みんなのシネマレビュー
かっぱ堰さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263

561.  たたら侍 《ネタバレ》 公開中はかなりの悪評だったようだがなるべく素直に見るようにした。DVDで見たので編集後のバージョンと思われる。 大まかにいうと、まずは奥出雲で製鉄の技が受け継がれてきたことを紹介し、さらに時代を戦国期に設定することで、「侍」に関する思いをそこに込めたという感じに取れる。しかし結果的には褒める気にならない映画だったので、その理由をなるべく手短に書いておく。 (1)全体構成の問題として、製鉄の伝統が途絶えそうになる危機が発生するわけでもなく、主人公のせいで一時的に混乱しただけで、事件前後で村は何も変わらなかったように見える。それはそれで変わらないこと自体の表現かも知れないが、しかし主人公の人格形成という面でも、結果的に父親や先代と同じ認識に至っただけで、あの頃おれは馬鹿だった、という物語にしかなっていない。あってもなくても同じだった(と観客の立場で思う)出来事を映画にしても、ドラマとしては弱い気がする。 (2)物語の展開に納得できない。主人公に関していえば、若者の純粋な思いと愚行と挫折、といったことが自然に受け取れず、一体この男は何をやっているのか???という疑問の方が先に立つ。また近江商人がわざわざ奥出雲まで出張って来て姑息な手段で村の支配を目論んでいたようだが、普通に考えれば劇中の発言通り「(織田が)攻め込んで来るはずがなかろう」で終わりであり、これで騙される筋書き自体が不自然である。 (3)「侍」ということに関しては、戦国時代なのに観念論のような武士の心構えなど語られても現実味がなく、またそれで結局何がいいたかったのかも不明である。劇中の村の状況を見ると、一定の制約のもとで自衛力を保持するが戦争はしない、という戦後日本の状況を容認しているとも取れるが、しかし主人公が広い天下の情勢を見てからの企てが失敗したことからすれば、あえて視野を狭めて外は見ないで武器は嫌いだ戦さは嫌だと閉じこもるのが理想だというようでもある。そういういわば社会的メッセージのようなものがありそうでいて、実際あるのかないのか不明瞭なので非常に気持ち悪い状態だった。 なお出演者に関しては、ダンスグループのメンバーには当然関心がないが、石井杏奈という人は顔を見ていると和むので好きだ。今回はダンスでもなく舞いの場面をわざわざ入れていたようである。ほか田畑智子さんも嫌いでないが、今回は何だかよくわからない役で残念だった。[DVD(邦画)] 4点(2018-04-30 23:58:07)《改行有》

562.  ステルス 《ネタバレ》 以前にTV放送で見たことがあったが、最近どうも隣の半島情勢に変化がありそうなことと、直前に見た別の映画(実写版)で「ステルスモモ」という登場人物が出ていたこともあって改めて見た。 映像的にはいかにも作り物の未来戦闘機という感じで今どきそれほど驚くようなものでもないが、最初に見た時に非常に印象に残ったのはタイ国内とされている場面で、白人男女をペアにしておいて余った黒人にはその辺から調達したアジア人がお似合いだという扱いをしていたことである。まあベトナム戦争の頃ならこういう感覚だったかも知れないが、2005年から見て近未来の話であってもやはりアメリカ人は変わらないということらしい。黒人を殺したやんちゃなAIも命令に従えば許してやる、女は男が当然助けてやる、真のヒーローは誰なのか教えてやる、という映画のようだが、それなりに大金をかけて作ったのだろうから商品価値まで否定するものではない。 なお一つ皮肉を書いておくと、映画というものは劇中でいくら人が殺されても構わないが、犬が殺されることだけは許されないらしい。[インターネット(字幕)] 2点(2018-04-28 00:28:13)(笑:1票) 《改行有》

563.  恋と嘘 《ネタバレ》 原作とアニメは見ていない。もともと少年マンガか少女マンガか判断がつきにくいものらしいが、少なくともこの映画はまるきり少女マンガ原作風で、見るのにかなりの忍耐を強いられる。主な対象層の人々はどう思うかわからないが、個人的には主人公の言動がいちいち気に障り、嘘を表現するわかりやすいサインとか、同性の級友が登場するタイミングまでもが苛立たしく見える。 主演の森川葵という人は本来何でもありの役者と思っていたが、この映画に関しては単に役をこなしているだけのようで面白味が全くない(可愛くも見えない)。いくら演技派若手女優でも、さすがに合う/合わないということはあるのではという気がして来た。脇役だった「先生!…」(2017)の方がよほどこの女優を生かしていた気がする。 かろうじて出発ロビーの場面だけは少し心に訴えるものがあり、ここではヒロインもおバカな女子高生という縛りを外して普通に恋する女性になったように見える。そこから外国のような場所に飛んで、あとはどうなったのかわからないがとりあえず幸せだったというのなら、もう突っ込む余地もなく、それなりのハッピーエンドとして受け取れたところである。 しかしエンドロール後の追加部分がまたよくわからない。選ぶのが下手なヒロインにここで改めて選択を迫ることで、観客にも同じ問いを投げかけようとする意図かも知れないが、それにしても結局2人とも食べちゃいました、という方向へ持っていきそうな感じで釈然としない。誰を喜ばせるための映画か不明だが、とりあえず男は見なくていいとはいえそうである。 ちなみに全くどうでもいいことだが余談として、宣伝上は「恋愛禁止の世界」と書いてあるにもかかわらず、実際は強制ではなく実質的な不利益を被るだけであるから割と現実味のある制度であり、少女マンガ原作風映画にふさわしいソフトな設定といえる。劇中で厚生労働省の役人が責任逃れしていたのを聞くと、一応は当人同士の意思が優先する建前なのがわかる。 高校生の年齢で早目に結婚させるのは、生涯に産む子どもの数を増やす目的だと思われるが、それが経済的な活力の低下に結びつくことはないのかというのが率直な疑問である。しかし社会的な貢献度の高そうな男とそうでない女を組み合わせて、どうせろくに働かないであろう女にはできるだけ多くの子どもを作らせるという意図なら、なかなか考えた制度なのかも知れない。[DVD(邦画)] 3点(2018-04-21 14:28:16)《改行有》

564.  2085年、恋愛消滅。 《ネタバレ》 冒頭から出る文字のフォントとか、全編にわたる視覚効果や各種小道具によってレトロでファンタジックかつ作り物感とチープ感のある世界像を作っている。非常に安っぽく見える映画だが、あえて狙ってやっているのだと言われればそれまでである。時々出るモニターの出現の仕方などはけっこう気に入ってしまった。 基本設定に関しては、2014から連載されて2017年に映画化もされた「恋と嘘」の影響を受けている可能性もある。劇中世界の状況に関する解説を聞いてもそれほど現実味がある気はしなかったが、最大の問題が少子化であって、男女雇用機会均等法をその発端に位置づける感覚自体は理解できる。劇中の国の政策は、現実に地方の公的機関などもやっている婚活イベントを国家プロジェクトとしてやるようなものと思えばいいらしい。 運営側のスタッフは実はみな90歳以上とのことで、恋愛に消極的な若者にハッパをかける年長者という位置づけになっているが、2085年で仮に90歳とすれば1995年生まれで出演者と同世代ということになる。この映画の対象層も同じくらいだとすれば、こういう未来を回避するために、今の若者に奮起を促そうとする映画というつもりかも知れない。 お話の方は「恋愛合宿」とのことで基本的にはラブコメ調だが、全国最高レベルの超奥手集団という設定のため、ひたすら素朴な失笑ラブストーリーになっている。また主人公の妹が可愛らしいので和む。 国の意向に従わなければ処罰というような、国家による圧迫を示唆するディストピア風の設定もあるが、「国の思惑なんかには負けたくない」というヒロインの台詞からすれば、社会は社会として自分は自分という主体性はきっちり確保されていたようである。「R地区」「P地区」の設定を悲劇的に使うのかと思っていたが、人生の多様な充実感を表現する方向につながっていたようで安心した。 なお点数としては、普通に映画として見ればいい点はつけられないが、個人的に話の内容が嫌いでないのと、ヒロイン役の溝口恵という人のカラッとした感じが好きなので少し上げておく。[DVD(邦画)] 5点(2018-04-21 14:28:13)《改行有》

565.  咲-Saki- 《ネタバレ》 原作とTVは見ていない。自分の年代は麻雀人口比率がわりと高いのではないかと思うが、自分は勝負事が向いていないとわかっているので試しにやろうとしたこともない。それでは何のためにこの映画を見たのかといえば何だかよくわからないが、知っている若手女優が多数出ていることが誘因になったような気はする。 しかし全体の人数が多いこともあって人の判別が意外に難しい。さすがに主演女優は先日見たばかりで主人公でもあるので特定が容易であり、また柴田杏花という人も複数の映画で見たので覚えていたが、「人狼ゲーム」シリーズで見たはずの古畑星夏・浅川梨奈といった人々は申し訳ないが最後まで顔を思い出さなかった。ただ岡本夏美という人は、これまではかわいそうな少女役をやったのしか見たことがなかったが(2つだけだが)、今回は堂々として威厳のある役だったのが嬉しい。ちなみに顔がよく見えなくても発声と話し方で誰だかわかる人もいて、この人はどこにいてもこういう強烈な個性を発揮するらしい。 そのほか映画自体について一応書くと、まず映像的に柔らかで爽やか感のある色彩で統一され、当然ながら薄汚い印象は全くなく、男がほとんど出ないのも清涼感につながっている。また県大会限定のためストレートで純粋な競技映画のようになっており、ルールがわからなくてもそれなりに雰囲気だけで見ていられる。最初は怖い人とか変人ばかりかと思ったが、次第に人間味が出てきて最後は「楽しかったね」で終わるのでけっこう和む映画だった。見ているうちにみんながだんだん好きになって来て、特に龍門渕透華という人物(演・永尾まりや)には少し惚れた。 これと似たようなものとしては「ちはやふる」を思い出すが、競技かるたと比べても動きが少ないのを、いちいち振動させるとかアングルをつけるとか各種視覚効果で退屈させないのは、多くの麻雀映画を手掛けてきた監督に一定の蓄積があってのことだろうと想像する。ちなみに自分としては、麻雀映画というより「スクールガール・コンプレックス」の小沼監督として記憶していた。 なお余談として、「世界の麻雀人口は一億人を突破」というのは隣の大陸国家の文化侵略ではないかと一瞬思ったが、しかし当該国が本気になれば1億どころでは済まないだろうとも思う。それにしてもこの映画を見ている限り、世界の美少女資源を麻雀界だけで独占しようとする陰謀があるようにも見えた。 [2018/12/23追記]しばらくしてまた見ると名場面だらけに見える。風越のキャプテンがにっこりした場面は好きだ。また武田玲奈さんが個性的にかわいい。大勢の中の一人だが結構いい役だった。[インターネット(邦画)] 6点(2018-04-17 22:27:13)《改行有》

566.  白魔女学園 オワリトハジマリ 《ネタバレ》 前作から2年経っての新作ということで、前作がよほど好評だったからかというとそうも思われないが、あるいはその間に「でんぱ組.inc」というグループ自体の存在感が高まったからということかも知れない。 物語としては前作のかなり厳密な続編になっているが、そもそも前作自体がよくわかっていない上に、今回はまた黒魔女学園などというものが出て来て心の整理が追い付かず、さらに貴公子然としたイケメンが頭ポンポンしたりするのでわけがわからなくなる(ちなみに22歳くらいの男が26歳くらいの女性の頭をポンポンしていることになる)。しかし最終的には前回も出ていたように、個別の救済をこえて根本的な変革を求めようとするストーリーであって、それを前回も頓挫した「支配」で実現するのでなく、全く別の方法をもって主人公が達成したということのようである。 映画宣伝によれば「想像を超える神展開」とのことで、終盤に至ると確かにその通りとは思ったが、創世記まで遡るのはエヴァンゲリオン(「セフィロトの樹」も出る)、主人公が最後に断行したことは“まどマギ”のようで、あくまでどこかで見たことのある範囲での壮大な展開である。しかし「普通の女の子」を守りたいという点はちゃんと一貫しており、白魔女6人勢揃いで大活躍する感動のクライマックスを見れば、結果的には魔法少女モノを目指した展開だったことがわかる。また今回はピアノソロのエンディングが静かな余韻を残していた。 登場人物としては、グループ全員を出演させるために一度死んだ人間も引っ張り出す形だが、復活した5人のうちなぜか1人だけが先輩で、この先輩までが小指にピンクのマニキュアをしていたのはさすがに変だ。前回から2年も経っているので、高校生というにはさらに厳しくなっていたはずだが大して変わっていないようでもあり、主人公が黒髪のロングヘアにした顔などは可愛くも見えた。また妹役の山谷花純という人も前回より2年分だけ大人びた感じになって出ている。 当初メンバーのほか新しい登場人物もいて人数がかなり多くなっており、小池里奈という人の出演は歓迎である(が歌を聞きたいとまでは思わない)。女優系(兼声優?)の人物としては市道真央という人の熱演を見るべきだろうが劇中人物としてウザい。ほか特に自分としては「始まりの魔女」があまりに美形で神々しいので見惚れてしまった。本来この人も声優なのか。[DVD(邦画)] 4点(2018-04-15 19:22:58)《改行有》

567.  白魔女学園 《ネタバレ》 「でんぱ組.inc」は昔も今もよく知らないが、以前に国際的な文化交流事業である「東アジア文化都市2014横浜」の広報親善大使になったと聞いて、これが日本を代表するアイドルグループなのかと思ったことはある(が本当にそうなのか知らない)。 監督は仮面ライダーや戦隊シリーズの坂本浩一、脚本は「けいおん!」「映画 聲の形」などの吉田玲子で、監督インタビューによるとこのグループ先行の企画ではなく、監督がこのグループを選んでプロットを作って脚本家に依頼した、という順序のようである。要は特撮(+アクション)・アイドル・学園モノという感じになっており、ほか女子高らしく少女の肢体を狙う視線も多いが、自分が見た限りあまりエロいとは思わなかった(悪い意味で)。 物語的には真面目に見てもよくわからない。みんなで一緒に高みを目指すのかと思ったら、結局は学園バイオレンス風の生き残りゲームになってしまい、結局この学校は何だったのかが不明に終わった気がする(虎の穴?世界征服を企む悪の秘密結社?)。しかし最終的なまとめとしては、世界を変えようなどと考えるのでなく、まずは目の前の人を救うために「居場所」を提供することが大事であって、そのために他人の痛みをあえて受入れようとする“勇気”が必要だ、という感じのことが述べられていたようである(よくわからないが)。 登場人物に関しては、当初はアイドルとしてのキャラクターの延長かという感じの(そうでもないかも知れないが)イタい人物ばかりで茶番のようにも見えた。どうしても山谷花純・小宮有紗といった女優系の人の方に目を引かれてしまうわけだが、しかし後半の修羅場になると、アイドル出演者も真剣な顔で演技する場面が多くなってアクションも結構ハードに見える(スタントの代役が多かったのだろうが)。主演の最上もがという人(この当時24歳くらい)は、このグループの中心人物なのかと思い込んでいたらセンターでもリーダーでもなかったようで意外だったが、少なくともこの中では、容貌や雰囲気の面でこの人以外に主役はありえなかった気はする。終盤で白魔女になった姿は正直格好いいと思った。 ちなみにエンディングテーマは「W.W.D II」という曲で、「やっぱり綺麗事じゃん」「綺麗事でいい」というような行ったり来たりの歌詞がなかなか心に染みた。[DVD(邦画)] 4点(2018-04-15 19:22:56)《改行有》

568.  宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION<OV> 《ネタバレ》 昭和の東映TV特撮「宇宙刑事シャイダー」(1984-85)から30年ぶりの映像化ということになる。今回だけでも一応まとまった話ではあるが、前作の「宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION」(2014)の続きという意味もあるようで、ラストは前作を含めた二部作の総まとめとして、全てを動かしていた真の悪が姿を現す意外な展開になっている。 TV放送当時に本編をじっくり見た覚えはないが、最初から女宇宙刑事の蹴りが豪快だったりするのはもともとそういう番組だったのだろうとは思う。ただ主人公とヒロインがラブラブというまではいいとして、主人公が浮気性だったりキスシーンがあったり登場人物の衣服をはぎ取って肌を露わにするのは子ども向けとも思えないが、これはこの映画の対象層がこの当時で40代くらい?の人々だからということか。結果的に大人向けなのか何なのかよくわからない微妙な話になっているが、しかし昔も今も対象年齢から若干外れた世代の立場でも、それほど退屈せずに面白く見ることはできたので問題ない。終盤で「行こう、おしおきにな」と言ったところの宇宙刑事3人は最高に格好よかった。 そのほか出演者としてはヒロイン役女優のアクションが本格的なので驚く。また銀河連邦警察長官の娘で(つまり宇宙人だが)外人名前で日本風女子高生というわけのわからない重要人物役は山谷花純という人だが(後のモモニンジャー)、この人が敵に引っ張り回されて困った顔をするだけの役かと思ったら、終盤でちゃんと演技をする場があったので安心した。またついでに書くと今回登場の「不思議獣ピタピタ」というのがデザインとしても造形的にも良好だった。 ところで当時の本編を見た覚えはなくとも番組のテーマ曲は記憶に残っており、特にエンディングテーマの「おもしろいことが大好きで 悪いことは許せない」は印象的だが、今になってみるとこれが人の本来あるべき姿を端的に表現しているようで心に染みる。 あえて理屈をいえば、「おもしろいこと…」は個人の存立に関わるもので、自分という存在を自ら支えるための基盤をなすものである。また「悪いこと…」は見た通り、個人の社会への関わり方を示している。今回の物語中で、この二つはセットでなければならないことを端的に示した場面があったのは少し感動的だった。こういうところをしっかり押さえるのは子ども向けにも大人向けにも大事なことと思われる。[DVD(邦画)] 5点(2018-04-15 19:22:52)《改行有》

569.  フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ 《ネタバレ》 前作「フランケンシュタイン対地底怪獣」(1965)に続くフランケンシュタイン第2作である。前作と異なり、同時上映の映画は明らかに子ども向けだったようなので、今回は普通に怪獣映画の扱いだったと思われる。 基本的な設定としては前作の経過を引き継いだ形だが、水野久美さんが共通の出演者というだけで、ほかは役者も登場人物の名前も違っており、ずれのある並行世界のようである。今回も日米合作とのことで、水野久美さんが洋モノ映画で見るような、感情で動いて面倒を起こすバカ女の役になっていたのは残念なことである。メイクもきついので可愛気がない。 また怪物の造形も、もさっとした着ぐるみになってしまってケモノの印象が増しており、これはキングコング対キングコングのつもりだろうかとも思う。羽田で人が食われたのは衝撃的だったが、前回は人間っぽかった怪人が、条件次第でいつ今回のようなケモノに変わるかわからないというのでは、やはり全部駆除しておいた方が無難ということになってしまう。劇中の科学者も研究材料が失われないようにとしか考えていなかったようで、前作に比べて人の心が失われた単なる怪獣映画のように見えた。かろうじて兄弟愛という点で、最初に兄が出現した時の、おれの弟に何をするんだ、という抗議の姿勢が印象に残った程度である。 ちなみにタコを最初に出すことにしたのは前回からの改善点ということかも知れない。今回も最後は海底火山の爆発というのが唐突だが、これは1952年の「明神礁」爆発が人々の記憶に残っていたからだと思われるので、その発想自体は理解できなくはない(「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(1967)でも冒頭にニュース映像が出る)。 なお今回の見どころは何といっても陸上自衛隊の大活躍である。最初に何をするか明示してからの準備がかなり念入りに見えたが、その甲斐あって効果は絶大で、怪物が今にも死にそうなところまで追い詰めたのは前代未聞の大戦果である。ヘリコプターが身を挺しての遅延策も功を奏し、怪物が木をなぎ倒しながらひたすら逃げ回るのは痛快だった。日頃から不死身の大怪獣を相手に戦っている自衛隊がその気になれば、サル人間程度は容易に倒せるということである。今回初出の殺獣光線車の重量感がいい。 また人型の怪物がミニチュアセットの中で、その辺のものを蹴散らしながらドカドカ走って行くのは珍しい眺めだった。[DVD(邦画)] 5点(2018-04-08 23:28:04)《改行有》

570.  フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン) 《ネタバレ》 大人向け映画と断言するほどでもないがまるきり子ども向けでもない。同時上映が若大将映画だったことからすれば「マタンゴ」(1963)並みの扱いということか。 全体構成としては日本の東西で別々の怪物が出現し、それぞれ勝手に移動して最後に富士山麓で出会う形になっており、海外公開が前提だからか各地の名所も映されている。ロードムービーというほどでもないが行く先々でさまざまな人々が登場し、岡山の田崎潤・佐原健二の組み合わせがほんのチョイ役だったというのがフェイント感を出していた。その後も「大怪獣バラン」(1958)の対潜哨戒機テーマに乗せて飛騨の白川郷まで追手が迫り、いろいろあってからイノシシが走り去ったところまでの流れが個人的には好きだ。 しかし問題なのがラストの締め方で、突然地面が陥没するというのも感心できたものではないが、海外版では突然のタコの出現のために怪人が次から次へと敵を求めるタイプに見えてしまっているのは非常によろしくない。 またテーマ的には、永遠の生命が果たして人間の幸福につながるのか、ということが問われていたようでもあり、実際にそういう生物が出て来た結果、必ずしも幸福ではない(「死んだ方がいいかも知れない」)という結論につながったようでもあるが半端である。またそれが原爆とどう関わるのかと思っていたが不明瞭なまま終わり、結果として広島から物語が始まった意味もよくわからなくなっていた。 そういうことで不足の点はあるが、しかし物語としては一本筋が通っていたようで、要はたとえ人が造った人間でも、人の心が通じるなら人間だ、というのが最終的な結論と思われる。当初、怪人は逃げてばかりでこんな奴が兵隊として使えるのかと思っていたが、しかし誰かを助けるために戦う決心をしてからは見違えるほど勇敢になり、生まれながらの兵士では全くないが確かに人間だ、ということを自ら証明していたようである。救出した男を仲間のもとに返してから、地底怪獣の叫び声の方へ向かおうとする姿は正直格好いい。顔に似合わずヒーローだったというしかない。 なお劇中の女性科学者は広島市内?の近代的アパートに住んでいたようだが、怪人が成長してみると部屋が2階だったことの意味がわかる。ここで怪人が見せた顔が何とも心細げで情けない表情で、それで観客としてもこの男に肩入れしてやらなければという気にさせられた。[DVD(邦画)] 6点(2018-04-08 23:28:01)《改行有》

571.  怪獣大戦争 《ネタバレ》 まずは冒頭のマーチが勇ましい。 基本的には子ども向け映画だろうが保護者も退屈しないようにということか、男2人のユーモラスな会話とか女優2人の美の競演とかラブコメ風味とか悲恋物語(の断片)を入れてあり、大人が見るのが苦痛というわけでもなく、けっこう幅広い娯楽性を備えた映画になっている。伝統的日本人に比べて外人男の言動があっけらかんとしてドライで、真面目な顔で笑わすようなことを言うのがいい。 X星人は宇宙人でありながらもみな不気味なアジア人顔で、歩き方も特徴的だが特に統制官の手振りが印象に残る。大きな動きは地球人類にも理解できそうだが細かい指の動きなどは意味不明というしかなく、これはまさに異文化の所産というところである。最後の「未来に向かって脱出」という台詞は空虚な負け惜しみ以外の意味が感じられないが、自分が負け惜しみを言う時に真似したいという気にはなる。 映像面ではX星での照明の使い方が印象的で、統制官が意味不明のX星語(グスタrrr、タッ、ブツザッと聞こえる)をつぶやいてから暗転するのは好きな場面である。また、あまり格好いいとはいえない円盤が、湖から水煙を引いて飛び立つところの映像美が東宝特撮らしい。 出演者は豪華というかお馴染みの面々だが、沢井桂子さんという人は特撮方面では珍しい出演者も知れない(ほかには同年の「フランケンシュタイン対地底怪獣」、特撮TV番組「ウルトラQ」第8話)。劇中人物としては可憐で清純そうな女性で、公的な場ではうつむき加減で控え目だが、親しい相手にはそれなりに言いたいことを言っていたようで、態度の使い分けがしっかりしているのが奥ゆかしい。波川女史と2人並んだ場面では引いてしまっている感もあるが、波川女史の応対がこなれ過ぎていて怪しいのに対し、この人の清楚さが際立っているという言い方もできる。 ちなみに最近、水野久美さんの出る「ケアニン ~あなたでよかった~」(2017)という映画を見たが、この映画での「ああ、あの方ね」という台詞で、この女優らしさというのが当時から現在まで継承されていることを改めて確認した気がした。[DVD(邦画)] 6点(2018-04-08 23:27:58)(良:1票) 《改行有》

572.  ちはやふる 結び 《ネタバレ》 原作とアニメは見ていない。主演女優が好きで見たわけではないが、今回は優希美青さんが出ているから見たという面はある。 このシリーズは毎回そうだがどうも前半部分が見づらい。冒頭部分では流れるコメントとか志賀廣太郎氏が目障りだが、続いて今回もまた部活の勧誘風景があってイケメン探しの新入生とかが学園ラブコメの雰囲気を出している。恋する少女の企みが大変な結果につながったなどという少女マンガ的展開を好んで見ているわけではない(朝からわざわざ映画館まで行って)と言いたくなるが、それでもこれをクリアしなければ感動の後半部分を見られないので我慢するしかない。 前半部分のごたごたのせいで肝心の試合も危うい展開で、「ちは」を全員が取られるといった思いがけない場面もあるが、それでも最後は勝つという都合のよさも毎度のことに思われる。しかし、やはり試合場面での緊張感と躍動感、登場人物の言葉や行動には心を動かされるものがあり、最後は爆発的な喜びの感情がもたらされるという点が、このシリーズ最大の価値になっているように思われる。 ところで今回も終了直前までまた続編があるのではという気がしていたが、ラストでは一応の決着がついていたので安心した。よくわからないことが多いままで終わった印象だったが、原作自体がまだ連載中とのことで、これが妥当な締め方なのだろうとは思う。要は主人公が競技かるた部を創設する時点で言っていたことが実現するということで、観客としても納得できる未来が見えた感じだった。 結果的には映画三部作で見る限り、登場人物の恋愛感情(三角関係)が本筋というよりも、何かに一生懸命取り組むことが人生でどういう意味を持つのか、それを前提としていまこの時点で何をしなければならないのかを問う、非常にまともな青春物語になっている。かつ「上」「下」ではふらふらしているだけに見えた主人公の物語としてもちゃんと完結していたようである。 ちなみに大江奏さん(かなちゃん)は今回あまり目立った活躍がなく、最後はリタイアしてしまったのは残念だったが、恋するあまり大変なことをしでかした少女への対応など見ていると、この人の優しさと心の広さが表現されていたようで嬉しい。原作では巨乳という設定だったとのことだが、そうでなくても全然構わないので、この人にはずっとこの人でいてもらいたい。[映画館(邦画)] 7点(2018-03-17 18:49:28)《改行有》

573.  ケアニン ~あなたでよかった~ 《ネタバレ》 水野久美さんがヒロイン役?の映画が上映されるというので見たが、FINAL WARSなどよりよほどいい出演作だった。この人を主人公が彼女扱い(今カノ)していたのは相手が誰でも同じではなく、やはりそもそもが美形の人だからこそそういう発想が出て来るのだと思われる。劇中では施設利用者の若い頃の写真を並べてその人の人生を思う場面があったが、水野さんの昔の写真を出せば皆さん恐れ入るのではないか。舞台挨拶の写真で見る限り、背筋も伸びてお元気そうで他人事ながら嬉しくなる。今後一層のご活躍を期待申し上げたい。 ところで自分としてはこの方面の仕事に関わったことがなく、この映画が実態をどの程度反映しているのかはわからないが、結果として現職の介護職員にエールを送り、またこの道を目指す若者を励まそうとする映画には見える。虐待はないのか、という友人からの問いを主人公が軽く受け流したのは若者らしい反応とも見えたが、あるいは他はどうでも自分は違う、というプライドを込めた対応とも取れる。 また自分には要介護の身内がおらず、こういう施設が理想なのかもわからないが、家庭的な対応の施設を見せることで家族に訴えかける部分もあったようである。ヒロイン?の息子のエピソードはかなり作為的に感じたが、この映画としてはぜひとも必要な登場人物だったのだろうし、終盤に至ればその息子も認知症との向き合い方を体得したということらしい。目の前にいるのが誰だかわからないだけで、人そのものの存在を忘れてしまったわけではないということである。 ほか全ての人にそれぞれの人生があり、最後まで人間として生きているのだといったことは、人間への敬意を忘れるなという意味で、介護の分野にとどまらない一般向けのメッセージにもなっているように思われる。 個別の場面では、個人的には序盤でオレンジの皮をむく場面に和まされたが、人物の動きを止めて観客の意識を集中させる場面も複数あり、軽薄に見えた登場人物の発言が重たく響くところもある。最後に用意されていた落ちも少々わざとらしいが悪くなく、この人らしいきれいな字で書いてあったのが泣けた。どうせ関係者が内輪で盛り上がるだけの映画だろうと思っていたらそういうことでもなく、役者のおかげもあって広く人々に訴える力のある映画になっている。自分としては水野久美さんに引かれて見た形だが、主演俳優の今後にも期待したい。[映画館(邦画)] 8点(2018-03-17 18:49:25)《改行有》

574.  君の膵臓をたべたい(2017) 《ネタバレ》 原作は読んでいない。事前の印象としては、奇抜な名前で人目を引いておいてからベタに泣かせようという魂胆が見えるようでまるでライトノベルかと思ったが、実際見ても「膵臓をたべたい」という言葉が物語から自然に導かれたようには思われず、やはりタイトルが先で理屈を後付けした感じになっている。 その一方ではとにかくヒロインの笑顔の魅力が絶大で、どうせラノベ並みの通俗映画だろうと突き放そうとしても抵抗不可能である。というより実はもともとこの人が目当てで見たわけなので、最初に図書館で幻影が現れたところですでに感動してしまった(あまりにも可愛い)。この人なら多少の都合のよさも許容して行動人格全部を素直に受け入れてしまうので、これはキャスティングの大成功と思うしかない。スイパラでのやりとりは脱力するほど可笑しく、またお泊り旅行での楽しげな様子も嬉しくなるが、最初から病気とわかっているので笑いながらも心は痛む。 また全体的にも結構悪くないと思ったのは、主人公男女が互いに「膵臓をたべたい」と思うのがわからなくはなかったからである。特に男の方には個人的に共感してしまうところがあり、「お門違い」という表現を自分はしないが気持ちはわかるので、そんな奴でもちゃんと見ていてくれる相手がいるなら嬉しいだろうと思う。見た目から入るのではなく人として心を通わせるのが先、というのもいい話だが、ただしこの映画ではヒロインが超カワイイ系美少女で男もイケメンのため、外見優先でないという本来のコンセプトから外れてしまっているのが最大の問題点かも知れない。 何にせよ万人が自分のこととして見るような映画ではないだろうが、しかし12年後の図書委員と森下さん(笑顔がかわいい)の関係は一般人に少し近い雰囲気を出している。この2人にはぜひ仲良しになってもらいたいが、ただしそれならそれでちゃんと生きていてもらわなければ困るわけである。 [2018-04-17追記] 原作を読んだ。若年者向けの小説だが、だからこそ人の心を無遠慮に突き刺す(今さら言われたくない)言葉が盛りだくさんのように思われる。個人的には原作で主人公の母親が「私は嬉しい」と言ったところは映画にも入れてもらいたかった。 そのほか原作との比較で残念なのは、省略のせいでいろいろ半端になっていることと、やはり映画で付加した12年後の部分に不自然な点が多く、観客に突っ込みを入れられても仕方ない状態になっていることである(自分は寛容な性格なので見ないふりしたが)。そもそも12年も待たずにすぐ心を入れ替えてもらいたかったものだが、しかし12年後の図書委員と森下さん(演・三上紗弥)にだけは否定的になれない。この2人はかなりいい感じである。 ほか題名の意味に関しては、原作だと誰でも知っている慣用句で端的に言い表せるので誤解のしようがないが、映画では変に深読みを誘うよう改変されているのが好ましく思えない。ただし自分としては、映画を見た段階でも原作と同様に受け取った(その方が解釈として簡明なため)ので、制作側の小細工は自分に対しては無効だったということである。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2018-03-17 18:49:22)《改行有》

575.  嘘八百 《ネタバレ》 森川葵さんが出る映画は無理にでも見なければと思って見た直後に熱愛報道が出たりするので多少がっくり来るわけだが、その辺は「ええ大人なんやし」と思って納得するしかない(劇中の父親の気分で)。 題名を見るとあまりに素朴で古風なネーミングのため一体これはどういう客層向けなのかと思っていたが、実際見に行くと年齢層がかなり高く、20人くらいいた観客のうち自分だけが若造のように思うほどだった。ちなみに現代の堺市が舞台という映画は珍しいのではないか(NHKの「黄金の日日」は見たが)。もう少しご当地感を出してもよかったのではと思うが控え目だったようである。 ストーリーとしては要は騙し合いで、最後まで予断を許さない展開だろうとは思うので逆にそれほどの意外感もなく、またラストが変にごたごたした感じですっきりしない。コメディとしてもバカ笑いするようなものではなく、個人的にはかろうじて「生き写しやがな」というのが可笑しい程度だった。しかし単純な娯楽として見る分には支障なく、金の行方はともかくとしても、悪徳業界人には一矢報いてそれなりに前向きな感じで終わったので、見た後の気分としてはそれほど悪くなかった。 昔話になるが1969年のTV番組で、古美術商に贋作を強いられる陶工の出るエピソード(「呪いの壺」)を見たことがあるが、時代を超えて似たような設定が使われるからには本当にこれが業界の実態なのかという気もして、そういう世界と無縁な人生でよかったと思わせるものがある。ただこの映画でも当然ながら、ものの価値は自分の目で見て決めろ、と言っていたのだろうから、自分もそのようにしていかなければと思うところがないではなかった(例えば映画を見るにしても)。 ところで前に「花戦さ」(2017)という映画があったが、この映画でも中井貴一(織田信長)、佐々木蔵之介(前田利家)といった役者が出て、その上に利休の茶碗まで出て来るので姉妹企画かと思うが関係ないらしい。森川葵さんも両方に出ているが、これはそういう年長の役者が揃った中でも遜色ない若手女優という意味に解しておく。劇中人物としては特に好きになれなかったが、この人の持ち味が出ていて見せ場もあって結構いい役だったとは思う。ほか女優としては大阪の役者で鴨鈴女(かも すずめ)という人が出ており、特筆するほどの役柄では全くないが顔を知っているのでどうしても目についてしまった。[映画館(邦画)] 6点(2018-03-11 21:28:10)《改行有》

576.  ちはやふる 下の句 《ネタバレ》 今回は序盤から福井関係のエピソードで盛り下がってしまう。肝心の主人公がよくわからない理由でさんざん勝手なことをしておいてから本番でも脱落してしまい、いよいよ対決と思えば今度はメンタルの問題かという感じで苛立たしい。さすがに後半は盛り返していたが、勝つときは髪を耳にかけるのであれば初めからすればいいだろうがとは思った。 ちなみに原宿限定タオルに対するクイーンの反応には全く笑えない(この顔では洒落になっていない)。 主人公にいいところがない一方、他のメンバーが各自最善を尽くしていたのは他人事ながら嬉しくなる。孤立主義だった男も、今ここにいる意味を他人に与えられるだけでなく、自ら自分の存在意義を見出すに至ったようで幸いだった。 またメンバーのつながりを得意札の共有で象徴させていたのは効果的である。皆が「ちは」の札を一斉に取る(1人だけ取れない)場面は前回もあったが、今回は飛んだ札がわざとらしくガラスにぶつかって、話に聞いていた かなちゃんと机くんが笑顔を交わすのが見えたというのが結構泣かせた。クライマックスでのハイタッチも少し感動的である。 ほか個別の場面として、この映画では主人公が本気になった時の目に強烈な印象があるわけだが、今回は子役の目にも少しドキッとさせられた。またかなちゃんはやはり手に優しさを込める人だということらしい。 ところで、いかにも作為的ながら観客にきっちりアピールする場面が多数用意されているのは映画として悪くない。原作を読んでいないのでわからないが、たとえ感動要素の多くを原作に拠っているのだとしても、それをちゃんと生かした映画ができているのだろうという気はした。また映像的には、特に主人公のイメージカラーらしい鮮やかな赤が印象的な映画になっている。 ここまでの間、主人公が本領発揮する場面は意外に少なく、それ以外の人々が存在感を高めていくのが中心だった気がするが、3月公開の「結び」はいよいよ主人公中心の物語になるのだろうと思っておく(過度の期待はしていないが)。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2018-01-07 14:58:10)(良:1票) 《改行有》

577.  ちはやふる 上の句 《ネタバレ》 原作とアニメは見ていない。主演女優が好きで見たわけではない。 最初が部活の勧誘で始まるのでまたこれかという気になるが、続く序盤のマンガっぽさに呆れてしまい、これはそもそもマンガだからと自ら言い聞かせながら見ることになる。ただ「バカ」「カバ」とか「お母さん」とかは悪くない。 また本筋の展開では、最初は主人公を天才のように見せておきながら、その主人公を含めていきなりどん底まで落ち込んでしまい、その上に本番でも深刻なトラブルが発生していながら結局は優勝してしまうという流れが、ご都合主義とはいわないまでもあまり自然に感じられなかった。ちなみに主題歌はエンディングの雰囲気をぶち壊している。 一方ドラマ的には、若いのに運命の限界を感じていた男が、土壇場で一気に壁を突破したのが痛快で感動的だった。また孤立主義だった男が、今回とりあえず仲間の存在を認識できたというのも悪くない。やらないでも済むが頑張ってやればそれなりの成果が出て、結局やってよかったことになるといった経験則の表現にもなっている。 また何より大会の場面が圧巻で、特にチームの皆が一斉に手を振るのが流れの変化を象徴していたのは非常に印象的だった。ラストの対戦にも意外性があり、見る側としてもこれはやられた、という感がある。「瑞沢優勝」と言い切らないうちからの展開は感動的だった。 ほか歌の解釈ということに関しては、定説は定説として人それぞれの思いも別にあるということだったらしい。勝負では最初の何文字かしか問題にならないとしても、背景にある歌の全体像を認識することで文学的な世界が広がる様子も見せていた。 なお登場人物としては大江奏という人が、当初は奇矯な言動が多かったが、落ち着いて来ると優しい人柄が見えて来て、歌を詠む声もきれいで好きになった。意気消沈している男の肩をほかの男が次々に叩いてから、この人がそっと手を置いたところは少し泣ける。「“田子の浦”取りました」と言っている顔を見ると自分も嬉しくなった。 ちなみに男は誰が出ようが出まいが関心ないわけだが、ライバル役で出た清水尋也という役者は他のところで見たことのある清水尚弥の実弟だったらしく、雰囲気がかなり似ているので、序盤で兄が端役で出たのを見てから弟が出ると混乱した。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2018-01-07 14:58:08)《改行有》

578.  ホラーの天使 《ネタバレ》 「葵わかな初主演映画」とのことで、朝ドラヒロインの初主演映画としては自慢にもならない感じだが、まあ若いうちはいろいろあるということか。また「くちびるに歌を」(2014)で主人公(本来の)だった恒松祐里、「先輩と彼女」(2015)で印象に残る水谷果穂といった人々が出ており、ほかにアイドル役で現役アイドルも2人出ているが、アイドル映画というより普通に若手女優の出る映画という感じである(男は無視)。 内容としては一般的なフェイクドキュメンタリーで、ほとんど全面的にPOVを取り入れている。映画撮影・漫才・アイドル合宿の3グループの話を並行させておいて最後に統合してみせる形になっており、終盤で一気にネタばらししているところもあるが、序盤でも真相を示唆するものが一部出ていたようなので、そういうものを探しながら謎解きの気分で見る趣向と思われる。 監督としてはとにかく怖い映画を作ろうとしたとのことだったが、純粋に怖い映画というより不快な映画という印象が強い。特に女子のやることが非常に気に障るので精神的に負荷がかかり、その上に突然バケモノが出てギャーギャー騒いで血が飛散するようなのを見せられてはやかまし過ぎて閉口する。前記の取っつきやすい謎解きを含め、主に若年者を面白がらせるホラーとしてはよくできているのだろうとは思ったが、ある程度年を取った立場としては付き合いきれないところもある。これがこの監督の作風と思えばいいのかも知れないが。 なお少しよかったのは人物造形で、特にアイドルの「ミク」はこの人物の本質的なところがよく出ていると思ったが、だからといって好きになれるキャラクターというわけでは全くない。題名の意味は結局わからなかったが、これはもしかすると出演者の誰かをそれぞれの好みで天使認定すればいいのだということか。主要人物として男も出てはいるが、若手女子しか印象に残らないのは間違いない。[DVD(邦画)] 5点(2018-01-06 10:59:08)《改行有》

579.  fuji_jukai.mov 《ネタバレ》 昨年12月31日(6日前)に青木ケ原樹海の遺体映像を投稿したアメリカのユーチューバーが批判され、今年1月3日(3日前)に本人が謝罪したとの報道があったが、この映画は当然それより前の公開である。 吉本興業とTBSが共同制作した映画とのことで、TBS所属のディレクターが監督を担当し、吉本芸人も本人役で出演している。監督は本来バラエティのディレクターであって映画は「ど素人」だそうで、実際これは映画としてどうなのかという批評もありそうな感じだが、そこはあまり突っ込んでも仕方ない。 内容としては「スマホ系ドキュメントホラー映画」とのことだが、「90%リアル」とかいう説明を聞くと、カルト集団の部分だけでも1割を超えているのではないかと皮肉を言いたくなる(かつての上九一色村の教団施設になぞらえたにしても無理を感じる)。しかし現地関係者(レストラン店主、樹海探検家、寺の住職、民宿の女将)のインタビューはさすがに本物らしく真実味があり、それに比べて役者が演じる「樹海パトロール」は非常にウソっぽい。 見ていて非常に気に障ったのは主人公の同行者2人の行動様式である。自分としては人間扱いする気にもならない連中だったが、この映画の立場としては「子どもっぽい」という認識だったらしく、そういうクソガキのようなのに便利なツールを提供してしまっている現代社会への批判が込められていたようでもある。一方で主人公は心正しい人だったが、この人に対する世間からの綺麗事による非難を逸らすため、最後に悪人が「生まれ変わり」を果たす筋書きにしたのだろうと解釈した。 そういう物語面での不快さにかかわらず、風景映像の方は荘厳な美しさを感じさせ、またエンディングで現地関係者が樹海の自然の魅力を熱心に語っていたのも印象に残る。時々わざとらしく映っていたオーブのようなものは、人の霊魂というより自然界の精霊といった表現だったのかも知れない。樹海探検家の言葉として、樹海にある遺体の全てが自殺によるものとは限らないという見解も紹介されていたが、本来は他殺死体の隠匿場所でも呪われた場所でも無責任な動画投稿者やTV番組の悪ふざけの場でもなかったはずの樹海に、人間社会の暗黒面を投影するのはやめてもらいたいというのがこの映画の最終的なメッセージに思われた。 そのようなことで、意外に社会派っぽい気がしたのはTBSらしいといえるかどうか(バラエティのディレクターだが)。 出演者としては、自分が知っていたのは佐々木萌詠さんくらいのものだったが、今回はまたかなり変な役でどうも仕事を選ばない人らしい。ほとんど端役ながらも舞台挨拶にはきれいな格好でちゃっかり?出ていたのは意外だったが、女子高生役3人と並ぶと長身(公称168cm)で見栄えのする人である。[DVD(邦画)] 6点(2018-01-06 10:59:05)《改行有》

580.  ソラから来た転校生 《ネタバレ》 監督の近藤勇一という人物は、劇場公開前提の映画としてはこれが初だそうだが各種映像製作には以前から携わってきたとのことで、過去には美少女タレントのPVドラマのようなものも撮っていたらしく、今回のこれもその延長と思えば納得する。ちなみに主な出演者2人は同じ監督のショートフィルム「ネコヤドのハルとアキ」(2012)と共通である。 この映画でも、とにかく劇中女子(高校生)をきれいに可愛らしく映しているのが最大の特徴と思われる。男子の出演は極限して女子ばかりが多数出ているが、これは芸能事務所(イトーカンパニー)の意向もあってのことか。自分としては特に劇中少女が天使の扮装をして、新体操のリボンで踊るところが美しいので非常に和んでしまった。これで上手いのかはわからないが、少なくとも溝口恵という人は実際に新体操の経験者とのことである。またガールズラブっぽい雰囲気も出していたが、物語的には人体の物的な存在感を確かめる行為ということになっていて、この辺はうまく意味づけをやっていると見えた。 周囲の人間関係も和やかで、敵対勢力がいないのでひたすら微笑ましい雰囲気になっている。なぜか校内に変な爺様が出没していたが、この人物もやはり元気のいい若手女子が見たくて来ていたのに違いない。女子高生側の反応もユーモラスで結構だった。 ドラマとしては青春ファンタジーのようなもので、争いから逃げて孤立するのでなく、人間同士の関係性の中にこそ生きる喜びが生まれることが表現されていたようである。劇中の天使が人間世界に受け入れられていく過程が微笑ましく、別れの寂しさとともに未来の希望も見えていて、青少年向けとは思うが少しキュンとするものを見た気がした。 ストーリーを進める原動力になっていたのは、父親を亡くして部活も怪我で断念したのに屈託なく笑う女子だったが、無理して健気にふるまうだけでなく、この人のいわば包容力が地上の天使の存在を表現していたようで、これは恐らく母親のおかげだったのだろうと後になってから思う。なお全体として展開が早すぎる気がするので、もう少し長く作ってもよかったのではと思った(60分くらいとか)。 ほか映像面では、何度も出る高空の飛行機雲が天使の飛行を表現していたらしいのが印象的だった。ロープウェーから糸電話というのには突っ込まないことにする。[DVD(邦画)] 6点(2018-01-05 19:57:37)《改行有》

0110.88%
1272.16%
2614.88%
3987.83%
418214.55%
532826.22%
628722.94%
717814.23%
8614.88%
9171.36%
1010.08%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS