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プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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481.  夏ノ日、君ノ声 《ネタバレ》 映像的に見栄えのするところはある。乳白色がかった海辺の風景などは独創的ともいえないだろうが嫌いでない。場所は基本的に静岡県牧之原市だったようで、海の向こう(左手)に陸地が見えたのは伊豆半島だったということか。主題歌が書き下ろしだったらしいのも悪くない。 物語としてはありがちな難病物のパターンで、かつ素直に共感できる話にもなっていない。全体的には、主人公の男が地元に帰って昔の記憶を清算した上で結婚の決意を固めた話だろうが、本当にこれでふっ切れたといえるのか疑問が残る。昔の少女を抱き締めたと思ったら現在の幼馴染だったというのでは、最初から相手のことをまともに見ていたのか怪しいことになり、そこでいちいち殴られなければ目が覚めないのでは困ったものである。また箱に花マルを描いたのは昔の記憶への評価を示すものではあるだろうが、これが最終的に決着をつけたことの証拠だとも言いがたい。幼馴染は人生の選択を誤ったのではないか。 加えて主人公の男が全く好きになれない。古畑星夏さんに向かって何という口のきき方をするのかと腹立たしい場面が多く、それは幼馴染で遠慮がなかったからというニュアンスも最終的には出ていたようだが、自分としては幼馴染も病院の少女も両方の気持ちを大事にしてもらいたかったのに、うまくいったように見えないのはこの男がバカだからだと全部この男のせいにしたくなる。 そのほか、わざわざ批判的な観客向けに突っ込みどころを大量に用意したかのように見えるのは大変よろしくない。一応の社会人として気になることを書くと、看護師というのは出血して倒れている人間に手当もしないで帰れというのが普通なのか。かつては主人公同様の不良だったのかも知れないが、主人公が不良という設定自体がストーリー中で浮いて見える。 登場人物に関しては、病院の少女が変に顔を近づけて来るのが蠱惑的で、これで男がその気になってしまったのかとは思った。それまで人付き合いがなかったために距離の取り方がわからないのかも知れないが、あるいはネコがコミュニケーションで顔を寄せる習性を思わせるところもあり、そうすると無音で近づいてきて人を驚かす場面があったのもそういうことだったのかも知れない。主演の荒川ちかという人は子役時代からの経歴がある人で、今回は年齢なりの素朴で純粋な少女役になっている。終盤で初めて声をあげて泣いたところは少し泣かされた。[インターネット(邦画)] 6点(2019-01-19 08:58:24)《改行有》

482.  おろち 《ネタバレ》 監督・鶴田法男、脚本・高橋洋といえば明らかに邦画ホラーの構えだが、実際見るとふざけた怖がらせなどはなく、人間の心の闇を描き出そうとする極めて真面目な映画になっている。ただ白黒フィルムに写った女優の顔とか、少女が床に落ちた様子が「女優霊」(1995)を思わせるものはある(笑う女はいない)。 また開始時点が昭和25年で次は昭和44年頃かと思うが、映像面のほか人物の言動などでも年代がかった感じを出しており、舞台になった古めかしい洋館は昭和(戦後)の怪奇映画を思わせる。ちなみにまた後の時代に飛ぶのかと思っていたら最後までその時代で止まっていたが、原作の発表年代がそもそもこのあたりだったらしい。 そのような雰囲気はいいとして、物語的には昔のいわゆるメロドラマでも見ている感じでそれほど心を動かされない。まともな役者が熱演しているにもかかわらず心が痛いと思うこともなく、そうですかそれは大変でしたねとお愛想を言って終わりになるような感覚だった。また題名の主人公が意外に活躍しなかったのも不満だが、「やめなさい」と言ったところはかろうじて格好よかった。 その一方、エンディングで出た主題歌(柴田淳「愛をする人」)が少々古風ながら妙に心に刺さる曲で、これで映画全体の印象がかなり底上げされた感はある。映画に関しても、年代がかった物語のようで実際は人間の本質的なところを捉えていて、いつの世にも変わらないものが表現されていたのかも知れないと思い直したのはこの曲のせいである。監督は楽曲のタイアップがお嫌いかも知れないが(cf.「POV〜呪われたフィルム〜」(2012))、これを見れば必ずしも悪いことばかりではない。 なおキャストに関しては、まずは谷村美月嬢が可愛らしい(当時18歳くらいか)。この人も演技派だろうがナレーションは少し素人っぽく感じた。また姉妹対決では、個人的な好みの問題から中越典子さんを応援していたが、結局どっちがいい人ということもないわけである。この人には一瞬ほんのわずか色っぽい場面がある。[インターネット(邦画)] 6点(2019-01-12 19:32:13)《改行有》

483.  死にぞこないの青 《ネタバレ》 まず前半で重要なのは、理不尽な仕打ちにはしっかり対抗する構えを見せないと、相手がどこまでもつけ込んで来る恐れがあるということである。主人公はもともとコミュニケーション能力が不足だったのか、三度続けて適切な対応を怠ったことで集中攻撃されたようだが、しかしその後は焼却炉での反撃で迫害側の一部に打撃を与え、同時に教員の弱味も衝いた形になっていた。これを一定の勝利と捉えて、あとは川原で青いのが言ったことを心にしっかり持てばそれでもよかったと思われる。 しかし後半に入ってからは不満が多くなる。原作がどうなっているのか一応読んだところ(年少者向けなので読みやすい)、原作の筋立てを比較的忠実に追いながらも巧妙にアレンジを加えていたようだが、その変えた部分が不満の原因だったようである。 まず映画では、教員の家族関係の話を加えることで、教員もまた救われるべき者として位置づけていたらしい。しかしそのように同情を引く扱いにされてしまうと、そもそも教員たるものが児童を監禁し暴行を加えた上に殺そうとまでしておいて、本当は怖かったなどと泣きを入れれば許されるのか、という怒りがかえって誘発される(お前が死んで妹を泣かせろ)。 また映画では、主人公と教員が対等な立場で和解したかのような演出になっており、これで父親の言った“話せばわかる”式の綺麗事がそのまま通った形になっているのが気に食わない。もし相手が単純に他人を虐げたい性癖の者であったりすれば和解しようなど有害無益であり、ここは実力で対抗したからこそ要求が可能になったというように、あくまでパワーバランス的な解釈でなければ納得できない。愚直に理解を求めていれば願いが天に通じるとでもいいたいようなのは戦前の発想か。 そのように、いわば“製作側の良心”のような改変を加えたことで、かえって自分としては毛嫌いするタイプの映画になってしまっていた。ちなみに主人公の姉を死なせたのはかわいそうだ。 なお出演者では谷村美月嬢が青い顔で迫力を出しているが、背景色との調和に配慮されていたようで特に違和感もなく、最後には清潔感のある姿もちゃんと見せていた。また子役では三吉彩花という人が出ていて、明らかに美少女だがかなりの変顔をしている場面があったりする。ほか知っている範囲では近藤真彩という人の顔も見えたが、広瀬アリスは誰がそうなのかわからなかった(目立っていたはずだが)。[DVD(邦画)] 6点(2019-01-12 18:59:13)《改行有》

484.  三十路女はロマンチックな夢を見るか? 《ネタバレ》 宣伝写真の印象ではいわゆるギャング映画かと思うが、実際は堅気の主人公が、逃亡中の銀行強盗犯(男1女2)に同行する羽目になった話である。ロードムービー的なところがあり、場所としては房総半島をうろうろしているように見える(撮影は静岡県でもしている)。また最後に「大ドンデン返し」が用意されていることになっているので、見ようとする場合は事前情報を遮断した方が無難である。 その「大ドンデン返し」はそれ自体がけっこう複雑な構成になっているが、その一方で、メインの筋立ても複雑というか納得のいくものではない。 監督によるとテーマは「夢」とのことで、高校時代に一度それまでの夢を捨て去ったはずの主人公が、実際は納得できていないまま20代を過ごしてきたが、たまたま今回の事件をきっかけとして、30代なりにリニューアルした夢を手に入れたという話と解される。ただしその過程で主人公にも迷いがあり、隣部屋のオバサンが言ったような別の選択もあり得たのだろうが、題名への回答でいえば“見たが醒めた”ということだろうと思われる。 しかし、それにしても途中の行動の意味づけが不明瞭または両義的なため、見る側としては最後まですっきりせず、さっきのあれは一体何だったのか??という思いを残したまま終わってしまう。最終的な主人公の選択も唐突に思われたので、途中で表現不足になっていたところがあるのではないか。また、30代なりの夢を具体化したのがラストのイベントだったとすると、あまりに貧弱かつ今後の発展性も期待できないので落胆する。別に異動しなくても、前の部署でやっていたことがそのまま夢の実現につながるくらいの気持ち(この街の平和は私が守る!)が持てなければ、30歳を迎えてランクアップできたと言いがたいのではないか。 そのようなことで、個人的には「大ドンデン返し」だけで絶賛するわけにもいかない映画だった。 なお余談として、主人公の語っていた運動会の件は一般的な競争に関することであり、これを「夢」に関連づける必然性はない。また才能の有無を考えないという話は、結果的に才能のあった人間が後日談として語ることのような気がする。 ほかキャストに関して、武田梨奈さんは撮影当時25歳だったのに約30歳の役をやっており、そのせいか外見的にはさえない印象だった(演技は別として)。アクションはないが回し蹴りのようなのが1回だけある。[DVD(邦画)] 4点(2019-01-06 18:59:42)(良:1票) 《改行有》

485.  海すずめ 《ネタバレ》 愛媛県宇和島市の映画である。公式サイトによれば、宇和島藩主だった伊達家の第十三代ご当主が企画段階から関わったようなことが書いてあり、劇中でも本人役の出演者になっているが、これほど殿様が前面に出るのはご当地映画の新しいパターンかも知れない(蔵を訪ねた場面の演出には笑ってしまった)。主人公の名前(及び題名)の由来になったのも伊達家の家紋「竹に雀」だが、これは基本的に仙台の伊達家と同様でデザインを若干変えているらしい。 映画宣伝には「今でもお殿様が存在する珍しい街」と書いてあるが、ただし仙台の伊達家のご当主も現在は仙台市在住と思うのでそれほど珍しくない。ちなみにうちの地元の殿様は一貫して地元在住で地元貢献も多大なので宇和島伊達家には全く負けていない(石高も多い)。 内容としてはかなりいろんなものを詰め込んだ印象があり、そもそも主人公に自転車乗りと作家志望という2つの性格付けがなされているのでイメージが統一できない。ストーリーとしても「宇和島伊達400年祭」関連の文献探し(+島の高齢者)、主人公の作家としての成功と、図書館の自転車部門の存廃(+同僚の今後の生き方)の3つの話が並行しているように見える。主人公の台詞で「全てはつながる」と言っていたが、一応つないだようでいて個別に決着つけただけのようでもある。 この中で特に自転車の話を出す必然性がどこにあったのかと思うが、これは宇和島というより愛媛県として自転車関連施策を推進しているからではないかと想像される。宇和島市の図書館に自転車課はないだろうが、県庁には「自転車新文化推進課」というのがあるようで、そのように各方面の思惑がからんだ映画に見えた。 キャストに関しては、主演の武田梨奈さんは自転車をこいでいる健康的な姿と作家志望のキレイなお姉さんの二様が見られるほか、物憂げな顔でその辺を眺めているとか、眼差しに優しさを出しているあたりは女優の顔をしていて結構だ(アクションは全くない)。また上野優華さん(徳島県出身)は近年悪役が多い印象があるので、この映画で普通に可愛い(すごく可愛い)役だったのは安心した。岡田奈々さんはおっ母さん役だが今もかわいく見える。そのほか図書館の変人娘(演・佐生雪)にも少し注目したが、終盤に出たお姫様には結構驚いた(さすが宝塚/ちなみに愛媛県出身)。そもそも役柄の割に脚がきれいすぎると思っていた。[DVD(邦画)] 5点(2019-01-06 18:59:40)(良:1票) 《改行有》

486.  女忍 KUNOICHI 《ネタバレ》 忍者の映画だが、口で伊賀だ甲賀だというばかりでスケール感が全くなく、登場人物のいる場所以外に世界が広がっている感じが全くしないのは低予算なのだろうから仕方ないと思うしかない。しゃべり方が現代語っぽいので、序盤で登場人物が手に持ったものを見ようとしたときにまさかスマホではないだろうなと思った。 設定としては伊賀国の住民が近江国甲賀郡で女人狩りをしていることになっており、どちらかというと伊賀が悪者だが、甲賀の方も特に善玉ということではないらしい。忍者物であるから史実度外視でどうでもいいのだろうが、三重県伊賀地域と滋賀県甲賀地域の住民の皆さんはこういうのを見てどう思うのかと一応思ったりはする(今も戦っているのか)。なお女人狩りの従事者はあらかじめ去勢されるというのは徹底していて少し感心した。去勢されても家系が代々続くのは主に次三男が従事させられるからだと思われる。まことに非人道的だ。 話の展開としては、単純に主人公が大活躍して男を全員殺せば済むのだろうと思っていたら終盤で意外な展開があったりして、さすが映画であるからには少しひねってあったらしい。最後の大殺戮が映像化されていなかったのは落胆したが、そこは低予算なのだろうから仕方ないと思うしかない。悲しげな青空を見ながら終わりである。 なお自分としては武田梨奈さんがアクションをやっている映画を初めて見た。このとき満19歳で可愛らしくもあるが、宣伝文句にある「哀しみを湛えた瞳で敵を見据え」というあたりの表情は今一つな感じもした。また自分としては別のところで見た藤澤志帆という女優(紫の人)にちょっと注目していたが、劇中人物としては乱暴な扱いをされているので可哀想だった。そのほか冒頭の母親役で鵜飼真帆という人が出ていたようで、慣れない鍬の作業はお疲れ様に見える。どうもアクションに関心がないので女優の顔ばかり見てしまうが、ちなみにエロい場面は特になかった。[インターネット(邦画)] 4点(2019-01-06 18:59:38)(良:1票) 《改行有》

487.  ママレード・ボーイ(2018) 《ネタバレ》 原作は90年代の少女マンガとのことだが、127分間これを見続けるのはちょっと厳しい。前半は個別のエピソードをただ並べた感じで、後半は長々しいので早く締めろという気分になる。ちなみに主人公女子の「やだやだやだ」というのが気に障って黙れ!と言いたくなった。本当にこういうのは向いてない。 基本設定が荒唐無稽なのは突っ込まないとしても、自分としては特に主人公男女があくまで互いに執着する理由が全くわからない。それより「あとでな」と京言葉で言っていた女子(演・山下永夏?)と親交を深める方がいいのではと思った。また親友のエピソードが主人公のストーリーにどう関係するかも不明だったが、これはたとえ禁断の恋でも一途に貫くようあらかじめ勇気づける趣旨だったのか(案外そうか?)。 自分としては当然antiイケメンなので、こういう場合は幼馴染を応援したくなるわけだがそれが通らないのは普通にしても、この幼馴染が恥ずかしいことをやらかして捨て台詞を残して消えてしまってそのままだったのはみっともない。また元カノも一人で激しく思い込んでいるのを観客に嘲笑されるために出て来た感じだったが、そういう原作ではそれぞれ一定の存在感を持っていたと思われるキャラクターがぞんざいな扱いをされているようなのは気の毒だ。 なお室内も屋外もそれぞれに見栄えのする映像ができていたようには思う。海岸の場面で、犬と一緒に遠方を歩く人物がいたのは芸が細かい。また楽しい旅行がスマホの外枠で表現されるのが時代の反映だとは思った(何で門司だったのかは不明)。 キャストに関しては、優希美青さんが大人っぽくなっていて(「ちはやふる 結び」より)女優としての貫禄も少し見えたのは結構なことだが、年齢が倍近い男とのキスシーンはちょっとショックだ。正直これはマイナス要因だ。また遠藤新菜という人は、少し前に別の変な映画で変な扮装をしてものすごく変な役をやっているのを見たが、今回は少し洋風顔のカワイイ系美少女で安心して見られた。そのほか、わざとかも知れないが題名の男とその父親の身長差を目立たせすぎではないかと思った。[インターネット(邦画)] 4点(2019-01-01 16:21:51)《改行有》

488.  一週間フレンズ。 《ネタバレ》 まず前半は年少男子向けライトノベルのような感じで、愛すべき善良な男によるほのぼの系の物語になっている。友人男女も善人でコメディ部分も素直に笑えるので、主演の名前だけ見てまたこれかと敬遠しなくてよかったという気にさえなった。ちなみに自分としては幼馴染の女子(演・高橋春織)が大好きだ。 しかし後半になって邪魔な転校生が現れると、なぜか少女マンガ原作映画っぽくなって気分が引いてしまう。心地よかった世界に何でこういうドS王子のようなのを出さないと気が済まないのかと呆れるが、ヒロインもあっさりそっちの方になびいてしまい、もともと好きなタイプでない(女優が)こともあって見る側の気持ちも離れてしまった。 さらにラストの展開も全く納得できるものではない。返却図書には確かに大泣きさせられたが、もともと主人公の男が友達友達と言い続けていたのはあくまで恋人関係を目指してのことだったはずで、ここであらためて友達になったとしても元彼=今彼が存在する限り、いわゆるこれからもいい友達でいようねというような意味でしかない。こんな結末では屈辱的だろうが、あるいはこれはもしかして恋愛感情などより男女間の純粋な友情が尊いと訴えている映画だったのか? それは幼馴染の女子を悲しませてまでやるようなことなのか。 個人的感覚でいえば、ヒロインなどはもうあっちの世界に行ってしまった人物でしかなく、卒業とともに記憶の底に押し込めてしまえばいい相手である。返却図書は墓標のようなものとして、いわば故人を偲ぶ感覚でヒロインを泣かせておけば済む。主人公の男には今回の件を、努力が成果につながらなかった失敗体験、または「無理」な状況でも相手を動かした成功体験として整理して今後に生かしてもらいたい。悪い奴ではないのでこれから必ずいいことがあるはずだ(数学の教員もそう思っていたはずだ)。ちなみに幼馴染の女子にもこれからいいことがあるに違いない。 そういうことで最後に残念感を残す映画だったが、ちなみにキャストに関しては、古畑星夏さんが今回はかわいい感じで出ていて、結果的に悪人でなかったのも安心したが、最後にどうなったのかわからないのは不満が残る。また伊藤沙莉という人はどこに出ているのかと思っていたら、忘れ物を取りに来た声でやっとわかった(「リア充」のところは聞き逃した)。さすが端役でも重要なところを押さえている。[インターネット(邦画)] 6点(2019-01-01 16:21:49)《改行有》

489.  オオカミ少女と黒王子 《ネタバレ》 少女マンガ原作映画なのでストーリーにはほとんど乗れない。口の悪い男が心に隠している優しさをわかってあげられるのは自分だけ、という状況に憧れる女子中高生が世間には多いのだろうが、個人的には最後まで男が横柄な口のきき方を通していたのが不快で、素直にものが言えずにぶっきらぼうなのと侮辱的な物言いとは話が違うだろうと言いたくなる。キスも「好きだ」も形式でしかなく、男が主人公に首輪を与えたのも犬から人間の奴隷に昇格した程度の意味としか取れなかった。 しかしそれとは別に、見た目としては動的な映像表現とか色彩感とか見栄えのする景観とかに目を引かれるので意外に退屈しない。特に最初のタイトル直前のところで、主人公がどこかの街中(建替工事前の渋谷パルコ南側)で男を追いかけて写真を撮って逃げて来るまでの流れが印象的で、ここは何度も見返してしまった。すれ違う人々の中には一瞬顔を向けて見る人物のほか、カメラの手前で急に横に方向転換した女性(後の人物も続いた)、バッグの中を手で探りながら歩いて来て役者とカメラの間を困惑気味にすり抜ける女性などもいたが、例えば壁面表示を見るふりをした役者の後に何気なく同じように立った男女は仕込みではなかったのか。また後の場面で「鬼!」の直前に、前方の橋の上を歩く人々の姿が途切れたのも意図したことではないかと思った。 キャストに関しては、2016年の製作当時にこの主演女優(とその親友役)が少女マンガ原作映画の女子高生役などやるような状況だったかと思うわけだが、主演女優はもとが童顔なので外見的にそれほど違和感もなく、また登場人物としても人格に一定の深みのある愛すべき人物像ができている。これが否応なくストーリー展開に説得力を加える方向で作用しており、最初から批判的な目で見ていた立場としてはちょっとやられた感があった。 そのほか雑感として、恭也という名前をチョーヤの梅酒と同じアクセントで言っていたが最近こういうのが東京で流行っているのか。また神戸の場面で川崎重工業の造船所が見えたのは少しよかった(だから何だということはない)。ちなみに個人的に最近注目している武田玲奈さんが同級生役で出ていて、明らかに端役だがそれなりの顔をしてみせていた。[インターネット(邦画)] 6点(2019-01-01 16:21:48)《改行有》

490.  のぞきめ 《ネタバレ》 原作付き映画は原作の劣化版でしかないことが多いので、映画から見てしまって損した気分になるのを防ぐため、今回も原作を先に読ませてもらった。もしかするとこの映画でも、原作でいう「ホラーとミステリの融合」を目指していたのかも知れないが、実際見ればまあ普通のホラーになっている。 映像化という面では、表題のモノに憑かれるとどうなるか劇中でも説明はあったわけだが、実際は主にその辺の隙間から覗く形になっており、これでは菊地あやか主演「隙間女 劇場版」(2014)とどこが違うかわからない。まだしも地面の目の方がホラー映画の映像表現として受け入れやすいが、何にせよもう少し、じっと見られている圧迫感を即物的でなく表現すると面白かったはずだ。 それでも中盤まではおおむね黙って見ていられる内容だったが、終盤に入るとかなり羽目を外してしまった感がある。自分としては原作を読んでいる最中も何となく「八つ墓村」をイメージしていたわけだが、この映画では見た目もあからさまに1977年の映画を意識していてかなり興醒めだった。またラスト近くで原作者のフルネームと原作本の実物を出していたのもやりすぎである。 結果としてはかなり微妙なところだが、原作のおかげもあって「クロユリ団地」(2013)などよりはましだったという点数にしておく。 ところで主演の人物には個人的に全く関心がないが、この人の叫びというより唸り声は独特で、こういうホラーは初めて見た気がした。それより自分としては最初の犠牲者の彼女役の女優(入来茉里さん)に注目していたが、この人がなりふり構わず走って逃げる様子は可哀想だが可愛らしく、見ている側としても何とか助けてあげたくなる。ほかデビュー直後は馬鹿にしか見えなかった白石隼也も格好良くなっており、まことに隔世の感がある。 そのほか完全に余談だが、最初の犠牲者が通っていた大学の場面で、実在の麗澤大学(千葉県柏市)が実名そのままで出ていたのは少し驚いた。最初の映像は「生涯教育プラザ」の建物から図書館を見たところのようである。またついでにいえば、「総名井ダム」(これは架空)を検索していた場面で「ダムカード」の記事が出ていたのは現代日本の世相を反映していて面白い。[DVD(邦画)] 5点(2018-12-31 22:56:24)《改行有》

491.  ムルと子犬 《ネタバレ》 フィンランドの都市ハメーンリンナを舞台にした、犬と少女とその家族の物語である。少女の父親が出来心で子犬を家に連れて帰ったが、成長すると飼うのが難しくなり、引き取りを申し出た家族に引き渡すまでの話で、おおむね心和むファミリー系ドラマになっている。邦題の「ムル」は主人公の少女(7歳とのこと)の名前だが、「子犬」という言葉はこの映画のほとんどを通じて当たっていない(でかい)。ちなみに犬種はコーカシアン・シェパードとのことで、劇中ではクマを追い払った後にフィンランド軍の歩兵戦闘車に吠えかかる場面があった 時代設定としてはベルリンの壁崩壊(1989/11/9)から東西ドイツ統一(1990/10/3)のあたりまでの1年程度だったようで、その間にクリスマスと主人公の誕生日と夏が1回ずつあり、うち夏は服装のほか、外がまだ明るいうちに人々が寝ようとしている様子で表現されていた。 全体としていいたいことはそれほど明瞭ではないが、主人公の母親が軍に勤務しているという設定は、犬の本来の性質が父親のようなリベラル系ではなく軍隊に近いこと、及び前記の犬種が近代では軍用犬として使われて来たことを説明させるためと思われる。しかし、だからといって軍隊に犬の幸せがあるわけではなく、また主人公の家もいわばベルリンの壁で囲まれた状態であって、それよりこの犬に本当にふさわしい場所はほかにある、という結末だったようである。 結果としては犬の性質に無知なまま、自宅にそぐわない犬種を簡単に選ぶ人々へのソフトな警告を込めていたように見える。劇中家族はどちらかというと悪い例になるわけだが、しかし最後まで犬に愛情をもって接していたのは間違いないらしい。うちには犬がいないのでわからないが、犬好きの人々ならもっと感じ取れることがあるかも知れない。 また最終的には動物愛護全般を訴えていたようで、ラストの“動物を虐待していません”という主旨のコメントが普通よりかなり念入りで長い文章になっている。またエンドクレジットの最初に、出演した動物(犬・ネコ・ハリネズミ・子豚?・ウサギ・馬・ネズミ・ロバ・小鳥)の個体名を全部並べ、その後に人名を出していたのもこだわりがあったように見える。 自分にとってはそれほど感動的でもなかったが、達者な感じの子役に少し加点しておく。金切り声がやかましいが、ネコ顔になったところは可愛らしかった(「猫の恩返し」の主人公に匹敵)。[DVD(字幕)] 6点(2018-12-31 12:58:09)《改行有》

492.  旅人は夢を奏でる 《ネタバレ》 フィンランドのロードムービーである。邦題はどちらかというと意味不明で(「夢」はあるか?)、英題は北への道というような感じだろうが、原題では”pohjoiseen”が「入格」というのを使っており、単純に方向を示すのではなく“北の地へ入って行く道”というような意味だと思えばいいか。 移動の経路としては、国の南端にある首都ヘルシンキから北に向かってユヴァスキュラをまず訪れ、アーネコスキに立ち寄った後、セイナヨキを通って? ボスニア湾岸に出て? オウル経由で? 北上してロヴァニエミ(フィンランド北部のラッピ県の中心都市)に至り、さらに奥地のケミヤルヴィから北に入り込んだ場所を終焉の地にして終わっている。行程中で特に目を見張るような景観はなく、ただ淡々とフィンランドの普通の風景を映しているようである。 物語としては突然帰った父親が、かつての自分の所業のせいで混乱して停滞していたものをひっかき回してぶち壊して、結果的に息子の人生を立て直して家族を再構成した話に見える。 難しいのは父親の語る寓話のようなものの解釈で、うち孫に語ったスグリの実の話は、これまで永遠の40歳のつもりだったが何もできずに来た男が、世界最良のものに出会ったのが人生の最後だった、という状況を語っていたと思えばいいか。コメディめかしていながらどうも最初から陰気臭さが感じられて、自分としてはこのジジイの行末に不吉なものがありそうだとばかり思いながら見ていた。また「射手」の話はストーリーの根幹に関わるものだろうが、何と結末部分が語られないで終わってしまう。ここは息子なり観客なりがそれぞれ思ったことそのままでいいということか。 結果として悪い話ではないだろうが、個人的にはそれほど共感できる箇所もなかった。当然ながら世間では評判がいいらしく、こういうのをいいと思わない自分は映画好きとはいえないのだろうなと思った。 ちなみに今回勉強になったこととして、英語の”Earl”というのはフィンランド人にとっても発音しにくい言葉だったらしい。またホテルで披露されたピアノ曲「ねこふんじゃった」を台詞では”Kissanpolkka”と言っていたが、これは「ネコのポルカ」(kissa「ネコ」→kissan「ネコの」+polkka「ポルカ」)という意味である。フィンランド語の題名にもちゃんとネコが出ていることがわかって若干感動的だった。ついでにいうとジジイの孫はるみちゃんという子だったが、lumiというのは雪の意味である(ゆきちゃん)。[DVD(字幕)] 5点(2018-12-31 12:58:06)《改行有》

493.  銀のエンゼル 《ネタバレ》 公開当時は話題になる理由があったのだろうが今は昔である。ちなみに2018年1月にアイドルグループ「ももいろクローバーZ」を卒業した有安杏果という人が子役で出ていて、当時8歳くらいだろうが小賢しい児童の役をやっている(滑舌はよくない)。 北海道発の映画ということで、景観的には広々した平野部に斜里岳(1,547m)の山容が映えており、またJA系の製糖工場らしい白煙が特徴的に見える。冬の場面はそれほど壮絶に寒そうでもないが、積雪の状態からすると低温で湿度が低いように見えなくもない(要はサラサラした感じ)。家の造りが違うので寒いと思うことなどほとんどないと道民はいいたがるかも知れないが、そういうのを除けば基本的には単なる日本の一地方という印象で、コンビニ中心の映画ということもあって人々も一般の地方民に見える(変人はいる)。 物語的にも大して劇的なことは起こらないが、ただし突然の事故とか、外から来た人間が少々かき混ぜたことがきっかけになって変わるところは変わり(変わらないところは変わらず)、少し新しい状態に移行して終わった形らしい。主人公に生じた変化が、事故を利用した妻の企みだったとすれば夫としては忌々しく思わないかと言いたくなるが、結果は素直に受け入れるタイプの男だったようである。なお題名の意味はよくわからなかったが、5個なかなか揃わない状態で続いていくのが人生だと言いたいのか、あるいはただ待つのでなく主体的に選んでいけということなのか。コンビニダンサーの男が家出娘の挑発に乗らず、自らの意思を淡々と告げたのは少しいい場面だった。 そのように、見れば何がしか思うところもないではなかったが、基本的には長く感じる映画だった。北海道物とは相性が悪いのか。 なお別にコメディでもなく可笑しいところはほとんどないが、唯一「ホーマック」(北海道から関東まで展開するホームセンター)の駐車場で「ほんとあの子人見知りが激しくて」というのは少し笑った。この場面は斜里町ではなく少し離れた美幌町だったらしい。[DVD(邦画)] 4点(2018-12-29 19:25:32)《改行有》

494.  ノースポイント フレンズ<TVM> 《ネタバレ》 北海道文化放送30周年のTVドラマとのことで、「ノースポイント」はシリーズ名、その中に「つばさ」(主演・前田亜季)、「フレンズ」(主演・小山田サユリ)、「ポートタウン」(主演・宮崎あおい)、「ファームサイドソング」(主演・橘実里)の4本が含まれている。放送は2003年1~3月とのことだが、この「フレンズ」は2002年3月の撮影で、雪はあるものの厳寒期は過ぎてかなり緩んできた状態に見える。 題名のフレンズとは高校時代に同学年だった女1人男2人のことで、設定としては23歳とのことである。高校卒業後も適当な感じで生きてきた連中が、高校教員の結婚パーティーに参加するため顔を合わせたのがきっかけで、特に女1人が今後の生き方を見直すことになったという話らしい。男2人の方はどうせ今後も変わらずいい加減なガキのままだろうが、しかしそれでも一緒にいたおかげで女1人に変化がもたらされたのがフレンズの有難味ということか。 大まかにいえばそういう話と思うが、しかし個人的には特に共感できるところがない。また全編のほとんどがパーティー会場に向かうロードムービーのようなものだが、特に徒歩に転じてからは道もなくなり、どういう意図でそこを歩いて野越え山越えしているのかわからないのはさすがに気になる。全般的に長いという印象もあり、あまり好きともいえないドラマだった。北海道物とは相性が悪いのか。 なおこのドラマで注目されるのは、当時満15歳の沢尻エリカが衝撃的に可愛い(顔が)ことである。撮影時期からすると「問題のない私たち」(2004)や「パッチギ!」(2005年公開)よりも前の状態で、この時点で中学校卒業時の3月だったはずだが、役どころとしては20代の男の彼女ということになっている。人物としては極度の自己中女だが(当時からこういう役か)、それでも一応フレンズ3人の背中を押す役目を果たしていたようで、その事情によって全体のちょうど半分程度のところで退場してしまっていた。 また主人公は役柄上それほど魅力的な女性にも見えないが、主演の小山田サユリという女優は、出演者インタビューなど見るともっとかわいい感じの人だったらしい。[DVD(邦画)] 4点(2018-12-29 19:25:30)《改行有》

495.  THE HYBRID 鵺の仔 《ネタバレ》 製作側の説明によると、もとは「鵺 啼くカルデラ」という題名で、母子の断絶と再生を描いたミステリー映画(ホラーでなく)として2011年に作られたが、「納得のいく出来では無かった」ため、2014年に追加撮影と再編集を行ってモンスター映画にしたとのことである。詳細は不明だが、若手監督が手掛けた真面目な映画がお蔵入り状態になっていたのを、製作会社の社長が自らテコ入れして(企画・原案・プロデューサー・共同監督)娯楽性を加えて公開にこぎつけたと思えばいいか。それにしてもクラウドファンディングで3人から7,500円集めた(目標金額1,000,000円)というのはどういう意図だったのかわからない。 そのような経過を反映して、映画自体もとんでもないハイブリッドになっている。 当初制作部分に関しては、温泉地に伝わる「鵺」の伝説にからんだ謎を、美的な映像と人の情欲を織り交ぜながら解きほぐしていき、最後に主人公の心が解放される話だったように見える。しかし後で追加した部分が違和感ありまくりで当初のストーリーとほとんど関係がなく、背景設定も荒唐無稽な上に断片ばかりで全体像が見えない。製作側としてはこれでSFのつもりだったらしいが、オカルト研究家の賛辞を受けるようなものがSFであるはずもなく、ラストの大気圏外の場面と主人公の顔を映したところで心底呆れて終わりになる映画だった。当初の予定通り真面目に作ってあれば多少寂しい出来でも3点くらいはつけただろうが、ふざけたオカルトにしてしまったので低い点にしておく。失敗映画の例として見るなら面白いかも知れない。 なお真面目パートの主演は「穂のか」(石橋穂乃香)という女優で、言わずと知れた著名お笑いタレントの娘である。2011年の撮影だったとすれば22歳前後だったことになるが、この映画ではあまりに顔がふっくらし過ぎで、さすがにこれはちょっとどうかと思っていたら最後は慣れた(かわいく見えてきた)。 ほか余談として、群馬県の某温泉の協力で制作された映画とのことだが、温泉地の産物である黒いゆで卵を、拾ってきた化物の卵のように言っておいて適切なフォローもないのでは地元として不本意ではないかと思った。またついでにいえば、カルデラという言葉を榛名山に使うならともかく、ここの「湯釜」は火口湖という方が妥当ではないかと思うが、観光PRなどでカルデラという言葉を使いたい事情でもあるということか。[インターネット(邦画)] 1点(2018-12-25 22:36:23)《改行有》

496.  青鬼 《ネタバレ》 ゲームはやったことがない。小説版も読んでいない。ちなみにAKBの人も知らない。 時間が短いこともあってそれほど損した気はしないが得した気もしない。CGの造形物が単なる変な生き物のようで安っぽく、コミカルな顔や動きはゲーム風なのかも知れないが、映画ならもっと圧倒的に不気味なものが迫るところを見せてもらいたかった。また緊迫しているはずの場面で人物の動きが鈍いとか長々と話し込んだりするのも気が抜ける。 ストーリー的にもよくわからなかったが、実際にああいうわけのわからないことが起きて悲惨な結果になったものの、主人公が事態打開の条件をクリアしたことで、河川敷の場面まで時間が戻ったということではないか。つまり基本的にハッピーエンドだが、死んでよかったと思った男も死んでいなかったことになるのは困る。次回もあるようだがもう見ない(見る動機がない)。 なお主人公の同級生役で出ている古畑星夏さんは当時17歳くらいのはずで、まだ顔に高校生っぽい可愛らしさがある。映画出演は「1/11 じゅういちぶんのいち」(2014)に続く2作目で、女優としてのキャリアはあまりなかった時期かと思うが(本来はモデルだと思うが)、この映画の主演との対比では演技派に見える。この人と須賀健太の組み合わせなら少しまともに見えただろうが、アイドルホラーとしてはそうもいかないということか。[インターネット(邦画)] 3点(2018-12-25 22:36:22)《改行有》

497.  惨劇館 夢子 《ネタバレ》 2004-02-23に作品登録されていながらレビュー数0だったので見た。御茶漬海苔というホラー漫画家の「惨劇館」をもとにした映画化らしい。 原作がどういうものかは知らないが、これを見る限りは中高生向け?のソフトな猟奇サスペンスのように見える。一応は21世紀らしく児童虐待とか援助交際とか、変質者が女子中学生を監禁して惨殺するとかいった刺激的な要素もなくはないが、何より主人公が純真そうな制服女子高生というところがいわゆるジュブナイル的な印象を出している。ホラーではあるのだろうが超自然的要素は主人公の予知夢だけで、基本的には頼りになる(実際はなっていない)探偵を相棒にしたミステリー調の展開である。 物語の骨格は意外にしっかりしているようだが、しかし結果的にはどうも褒めるまでには至らない。主人公が予知夢を頼りに人を救うことを決意しながらも、肝心の人物を救えなかったことを悔いての「ごめんね」とか、あるいは全ての原因になった人物の「もう終わりにしよう」など、理屈としてはわかるが軽すぎる。また終盤のスリリングなはずの部分がかったるいので見ていられないとかCGの甲虫が意味不明だとか、何のせいかわからないが画質が悪すぎるといった問題もあり、決して嫌いではないが不足な部分のかなり多い映画という印象だった。 キャストの関係では美波(名字なし)という人の初主演映画で、当時はまだ15歳くらいだったらしい。フランスとのハーフのため洋風の美少女で、外見的には可憐なところと大人っぽいところが交代する感じだが、人物設定としては無邪気で可愛らしい少女になっている。時機を失しないうちに同じ主演でシリーズ化でもできればよかったのだろうが、それなら例えばポスタービジュアル的にももっとこの人を可愛く見せればよかった気がする。 またその妹役が貫地谷しほりという人で、姉役の美波と実年齢が逆転しているのは変だが、この姉妹が自宅でいかにも今どきの女子中高生風のやり取りをしていたのは面白かった。今どきといってももう十何年も前だが。[インターネット(邦画)] 4点(2018-12-25 22:36:20)《改行有》

498.  映画 「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A」 《ネタバレ》 マンガもアニメも見たことがなく麻雀も知らないままで本編劇場版に続いて見た。本編と同じくアニメ版あっての実写化ながら、もとからのファンに叩かれていないらしいのはうまく作ってあるのだろうと思われる。 今回は、主演の人さえ知らないからには他の誰も知らないだろうと思っていたらそうでもなく、奈良の部長でもっさりして一番可愛くない人物が「女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。」(2015)の「美少女」の人だったのは意外だった。また福岡の先鋒は「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(2015)でシロニンジャーをやっていた矢野優花という人だが、今回はかなりくせのある人物役で同じ人には全く見えず、こういう人々は出ている場所で違う顔を見せるのだということを思い知らされた。当然だが。 そのほか恒松祐里さんは当然知っており、今回はずいぶん可愛い役をやっている。しかし西東京のエースは、顔は妹に似ているが全く可愛げのない人物のため存在意義が感じられない。本編の登場人物としてはその妹も一瞬出ていたようだが、個人的には鶴賀学園の大将とステルスモモが顔見せしていたのが嬉しい。清澄のおっぱいさんがわざと胸を目立たせる場面があったりもした。 内容としては原作またはアニメ準拠なのかも知れないが、今回は登場人物がわりと普通の女子高生に見えなくもなく、かえって長野県がいかに変人ばかりだったかと思わされる。しかしやはり個性的な人物が目立っており、特に北大阪はボーイッシュなのとかおばさんっぽいのとかいろいろで面白い。また特殊能力のある人々も多いようで、そんなオカルトありえませんというのが原則通用しない世界だったようだが、映像面でアクセントをつけるのには役立っている。ほか奈良は別として、福岡と大阪は方言にこだわりがあったらしいのが印象的だった。 準決勝では先鋒戦に力が入っており、やっていることはよくわからないながらもとにかく感動的だというのはわからせられる。また大将戦では膝枕エピソードが効いていて、どうせ最後は西東京が勝って長野と姉妹決戦だろうとは思うわけだが、北大阪や福岡にも負けさせたくない思いは募った(主に両校の先鋒の印象から)。 こういうサイドストーリーを発展させるタイプのコンテンツを見ると、実際の競技の世界でも、勝敗の別なくそれぞれのチームにそれぞれのドラマがあることを改めて知らされる気がして悪くないと思った。 [追記]見てから少し経った時点で一番心に残っているのは花田煌という人物だった。こいつはえらい。 [2018/10/7追記]主演の桜田ひよりという人は知らなかったが、美少女タレントでもアイドルでもなく子役時代から演技の実績のある人だったらしい。知らなくて失礼しました。 [2018/12/23追記]エンディング後の追加場面は、最後に改めて全ての発端の時点(5年前)まで遡ってみせたものらしい。TVドラマ版にもない場面なのでなかなか感慨深い。[DVD(邦画)] 7点(2018-12-23 08:27:11)《改行有》

499.  咲-Saki- 《ネタバレ》 原作とTVは見ていない。自分の年代は麻雀人口比率がわりと高いのではないかと思うが、自分は勝負事が向いていないとわかっているので試しにやろうとしたこともない。それでは何のためにこの映画を見たのかといえば何だかよくわからないが、知っている若手女優が多数出ていることが誘因になったような気はする。 しかし全体の人数が多いこともあって人の判別が意外に難しい。さすがに主演女優は先日見たばかりで主人公でもあるので特定が容易であり、また柴田杏花という人も複数の映画で見たので覚えていたが、「人狼ゲーム」シリーズで見たはずの古畑星夏・浅川梨奈といった人々は申し訳ないが最後まで顔を思い出さなかった。ただ岡本夏美という人は、これまではかわいそうな少女役をやったのしか見たことがなかったが(2つだけだが)、今回は堂々として威厳のある役だったのが嬉しい。ちなみに顔がよく見えなくても発声と話し方で誰だかわかる人もいて、この人はどこにいてもこういう強烈な個性を発揮するらしい。 そのほか映画自体について一応書くと、まず映像的に柔らかで爽やか感のある色彩で統一され、当然ながら薄汚い印象は全くなく、男がほとんど出ないのも清涼感につながっている。また県大会限定のためストレートで純粋な競技映画のようになっており、ルールがわからなくてもそれなりに雰囲気だけで見ていられる。最初は怖い人とか変人ばかりかと思ったが、次第に人間味が出てきて最後は「楽しかったね」で終わるのでけっこう和む映画だった。見ているうちにみんながだんだん好きになって来て、特に龍門渕透華という人物(演・永尾まりや)には少し惚れた。 これと似たようなものとしては「ちはやふる」を思い出すが、競技かるたと比べても動きが少ないのを、いちいち振動させるとかアングルをつけるとか各種視覚効果で退屈させないのは、多くの麻雀映画を手掛けてきた監督に一定の蓄積があってのことだろうと想像する。ちなみに自分としては、麻雀映画というより「スクールガール・コンプレックス」の小沼監督として記憶していた。 なお余談として、「世界の麻雀人口は一億人を突破」というのは隣の大陸国家の文化侵略ではないかと一瞬思ったが、しかし当該国が本気になれば1億どころでは済まないだろうとも思う。それにしてもこの映画を見ている限り、世界の美少女資源を麻雀界だけで独占しようとする陰謀があるようにも見えた。 [2018/12/23追記]しばらくしてまた見ると名場面だらけに見える。風越のキャプテンがにっこりした場面は好きだ。また武田玲奈さんが個性的にかわいい。大勢の中の一人だが結構いい役だった。[インターネット(邦画)] 6点(2018-12-23 08:27:09)《改行有》

500.  生きてるものはいないのか 《ネタバレ》 舞台劇のように見えるが実際そうだとのことである。初演が2007年というわりに、マサヒコという男がマッチと呼ばれていたのはかなり古い時代のものに見える。 背景設定について真面目に考えるのは無意味かも知れないが、人々が次々死んでいく状況自体は原発事故を思わせるものがある。しかし死に方は放射線障害のイメージではなく、そもそも元になった戯曲は震災前からあり、映画の撮影も2010年だったようなので関係ないらしい。また劇中の都市伝説の真偽に関してもよくわからなかったが、それより結局、入院患者の期待が実体化した形で終わったのではないかという印象が強い(少し前に見た別映画の「だからみんなも死んでください」のような感じ)。 内容的には序盤の女子3人と三角関係の3人の会話が単純に面白いが、特に三角関係の男はこういうのが近場に本当にいるので他所事とは思えない。この男の人格や風貌が役柄に全くそぐわないのも不条理で、ここはコメディにふさわしい茶番感を出している。ただしそういう流れで見ようとすると、後半はそれほど可笑しいところもないようで退屈になる。 その後半では、死に際して人は何を思うのか、ということが描写されていたらしい。皆さんそれぞれこだわりがあったようだが、生きていること自体に執着するものがいないのはあまりにも軽薄な印象だった。人が死ぬのは当たり前だから今死んでも同じこと、というのは間違っていないにしても、それは現時点で何も背負っているものがなく、かつ今しか見ていない人々の発想である。劇中最も生きることに執着していたのは入院患者だったはずだが、この人物の存在が“生きろ”的なメッセージにつながっていたようでもないのがあくまでとぼけた感じを出していた。 なお登場人物では(女子限定でいえば)、個人的には序盤の女子大生3人(高橋真唯・田島ゆみか・池永亜美)に好意的なのと、掃き溜めに鶴という風情の病院スタッフ(青木英李)が目を引いた。どうせ最後と思えば付き合ってくださいくらいは言ってみたくなるが、断固拒否だったのも最後だからこそのこだわりがあったということか。[DVD(邦画)] 6点(2018-12-22 18:54:25)(良:1票) 《改行有》

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