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プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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561.  グリーンブック 《ネタバレ》  これがアカデミー作品賞?っていうのが見終わった後の正直な感想ね。  でも、それは別にネガティブなものではなくて、単純に、こんなに判りやすい、ストレートな内容のものが?という意味で。  映画は面白く見られたわ。  黒人差別問題を描いてはいるけど、そこを殊更に強調するのではなくて、雇い主と雇われ運転手のロードムービー、バディムービーとして単純に面白い、という作り。  それぞれが影響を受けて変わってゆく、それは王道って言えるわね。  難しいところは何もなくて、ただ差別の問題はしっかり考えさせるような作りで。唯一、ハッキリとは語らずちょっとボヤかしてあるエピソードがYMCAのところだけど、あのビレッジピープルの歌、西城秀樹がカヴァーしたあの曲の意味も含めて、そのあたりの知識があれば、ああ、って理解できる部分ね。  差別が当たり前、差別は文化として存在している、その異常さを、でもそれを日常生活の中で受け入れてしまっているんじゃないですか?って現実があって。  ただ、そういう感覚は『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』でも描かれていたわけで、この作品がこれまでと違う、特段のものを持っているというカンジはしないのよね。  アカデミー作品賞はその背景に、政治的な意識も働いているのかな?と思ったりもして。  トランプ政権下では、この映画で描かれたことは決して過去のものではなく、今も存在している、むしろまた逆行しているようにも思えるわけで、アンチテーゼ、抑止力としての作品賞?とも思えて。アカデミー賞って多分に時代の影響ってあるわよね。  ファレリー兄弟作品(今回はピーター1人での監督だけど)はバカ映画が多いんだけど、そこにマイノリティ賛歌が織り込まれていたりするわよね。  でも、毎回それが白人、マジョリティ、健常者としての立場からの上から目線的なモノを感じてしまって、必ずしも手放しに受け入れられなかったりして。  そして今回の作品にも少しそういうニオイが無いこともないかな・・・みたいなカンジがしてしまったのも事実で。  ただ、じゃあ差別される側のみで閉塞された状態で創造されたモノならばいいのか?というとそれも違うと思うし、やっぱり色々作られてこそなのよね。  劇中、ヴィゴ・モーテンセンがいっぱい色々食べるので、映画見ていてお腹鳴っちゃって恥ずかしくて仕方ないったらありゃしない。ギュルギュルすっごい音させてんの。[映画館(字幕)] 7点(2019-03-05 20:02:05)(笑:2票) 《改行有》

562.  アリータ:バトル・エンジェル 《ネタバレ》  設定とか物語とかはともかく、アリータが徹底的にかわいい!、それだけで満足ね。  予告編だけ見るとデカ目アプリの画像みたい・・・なアリータだけど、実際の映画では大変に可愛らしくて。リアルなんだけどリアル過ぎない、なんとなくマンガな感覚を残してあります、ってカンジで。ちゃんと女の子っぽい仕草とか動きとかするし。実写人物との画的な融合がイマイチなんだけど、でも、そういう違和感も含めてコレが正解な在り方なんじゃないかな。命を与えられたCG、だものね。  ロボッ娘好きなアタシのツボをしっかと捉えたキャラなのね。正確にはロボットじゃなくて草薙素子と同様のサイボーグだけど。  話はかなり前のマンガが原作なせいもあってめちゃくちゃありがち、上が天国、下は地獄、なんて。  脚本はいっぱい詰め込み過ぎちゃってて、ダイジェストみたいで、見せ場の連続過ぎちゃってて、逆に一本調子な印象だったりして。未消化過ぎじゃあありませんか?みたいな状態だし。  大体、この設定だったら当然主軸は上を目指してゆく物語になると思うじゃん。だけど最後まで上は目指さないのよ。その役割はお兄ちゃんの方で、でもその志向についてはあくまで否定的スタンスで。  映像は色々凄かったりして、だけど未来のディストピアものって大体似たようなイメージよね、って思ったりもして。スラム街が『レディ・プレイヤー1』で見た風景に大変よく似ておりますわね、みたいな。ゲームの内容はほぼローラーボールだし。  でも、ロバート・ロドリゲス監督らしい激しいアクションの連続で、IMAXの大画面いっぱいにアリータがカッコいいアクションを繰り広げまくるので、彼女のヴィジュアルを堪能するには最高な映画ね。  設定とか物語とかはともかく。[映画館(字幕)] 7点(2019-03-05 19:45:06)《改行有》

563.  翔んで埼玉 《ネタバレ》  ジャパンプレミアにて鑑賞。  埼玉県をdisるネタ映画、バカ映画。そういうイメージが先行してるし、実際そういうカオを持って作られてはいるんだけど、でも、意外にもちゃんとした映画なのね。映画として物語にしろテーマにしろ演技にしろ真面目にしっかりと作ってありますよ、という状態。なのでこちらも妙に真剣に見てしまったわ。  設定はもちろん、今のこの世界を舞台にしてるワケじゃなくて、フィクション、作り物、嘘で固めた世界なのだけれど、埼玉を始め、東京、神奈川、千葉、茨城の現実の地域性を反映しているのね(群馬だけは別)。なのでそこで判る判るって笑える、のは関東の人限定かなぁ。県単位だけではなくて、市町村単位でのネタが仕込まれているので、その違いが関東圏以外の人はあんまり判んないと思うのね。へえ、そういうモノなのね、って笑うコトはできるでしょうけど。  でも、それを大きな欠点、ハンデにしていない作りで。  (本来の意味での)コスチューム・プレイ映画だけれども、その意匠が見事に映画の世界観を表わしていて。二階堂ふみの優雅で華奢なシルエットも、GACKTの耽美っぷりも、伊勢谷友介のクサいまでのクールさも、徹底的に大真面目にやっているので、笑えるけれども同時に魅せられて。それはヅカの世界に似て、実際に冒頭の学園部分なんか、明らかに宝塚歌劇団と宝塚音楽学校をリスペクト(ってゆーかパロディ)してて。アタシはコレ、ヅカで見たいとか思っちゃったわよ。あの役は何組の誰で、みたいに空想したりして。二階堂ふみはまるで月組『All for One』で愛希れいかが演じたルイ14世みたいだったし。  GACKTなんか、ずーっと出てて、ずーっと演技してて、ああ、ここまでできる人なんだ、って感心しちゃったわ。  それぞれの濃いキャラが織り成す一大絵巻って風情で、一部画的にチープだったり、ユルかったりする部分がない事もないけど(ハンパに物語から消えて行方不明なキャラいっぱいだし)、でもよくぞここまでやった、って褒めたい映画ね。公開の折にはツッコミどころ満載っぷりまで含めて存分に楽しんで欲しいわ。[試写会(邦画)] 7点(2019-02-07 20:21:47)(笑:1票) 《改行有》

564.  十二人の死にたい子どもたち 《ネタバレ》  堤幸彦監督の映画、バカバカしいハイテンションっぷりで大体どれも嫌いなんだけど、残念ながら?この映画はかなり堪能してしまったわ。  この映画で重要なのは自殺志願者は12人なハズなのに何故か13人目の死体があって、一体それは誰でどうしてそこにあるの?ってミステリー部分、ではなくて。  大切なのは12人それぞれ、どうして死にたいの?という点。そこに思いっきりキモチを向けて見ていたので1つ1つが沁みたわ。  もちろん、中にはそんな理由で死にたいの?っていうのもあって。後追いとか、当てつけとか、操り人形みたいな立場からの離脱とか。でも、それをバカバカしいって片付けられる? 実際にそういう理由で死んでゆく人達が存在しているのもまた事実なのだから。  それぞれの痛みに向き合って、まるで感情のアトラクションムービーの如く翻弄されて。  死にたい理由を見てゆくと、例外もあるけれど、多くが「大人がダメであるがゆえの若者の絶望」に繋がっているのね。親が原因で死のうとするコ達が何人もいて。そこからは子供に対する親の無責任、大人の無責任が見えてくるのね。若者を死なせてしまう社会、世界。それが正しい訳はなくて。そこに想いを向けてこその映画ね。  『人魚の眠る家』と同様にドローンを嬉々として使ってまーす、って状態を始めとして、堤演出は必ずしも正解とは言えないし、ドラマの浅いキャラ、もっと詳細に描いて欲しかったドラマもいっぱいあって、それは不満ではあるのだけど、でもまとまり方としてはこんなカンジでいいのかな。もっとドロドロ重厚で長尺で、なんてモノが必要だとも思えないし。  杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、黒島結奈、高杉真宙の若手ながら経験豊富な5人が映画を支えて、個性的な7人(+1人)が彩るカタチで、若い人達だけで見応えのある作品世界を創造していると思ったわ。  個人的にはゴスロリ少女な古川琴音に魅かれたわ。彼女に対して「あなたは何故死にたいの?」って思ったところから映画にキモチが入っていったようなカンジで。一方、橋本環奈嬢はもう少し撮り様があったんじゃない? 「1000年に一人の美少女」の撮り方としてはあまりに雑ね。  大切にしないといけないコトを茶化すことなく描いたという点で今回は安心したわ。[映画館(邦画)] 7点(2019-02-06 19:55:58)(良:1票) 《改行有》

565.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》  QUEENの、フレディの存在そのものが伝説、神話のようなものなので、その映画が退屈なわけはないわ。それはもう、約束されていたもののようでもあって。  フレディの個性も愛も孤独も想いも痛いくらいに流れ込んできて。涙なしでは見られない・・・と言いたいところだけど、でも、そのフレディが、そしてQUEENが生きた時代、生きた世界がむしろ熱く、力強く感じられもして、その伝説の神々しさを堪能できたわ。  ただ、映画として見事!ってわけではなかったかな。  こういう流れの映画って割とあるでしょ。『コミットメンツ』とか『ランナウェイズ』とか『ジャージーボーイズ』とか。それらに比べて特に優れてる、とかいうことはなくて。むしろ凡庸な作りよね。  短いカットが繋がっているのは時として煩わしいし、会話シーンでの単調なカットバックはもう少しなんとかなんなかったのかしら。  日本との縁が深いQUEENなのに、そこに殆ど言及しないあたりも日本人としては不満だし。  そして、映画全体は事象の映像化に終始してるカンジがして。  個人的には曲が成立してゆく過程を行為として描くだけでなくて、その曲が何故、どういう意識、キモチから生まれたのかが見たかったわ。天才の生は見せてもらったけれど、天才が天才である証、才能の湧きでる泉はブラックボックスの中に収まったままだったなぁ、って。そこに手が届いてこそ、映画は映画だからこその高みを見いだせると思うのだけれども。  結局、映画の中にあったスゴさはひとえにQUEENのスゴさよね、と思わざるをえないのね。  でも、自分がリアルタイム世代だからって、コレが自分達のためにだけある映画!とかいう了見の狭いコトは言わないわ。ここから新たにQUEENを知って、親しんでゆく人達がいるとしたら、それって絶対に悪いコトじゃないものね。[映画館(字幕)] 7点(2018-11-14 19:53:42)(良:1票) 《改行有》

566.  ビブリア古書堂の事件手帖 《ネタバレ》  文学的なるものの映像化、という点で、とてもよくできた映画だったと思うわ。  文学世界を映すような、静かでしっとりした映像にウットリ。  過去部分の、東出昌大と夏帆のドラマの、ひたすら抑制された演技、淡い色調、明確なコントラスト。どれもとても美しく。  それに対して現代部分の、黒木華と野村周平のドラマはモノトーンとカラフルの対比、静と動の対比で面白く。  ここまで気持ちいいレベルのライティングの映画って、なかなかないわ。  そういう、技巧を凝らした世界の中で文学について奥行き深く探ってゆくような作風がとても楽しく、また心地良く。  肝心のクライマックス部分、真実が明らかになる部分が、なぜかとても陳腐になってしまって、あそこさえなければ今年のベストテンに入るくらいに良かったのに、って感じで本当に残念。なんであの伏線が張ってあった仕掛けをオチにしなかったのかしら? アレだけで十分で、その後のカーチェイスと堤防のアクションは完全に蛇足、アレで映画がすっかり弛緩しちゃったわ。  それでもここ最近の邦画の中ではかなりハイレベルな作品ね。他が酷いの多過ぎなのだけど。  そうそう、これを見る前に森田芳光の『それから』を見ておくべきなのかもしれないわ。アタシは見た事がないのだけれど・・・[映画館(邦画)] 7点(2018-11-01 20:21:15)《改行有》

567.  バーバラと心の巨人 《ネタバレ》  見ていて色々な映画を連想して。  『怪物はささやく』みたいな映画?  『ウエルカム・ドールハウス』とか?  『乙女の祈り』だったり?  『スウィート17モンスター』とか?  『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』的な?  って。どれがどうでした、なんて言わないけど。  バーバラはかなりおかしなことになっちゃってて(見たカンジほとんど統合失調症ね)、周りの人達もバーバラに振り回されて、困ってしまっていて。  そんなバーバラの世界は、舞台になる海辺の街の、美しくも寒々しい風景に彩られて、彼女の心を表してゆくの。  なぜバーバラの世界はそんななの? 理由が明らかになると、その切なさに胸が痛くなるわ。  そこをハッキリさせ過ぎ、説明し過ぎなカンジはあるの。もっと曖昧な方がバーバラという少女の奥行きを感じさせたんじゃないかな、って思うわ。でも、自分にもあった体験だけに、そんなバーバラの心象風景がよくわかって。  バーバラ個人の心だけでなくて、バーバラの家族それぞれの心もそこに反映されていて、それはとてもつらいのだけれども、そこにある優しさを信じられる、信じたいって思ったわ。  バーバラとソフィアのコンビが本当に可愛らしくて、いい感じだったので、そこはもう少し見ていたかったな。  それにしても邦題を付けた人は何考えてるのかしらねぇ? バカなの? 映画はそこをずーっとぼやかして描いてるでしょ? なんでタイトルで断定しちゃってるの?[映画館(字幕)] 7点(2018-10-22 19:24:23)《改行有》

568.  アントマン&ワスプ 《ネタバレ》  面白かったけれど、前作のようには手放しに楽しめるモノではなかったわ。  前作はマーベルユニバースの知識なんて一切無くたって一本の映画として楽しめたけれど、今回は最低でも前作と『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』を見てないとワケわかんない事だらけ。いちいち記憶を辿らなくちゃなんないの、メンドくさいっての。  で、いつになったら本題に入るの?って、そこが本題かい!って、ソレが『ベイマックス』のクライマックスをまんま持ってきたようなシロモノ。  ワスプは期待したほどじゃない存在だし。相方としてもヒロインとしてもハンパなポジションで、単独で行動してる時の方が魅力的っていう。っていうか、ビジュアル的に微妙なのがねぇ、なんとも。  笑えるエピソードがいっぱい散りばめてあるのはいいわ。『インフィニティ・ウォー』が重くて暗い映画だったから、明るく楽しいマーベルヒーローってのはありがたいコトで。相変わらずペーニャがいいよペーニャ。あとお留守番蟻。  主人公と、この映画自体が、どちらもアベンジャーズって存在のせいで振り回され、縛られちゃってるわけだけども、後者は少なくとも皮肉じゃなくてマジでそうなっちゃってるのがなんともねぇ・・・[映画館(字幕)] 7点(2018-09-06 20:44:55)《改行有》

569.  君の膵臓をたべたい(2018) 《ネタバレ》  実写版を見てなければ、も少し楽しめたかもね。  迫ってくるモノが実写版ほどではない、なんとなく軽めな印象を受けたのは、見ているこちらとキャラとの距離が実写版よりも遠く感じたから。  作画はキレイだけど、シャープでありがちなデザインのキャラが、ちょっと冷たく感じられて。も少しキレイなだけじゃない、アクセントのあるデザインだと良かったかな。コレこそがアニメ版『キミスイ』のキャラ!っていう、愛着っていうか、個性っていうか、生命感っていうか、そういうのが足らない感じがねぇ。  あと、実写に比べるとアニメのキャラはどうしても存在感に限界があるんで(実写版の浜辺美波と北村匠海が印象的だっただけに)、それを補う映像の工夫があれば、って思ったわ。山田尚子監督レベルの表現力を求めるのは酷だろうけど。  桜良の家でのちょっと際どいコトになるシーンなんか、劇場版『マクロス』のミンメイのシーン思い出しちゃって、進化してないわねぇ、っていうか、妙にオヤジ臭い視点でヤだわぁ、って思っちゃたわ。  アニメ版の喪失感の弱さなんかは、実写とアニメの違いだけではなくて、脚本や演出の差にもあったようにも思って。アニメ版はちょっといじり過ぎちゃってたかも。『星の王子さま』なクライマックス、アレは「死んでませんよー、生き続けてますよー」って主張してるようで、だけどそこ曖昧にしたから救われるってハナシじゃないしねぇ・・・  でも、実写版には無かったエピソードが色々あって、実写版と合わせて『君の膵臓をたべたい』の世界を更に深く味わうことができたってカンジ・・・やっぱり切ないんだけどね・・・[映画館(邦画)] 7点(2018-09-06 19:41:24)《改行有》

570.  マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー 《ネタバレ》  前作の良くも悪くもユルいノリ、今回もアレを予想してたら冒頭からショッキングな展開で、そのショックが最後までずーっと続いて切ない、切ないわぁ。  その切ない物語のためか、前作と違ってキッチリ作られてる印象。過去と現在とを頻繁に行ったり来たりするけど混乱する事のない構成や、ポイントポイントに印象的な映像を挟み込むキレイなカメラ。  笑いも散りばめられてはいるけど、でもかなりマジメに母から娘へと継がれてゆく物語が紡がれてゆくのね。まあ、3人のうちの誰が父親か判らない、ってところを映像化するにあたっては、それなりに無理のある展開であった気もしないではないけれど。  リリー・ジェームズとアマンダ・サイフリッド、それぞれの魅力がキラキラしていて、でも一方でベテラン俳優達の重ねた年齢が表れていて、映画のテーマにシンクロする感じで時の重さをずっしりと感じてしまって、あー、シンドいシンドい、って。  シェールはちと余分だったかな。初登場でクライマックスをさらってゆくだけの意味は感じられなくて。  前作がABBAの歌にのせてリゾート気分をエンジョイする映画ならば、今回はABBAの歌にのせて時の流れと人の生を顧みるシリアスな映画だったわ。[映画館(字幕)] 7点(2018-09-05 21:44:33)(良:1票) 《改行有》

571.  銀魂2 掟は破るためにこそある 《ネタバレ》  『センセイ君主』の浜辺美波と、この映画の橋本環奈と、立て続けに可愛いコの怒涛のヘン顔集を見られて眼福ね。  さて『銀魂2』、前作のノリは健在。沢山スターが出ていて、その中の一部(大半?)の人はとてもおバカな事をしていて、色々とアブナいネタが散りばめられていて、声を出して笑えて。  そして、構成やテンポがイマイチなのも相変わらずで。  福田雄一監督の個性や拘りが、メジャーな作品になっても『女子ーズ』や『薔薇色のブー子』の頃と変わらなくて、それはテンポ崩してまで必要なの?みたいなネタが、主にやっぱり佐藤二朗を中心に。  クライマックスがなんかダラダラと長いなー、って思っちゃったのも前作と一緒。戦いが展開する舞台がかなり分散した状態で、それをバランス良く見せる、ってのはあまりに高度なテクニックだったかな?  アクションシーンはCGも含めてハリボテ感がしちゃったのがツラめだけど、それでも汽車とカーアクションなんかは頑張ってた方かなぁ。邦画にしては。ちょっと悲しいフレーズね、「邦画にしては」って。  今回は真選組が中心の物語で、万事屋銀ちゃんのメンバーはフォローに回ってる感じなので、その点は物足らなさを感じたり。特に菅田将暉演じる新八は出番少なめ?  その分、真選組メンバー、特に柳楽優弥と三浦春馬はとても印象的な、いい感じの存在感で。柳楽優弥の極端な2つの個性の演じ分けが凄いなぁ、って。笑わせて貰いながらも感心しちゃった。三浦春馬は「GACKTみたい」って思ったけど、物語が進むにつれてなかなかに。  全体のバランスを考えると、将軍のお忍び部分がかなり余分な気がしないでもないけど、アレがあってこその『銀魂』だしねー。アニメ版で見てるのでネタは新鮮とはいかなかったけれど、でもあの面々のキャバ嬢っぷりは「実写でやってくれてありがとう」みたいな、実写だからこその面白さで溢れてたし。  でも、ちょっと長かったかなー。もう少し短くても良かったかも。お金かかっててスターもいっぱい出ていて、勿体ないのは判るんだけどさぁ。[映画館(邦画)] 7点(2018-08-19 19:00:39)《改行有》

572.  ミッション:インポッシブル/フォールアウト 《ネタバレ》  毎回ハラハラドキドキ、手に汗握るスリルとサスペンス!、だけど見終ってみて、ちーともストーリーは憶えてないっていうシリーズ、今回もまたストーリーごちゃごちゃでわかりづらい構成で、何やってんだかあんまり伝わってこないっていうね。  だから前から続くエピソードを持ってきても「それってなんだったっけ?」みたいな。  3作目以降、JJのトコが作るようになってから良くも悪くも『ワイルドスピード』みたいになってるわね。  アタシの理解力に問題がある点もあるのだけど(いくらなんでも元奥さんがそこにいるのって偶然過ぎじゃなーい?ってツッコミたくなったのだけど、後でよーく考えたら、先に敵さんのお膳立てがあって、そこにイーサンが行ったワケよね)、でも、物語に関してはやっぱりもう少し簡潔にして貰いたいものだわね。上映時間長過ぎだし。  でも、今回もまた往年のジャッキー映画のように「うわぁ、そんな無茶しちゃダメぇ! もっと自分の体をいたわってくださーい!」ってトムの筋を通した俺様っぷりをたっぷり堪能できる一級のエンターテイメント作品になってるわ。俺様っぷりを誇っていいだけの努力とか根性とか見せてくれて、そんなトム・クルーズ(イサーン・ハントでなく)のあり方まで含めて『ミッション:インポッシブル』ってコンテンツの魅力なんだと思うの。トム走りとかトムぶら下がりとか、もはや様式美。  それに映画の面白さはお金じゃない、とか最近よく見かけるのだけれども(ほら、ここしばらく『カメラを止めるな!』についてのツイートを眺めてるから)、でもやっぱりお金をたっぷりかけた画の気持ち良さっていうのは絶対あるのよね。IMAXの画面いっぱいに広がる空撮アクションの、その奥行きのある画の気持ち良さ、痛快さ。それもまた映画の醍醐味の一つよね。  いくら予算かけなくても面白い映画は撮れるからって、世の中の映画が全部低予算でジミな映像ばかりになったら、ガッカリ過ぎて死んじゃうわ。お金かけた映像に含まれる養分を摂るのって大切。  見終わって「あー面白いモノ見た!」ってシンプルな感想が出てきておしまい。それだけ。それで十分なのかもね。[映画館(字幕)] 7点(2018-08-09 15:51:36)《改行有》

573.  インクレディブル・ファミリー 《ネタバレ》  前作は10点付けてるくらい大好きで、だから前作から直接繋がってる今作も当然楽しめたし面白かったし。だけど、それ以上を期待してたカンジもあって。  安定の面白さなのだけれども、新しい何かを見せてもらった感覚は薄くて、第2話を見ました、って印象。そのくらい前作から直接続いてるし、14年経っても大きなバージョンアップしてるってホドじゃないとも言えるし。  今回、脚本にワリと穴というかユルさがあって、例えば、お金持ちの豪華な屋敷に住むとか、頼りになるメインヒーロー3人がゴーグルで支配されちゃうとか、それがちゃんとドラマに結びついてないのね。単にセットや物語として消化されてゆくばかりで、せっかくドラマチックにできる要素をもったいない事しちゃってる感じ。  ヒーロー達がゴーグルでコントロールされてるって判ってるにも関わらず、ヴァイオレットとダッシュ(とジャック・ジャック)で行動してる時にせっかく倒した相手のゴーグルを外さず壊さずそのままにして復活されちゃうあたり、脚本上の都合っていうのが見えてしまって。  ヴァイオレットのボーイフレンドがバイトしてる店に行くところは話にオチがなくて「アレでおしまい?」ってカンジだし、そういえばアンダーマイナーどうしちゃったのよ?  それに今回なんと言っても悪役に全く魅力が無いのが残念。ほら、前作、中二病なボスのシンドロームはともかく、ミラージュはミステリアスでステキだったでしょ? 今回のはそういうセンスがもう全然。デザインも含めてアレで正解だったの?  でも、今回メインで活躍するのがイラスティガールで、実質イラスティガールの映画と言えるくらいな状態なのはとても良かったわ。最近のディズニーらしくジェンダーの平等が大きく扱われていて、育児を父親に任せて活躍するお母さんの、そのカッコいい、魅力的な姿ときたら。あえて女性を強調したフォルムをしているのが本当にいいの。  あと、ヴォイドもキャラ的にビミョーに見えつつ、クライマックスではおいしいところをさらってみせてくれるし。  今回は重要なポジションに女性が配されているのが今日的な作り。男は全体的に弱めな扱いなのよね。  見終って思ったのは「で、第3話は?」って。コレで終わりじゃ全然物足りないわけで。でも前作から14年。次があるとして、それって一体どれくらい先なの?[映画館(吹替)] 7点(2018-08-02 16:44:07)(良:2票) 《改行有》

574.  焼肉ドラゴン 《ネタバレ》  舞台の映画化のせいか、映像で描かれる空間の狭苦しさが気になったかな。NHK朝の連ドラ的な空間世界。でも、その狭苦しさこそが、ここに登場する人達の生を映しているのだとも言えるのかも。  笑い、泣き、怒り、精一杯生きている人々の姿が印象的な映画。沢山の大変な思い、つらい思いをして、それでも生きてゆく、その力、その生命力。  日本人でも韓国人でもなく、在日として生きるしかない人々のそれぞれの生が響いてきて。  三姉妹が良いです。感情を抑え込んで生きる真木よう子、感情を爆発させる井上真央、器用に順応している桜庭ななみ。そんな三姉妹を取り巻く男達の滑稽さ、それを包み込む父と母の大きさ。  騒がしく、次から次へと騒動が巻き起こり、そんなやかましさを見つめる末の息子。  ひとりひとりに生があって、心があって、物語があって。  移ろいやすく、壊れやすい家族の絆。  時代の波に翻弄されながら、パワフルに生きた家族の物語に魅かれ続け、そして、色々と考えさせられて。  もっと差別について描いても良かったんじゃない?と思うけど、五月蠅い連中がいる状況ではこれが限界かもね。  十把一絡げにして「日本から出てけ!」とか言っちゃう、同じ日本人として恥ずかしい存在にはなりたくないものだわね。[映画館(邦画)] 7点(2018-07-02 21:56:15)《改行有》

575.  恋は雨上がりのように 《ネタバレ》  実のところ、コレって(作品を作る側の)おっさん目線で作られた映画よね。鼻に付く、おっさんの自虐的なギャグが散りばめられ、おっさんの夢とか願望とか救われたいキモチとか、そういうのが加齢臭の如く、じわじわと滲み出ていて。安心安定の大泉洋だからこそ、それでも成立しちゃうわけだけれども。  おっさんのアンチ的ポジションに濱田マリを配するあたりも嫌味を最小限に抑えてる感じで、まあ、おっさんのファンタジーですわね。  一方、ヒロインの青春映画としては、挫折と、そこから一歩未来へと踏み出す勇気がまっすぐに描かれていていいカンジです。彼女を取り巻く環境(母との関係や、親友やライバルの存在や)も大切な要素として機能していて。  でも結局、小松菜奈が総て。その表情(基本は仏頂面)と、そのしなやかな立ち居振る舞いと。 彼女の所作、1つ1つが美しくて、だから冒頭で駆けるシーンはマンガ的に作り過ぎな感じで残念ね。そんな加工は不要でしょう。  女優、小松菜奈の美がキッチリと収められているという点で、大変重要な作品。  彼女が動いている、或いは止まっている事で意味が生じる映画。そして、それだけで十分なのでしょう。[映画館(邦画)] 7点(2018-06-28 22:08:22)《改行有》

576.  羊と鋼の森 《ネタバレ》  ピアノの調律師の物語ということで、当然、音がとても重要になるのですが、その点はキチンとしている映画でした。  散りばめられた環境音と、その中から立ち上がってくるピアノの音。その音色こそが主役だということがわかってる、そんな音響デザインが良かったです。  主人公は人並み外れた、天才的な才能の持ち主、みたいなマンガ的な(でも、よくある)設定ではなくて、ごくフツーの人で、学び、間違い、悩み、不器用に道を進んでゆく、っていうのもいいです。  調律師が音に真剣に向き合う、その繊細さ、調律された1音1音が奏者の手によって旋律を奏でてゆく、その美しさ。  音が世界を表現してゆく過程を、人の拘り、努力を通して描く、しっとりと流れて染みる映画でした。  ただ、間を取り過ぎている感じで、リズム感なし、みたいな状態になってしまっているのはちょっと残念ですか(リズムについても言及してる映画なのに)。スローなだけでリズムが無い訳ではない、と言えない事はないのかもしれませんが、スロー過ぎると流れが崩れる部分が出てくるわけで。  そのスローさの中では主人公もトロい、じれったい人間、みたいに映ってしまいますし。とりあえず、物を貰ったら「ありがとうございます」は先に言っておこうよ、みたいな。その言葉が出るまでに時間がかかり過ぎるので、結構失礼なヤツに見えますよ。  不満点が色々無い訳ではないですが、真面目に作られている映画なので、そういう点をちゃんと見るべきかな、と思いました。  ちなみにピアノの音が森を映すのは、主人公があくまで森に生まれ育ったがゆえの独自の心象風景ですよね。都会生まれの私には、ピアノの音は街や人を映すものだったりしますし。[映画館(邦画)] 7点(2018-06-13 21:17:57)《改行有》

577.  万引き家族 《ネタバレ》  ツイッターあたりでは見てもいない映画を中傷するおバカな人々を炙り出してみせる状態になってますが、この映画について言及する事は、そのまま今の日本を映す事になるような感じで、仕掛けてきてるねぇ、って。  弱者を切り捨てたがりな、強い者の側についている(つもりの)人でいっぱいのこの国で、ここに描かれる都合の悪い幸せは、目を逸らしたり、壊したり、断絶したりしたいモノなのかも。  好ましいとは言い難い関係で疑似家族を構成している人々それぞれの、ちょっとした儚い幸せ、それすらも許されないものなのか、人である最低限すら否定されなければならないものなのか、どうなの?と。  〇か×かでしか判断できない(自分の支持者でなければそれは敵だと思ってるような首相が存在している)この国。美しさとか心の豊かさとか、そういうのって一体どこにあるって言うんでしょ?  ね、この映画を語ればこの国の中の、どういう国民なのかが露わになっちゃう。  さて、とは言え、私はこれまでの是枝監督作品同様、そーんなには巧い映画だとは思いませんでした。  冒頭の、説明的な展開をかなり省いていきなり少女連れてきちゃうあたりの潔さは良かったのですが、答えの無いオチの無い映画なのに、はい、幸せ描写はここまで、次のシーンから波乱の展開が始まります、みたいな定型フォーマットっぷりを見せられてしまうと、なんだかなぁ、って思ったり。  総じて構成や編集に首を傾げ気味。設定上の隠し事を小出しに見せてゆく構成ゆえ自然さを欠くようにも思えました。  それを補って余りあるのは役者、特に女優の演技、まずはさすがの安藤サクラ。その生々しい肉体の存在感ときたら。演技とか役作りとか飛び越えて迫ってきます。  加えて、安定の樹木希林と若手実力派な松岡茉優、そして子役の佐々木みゆという世代を隔てた女優がそれぞれに存在感を示して、1つの「家族」の姿を見せつけてくれます。  現実は映画よりも更に厳しい、それをニュースで思い知らされて、それでも目を逸らし、切り捨て、排除し、「美しい日本を取り戻す」とか言っちゃう? 「じゃあお前はどうなんだ」? どうなんでしょう?[映画館(邦画)] 7点(2018-06-11 21:23:47)(良:1票) 《改行有》

578.  ランペイジ 巨獣大乱闘 《ネタバレ》  物語的にはFOXムービーあたりでよく見る低予算B級モンスター映画のソレ。それを役者やらVFXやらの視覚的な部分だけ巨費かけてIMAXにかけるレベルに持ち上げたようなシロモノ。そんなんでいいのか?とも思いますが、『ジュラシック・ワールド』ですらそんな状態だった訳で、最近は「ハリウッド映画なんてそんなモン」って開き直りが流行りなんですかねぇ。  とは言え、そういう確信犯的バカ映画の世界を楽しんでいるのも事実で。家族のドラマとか、主人公のトラウマとか、恋愛要素とかほぼ無し。ただ悪いヤツが悪い事して、正義が悪を罰するって単純なお話。脳みそ使わず、なーんにも考えずにただポカーンと口開けて見てればOK。  冒頭から『エイリアン』や『ライフ』みたいなSFクリーチャーもののクライマックス状態、『プレデター』や『ジュラシック・パーク』みたいな森での襲撃シーン、『ザ・マミー』や『トリプルX:再起動』みたいな飛行機墜落サスペンスとサービス満点。  その上で、動物巨大化凶暴化なハズの映画だったのが、クライマックスで完全に怪獣映画状態に。いろんな動物の遺伝子が影響して元の動物からかけ離れたデザインになってゆくあたり、巨大生物映画ではなくて、怪獣映画がやりたかったんだねぇ、って。日本でなら『キングコング×アンギラス×バラン シカゴSOS』ってタイトルで売れるくらいにはビジュアル的に寄ってます。  怪獣による都市大破壊の映像は、最新怪獣映画の世界を堪能できて、怪獣映画で育った私にはご馳走でした。  ただ、人間の悪事によって怪獣にされてしまった動物は、ちょっと可哀想。ワニもオオカミもあんな目に遭わなければ普通に暮らせていられたのにねぇ。[映画館(字幕)] 7点(2018-05-24 20:49:06)(良:1票) 《改行有》

579.  トゥームレイダー ファースト・ミッション 《ネタバレ》  予告編やポスターを見て「アンジーに比べるとジミな顔立ち・・・」とか思ってたけれど、実際に映画を見てみるとなかなか良いです。大体ララ・クロフトなんて最初のゲームじゃカクカクのポリポリで色気もへったくれもあったモンじゃありませんでしたしね。おっぱい尖がってたし。  アンジーの『トゥームレイダー』は単なる「かなり遅れて出てきた『インディ・ジョーンズ』」程度の感じしか受けなくて、今回の映画もまたそういうノリなんだろうなぁ、って思ってましたが、見てみるとインディ・ジョーンズと言うよりはランボーっぽく、でも圧倒的な強さではなくて、鍛練した女の子の精一杯の強さ、って感じが良かったです。それも、お金持ちのお嬢様って基本設定部分をあえて脇に置いて、貧乏生活の中でバイトとジムで鍛えたゆえの身体能力という形にする事で等身大の、人間ララ・クロフトの造形に成功していたと思います。武器の助けを借りる事で弱さを補助してるってあたり(石も含めて)は、必ずしも彼女の能力を絶対視していない脚本の妙味であると共に、ゲーム版のファンへの目配せでもあって(なのでラストシーン、物語上の当然の回収と共に描かれるあの姿は「待ってました、もちろん続編希望!」って世界なわけです)。  冒険部分になると色々と粗が出てしまうのが残念ですが(7年の間、誰にも見つからずに火を焚きながら隠遁生活できてたとーちゃんとか、さんざん既出なありがちトラップの数々とか、遺跡に戻ったみんながララをどう救うのかと思ったらほぼ活躍無しだとか、魔術の正体の退屈さとか説得力の無さとか)、感動的な要素もあって、全編、退屈せずに楽しむ事ができました。  だけど卑弥呼と日本を題材にしてるのに、広告でその事を一切ウリにしてないのは何故?って思いましたが、途中まで見て、こりゃとてもウリに出来るシロモノじゃないトンデモニッポンだわ・・・って。紀伊半島沖に無数の無人島があって、法が及んでなくて、そこが魔の海とか呼ばれていて、ってスクエニが製作に噛んでてどうしてこうなった?みたいな。まあ、東宝が噛んでるギャレゴジですらトンデモニッポンだったしねー。[映画館(字幕)] 7点(2018-04-11 19:57:13)(良:1票) 《改行有》

580.  坂道のアポロン 《ネタバレ》  三木孝浩監督の映画って好きなんですけど、これは最良とはいきませんでしたね。  やっぱり現代を舞台にしていないって点で得意ワザの1つを封じられた感がありますか。  映画に今の日本の風景、空気を織り込む事がこの監督の魅力だと思うのですが、1966年が舞台だと、かなり作り込まなくてはならなくて、でも、そのこれ見よがしになってしまった作り物感がキビしくて。『陽だまりの彼女』とか『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』みたいなファンタジーならば作り物感が武器になったりするものの、時代設定がポイントになる(筈の)作品ではマイナス要素。10年後のメイン3人の姿なんかはもはや困っちゃうレベル。  そもそも1966年って設定が、あまり作品に大きな意味を与えていない気がするんですよね。レコード盤とかジャズとか佐世保の米兵とか、その時代であったからこその優位性や必然性、それが見えてきません。ディーン・フジオカと真野恵里菜の二人なんか取って付けたような時代の象徴みたいな存在で。『オトナ帝国』のケンちゃんチャコちゃんの亜流かい、みたいな。  でも、恋する気持ちとか、傷つきながら育ってゆく友情とか、内に秘めた悩みとかいった、普遍的な青春映画の要素を真っ直ぐにぶつけてくる感じが良かったです。三木孝浩監督らしい、これぞ青春映画!みたいな。  主演3人の中では特に中川大志が大変に魅力的な存在感を示していました。小松菜奈は当たり前に魅力的なんですけどね。  そして当然のように音楽が素晴らしかったですね。セッションが友情を育んでゆく、なんてベタだけど気持ちイイじゃないですか。[映画館(邦画)] 7点(2018-03-12 19:57:38)《改行有》

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