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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
481. アントマン&ワスプ 《ネタバレ》 おお、ステイ・ホーム。序盤は、最近ニュースで見た『おうちでディズニー』を思い出します。 さてさて、序盤から期待させてくれるアントマン。『アイアンマン』『スパイダーマン』そしてこの『アントマン』は、他のヒーローたちに比べるとユーモア指数が高いので妻もお気に入り。スコット・ラングのキャラもさることながら、ルイスのキャラが今作でも光っています。 ルイスのアテレコはもはやシリーズのお約束。今回のは特に面白かったです。プラス自白剤。これから拷問を受けるかもしれないってのに、自白剤に目をキラキラさせるルイス。裏社会の人間も、ルイスにかかるとただのコメディ要員になっちゃいます。 ヒーローものとしては、『強大な敵の不在』『アントマンのスーツの不具合』などの理由により、いまひとつな印象を受けます。ゴースト=エイヴァは倒すべき相手ではなく、救うべき相手ですしね。 それでも前作同様、大きくなったり小さくなったりのスピード感あるバトルは健在なので、概ね満足。ホープの母親も救い出し、エイヴァも助かる。スコットはホープとヨリを戻し、みんな仲良くハッピーエンド。めでたしめでたし。この後味の良さこそアントマン。かと思いきや、エンドロール中にとんでもないことが。ああ、だからアントマンはあの戦いに参加していなかったのね。身内のことで忙しかったから。なるほどー。って、あんなところに取り残されて、アントマンどーなんのー。早くエンドゲームを見なければ!え?その前にキャプテン・マーベルを見ないといけないって?まじかー。こーゆー段取りがこのシリーズの長所であり短所だよなー。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-06-08 04:07:51)《改行有》 482. マイ・ファニー・レディ 《ネタバレ》 イザベラのサクセスストーリーとして見れば、間違いなくこれは『アリ』なんですけど、アーノルドの立場でみると、なんとも言い難い結末。 アーノルドの奥さんデルタ。最初は良い奥さんであり、良き仕事のパートナーだと思っていたのですが、そんな彼女の印象は一変。旦那の浮気は許さんが、自分はセスのところへ行っちゃう無節操ぶり。旦那が他の女性と関係を持つのはだめだけど、自分は良いってか。しかも、コールガールを呼んでいたセスにまでキレるのは意味がわかりません。昔セスを振って今の旦那とくっついたんでしょ?セスが誰と何をしようが、あんたからとやかく言われる筋合いはないよ。 これだったらアーノルドのほうがまだまし。確かに彼は家族がいる身で、風俗を利用した。それは決して褒められるべきではないでしょう。ですがそれ以外に非があるだろうか。彼と出会った女性達は、みな彼からの『言葉』と『出資』で成功し、それを感謝しています。しかもその成功に対する見返りすら彼は求めません。 私は、この映画で一番まともだったのはアーノルドとジョシュだったのではないかとさえ思えるのです。 その二人が一番割を食っている。そのオチのつけ方がどーにも気に入りません。 デルタだけではなく、カウンセラーの女も正直嫌いです。自分本位。自分勝手。二人に共通するのは『人の話を全く聞かない。』このカウンセラーとセスが結ばれてうまくいっているってのは笑い話なのですか?これがコメディなんですか?自分にはさっぱり笑えない理不尽さだったのですけど。私はこのカウンセラーにも、判事と同じくらい不幸になってほしかった。 プロセスは結構楽しめたのに、全体的にこんな結末で残念です。[DVD(字幕)] 6点(2020-06-07 03:57:10)《改行有》 483. ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 これだけがっつり日本が舞台なのに、製作に日本が全然からんでいないっていうのが不思議な感じです。そうできない業界やお役所や法律の問題でもあるのでしょうか。日本を舞台にした映画製作のハードルが高い結果、間違えた日本の描写しか出来ない現状であれば、日本側にも責任の一端はあるのでしょう。 それでもねぇ、日本の役者さんをもっと起用することはできると思うのですが。日本人じゃない人に日本人役をさせる意味がいまだにわかりません。しかもこのグローバルなご時世に。ウィル・ユン・リー演じる原田はとりあえず黙っててください。あなたが口を開くたび気が散ります。 とびはねる剣道。法事に襲撃するヤクザ。まあ、日本のことを知らないとこうなりますよね。かと思えば、ごはんにさした箸は注意するし。『ワタシ、ニホンノ、コーユーブンカシッテマスヨー』って自慢されているみたいです。 シリーズ中最もミュータントが少ないのが物足りないです。こりゃあ評価が低いのもうなずけます。スピン・オフ作品とはいえ、出てくるミュータントがヴァイパーだけじゃあ食い足りなくて当然です。 この作品は『X-MEN』を見せたいわけではないのかも。『ヤクザ』『サムライ』『ニンジャ』『カタナ』と、事前にアメリカ人が見たいものをアンケートにとって、それを順に並べてみました。って感じです。だとしたら『ゲイシャ』もいれなきゃ。ウルヴァリンハマルデムサシボウベンケイミタイダタヨ。時代はどんどん変わるのに、外国とりわけアメリカが日本に求めるイメージって全然変わんないですね。 『新幹線アクション』は面白かったです。そっから先は失速する一方。なにしろウルヴァリン弱い弱い。私がゲーセンで操作していたウルヴァリンは鬼のように強かったんですけどねぇ。 終盤に近づくにつれてアクション面では見所がどんどんなくなって、じゃあストーリーが面白いかっていうとある意味面白いけどそれはファニー的な面白さでありまして。でもなんか怖いものみたさで最後までだらだら見れちゃう感じの作品です。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-06-06 09:02:48)《改行有》 484. ウォルト・ディズニーの約束 《ネタバレ》 実話を元にしているから仕方ありませんが、メリー・ポピンズの原作者であるトラヴァース夫人がまず好きになれません。傲慢。高慢。謙虚さも聡明さも足りません。辛い過去があったのは同情に値しますが、それとこれとは話が別です。こーゆー人とは肌が合わないのです。共感もできません。周りにいる人間が親切な人ばかりだったから良かったようなものです。 トラヴァース夫人以上に気に入らないのがその父親。ヘレンの父と言うべきか。 現実逃避。アルコール中毒。家のことは妻に任せきり。子供に良い顔ばかりすれば、それは子供に好かれますよ。当たり前です。ですがそれが本当の愛情でしょうか。私は奥さんが不憫でなりません。これだけ苦労をかけられた挙句、父親はまるで忠告を聞き入れず体を壊して他界するわけです。娘だって甘やかしてくれる父親にべったり。 そんな父親と原作者ばかりにスポットが当たり、二人を肯定的な目線で描くストーリー構成。私はとてもそんな気分になれません。私はこの父親みたいな人間が本当に嫌いです。 キャストは良い。演出も良い。音楽も良い。みなさん名演だし、そもそも私はディズニーが大好き。ですから良い映画なのは間違いないのでしょうが、私的にはこれはナシ。 え?これって結構好き嫌い別れる作品だと思うのですが、違うのでしょうか。 ただ、この映画を見たおかげで、メリー・ポピンズを見てみたくはなりました。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-06-01 02:52:11)(良:1票) 《改行有》 485. メガ・シャークvsグレート・タイタン 《ネタバレ》 シリーズ4作目にしてやっとまともな映画になった気がします。 面白いかと問われれば微妙な気がしますが、前作までのシリーズに比べれば格段に進歩が見られます。 『え?進○の巨人の超大型○人?』と、ここはつっこまざるをえないほどのパクリ具合。ここまで堂々とパクってくれるともはや清々しい。でも良いんです。このでかい巨人が標準装備でレーザー持っているだけで許します。 ただそのレーザーを戦闘機撃ち落とすのにはがんがん使うのに、メガシャーク相手には全然使ってくれないのはちょっと不満。 そんなメガ・シャーク。今作では遂に宇宙へ。人工衛星を破壊します。ここまでやってくれると笑うしかない。でもこの馬鹿さ加減は良い馬鹿馬鹿しさ。これこれ。こーゆーのを待っていたのです。 CGアクションはシリーズ中最も良い出来。 オススメできる作品ではありませんが、暇つぶしにはなると思います。 前作までを見ていなくても、全く問題がないってのも、メリットの一つです。[DVD(字幕)] 4点(2020-06-01 01:29:36)《改行有》 486. メガ・シャークvsメカ・シャーク 《ネタバレ》 最初のうちは良かった。なんか演技もまともだし。CGもちょっと良くなったし。 だけど最初だけ。後半にすすむにつれて、いつも通りどんどん質が下がる。いや、いつも以上か。 メカ・シャークが人間を襲いだすトンデモ展開。挙句の果てに、『メカ・シャークを海に誘い出せばメガ・シャークが倒してくれるかもしれない。』とか言い出す始末。いいのか?それで?倒すべき相手に助けてもらおうとする、そんな根性でいいのか? そもそもメカ・シャークの持っている武器が魚雷と電圧スキンだけって。今までの潜水艦と変わんないじゃん。全然相手にならないからつまらない。そしてその殺傷能力は人間相手に本領発揮されるというお粗末さ。CG駆使して、もっといろんな武器出さんかい。 なぜか逃げ回る子供。軍人に止められたとき、なぜか身分を明かさず脅迫まがいのことを言う主人公。シーンが変わった瞬間血を噴出している通行人。荒削りとか、もはやそんな次元ではない仕上がり。 そのくせ、要所要所で、ちょっと一流の映画っぽい演出入れようとするから無性に腹がたちます。 ってゆーか、最初メガ・シャーク2匹いませんでした?いつの間にか1匹になっているんですけど?私の見間違いですか? ふー、いよいよ次でラスト。頑張って見ましょうかね。無駄な時間を過ごす覚悟は出来ています。[DVD(字幕)] 1点(2020-05-31 13:42:30)《改行有》 487. ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 そもそもF1に興味ないのに観てしまった自分が悪い。ということを踏まえての感想。 まず興味がないにも関わらず、最後まで見れちゃったので、良い映画なんだろーなと思います。 ただしルールとか、当時のこととか、全然知らないまま見ていますので、本当の意味で楽しめていたのか自信がありません。序盤は正直ちょっと退屈だったし。 主にニキ・ラウダとジェームズ・ハントの二人の人生に焦点を絞ってくれたのはわかりやすかったです。二人の伝記もの、人生ドラマとして親しみやすい構成になっています。また、音楽の使い方、それに伴う演出や盛り上げ方がかなり上手。実際ニキ・ラウダが自分がセットアップしたマシンのタイムを計らせるときにかかる音楽は自然と気分がアガっちゃいます。乗せられてんなーと思います。 実話ものなので仕方がありませんが、悪人はほとんど出てきません。ですので、伝記ものとしての枠を超えるものではありません。また、ファンにとっては変なアレンジはして欲しくないというのが本音でしょう。 ですが変なアレンジをせずとも、実際に起きた出来事がまず凄すぎます。クラッシュして大火傷。そこから奇跡のカムバック。焼けた肺から膿を吸引する描写の凄まじさ。事実を映像化するだけでも凄い映画になっちゃうわけです。 ラウダが終盤の雨天レースで、視界がほとんどきかない中、奥さんの顔を思い出し、レースを途中棄権したのがぐっときます。 ラウダは言います。『死亡率が20%を超えるのは嫌だ』。 私は思います。死亡率20%でも全然嫌なんですけど。F1レーサーはどっか感覚が麻痺しちゃっているんでしょうね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-05-30 09:15:32)《改行有》 488. メガ・シャークVSクロコザウルス<OV> 《ネタバレ》 中学生が『こんな映像撮ってみたい』って思った映像を並べて、適当にストーリーをくっつけてみたような映画。前作とあまり変わりません。相変わらず同じ映像使いまわしているし。 サメがでっかくなったり、小さくなったり、場面場面で寸法が合っていません。 卵がいっぱいあるっつったり、ないっつったり、そのときそのときで言うことがばらばらです。 セリフも聞いていられなくて、半分くらい見たところで、試しに吹替えに切り替えてみたところ、多少マシになりました。 また、今作ではサメもワニも結構ずっとでずっぱりで暴れてくれたので、そういった面は前作より大分良くなりました。 今作を見て気付いたのが、今作では人が食べられちゃうシーンがまあまああるっていうこと。これは大事です。やっぱり無機物ばかり相手にされてもつまらないですから。 総評として、前作より倍は面白くなったということで、点数もどど~んと前作の2倍の点数つけちゃいます。 前作が1点なので今作は2点! 3作目と4作目は自分で登録要望出したので、責任もってレビューを書くために見ようとは思っていますが、こんなもんがあと2作も続くのか・・・気が重いぜ。まさかこんなにつまらないとは・・・[DVD(吹替)] 2点(2020-05-27 09:02:29)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 489. 42~世界を変えた男~ 《ネタバレ》 実話を元にした映画っていうのは、事実を捻じ曲げることができません。 ですので、映画として、どうアレンジし、味付けしていくのかが大切だと思います。 そういった意味ではこの作品、やや薄味すぎるのではないかなと。 ジャッキー・ロビンソンという偉大なメジャーリーガーの伝記としては価値ある作品。 ただ映画の内容は、史上初の黒人メジャーリーガが成功していった事実を淡々と述べただけのものに収まっています。 劇中の障害は差別のみ。描かれる差別は『トイレ』『シャワー』『宿泊拒否』『飛行機』といったオーソドックスなもので、そのひとつひとつが表面的な描写のみです。あとはひたすら『ヤジ』ですね。 ロビンソンを強く差別していたチームメイトはトレード。リッキー会長という最も強力な権力者は味方だし、チームメイトも一部を除いて良い人ばかり。野球だって順調に活躍し、挫折なんてしません。 いや、サクセスストーリーは好きなんですよ。ですがさすがにここまで山場がないと、カタルシスを感じることもないわけです。 かといって事実にない事件を起こすわけにもいかないでしょうし。好きなジャンルではあるんですが、実話ものの限界を感じます。 音楽はすごく良かったです。 『全選手が42のユニフォームを着る日』や『42は全球団において永久欠番』のエピソードは感動しました。それを知ることができただけでも、この映画を見た価値があります。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-05-25 02:37:47)(良:1票) 《改行有》 490. スパイダーマン:ホームカミング 《ネタバレ》 スパイダーマンのアクションはスピード感があって良いですね。 今までのスパイダーマンと違い、アベンジャーシリーズの1作としてのスパイダーマン。もはやスピンオフ的作品。もちろん期待はできないわけです。ですが、エンターテイメント作品としては抜群に面白い仕上がりでした。 ただ、サム・ライミ版と比べれば、どうしてもドラマ性は低くなります。 それもそのはず。彼は最初からスパイダーマン。ベンおじさんだっていない。メイおばさんはきゃぴきゃぴ。『ヒーローとは何か。正義とは何か』そんな深いことでは悩みません。彼の悩みは就職活動。『どうして僕をアベンジャーズに入れてくれないんだよ』、この一点。今までのシリーズでは恋愛が原動力になってましたが、本作ではヒロインの影は限りなく薄いのでした。よって、サム・ライミ版や、アメージング版のようなドラマを期待すると、物足りなさを感じます。 これ単体でも十分に楽しめますが、アイアンマンがちょいちょい顔を出すことからもわかるように、これはアベンジャーズファンのための作品と言えそうです。 本作の主人公を演じるトム・ホランドはピーター・パーカーのイメージにぴったりです。 更にはアントマン同様、コメディテイストの演出が多いのがとても楽しい。やたら『即死モード』を提案するAIが面白すぎます。 アクション面での見所は、何と言ってもエレベーター。スパイダーマンの真骨頂は『人助け』だと思っているので、このシークエンスはアツい。そこから先は終盤に向け面白さは尻すぼみになっていった印象です。 フェリーバトルはまだ良いのですが、最後の空中戦なんかつまらないです。 そういえば、『MJもグウェンもいないなぁ・・・』って思っていたら、MJ!お前いたのかよ! [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-24 02:35:12)《改行有》 491. ダラス・バイヤーズクラブ 《ネタバレ》 実話とは知らずに鑑賞。 エイズが判明。余命30日。エイズ治療薬AZT。まだ臨床実験の段階で処方されず。違法に手に入れるも、薬は効かず病状は悪化。ワラにもすがる思いでメキシコの医師を訪問。免疫機能を向上させる毒性の低い薬。ただし未承認。ウイルス除去はできずとも、病状は緩和。病気を治すのではなく、病気と共に生きていくことを決意。自分を助けてくれた薬の販売を企画。『ダラス・バイヤーズ・クラブ』設立。ロン・ウッドリーフが仕入れてくる未承認の薬を求めて集まる人々。黙っていない国家権力と製薬会社。捜査のメスが入り、摘発・・・。 という膨大なストーリーを2時間に凝縮した本作。更には医師との恋愛、患者仲間でもありビジネスパートナーでもある友人との友情、死別までも盛り込んだ内容。 当然後半になるにつれストーリー展開は駆け足になり、説明不足な部分は出てきます。 実話だから仕方ないのですが、本当に人の命を助けてくれる薬が、FDAと製薬会社の癒着により、臨床実験すらされず、人の命が軽んじられる現実が腹立たしい。しかもその事実を隠し、自分たちは正義だと謳っている病院と製薬会社はタチの悪さを通り越して存在そのものが非人道的。もちろん、この映画で述べられていることを鵜呑みにしたらの話ですが。 勉強になる映画ではありますが、個人的には鑑賞後の後味があまりよろしくないので、好きなタイプの映画ではありません。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-05-21 14:39:15)(良:1票) 《改行有》 492. 天才スピヴェット 《ネタバレ》 田舎の隠れた天才少年。その才能に気付いた大人たちの協力を得て、世の中にその存在が明らかになってゆく。そんなありふれたサクセスストーリーを期待すると、がっかりしちゃうような映画。 この映画って、T・Sの天才っぷりは、味付けのひとつにすぎないようです。 この映画にとって大事なのは、T・Sとその家族の在り方。典型的な家族愛ムービーだと思います。 『自分は家族にとって不必要なのでは』達観しているT・Sは、何となくそんな空気を感じています。そしてそれは、双子の弟の死をもって、より深くT・Sの心に影を落とします。 父親に水路の模型を見せて説明するT・S。自分のレポートが掲載された雑誌を先生に見せるT・S。だけど誰も認めてくれない。 『ここにいたら僕はぐるぐるまわるコウモリと同じになってしまう。』意を決したT・Sは、ベアード賞を受賞するため、単身スミソニアン協会へと赴くのでした。 ですがベアード賞が欲しいわけではありません。ベアード賞の授賞式に出ることで、自分のことも他の兄弟と同じように愛して欲しい。ただそれだけなんです。いや、もっと言うなら少しでもいいから気にかけてほしかっただけなのかも。 家を出て行く自分を見つけたはずの父の車が通り過ぎていく。家に電話をかけると皆が心配してくれることを妄想する。妄想の中の家族の言葉は、T・Sの願望があふれています。どちらも大事なシーンです。 そして遂に母から、『まだいる?帰りたい?』と尋ねられ、『帰ろう』と答えます。ついに成就するT・Sの願い。 賞が欲しかったんじゃない。世界に認めて欲しかったんじゃない。ただ家族に愛されたかっただけ。そして弟が死んだことを、『あなたのせいじゃないよ。』と家族に言ってほしかっただけ。 私は賞を取って世界から絶賛されるようなサクセスストーリーを見たかっただけ。需要と供給が一致しなかっただけ。 最後に父親も迎えに来てくれたのは嬉しかったですけどね。そのときの父のセリフは面白い。 喧嘩をすると外で食事を取る父。でもちゃっかり赤ちゃんを授かっているラストシーンに、この家族の愛を感じます。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2020-05-20 00:12:08)《改行有》 493. はじまりのうた 《ネタバレ》 マーク・ラファロ演じるダンに、最初のうちは全然共感できなくてイライラ。 でも中盤くらいでそんな自分を反省。断片的な情報だけで、ダメ人間と決め付けたらいかんなと、猛省した次第です。 ダメ親父かと思いきや、ダメだったのは奥さんのほうでした。ダンはむしろ被害者。精神的ショックが大きすぎて仕事が上手くいかなくなってしまったのでしょうか。だとしたら本当にかわいそう。なのにダンが家を追い出されていて・・・ そんなダンがグレタと出会う。再起を図る。 グレタはグレタで彼氏の裏切りにあい、傷心中。そんなときにダンに出会い、音楽に打ち込める環境と出会えたのは幸福な偶然。 人生真面目に誠実に生きていたって、上手くいかないときは誰しもあります。むしろ、真剣に生きているからこそ、壁にぶちあたったり、心が病んだりするのかもしれないです。 でも、真面目に生きていれば、同じくらい幸福だって訪れるんだ。そんな希望を感じさせてくれるサクセスストーリー。 人の優しさを肌で感じさせてくれるハートフルなドラマ。 ラッパーとして成功した黒人が、グレタに言ったセリフ。 『2年ほど不運が続いただけで、みんなあいつへのリスペクトを忘れてしまった。あいつは凄いやつなんだ。』 このセリフがぐっときます。勇気をもらえます。 この映画を見た後、今日一日の仕事は大変充実していました。やりがいのある仕事をしているだけで自分は幸せなんだと再認識。終盤の盛り上がり、もう一声ほしいところではありますが、概ね満足。 この大変な時期だからこそ、多くの人に見てもらいたい映画です。 『今、私達は不運なだけなんです。』[DVD(字幕)] 8点(2020-05-19 00:03:29)(良:1票) 《改行有》 494. インド・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ゾンビランド』『ロンドンゾンビ紀行』などと同じテイストのゾンビコメディ。 いまや本格的なゾンビ映画は、ゾンビがみんな走りますから。のろのろゾンビを見たい場合はゾンビコメディを見るしかなくなってきましたね。上記3作品が好きな方は、本作もそこそこ楽しめるのではないでしょうか。 『掛け算九九で感染確認』『コカインの副作用で動作停止』など、他のゾンビ映画では見られないネタが結構面白い。一見の価値はあるかもしれません。 注意点としては、こちらの作品はゾンビが出てくるまで結構時間を要します。気長に待ちましょう。 もうひとつ。上記3作品と違い、こちらは舞台が島。私はシティゾンビが好きなので、『島』っていうのは物足りなく感じます。文明や日常がゾンビによって崩れていくのが何より好きなのですが、この作品ではそーゆー終末感みたいなものは描かれません。 グロと笑いとサバイバル。それだけです。1980年代のゾンビものに近いかも。きっと低予算なんでしょう。 本当に低予算ムービーだとしたら、ゾンビのメイクは結構頑張っているほうです。ゾンビ役のみなさんも迫真の演技。ご苦労様です。 キャラも良かったと思います。 ボリスとニコラス。武闘派兼つっこみ。かっこいい二人です。 ハルディク、ラヴ、バニー。馬鹿兼ボケ。どーしようもない3人です。馬鹿っぷりが度を越えているときがあるため、イライラすることもあります。 ルナ。ヒロイン。なんかエロいです。 以上、インド発、佳作ゾンビムービーでした。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-18 04:05:33)(良:1票) 《改行有》 495. マイティ・ソー/バトルロイヤル 《ネタバレ》 わかりやすくて面白い。 こーゆーシリーズで、やれ精神論とか、やれ幻覚とか持ち出されるのは好きじゃない。ソーも、ハルクも、ヘラも、バルキリーも、スルトでさえも、物理攻撃のみ。いいねいいね。 更には、冒頭でストレンジと絡んだり、ハルクが参戦したりと、シリーズものならではの楽しさがあります。せっかくなら、ストレンジがそのまま参戦してくれたらバトルの幅が広がってより面白かったかも。 さて、今作、仲間が次々死んじゃいます。ムジョルニアは破壊されちゃうし、目もアスガルドも髪の毛もなくなっちゃうし、決して楽しいストーリーではありません。そんな中、ストレンジやハルク、そしてロキとのやりとりによるコメディタッチな演出が、雰囲気を明るくします。ちょっとお馬鹿なノリつっこみの数々が、いちいち笑えます。これぞエンターテイメント作品です。 更にはアクション。『ヘラvsアスガルド』『覚醒ソーvs骸骨兵』など、無双シリーズのような爽快なアクションが楽しい。タイマンでいけば『ソーvsハルク』が良いですね。こいつは面白い。ですがちょっと寄り道に時間をかけすぎてしまったきらいがあります。そのせいか、せっかくインパクトある登場をしたヘラの存在感が後半にいくに連れてちょっと薄くなってしまったような・・・。 『とっても危険でやばいやつ』って感じで登場。満を持す感じ。いきなりソーのムジョルニアを破壊しちゃうし、こいつはスゲーぜって期待していたのに、結局剣をびゅんびゅん飛ばすだけの人で終わってしまった。それはそれでスピード感あるアクションで、嫌いではないですけどね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-18 00:00:05)(良:2票) 《改行有》 496. アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 《ネタバレ》 前半、中盤の面白さは全シリーズの中でも最高クラス。 アントマンがいないのが少し残念。キャプテン・アメリカがいつものコスチュームでないのが残念。盾もあの丸い盾で闘ってほしいところです。ヴィジョンはかなり強いはずなのに、全然活躍の機会がなく残念。ハルクに変身しないのはすごく残念。本当に序盤にちょっと出るくらい。ハルクが暴れまわってくれないと、アベンジャーズ見た気になりません。 ただそれ以外のアクションシーンは素晴らしいの一言。 今作は敵が魅力的な強キャラ揃い。特に序盤、『ストレンジ、ウォン、アイアンマン、スパイダーマン』の4人とたった2人で互角以上の戦いを繰り広げ、ストレンジを拉致する圧巻の戦いぶり。ブラボーです。 そもそもアベンジャーズ最強の『ソー兄弟+ハルク』がフルボッコされるオープニングで、他のメンバーは太刀打ちできないんじゃないかと心配になるくらいです。 毛並みも違えばフィールドも違うガーディアンズ・オブ・ギャラクシーがどう絡むのか、これも楽しみにしていた1つです。結構自然に絡んできましたね。ウィンター・ソルジャーとロケットの共闘が見られたり、楽しいことこの上ないです。 で、そういった点もすべてひっくるめての評価です。 これはダメでしょう。 まずこの作品で完結させていないのがダメ。 続くにしても、このバッド・エンドは本当にダメ。 アベンジャーズはお祭りエンターテイメント。楽しませてくれなきゃ。 見終わった後の喪失感、がっかり感。カタルシスとは程遠い。アベンジャーズ見終わって、まさかこんなもやもやした気分が残るなんて、思いもしませんでしたよ。 ロキ、ガモーラ、ヴィジョン、悲しいことがたくさんあっても、最後がハッピーエンドなら報われる。 アベンジャーズに絶望感なんていらんのです。 ヒーローなら最後にちゃんと希望を残しなさい。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2020-05-17 17:28:16)(良:1票) 《改行有》 497. インターンシップ 《ネタバレ》 お仕事ドラマが好き。グーグルのオフィスが気になる。以上の理由で鑑賞。 ニックはともかく、ビリーが苦手。 他のインターンシップの学生に比べ、あまりに無知な2人。後がない、必死さが伝わってくるならまだしも、ちょっとミーハーな気分の二人に引き気味。これはちょっと苦手なスタイルな作品だと思ったのが前半。特にファーストチャレンジのバグ発見で、何も知らないくせに適当なことを言いまくる二人がチームメイトにだまされて追い出されちゃうエピソードは痛々しすぎて見ていられない。まあ、この時点では2人が嫌いだったので同情はしませんでしたが。 ハリーポッターのクディッチで、チームがまとまりだすのは急すぎで不自然。 アプリ開発で再び無知をさらす二人。なんの力にもならないどころか、チャレンジに真剣に取り組んでいるチームメイトを飲みに連れ出そうとするところでは見るのをやめようと思ったくらいです。 そんな感じで中盤くらいまではまるで良いところがないのですが、ここから盛り返します。 ターニングポイントはアプリのアイデアをニックが思いつくシーン。酔っているかどうかを確認するクイズアプリ。単純ながら良いですね。 更にはニックとビリーが頑張って勉強しているシーンが矢継ぎ早に映し出され、二人への好感度は急上昇。 実は二人のインターンシップ採用に決定票を入れていたチェティ。意外な人が実は偉い人など、お約束満載の王道ストーリーに気分を良くし、中盤以降は結構楽しく見られました。 それにしてもグーグルは良い職場だなー。うらやましいです。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-05-14 12:55:42)《改行有》 498. レッド・ファミリー 《ネタバレ》 どこにでもいそうな仲の良い家族。はたしてその正体は・・・!北朝鮮から送り込まれたスパイだった。 家族は世を忍ぶ仮の姿。そんなドタバタコメディ・・・じゃない。どたばたしていない。楽しそうじゃない。なんかこえーよ。これは、私にとってはコメディ映画ではなかったです。 コメディっぽい演出があったとしても、設定そのものが悲惨な現実なので、笑うに笑えない。コメディとして見ることはできませんね。 唯一笑えたのはお隣の家族のある一幕。『なあ、ニュースを見ないと世の中の動きがわからないだろう。』『あんたが心配しなくても世の中はちゃんと動いてるってー』いや、そうだけど・・・!なんか自分のことを言われているようでした。 それはともかく、私が一番気になっていたのは、この映画の着地点。 漠然と、ハッピーに幕を閉じるのかと思っちゃっていたので。でもこの状況からどうやって?みんな故郷の家族と会えるのか? ところが物語が終わりに近づくにつれて、どうもこれは悲劇ありきのバッドエンドムービーなんじゃないかと思い始め、物語は本当にそのとおり動いていくのでした・・・。 あーあ。こーゆー終わりに向けて状況が悪くなるばかりのストーリーって苦手なんですよねー。エンターテイメント作品だと思って見てしまったのがそもそもの失敗。 韓国の女性にスパイだとばれてしまった男は放置のまま物語が終わっちゃうのも気になるし。 極めつけは、ミンジ。彼女が生き残っているのはだめじゃないかな。最後の船のシーンで、銃声響かせて終われば良かったのに。最後の最後でテーマがぶれちゃってませんか。それにミンジがなぜ生き残っているのか、その説明をすべて省略するのは反則ではないだろうか。[ブルーレイ(吹替)] 5点(2020-05-14 11:58:17)《改行有》 499. ワン チャンス 《ネタバレ》 事故に病気にイジメと、かなり紆余曲折なサクセスストーリー。更には前半の別の女の子とのエピソード。ちょっとくどい結婚のくだりなど、寄り道多め。うーん、実話を元にしているから仕方がないのかぁ。 いじめっ子にはだいぶイライラしました。終盤で父親がいじめっ子を高く評価しているのもむかつきました。これって感情移入しちゃってるってことですね。でも主人公のポールにも、そのふがいなさにさすがにイライラすることがありました。中盤くらいまでは応援していたはずなのに。夢に一途。女性に一途。良い人間だーと思ってました。 やっぱあれだね。奥さんが仕事で帰ってきたシーンで、家事もせずソファでごろごろ。ここで間違いなく1回は幻滅しています。しかも1年以上そんな生活っていうじゃありませんか。税金滞納、借金生活。奥さんかわいそう。結婚していないなら挫折してもいいけどね。結婚していたらだめでしょう。 これは、もう、ちょっとないなあ・・・・と思っていたところにゴッド・タレント。ゴッド・タレントはずるいわ。あれ、みんなが立ち上がって拍手するとき絶対感動するもん。あれは反則ですわ。 いじめっ子も、ポールの父から鉄拳制裁。すっきりします。 ゆるやかに蓄積された不快指数がまとめて払拭されるラスト、そして最後はセレブの仲間入り。若いときに頑張った貯金が、ちょっと時間はかかったけれど、こうやって報われる日がくるのだと思うと、うん、未来に希望が持てますね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-14 06:26:17)(良:1票) 《改行有》 500. ブラックパンサー 《ネタバレ》 ラストの『ブラックパンサーVSキルモンガー』は、なんか仮面ライダーみたい。 それはともかく、この作品に出てくる脇キャラ、良いです。ナキア、妹、女戦士が特に良い。ブラックパンサーそのものがアベンジャーズのなかではちょっと脇役っぽいのに、それを主人公にする物語なんて最高です。脇役好きの私にとっては嬉しい限りです。 みんな使っている武器が違うのも個性があってgood!多種多様な攻撃パターンが見られて楽しい。特に、ナキアと妹が、キルモンガーと闘うときに使っていた武器がかなりかっちょいい。 外見は発展途上国で農業国。しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。先進国も真っ青の、超ハイテク技術国家なのでした。でも王位継承はタイマンで決めるっていう超アナログ。絶妙なアンバランス加減が嫌いではないなー。 とゆーことで、キャラ良し、ギミック良し、舞台設定良しと、なかなかポイント高い作品なんですが、如何せんストーリーがつまらない。ユリシーズ・クロウとバトっているときが一番楽しかったかなー。この人ってエンド・オブ・ゲームで腕チョンパされた人だったんですね。全然気付きませんでした。 うーん、内戦ものってのは、気分的に盛り上がらないものですね。勝っても負けても溝が残っちゃうだろうし。どうも『内輪もめ』と『エンターテイメント』は相性があまり良くないみたいです。もうちっとだけ、気楽にスカっとできるイケイケアクションムービーだったら良かったと思います。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-12 23:38:35)(良:1票) 《改行有》
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