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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
41. リサの瞳のなかに モノクロの小品ですが、とにかくインパクトのある作品です。異常な潔癖症ゆえにとある思春期病棟に入れられた青年デイヴィッドは、そこでリサという不思議な雰囲気を持った少女と出会います。心を病んだふたりが、その病んだ心を触れあわせる過程が、切なく、痛ましく、そして美しい、ホント清冽な映画でした。青年を演じるのは、後に『2001年宇宙の旅』のボウマン船長を演じるキア・デュリア。リサを演じるジャネット・マッゴーリンの黒い瞳も、忘れられません。1998年にテレビ映画としてリメイクされ、そちらの方ならビデオで見られます。『刑事ジョン・ブック/目撃者』のルーカス・ハース坊やが、確かデイヴィッド役のはず。もしよろしければ、ご覧になられては。9点(2003-06-12 16:11:52) 42. メリー・ポピンズ 子どもの時に見てめちゃくちゃ楽しくて、あれから現在に至るまで、何度見直したことでしょう。ディズニー映画かくあるべし、という、愛と希望と夢にあふれた永遠の名作ですよね。本作に比べると、最近のディズニーのミュージカル・アニメは偽善臭プンプンで、「純粋さ」を見失っているんじゃありませんか? こんな映画を、シニックに、斜に構えてあざ笑う向きには、「可哀想なヒトだ」と言っておきましょう。10点(2003-06-06 16:25:44)(良:1票) 43. ミクロの決死圏 SF映画史上の傑作であることは、今さら小生ごときが申すまでもありますまい。映画の冒頭、旅客機がヌーッと現れて、その横にタイプ文字でタイトルが打ち込まれる部分から、カッコ良すぎ! 個人的には、ラクェル・ウェルチの身体に血小板(?)が張り付くボンデ-ジ(笑)姿と、それをばりばりはがす男たちのシーンが、何痔見てもイヤラシクて大好き。片時もダレず、ムダのないファンタスティックな冒険譚として、さすがリチャード・フライシャー監督ならではだと、あらためて敬意を表したいと思います。10点(2003-06-06 15:16:17)(良:1票) 44. マンハッタン無宿 マンハッタンでテンガロンハットを被った主人公の保安官が、街の人間に「テキサスか?」と聞かれて「アリゾナだ」と苦々し気に答えるシーンがくり返し描かれ、笑える。この男、常にクールだが女にだらしないってあたりの設定も、実に人間臭くてよろしい。そんな、けっこうダーティ(後のハリー・キャラハンほどじゃないにしろ)なヒーローを、イーストウッドが快演。ドン・シーゲルの簡潔明快な語り口も、最近のジェットコ-スタ-調の16(時には32)ビートじゃなく、8ビートの映画的テンポで快調であります。8点(2003-06-06 13:44:33) 45. 冒険者たち(1967) 中坊のころ初めてテレビで見て、大感動させられたものだった。でもその後、大森一樹だのあの年代の人間たちに語られ過ぎ、神格化され過ぎって感じで、大学に入ってリバイバル公開された時には、微妙な「反発」を覚えてしまい…。でも、トリュフォーの『突然炎のごとく』とはまた違う”男2人・女1人”の永遠の夏休みを生きるかのような関係は、今なお憧憬をかきたててやみません。だから、なおさら、後半の、3人の関係が”死”によって崩れ去っていくさまが、哀しく忘れられないんでしょう。とまれ、ジョアンナ・シムカスとレティシアの名前は、ぼくら映画ファンの胸にこれからも深く、甘酸っぱく、残り続けるはずです。8点(2003-06-03 10:38:26) 46. 小さな兵隊 60年代のゴダール作品は、一部のものを除いて明らかに時代的背景ゆえに意味を持つ、と思います。そういったアクチュアリティを失ったこの作品など、正直単なる考古学的遺物としての興味しか抱けない、映画としては実にタイクツなものでしかない。残念なんですけどね。でも、もうこの時期のゴダールを神格化するのをやめて、もっともっとスリリングで過激な「ゴダールの現在」にこそ眼を向けようじゃありませんか。まあ、確かにアンア・カリーナは魅力的なんスけど。でも『はなればなれに』に比べたらとてもとても。3点(2003-05-28 11:25:06) 47. 太陽の王子 ホルスの大冒険 今は昔、小学校の校門前でおじさんがこの映画の鑑賞券をタダで配ってたんです。で、町の公民館で見たのだけど…正直、当時10歳のガキにも衝撃的だったなあ。今まで見てきたマンガ映画やテレビのアニメとも全然違う、その質の高さと新しさがビシバシと感じられて。続けて2回見たこと、そしてヒルダというヒロインに、幼心に”恋”したことを…。確かに現在のアニメの方が、絵も、技術もこの映画より数段発達しているのかもしれない。けれど、ぼくは今でもこの作品がアニメのなかでは一番好きです、愛しています。先にご指摘があったけれど、同時期にやはり公民館で見た『雪の状王』と、ぜひ2本立てで劇場にて再見したいものです。ね、ご同輩!10点(2003-05-27 20:30:16) 48. 関の彌太ッぺ(1963) あ、こんな映画にもコメントが付けられるのですか。うれしいなあ。ほんと、素晴らしい映画ですもの。この頃の中村錦之助は、何と言うかオーラが全身から発散されていましたよね! そして、義理人情の日本的情念の世界を、花に託して語る極上のロマンチシズムときたら…。まだおぼこ娘の十朱幸代が、「旅人さん」と主人公に呼び掛けるシーンは、何回見てもウルウルしてしまいます。必見!10点(2003-05-27 12:56:57) 49. 殺しの分け前/ポイント・ブランク ジョン・ブアマンの映画って、あざとさばかりが鼻について…。基本的にキライな映画にはコメントしないことにしているのですが、世評が高いのに「何でやねん!」という代物には、積極的に否! を唱えようと。あの同一場面とモノローグの執拗な反復は、60年代に一世を風靡したアラン・ロブ=グリエの小説や映画(あの『去年マリエンバートで』の脚本もこの人)の実に小賢しいパクリじゃんすか。こういう文学趣味は決して否定するもんじゃないけど、それが単にコケオドシでしかないってあたりが、ぼくには許せないっ。断然『ペイバック』の方こそを、ワタシャ支持するものであります(あれはあれで、いささかモンダイはありますが…)4点(2003-05-23 21:19:26) 50. 暗くなるまでこの恋を そりゃあ、溝口健二の映画とくらべりゃユルユルの、トリュフォーとしても失敗作の部類に入る代物だとは思いますが…。自分を殺すと分かっていてもその女を愛し続ける男の、マゾヒスティックなまでの「優しさ」は、やっぱりトリュフォーならではのもの。最後の最後でその愛にこたえたヒロインに、小生は涙を禁じ得ませんでした。カトリーヌ・ドヌーブは信じられないくらい美しいし。6点(2003-05-22 11:19:18) 51. ウエスタン レオーネの映画はどれも素晴らしいのだけど、これはもう別格。はじめてこの誇大妄想的天才が、自分の作りたいように作ったという昂揚と創造力が、もう暑苦しいほど(笑)伝わってきます。ヘンリー・フォンダの悪役は、確かに彼のキャリアの中でも最高の名演だと、ぼくも思いました。実は、初めて見たのがもう20年近く前(歳がバレますが)。その時、『シェーン』と2本立てだったのですが、この映画のおかげで、あの名作の印象がひとかけらもありません…。ああ、もう一度シネスコの大画面で再会したいなあ。10点(2003-05-20 15:12:10)(良:1票)
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