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プロフィール
コメント数 2012
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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521.  舞踏会の手帖 《ネタバレ》 同窓会になんか行きたくない人ってけっこういると思うんですよ。ところが同窓の方からいきなり来られる、という考え方によってははた迷惑なお話。ヒロインが皆のアイドルだったから許されたでしょうか? 「思い出は美化される」とは執事氏の言。まさにこの台詞が物語の全てで、どの再会もクリスティーヌの抱いていたノスタルジーの甘やかさとは程遠い。30過ぎて見る「舞踏会」の現実に幻滅するクリスティーヌとは対照的に16歳の女の子は目をキラキラさせて「舞踏会ってなんて素敵」とはしゃぐ。彼女はかつてのクリスティーヌ。きっと16の夜の思い出は彼女の心にもずっと美しいまま保存されるのでしょう。 美しい思い出は美しいままに留めておきましょう。過去を掘り返したとて、前に進む糧とはならないのです。・・というテーマの話だと思っていたのだけど。なんとクリスティーヌは過去の続きから生き甲斐をゲットするというオチでした。いや、なんかずいぶんヒロインに甘い戦前の映画だなあとびっくりです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-05 17:17:04)(良:1票) 《改行有》

522.  ANON アノン 《ネタバレ》 んーつまんなかった。視覚を監視されてしまうプライバシーの無い社会って、それはそれは恐ろしいことなのに話に生かし切れていない感じ。今見えているリアル視覚も昔の記憶もごっちゃになって扱われてるのも腑に落ちない。思い出って視覚情報とはまた別だよね? それに映画としての見せ方も良くない。他者の脳に侵入するのなら何かの装置があった方が分かりやすかったのでは。向かい合っているだけで第三者の記憶を相手に転送できるって・・便利すぎる。さらにハッカーの娘は他人の記憶も面談するだけで上書きできちゃうのだ。この画ヅラのつまんなさ。座ってるだけかい。 こんな超人的な技巧がアリだとされている話になんのカタルシスもテーマも見出せない、とはお粗末。 殺しをやってた真犯人は「アンタかい」って程度で驚きもなく、国家権力をも翻弄するほどのハッキング能力を持つ彼女のその理由といえば「知られたくない秘密がないから」とか禅問答なオチ。突き放された私。 伝達能力(見つめるだけで壁が突如スカイプ状態になるとか)が物凄く近未来SF感なのに、やたらと多い性行為場面はアナログそのものなことにも失笑。[CS・衛星(字幕)] 3点(2020-04-02 00:10:26)《改行有》

523.  11'09''01/セプテンバー11 《ネタバレ》 それぞれの監督のお国柄も垣間見えて、興味深かったです。心に特に残った作品を記します。 好きなのはフランス。平時には最大級の悩みを物の数に入らないようなレベルに引き下げる大惨事が無音の世界で起こっている。並行して見せられるその画が、暴力の不条理を訴えているようでした。ああ彼は犠牲となってしまい、手紙を読むことはないのだろうなと察したこちらの読みをさらりとかわしたのも印象的でした。 イギリスはなるほどケン・ローチ。”9・11”は南米ではまた違う日を記憶されているのだよ、と米国の姿勢を問う作風は反骨精神派の監督ならではの切り口でした。米国が圧倒的に被害者と語られる9.11も「なぜ」起きたのかそれまでの世界近代史を眺めるとCIAのしてきたことが無関係であるとは言えないでしょう。アメリカ発の報道によるばかりでない、老監督の視線は大事だと思います。 唯一、”9・11”の事件をメインでなくストーリーの背景に置いた驚異の作品はアメリカのショーン・ペン。老境に訪れた人生の真実はタワー崩壊のその日、光と共にもたらされました。米国人として描くのはやや勇気も要ったのでは、と感じましたが最後のコマ3秒間は圧巻でした。 我が日本からは今村監督のシュールな民話調。「まんが日本昔話」みたいなテイストで私は好きですが。市原悦子さんも出てますし。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-31 17:24:27)《改行有》

524.  ゲティ家の身代金 《ネタバレ》 世界一金持ちで且つ吝嗇化の爺さんの話。まーすごい人間がいたものです。孫の命と引き換えにも銭を出し渋る。その一方で美術品の購入はし続ける。何でも手に入れた人間は手に入らないことが許せないのですかね。孫ですら「血縁だから」→「自分のものである」それを息子の元嫁が奪いやがった、と恐れ入る自己中の感性です。 誘拐犯とマスコミとクソ舅の集中砲火にあっている母親役のミシェル・ウィリアムズの特筆すべき演技。息子を想い、舅に心傷つけられても気丈で必死な母親ぶりは落涙ものです。高価な美術品と信じていた、爺さんから息子への贈り物。身代金の足しにしようと閃いたものの、それが二束三文の土産物だよと知った時の彼女の絶望たるや。階段にへたり込みもしますわね。あのじじいが孫にだって金目の物をくれてやるはずはなかったのだ・・。 こんなクソ爺の心冷える話が映像美も兼ねた誘拐サスペンスに仕上がっているのだから、リドリー・スコット監督のベテランの手腕には感心します。 C・プラマーもミシェルも素晴らしい。けどM・ウォールバーグはさして活躍しないうえ、作品撮り直しの際の金銭ゴタゴタで男を下げました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-30 00:34:33)《改行有》

525.  否定と肯定   《ネタバレ》 アメリカ風に饒舌な弁論で押すタイプの法廷劇とは違いますけど、論旨を積み上げてゆく英国式もまた見ごたえがありました。国が違えば裁判制度もずいぶん違うのですねえ。英国の裁判システムに驚いたのは被告側に立証責任があるということ。それに、本ケースは原告であるホロコースト否定派の名誉棄損訴訟で、著作の解釈のあり方を問うもの。これがまず難しい。訴えられた側のデボラもその辺を混同している節があり、「ホロコーストの有無」にこだわり生存者を証人として呼び情に訴えたいと主張するのですよね。 デボラの強気一点張りはいかにもアメリカンのイメージ。裁判長への一礼も「アメリカ人だから」と拒否しますし。 彼女の激情をいさめつつ、法廷論争の戦術がぶれない英国人弁護士らの理性的な判断はさすがです。 クライマックスらしき大盛り上がりの無い本作において唯一驚かされる場面は裁判長の放った一言。この一瞬、何が起きたのかデボラも私も共に困惑。さすがに弁護士らは提起された意見に考え込んでましたが。 裁判長「原告は心底からホロコーストの無かったことを信じているのではないか?」即ちアーヴィングが個人の信条に基づいて既出の歴史解釈を否定したとしても、それを嘘つきと呼ぶことはできないのではないか? デボラ側が勝つことに疑いを抱かなかった私(と多分大多数の人)がうわあなるほどなあ、と唸る場面でありました。 果たして裁判の結果はいかに。世間の注目を集めることに成功し意気揚々のアーヴィングと、それを見て喧嘩疲れな表情のデボラ。まあこれが今我々の生きている社会なのですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-29 00:31:53)《改行有》

526.  トーチソング・トリロジー 《ネタバレ》 ゲイの人たちの「生き辛さ物語」はたくさんあるのですが、本作はご本人が脚本を手掛け、出演もしているだけあって当事者の持つリアルに厚みがあります。 心が血を流していても湿っぽくならないタフさ、ユーモアの感覚がアーノルドの特筆すべき個性。とはいっても、いくら早口のマシンガン・トークで彼がやり過ごしても「ああ傷ついているなあ」と痛いほどこちらに伝わるものですね。 友人や恋人については良き人らに恵まれているアーノルドのネックは母親。こんなに激しい言葉をぶつけ合っても人間関係を続けられるものだろうか。ワタシは無理だな。母親は変わらない。でも母だから捨てられない。結局アーノルドはどこまでも優しい人だなあと思う。こんなに優しい性根の人がもう傷つくことのない社会であってほしい、つくづく思いました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-22 17:37:03)《改行有》

527.  男と女の不都合な真実 《ネタバレ》 女の理想の結婚観を男が小ばかにする、ってこの雰囲気30年前の名作「恋人たちの予感」そっくり。もっとあけすけにセックスをぶち込んでいるせいで、もろにB級感が出ます。食事の席でのオーガズム披露シーンなんかはパクリでしょう。食材のせいかと周囲が勘違いするとこなんかも。かのメグ・ライアンとビリー・クリスタル版と比べるとだいぶ品質低下な二番煎じです。 ・人物の魅力が段違い。そりゃどうしたって大ブレイクした当時のメグにかなうわけありません。 ・メグはアラサー設定で、婚期を逃すか否かの瀬戸際設定が当時はリアルに共感を呼んだのです。でもアビーはTVプロデューサーというキャリア。それに時代も進んで「結婚の圧」は昔よりきつくないしで、アビーの彼氏探しの理想高さは贅沢言ってるオバサンに見えて女子の共感はさほど呼べないと思われる。 ・心に響く台詞が無い。かつてのビリー・クリスタルの「一日の終わりを一緒に迎えたいと思うのは君だ」は恋愛映画史に残る名台詞でした。 強引に二人をくっつけたラストに至っては不可解なほどの慌ただしさ。脚本を練る時間が足りなかったのかい?[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-03-18 16:22:08)《改行有》

528.  ロード・キラー 《ネタバレ》 いやあ、これ怖い。犯人がサイコ感丸出しで女の子を監禁する後半より、導入~奴がいったん退くまで、の前段がとてつもなく緊迫しました。夜中に安モーテルの一室で隣の物音に耳をそばだてる場面なんか、息を殺してしまいましたよ。どきどきしたあ。 自分らの匿名を信じてふざけていたのに、こちらの正体を突き止められたという時って人間ビビるものですねえ。J・J・エイブラムスってばその辺の人間心理を上手いこと突いてきたもんです。「直した方がいいぞ テールランプが切れてる」この言葉にひいーっとならない者がいるだろうか。 なんでしつこくもまた戻ってきたんだろうアイツは。兄弟が可愛い女の子を連れているリア充だったがために犯人を刺激したんだろうかね。弟の方はイケメンだし。「持てる者」はあまり悪ノリしない方がよろしいでしょう、という教訓話かな。(違うな)[試写会(字幕なし「原語」)] 7点(2020-03-17 00:39:04)《改行有》

529.  クラウド アトラス 《ネタバレ》 いや、始まってたっぷり一時間半は何がどうなってんのか、おそらく学生の頃必修物理を受けさせられていた時の顔になっていたと思う。だって六本もあるんだよブツ切りのお話が!「あれ、ええとこの人はどういった描写からスタートしてどこまで行ったんだっけ」と話が切り替わる度記憶を遡らなくてはならないし、その間も話は進むしで、客に親切な作りではないですねえ。ワタシはほぼ根気試しみたくなりました。 でも中盤を過ぎるとようやく外枠を掴めてきます。ソンミの命をかけた想い「きっと誰かに届いている」がそれこそ全六話に通じていたのだと判ったときは感動を覚えますし、彼女の「死はひとつの扉にすぎない」も輪廻をざっくり言い表したフレーズで印象的でした。 けど三時間もの長尺、深遠そうなテーマ、何人分も演じた役者の仕事ぶり、お金のかかってそうな画、と構えがとにもかくにも大仰。残念ながらそれに見合うような鑑賞後の充実感には遠いです。「ああ、そういう仕掛けだったのねなるほど」どまりの感想になってしまうのはなんかねえ、残念ですよね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-03-14 16:41:03)《改行有》

530.  ニア・ダーク/月夜の出来事 《ネタバレ》 バンパイアものとしては異色の一作。どの辺が異色かというと、  ・長生きすることに苦悩するといったテーマではない  ・バンパイアたちがグループ生活なので孤独でもない  ・血をもらうにあたっての相手は必ず殺害。プラス死体もろとも現場に火を放つといった半グレ集団のような凶暴性あり。  ・なんと輸血で真人間に復活可能  こう書き出すとバカみたいなB級ホラーに感じるけれど、さにあらず。意外にも輸血復活システムによって話は悲恋の様相も帯び、ここにきて泣かせのクライマックスを迎えたりと、予期せぬ展開を見せるのです。家族愛、仲間との絆、自己犠牲を伴う献身、こんな正道テーマを吸血鬼ホラーに落とし込んだキャスリン・ビグローはかなりの書き手とみました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-11 17:37:02)《改行有》

531.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 《ネタバレ》 おお、やっとep1,2で寝かせ続けた伏線が活きて、物語として息を吹き返した感じです。 メカ戦闘戦のキレ具合、疑惑が深まる展開、どれも全二作の1.5倍速のスピードです。いやあ良かった。これならなんとかS.W正史の一端として形になりました。(なぜ上から) ep4に続く話ですから当然アナキンの内面を深く掘らなければならない今作。ヘイデン・クリステンセンはなかなか上手く己のプライドと師匠への義理立てとの間で揺れる男心を演じたと思います。これでG.ラズベリー賞とは気の毒です。選考委員らのイケメンへの僻みじゃないのとうがった見方もしたくなります。 情け容赦ない虐殺シーンや破滅に至る共和国の混乱場面など、ダークな描写が多いのですがこれこそ前二作に足りなかったもの。期待の弟子がまさかの寝返り、あまりの絶望に絶叫するオビ・ワン。火だるまになって絶命寸前のアナキン・スカイウォーカー。クライマックスの熱量の高さは胸が震えること必至で、1,2作の不甲斐なさを補って余りある三部作完結編となりました。ほんとよかったよ。[DVD(字幕)] 7点(2020-03-08 17:49:15)《改行有》

532.  スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 《ネタバレ》 ep1はとてもつまらなかった。そして2、これもまた欠伸が出てしまった。なんでこんなにつまんないのかな。元老院だ共和国だ評議会だ通商連合だ、でまるで中東情勢のように勢力構図が分かりづらい。そしてだらだらと展開する暗殺者追跡とお花畑恋愛劇の二本立て。 アナキンといちゃつくのに飽きたのか、ピンチに陥ったジェダイを助けに行くわ!と果敢な元女王様。敵陣に乗り込んだはいいけど、要塞の裏口みたいなところからあっさり入って突然展開するSASUKEワールド。一体いつスターウォーズになるんだよう。 アナキンとパドメの2ショットは絵に描いたような美男美女でスクリーンがキラキラしいったらない。だけど、庶民顔のレイア姫と武骨なハン・ソロが話を回していた旧作の方が映画としてはずっと見ごたえがあったよ。 本作の良いところを挙げるなら、R2-D2の使い方。活躍がいっぱい見られて(宙に浮くこともできるのよ笑)、彼(?)のファンとしては今作の使われ方はとても嬉しかったです。[DVD(字幕)] 5点(2020-03-04 18:23:20)《改行有》

533.  翔んで埼玉 《ネタバレ》 たしか三十数年前にも埼玉vs千葉の田舎度争いが全国的(?)に盛り上がったことがあったなあと記憶しているのですが、とうとう映画になるとはこのネタの普遍性に驚くばかり。 魔夜峰央のクドく、こじれた少女漫画の世界観をGACKTという逸材を得て奇跡の実写化大成功と言えるのではないでしょうか。 こんな話なのに役者らが大熱演。しかも楽しそう。こんな話なのに、エキストラ大量動員の決戦場面は熱量大放出で迫力満点。無駄に流暢なカメラワークや、けれんみ溢れる演出がこの馬鹿々々しいワールドに見事に機能しており、制作陣の遊び心のセンスはまことに健全であると感じ入ります。 埼玉、千葉にとどまらず、周辺県への流れ弾もハンパないですが感動しちゃうのはこんなネタにされてもむしろ大ウケしている当該県の皆さまの感性豊かなこと。スタッフが謝罪しに行った時の埼玉県知事のにこにこ顔といい、遠くイタリアでも笑いを取れたという余禄といい、たくさん心温まる気持ちにさせてもらいました。[地上波(邦画)] 7点(2020-03-01 23:36:51)《改行有》

534.  マンチェスター・バイ・ザ・シー 《ネタバレ》 人生に起きた悲劇とその中をやっと息をするように生きる男。C・アフレックのごつい風貌と裏腹の繊細な表情は痛々しく、話も重いけれどきっちりラストまで見せ切る作品でした。 なにしろリーに起きた事はかなりつらい。自らの過失で我が子三人を失い離婚に至り、その後数年のうちに実兄が余命を宣告され実父は逝き、一緒に支えてくれるべき兄嫁は出奔である。彼にかける言葉が見つからないよ。リーも同情を拒絶してますね。彼が特に激しく拒否反応を示すのがテンプレ的なお悔やみの言葉。冒頭から兄の臨終に立ち会った医者に四文字ワードをぶつけてしまうほど、リーは傷ついている。生半可な他者の介入を寄せ付けない彼が、しかし事故以前は180度違って人好きのする陽気な奴だったという事実がつらい。 もう一人のキー・パーソンはリーの甥。十代ならではの若い精神性で父親の死も強く乗り越えられそうに見えるけれど、本当のところはやはり支えが必要なわけで、だったらこの二人が支えあう状況が望ましいと観てる側は思うのですが。しかしそうは展開させなかった脚本は現実的でした。 だってねえ、リーにとってこの街に住むのは無理だもの。元妻にまでばったり会ってしまうのだもの。涙ながらに「あなたを許す」と他の男の赤ん坊を抱いた彼女に言われたところで、リーにとって何の救済になろう。リーを許せないのは彼自身なのだから。それに、あの台詞は彼女、自分の心が楽になるように口をついて出たように感じた。 きっと、もっと時間がかかるのだ。リーも甥も平穏を取り戻すのには。その時が来たら、サバイバルに成功した彼らにまた会いたい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-27 00:29:04)(良:2票) 《改行有》

535.  エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に 戻らない青春の一瞬のきらめきを切り取った一編。というには、登場人物らが大学生で老けすぎの感があるのですが。いい年していつまでもクダラナイことやってるんじゃないよ、と食堂のオバサンでなくともあの4年生連中には言いたくなりますな。 だけど、まあとことん明るくて、とりあえず不安や悩みは脇に置いといて無駄にくよくよはしないのさ、的なある意味健康な奴らでもあります。監督の自伝でもあるそうな。よほど楽しい思い出なんでしょうね。ちょっとうらやましい。 スマホもTVゲームも無い時代。ゆえに文科系も体育系も皆外に出てるんですよね。ああ、80年代ってこんなんだったかあ。輝いてた人にもそうでない人にもあの時代はあったよね。みんなの「あの頃」を聞いてみたくなりました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-02-22 23:38:55)《改行有》

536.  ミステリー・トレイン この監督の作品には起承転結が無い。人と人との「間」を噛みしめるのが、ジャームッシュ節を味わうコツ。相変わらずへんてこな風合いですが、メンフィスの鄙びた感じも彼独自のスタイルを貫くのに一役買っていますね。かつて一世を風靡したプレスリー一色の都市。でもそのポスターもわびしく色褪せていて、ジャームッシュ作品の他都市同様、寡黙な街です。 で、その静かな土地に生きる人たちのキャラ濃いこと、このギャップ。安ホテルのフロント2人もちょっと意味不明なほどにインパクトが強いコンビ。場の切り替えポイントとしてちょくちょく並んで登場。仏頂面なのに引きが強い強い。街と仏頂面とブシェーミ、私的にこれはジャームッシュ3点セット。ああこれこれ、とうれしい。 ところが、私は日本人なので一話めから突き刺さるような日本人女優のハイボイスが、どうしてもジャームッシュの世界に浸るのを邪魔してきました。母国語だとお芝居の上手い下手に より敏感になるので、外国人ペアで撮ってほしかったと心から思いました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-02-19 16:27:19)《改行有》

537.  エスケープ・フロム・L.A. 《ネタバレ》 ひえー安い!この手作り感、カーペンター印全開。なんでこうあからさまにセット感出るんだろう。わざとかな。体育館に暗幕張って撮ったみたいなロスの街。でもって片目にアイパッチ、似合わない長髪、とカート・ラッセルの立ち姿がもう馬鹿っぽい。 その後は安物セットの中を馬鹿押しが延々と続くのです。突如告げられるバスケゴール10点先取りゲーム。命がけでバスケって、まさかねえ。やらんでもええがな、ってえっ?やるの?しかもカートけっこうフォーム良い(笑) そしてこれまた突如押し寄せた大波に乗って走行中のクルマを追い、サーフボードでは飽き足らなくなってついには空まで飛んでしまう(糸付き)のね。なんということでしょう。 どんなに予算が少なくとも熱量の高さだけで妙に吸引力のある作品を作り続けてきたカーペンターですけど、この一本はまたとりわけはっちゃけた感じがします。前作は未見なので、これは是非観てみないと。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-02-16 18:47:51)《改行有》

538.  なんちゃって家族 《ネタバレ》 下ネタ多めだし、社会の建前は無視だしで決して家族向けではないコメディ。私はこれ大好きです。 エンドロールに流れるお蔵入りカットの数々を見ても、スタッフと役者が仲良く遊び心満載で仕事をしていたのが伝わります。そうして生まれた作品そのものも健康で明るい。 麻薬を国境超えて運ぶミッションという本筋の合間にちょこちょこ笑いを入れてくる、その繰り返し。どのジョークも気が利いていて笑ったなー。計画序盤で髪形を伝える注文の仕方とか、全員がお土産仕様のメキシカンハットを被って検問を抜けようとする間抜けな画ヅラとか、貞操を失う寸前(それもゲイ・バージョン)の長男ピンチ場面とか、TLCを熱唱するウィルとか。 あと、ほらアメリカ人て社交的で人付き合いに熱心なイメージがあるじゃないですか。しょっちゅう近所の人とバーベキューパーティやってるみたいな。けどミラー家の口をついて出るのは「目を合わせるな 話しかけられたら面倒だ」とかご近所ご挨拶の直後に「あの人たち嫌い」「まったくだ 付き合う意味ない」とか。まあアメリカ人も本音がダダ洩れするとこんな感じなのねえ、と近しく感じてちょっと安心しました、はい。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-02-14 17:21:35)(良:1票) 《改行有》

539.  白い家の少女 《ネタバレ》 独特の美的センスと体感温度の低さを感じる本作、ジャンルはサイコ・スリラーになるのだそう。スリラーという言葉から連想される冷たさやミステリアスなイメージは、全てヒロインの弱冠13歳のジョディ・フォスターによって醸されていると言って過言ではないでしょう。13歳というのはロリータぎりぎり最終の年齢。幼いのか理性的なのか、どちらにも揺れる不安定さ。時には「魔性の」と称されてきたこの年頃の少女らの危うい魅力。素なのか天才的演技なのか、判別不可なほど凄い仕事をしているジョディ・フォスターです。 いろんな作品で愛でられてきたロリータたちと並んで、ジョディもあまり笑顔を見せません。意志の強そうな瞳だけど、かと思えばふにゃ、と崩れるもろさも見せて、リン・ジェイコブスもまた正統派のロリータと認定されるでありましょう。(誰に) 惨劇の舞台でありながら、家具の配置や配色が居心地よく考え抜かれた白い家の佇まいも魅惑的でした。 ああそれと、意地悪おばさんもロリコンM・シーンも、いかんなく小物ぶりを発揮してジョディとの格の違いを際立たせてくれました。ある意味グッジョブな人たちでした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-12 00:04:39)(良:1票) 《改行有》

540.  パディントン2 《ネタバレ》 1作目よりも大幅に評価が高いのですね。続編でこの現象は珍しいと思って鑑賞しました。ああ、確かに。“2”の方が「小さいクマさんを巡って起こるハートフルな世界」観をよりしっかりと確立しようという制作の心意気を感じますね。 だってまあご覧なさいよ。美術画の如き画の美しさを。琥珀色に輝くアンティークショップ、金色に縁どられたカーニバルの輝き。悪巧み役者の自宅インテリアですらグリーンを基調とした品の良い調度品で設えられています。お子様向けのクマの物語に、こんなにも情熱を注ぐ。クラフトマンシップの粋と呼べるCGスタッフの仕事ぶりに感動すら覚えます。 お話も、新登場のキャラクターに頼りすぎず、パディントンの人の好さとブラウン家の親切さもそのままに、ストーリーの流れに沿って交友関係を広げています。審美眼にやや難のある警備スタッフの彼まで再登場するとは。笑わせどころも心得た脚本です。 「善良」というエッセンスのみで作られたかのような本作、ぜひお子さんと一緒にご覧あれ。かなりささくれた大人になった私でも、ラストの叔母さんとの再会には泣けました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-09 23:50:17)《改行有》

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