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プロフィール
コメント数 3265
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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501.  愛さずにいられない(2005) 《ネタバレ》 主演の女優さんを、どこかで見たことがあるなぁ・・・と思っていたら、時代は異なるが、司葉子の若い頃にそっくりだ。 それはそれとして、香港恋愛映画の良さがタップリと染み出した逸品であった。 確実に女性の為の映画であると、私は勝手に思ったが、実際はどうなんだろう。 話があまりにストレート過ぎて、日本で作るのは難しい、というか現実的に日本では作られないであろう内容だ。 若い頃、街では有名なほど美人で優雅だった40代の主婦が、カリスマ理容師を愛してしまうという内容。 彼女は、その理容室に10年間も通い続けた。 年齢差はかなりあるが、理容師の方も、彼女のことを憧れの存在として、好意を持っていた。 だが彼女には、夫はもちろん娘もいた。 なのに、家族を捨てて、理容師の元へはしってしまう。 これをいとも簡単にやってしまうから、男の私としては存分に引いてしまった。 何不自由なく育った彼女は、稼ぎの悪い夫との生活に嫌気がさしてしまったのだ。 でもなぁ・・・いくら嫌気がさしたからって、泣いてる子供をよそに、あっさり逃げるから凄い。 いや正確には、逃げたことが凄いんじゃなくて、家族を捨てて若い男の所に走るという女性の行為を、何ら悪びれることなく、肯定的にあっさり描いている本作の視点が強烈だった。 その後彼女は、若い理容師とはうまくいかなかったが、実業家として成功し、幸せな笑みを満面に浮かべて上海の街を闊歩し、エンディング。 家族を捨てて若い男にぞっこん、そして仕事に生きて活き活き。 こんな流れを爽やかに、何ら否定的な部分もなく、最後まで描ききった内容に唖然。 だが、一種、その価値観というか、ある女性の生き方の方向性が明確に描かれているので、これはこれで一つの映画として完成している。 上海の街を活き活きと闊歩する主人公の女性。 その時流れる、アップテンポで幸せに溢れたエンディングソング。 この映像と音楽の取り合わせが圧巻のラスト。 このラストは、自分のやりたい事を貫き、ふっきれた女性の生き方を描いた本作の内容を、これ以上なく象徴していた。 男の私からしたら思いっきり引いてしまう内容であるにも関わらず、この爽やか過ぎるラストは、極めて爽やかだった。[DVD(字幕)] 7点(2012-03-25 16:11:10)《改行有》

502.  人間 《ネタバレ》 新藤兼人監督の作品って、切れ味は悪いけど、丁寧に人間を描いている作品が多い。 本作もその例にもれず、人間描写がとても丁寧で、人間の深い部分をえぐり出すような演出が冴えわたっている。 人間が飢えと渇きの極限状態に陥った時、どういった行動をとるか? まさに、それぞれの人間の本性が現れる状況だ。 心の強い人間、弱い人間、自分勝手な人間、そしてキャラ的に弱く餌食にされそうな人間(笑)。 この四人で構成された内容で、ラストは『飢餓海峡』を彷彿とさせる幕切れだった。 殿山泰司が主演で、これまた棒読みながらも、熱演していて素晴らしい。 脇役が多かった俳優だが、主演を張らせても、これだけ演じられるのだから凄い俳優だ。 もっとも、本作の様な地味というか地道な内容の作品でないと、主演を張るのは難しいだろう。 人間を奥深く丁寧に描いた本作であったからこその好演であり、まさに殿山泰司主演に相応しい内容だったように思う。[DVD(邦画)] 7点(2012-03-21 02:14:37)《改行有》

503.  PLASTIC CITY プラスティック・シティ 《ネタバレ》 映像的な面で、非常に個性を感じた。 ただ、個性があることと、映像センスがあることとは別。 本作の映像センスが優れているか、私には何とも判別し難いものがあった。 あらゆる映像表現に挑戦し、更には、香港とブラジルの要素も入り混じっており、映像面において、見所が多い。 ただ、少しファンタジックな映像を格闘シーンなどで使ったのはどうだろうか。 チャレンジマインドは感じられたが、浮いた感は否めないだろう。 アジア特有の美しさも随所に感じられる。 特に、オチョを演じたホァン・イーが美しかった。 又、闇社会のボスとして成り上がったアンソニー・ウォンの凋落、そして死に至るまでの顛末。 人間ドラマとして楽しめる。 オダギリジョーの、ボスとの絆の深さもよく描かれており、映像面だけではない、人間と人間との精神面でのつながりをも描いているのは評価に値する。 敢えて苦言を呈すれば、中国・香港・ブラジル・日本の4か国が製作に参画したことにより、映画全体が悪い意味で混沌とし、バラバラした感を否めないのが惜しい。 その点が、観る人によっては、わけの分けらなさにつながるやもしれない。[DVD(字幕)] 7点(2012-03-11 02:12:13)《改行有》

504.  七つの大罪(1952) 《ネタバレ》 イタリア、フランス人監督が競演するオムニバス。 進行役に“貴公子”ジェラール・フィリップ。 ◆第一話/貪欲と憤怒: ドケチ主人も凄いが、身勝手な妻も凄い。 ある意味、似た者夫婦。 ◆第二話/怠惰: SFコメディで、今観るとさすがに白けてしまった。 ◆第三話/淫欲: スカートめくれまくりでテンション高め。13歳の少女の想像妊娠騒ぎの顛末は、何とも微笑ましく印象的。 ◆第四話/嫉妬: 猫に嫉妬する妻。金髪女優選びのセンスと趣味、そして、その女優の心の内を描く術は、さすがロベルト・ロッセリーニ。 ◆第5話/美食: 観ている男子をあざ笑うかの様な、“美食”なオチは、かなりエスプリが効いていて、上質なチーズさながらにスパイシー。 ◆第6話/高慢: 新旧女優対決、フランソワーズ・ロゼーとミシェル・モルガン。この二人が演じた毒気たっぷりで、息の合った母娘の演技が素晴らしい。 ◆第七話/第八の大罪: 進行役ジェラール・フィリップ自らが出陣!観客の心の裏をかいてみせるラストに唖然。しまりが良い。 オムニバス映画が元々好きなので、全体的にかなり楽しめた。 この様な良質なオムニバス映画が、あまり陽の目を見ていないのは残念なことである。[DVD(字幕)] 7点(2012-03-04 16:42:17)《改行有》

505.  ばかのハコ船 山下敦弘監督の味わいが実によく出た一本。 山本浩司が着ている服のダサさ加減も全開。 その彼女の微妙さ加減も絶妙。 夢を追うツール“赤じる”ってのは、単に象徴であって、そのツールが何であれ、若者は夢を追いかけて突っ走るものだ。 それが成功する確率っておそらく低いけど、若者は夢を追う。 それが周りから見たら、“バカ”げていて無謀であっても、当の若者本人は気にもしない。 そして、その夢が破れた時、更にどん底まで落ちていく若者もいれば、普通に社会に復帰する若者もいるだろう。 そんな顛末はどうでもよくて、本作で山下敦弘監督は、そんな夢を追いかける若者の、良くも悪くも“バカ”な姿をフィルムで表現したかったに違いない。 田舎では人間関係が限定されていて、例えば風俗で働いていれば、当然知り合いが客としてやってくることだってある。 又、狭い人間関係だからこそ、誰かと誰かが深い関係になっていてもおかしくないし、そういう複雑で乱れた繋がりが田舎には存在する。 その辺りの田舎の人間模様も、丁寧に描かれていて、リアリズムを感じる。 チープな線を意図的に、そしてリアルに表現しており、山下敦弘監督の描く世界観ってのは、庶民的日本的なリアリズムに満ちていて好感が持てる。 そして、若者の持つイタさがよく伝わってくる。 このような点において、楽しく、そして時には切ない気持ちになったりする。 地味ながら、実に人間的で、愛すべき作品だ。[ビデオ(邦画)] 7点(2012-02-26 05:07:16)《改行有》

506.  ミミ オープニングロールのシンプルさ加減と、その間に流れ続ける不気味な効果音。 冒頭からして、緊張感が高まる。 「いったい何をされるのか?」 「いったい何をしでかすのか?」 「その何かは、どこまで過激に描かれるのか?」 などなど。 勿論これは、多少前知識あっての緊張感だけど、この緊張感が52分間続くのが凄い。 勿論、尺が短いせいもあるだろうが、これだけの高い緊張感を、最初から最後まで感じ取れたのは、音楽の使い方その他、その演出手腕の高さからだろう。 あと特筆すべきは、黄色を多用した色使いの映像センス。 それとなく黄色を、いたるところに配した映像センスと構図の良さは抜群だ。 さて肝心の、ミミが何かをされる問題のシーン。 ここくらいまでが、現代においては表現の限界ラインか。 その限界ギリギリをついている。 最後まで見終えた後、この問題のシーンまで巻き戻し、もう一度観てしまった(これ内緒!)。 ミミにスカートを履かせているあざとさは、監督の仕業なのかギャスパー・ノエの仕業なのか、いずれにしてもニクイ演出をしている。[ビデオ(字幕)] 7点(2012-02-23 19:13:55)《改行有》

507.  マンハッタンの二人の男 題名通り、マンハッタンが舞台。 それもほとんどが夜。 ジャン=ピエール・メルヴィルの手腕がここぞとばかりに発揮される設定となっている。 話は正直言って分かりづらいし、さして面白くもない。 しかし、メルヴィルの描き出すマンハッタンの夜は、メルヴィルにしか描くことのできない、実にハードボイルドな暗の雰囲気に満ち溢れている。 夜のマンハッタンにうごめく裏社会の人間たちが描き出されており、それらが淡々と描かれるドンヨリとした雰囲気に、酔いしれるための映画かもしれない。 モノクロの映像も一躍かっており、わびしいながら大都会然としたマンハッタンの街並みが、効果的に映像化されている。 マンハッタンの夜に、トレンチコートを着た男たち、都会の夜を疾走する高級アメ車、犯罪のにおい、寂しい光を放つ高層ビル群の灯り。 その全てを自由自在に描いてみせた、メルヴィルの監督しての手腕と個性に拍手を送りたい。[ビデオ(字幕)] 7点(2012-02-03 01:25:10)《改行有》

508.  スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ 《ネタバレ》 あるSW大ファンの方が絶賛されていたので観てみた。 これがおっしゃる通り、素晴らしい出来。 新3部作は、元々CG部分が多いので、違和感なく観ることができた。 話としては、おそらくエピソード2と3の間、すなわち「クローン戦争」を題材にしていると思われるが、2と3をつなぐ作品として、有意義な内容となっている。 アナキンがアナキンに見えないのはご愛嬌としても、SW好きの私からすると、おまけをひょんなことから観ることができた感覚で、嬉しさ倍増。 SW好きの体が反応してしまった。 また、SWシリーズを観返したいと思ったほど、SW魂に火がついた格好だ。 例えば、本作のようなCGアニメで良いので、エピソード7以降も作品にしてくれたら有難い。 勿論、実写の方が良いに決まっているが、実写が無理なら全然CGアニメでOK! いやー、それにしても良かった! 久しぶりにSWの世界に引き戻された感覚だ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-29 22:46:11)《改行有》

509.  裸の十九才 《ネタバレ》 新藤兼人監督の作品はそれなりに観てきたが、本作が個人的には一番。 主人公の生い立ちを丁寧に描くことで、暴発する要因となった背景が浮き彫りにされている。 集団就職で東京に出てきたが、仕事から何から全てがうまくいかず、歯車が狂う。 だがそれはきっかけに過ぎない。 主人公が暴走し、連続殺人を犯すに至った根本的要因は、その生い立ちにあった。 不遇な生い立ちを経て大人になった人間は、一生、その不幸な生い立ちを背負い続けねばならない。 それを、監督の新藤兼人は訴えたかったのだと思われる。 勿論、不幸な生い立ちを経験した全ての人間が殺人を犯すわけではない。 だが、大なり小なり、社会で疎外感を感じるであろうことは、想像に難くない。 ただその一方で、目を覆いたくなるほど凄惨なシーンが、主人公の生い立ちを描く部分において沢山出てくる。 これにはさすがに暗い気持ちになった。 暗い気持ちになる映画は、あまり好きではないが、作品の重厚さとメッセージ性の強さが秀でているので、映画として十分に楽しむことができた。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-11-23 23:42:27)《改行有》

510.  台北に舞う雪 《ネタバレ》 おもいっきりベタな展開の恋愛映画だが、ストーリーよりも、映像の美しさ、風景描写の素晴らしさ、色使いの美しさに目を奪われた。 台湾特有の、街中を線路が突き抜けるロケーション。 その近くに建つ、おんぼろの家。 これらが美しい映像によって映し出されている時点で、ストーリーがむしろオマケにも思えてしまう。 主演の男女二人は、特別、美男・美女とも思えないが、かえって親近感をおぼえた。[DVD(字幕)] 7点(2011-11-01 18:41:39)《改行有》

511.  顔(1999) 《ネタバレ》 殺人を犯した人間が逃走する様を、実にリアルに描いている。 人間、何がなくても何とか生きていけるもんだなぁ、と別なところで感心してしまった。 行く先々で色んな人と出会い、別れ、ひどい目に遭い、ちょっとした幸せも感じた。 そして何より、劣等感の塊だった一人の女性が、逃亡生活の中でちょっとずつ自我を発掘し、今までの人生で抱えていた劣等感を克服して、活き活きとしていく様が実に興味深い。 社会から隔絶していた人間が、反社会的な行動に出た時、初めて社会と本当の意味で接することができた。 何たる皮肉、何たる人生の数奇さよ。 人間、どこまで堕ちたとしても、とりあえずは生きているべきだということ、それを本作から学ぶことができた。 実に有意義な2時間だった。[DVD(邦画)] 7点(2011-10-20 02:34:31)《改行有》

512.  GO(2001・行定勲監督作品) 《ネタバレ》 序盤はむやみにハイテンション・ハイスピードで物語が展開され、「こんだけブッ飛ばしておけば、つかみはOK!」的な、あざとい狙いが脚本に感じられる。 やはり、この脚本家は苦手だ。 中盤からは、在日をテーマにした恋愛ドラマにシフト。 ハチャメチャさだけで最後まで突っ走ってくれたら、おそらく傑作間違いなしだっただろう。 ところが、在日という変に真面目なテーマを掲げるているもんだから、どうにもアンバランス。 バイオレンスとスピード感、そしてほろ苦くも甘いラブストーリーだけで構成すれば十分だったんじゃないだろうか。 今から10年前の作品で、一応“ゼロ年代”の映画ということになるが、古臭さが既に感じられるから驚き。 この10年の日本映画の変わり様は、私が思っている以上に早いようだ。[DVD(邦画)] 7点(2011-10-13 22:57:33)《改行有》

513.  麻雀放浪記 《ネタバレ》 モノクロの映像が実に自然で素晴らしく、風景もまたリアル。 戦後の荒涼とした状況の中で、博打に生きる男たちの生き様を通し、重厚な人間ドラマが実に巧く表現されている。 一方で、キャスティングについては好みに合わず、鹿賀丈史や加賀まりこ、大竹しのぶ辺りが、この戦後を舞台に描いたせっかくのリアル感を、少なからず損なわせている気がした。 しかし、主演の真田広之は意外にも良かったし、女衒役を演じた加藤健一がとにかくカッコよかった! ただ、あんな情け深い女衒じゃあ、商売にならないだろうに・・・ 麻雀については、ツミコミや賽の目の出し方テクニックなど、見所があった。 戦後の闇賭場として、バーだかクラブだかが出てきたが、場末で怪しげな雰囲気を醸し出していて、実に味わいがあった。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-10 19:49:32)《改行有》

514.  エレクション 《ネタバレ》 レオン・カーファイが、中山ゴンに似ているが、これがまたかっこいい!! 実にカチっとヤクザ役がキマっている。 要するに、香港の裏社会を描いたヤクザものだが、そこはさすがのジョニー・トー監督、後半にたたみかける様にアっと言わせるシーンが連発! 実に魅せてくれるヤクザ映画だ。 北野武のヤクザ映画とはまた異なる面白さを持った内容で、香港のチムチャーツイの夜景を堪能できるのも、また素晴らしい。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-09 22:32:08)《改行有》

515.  ハッシュ! 《ネタバレ》 同性愛ものという時点で既に自分にとってNGだし、高橋和也の演技も気色悪いのだが、それでもなお且つ楽しめたのだから不思議だ。 なんというか、世の中のはみ出し者同士が、傷を舐め合うような内容で、どちらかというと弱者を描いている。 そこに傲慢さは感じられず、何だか謙虚で繊細な映画だなぁ、と感じ入った。 人間的な優しさを感じさせる映画である。[DVD(邦画)] 7点(2011-09-11 01:53:17)《改行有》

516.  告白(2010) 《ネタバレ》 冒頭でいきなり、殺された幼児の母親である松たか子が、殺人事件の顛末を「告白」し、それから関連人物が次々に事件にまつわる枝葉を「告白」していくという、異色の構成。 何人もの「告白」がなされ、次第に明かされていく殺人事件の真相。 映像的に暗めのトーンで展開される、このシリアスな物語は、終盤に向かって息つく暇もなく展開していく。 この展開の仕方が見事で、全く飽きさせない。 物語の構成と暗い色合いの映像とがマッチして、独特の雰囲気を醸し出しているのも良い。 ただどうだろう、とびぬけて傑作かと聞かれたら、そうでもないと答えてしまうだろう。 生悪説を前提に、中学生という「少年」が残虐な行為をするという決めつけが少し極端な気がする。 確かに、人の心の痛みを十分には知らない少年が、相手の痛みを理解できず、残虐な行為をするパターンというのはよくある話だけれど、松たか子が担任していたクラスの少年たちは、全員が皆同じように残虐であり、同じような行動パターンをとる。 それが何だか、作り物的な風合いを感じてしまう。 そして無能な他の教師たちの描き方も極端。 熱血教師に恨みでもあるのかと思ってしまう。 総じて面白く、同年に製作された「悪人」と賞を競り合っただけのことはあった。 だが、「悪人」にしてもそうだが、胸がすくような、心が打ちのめされるような突き抜けた何かが感じられないのだ。 中島哲也監督は、現在において、間違いなくトップクラスの監督だと思うが、期待が大きいだけに、この程度の作品でまとまって欲しくない。 もっともの凄い作品を、今後に期待したい。[DVD(邦画)] 7点(2011-09-05 19:14:04)《改行有》

517.  悪人 《ネタバレ》 ストーリーで見せるというより、随所に込められたメッセージ性が強く感じられる作品。 人間は大切な人がいる場合、その人のことを妄信的に愛する。 相手が世間的にみて悪人であったとしても、愛する人にとっては関係ない。 親子間でも言えることで、娘を愛する父親にとっては、娘がどんなアバズレだとしても、可愛くて仕方ないし、大事で仕方ない。 誰が良い人で、誰が悪人か。 それを繰り返し根気強く、この映画は観る者にメッセージとして問いかけてくる。 悪人であるか否かの基準として、社会的規範に反する、例えば本作の様な殺人を犯した人間が悪人だとする見方がある。 その一方で、その社会的に悪人と見做された人間には、その家族がいて、その人間を愛する人がいる。 社会的に悪人であったとしても、その人たちにとっては大切な人であり、ただの弱い一人の人間である。 こうした社会性と個々人との相反する感じ方の相違について、実に考えさせられる映画であって、それぞれの人物に共感でき、つまり誰が正しいのか分からない混沌とした気持ちにさせられる。 もし自分の愛娘を殺されたりもしたら、その娘がたとえどんな人格だとしても、私は殺した人間を絶対許さないし、場合によっては犯人を捜し出し、殺してしまうかもしれない。 もしそうやって犯人を殺してしまったら、私も犯人同様に悪人と見做される。 だけど、本当に悪人なのだろうか? 社会的な規律を維持する上で、殺人を犯したら悪人とされるのであって、深い人間関係や感情の問題を考慮した時、誰が悪人で誰が普通の人なのか、その基準は極めて曖昧だ。 簡単なハッピーエンドにはせず、バッドテイストな形で終わらせたからには、一部の人には共感を得られないかもしれないが、私にとっては大いに気持ちを揺さぶられ、メッセージ性の極めて強い秀逸な映画であった。[DVD(邦画)] 7点(2011-09-03 13:26:35)(良:1票) 《改行有》

518.  さんかく 《ネタバレ》 小野恵令奈のロリコン的エロさに尽きる一本。 この少女をめぐり、周りの大人たちが翻弄される。 男女それぞれの恥ずかしい部分や、恋愛における男女の行動パターンを見事に捉えていて、それが随所に描かれている。 まるで、男女にまつわる「イタイエピソード」を紡いだ様な流れ。 おそらく、普通に恋愛を経験した大人、特に男が観たら、自分のイタイ思い出とリンクして、恥ずかしさや思い出がこみあげてくるに違いない。 とにかく、小野恵令奈の小悪魔的なエロさを満喫できるだけでも、観た価値はあった。 露出度の高い小野恵令奈の服装、甘ったれたしゃべり方も、この上なく魅惑的で危険に満ちている。 個人的には、路上で小野恵令奈がサラリーマン風の男に痴漢されるシーンなどの、ちょっとした演出もまた効果的で印象に残った。[DVD(邦画)] 7点(2011-08-27 02:09:55)(良:1票) 《改行有》

519.  バッシング 《ネタバレ》 作品名の通り“バッシング”されまくる一人の女性を主軸に、その女性が原因でその家族までもがバッシングの対象とされ、悲劇が起こるまでの顛末を描いた、極めてシリアスな家族人間ドラマ。 私の最も好きな「東京フィルメックス」でグランプリを受賞した作品。 この映画祭でグランプリを獲った作品には今のところハズレが無い。 殺伐とした浜辺を眼前にそびえ立つ古びた団地。 そして荒涼とした工業地帯。 地味で地道な仕事に勤しむ人々。 それらの舞台設定が抜群に良く、このシリアスな題材に感情移入できるだけの、良い意味での映像的な「負のパワー」に満ち溢れている。 主人公を演じる女性は、とても自分勝手で、コンビニでわがままをタメ口で言ったり、決して美人とは言えない容姿など、冒頭から嫌悪感を振りまいている。 これは序盤から中盤で、この主人公の女性に同情的な感情移入をさせまいとする、計算づくの演出だったに違いない。 その序盤の彼女への印象が、終盤では見事に覆っていく。 いわばコンプレックスを抱えながら、貧しい環境で育ってきた一人の女性が、閉塞的な荒涼とした町の中で、いかに自分の居場所を失っていったか。 それは想像に難くない。 そんな彼女が、海外ボランティアを通して、自分の存在価値たるものを感じたかったと考えるに達するのは至極当然な流れである。 何不自由なく育った人には、他人事にしか思えないだろう内容だが、どこそこかにコンプレックスや居場所の無い孤独感を経験したことのある人なら、本作を鑑賞して、共感をおぼえるに違いない。 さすが「東京フィルメックス」のグランプリ作品だけあって、心の深い部分をえぐられたような衝撃を感じた。 これからも「東京フィルメックス」には注目していきたいし、過去の受賞作もできる限り観ていきたいと思う次第である。[DVD(邦画)] 7点(2011-08-22 23:34:09)《改行有》

520.  たぶん悪魔が 《ネタバレ》 ロベール・ブレッソン監督作としては、遺作の『ラルジャン』と似た味わい。 その映像たるは、恐ろしいほどに澄み切っていて、透明度が高い。 この美しい映像の中で、ロベール・ブレッソンの手腕が遺憾なく発揮されている。 主人公の男は、これまたおそろしいほどに美青年で、おそらく女性ならこの俳優を観ているだけで楽しめるだろう。 しかし、この主人公は全てにおいて、社会と隔絶した考え方を持っており、ひと癖もふた癖もある人物設定で、実にとっつきにくいキャラである。 ところが、そんなとっつきにくいキャラであるにも関わらず、彼は世の中で居場所を失い苦悩しており、同情に似た共感を観る者に与えてくれる。 美しい映像の中で、美しい青年が、苦悩の果てにその命を散らせていく。 実に破滅的でいて、美しい世界観が展開されていく。 青年は頭も良く外見も良いのに、自ら命を捨てる。 それは絶望の果てに、彼が選択せざるを得なかった唯一の選択肢だった。 人は馬鹿に生まれて外見も悪ければ、不屈の精神で生きる道をさぐるべく生へのモチベーションを得ることもあろうが、この青年のように頭も良くて外見が良いと、逆の道を辿り、破滅死に追い込まれることがある。 どちらの人生が良いのか? どちらに生まれれば幸せなのか? そういった深淵なテーマについて、考えさせられる作品だった。 本作は、ロベール・ブレッソン作品としては、初期の傑作群にはやや及ばないものの、晩年の作品として評価の高い『ラルジャン』に匹敵する作品であると思う。[DVD(字幕)] 7点(2011-08-21 00:17:21)《改行有》

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