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プロフィール
コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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441.  暗殺教室~卒業編~ 《ネタバレ》  前作はそれなりに楽しめたのですが、今回は退屈でした。理由は簡単、シリアスなシーンが多かったから。  この物語って基本がバカじゃないですか。マンガだからこそなお話。それを無理矢理映画にしてみましたって状態は、そういうものだって割り切ってこそ楽しめる世界だったわけで、そのバカの枠の中でシリアスになられたところで、一体何を言っているのやら、って興醒めしてしまうばかり。  前作って音痴な映画だったわけですよ。ちゃんとした流れになってなくて、ぎこちなく映像が羅列されている状態。それでも殺せんせーを巡るネタ集だからこそ楽しめたわけで。今回、流れてない、ぎこちない映像の羅列で音痴なままシリアスになっちゃいましたから、不出来さばかりが目立ってしまって。  エピソードやキャラの流れをちゃんと作ってなくて、そこそこ流れがあったのは殺せんせーと主役の少年くらいで、あと全員ほっぽり出されたまま終了みたいな状態。スナイパーや大ボスなんてあれで終了なのか?ってくらいにエピソードどころか必要な映像自体が足りません。  殺せんせーの過去の真相が全て殺せんせーの語りによる回想映像に頼っているのも(いや、正確には殺せんせーの記憶には存在し得ない部分があるのが不自然なのですが)安直で流れを阻害しています。  原作がそもそもそうなんでしょうけれど、1000人以上を殺した元暗殺者が、ちょいといい人っぷりを見せたけど(ちょっといい事して褒められる不良の超拡大版みたいなモンだ)最終的には中学生に自分を殺させるって話なわけですよ。そんなもん、ネタとして笑ってみせるべきでしょ? 中学生に殺人をさせた上で感動してくださいね、っていうのはアリなの?っていう。感動を必死に押し付けてきますが、そもそもそれは感動させていいような性質のものなのか?って疑問ばかり。  月を破壊したとか地球も破壊するとかの大風呂敷広げた設定がセコく収まってしまうのが肩透かしでガッカリですし。  不満点の多くは元々の原作の限界点なのかもしれませんが、それにしても映画は映画としてそこを超えてゆく道というのはあったと思います。でも、こんなぶつ切れエピソードの羅列じゃ更にそこの下を行くしかありません。  映画として原作の徹底的な再構築が必要だったんじゃないかと思いますが、そこまでの余裕は無かったんでしょうね。その余裕の無さが映画ってモノ(この作品のみに止まらず)をダメにしてゆくのがやりきれないなぁ。[映画館(邦画)] 4点(2016-04-04 20:14:17)(良:1票) 《改行有》

442.  レヴェナント 蘇えりし者 《ネタバレ》  ジャパンプレミアで鑑賞。  大自然という名の神の下で剥き出しの生と死の闘争を繰り広げる生命達のお話。言いたい事は大体1時間程度で判る映画なので、上映時間2時間37分が長い長い。  ディカプリオ頑張った、撮影大変だったね、っていうのは伝わってくるんですが、意外と期待したよりも映画の中の空気は希薄な感じ?  題材的にオリジナリティに富んだ作品なのかな?と思ったのですが、『プライベート・ライアン』が『シン・レッドライン』になって突如『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』か!みたいな既視感で散りばめられた映画で、大仰なカメラワークや(監督の前作がそうだったので、仕方ないのかな?)CG使いまくった感じが娯楽大作に針が触れそうな不安定な感じを醸してしまって。  で、それを抑制するかのように大自然ですよ、って映像がマーキング状態で頻繁に挿入されるわけですが、まあ、多用し過ぎかなぁ。  息子を殺されて何もかも失った主人公が、ただ復讐心のみによって生への執着を見せるっていう物語は、最終的にこれは復讐物語ではないんですよ、ってところに辿り着きはするんですけれど、でも主人公はアレはアレで実のところ満足だったんじゃない?彼的に達成感とかハッピーな感じとかあったんじゃない?みたいに感じられてしまって、そんなところも不安定な印象。  あと、過剰に鳴る音楽がやかまし気味。でも試写には珍しくドルビーATMOSで上映されたのですが、これまでATMOSのトップスピーカー(天井のヤツね)の存在ってちっとも実感できない映画が多かった中、今回は確実にソレを実感できる描写がありました。音の移動の演出をじっくりと聴かせてくれて。映画音響マニアにはATMOS上映お薦め。そこかい!ってツッコミ対象なシーンですけど。  見終わって最もずっしりと心に重くのしかかったのは「可哀想な小熊ちゃん達・・・」でした。  上映終了後のディカプリオの舞台挨拶が5分くらいで終了で笑っちゃった。[試写会(字幕)] 6点(2016-04-04 19:36:09)《改行有》

443.  傷物語Ⅰ 鉄血篇 《ネタバレ》  前半、様々なイメージがコラージュされてゆく部分は、それによってモザイク状に作品を構成してゆくのかと思わせましたが、あくまでとっ散らかったままで、後半になると今の日本のアニメの悪癖である声優の長セリフで世界を説明するという毎度のパターンによってあっさりと覆されてしまいます。  となるとそのコラージュはただの独りよがりな遊び程度のものなのかと。それとて前世紀末の『エヴァ』とか『serial experiments lain』とかを思わせるばかりで。赤塚不二夫風や『鉄人28号』もただのパロディ以上のものではないようで。  キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのキャラは面白いと思います。四肢を切断されて瀕死状態でありながらあくまで高ビー(死語)、だけど実は脆い、って。最初の姿はあまり見られないままにすぐ縮んじゃいますが。  さて、最大の問題は映画として成立していない点。主人公が自分の命を捨てる覚悟をしてまでヴァンパイアを救う事によって始まる物語は、ヴァンパイアの手足を奪った存在について語り始め、ダラダラとテンポダウンして退屈になってきた、と思ったところでぷっつりと終わります。起承転結の承の途中でなんの盛り上がりも起伏もないところで唐突に切れて終了となります。あとは続編を見ろ、と。  これで映画として成立する、お金を取っていい商品だと思った人間は馬鹿というか自己欺瞞の世界に陥ってませんかね?  上映時間64分、特別料金1500円。これまでもシリーズものの、1作では完結しない短めアニメを劇場で公開するパターンはありました。でもそれらは一応1作でも見られる程度にはまとめられていました。これはそこまで到達していません。見どころらしい見どころも殆どなく、物語の流れもなく、映画として〆るための工夫すらなく、ぷっつりと。  それ、なんかカッコいいとか、オレってスゲーとか思いながらやったんですかねぇ。お金払って見てる側からすると何かとっても、みっともない映画っていう感じで。点数なんかあげられるシロモノじゃありません。  アニメファンはいつまでもこういうアニメを認めてちゃダメなんじゃないでしょうか。お金を取る以上、ちゃんとした勝負をしましょうよ、って。入場者特典で釣れば中身なんてどんなモンでも構わないなんて思うような連中をこれ以上増長させちゃいけません。色々な人が不幸になるだけ。[映画館(邦画)] 0点(2016-01-25 20:50:46)《改行有》

444.  ガールズ&パンツァー 劇場版 《ネタバレ》 【一回目】「何コレ? ちっとも話判んないけど、そんな事どうでもいいくらい面白いわ。ただ戦車がどつきあうだけのアニメにこんなにいっぱい見せ場のバリエーションがあるなんて。つーかなんてエキサイティング!」 →TVシリーズ版ブルーレイ購入、全話イッキ見。サントラDL買い。 【二回目・立川極爆】「キャラは判ったけど世界が何故そんななのかはテレビシリーズ見ても判んない、やっぱりそんな事どうでもいいのね。っていうかこれって戦車が一人格で、中のコ達はその人格を構成する要素みたいな、つまり『インサイド・ヘッド』みたいな? 監督、『クレしん』同様、映画好き丸出し。つーか音響凄い」 →シリーズ4周、アンツィオ戦VODで3回、サントラハイレゾ版買い直しヘヴィローテション。 【三回目】「声優がみんな似たような声質と演技でキャラ50人くらいを7~8人で分担してるように感じるし、大洗ですら、うさぎさんチーム、アヒルさんチーム、レオポンチーム、カモさんチームはメンバーの個性分けがあんまりできてないよね。そこら辺は国産萌えアニメの欠点そのまま。だからこそ戦車一台一人格なんだろうけど。でもそれまでライバルだったコ達が大洗の制服を身に付けて参戦っていうのが燃えるし泣けるシチュエーションだわ。つーか泣くわ」 →シリーズ6周、アンツィオ戦6回、TV版サントラハイレゾ版DL買い。 【四回目】「秋山殿~、おケイさん~、チョビ子~。最初はウザかった知波単学園すらも愛おしい、つーかもはや戦車の映像だけで愛おしい」 →シリーズ7周、アンツィオ戦8回、PSVita『戦車道極めます!』限定版購入。 明日は五回目予約済み。ガルパンはいいぞ。 ・ ・ ・ 【十三~十六回目・4DX】4DX史上最もエフェクト駆使しまくってるんじゃ? 後半の大学選抜戦なんてほぼ揺れっぱなしでハードが壊れないか心配になるくらい。臨場感ハンパないですが、感心したのは一方で細やかな設定が成されいる事。メインタイトル部分での大洗の各車両の震動が全部違って、それぞれの「乗り心地」が体感できるって、感動ものです。[映画館(邦画)] 9点(2015-12-26 14:53:49)(良:4票) 《改行有》

445.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》  エピソード4をテアトル東京のシネラマ最前列で見たくらいのリアルタイム世代ながら元からそんなにハマってないシリーズでして。  4、5、6のエピソードの引用によって展開はどんどん先読みできるし、お馴染みのセリフや小ネタを散りばめて、まるでファンが作った二次創作みたい。ファンを喜ばせるのはいいとして、そこから先は?って考えると、ちょっと心許ないかなぁ、と。  なんか微妙に違和感を抱くのですよね。1、2、3がCGに溺れてしまったようなシリーズだった事を思ってでしょうか、ロケセット中心になってあまりCGに頼り過ぎない作りになっています。それが結果として「遠い昔、遙か彼方の銀河系で」ではなくて「最近、どっか地球上のロケセットで」な世界に感じてしまって。  旧シリーズもロケセットを多く使っていましたが、マットペインティングを多用する事で異世界感を醸していた訳です。今回は冒頭のスターデストロイヤーの残骸が横たわる風景こそ、その世界観を強く打ち出していますが、以降は奇を衒うような風景は描かれず、ごくごく自然な世界として描かれ、星ごとの特徴も地球の常識の範囲内。  更に物語は人間中心で明らかな東洋人顔も参入、一方で雑多な異星人たちは背景に留める程度の扱いになってしまって、それが従来シリーズとは違う感じがして。『宇宙からのメッセージ』にアロハシャツが出てきちゃう違和感、アレに近いかな。  これまでのシリーズでルーカスは民族、兵器、風景、生活など雑多な世界を描いてきました。ゴチャゴチャとしてあらゆるデザインで溢れていて。それこそが『スター・ウォーズ』の宇宙だと考えると、今回は世界がやたら狭い感じがします。宇宙空間の描写も少なく(宇宙に出たところですぐハイパードライブに突入しちゃいますし)、「地球のどっか」感が拭えないんですよね。もっとハッタリをカマしてくれてもいいのよ?みたいな。  それでもやっぱりお馴染みのオープニングには心躍りますし、レイとBB-8が魅力的で(レイはもう少し陽気でもいいんじゃないかと思いますが)、なので以降のシリーズにも少しは期待が持てるかな。  ちなみに今回はTOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン7の最前列で見ました。[映画館(字幕)] 6点(2015-12-26 13:54:43)(良:3票) 《改行有》

446.  ジョン・ウィック 《ネタバレ》  私にとってこれは出来不出来以前に「思ってたのと違う」ってギャップが最大の問題点で。  冒頭の、妻を失った男の心の色が映るような映像はいい雰囲気でした。だけどキアヌの元にワンコがやってきてから予告編にあったガソリンスタンド~夜の襲撃でワンコ死亡までがわずか1日半、ワンコが実はほんのちょっとの存在。  その上、キアヌは伝説の殺し屋みたいな扱いなハズが、なんかワリと弱いというか雑なヤツで。  そう、これは私が期待していたセガール映画のような、リーアム兄さん映画のような、「愛するワンコを殺された伝説の殺し屋が圧倒的パワーで組織を壊滅させる話」じゃなかったのでした。  ワンコは単なるきっかけに過ぎず、伝説の殺し屋が悪いヤツをボコりまくる痛快アクションではなく、この映画が描くのは「裏社会へようこそ」。  ロシアンマフィア、死体処理屋、事情を知っていて見て見ぬフリをする警官、裏に通じるホテルに集う人々、そんな裏社会に生きる色々な連中の世界、犯罪者の不思議の国のお話。  だから女殺し屋の末路などはキアヌとは別の流れの中にあったりしますし、肝心の復讐相手を倒すシーンではあっさりと辿り着いた上にロングで相手の表情すら見せずにさっさと片付けて復讐話をはぐらかしています。  期待とは違ったそれが、それでも面白かったかと言うと、うーん、そこそこ?  キアヌの行き当たりばったりな行動はとてもデキる殺し屋には思えません。ヘッドショット基本はいいとして、すぐ格闘に持ち込まれて苦戦しますし、対象の眼前まで迫りながらドタバタを繰り広げた上に逃げられたりしてますし、何と言っても突撃状態の後に敵に捕まって縛られるって状況に陥った時点で失格でしょ。本来は殺されているハズなので、ここで実質的には終了、って状態。  で、そこを救うデフォー、しかし思わせぶりな過去の関係を匂わせつつも、実際にどんな間柄であったのか不明なので、クライマックスの更なる復讐劇もまた盛り上がらず。  でもワンコなんですよねぇ。問題は。ワンコ視点で見てたものだから。ええ。このテの映画で「妻が」とか「娘が息子が」とか言われてもワリとフーンって感じですが、「ワンコが、ニャンコが」ってなるとそりゃ許せん!って。それが実はあんまり重要じゃないなんて、浮かばれませんて。っていうかキアヌ、アンタ何ラストで浮気してんの?[映画館(字幕)] 6点(2015-10-22 21:48:02)(良:3票) 《改行有》

447.  図書館戦争 THE LAST MISSION 《ネタバレ》  前作から何も進歩してないんで飽きちゃった。  相変わらずの戦争ごっこ映画。設定された状況を弄ぶばかりで先にちっとも進まない、何ら解決を見せないって点ではオタクアニメ的で元々の出自がそういうところなのでこうなっちゃうのか、と。酷く狭い世界で閉塞されてるんですよね。  図書館という限定された空間で繰り広げられる戦闘、そこに殆ど外部の反応が無い、外部の参加が無い状態というのはおかしいですよね。一般人はそんな闘争に興味が無い、表現が規制されてもそれを受け入れてしまう、でもそういう松坂桃李の抱く嘆きは実は作品自体にとって「そうでないと都合が悪いから」でしかないと思うんですよね。作品自体の姿勢がそうあって欲しいと願っちゃってる。だから物語は図書隊と良化隊との対立(と暗躍する未来企画)のみで完結していてラストまで社会との結びつきを描こうとしない、作品自体が(或いは送り手が)一般人に対しての希望を抱いちゃいないんです。展示会に集う受動的な人を描いた程度の、外側に希望の芽は存在しないと言わんばかりの描写では閉塞感しか与えられやしません。  結局「表現の自由を守る」という大義名分を掲げてはいても、実際はそういう設定の中で魅力的なキャラを配して戦争ごっこを楽しむ、一方でロマンスもしっかりありますよ、っていう程度のモノにしか思えないのですわ。  で、今回は戦闘中心の映画になっているのですが、単調な戦闘シーンが続いて(お互いの盾に向かって銃弾浴びせる画が延々と)、勿体付けたタメとスローモーションで間延びした感じ。その上、激しい状況で画調も統一しようというのか、女優さんがキレイに撮れておりません。もう少しヒロインをキレイに撮る努力ってのがあってもいいんじゃないかなぁ。闘争の中の美、みたいなのを目指したのだとすれば、なんかあんまり上手くいってませんんよ?と。  アナモフィックレンズの生むレンズフレアの効果に頼り過ぎな感もあって。  状況自体はちっとも動かない(トップの辞任はあったにしても)世界じゃ、幾らでもいつまでも話は作れちゃうわけで、これで上手くいけばまた続編作っちゃうぞ、みたいなのにダラダラ付き合うっていうのもあまり好ましい事じゃないですね・・・[映画館(邦画)] 4点(2015-10-19 22:46:31)(良:1票) 《改行有》

448.  ファンタスティック・フォー(2015) 《ネタバレ》  『クロニクル』に『ベイマックス』を足したような世界の話。  特殊能力を持ってしまうまでのシチュエーションをじっくり描いているのですが、そこに肝心のドラマが無いんですよね。ひたすら状況が描かれるばかりで、それぞれがどういう関係性、感情の流れで結びついていくのか、特殊能力を持ってしまった事に対してどう感じているのか、そこがすっぽり抜け落ちていて。事故後の時間を一気に飛ばした事によって、事故とその結果がもたらした物に向き合う部分が無い状態。せっかくアクションを犠牲にしてまでチームの成り立ちを中心に描いているのに、そこに心が無いのは問題です。  また、仲間だった筈の一人が敵となってしまう、そこからも感情が抜けちゃってて。見捨ててしまった負い目とか見捨てられた事に対する恨みとか、そういうのは無しでとにかくやっつけなくちゃ、で終わっちゃう。その割り切りがクライマックスのアクションすらもスッキリしない結果を招いてしまう訳です。  やっぱりアガるアクションシーンが無いってのはヒーローものとして致命的だと思うんですよね。尺が短いので決して退屈はしない、のでこの点数なのですが、じゃあ何か誉めるべきところがあるかというと、うーん。 各人の特殊能力を駆使したと言えるだけのアクションもありませんし、ラストもなんだか強引だし、マーベル映画定番のエンディング後のオマケは無いし、3か月後には殆ど記憶から消えちゃいそうな映画ではありました。[映画館(字幕)] 5点(2015-10-12 21:24:38)《改行有》

449.  岸辺の旅 《ネタバレ》  予告編は黒沢清監督らしからぬハートウォーミング夫婦モノ路線風なイメージを漂わせていて、ここに至って一体どうしたの?って思っちゃいましたが、フタを開けてみれば『回路』の姉妹編と言ってもいいような紛うことき黒沢清作品でした。  死と孤独に囚われ続けた作品群の系譜から見てこれは必然と言っていいような到達点にも思えます。  ボンヤリとした、表情のハッキリとしない、何を考えているのか判らない恐ろしさ、それはこれまであちら側の存在に現れていたのですが、この作品ではそれが曖昧になっています。表情を持ったあちら側と表情のボヤけたこちら側があり、明確な意志を持ったあちら側と意志のハッキリしないこちら側があり、あちら側とこちら側とで光と影が移ろいゆき、その曖昧な境界線が生む空気が独特の匂いを生みます。  シネスコ画面の片側に寄った被写体と、反対側に空いた空間に存在する空気。窓、カーテン、風、そこに居る何か、居ない何か。不安や緊張を煽る筈のそれが、でも今作に至って、もはや心地良さすら感じるのは何故でしょう? そして逆にいつもは癒しのイコンのような蒼井優が、自己の生を主張するかのような彼女が不安で不気味な存在と感じるのは何故でしょう? それは死の孤独を越えた世界が見えるから? 或いは生の中の絶望的な断絶が見えるから? それとも孤独を中心に据えた概念の中では生も死も大きな差のないフィールド上に存在しているから?  旅の終わりは海。道の途切れるところ。その狭い入り江が決して「解放」ではないその先の世界を示すようで寂寥感を漂わせます。  黒沢清監督の創造する美を表現する言葉が思いつきませんが(「頽廃的」っていうのもなんか陳腐で違うかなぁ)、その沈んだ空気に身を委ねるのが心地良い一編でした。って、心地良い黒沢清監督作品っていうのは、ちょっとやっぱりこれまでと違うのかな?[映画館(邦画)] 8点(2015-10-05 22:17:16)(良:1票) 《改行有》

450.  心が叫びたがってるんだ。(2015) 《ネタバレ》  毎度の記号化されたアニメの言語で描かれていて、それが残念です。  心情や状況は過剰なまでにセリフで解説され、安直に複数のキャラの心の声が響き、説明のための映像が羅列され、アニメーションはただ物語の補助のために機能し(タマゴなんていないって事はセリフではなく映像でそこまでを描ききってくれないかな)、音響は必要な音だけしか鳴らず。特に音響監督は何やってたんでしょうねぇ。極端に環境音が欠如していて、ただセリフだけが聞こえる不気味な静寂が多くを占めていて。予算と時間がないとか、そういう話?  記号化されたアニメの言語って書きましたけど、これ、今のアニメがマンガを起点にしてそれをトレースする形で映像作りをした結果としてのアニメ言語なんですよね。マンガの表現がそのままアニメの表現になっていて、オリジナル作品でありながらマンガ的表現に支配されている、それが問題点。キャラの心の声は普通の映画ではあまり使いませんよね? それを複数のキャラに当たり前のように使ってしまうのはその表現法がマンガを起点としているがゆえ。  さて、でも物語は意外と楽しめました。いや、楽しめたというと語弊があるかな。意外とクるものがあった、みたいな? 心を病むという状態、そこから解放される事、その闇や痛みに向き合う話で。  その、健全な精神の持ち主には本来理解できない、ウザい存在に対していかに理解を示すか、いかに共存するかを描き、また、病んだ人間がいかに他者と生きる道を探れるかを描き、更に病んだ人間を通して自分の中の闇を見つめ、他人の闇を認める事を描き。  現実の世界はこんな都合のいいお膳立てをしてくれる訳ではありませんが(異様に理解力のある人々が解放のための環境を構築してゆくそれは、まるでトーストを咥えた美少女が曲がり角でぶつかってくるが如き話ではあるのです)、これを単なる絵空事として片付けられてしまうとツラいものがあるわけで。  クライマックスのミュージカルの内容とドラマの進行とをシンクロさせる構造など、なんとなく巧くいけそうな部分もあって、でもそれも凡庸なアニメ言語によって微妙なものになってゆくのが、安易に全否定はできないものがあるだけに惜しいなぁ、と思うのでした。[映画館(邦画)] 6点(2015-09-29 23:05:17)(良:1票) 《改行有》

451.  ヒロイン失格 《ネタバレ》  映画として見た時に5点くらいかなぁ、と。  話はありきたり。ドロドロした四角関係がクライマックスで突如都合の良い展開によって想定内のハッピーエンドに落ち着く、それだけ。  光を散りばめた映像もありがち、キーになる夕景は加工感バリバリ。  ドタバタギャグレベルのネタの数々は笑えるけれど、それが流れを作っているわけではなくてバラバラ散りばめられているだけで、シリアスな展開になる後半は姿を消しちゃう。  でも、そんなゴタクをゴチャゴチャと並べたところでこの映画に対してはなんの意味もないんですよね。これは映画でなければならない意味すらないんですから。  日曜午前の新宿のシネコンはほぼ満席で、その95%が小学生からの若い女性、中心層は中学生と高校生。おっさん一人で見に来てるのなんて私だけ。彼女達が大人しく映画を見ているわけもなく、普通の映画館のマナーからしたら最悪、なのだけれども、この映画の場合、彼女達はちっとも間違ってないとしか思えないんですよね。  スクリーンに向かって容赦なく投げつけられるツッコミ、そのツッコミが更に巻き起こす笑いの渦、本当にみんな映画を楽しんでる事が伝わってきて、おっさん場違いっぷりハンパないけどそのリアルガールズトークサラウンドシステム上映によって、この映画を最高に楽しむ事ができました。  彼女達の反応から男と女の捉え方の違いも見えて、なるほどねぇ、って納得したりもして。彼女達からすると弘光は「かっこいい」「ステキ」で、未帆は「ウザい」「重い」「気持ち悪い」そうで。私から見ると弘光は計算高くて姑息なチャラ男にしか見えないんですけどねぇ。男からは嫌われるタイプ。未帆はむしろそのチャラ男の言動に惑わされる犠牲者に見えて。  彼女達の激しい共感を呼ぶ桐谷美玲の弾けまくった魅力がこの映画のチカラ。これまでの主演作は微妙なものばかりでしたが、やっと代表作と呼べる映画に出会えた感じ。  単体で見ると大した事ない映画なんですが、この映画の本当の価値を決めるのはシネフィルだの映画オタクだのなんかじゃないので、点数なんて参考にするだけ無駄なんですよね。映画単体としては5点だけど観客が創造した環境までを含めて完成されたものとするならば10点あげたいです。映画レビューなんて時として全く無力だわ。[映画館(邦画)] 5点(2015-09-27 21:40:57)《改行有》

452.  テッド2 《ネタバレ》  前作面白かったですし、マーク・ウォールバーグ映画(ウォールバーグではなくウォールバーグ映画ね)もアマンダも好きですし。その上、更に好きなあの人もチョイ役で出てきて見ていてびっくり嬉し笑い。だけど今回はなんかしっくりきません。  前作では『フラッシュ・ゴードン』というかなりアレな映画を崇拝していたのに今回はコミコンであまりにフツーに『スター・トレック』や『スター・ウォーズ』出しちゃうあたりの凡庸さゆえ?(『フィフス・エレメント』ネタは微妙なカンジで良かったですが)  それともクマのぬいぐるみが喋って歩いて、だけど中身は下品なオッサンというネタ自体が本来は一発芸状態で、続編を作る事の意味はあまり感じられないから?  いや、それよりヘンにマトモな映画にしようとしてるあたりがどうもねぇ。クマのぬいぐるみの人権の有無ってギャグをマジに語って人種差別問題を反映させるのって、アリなのか?っていう(つーかあのオッサン、そもそも前作のプロローグ部分でクスリで検挙されてませんでした? あの時点で人権があるのか、ただの所有物なのかが問題になっていていいハズなのですが)。  大体、裁判映画として見てしまうとあまりに物足りません。アマンダは新人弁護士として成長してみせていいハズですが、そういうところは見られませんし、モーガン・フリーマンがさすがの貫録を見せるとはいえ、彼がいれば全て丸く収まるっていう水戸黄門の印籠みたいな存在じゃ、闘争の物語にもなりゃしません。  個人的にはヘンにドラマを語るよりも時代を反映させる程度にして、あとはおバカキャラものとして、バディものとして、笑えるエピソードを重ねてくれればそれでいいんじゃないの?と思うんですけどねぇ。  テッドも日本に来ればゆるキャラとして自治体がお気軽に住民登録してくれるのにねぇ。[映画館(字幕)] 6点(2015-09-25 21:57:29)《改行有》

453.  日本のいちばん長い日(2015) 《ネタバレ》  スリリングな会話劇は原田眞人監督が得意とするジャンルですから、その点での面白味はよく出ていたと思います。  岡本喜八版には無かった、陸軍大臣の生活を描く事、昭和天皇の思いを描く事によって、そこに生きた日本人の心を映そうとしているのでしょう。  だけど、ここに登場するのは仕方なく戦争をしていた、戦争をやめる事に苦労する優しい日本人達ばかりなんですよね。なんだか時代の渦に巻き込まれちゃった被害者としての日本人。  他界した父は徴兵で満州に渡り、ソ連に抑留され、終戦よりかなり遅れて復員した経験を持つのですが、そんな父がよく口にしていたのが「軍の上の連中はみんなキチガイみたいになってた。露助の方がよっぽどまともだった。」という話。  あの戦争に存在していた狂気、人を狂わせたもの、この映画はそこから完全に逃げちゃいましたね。無条件降伏に納得できず、クーデターを起こそうとする陸軍の兵士、そこにあった狂気こそがあの戦争の狂気を反映しているのではないかと思うのですが、そこはほぼスッポリと抜けちゃってるんですね。信念とか意志とか、そういう常識の範囲の話になっていて。でも、あの戦争を考え方や立場の違いだけで語られてしまうと、あの時代を生きた人達や死んでいった人達に対して失礼なんじゃないかなぁ。決してスケープゴートを描いとけって訳じゃないですけど。  岡本版はスプラッターホラーみたいになっちゃってるところもあって、アレはアレでちょっと、って思ったりもするのですが、少なくともその狂気がビリビリと伝わってくるのですね。それに対してこの作品は明らかに控えめに、優しく、ヌルくなっていて、それが一体どういう方向に気を遣っているのかいな、って考えるとどうもヤな感じがしちゃうんですよね。  あの戦争に存在した明確な狂気、その狂気がもたらした明確な結果、そこから目を逸らしてあの戦争を描く事にどれだけの意味があるのでしょう?[映画館(邦画)] 5点(2015-09-25 21:03:56)(良:2票) 《改行有》

454.  ロマンス(2015) 《ネタバレ》  小田急のロマンスカーと言えば昔は喫茶店なみのサービスがあって、サンドイッチとアイスティーを頂くのがウチの家族旅行での慣例となっておりました。微妙に鉄分を有していた私は箱根登山鉄道のスイッチバックにも心ときめかせていたものです。  灰色とオレンジの懐かしいボディカラーの箱根登山鉄道が登場するこの映画、壊れてしまった家族の楽しかった思い出を巡る物語に自分を重ねて胸が締め付けられる思い。家族って、壊れたり変容したりするもの。  大島優子ってこんなにジミなお嬢さんでしたっけ?っていうのが最初の印象。仕事はできるけれどつまらなそうに生きてる感じの役で、それがオッサンとの旅でどんどん魅力的になってゆく、そんな映画(つーか、オッサンが買ってくれた毛糸の帽子被った姿を妙にかわいく思ったのね。帽子フェチか?)。  オッサンとの体温やテンションの極端な差がおかしくて笑わせてくれますが、その対話によってそれぞれの事情が徐々に明らかになってゆく、それぞれの痛みがじわじわと溢れてくる、そして映画はその痛みを優しく抱きしめるのでした。  家族が再生するわけじゃない、幸せが訪れるわけでもない、何かが大きく変わるわけではないけれど、過去から現在そして未来へと続いてゆくそのひとときをそっと見つめる、それだけの映画、それだけの物語。[映画館(邦画)] 8点(2015-09-23 21:47:57)(良:1票) 《改行有》

455.  アントマン 《ネタバレ》  傑作でした。マーベルものって事で、これも『アベンジャーズ』絡みの一編ではあるものの、そこら辺のゴチャゴチャした知識なんて一切無くても楽しめる程度の作りである点が良かったです(S.H.I.E.L.D.が出てきたり毎度のエンディング後の映像があるので知識があった方が判るのは確かですが)。  ヒーローになる過程は微妙に長さを感じさせて、もう少し簡潔でも良かったんじゃないかなと思いましたが、冴えないおっちゃんが娘に会いたいがために奮闘する姿がコミカルに描かれていて楽しめました。  あまりアタマのよろしくないワルの仲間達など、物語の足を引っ張るんじゃないかと最初のうちはウンザリしちゃうんですが、これが意外なチームプレイを見せて痛快な存在になってゆき、映画がクライマックスに向かってどんどん加速してゆく感覚にワクワク。  でも最大のポイントはやっぱりサイズの変化によって様々な新鮮な見せ場が楽しめる事。日常空間がスリルとサスペンスを生むバトル世界となり、サイズを活かした戦闘を繰り広げ、そして笑いを生んで。アメコミ映画の濫造によってこの世界での戦いはもはや力のインフレ状態に陥っていた感がありましたが、そんな中でまだこんな新鮮な楽しみを生む事ができるんだ、って感心。  一応、地球のピンチに繋がる可能性云々とかいう話ではあるのですが、大風呂敷を広げずコンパクトなサイズで娯楽エンターテインメントにしていて見やすい作品でした。アメコミヒーローものって世界規模の話なのにごく狭い関係者だけで話が進むみたいな不自然さを感じさせるものが多く、その点、これくらいの範囲だとそれも気になりません。  休日のシネコンには男子中学生のグループがいっぱいいて盛り上がっておりました。やっぱりああいう連中を湧かせてこそのヒーローものですね。  あと蟻めっちゃかわいい。[映画館(字幕)] 8点(2015-09-23 20:54:45)(良:3票) 《改行有》

456.  天空の蜂 《ネタバレ》  原発や国防という今日的問題を描いている点では意欲的作品なのかもしれませんが、とにかく面白くありません。  登場人物の誰にも魅力を感じる事ができないっていうのはどうした事でしょうか。皆、感情を晒しまくって感情と感情のぶつかりあいみたいな状態になっていますが、国家単位の危機的状況下で一体何をやってるんでしょうかねぇ。制限時間が設定された中で、その会話は必要なのか、その行動は必要なのかっていうシチュエーションだらけ。主人公の奥さんなんかぎゃーぎゃー喚いて主人公を足止めするだけっていう、単なる障害物状態ですからね。息子を助けたいのに足引っ張ります、っていう。  主犯の犯行の動機にだって説得力がありませんし(それは作品そのもののテーマに直結している訳ですが、人を上から見下し自らは結局何もできていない中二秒的視点に過ぎません)、実行犯に至ってはただのおかしい人。  その人の背景がちっとも見えてこないんですね。背景が描かれる人まで含めて。映画で描かれただけの背景はある、けれどだから?みたいな。そんな過去があったからってどうしてそんな人になるのやら、って。手塚とおるの刑事など、そこにそんなおかしな人間を配置する事の必然が全く感じられません。堤幸彦的変人、必要でしょうか?  プロの人達がプロの仕事をする、それで十分見応えがあると思うのですが、過剰な個性や感情の味付けが興を削いでしまっている気がしました。  サスペンスシーンは一連の流れをテレビの実況中継で全て解説するという、画に全く自信がない事を吐露しちゃってるような時点でそのレベルを物語っているようなもので。肝心な瞬間はいちいちカメラがヨソ見してますしね。  即物的な画ばかりの映画で、ラスト近くのモックンがそれを受けとめようとするイメージショットはなんだか唐突でしたね。いきなり何が起こったかと思っちゃった。[映画館(邦画)] 4点(2015-09-22 23:29:41)《改行有》

457.  ガールズ・ステップ 《ネタバレ》  毎度のよくあるみんなで頑張ってひとつの事を成し遂げました系青春映画。ベタで固められた、予想通りの展開の世界。  中盤にマイナスのベクトルを与える時間が長過ぎ、そしてそれを打開するためのきっかけとなるエピソードが重過ぎな感じはします。もうあと10分短くして映画全体の重量を軽減した方が良かったのではないかとは思います。割合的にダンスのウエイトが軽くなってしまっていますし。  チアリーダー達の悪役的ポジションだとか、塚本高史の挫折したダンサーだとか、形骸化されたワンパターンっぷりはもう少しどうにかならなかったのか、とも思います。  だけどメイン5人がキラキラと魅力的に輝いていて、いつまでも見ていたいと思う、それに勝るものは無いのです。ほんの短いひとときを歓び楽しみ苦悩して生きる5つの個性。等身大の葛藤を経た上で晴れ舞台に立つ5人の美しさ、それをちゃんと捉えただけでもこの映画は尊いのです。  『ソロモンの偽証』ではホラー扱いされていた感のある石井杏奈が、『魔女の宅急便』で魔法使い少女だった小芝風花が、ここでは普通の少女としての生を見せる、その普通である事の大切さが彼女達の姿を通して伝わってきます。  同じ鎌倉を舞台にした『海街diary』にはそのロケーションの描き方に違和感を抱いたのですが、この作品ではその違和感があまりありませんでした。意識して観光地的なる鎌倉を排除した『海街~』に対して、こちらはベタな観光地風景がバンバン登場するものの、そこを生活の場として生きている、そこに調和している少女達の姿があったから違和感が無かったのかな、って気がします。考えてみれば自分の日々の生活からベタだからと言って渋谷のスクランブル交差点や六本木ヒルズを意識的に避けたらそれはそれで不自然ですしねぇ。  今は邦画が作られ過ぎな気がして、そんな中では埋もれてしまう作品も多々ありますが、これは埋もれてしまうには惜しい作品。同ジャンルの名作・傑作もいっぱいある中、これも善き日本の青春映画の姿を示していました。[映画館(邦画)] 9点(2015-09-22 21:45:42)《改行有》

458.  アンフェア the end 《ネタバレ》  劇中の雪平は殆ど全編に渡って黒のロングコートを着ています。光を反射しない素材で黒髪と共に真っ黒な影になっていて、青白い顔だけが浮かんでいるような、まるで幽霊のような佇まい。父の死の真相を追う雪平が死に囚われた存在だったとするならば、冒頭とラストの裸身から血を流す雪平の姿は生へと動き出した事を象徴しているのかもしれません。  ドラマを一切見ていない私が見た前作の映画は「ワケ判らん」って状態でしたが、今回は前作を見た分だけの知識だけはあって(相変わらずドラマは全く見ておりません)、そしてその分だけは楽しめた感じがします。  悪が幅を効かせる今作は真相を追うよりも追いつめられ危機に陥る状況が長いのでストレスを感じるシーンが多く、また裏切りの物語が続くのでカタルシスは薄い気がしますが、明確な目標が提示され、そこに至るための攻防が描かれる事によってサスペンスを生んでいました。  ただ、前作ほどではないにしろ、やはり謎のための謎、裏切りのための裏切りみたいなトリッキーな部分(それこそが本作のカナメなのでしょうけれど)が明快さを欠く結果になっていて、実のところ本当にこれで完結なの?そう言いつつ更に続編作るんじゃないの?と思わせるような、アンフェアな事ができてしまいそうな部分が残されているのが気になりました。死んだ事をハッキリとは表現していないキャラが何人かおりましたからねぇ。[映画館(邦画)] 6点(2015-09-21 23:43:19)《改行有》

459.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 《ネタバレ》  日頃映画に対して大口叩き気味なこの人達の腕をもってしても『サンダ対ガイラ』の出来損ないみたいなモン作るのが精一杯なんですかねぇ。  あらすじと回想とで前作の映像を使いまくり、エンドロールまで引くと正味77分くらいしかない続編、なのにダレます。キャラやドラマがつまらないのは前作同様(っていうか同時に撮られた、元々は1本に収まるようなシロモノですが)。  長谷川博己のキャラなんかは笑わせたいのかなんなのか。『天空の蜂』でも思ったのですが、シャンパングラス手にするとオシャレみたいなビンボ臭いアタマで作ったビジュアル見せられると本当にいたたまれなくなってしまって。  水原希子の言動には流れがなく唐突で何考えてるんだか、って状態ですし、三浦春馬は単にギャーギャー叫んでるばかり。  それでもまだマシだと思ったのは、物語が意外にも凡庸でありきたりなところに落ち着いた点でしょうか。これでヘンにぶっ飛んで行って観客置き去りなオチを付けたとしたら目も当てられなかったわけですが、フツーになった事で「ああ、フツーですね」って。「大きな壁の内と外、って新井素子かよ!」みたいな使い古されたテーマを特に新しい視点で描く訳でもなくフツーに持ってきました、ってところでここら辺が限界点です、みたいなのが垣間見えて。せめてものバランス感覚、ってところでしょうかね。  ただ、エンドロール後の部分は要らなかったと思います。更にありきたりなアレによって作品世界をもの凄く狭く退屈なモノにしてしまっています。  前編のダレまくるドラマ部分と後編の水増し感。セコい商売してないで一本で公開しようよ。[映画館(邦画)] 4点(2015-09-20 22:28:44)(良:2票) 《改行有》

460.  カリフォルニア・ダウン 《ネタバレ》  娯楽エンターテインメントってヤツです。だからここから何か教訓を得ようとか、メッセージ性が云々とか、そういうのを求めても無駄っていう。不謹慎とかなんとかっていうのも的外れ。  昔ながらのパニック映画。映像的には最先端ですが、お話的にはクラシカルな要素の寄せ集め。科学者や専門家の健闘虚しく大災害が起こって、そこから生き延びようとする人々の苦難が描かれる、それだけ。見終わって何かが残るってほどのモノでもなく。  脚本的にはツッコミどころ満載。ドウェインがレスキュー隊の隊長なのに大地震後は行動が自分の家族を助ける事だけに終始するとか、それどころか津波後のボート大暴走は「それ確実に何人か轢いてるだろ!」とか。あの社長はそこまで悪いヤツか? 知り合った兄弟だって最後には水没する彼女を見捨てたじゃん、とか。留守電に入れたメッセージが結局なんの意味もなかったですし。大地震起きても地下鉄運行してるし。  ロスから娘のいるサンフランシスコに向かうロードムービー的展開に「このパターン、アメリカの安い製作費のチャチなビデオスルーのパニック映画によくある」ってイヤな予感。それでもB級に堕ちずになんとか留まっていたのはやはり映像テクノロジーのお陰ですか。  74年の『大地震』のリメイク的な面があって、崩れるビルや高速道路、落下する人、落下する瓦礫、ダム決壊、降り注ぐガラスなど、映像的に共通する要素が沢山。それが今のテクノロジーで圧倒的な迫力をもって描かれます。映画の中の出来事なればこその、破壊の快感に満ちていて。  でも大地震映画ならセンサラウンドが欲しかったところ。今の映画館の通常の音響設備ではセンサラウンドは再現不可能で(サブウーファー何基入れたってデジタルのブルンブルンした音じゃねぇ)、その点ではむしろ退化。  それにしても『モンスターVSエイリアン』『ゴジラ』コレと最近ゴールデンゲートブリッジはよく落ちます。『猿の惑星:新世紀』『ベイマックス』(アレは鳥居型ですが)『インサイド・ヘッド』にも出てきますし『アントマン』にも出てくるっぽいですし、金門橋、流行り?[映画館(字幕)] 6点(2015-09-16 22:59:46)《改行有》

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