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521.  ダイヤルMを廻せ! 《ネタバレ》 ~Dial M for Murder~ダイヤルのMは“殺人”のM。 序盤、完全犯罪のタネ明かしから入るのは珍しいと思った。説明聞きながら電気を消して、暗い中で動けるかとか確認するスワンも芸が細かい。 タネ明かしから見せるってことは、当然その通りにいかないって想像が付くんだけど、奥さんが私も出掛けるって言われたときはドキッとした。その後時計が止まって計画がズレるけど、こっちは特に悪影響なかったんだっけか? 優秀な警部相手に、とっさの思い付きで“駅で彼を見た”とか“上司の電話番号を聞くため”とかポンポン出てくるトニー。苦しい言い訳にも取れるけど凄い。 マークの推理が、最初の完全犯罪のタネ明かしとほぼ一緒なのが、ハラハラして面白い。さすが推理小説作家。 最後の鍵がマーゴのでなくスワンのだと気がつくシーン、警部の読み通りになるところをトニーのセリフ無しで見せるのも上手いなぁ。 しかし、殺人とは言え、不倫カップルに制裁を加える夫が悪人に描かれるって、なんか時代を感じてしまうなぁ。最後にマーゴとマークが警部と一緒にトニーを出迎えるところ、ハッピーエンドと言って良いんだかモヤるけど、全てを諦めて二人に酒を薦めるトニーが格好良くも見えた。 そもそも鍵を開けてすぐ、階段のカーペットに鍵をしまったスワン。自分の家の鍵とそっくりだからそうしたのか?家の鍵が多様になった最近の家では使えないネタ。このアパートの玄関、この時代にオートロックなのか?トニーが出ていくとき鍵かけてないよーな。 有罪から死刑になって執行されるまで早っ!とか、警部令状もなしにマーゴの鍵で家宅捜索しようなんてアウトローとか思ったけど、一番ビックリしたのがインターミッション。105分の映画で途中休憩が入るなんて予想外だった。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-17 21:38:47)(良:1票) 《改行有》

522.  タクシー運転手 約束は海を越えて 《ネタバレ》 親ひとり子ひとり。タクシー運転手と乗客の、一期一会のほのぼのした映画…と思いきや韓国の黒歴史の映画でした。 光州事件。この映画を見るまで知らなかった。 1980年といえば割と最近の出来事、8年後にオリンピックをやる国で、同じ民族に銃を向ける事件があったなんて… 政治に無関心なキム。大金のために人の仕事を横取りとか、面倒に巻き込まれたくないからUターンとか結構酷い。 当時の10万ウォンは37万円くらいらしい。こりゃ大金だけど、命をかける金額かというと… 危険には目を瞑って光州に行くキム。ソウルから光州まで270kmくらいだって。結構な距離だな。 緑のコロコロしたタクシーが可愛い。小さいなぁ、Nワゴンの方がデカイんじゃないかな?60万kmも頑張ってるのが良いね。 でもあの車でソウル→光州270kmはキツイ。 光州の町並みは、荒廃して無人で不気味だけど、どこか懐かしさが感じられる。日本で'80の町並み再現の大変さを考えると、CGなのかな?よく出来ている。 光州の人が良い人ばっかり。おにぎりくれたり、タクシー直してくれたり、泊めてくれたり。こういう細かい描写から、キムとピーターが感じる事件の怖さと軍に対する怒り、同胞が傷つけられる悲しさが伝わってくる。 殴る蹴るの暴力が、人に銃口を向けるまでに発展。キムと光州のタクシー運転手たちが、自分に出来ることを命掛けで行うのは観ていて辛い。あんな緑のコロコロした小さい車で、軍のライフル銃を防げるとは思えない。ファンさんは無事だったんだろうか? でも無事帰れて、無事ウンジョンに会えてよかった。大家さんも娘に優しくしてくれてよかった。 最後にピーター本人が出てきて、この物語もある程度実話をベースにしていることが解った。 でもなんで、偽名使ったのかな。保身のため…かなぁ?信頼は海を超えられなかったか?(※解決済み) カーチェイスはともかく、東京のホテルで提供されるサッポロラガーのラベルが当時の楕円形のものなのが再現度高い。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-09 23:17:24)《改行有》

523.  ターミネーター4 《ネタバレ》 ~Salvation~救済(救済者)。洋題には4は付かない。 これは“ターミネーター4”と呼ぶよりは“ターミネーター・サルベーション”。 シリーズ前作で興行的&満足度的にヤラカシてしまったことを救済する意味と、登場人物を救済する者という二つの意味がありそうだ。 そしてこの作品は3の続きとしてより1の前日譚として観ると、割としっくり来た。 作中T-800が新兵器として開発されているのと、ジョンが頻繁にサラのテープレコーダーを聴いてヒントを探している辺り、サルベーションは、1さえ観ていれば(2を観ないでも)楽しめる作りになっている。 そもそもジョン・コナー役、フニャっと弱々しいニック・スタール(3)と、キリッとたくましいクリスチャン・ベール(本作)では、容姿が違いすぎるしね。 軽火器で応戦するイメージだった抵抗軍が、A-10や潜水艦を運用してたりと、かなり強力な組織なのに違和感を感じるけど…まだジョンは抵抗軍のリーダーじゃないから、初期の頃はこんな充実してたんだなぁって、思おう。 様々なターミネーター達と抵抗軍の戦いは、未来の戦争映画として迫力があり、ジョンがヘリで飛び立ってから墜落するまでの1カット風撮影とか、かなり見応えがあった。 T-800の起動は驚いた。出てくるとは思わなかったから、なんか嬉しかった。1の最初の髪型だったのも、おぉっ!て。 サルベーションは三部作だったらしいので、きっとカイルが過去に行くまでくらいの10年間を描く予定だったんだろう。スターの今後とかジョンとケイトの子とか、色々ネタはあったんだろうな。観たかった気もするけど、この1作だけでも充分かも。 タイトル話に戻るけど、まだ子供のカイルをジョンが救い、心臓にダメージを受けたジョンをマーカスが救い、マーカス自身は人生をやり直すことで過去の過ちから救われる。そんな救済者たちの物語としても成立している。[映画館(字幕)] 6点(2021-08-05 22:28:57)《改行有》

524.  トッツィー 《ネタバレ》 ~Tootsie~(大人の女性に対し)お嬢ちゃん。くだけた言い方だけど、言い換えると女性を見下した言い方。 小さい頃、何故かこの映画を気に入っていたようで、ゴールデン洋画劇場で放送される度に観ていた記憶がある。ウィキによると初回'87ってなってるけど、もっと前に放送してなかったっけ? 当時の私には、ブッシュマンやキャノンボールと同類のコメディ映画に記憶分類されているから、不思議だ。 「トッツィーがんばれー!(役名はトッツィーではないけど、そう思ってた)」院長先生とかに迫られ、ダスティン・ホフマンが甲高い裏声でワタワタしてるだけで、当時の私には充分可笑しかったようだ。 マイケルはいわゆるオカマではなく、ノーマルな男。でも一緒には仕事をしたくないタイプの使いにくい男だ。彼は女装をして、ドロシーを演じて“待望の仕事”を手に入れる。役名エミリーを演じる女優ドロシーを演じる俳優マイケル。これはこれで、アタマが混乱しそうになる。でもここまでの演技ができるなら、最初から『扱い易い男優』の演技をしていれば、仕事もあったろうに。 ジュリーが未婚の母で、半分仕事のためにディレクターと付き合ってるとか、生々しくも当時の女性の社会進出の大変さを表していた。 サンディもなかなかオーディションに受からずだけど、そこをマイケルがすんなり合格し、認められて、社会現象になるのは、当時は“ディレクターに気に入られる女性より、ハッキリとモノを言える女性を出していこう”という意味だろうと思う。だけど本当の意味で男女の性差が無くなったら、女性であっても使いやすい人が重宝されるだろうことは、この問題の難しいところ。 ドラマの生放送パートでカミングアウトするところはスッキリして良い終わり方。だけど病院ドラマのその後とかちょっと気になる。きっとマイケルはドラマを降板させられたから、次の回で上手に軌道修正したんだろうな。そもそも当時はまだドラマをビデオで繰り返し観るような時代でもないから。 改めて観ると、マイケルとジュリーが幸せに向かうのは良いとして、ドロシーに本気で恋をしたレス、半分使い捨て扱いなサンディが可哀そうに思えた。[地上波(吹替)] 6点(2021-07-17 11:55:30)《改行有》

525.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 スタンドバイミーをグーニーズで味付けしたような“少年少女のひと夏の冒険もの”としてよく出来ている。 いじめられっ子達が何となく集まって、それはそれで楽しそうに夏休みを過ごす。下水道に入っていくのも冒険だけど、薬局から万引するのも冒険だ。湖の場面は特に良かった。あの高さから飛び込む勇気ないわ…目の前に下着姿の女の子が寝てたら、見るよなぁ。少年少女の夏だなぁ。 いじめっ子がナイフで傷付けるのは、ちょっとシャレにならないレベルだけど、そのやり過ぎ感があったために、マイクを助けるのにみんなで石で撃退する時はカタルシスがあった。 いきなりジョージーの腕を食い千切るとか、マイクの観る火事で扉が開かない悪夢とか、うわっ…て思えて期待感が高まった。 ペニーワイズやその他の怪現象は、凄いんだけど、怖いかと言われると…美麗なCGのせいかもしれないけど、生っぽさと言うか、自分もその場に居る。怖い。逃げたい!というライブ感が感じられなかった。 何というか、少年達に起きた怪奇現象を、安全な場所で、モニター越しに観ている感じが付きまとってしまった。つまり映画に入り込めなかったのか。歪んだ人物画が動いたら怖いだろうなって思うけど、CG映像で見ると怖さ半減。ペニーワイズが巨大化したり、大口を開けるシーンなど、映画に入り込めていたら、目を背けたくなるシーンだと思うけど、むしろ『へぇ~、口の奥の方こうなってるんだ…』みたく、恐怖の体験者ではなく視聴者(≒安全にじっくり観察する立場)に引き戻される。映画館の大画面で観ていたら違ったかもしれないけど… ビルとベンの間で揺れ動くベバリー。リッチーの下ネタジョーク。エディとママの関係。こっちのドラマパートを延々と観ていたかった。[DVD(字幕)] 6点(2021-07-17 11:14:01)《改行有》

526.  間違えられた男 《ネタバレ》 ~The Wrong Man~邦題そのまま。 連行されてから刑務所に入れられるまで、ほとんど流れ作業で抵抗の余地がないのが怖い。そもそも誤認逮捕だから、弁明の余地とかあると思って特に暴れたりしないだろうけど、黙ってるとこんなにも淡々とコトは進んでしまうんだな…って、ある意味感心してしまった。 何かもっとこう『弁護士を呼んでくれ!』とか「いい加減ゲロしちまいな!(バキッ」なんて展開ではなく「はい、電話は後でね」「はい次、あそこに立って」「はいこれ書いて」「はい隣の人と手錠して」みたいな、この怖さ。気の弱い私なんて、ずっと黙って従ってそう。 ミランダ警告というのをダーティハリーで学んだけど、それがまだ無い時代とは言え、突然逮捕される事を現実として受け止められず、ボーッと流されるマニーの心境が伝わる。 護送される車の中で向かいの人の靴をジーっと見てる自分…怖さと、現実味の無さと、今後の不安と、色々な気持ちが頭に浮かんでいただろうな。 気丈に振る舞っていたローズが、遂にタガが外れて笑い出す瞬間の怖さ。自分の親知らずがモトでこんな事件に巻き込まれたこと、自分のせいで貧しい暮らしなんだって思い込みから、ノイローゼになるローズ。こんなタイミングでって思うけど、こんなタイミングだからだろう。 有利とも不利とも解らない裁判。自分の人生が掛かっている裁判なのに、周りの関心の無さ。 自分がどうなろうとどうでも良い人たちによって行われる裁判って、怖いな。 裁判で勝つでもなく、真犯人がアッサリ捕まってチャンチャン。だけど、取って付けたようにローズが2年後回復したことになっているけど、些細なことがきっかけで、これだけの時間と、あらゆるものを失うという、怖い映画だった。 過去に2回も強盗をした男が、その事務所に「金を貸してほしい」なんて、ご丁寧に妻の保険証券まで持って来るだろうか? 何件も強盗を重ねた男が、保険証券の登録住所に済んでてアッサリ逮捕なんて、警察も疑問に思わないんだろうか? 7500ドルは大金(今の価値で800万円くらい!!)だけど、強盗しても保釈されるんだ。 ついでにローズの親知らず4本は300ドル≒32万円くらい。高い![CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-10 19:02:31)《改行有》

527.  笑の大学 《ネタバレ》 面白かった。心から笑ったことがない人が、自分が理解できていない笑いを説明されて、それを理解して、実際自分が人を笑わせる手伝いをする(結果になる)。そこには検閲を通すためのヨイショもあるんだろうけど、向坂のダメ出しを見事に笑いに組み込む椿のセンスは、強引ながら大したものだと思えて、5日目の向坂が警官役をやらされる辺りまで、テンポも良く、作家と検閲官のお互いの距離が近づくようで、とても楽しかった。 6日目、向坂が坊主の格好している辺りから、若干クドさが出てしまったように思えた。好みの問題かもしれないけど、5日目までの距離感が一番絶妙だったような気がして、それ以上距離が縮まるのは、やりすぎなような… 向坂が上演許可を出さないために嫌がらせを告白は、それはそれとして黙って飲み込んで良いと思うんだけど、その後の椿の本音が、観ている私も聞きたくなかった。これは戦地帰りの兵隊に『人殺しは間違いだよね、あなた人殺したことある?』ってのと同じくらい、言っちゃいけないことのような。向坂がちゃんと「聞きたくなかった!!」と言ってくれてよかった。でもここまで積み上げたものがぶち壊しになり、修復は無理と思われた翌日の、赤紙。ある意味反則だけど、すべて持っていく上手な結び方。 あぁ、でも向坂に廊下で叫んでほしくなかったかな。もっと、あの部屋の中だけで、二人の中だけで認め合うような結末が相応しい関係だったように思う。 舞台版だとそういう所も含めて、完成度高いのかな?でも充分楽しめたよ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-07-06 23:45:07)《改行有》

528.  ドリームガールズ(2006) 《ネタバレ》 ~Dreamgirls~実在したポップ・グループ、ザ・スプリームスを題材とした架空のグループ名。 ロックを遡っていくと、黒人音楽が大きな影響を与えていることが解るけど、案外浅い知識しかないもので、よく知らなかったダイアナ・ロスの過去を扱ったフィクションとして、興味深く観させてもらった。 地方の黒人音楽を、白人の大手プロモーションがパクって大金を稼ぐ図式が音楽業界の闇を感じさせる。でもリスナーの多くはそんな裏事情なんて知らないから、ラジオで何度も耳にする良い歌を買ってしまうんだよな。 白人主体の音楽業界で対抗していくため、ルックスの良さと耳障りの良い声のディーナを前面に売り出そうというカーティスのやり方も理解できる。エフィとカーティス達の亀裂は起こるべくして起こったものだけど、それよりこんな中盤から突然ミュージカルになってびっくりした。エフィがクビになる時のミュージカルは歌詞と状況のシンクロ具合が絶妙で見事。 エフィがディーナとカーティスの仲を疑ってたけど『それは誤解でしょ?』って思ってたけど、数年後結婚してるのは、え??って感じ。どこか2人の関係を描いたシーンを見逃してたろうか? ザ・ドリームズのプロフィールビデオの、ミシェルの切り貼り感が良かった。 エフィの歌をドリームズがパクる。白人のやり方で黒人同士潰し合う。 独立を決意したディーナの"Listen" の観せ方が凄い。闇の中1人で歌うディーナ。徐々に明るくなるとそこが収録スタジオで、ガラスに反射したカーティスが映る。どれだけ独立を願っても事務所が権利を握っている構図を一発で表現している。回想風に秘密の証拠書類を盗むシーンと、エフィの"One Night Only"のシングルを見つける瞬間を入れる。 解散コンサートでザ・ドリーム・ガールズとして4人で歌う爽快感。カーティスも何かに気がついたようで(何で?)エフィの子の隣へ。満足度の高い大団円。エンディングの絵コンテもなんか嬉しい。 ノリノリのエディ・マーフィがまた実に良いし。ジャクソン5も出てきてお得感満載。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-27 23:46:48)《改行有》

529.  見知らぬ乗客 《ネタバレ》 ~Strangers on a Train~電車の中の見知らぬ人。邦題のままでよいです。 二人の男の靴(足もと)から始まり、靴がぶつかって話が始まるオープニングがスタイリッシュ。 何度も出てくる小物『ブルーノのタイピン』よりも、この時締めてた可愛いロブスターのネクタイが気になったわ。 テニスコートで一人首を振らないブルーノの不気味さ。 パーティでバーバラ(ヒッチコックの一人娘だったんだ)を視ながらカニンガム夫人の首を絞める異常さ。 証拠のライターで自分のタバコには火を着けるけど、他の人にはわざわざマッチを使う変なこだわり。常人じゃないところが上手く表現できていたと思う。 名前のあるちょい役と思ったヘネシー刑事が、主人公といい感じに友達感を出して、バーバラにもバラバラ殺人のネタ話で怖がらせたりと、とても魅力的なキャラクターになっていた。 アントニー家に侵入。懐中電灯と地図の見せ方はダンジョン感があり、途中の犬も怖くてハラハラ出来る。 高速回転のメリーゴーラウンド。ガイとブルーノの格闘より、下をくぐる刑事さんの方が観てて怖かった。 全体的にゆるい感じはあるけど、ぼや~っと観ているうちに、その世界観に引き込まれる。 ヒッチコック作品は、後年のカラーの方が有名な作品が多い気がするけど、モノクロの方が若干、私自身の評価が甘めになっている気がする。掘り出し物を見つけた感があるからか?単に初期→中期作品のほうが私の好みに近いからか?[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-24 23:57:33)(良:1票) 《改行有》

530.  Wの悲劇 《ネタバレ》 ダブリューの悲劇。アメリカの推理作家の『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』のオマージュとして、日本の作家が作った推理小説『Wの悲劇』を劇中劇とした、舞台女優の悲劇を描いた映画…へえぇ~~。 薬師丸ひろ子の脱アイドル、本格的な映画女優を意識してか、処女喪失というショッキングなオープニングから始まる。彼女が感情の微妙な変化を、声と表情の演技で出そうと頑張っているのが伝わる。…良く言えば今の薬師丸ひろ子の演技は、この時ほぼ完成されている。 オーディション後に落ちたと知らず、静香に花束を渡す昭夫。その花束でバシバシ叩かれたあとの、キラッキラの笑顔と優しい言葉が印象的。なにか思っていた世良公則のイメージと違って違和感を感じなくもない。脱いだパンツ挟んでの昭夫と静香の電気のひもバトル。何とも青春していて良いね。 こんな過去のアイドル映画の集大成っぽい内容が1時間弱続き、いきなり物語が動き出す展開は見事。 羽鳥翔の自分を語りつつ、静香に頼んでいるようで、逃げ道を作らせない有無を言わせぬ圧。演技の勉強を頑張りすぎたせいで、役と事件を天秤にかけ、事の重大さを故意に鈍らせる静香。記者会見で女優として現実の自分を演じ通す静香の姿は痛々しくもリアル。一方、翔がかおりを摩子役から下ろすためのいびり方は演技とは思えないくらい、本当にありそうで怖かった。 昭夫が刺されてからが駆け足で、主要メンバーのその後が気になって仕方ない。特にかおりは、あんな事件を起こさなかったら実力から再起は確実だったろうし、可愛そうでならない。 でもそういう、蛇足になりそうなところを敢えて描かないで、静香と昭夫の別れでアッサリした終わりも悪くないと思えるようになった。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-06-20 21:48:46)《改行有》

531.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 ~Die Hard 4.0 Live Free or Die Hard~『自由に生きる、さもなくば頑強に抵抗を。』モトはニューハンプシャー州の標語だそう。サイバーテロ映画なため、単純に4でなくプログラムとかのVer.4.0ってのが国際標準タイトルとのこと。 ナカトミビルの活躍から早いもので19年。前作から12年。ホリーと髪を失ったマクレーンが、筋肉ムキムキになって帰ってきた! マクレーンと言えば、経験と知恵で敵に喰らいつき、ゴキブリのように隠れて、油断した敵を仕留めるイメージだったのに、トレーラーからヘリの操縦までこなし、正々堂々真正面から打ち勝つような、戦車みたいな男になってしまった。コンピューターを駆使する戦いだから、頭を使うのはハッカーの役目に。 独立記念日前日だけに、歴代大統領の演説を繋げた犯行声明はシャレが効いていて怖くて、発想がスゴイ。 敵も女カンフー使いやパルクール使いと、格闘アクション色を強くしている。日本人が見ても綺麗なマギーQをマクレーンがバッキバキ殴るのは、なかなか容赦なくて見応えがある。 1で「きょうパパはくるの?」と可愛かった子どもが、こんなに大きくなって…夫婦愛から家族愛に広がったのは良いけど、この人危機がないと日常生活はダメダメ。何が決定打でホリーと離婚したのか、なぜルーシーはあそこまでジョンを嫌うのか。せっかくルーシーの家で始まるなら、何やかや大事にされてる1のクマのぬいぐるみがチラッと…なんて思ったり。 過去3作との大きな違いが場所と時間。ダイハードと言えば限定された空間での活躍が特徴だったけど、シリーズ毎に活躍範囲は広がっていき、今回はニューヨークからメリーランドへと州すら跨いでの活躍に。そして1と2は一晩の戦い。3は朝から夜中。今作は一日半不眠不休の戦いと長い。当時人気だった-24-の影響を大きく受けたんだろう。 電気が止まっているのに夜中に車が結構普通の速度で走っていたり、朝は走っている車がなく、どういう訳か道路の真ん中で立ち往生している車が多かったり、暴動が起きてても不思議じゃないのに歩いてる人が居なかったりと、なんか不自然。 メインがF-35だけど、単独飛行なのがちょっと変。そもそもあんなに接近する必要性ある?ぜんぶ生身のマクレーンと戦わせる話の都合上の演出なのが…。市街地の被害関係なしでトレーラーの足止めにミサイル使うし、あんな危ないパイロットを最新鋭機に乗せちゃマズい。CGで珍しい画が撮れるのは良いけど、リアリティは大事にしてほしかった。面白いんだけどね。[DVD(字幕)] 6点(2021-06-17 11:43:33)《改行有》

532.  ネバーエンディング・ストーリー 《ネタバレ》 ~Die Unendliche Geschichte~果てしない物語。 オープニングの美しさ。リマールのテーマソングがまた良くて“懐かしいあの頃”に引き戻す。 さぁ!ファンタジーの世界に旅立とう!…って、小さい頃に何回か観たはずなんだけど、アトレイユがどんな冒険をしたか全然覚えてなかった。 ロックバイター、暴走カタツムリ、象牙の塔には顔が幾つもあるやつ、魚人間?魅力的なクセの強いクリーチャーたちがたくさん出てくる。…でも特に何もしてなかったんだな。 異世界“ファンタージェン”や世界を滅ぼす無“ザ・ナッシング”の素晴らしいネーミングセンス。日本語訳も頑張っていて、極め付けは女王“幼心の君”こんな綺麗な名前どこから思いつくんだろう?透き通るような容姿とともに忘れられない。 美しいという表現が相応しいアトレイユ。戦士というには若すぎるけど、暴力(武器)を使わない冒険物語にはベストマッチだったと思う。最初から孤独な旅だっただけに、相棒のアルタクスが沼に沈むときは悲しかったな。 ラッキードラゴン・ファルコン。パペットは表情豊か。でも今見ると特撮がかなりキツい…と言いたいところだけど、当時から微妙な出来の特撮だった。 空を飛ぶ爽快なシーンだけにちょっと残念。邪道かもだけど、ここは今の技術で上手いことしたほうが良いのに。って思う。 母親の死とイジメで気持ちが沈んでるバスチアンが、ファンタージェンの滅びゆく現状とリンクしているようで面白い。 多感な時期に出会う物語って、結構すんなりとその世界に入り込めたりするんだけど、バスチアンが飛び込んだ本屋のご主人が、本の世界の面白さを伝えてくれる。 最後の、ファルコンでいじめっ子に仕返しするところはよく覚えていて、綺麗な音楽をバックにバスチアンがファンタージェンを飛ぶまでは良いけど、なぜ現実世界にも来たのか、子供心にあのシーンをどう整理をつけようか困った記憶がある。 リアルタイム世代じゃなければ、もう少し評価が下がったかも。[地上波(吹替)] 6点(2021-06-02 13:29:02)《改行有》

533.  予期せぬ出来事 《ネタバレ》 ~The V.I.P.s~重要人物たち。…としか解釈できず、豪華キャストを考えると、これまた思い切ったタイトルだなって思ってしまう。 オープニングのゴージャスさから、何かもう序盤でお腹いっぱいになりそうなところ、良い意味で関心を持たせる、良い邦題だと思う。 空港に集まった主要人物、そこに至る簡単な経緯。これぞメロドラマって感じの出だしだけど、霧のせいで先行きが悪い方向に向かうなか、深夜から翌朝にかけて、霧とともにスカッと晴れ上がる展開が心地良い。 ミス・リードの献身的な捨て身の活躍。失意の中、彼女の話をしっかり聞いてポンと小切手を切るアンドロスの格好良さったら無いね。マングラム社長と一緒に飛び跳ねたくなる。 元ネタがありそうなブーダ監督とグロリアの偽装結婚。興奮剤、鎮静剤、ブランデー、眠気覚まし…死んじゃダメだ公爵夫人。 適当に順調な人生のシャンセル。フランセスを本当に愛してたなら、今回の失恋が彼の人生に大きな成長を与えるだろう。 主役は愛の逃避行のフランセスだけど、序盤にシャンセルに言う「あなたの言う一生って、長いのかしら?」何かもうこの時点で、彼女のやりたかったことが達成してる感があった。ポールと一生を共にする決意を固めるフランセス。良かった、良かった。 影の主役は、毎日こんな要人たちをおもてなしする空港職員たちだろう。破産した公爵夫人を要人として扱い、種痘証明探してあげたり、最後は伝達のない要人プープーをしっかりエスコート。グランドホテル形式の映画らしい締め方。 そんな要人が集う空港カウンターに、一際目立つ、日本航空の鶴のマークが誇らしい。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-27 10:00:59)《改行有》

534.  若草物語(1949) 《ネタバレ》 ~Little Women~お父さんが娘たちを呼ぶ時の呼び名“小さなご婦人”とか。GirlでなくWoman。 でも“若草物語”良いタイトルじゃないか。邦題に魂が宿ってる。 4姉妹ものの原点。原作未読で映像作品としても初。 クリスマスのお小遣い。貧しいけど豪華な朝食。ベスのピアノ。ジョーの髪の毛と、ほっこり温まるエピソードが続く。 ハスキーボイスのジョー。ジューン・アリソンだけ、他の三姉妹女優(22歳、17歳、12歳)より年齢が離れた32歳。不思議なキャスティング。 それでも、ローリーとの全力疾走の追い駆けっこが早い早い。 マーチ叔母さん「ふしだらなマネは許しません」からのメグ即結婚はテンポが良くて面白かったが、ここらからすっごく駆け足になった気がする。 ずっと家の周りの話かと思ったけどジョーはニューヨークに行くし、エイミーは叔母さんとヨーロッパに行くしで、展開が駆け足。 時系列的に、ベスが不治の病でジョーが看病のために家に戻ってきている間に、エイミーは旅先でローリーと付き合い、その間にベスが死に、その前後にエイミーたちは結婚しているように見えた。当時の距離の問題があるから、旅行を中止して帰っては来れないだろうけど、割とマメに手紙で連絡を取り合っていたようなのに、原作ではどうだったのか気になった。 ベスの「長生きできない気がしていたの」は、マーガレット・オブライエンのか細さと相まって、可愛そうで涙が出てくる。 キャストはハマってると思うし、最後の虹の掛かるマーチ家も“これがセット、これこそ大道具”って感じで素晴らしい。 後半の駆け足部分をじっくり、倍の尺くらいで観たかった気がする。 あとウィルクス歯科の動く看板に驚いた。150年くらい前の世界にあんな無意味でインパクトのあるものが! ベア教授「自分の心に響かない文章は一行も書いてはいけない」………すみません。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-22 11:25:12)《改行有》

535.  探偵物語(1983) 《ネタバレ》 赤川次郎の原作自体が、薬師丸ひろ子をイメージした作品だって聞いた記憶があるが、このタイトルからして、相手役は松田優作をイメージしていたんだろうか? 探偵事務所に所属しているけど単独行動・孤立無援な辻山は、個人事務所だけど仲間とワイワイな工藤ちゃんとは、人物像が真逆と言うか… 本で見るとナルホドってなるかもだけど、実際画で見るとかなり無理があるトリック殺人。ものすごい偶然が重なってたどり着く推理。都合よく置いてあるペンダント。ゆるく楽しむのが正しい観方なんだろう。 事件解決からが見応えがあって、辻山の部屋での長回しが素晴らしい。というか、ここから先だけでも良いんじゃないか?って思ったりする。 今まで直美を“調査対象の子ども”として、一歩引いた距離で扱ってきたが、ホテルの話を聞き、落胆の表情を見せる辻山。 「ずっと一人で寂しかった!」「…一人で居て寂しくないやつなんていないよ」直美を大人としてみて本心を話す。 「帰ります」と2回。背中に向けて投げ捨てるような告白の言葉。そんな事解ってるから振り向きもしない辻山。 アイドル映画の告白シーンなのに、重苦しく物哀しい。切ないテーマソングの入り方もイイ感じ。 空港での別れのシーン。エスカレーター逆走から手を重ねて無言のキス。 キスの後も名残惜しそうにしがみつき、胸に頭をくっつける薬師丸ひろ子の演技は素晴らしい。 …ただディープキスにしたのはどうだ? 欧米の映画に比べて日本の映画界が劣っていると考えている松田優作が、ちょっとやり過ぎてしまったんじゃないかと思うんだけど。どうだろう。 普通のキスで良かったんじゃないかな。話題作りにはなったと思うけど。 もう一回ちょんとキスして、小さく手を降り去っていく直美。しばらく後に小さく手を振り返す辻山。 棒立ちの松田優作と、ディープキスのあとだけにホンワカした音楽がちょっとシュール。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-21 11:04:34)《改行有》

536.  愛と青春の旅だち 《ネタバレ》 ~An Officer And A Gentleman~紳士及び士官に…。意味は『ザ・シネマ』というサイトのコラムに詳しく書かれています。 フォーリーがメイヨのコインは右側に入れるのに、次のデラ・セラのコインは左側なのは何でだろう?って思ったけど、その説明もコラムに書いてあって、そうだったんだ!!と、とても参考になったので、興味があれば探して見てください。 メイヨは親が親だけに、愛とか面倒で、女性に対する付き合い方がアッサリしているのも解るが、ウォーリーはスーザンという婚約者が居て(…とは言え死んだ兄の元カノという複雑な関係だが)、訓練期間中の遊びでリネットと付き合う。 妊娠を機に海軍を辞めるけど、家系と子供のためで、リネットのためではない。妊娠が嘘とわかっても結婚を申し込むが、愛というか、自分に退路が無くなったからにも見えた。 リネットは、士官のお嫁さんになって世界中を回る夢があるから、アッサリとプロポーズを断る。どちらもお互いを愛していた訳じゃなかったんだな。 フォーリーに人間性を批判されてシゴかれて、徐々に人間らしい行動を取るメイヨ。ペリマンにピカピカのバックルをプレゼントするところがいい。 ポーラは生まれてすぐに海軍の実父を亡くしていて、それで士官の彼氏に憧れがあるのか。自分の中の理想が高め。朝食のときに花を置いて 『見て見て、お花よ。こういう女、憧れるでしょ?』ってやるのが可愛い。 純白の制服姿で工場に行き、ポーラをお姫様抱っこで連れて行くメイヨ。 『君が憧れる士官になったぞ、みんな見てるぞ、こういうの、憧れるだろ?(オレは恥ずかしいけど)』ってお返し。 淑女の理想を叶えることが『紳士及び士官に相応しい行為』だから。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-15 14:22:36)(良:1票) 《改行有》

537.  日本沈没(1973) 《ネタバレ》 小さい頃、ウルトラマンの感覚でこの映画観て、怖かったなぁ。 今でも小さな地震さえ怖いのは、私の根底にこの映画の記憶があるからかもしれない。 OPの地殻変動の地球と、映画のセリフっぽくない先生のマントル説明を見ると、本当に日本が沈没しても不思議じゃないなって思える。 関東大震災から50年目「火さえ出さなければ大丈夫だ!」という、お爺さんの教訓を覆す予想外の大津波。 建物倒壊で小路に逃げ込む人たち。そこに逃げてくる服に火の付いた人たち。逃げ道が無くなり炎に包まれる人たち…あぁ、火災に巻き込まれる人って、こうやって死んでいくのか。あそこに自分が居たらと思うと、怖くって仕方なかった。 着水する飛行艇(US-1?)や自衛隊のUH-1ヘリの大群が飛び立つ様は迫力満点だ。 …だけどお腹がパカッと開いて消火カプセルを落とす特撮は、今見るとちょっと可愛い。 生放送で大暴れする田所先生。表舞台に出しちゃ駄目なタイプの人なのに、政府の責任回避の生贄に使われるなんて、腹黒い。 小野寺の「逃げるんだ!」も、群衆の中で唯一、日本の行く末を知っている身として苦しい気持ちが伝わる。その後災害救助に当たる藤岡弘の眼力がスゴイ。 3つの案を聞き「何もせん方がいい」と言われ涙を流す山本総理。疎開先が思うように決まらず「1億人でなく10万人なら」も充分わかる。個人の想いと総理大臣の立場の苦しみが良く出ていた。オーストラリアめ。 姪っ子の花江。木村文乃ソックリ。角ゆり子というのか、綺麗な人だけど一言も喋らない。 国の統制を映画では非常措置要綱と言ったか。いま緊急事態宣言が各地に出ているが、映画ほど重たく捉えられないけど、これが正常化バイアス? 最後の方のテロップ“地球のどこかで”という文字は、きっと“いい日旅立ち”の歌詞に影響を与えたに違いない。[地上波(邦画)] 6点(2021-05-09 15:11:27)《改行有》

538.  クリフハンガー 《ネタバレ》 ~Cliffhanger~崖に引っ掛かって吊り下がってる人≠いつ落ちるかハラハラ・ドキドキ=続きが気になる!のスラング。 冒頭サラの事故が何度見ても手に汗握る。今回も手汗かいてた。 空撮を多用したカメラワーク。スポーティな軽装で、スイスイ崖を登る姿が、慎重に一歩一歩ゆっくり登る山岳映画のイメージを一新させたと思う。 スタローンという映画界の絶対安心男の判断ミス(ではないと思うが)で始まるのは、当時意外に思えた。 飛行機の攻防が結構好きなシーンで、FBIマセスンと財務官トラバースのどちらが悪人か迷わす展開、その後のマセスンの意外な健闘は、上手だなと思った。スタローン映画と言えば、彼一人で何でもやってしまう印象しかなかったから。 初見は勢いで流して見たところも、複数回観ると引っかかる点や、よく考えろ!って展開も出てくる。 友人「あんな雪山でシャツ一枚だと凍え死ぬだろ。それが『寒い寒い』だけで済ますのどうよ?」私「いや、目的地(山小屋)がわかっていれば根性で行けると思う」あの格好で一晩以上生きられるか?で引っかかる人の評価は低いみたい。 強盗団「ガイドは二人いらない、殺せ」って、そういう話は金を探させてる最中でなく確実に手にしてからにしよう。 札束で焚き火は豪快だけど、強盗団がナイトビジョンゴーグル持ってるのに焚き火とか、見つかる。 トラバースとの最後の戦い、あんなにセット感丸出しだったっけ?あんな雪山の上に凍らない池があるなんて… 1200m。8ヶ月前サラが「…1200mもあるの?」って怖がって死んだのに、最後に彼氏のタッカー「クウェイランは1200m下だぜ!」って、絶対言っちゃいけないジョーク。 そのせいかラジー賞に多数ノミネートされてたけど、受賞はならず。かなりハラハラ・ドキドキしたことだろう。[ビデオ(字幕)] 6点(2021-05-08 10:53:41)《改行有》

539.  東京家族 《ネタバレ》 私はまだ東京物語を見ていないのだ。だけどある程度のイメージは持っている状態での視聴。キャストがセリフを言うたびに切り替わるカメラ。置かれるセリフ。うん、うん、こんなイメージだと思う。 サザンの名曲を星野源が歌ったら、きっと想像も付かない味わいが出るんじゃないか?…なんて思ったのに、星野による桑田のモノマネだったらきっとガッカリするだろう。それも素人がカラオケで誇張して歌うレベルの、上っ面だけのモノマネだったら。 東京物語を観てない私にさえも伝わる小津監督のモノマネレベルの撮り方。…なのかな?何でこうしたこうなった。 その、観ていて疲れる前半を乗り切れば、充分に引き込まれる内容だと思います。 観光先は東京タワーでなくスカイツリー。(たぶん)当時最新のラジコンヘリのおもちゃで遊ぶ孫。3.11で町を飲み込んだ津波。そして復興ボランティアに参加した昌次と紀子。 家族の間でたらい回しにされる老夫婦。旧友の服部さんのアパートで廃品回収に運ばれていく、まだ使えるテレビや自転車。粗大ゴミ扱いされる昌次の愛車チンク。とみこの形見として渡される古い腕時計。 都会と田舎。古いものと新しいもの。スクラップ&ビルドを、広島から出てきた老夫婦と若い昌次と紀子の視点から、いろんな形で観せるが、それが単純に、懐古主義に偏重させない気配りは感じられた。 さっきまで話していた母親が、階段で倒れて、それっきり死んでしまう。母の最後と同じ日に紹介される未来の家族。 生前の母親の家族への振る舞い、無愛想な父が私の両親とカブってしまい、色々と思ってしまうところがあった。こういうのは反則だ。母の日が近いし、短時間でも顔見てこようか。 紀子を上っ面だけの理想のフィアンセにしなかったのが良い。昌次の実家で愚痴る演技が特に良かった。 本屋でお客が探してた絵本が“ちいさいおうち”とか、そういうのは要らないと思う。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-07 02:12:08)《改行有》

540.  海外特派員 《ネタバレ》 ~Foreign Correspondent~邦題のまま。 序盤はコメディタッチ。帽子を何度も無くすぐうたら社員が、平和愛好家のキャロルとバタバタして最後ラブラブに…なんて思っていたが、ヴァン・メア殺害事件からサスペンスに急展開。傘に隠れた逃亡劇はこの映画イチの名シーンだ。 “小文字のfが2つのフォリオット”登場、ホテルでの逃亡劇まで軽快にサクサク楽しめたが、フィッシャー氏が観客に向かって語りかける反ファシズムのメッセージ辺りから、内容はどんどん重くなっていく。 終盤ハバストックが、次々と戦況を伝える記事をアメリカに送り、最後はロンドンがドイツ軍に空襲される中、アメリカにヨーロッパ戦線の参戦を促すラジオ実況メッセージを送り続けて終わる。 先任特派員のステビンスは遊んでばかりでやる気なし。主人公はアメリカではサボってばかり。ジョン・ジョーンズという平凡すぎる名前だけど、ハントリー・ハバストックという名を与えられ、ヨーロッパの現状を見て正義感に燃えた。 彼はJ.Jと書かれた旅行カバンに新しい名前のイニシャル“H.H”と書き直していた。 H.Hは~His Holiness~の略で、ローマ教皇とか最高宗教指導者の事を言うらしい。 海外特派員の報告は神のお告げと同義。ファシズムとの戦いは聖戦と同義。アメリカも参戦しようって、意図があったのかもしれない。 言葉の通じないラトビア人が実は大物で…ってホッとする展開を予想してたのに。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-04-30 13:45:05)《改行有》

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