みんなのシネマレビュー |
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561. 故郷よ 今から27年前に起こったチェルノブイリ原発事故、映画は事故そのものではなく、故郷を離れた人たちや避難命令に逆らって残った人たちを描く。どちらも故郷を思う気持ちは同じだ。映画が製作された年に日本で起きた福島の被災者と重ね合わさざるをえない。ただ惜しむらくは、映画後半部のまとまりに欠けるような気がする。この映画で百万本のバラが聴けるとは思わなかった。[DVD(字幕)] 6点(2013-09-11 22:33:22) 562. 遠い雲 メロドラマには違いないが、昔は家や世間体に泣かされるドラマも多かった。しかしさすがは木下恵介、しっかりと感情が込められている。そういえば、昔の電話は交換手がいて何番をお願いしますと言ってつないでもらっていたんだったっけ。[DVD(邦画)] 7点(2013-09-10 20:17:15) 563. 地下鉄のザジ 快活で茶目っ気たっぷりの少女ザジ、そのびっくりするような行動と映画の作りは実におもしろい。だがそう思ったのは前半だけで、後半はだんだんおふざけが目立つようになり、ドタバタ劇にうんざりしてきた。そもそも「地下鉄の~」とする意味合いはあるのだろうかという疑問さえ起こった。[映画館(字幕)] 5点(2013-09-10 14:03:13) 564. ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を 戦争終結から68年、本土復帰から41年が経った沖縄、長い年月によって米軍基地があるのが当然のような錯覚さえしてしまう。しかし、毎日のように響き渡る飛行機の轟音、何度も起こる墜落事故や米国兵隊の犯罪など、あってはならぬことであり他人事ですまされない。かくいう私も宮森小学校墜落事故はこの映画を見るまで知らなかったし、もっと多くの人が事故の詳細を知り考えなければならないことだと思う。だが映画のできは決して良いとは思えず、須賀健太と能年玲奈のロマンスも必要なのか疑わしい。映画上映にともなって展示された写真や新聞記事、数々の証言などがむしろ切実感があり、映画ももっとドキュメント風にした方が伝達力があったのではとさえ思う。とにかく一刻も早く基地のない平和で安心して暮らせる沖縄を取り戻す必要があり、沖縄の人々の怒りや心情を理解しなければならないと思う。なお私が学生の頃、米国はベトナム戦争で北爆を繰り返し、多くの多数の一般市民も犠牲になったのだが、その攻撃機は沖縄の基地からも飛び立っていた。[映画館(邦画)] 7点(2013-09-09 03:44:59) 565. 箪笥 何度見てもほとんどが姉の幻想とわかっていても細部がよくわからないし、いろいろな解釈や憶測ができる映画だ。また美しい映像があるかと思えば怖いシーンもあり、不思議な魅力を持っている。[DVD(字幕)] 6点(2013-09-07 22:47:25) 566. 陸軍 ラッパに合わせ行進する軍隊、はためく日の丸、昭和19年製作の陸軍省後援の映画だ。およそ内容は見当つくが、それでもお国のために身を捧げる精神や本心では我が子のことを案じながらも、表だってはそうはできないという当時の世相がよく現れている。[DVD(邦画)] 7点(2013-09-07 06:07:22) 567. ロマンス X わかるようでよくわからない女性心理だ。セックスを拒否しても、出産にも立ち会えない男って、何を考えているのだ。[DVD(字幕)] 5点(2013-09-06 11:51:36) 568. コーラス ストーリーは目新しくはないがまずまず。歌声も本物の合唱団が歌っているので美しい。だが合唱指導は無茶苦茶、あれで上手になれるわけがないのに、映画ではあっというまに上手くなる野が不思議。[DVD(字幕)] 5点(2013-09-04 05:53:29) 569. ウンベルトD この歳になると身につまされる映画だ。戦後のイタリアと現在の日本でどれくらい違うだろうか。愛犬フライクが救い。[DVD(字幕)] 7点(2013-09-03 20:47:20) 570. 戦火のかなた 前半の3話はそれぞれが戦争の悲しさを表現していて印象深い。それに比べ後半の3話は、だから何なのだと突っ込みたくなるほどパッとしない。前半7点の後半5点。[DVD(字幕)] 6点(2013-09-03 11:14:37) 571. ドイツ零年 舞台は敗戦後のドイツだけど、戦後の混乱期ということではイタリアも日本も同じことで、傷跡が実に痛々しい。いや傷跡の程度は例え同じであっても、この映画の生々しさには恐怖の戦慄さえ覚える。長男が自由の身になって光が見えたかと思うと・・・。[DVD(字幕)] 7点(2013-09-01 09:29:01) 572. ベリッシマ 我が娘を映画スターにというマニャーニの母親ぶりがすさまじい。そしてまたしゃべりまくること、どうぞご勝手にと言いたくなるほどうんざりだ。だが、我が娘のなく姿を見て、我に返る。コメディとして笑えるおもしろさではなく、敗戦からほどないイタリアの貧しさと悲しささえも感じる。ところでオープニングにオーケストラが登場し、ドニゼッティのオペラを演奏し始めたのにはびっくり。[DVD(字幕)] 6点(2013-08-31 23:31:39) 573. 白い恐怖(1945) 夢から事件の真実を探るというのは映画としてはおもしろいけど、精神分析というのはそんなに簡単なものだろうかという疑問が残る。それに中盤までの展開に比べて、ラストがあっけなく物足りない。[DVD(吹替)] 6点(2013-08-31 22:30:23) 574. 屋根裏の散歩者(2006) 時代を現代に、散歩者を女性に、思い切った設定変更は驚き。過去に見た2作よりエロティシズムは減っているものの、猟奇性が増しエロ映画よりホラー映画に近くなっている。だが私には気分が悪く楽しめない。[DVD(邦画)] 3点(2013-08-30 05:38:52) 575. 屋根裏の散歩者(1992) どこか芸術的で、耽美的。昔見たロマンポルノよりもずっとエロティシズムに溢れた映画だった。狂っていく宮崎ますみもすごいし、AV出の加賀恵子がまた良いし、六平直政に至っては他の人では考えられない。[DVD(邦画)] 6点(2013-08-29 20:53:32) 576. 江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者 この映画を見るまでは、江戸川乱歩といえば少年探偵団=怪人二十面相=探偵明智小五郎であり、エロティックなものはまったく知らなかった。だから日活ロマンポルノで江戸川乱歩が上映されることに大変驚いたものだ。そして主演はロマンポルノの女王宮下順子、興味と期待で見たのだが映画は何とも期待はずれだった。かわりにくいし、おもしろくない。エロ度も今見たら何のことはない。[映画館(邦画)] 3点(2013-08-29 07:53:30) 577. 夕やけ雲 人間関係や心情を切々と表現することの多い木下恵介監督らしい作品。77分と短い映画の中に、家族や友との別れや青春の思い出を描く秀作。妹の和枝が叔父さんに引き取られていく場面は思わず涙ぐんでしまった。なお主人公の洋一と遠メガネの少女は、あの「野菊の如き君なりき」のふたりである。[DVD(邦画)] 8点(2013-08-28 06:04:42) 578. 第十七捕虜収容所 捕虜を扱った映画だけど「大いなる幻影」とは違って娯楽映画の色彩が強い。米国映画で監督がビリー・ワイルダーだからかもしれないが、戦争の悲惨さに的を絞ったものではないと思えば腹は立たない。というか、やっぱりワイルダーらしいおもしろさだ。[DVD(字幕)] 8点(2013-08-27 15:46:16) 579. 25年目の弦楽四重奏 数多くの弦楽四重奏団のなかには、映画に出てくるような人間関係のトラブルもあるかもしれないが、映画としての魅力はいまいち。だがベートーヴェンの音楽はほんまもの、古典派音楽から一気に近代音楽へ先駆けとなった晩年の弦楽四重奏曲の魅力を引き出している。そしてまたウォーケンら出演陣も演奏者としての意気込みを感じさせてくれる。[映画館(字幕)] 6点(2013-08-27 15:01:47) 580. 戸田家の兄妹 東京物語と似た雰囲気だけど、こちらの映画の方が先、なんと驚き戦前(戦中)の作である。家族ではなく家柄が重んじられ、子どもは親に逆らえず、長男次男と年功序列が絶対の時代ではなかったかと思う。それだけにこの映画は奇異に見えるのと同時に型破りである。今の私ですら次男の考えは正論だけど生意気にも思える。家より家族という映画のねらいはよくわかるけど・・・。[DVD(邦画)] 6点(2013-08-25 06:24:24)
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