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501.  天然コケッコー 《ネタバレ》 【そよさん】心やさしい少女。下級生の母親的存在。思い出をとても大切にする。それは大沢が捨てた校舎の石を捨てれなくて持ち帰る挿話に集約されている。「もうすぐ消えてなくなると思えば、些細なことが急に輝いてみえてきてしまう。一緒に登校したことを奇跡みたいに思い出すことがあるのだろうか」大沢に愛のある接吻はできなかったが、黒板にはできた。ジャケットにこだわるところはリアリティがあります。 【大沢くん】いつも無愛想でつまらなそうな顔。両親が離婚し田舎へ引っ越すという悲運を負う。都会ずれし、プロレスとゲームが趣味。自殺者に花を供え、拝んでいるさやに無理やりキスしようとするほど無神経。「おまえの手、おしっこくさい」「(膀胱炎の子を心配するそよに)よかったじゃん、ガキの子守りしなくてすむし」などと心無い発言が多い。「この高校パス、だって坊主じゃん」「都会の高校行くかもしれん」でもそよの温かさにほだされ、田舎の学校に残ることに。悪い人じゃないんだけどね。 【感想】修学旅行で都会の喧騒に馴染めないそよだったが、ふと町騒が山の音と同じだと気づく。幻想的な映像と音楽が流れる。新しい世界との折り合いがついた瞬間だ。「あんたらとはいつか仲良くできる日がくるかもしらん」元気になって大沢の手をとって歩きだす。少女の心の成長の一頁を鮮やかに切り取った場面です。そよとって大沢は外部世界の象徴。彼から刺激を受けつつ、ささやかな冒険を通して、時には傷つきながらも成長してゆく姿が瑞々しく描かれています。大沢の魅力が少ないのが残念。さやを救った場面くらい。あとは接吻のおねだりばかり。田舎の人の心に触れ心が癒され、やさしい少年に成長してゆくのが理想なのですが。ロングショットによる長回しや合間に挿入される季節の映像が印象的。ラストショットは少し作り過ぎでしょうか。「扉から教室を見るさや」から「窓から教室を見るさや」への転換は見事ですが、陽光浴びるカーテンのゆらぎ、満開の桜の位置、舞う花びらなどコテコテです。きっと私の心が汚れてるからそう見えるのでしょうね。反省。不倫、ロリコン男など田舎を描くのにリアリティありましたが、映画の主題からして不要でしょう。短縮して短編映画の如き雰囲気にすれば傑作になれたかも。題名は「天然の鶏=地鶏」で田舎に自然に暮らす人のこと。ボロイラーにはなりたくなりですね。心は地鶏で居たいです。[DVD(邦画)] 7点(2010-06-09 17:34:27)(良:2票) 《改行有》

502.  あこがれ (1958) 《ネタバレ》 悪童にとって絶対に手に届かない花へのあこがれ。恋に目覚めた少年の苛立ちと嫉妬と憎しみ。女優が美しいので納得がゆきますね。 モノクロの白と黒のコントラストを上手に使っている。脚を目立たすために黒めの服。ボディラインを美しく表現する白いテニスウエア。あの時代にあんな短いテニスウエアがあったことが驚きです。テニスやコレシアムで呼び合うシーンなどは絵巻物を見るような美しさです。 悪童たちは美女から眼を離せない。女性がはつらつとして美しいということもあるが、恋人がいることがさらに興味をかき立てている。絵にかいたような幸せを体現しているカップル。テニス、森でのデート、人目を気にしない接吻や抱擁。あこがれの感情に加えて、やっかみや嫉妬の感情が複雑に入り込んでいるのだ。ナレーションでは「憎しみ」「復讐」などと表現されている。すべて性の芽生えに根ざすものだ。 悪童たちは彼女の後をつけて自転車に触ったり、カップルを脅かしたり、はやし立てたり、テニスを見学したり、落書きをしたりする。そうせずにはいられないのだ。それはエスカレートして、恋人(婚約者)がいない間に卑猥な絵葉書にみだらな言葉を書き連ねて女性に送るという行動になる。だがそれには大きなしっぺ返しがあった。男が山の遭難で死んでしまうのだ。あこがれだった女性はかつての輝きを失い、黒服に身を包み、もう悪童たちの関心を惹く存在ではなくなってしまう。恋をしていることにより、彼女は明るく若々しく、美しく輝いていられたのだ。罪の意識と後悔だけが胸に残る。失恋の疑似体験といえるだろう。無垢な少年期も終わりを告げた。。 複雑な心理の少年期を一陣の風のように描ききった力量に敬意を払います。ラストの太陽に映える木の葉が少年期の象徴でしょう。まぶしいですね。ナレーションが語り過ぎるのが欠点でしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-09 04:55:44)(良:1票) 《改行有》

503.  ピアニストを撃て 《ネタバレ》 【編集】冒頭の逃走シーンで、人にぶつかったと思ったら、一緒に歩き出し、和やかな話をする。そしてまた逃走。酒場で弟に助けを求めたと思ったら、女をくどいている。見つかり、また逃走。その後歌手が歌うシーンが長々続く。一本につながらない難解な編集。他にもある。孤独な男と思っていたら、娼婦と和気藹藹に寝る。二人組が部屋を見張っていたら、子供のいたずらで車に液体を落とされる。誘拐したと思ったら、穏やかに家族などの話を始める。根は悪くない二人組と思わせておいて、最後は銃撃戦で恋人殺害。意表を突きます。 【難解】難解なのは、人生は一筋縄ではいかないという意味。娯楽映画の善悪二次元論的展開を拒否。悪人の兄や二人組にも家庭的、人間らしい部分があるし、善人の妻も夫の出世のためにプロモーターと寝ていた。逃走や誘拐しているときでも心が緩み、ふと人間性が表れる瞬間がある。人間の持つ複雑性を表現したかったのだろう。 【内なる声】男の内なる声(科白)は臆病であることの告白。臆病故に、ピアニストとしての成功も一時的なものであり、女への態度も本心とは裏腹のものとなり、女を不幸にする。この内なる声は不要。あくまで映像で見せるべき。 【題名】男は絶望しておらず、開き直っている。死神に対して今度は女ではなく、俺を撃てという意味。開き直りが運命を切り開く場合がある。「piano player」は「pianist」より格下の存在。 【感想】男はピアニストとして成功したが、自信が持てない。妻はプロモーターと寝て自己嫌悪に陥り、又男がいつまでも自信がないことへの苛立ちから別れを持ち出し、自殺する。そのショックで、名を変え、場末の店でピアノ弾きに。恋人ができ、新出発の矢先、三角関係が発覚し、店主を正当防衛で殺害。兄のトラブルで引き取った弟がさらわれ、恋人も死亡。場末のピアノ弾きに戻る。一連の事件で開き直った男にとってピアノだけが自信の存在証明となる。さぞ演奏には深みが増すことでしょう。最後は自信を持った顔付になっている。悲劇が男を強くしたのだ。これも人生の皮肉、深み。映画で言いたいことはわかるが、手法がこなれていない気がする。人間劇よりも、細切れ、継ぎはぎの印象の方が残るのは欠点。悪人の孤独や悲劇も描けていればもっと深い作品になっていただろう。[DVD(字幕)] 7点(2010-06-09 03:25:23)《改行有》

504.  パピヨン(1973) 《ネタバレ》 ①このような映画はもう作れないかも知れない。監督や演者の映画に対する意気込みが現代と違うのだ。最初に囚人たちが行進するシーンだけでも大変な手間がかかっている。今ではCGで簡単に出来ることが、当時は全て手作りだった。主演二人の演技は迫真を通り越して、神がかりといっていい。役者魂を見せてもらいました。 ②パピヨンは銀行強盗の罪を犯したが、無実である殺人罪で実刑を受けた。社会への反逆心が強く、脱獄に執着するのはこのためだ。特筆すべきは友情に厚いこと。差入れをしたドガを密告せず、命がけでかばった。尋常でない強靭な精神と生命力である。だからこそドガも心を開いたのだ。「誘惑に勝てるかどうかで人間の価値が決まる」 ③驚くべき展開の連続である。海で撃たれる囚人、船内で体内に隠したお金を奪うための殺人、ギロチン、ワニなどに先ず驚かされる。最初の脱獄は、窮地のドガを助けるために監視を殴り、その勢いで脱獄。独房の劣悪な環境。さらに食事半分で、光もない生活。次の脱獄は、用意されたボートが腐っていた。と思ったら、奇妙な刺青をした人物がハンターを殺し、手助けしてくれた。筏で着いた先で、ハンセン病の密輸業が船を用意し、お金もくれた。両者は共にアウトサイダーとして共感するものがあったのだろう。やっと着いたと思ったら、地元警察と鉢合わせ。見知らぬ犯罪者と一緒に逃走。警察と原住民に追われるが、危機一髪で海に飛び降り、なんとか脱出。行きついた先の原住民は穏健でパピを迎えてくれた。かわいい娘と一緒に暮らす平穏な日々。だが彼らはある日いなくなる。商人を殺したことに関係がありそうだ。真珠をもって町へゆき、修道院に紛れこむが、警察に突き出されてしまう。再び5年間の独房生活。その後島流しに遭い、ドガと奇跡の再会。椰子の実の袋で潮流に乗り、脱出成功。 ④「バカ野郎!俺は生きてるぜ」と叫ぶ。自由を勝ち取ることが彼の存在証明なのだ。「自分は既に死んでいる」「人生を無駄にした罪で有罪」という自覚があるため、人間らしく生きる=自由になることに挑戦し続けたのだ。諦めることは死んだも同然なこと。どんな逆境や困難にも決して諦めない彼の生き方には共感できる。 ⑤冒頭の行進シーンで「パピヨンきっと帰れるわ」と声をかけた女性がいた。あの女性の正体は自由の女神だったのだろう。14年もかかったが、蝶は自由になった。[DVD(吹替)] 9点(2010-06-08 00:30:37)(良:1票) 《改行有》

505.  デッド・フライト 《ネタバレ》 ツッコミましょう。 ①研究所の一人が誤って感染してしまい、彼女を救うために箱に封じ込め、極秘にパリに運ぶ途中の出来事。でもパリに入ってからどうするか決まっていない様子。だったらパリに行く必要がないと思うが。国内に潜伏すればいい。②ゾンビを閉じこめる箱がロックされていない。内から出れないように厳重に施錠する筈。 ③殺さないから出てこい、といって撃つのが卑怯。 ④死者が生き返るウイルスと説明があったが、人間を襲って食ったり、強くなる説明がない。ゾンビ同士で殺し合いはしないの?完全に食べれらちゃう人とゾンビ化する人がいる。大量失血したら動けなくはずだが。 ⑤血液感染するはずなのに、生存者の中に咬まれてもゾンビ化しなかった人がいる。 ⑥武器になりえるパターは飛行機に持ち込めない。タイガーウッズに似すぎている。パターで首は飛ばない。 ⑦問題について協議するペンタゴンの役人の人数が少ない。管制塔の従業員も数が少ない。そもそもジャンボジェット機なのに乗客が少ない。CAも少ない。 ⑧トイレの鏡の壁を破ってゾンビが飛び出てくる ⑨床を破ってゾンビ両腕が飛び出てきて、あたかも眼があるかのように人を捕まえる。 ⑩銃を乱射しても飛行機の壁に穴が開かない。 ⑪金玉撃つより脳を撃て。 ⑫戦闘機は撃墜命令を受けているのに、生存者がいるからと勝手にミサイルを爆破させた。 ⑬人間を乗せた椅子がぶつかっただけで戦闘機が爆発炎上。 ⑭生き残った人たちは不思議とゾンビのことを全く気にしていない。のんびりムード。[DVD(字幕)] 4点(2010-06-07 09:51:43)《改行有》

506.  エアポート’75 《ネタバレ》 ①空港で誰かを待つ女。男が現れ、熱い抱擁と接吻。向こうで話そう、と歩きだす。だがその会話は別れ話だった。スチュワーデスと元パイロットで現航空会社の職員の二人は、すれ違いの毎日を送り、もう6年間も婚約中。これ以上一晩でも待てないという女と仕事の都合で30分しか時間が取れないという男。結局物別れに終わる二人。その後女の乗ったジャンボ機が事故で操縦者がいなくなり、女が操縦するはめに。最後は男がヘリからジャンボ機に乗りこんで無事に着陸させることに成功。男は女に結婚を申し込む。これがメインとなる話の筋。②もう一つは飛行機会社の副社長の活躍。事故機には妻と息子が乗り合わせている。興味半分で取材、報道しようとするTVレポーターに反発。各方面にテキパキと指示を出し、なんとか飛行機を無事着陸させようと悪戦苦闘する。③2つの筋に加えて、いくつかの群像劇が用意されている。引退したハリウッド女優、亡くなった副機長の恋人のスチュワーデス、端役の役者、病気の少女、心やさしいシスター二人組、犬を持ち込んだ女など。だが彼らの人生の掘り下げが浅く、十分に機能していない。生きるか死ぬかの大危機に直面しているのである。もっと感情的になり、パニックになる人も出てくるだろう。皆大人し過ぎるのだ。④操縦士がいなくなれば、先ず乗客に操縦経験者がいるか尋ねるのが普通。経験者がいなくても、男達何人かで協力して操縦するだろう。それに穴が開いたのなら気圧の関係で気流が外に向かい、中のものは外へ出る。現に副操縦者は投げ出された。そんな状況下で女性が操縦するのは難しい。機内も気圧が低くなり、酸素マスクが必要となる筈。この辺りの事故描写が甘く、手に汗握る展開とはいかない。ところで飛ばされた空軍パイロットはどうなったのか。パラシュートは装着してなかったのだから。事故当時飛行機はソルトレイクで着陸態勢に入っていた。それからぐるっと回ってソルトレイクに戻ってきたのだろうか。⑤油漏れもあり、ブレーキが効きにくいという障害もあった。だが、物足らない。タイヤが降りないとか、滑走路が霧で見えないとか、第二の危機があればよかった。そう思うのは現代の「危機を煽るハリウッド映画」を見すぎた弊害だろうか。昔はパニック映画でものんびりしていたんですね。古き良き時代を象徴する映画ともいえそうです。そう思って観れば悪くない出来です。[ビデオ(吹替)] 7点(2010-06-06 11:12:32)

507.  ガス人間第一号 《ネタバレ》 【ガス人間の犯罪】①彼の能力からして、銀行強盗に拳銃を発砲したり、殺しをする必要はない。失神させればよい。②ガス化しても声を出したり、札束を持てるのが不思議。③車で逃げる必要ないし、ましてや警察に追われて藤千代の家に行くなよ。④予告電話と殺害までした模倣犯の動機不明。 【水野】①体格不十分でパイロットの夢破れる。博士に実験に協力すればパイロットになれると説得される。騙されて怪物にされ、博士を殺害。②人生に絶望するものの能力に目覚める。③藤千代に恋するが、不器用で金銭で歓心を買うというアプローチ。殺人は平気で、恋だけが生きる希望。 【藤千代】没落した舞踏の家元。水野から金銭を融通してもらう。お金で元一門の者を雇い発表会を開こうとするが、水野との関係を知られ、元一門の者は去る。水野が全てを捨て、殺人までするほど愛してくれていることを知る。自身が人生に失望していることもあり、共感が愛に。しかし怪物かつ殺人者である彼と幸せに暮すことは不可能。愛の成就のために一緒に死ぬことを決意。結婚の約束をし、発表会終了後に無理心中。 【恭子】最初は藤千代の美しさに嫉妬していたが、次第に2人の恋に同情的に。藤千代に水野を説得して無茶をしないよう、又発表会を辞めるよう勧告。 【感想】隠れた名作。草深の庵、月光、蛍、鬼の面をつけた踊り、そして美女登場。道具立てが素晴らしく、美しい絵物語を見るよう。拳銃をぶっぱなす派手な銀行強盗で幕が開くが、中盤でガス人間の正体は明かされ、サスペンス要素は失せて、以後は恋愛物語に。水野の愛の大きさと暴走に戸惑う藤千代。男の正体と、本当に心から愛されていると知ってからの女の葛藤が見どころ。犠牲者達への責任も感じている筈。どうしようもない恋の行方は爆死という悲劇で終わる。日本的情緒たっぷりな結末。常識破りの恋である。じょうしき-し(死)=じょうき(情鬼)これは冗談で「情鬼=水野」。水野の人間性や葛藤があまり描かれていないのが残念。あまりにも自己中心的で、不敵な振る舞いをするので、共感しづらい。殺人は仕方なく犯す設定にすべきだったろう。警察の爆破装置のスイッチを外しておいたのは若い刑事だろう。それにしても藤千代はどうやって警察の計画をあらかじめ知ったのか?爺やを巻きこんだのはどうしてか。全てを知っている爺やの最後の演技に注目。全ては「古い家の没落」を象徴している。[ビデオ(邦画)] 8点(2010-06-05 18:47:27)(良:1票) 《改行有》

508.  ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟 《ネタバレ》 過去に最強の超獣を海に封印したウルトラ4兄弟。封印を解き放つため四体の宇宙人が襲来。バカな一体がメビウスに挑んで撃破される。が、Mの戦闘能力は研究される。3体でMを拘束。4兄弟が最後のエネルギーを使って変身、Mを助けようとする。だが侵略者の目的は最初から4兄弟でMは囮にすぎなかった。4兄弟は拘束され、Mは倒れる。子供との約束を守るため、Mは最後の力を振り絞り、再び変身。4兄弟を助ける。だが既に宇宙人は4兄弟のエネルギーをマイナスに変えて封印を解き、超獣を解き放った。超獣は仲間であるはずの宇宙人を殺すほど残虐で悪魔的、かつ強い。たちまち危機に陥るウルトラ兄弟。そこへゾフィー、タロウが駈けつけ、エネルギーを供給。全員でMにエネルギーを注入し、合体、Mは新タイプに変身。超獣を倒す。 サイドストーリー1は、怪獣に襲われた恐怖で自信を失った子供が勇気を希望を取り戻す話。「最後まであきらめないのが大切」「信じる力が勇気になる」「未来を信じる心の強さが不可能を可能にする」などのクサイ言葉のオンパレード。美辞麗句を並べても感動にはならない。それを物語で見せるのが本来のウルトラマン物語の筈。サイドストーリー2は、Mであるミライがなぜウルトラマンは人間のために戦うのかという問いの答えを見つけ出す話。ミライの見つけた答は「人間が好きだから」。単純すぎ!総括:戦闘シーンが多いのが特徴。超獣が強いのは見ごたえがある。が、援軍が来ないと勝てないというのはいただけない。兄弟はもっと知恵を絞らないといけない。今回は宇宙人たちの方が知恵があった。メビウスの内面の成長を描いているが、そんなことは子供たちにとって興味はないだろう。ウルトラマンはあくまでヒーローであるべきで、悩み苦しむヒーローは魅力がない。又ガイズの隊員とウルトラマンが力を合わせて成長する話にすべき。ガッツが蚊帳の外だったのは解せない。一緒に戦ってこそ両者の絆が強くなるのだ。援軍はゾフィー達でなくガイズであるべきだった。原点に戻り、単純でスカッとする「怪獣映画」のウルトラマンが見たい。4兄弟の人間体の現在が見れたのは収穫。[DVD(邦画)] 6点(2010-06-03 08:58:44)《改行有》

509.  大魔神 《ネタバレ》 特撮映画の傑作。怖がらせることにかけては随一の作品。前半の魔人封じの祭は迫力があった。老巫女の演技も良い。中だるみがあるが、後半25分は圧巻で怒濤の展開。大魔神は雷や雲を操り、火玉となり飛ぶことができ、火を一瞬にして消す念力も持つ。まさに神である。応戦する側も、鉄砲、くさり、投石、火攻めと工夫があり、退屈しない。特撮がよく出来ていて、構図がビシビシ決まる。音楽も素晴らしい、ほとんど神の領域。ただいくつか気になるところがあった。①謀反のとき若君と姫が一緒に寝ていたが、あれはありえない。武士なら子供でも男女が一緒に寝ることはない。②若君と小源太の活躍が少ないのが欠点。10年経っても花房の残党達と連絡もとってないとはどういうことか?城に向かった小源太はすぐに捕まり。それを助ける若君も工夫なく罠にはまる。このような二人で城を取り戻し、お家再興がなるわけがない。花房の残党も無能揃いだ。③悪ボス左馬之助の悪逆非道ぶりがゆるい。低予算のためか、彼の京都に登ろうという武将としての活躍ぶりは省略。結局殺すのは小源太を逃がした男と、巫女の二人だけ。農民を使役する場面はそこそこ描かれている。④巫女の話を聞くために城の中にまで上げているが、これはありえない。⑤竹坊の母が死ぬが、その場面がない。冒頭シーンで顔を出しているのに。これを出すことで話に厚みがでるのだが。⑥磔の二人の綱がゆるゆる。⑦大魔神は阿羅羯磨である。過去に暴れだして悪さをしたようだ。それを封じる守り神が、武人像。だから神(武人像)と大魔神は本来別のもの。しかし両者一体となっているのはどういうことか?⑧大魔神は光玉となって飛んできた。だが去るときは光が飛んでいって、武人像が残った。ここにも矛盾がある。光玉は神なのか、大魔神なのか?⑨神が怒ったのは、眉間に鏨(たがね)を打ちこまれたから。参加した者は全員雷や地割れで死んだ。大魔神が動いたのは、乙女の祈りと涙と捨て身の心による。大魔神が去ったのも同じ。乙女の願いは、兄と小源太を助けてくれということで、悪ボスを成敗してくれとは言っていない。大魔神は、自らの復讐ために城に向かったのだろうか。兄と小源太を助けたのは結果論?[DVD(邦画)] 8点(2010-05-31 17:51:32)(良:1票)

510.  ゴジラVSメカゴジラ 《ネタバレ》 ◆俯仰、俯角、ズームを駆使し、巨大なものを巨大に撮れている。カメラのタメやパン、随所に見せる効果的なオプチカル合成。光、煙、土煙、風、火薬、逃げる大衆など特撮は秀でている。◆ゴジラ、メカゴジラ、ガルーダ、ラドン、謎の卵、ベビーと五条の疑似母子、G-force、国連軍、超能力、恐竜オタク、青木と五条の恋愛など内容は多彩。ゴジラも建物を小気味よく破壊。戦闘シーンも長い。ファン心理を心得ており、飽きさせない展開になっている。◆それにも関わらず鑑賞後に爽快感が得られない。それを分析してみた。①敵役が不在。ゴジラもラドンもベビーを仲間と思い、守りに来ただけ。ゴジラもメカゴジラも悪相。どちらを応援すればいいのか。②テーマは「生命の偉大さ」。にも関わらず、死んだラドンが風化してそのエネルギーを得て、ゴジラが復活するなど、生命を無視した展開になっている。この矛盾が最大の失敗。生命賛歌で通すべきだった。せめて第二の脳が再生されるシーンはカットすべきだった。③ラドンもゴジラもベビーを仲間と思っているが、大きさが違いすぎる。とくにラドンは姿も全く違う。無理がある。④故に結末でベビーがゴジラについて行くが、それで良かったのか分らない。だからわだかまりが残るのだ。【ツッコミ】①青木は能力が劣っているのに何故G-forceに選ばれる。青木のダメぶりを強調する必要はない。②青木がプテロノドンを好きという設定は偶然がすぎる。③ラドンは先に孵化したわけだが、早く巨大になりすぎ。④「雑食恐竜が翼竜に托卵」はありえない。托卵は鳥が鳥にするもの。⑤ベビーが不安になると目が赤くなるのは解せるが、卵全体が赤くなるのは解せない。⑥卵に付着した植物が音楽を奏で、それがベビーの精神に影響を及ぼすメカニズムが不明。何の植物だったのか。⑦子供たちが植物の音楽を歌ったとき、どうしてベビーは興奮したのか。⑧ラドンの飛行速度が遅すぎる。マッハを超える筈だが。⑨卵を巡って、島でラドンとゴジラは対決した。何故ラドンは敵であるゴジラに自分の残っている生命エネルギーを与えたのか。⑩復活したラドンが熱線を吐けるようになってる。⑪第二の脳を破壊するより第一の脳を破壊せよ!⑫コンテナから救出するのに手間がかかり過ぎ。⑬復活したゴジラ強すぎ。⑭グルーダとメカゴジラが合体してもさほど意味がないなあ。[DVD(邦画)] 7点(2010-05-20 07:27:42)

511.  海のトリトン オリジナル劇場版 《ネタバレ》 【ストーリーの整理】: かつてアトランティス人が世界を支配していた。ア人はオリハルコン(特殊金属)を元にポセイドン巨像を造り、ポセイドン族を人身御供にした。だが、ポ族の一部は巨像のエネルギーを太陽のように利用して地底世界を作り、生き残った。その数1万人。ポ族は巨像のエネルギーを使って、ア大陸を沈没させ、ア人に復讐を果たした。その時ア人はオリハルコンのマイナスエネルギーで短剣を作った。この短剣で巨像を倒せば、地底世界のポ族を全滅させることができるのだ。ア族はポ族に報復するため、新人種トリトン族を生みだし、短剣を伝えた。だが長い年月が経ち、ト族は短剣の使い方を忘れてしまっていた。それでもポ族は刺客を放ってト族をほぼ滅亡させ、短剣を奪おうとした。ポ族は依然として地底世界に閉じこめられており、地上で暮すためには巨像を動かすことのできる短剣がどうしても必要だったのだ。そこへトリトンが短剣を持って登場。短剣には巨像を引き付ける力があった。そのため巨像が動いてしまい、地底世界のポ族は一瞬にして滅亡してしまった。そして巨像は暴れだした。これを倒さない限り、世界は破壊し尽くされてしまう。トリトンは短剣で巨像を倒した。 【疑問】:①ア人は何のために巨像を造ったのか?②ポセイドン像という名前にした理由は?③どうして人身御供が必要だったか?④地底世界のポ族と、海を支配する司令官ポ族との関係は?地底ポ族が海ポ族を作ったのか?⑤ピピはト族なのに、どうして人魚の姿なのか? 【感想」:原作とは関係なく監督が加えた「オリハルコン短剣」と「善悪逆転」のダークな展開は物語に面白味と重厚さを与えており、成功している。冒険物語を面白くする「ツボ」を心得ているようだ。悪者を次々倒してゆくテンポが心地よい。悪者キャラも個性的で、かつ造形もすぐれている。ただ古いTVアニメの編集ものなので、動きがなめらかでないのが大変残念。またイルカや人魚は、途中ほとんど活躍せず存在感薄い。敵と戦えるだけの能力を持たせるべきだろう。メスイルカはト族の味方でトリトンの乳母的存在だが、真実をどこまで知っていたのだろうか?巨像を倒すのが、あっけなかった。[DVD(邦画)] 5点(2010-05-20 03:48:57)《改行有》

512.  紀元前1万年 《ネタバレ》 時代考証:①巨大ピラミッド建造はBC2000年頃。大船建造も同様。②トウモロコシの原産は南米でアフリカには16世紀頃伝わる。寒冷地では育たない。③唐辛子の原産は南米で、コロンブスが1493年にスペインへ最初の唐辛子を持ち帰る。④巨鳥モアはニュージーランドに生息。⑤金属ナイフ製造はBC3500年頃。⑥馬の家畜化はBC4000年頃のウクライナ地方。⑦最古の文明はBC3500年頃のシュメール文明(メソポタミア)。その萌芽はBC9000年。⑧象限儀(天体測量の道具)、アストロラーベの発明はBC150年頃。⑨車輪の発明はBC5000年のメソポタミア。 失望:①伝説を解説するナレーションは、冒険が成功することがわかってしまうので不要。②巫女はいらない。③主人公デレーに野性味がなく、顔も身体も弱々しい。どこが伝説の男だ!ヘタレキャラである。④剣歯虎とマンモスが人を襲わない。⑤剣歯虎を助けた「優しさ」が武器となる思っていたが、単なる力業だけの男だった。⑥デレーってラッキーなだけの男。⑦中ボスが女に執着するのが中途半端。⑧父のエピソードが希薄。⑨軽装で氷山越え、砂漠越え。⑩女は目が青いだけで取り柄なし。 ツッコミ:①ラスボス弱すぎ。カリスマ性ゼロ。悪知恵が働くか、最強でなきゃだめしょ。②ラストの敵の軍隊弱すぎ。それまでは強かったのに。③遠くに投げた槍が当たりすぎ。ラスボス少しは避けろよ。④ラスボスは何故オリオンの印をもつ者を恐れるのか?⑤青い目の女が一度死んで再生したのは、巫女の呪術のおかげ?⑥「砂漠を越えて先回りする」と言っていたけど、先回りしてない。敵より後に着いてる。⑦敵城の周囲が砂漠で、樹木がほとんどない。あれではピラミッドの建造できないし、マンモスの餌もない。⑧マンモス倒すのに網はないでしょ。沼地に追い込むか、槍攻撃。⑨戦い終わって敵民族はどうなったの?改心?おとがめなし?⑨牙と対話?ハアー? 感想:マンモス、巨鳥、ピラミッド、騎馬戦闘、恋愛、神話など詰め込みすぎ。男が成長する物語になっていないので感動できず。「恐竜100万年」のように会話のない、骨太の物語ならよかった。あるいはマンモス、剣歯虎を仲間にした冒険活劇ファンタジーとか。とにかくノリが悪い、映画作りの”熱さ”がない。監督は何を伝えたかったのか?多くの謎を残したまま終了。ああ、つまんなかった。[DVD(字幕)] 5点(2010-05-13 17:27:01)(良:1票) 《改行有》

513.  ハッピーフライト(2008) 《ネタバレ》 CAが仕事を通じて成長する物語かと思っていたが、航空の仕事の紹介だった。全体を通じて仕事上のミスが多すぎ。あの頼りない操縦士が機長に昇格できたはずがない。CAもケーキをだめにしたり、お客さんに頼まれたことをこなせなかったり、怒らせたり。客をなだめるのにクーポン券を渡すのは疑問。今時「機長を出せ」とか、「行き先を変えろ」と騒ぐ客がいるだろうか?故障の原因はバードストライク。バードパトロールはニセ記者に気を取られていたとはいえ職務怠慢。仕事と取材は分けようよ。この人最後まで反省なし。最悪は航空マニアに指摘されるまで鳥が原因と気づかなかったこと。鳥で簡単にエアデータコンピュータが故障するとは、なんとも脆弱。操縦士はバードストライクを目撃しているのだから、直ちにシステムチェックすべき。また故障がわかるまで時間がかかりすぎる。速度を計測する気筒管の破損に気づかないなんて。故障個所はすぐに表示されるべき。速度データが取れないのに何故気づかない。残った気筒管はヒーター故障で氷って使えない。低空飛行すれば氷は解けるが、何故か燃料計算を始める。ハワイまでの飛行時間は約7時間、2時間半しか飛んでないので少し低空飛行しても引き返せるのは明白。それにスピードは管制側である程度把握できる筈。管制塔では落雷で、ほとんどの端末が使用不可に。落雷対策って基本なんですが。整備士は工具が足りないのは一目瞭然なのに工具箱を戻してしまう。整備も完全でなく、不完全なまま飛ぶ。出発ぎりぎりまで整備する体制がおかしい。整備優先のスケジュールにすべき。台風圏内に着陸させるのは論外。名古屋に行け。物語の構成上、最後にミズをカバーして、成長してゆく人間模様を描くのがセオリー。だがほとんどのミスがカバーできていない。ケーキを作ったくらいか。綾瀬と吹石はミスを取り戻せていない。飛行機も引き返してしまった。これでは感動できない。コメディなので、不時着に失敗するかもしれないというサスペンスもない。新婚旅行のバカップルやヅラネタはチープ。 笑えないのは乗客の命がかかっているから。大事故になりかねない飛行機トラブルをコメディにする設定に無理がある。ジャズやシンクロのような趣味なら笑える。完全にアンハッピーフライト。[DVD(邦画)] 5点(2010-05-12 10:08:58)(良:4票)

514.  ワルキューレ 《ネタバレ》 ノルマンディー上陸作戦の一月後、敗戦濃厚で、時期は熟していた。あれだけの人数が揃っているので、ヒットラー暗殺だけなら比較的容易に達成できたはず。しかし目的がクーデターであり、短時間による政府と軍の完全掌握を目指していたので、ヒムラーやゲッペルスなども同時に暗殺などと余計なことを考えて何度か機会を逃している。実行犯の大佐が新政府の要職に予定されていたため、爆発物セット後、すぐに逃げ出したが、これが最大の失敗。何をおいても、総統の生死を確認すべきだった。確認がないままクーデターを実行するのはお粗末。大佐は障害者なので、ボディチェックはほとんど受けなかった。いざとなれば総統もろとも自爆する覚悟があれば成功しただろう。カリスマ総統を倒しておけば後をヒムラーが後を継ごうが倒すのは容易である。二段構えの周到さがほしい。暗殺が失敗することは既知だが、サスペンス、緊迫感は十分伝わってきた。そこは評価できる。だが大佐の人間性の描き方が希薄だ。反ナチ思想を持つ経緯を描くべき。戦争の悲惨さも伝わらない。最後は家族の安否を心配するだけの弱い男になってしまっている。彼の兄も連座して処刑されたが描かれていない。夫人と五人の子供はどうやって生き延びたのか?他に関係者6~700人が粛清され、ロンメル元帥も自殺。これらの人の死に大佐たちは責任があるだろう。「計画は失敗したが、彼らの目的は戦争をやめることであり、命をかけた彼らは英雄である」という単純な考えはできないだろう。後半、総統が姿を見せないのは、サスペンスを重視した脚本構成の所為だが、史実を描きたいのなら、総統側の様子も見せるべきた。一方だけを描いても真実は伝わらない。総統のカリスマ性も対等に描くべきだろう。「史上最大の作戦」のように敵味方、両側を描けば、より見ごたえのある映画になった。大佐の人間ドラマをより深めれば「シンドラーのリスト」のような深みが出た。「暗殺=テロ」なので、現代人にとって彼らの行動を無条件に賛美することはできない。歴史の正当な評価は時代と共に変わる。そんなことを考えされられた。[DVD(字幕)] 6点(2010-05-09 23:17:34)(良:2票)

515.  スパイダー パニック! 《ネタバレ》 この手の映画にコメディテイストはいらないのではないだろうか。息抜き程度のものならいいが、おちゃらけすぎるとシラけてしまう。不要の最たるものはイカレDJ。蜘蛛が巨大化したのは有害廃棄物の所為とするが、安易すぎる。理由を明確に説明する必要はない。ひたすら恐がらせればいい。ジョーズ、エイリアン、ジュラシックパーク、ザ・フォッグなどのシリアス路線をとればいいのにと思う。テンポもよくない。最初に子供が大グモを発見するが、みんなに認知されるまでに時間がかかりすぎる。悪徳市長の息子もバイクで逃げてから、次に登場するまでに時間がありすぎる。主人公のクリスはもっと強く、リーダーシップがあり、知恵が回る人物にすべきだろう。町を出た経緯、戻ってきた理由もよりシリアスにした方がよい。クモも一匹を丁寧に描写した方がよかった。最初から沢山出すぎである。また弱すぎる。銃で撃たれるとすぐに死んでしまうので恐くない。もっとしぶとい生命力があるはずである。子供がクモのことをよく知っており、静かにすることや香水などのアイデアを出す。これはよかった。そもそもの原因は有害物質を秘密裏に埋め立てていた市長の所為なのだが、それが罰せられず生き残るのはいかがなものか。出口に鍵をかけ、一人だけ逃げ出したという卑劣な人間でもある。また爆発した所有鉱山も保険が出るという。バカ息子も生き残る。悪者が殺されてこそカタルシスが得られるのだ。煙草おばさんが金鉱脈を発見するが、あんなわかりやすいところにあるのなら、誰も気づくはずである。クリスが保安官に何度も言おうとして言えなかったことも肩透かし。たわなさすぎる。誤解を解いて、愛を告白して結ばれる展開などにすべきだったろう。メタンガスのアイデアはよかった。[DVD(字幕)] 4点(2010-05-09 08:54:48)

516.  容疑者 室井慎次 《ネタバレ》 殺人犯が判明するプロセスが抜けているので、ミステリーとしては評価できない。ここが最大の欠点。警察内の権力争いに力点を置いているが、この点において結局は何の進展もなく、中途半端。室井慎次という人間を描けているかといえば、恋人のエピソードくらいしか出てこない。逮捕されたら普通家族が出てくるんだけど。この人、孤児?恋人だけど、あの状況で自殺はないでしょ。難病、不治の恋人のため、学校やめて看病、ハァー?それをやめさせるために自殺?ありえません。それにこの人、不自然なほど無口。もっと自分を弁護しようよ。守るべき警察のためにもね。それにしても警察幹部の弁護士が新人女一人だけなのは何故?後で老弁護士が加わったけど、役立たず仕舞。冒頭、巡査が殺人の容疑者として取り調べを受けているが、その容疑の根拠が示されていない。脚本の手抜きですか?その取り調べが36時間連続で、しかも交番に大勢の刑事が押し掛けてみんなで公開尋問している。なんてシュールなんでしょうか。脚本家はド素人だね。殺人依頼の少女は高校生?夜の学校に行くのは何故?二股交際が面倒くさいから交際者の一人を殺人?巡査はどうしてだれが犯人で、少女が依頼者と知ったのだろうか?知ってたからかばったんだよね。悪徳弁護士は室井に取引をもちかけているが、どうして?告訴を取り下げて何の得があるのか?重いテーマの映画だが、こんな疑問だらけな脚本で感動を得られるはずがありません。エンディングの二人の会話も意味不明でした。二人に愛情が芽生えたのでしょうか?というか、悪徳弁護士は違法取引で懲戒免職になったのか、そっちの方が気になるんですけど。この脚本家を容疑者として調べたい。[映画館(邦画)] 4点(2010-05-08 08:05:43)

517.  相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿 《ネタバレ》 相原は本当に刑事なのか?捜査のイロハがわかっていない。ただやみくもに怪しそうな人物にぶつかってゆくだけだ。熱血漢ではなく、愚か者です。したがって「推理物」としての魅力はない。さりとて、コメディでもないし、社会派ミステリーでもない。底の浅い、中途半端なものだ。犯罪が1つしか発生しないのが中だるみの原因です。米沢は言う。「物証がすべてですから」だが、やることは証拠を求めてビルに侵入すること。「羊頭狗肉」「言行不一致」とはお前のことだ、語るに落ちたな!と、言いたくなるほどの作品でもない。もともと思い入れがないので、期待値が低いわけです。ある意味得をしている映画かもしれません。で、侵入現場に課長が現れて、証拠品が見つかるという展開は、火サス以下の展開。二人は犯人を誤認しており、真犯人が口をすべらせたのは全くの偶然。犯人があの人だったとして、女が盗聴器を仕掛けますか?殺人を犯した犯人が、刑事が調べ手に来たとき、よけいなことペラペラしゃべりますか?「意外な犯人」を無理やり作った印象がぬぐえません。被害者の日記を保存しておいたのも不自然。税金の無駄遣い、天下り、セクハラなどが浮き彫りにされた青防協の課長や理事長の行く末は暗示されるにとどまっており、カタルシスを得られない。社会派ドラマとしても中途半端。異質の夫婦愛を描くのには成功していると思います。ただそれも顔がそっくりで、名前も同じ、元女房という「偶然」の上に成り立っているもので、安っぽいですね。やはり「あっと驚く物証」で勝負してほしかったです。[映画館(邦画)] 4点(2010-05-08 04:14:54)

518.  1リットルの涙 《ネタバレ》 単に「難病もの」といってしまっては身も蓋もない。原因も不明で治療方もない難病と戦った少女の魂の日記が原作。そこには五体満足で当たり前に生活する人々には想像もできないような苦悩、葛藤があったはずです。少女が短命で終わったのは既知なので、興味本位的な観賞はできない。不幸といってこれほどの不幸もないだろう。思春期真っただ中の14歳で罹患。志望校に入学できても、高校一年生で養護学校に転校しなければならないほどの重症に。一生懸命勉強したのに大学進学も断念。「保健士の母のような人の役に立つ職業につきたい」という夢も潰えた。リハビリの先生との淡い恋もはかなく散った。「なぜ病気がわたしを選んだのか」「なぜ私にだけ不幸がふりかかるのか」、主人公の亜也は何度も自分の運命を呪ったのに違いありません。しかし絶望はしなかった。彼女が生きるあかしとして綴った日記を残してくれたおかげて、我々は彼女のことや、病気のこと、家族や友達、先生たちのことを知ることができる。ありがたいことです。さて映画の出来ですが、これは不出来です。こういった映画では、登場人物の感情の揺れをいかに表現するかが出来の善し悪しに関わってきます。演技も大切ですが、タメ、アップ、涙、音楽などの演出効果も重要です。つまり「ここぞ」という場面での「感動を与える演出」が必要なのですが、この作品ではそれが欠けています。脚本は悪くなく、母親の献身的な態度、心やさしくてくれた友達、尊敬する女医との交情、親切で情に熱いパン屋のおばさんなど、泣かせどころはたくさんありました。命をふりしぼるようなセリフひとつひとつに対応する演出方があったはずです。あまりにも淡々と流れていなかったでしょうか。監督の力量が問われるところですね。というわけで、残念ながら、いまひとつ感情移入できませんでした。難病の少女を演じきった女優さんには拍手です。[DVD(邦画)] 6点(2010-05-07 19:01:41)

519.  ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ ウルトラマンガイア 超時空の大決戦 《ネタバレ》 ウルトラマンがテレビ放送されているパラレルワールドの話。ウルトラマンが大好きな少年は、夢で赤い玉と廃墟に佇む少女の不思議な夢を見る。翌日、夢で見た少女が同じクラスに転向してくる。少年は少女にガリバーの本を見せると約束。どこからか赤い玉が出現する。この玉に願えば、何でも叶うという声が聞こえる。少年は疑いつつも、ガイアこと我夢を呼ぶことを願う。異世界へ呼び出されて驚く我夢。少年は不用意にも怪獣を呼び出してしまう。ガイアが倒す。少年は我夢にガリバーの本を渡し、サインをねだる。自然と元の世界に戻った我夢は記憶がない。が、ガリバーの本を見て記憶が戻る。そして玉をスキャンして調査したことを思い出し、結果を見る。玉は別世界の人類が作成した究極のマシンだった。心に描いたことを全て実現させる、物質文明の最終到達点。欲望のエネルギーを吸収して成長する。だが欲望に終わりはなく、世界の滅亡に導く。「わたしはいろんな世界の滅亡を見てきた。わたしは作られるべきではなかった」と玉の記憶は言う。少年の世界が危ないと知った我夢は、異次元移動装置で時空移動。そこでは悪ガキが赤い玉を盗み、最強の凶悪怪獣を出現させていた。破壊される町。我夢はガイアに変身して戦うが不利な状況に。少年は勇気をしぼって、危険な場所にある玉まで到着。そのとき怪獣の光線で建物が爆破。咄嗟に「ひかりを」と願う。するとウルトラマンティガとダイナが出現、少年は助かる。2ウルトラマンはガイアを助け怪獣を倒す。全てが終わったあと、少年は玉に「消えてなくなれ」と願う。玉は少女の元へ移動。玉と少女は一体のものだったのだ。少年はためらうが、我夢に促され、もう一度同じことを願う。玉と少女は消えた。翌日少女が転向してきた。それは全くの別人だった。少年は自分がこの世界の未来を守ったことを知った。少年は少女に我夢のサインのあるガリバーの本を見せる。という子供向けのお話。ツッコム気にはなれず。人は誰でも一人じゃない、勇気があれば何でもできる、という説教めいたサブテーマもある。小学校低学年がせんべいを食べながら安心して観ていられる映画。それ以上の年代には退屈。観どころ特になし。[DVD(邦画)] 3点(2010-03-13 20:02:50)

520.  シベリア超特急 《ネタバレ》 悲劇の連鎖を生む戦争を起こしてはいけないという反戦映画。それなのに主人公はB級戦犯の山下奉文陸軍中将(後に大将)という首をかしげる設定。山下が生き残るのはわかっているので、もともと少ないサスペンスがさらに半減する。致命的である。水野晴郎は山下奉文を尊敬するあまり、本名を「山下奉大」と改名していたそうである。このあたりで既に理解に苦しむ。それに2,3人の軍人を殺したからといって戦争が回避できるはずがないではないか。彼女達の殺人の動機は単純な憎しみであり、偶然の交換殺人である。戦争の悲劇を描いているとも思えない。冒頭の自殺シーンは、映画終了後の寸劇につながってるとは、あきれ果ててものがいえない。真面目な反戦映画ではなかったのか。車掌の死体が発見された時点で全車両中大騒ぎとなるはずだが、何事もなかったかのように物語が進むのがオカシイ。山下を殺しに来たリーランが何もかも話しすぎ。これから殺そうとうする相手に何もかも懇切丁寧に教えてやることないじゃん。あーあ、だからあんなことになっちゃった。書記官の恋人とリーランがウリ二つという設定は安直。リーランが一目見て書記官を好きになるのもへん。[DVD(邦画)] 1点(2010-03-11 01:13:26)(良:2票)

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