点(2010-11-27 09:59:28)

428.  豚が飛ぶとき 一応アメリカ映画なんだけど、ドイツで撮っている。カメラはロビー・ミューラー。くすんだ色調、とりわけ幽霊のいるシーンでのがいい。夕方の散歩、長回しの移動、ぼんやりと幽霊たちがたたずむ、二重写しという初歩の技術の美しさ。サイレントを観るようなアンティークな哀感。主人公の夢と犬の夢で始まるあたりも、サイレント的だったし。椅子の引越しシーン、窓の外を運ばれる椅子に少女が横向きにつかまっている図。話の根本は典型的な「現実復帰もの」。幽霊の助力で、過去から現在へ。失われたもの・過去のものを描くときに気合いが入る、ってこの頃の映画の傾向だった。幽霊ってのは「失われたものが、でも何らかの形で存在していてほしい」って願いが生むものなんだな。この幽霊、復讐したいとか呪いたいとか、そういう感じじゃないの。娘を心配してる「想い」が主。それが哀感につながっている。[映画館(字幕)] 7点(2010-11-24 10:15:25)

429.  トリコロール/青の愛 《ネタバレ》 映像や音響の格調の高さと、ストーリーの俗っぽさをどう捉えるかだ。死さえ望んだ未亡人が、生きようと回復するまで。子を失った悲しみから、愛人の子を祝福するまで。これとヨーロッパ統合との兼ね合いが、もひとつ見えてこない。「青」は「自由」なんだけど、孤独という自由の話と見ていいのか。音楽が唐突にやってくる効果。音楽だけでなく、ドアを叩く音とか、音一般が計算されているよう。そのことが作品にどういう効果を与えているのかまでは分からない。母親が見ているテレビはいつも危ないものばかり。宙吊りとか綱渡りとか。まさかこれがヨーロッパ統合を暗示してる、ってんじゃないと思うが。そういった個々の部分は気になるものばかりなのに、それの作品への効果が分からない。その統合されなさが、ヨーロッパの未来だ、ってんじゃないでしょうね。ほとんどヒロインのみを追っていくドラマ。[映画館(字幕)] 6点(2010-11-19 10:02:42)

430.  キリング・ゾーイ 《ネタバレ》 殺伐としてますなあ。実人生ではもちろん、あんまり映画でも会いたくないタイプの人間てのはいるもんで、でもたしかにこういう連中は世の中にいるなあ、とは思う。退屈すらしていない連中、怒ってもいない。世間との共通の土俵をまったく見出せない連中。たとえば深作の『仁義の墓場』なんかもそれに近かったが、あそこにはニヒリズムがあった。それすらない。だからダチ公的な友愛が描かれるわけでもない。このとにかく否定文でしか表わせない人種を描くことには成功している。でももちろん観ててスッキリとは全然しないわけで。銀行の外の警察を描かないのは、演出意図か、予算の都合か。人質が殺される、ってのは、この映画に限らず、どうも観ててすごく嫌になる。範囲は狭くとも、絶対的権力を握った者による権力の行使だからだろうか。[映画館(字幕)] 5点(2010-11-18 10:17:11)

431.  ニードフル・シングス 《ネタバレ》 中世的な悪魔観を、現代に持ってきて押し通す、というのも趣向ではある。現代の怖さは、よそ者を悪魔に仕立て上げていくメカニズムのほうだと思うが、そういう昔の趣向で作られる話もあってはいいと思う。でもあえて古風な「よそ者=悪魔」観を持ってきた成果は感じられなかった。町の仲間たちの中の悪は「よそ者」によって操られていたということにして町の純潔は保たれ、やはり「よそ者」であったエド・ハリスは町の人間と結婚することで受け入れてもらえる。これならまだ中世の物語として作ってくれたほうが後味はいい。そもそもなんでそんな大物の悪魔がこんな小さな町に来たのだろう。まあ、大物の怪獣が小さな島国にやたらやってくる例もあるからな。[映画館(字幕)] 5点(2010-11-15 09:33:26)

432.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 よくできたスモールタウンもの、と思って観ていたが、ラストがいいので、ワンランクアップする。ずっと水のモチーフで展開していたのが(給水塔はおいといても、プール、キャンピングカー横の池、風呂場、ともっぱら凶々しいイメージ)、ラストに至って火を迎える。監督の母国の神秘主義にも通じていくような象徴性が感じられ、カメラも『処女の泉』や『サクリファイス』のスヴェン・ニクヴィストで、水と火の対比はお手のもの。また屋外に出される家具、ってのがなぜか映画では興奮させられるのだ。家と一体になっていた母を弔う方法。最初はただ恥ずかしいという受動的な思いだったのが(近所の子どもを窓から覗かせてさえいた)、彼女を笑いものにさせないという能動的な決断に至るわけ。アメリカの青春ものではあるけれど、どこかちゃんと高緯度の風が吹いている。[映画館(字幕)] 8点(2010-11-14 10:20:29)(良:1票)

433.  永遠の愛に生きて ルイス氏は、おそらく相手の生命が限られていることを知って、それで初めて安心して愛せたのではないか。彼女が死ぬ予定なので、未知の社会の部分としての他者ではなく、彼の閉じた世界に組み込まれる存在になれた。彼女との愛は、彼にとってたしかに彼の世界を膨らませはしたけれど、閉じていることに変わりはない。そこらへんにもっと焦点を当てて展開してくれると、「愛」についての面白い切り口になったと思われるが、終わってみるとただの純愛賛歌ものになってしまっていた。でもいかにも英国的。A・ホプキンスはつまり『日の名残り』と同じような役をやったことになる。閉じた世界の王様。田舎のホテルでのソワソワするところなどいい。兄弟で暮らしてるってのも、すごく英国的な感じ。ああそうか、この閉じてる感じが、英国っぽいのか。[映画館(字幕)] 6点(2010-11-12 10:35:26)

434.  トリコロール/白の愛 ポーランドとフランスの二極。ポーランド人の夫はパリへ行ってインポになり、フランス人の妻はワルシャワで拘禁される。そういう「平等」。彼がやったのは復讐だったのかどうか。とにかくこの監督は東と西の「うまくいかなさ」ということをいつも心の底に置いている人で、双眼鏡で覗くこと・つまり「憧れること」でしか関係を持てないのではないか、といった諦観もうかがえる。冒頭、鳩に糞をかけられるのも、冷戦後の世界もそんなにいいものではないぞ、と言ってるよう。全体軽妙な味はあるものの、この時代ポーランドが抱いていた夢のはかなさと通底している。音楽はタンゴ。[映画館(字幕)] 6点(2010-11-05 09:59:07)(良:1票)

435.  アリゾナ・ドリーム 何となく『ガープの世界』を思い出した。ああいう「半ファンタジー」系の作品。亀が犬の世界と魚の世界をつなぐ。ニューヨークの現実からアリゾナの田舎に戻ると幻想味が増してくるの。幻想としての故郷。自動車の墓場にドアを持って立つ人なんか、寺山修司的だし。笑いはややヒステリカルで、なにかというとアコーディオンを持ち出してきて、ラシドーシーラー、ラシドミシドラー、とやる娘の胆汁気質がおかしい(全体の音楽はゴラン・ブレゴヴィッチ、冒頭の11拍子からいい)。けっきょく青年の成長もの、ってジャンルになるのか。どこか南米寄りのファンタジーの気配があり(椅子がフワフワと浮き出したり)、東欧と南米って、どこかでつながってるのかな、と思った。全体のとりとめのなさを、許せるかどうか、観たときの気分で評価が変わる映画だろう。[映画館(字幕)] 6点(2010-11-02 10:45:20)

436.  スナッパー アイルランドが舞台の映画はなぜか好きになってしまう。騒々しい家庭、騒々しいパブ。こういう「長屋の暮らし」的なホームドラマは、昔の邦画が得意にした世界だよな。しゃべるしゃべる。しゃべらない母が押さえ。カット数も多い。まあ下卑た顔をよくも四つ集めた、というような娘たち、それがしだいに懐かしく見えてきてしまうから不思議だ。それに対し男たちはひたすら純情。そういう世界。俗に俗に徹していって、出産の聖性を際立たせている、さらに「家族」というものの聖性も。赤ん坊のオッパイのゲップと、トーサンの黒ビールのゲップがダブる仕掛け。サラリと撫でただけの現状肯定より深く、どうしろこうしろ、こうして子孫が続いていくってのは悪いことじゃない、と思わされる。人間に関して新たな発見を誘う映画ではないけど、終わって実にいい気分になっている。他家のテンヤワンヤって、どうしてこうホノボノ面白いんだろう。原作・脚色は『コミットメンツ』の人。[映画館(字幕)] 8点(2010-10-31 10:47:53)

437.  ネイキッド(1993) 《ネタバレ》 オデュッセイのロンドン版と思えばいいのか。遍歴して帰還する話。どこかディケンズの時代をほうふつとさせる夜。いささか上滑りな哲学的会話。しだいに暴力・迫害があらわになってきて、チンピラどもに殴られたりする。冒頭、ジョニーがマンチェスターでレイプしていたような路地で。そして帰還。女の肯定、これはジョイスのユリシーズならyesの部分にあたるのかな。でも、ここでとどまらず、ユリシーズはまた放浪に出ていくところで終わる、っていうんだがね。世の中に拗ねているこの主人公は実にくだらない奴なんだが、それと作者との距離が、イマイチ分からなかった。批判的に見ているわけでも、共感しているわけでもなく、ただ純粋に観察してるってのがポイントなのかも知れないけど、映画観てる方としては、これだけ付き合う価値があるのか、とか思っちゃう。会話の重みなどカサヴェテスに近いが、あの「演じつつ他者と接触する緊張感」みたいなものはない。それがネイキッドってことなのか。でも、衣装への意識がないと、ネイキッドにもならないと思うんだけど。[映画館(字幕)] 6点(2010-10-29 10:09:57)

438.  わかれ路 二人の女の間でうじうじする男。そういう状況を状況として丁寧に描くのは日本映画の得意な世界なんだけど、あちらだと短編小説的なキッチリした展開とオチが必要となる。あのラストを生かすとするなら、女の取りっこの話を中心にすべきでしょうな。どちらも最後に勝ったのはアタシだと思う。三方一両損の裁き。男はもっと後退させるべきでしょう。そこらへんで、あちらとこちらの違いを考えさせられた。妻に愛人らしいのができるとスネたりする情けなさは、あちらもこちらも変わらず。迷ってるときにジイサンと孫とを登場させ、家庭への思いと赤毛への思いを引き出すあたりは納得できる。[映画館(字幕)] 6点(2010-10-27 10:07:55)

439.  カルネ 人の顔を見せずにてきぱきと設定を展開していく冒頭のあたり、小気味よい。「注意! 感受性を傷つける危険な部分があります」と出て注意を引きつける(期待させる?)悪趣味なユーモア感覚。字幕の効果的用法は、ゴダールゆずりですか。分解写真的カメラの回りこみ、ズームアップ、フェイドアウトして肉切り包丁のような低音がズン、などなど、いかにもフランスのエスプリって感じが横溢。話は、鬱陶しさへの耽溺とでも言うか、父と娘の危うい関係への耽溺ね。思い切って溺れ込むことでのみ得られる手触り。卑しめられるもの、馬肉・デブの女・テレビ活劇らの、なんらかへの復讐といった気配もある。少なくともこの馬肉は、現代社会が見たくないものの側に埋まっている。全編を覆うドローンとした色調。[映画館(字幕)] 6点(2010-10-25 10:04:37)

440.  マイ・ガール2 まあ「幻滅を越えて」というやつで、母に対する抽象的な神格化が、具体的な愛着に落ち着いていく経過。移民の街としてのロスが描かれる。日系人にブダペスト自動車修理所。このアンナ・クラムスキー嬢、前作でちょっと気になってたんだけど、少女から娘へと成長してましたが、なんか微妙に味わいは失われていた。ここらへん変わるお年頃なのね。少女のときに見せた味わいを持ったまま、娘に成長していくってのは難しいもんだ。あらためて少女スター出身のスターの偉さ、あるいは彼女らがそこを乗り越えるときにあっただろう葛藤を思った。相手のオースティン・オブライエン君てのには、もう少し見せ場を作ってやっても良かったんじゃないか。歴代大統領でニクソンぐらい安心してからかいの対象になるのはないな。[映画館(字幕)] 6点(2010-10-22 10:06:25)

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