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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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41.  絞殺魔 《ネタバレ》 こりゃおもろいと思ったのだが評価悪いな。前半は連続殺人の犯行シーンと捜査する側の試行錯誤が描かれる。そこで分割画面が多用されるんだけど、捜査する側が全く犯人を追い詰めることなく右往左往してる様がこの分割画面でより顕著に表現されているように思う。見た目のかっこよさより実用性で選ばれた分割画面。で、まずまず面白いこの前半は前フリでしかなく、なので犯人が誰なのかとかどうやって捕まるかなんてのは映画の肝となりえない。犯人は捜査側の懸命の努力とは関係なく市民にいとも簡単にとりおさえられてしまう。ここからが実は見所。犯人は二重人格であって犯行を全く覚えていない。で、本人に少しずつ思い出させようとするんだけど、その悪夢のような回想の見せ方がなかなか凝ってて唸らせてくれる。唸らせてくれるんだけどちょっと冗長な気がしないでもない。だけど本当の見所はまだここからあって、犯人が正常から異常になったときの様相をじーーっくり見せるところ。ここ。ここでこれまでのことが全て前フリと化す。このシーンの重さ、尋常じゃない。[DVD(字幕)] 7点(2010-12-22 17:20:44)

42.  ウイークエンド(1967) ジャック・タチのような風刺映画にちょっぴりの毒を入れようとしたら中蓋が開いててどっさり入っちゃったみたいな。しかも中蓋開いてたの、わざと、みたいな。文明=車社会=事故=死、この飛躍が笑える。まるでゾンビ映画のようにあらゆる場所に死体が転がってる。ゴダールの映画っていつも何かに怒ってるというか反論してるというか、そういうところがあるんだけど、こういうの見ちゃうとホントに怒ってるの?怒ってるフリして楽しんでない?って思っちゃう。で、結局面白いんだか面白くないんだかよくわからんままに進み、正直退屈感を覚えてきたところでとんでもないシーンが出てくる。実に退屈な農村での日常風景が延々と映されているだけなんだけど、カメラが360度回ってそれらを何度も映し出すことでえらくドラマチックに見えてくるというシーン。ジャック・リヴェット『北の橋』でバイクが同じところを延々と走ってる退屈な画が音楽ひとつで壮大な画になっちゃうってのがあったけどそれと同じ効果をカメラ一つでやっちゃうのだ。エロ会話とか政治的な風刺を装ったセリフとかいまひとつノレなかったんだけど、このワンシーンだけですっかりやられた。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-09 17:12:53)

43.  ぼんち これより一昔前の映画ならば、封建的社会や男尊女卑の慣習の中で痛めつけられながら強く生きる女、あるいは生きられなかった女が描かれるんだろうけど、いつからか女は感情的な生き物から現実的な生き物として描かれるようになった。一人の男が多数の女を囲うという構図、市川崑だと『黒い十人の女』も同じ構図なんだけどこれもやっぱり女が一枚も二枚も上手。男は情けないというよりも優しい。だからといって女たちは男の優しさに翻弄されるわけでもなく、もちろん封建的社会や慣習に翻弄されるわけでもない。むしろ社会、慣習に翻弄されるのは男。豪華女優陣はさすがに目を引くが、ぼんち市川雷蔵がいい味出してる。[映画館(邦画)] 7点(2010-08-26 15:16:40)

44.  アデュー・フィリピーヌ 《ネタバレ》 始まってしばらくは男がメインで映されている。時はアルジェリア戦争6年目。兵役につくまでの限られた時間といっても若者のすることはいつでもどこでもどこか無駄で怠惰に過ぎ去ってゆくものだ。共同購入した自動車を走らせ女の子を口説き。この口説かれた女の子二人組みが徐々に画面を支配してゆくと映画はどんどん面白くなってゆく。ベッドの上で戯れる二人の女の子はまるで『男の子の名前はみんなパトリックっていうの』(監督ゴダール、脚本ロメール)の女の子。一人の青年をめぐって何かを企み何かを企まれる。が、秘かであるはずの企みはあっけらかんと陽の下にさらけ出され、譲ったり譲られたりのロマンスという名のお遊びが展開する。男はたまったものじゃない。若いってことはもうそれだけで罪。映画はその罪の瞬間をしっかりと映しきる。やがて眩しい一瞬を切り取ったバカンスが終わる。成年が乗る船がゆく。ふたりが手を振り走り出す。その手の振り方が、走る速度が大きくなる。散々弄んでってこともないが、楽しんでおきながらなぜそこで必死ともいえる動きをするのか。唐突に思いだす。青年は兵役につくのだと。それとも単なる眩しい一瞬が過ぎ去ろうとすることへの購いなのだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2010-08-02 16:23:14)

45.  真田風雲録 《ネタバレ》 関が原の合戦跡を徘徊するガキ共が長い横移動で捉えられる。おお!と思ってるとそこに超能力少年佐助が現れる。おいおい。一気に胡散臭くなる。安易な発想とチープな特撮。やばいなこれ。と思ってたら時代は進み、ガキ共は若者に。ミッキー・カーチスがギターを弾きジェリー藤尾はスカーフを巻いている。なんだこれ。紅一点お霧って霧隠才蔵ですかい。なんだかとぼけた真田幸村が出てきたぞ。大阪冬の陣。佐助の妖術が笛とギターで拡散される。負けてられない敵方服部半蔵率いる忍者部隊が華麗なダンスパフォーマンスで迎撃する。なんだこれ。面白すぎる。冒頭で感じた胡散臭さを最大の武器とし、徹底したデタラメさで攻めてくる。特撮のチープさすら作品のデタラメ性向上に一役買っているではないか。天然ギャル千姫の今どき発言や歌謡ショーで十二分に和ませても、ミュージカル・コメディ特有のフワフワ感はなくひたすらデタラメ感が充満する。フワフワ感どころかどこか仁義に尽くす者の悲しき定め的な空気が漂っているのは加藤泰ゆえか。最後にやらなくたっていいけどやらなくちゃならない男の勝負、佐助VS半蔵で締めるあたりもやっぱり加藤泰。[映画館(邦画)] 7点(2010-07-27 14:50:44)(良:1票)

46.  怪談(1964) 小泉八雲の怪談四篇。 ■「黒髪」内容もさることながら屋敷の風貌が溝口健二『雨月物語』を彷彿させるが、『雨月物語』と比べられちゃうとちときつい。しかしクライマックスのダイナミズムは迫力満点。後悔と謝意、そしてそれらを上回る恐怖が男を襲う。 ■「雪女」雪女メイクの岸恵子が怖い。空に浮かぶ目のような渦模様が幻想的。この一編に凝縮された世界観がとにかく素晴らしい。 ■「耳なし芳一」冒頭の源平合戦のくだりが長く感じたが、赤子を抱えて入水する悲劇の直接的描写が、その後に見せられる平家の霊の強さに結びつく。芳一を演じた中村賀津雄がいい。 ■「茶碗の中」怪談話とは言い難い一編。作風的にもこれだけが妙に軽い。 ■<総評>総じて話がきっちりとまとまっていて丁寧。丁寧に紡いでいるからこそ少々アバンギャルドなセットにしても古典的なるものが現れているのだろう。豪華な演者と型にはまらない演技も素晴らしく、なによりも短編それぞれを1本の映画のように妥協無く作っただろうことがひしひしと伝わってくるのがいい。[映画館(邦画)] 7点(2009-10-20 18:47:32)《改行有》

47.  女系家族 《ネタバレ》 大阪商人が使う船場言葉がなんともいやらしく、中村鴈治郎二代目と浪花千栄子の思惑とは裏腹な白黒つけない物言いが金のからんだ物語に抜群の相性を見せる。同じ大阪弁でもお嬢様育ちの三姉妹は歯に衣着せぬストレートさが強烈なインパクトを与え、田宮二郎(意外にも大阪出身)の京都の言葉が混じったようないかにもお師匠はん的優しい言い回しがまた実にエロくて実に腹黒さを感じさせてていい。屋内シーンがほとんどの中で宮川一夫の仕事も制限されたかと思いきや、屋内にも関わらず着物のきらびやかさは損なうことなく、陰影はあっても女優の顔に影は射さず、常に見やすい画面を持続させているのはやはり宮川の力か。最後は東京出身の女優がしとやかな大阪弁でもって女のしたたかさを見せつける。でも最もしたたかだったのは女系家族の中で一矢を報いた婿養子社長だったのかもしれない。天晴れ。[DVD(字幕)] 7点(2009-09-11 12:10:23)(良:1票)

48.  黒の試走車(テストカー) 「タイガー自動車」は日産に吸収される前のプリンス自動車をモデルにしているらしく、試走車のモデルは同じくイタリアのデザイナーがデザインしたスカイライン・スポーツ。というのはどうでもいいのだが、原作ありきとは言え、男たるものは仕事に生きなければならないとでも言いたげな強烈な企業戦士ぶりは『巨人と玩具』に通じるところがある。戦後の高度経済成長の中で仕事に命をかける男たちに本当に大切なものは何かを問う。思えば増村映画はほとんどここに落ち着く。「本当に大切なものは何か」に。大切なものに導くのは女である。愛に生きる女だ。ああ、いかにも増村ではないか。ベタベタに増村ではないか。増村映画の「濃さ」の原因は、この前時代的な「愛に生きる女」にある。それらを臆面もなく堂々と登場させるのが増村。イタリア帰りが成せる技か。このストレートさはたしかに邦画において異色であるが、けして異色を狙っているのではないところが良い。[DVD(吹替)] 7点(2009-08-19 16:37:43)

49.  秋日和 《ネタバレ》 小津の映画は基本喜劇のものが多く、これもその類。2年後の遺作となった『秋刀魚の味』のような3人のおじさんたちがシリアスなドラマを真面目顔で喜劇にしてしまう。杉村春子のように岡田茉莉子が快活にこのおじさんたちをギャフンと言わせるのがまた面白い。ところが単に笑ってばかりもいられない。完全喜劇じゃないので娘は結婚しても母はしない。披露宴後の「母一人の図」がなんとも寂しい。『晩春』の母娘バージョンだが、「父一人の図」の寂しさとはちと違う。父のそれは運命。しかしこの映画、母の場合は母が自ら「母一人の図」を選んでいる。世の常に習う父とは対照的にまるで何かに反抗するかのような、あるいは何か決心したかのような強さを秘めた「母一人の図」。この一癖がただならぬ。[DVD(邦画)] 7点(2009-03-09 17:40:12)

50.  東京流れ者 車が勢いよくやってきて建物の前で止めるシーンがあってそれをその建物の上からワンカットで撮ってるんだけど、その止め方が全然建物に沿ってなくておもいっきり斜めなんだけどそれも計算づく。その斜めに止まった車がめちゃくちゃかっこよく画面に収まるのだ。構図のためにカメラを動かすのではなく被写体をその枠に持ってくる発想。奇抜なようで構図はきっちりきまる。ハチャメチャなようでちゃんと考えてる。清順映画が楽しいのは基本が出来た上での自由な発想にある。最後の決着をつけるシーンのピアノだけがポツンと置いてある不自然な空間がいかにも清順&木村威夫がやりそうな画づらでまたそそる。そこで渡が見せる半ば失笑もんのアクロバティックな銃撃戦がまたサイコー。印象的なシーンは他にもゴマンとある。書き出してたらキリがない。[映画館(邦画)] 7点(2009-01-27 14:14:32)(良:1票)

51.  乱れ雲 話が進むにつれ司葉子がどんどん綺麗になってゆくのは錯覚でもなんでもなく演出でしょう。どう見たって綺麗になっていってるんだから。そこにはいろんなことからの開放と、やっぱり恋する女は美しいってのを表現しているのだろう。そしてどことなくお堅いイメージのいいところの奥様が、世間体を鑑みると許されるはずもない男へ情愛を持つというのが、いや、もちろん司葉子は凛とした立ち振る舞いを維持するのだが、なんというか、常識ある大人の女と、単に男に対して存在する女、との戦いがキリリとした顔の下でなされているのかと思うだけでゾクゾクしてしまう。メロドラマとしてはありがちな展開だけど実際にはそうそう無いだろうお話を、美しいロケーションも手伝ってリアルなお話とする。しかしけして美しい十和田湖も熱気がこもる車内も激しい雨も、お話をリアルにするためにあるのではなくて、全てメロドラマのためにある。その中で女だけが、司葉子だけがリアル。そこがたまらない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-03-06 13:33:00)

52.  変幻紫頭巾 マキノ正博監督、阪東妻三郎主演で映画化されたもののリメイクなんだそうです。フィクションでありながらいつも悪役として実名がさらされるかわいそうな老中・田沼意次を謎の覆面武士が懲らしめる物語。実物大の雛人形、というより雛人形という名の女を箱詰めでプレゼントされる田沼は滅法エロくも描かれちゃう。登場人物が多いにもかかわらず実に分かり易いストーリーは加藤泰の功績か? ニヤリとする口元超どアップはこの頃の他の工藤栄一作品にも見られるんだけど、あまりのどアップ過ぎに笑ってしまった。あと、忘れちゃいけない、花魁・花紫を演じる丘さとみがメチャきれい。花魁という役柄もあるんだろうけど、この頃の丘さとみの中じゃ一番だと思う。[映画館(邦画)] 7点(2008-02-25 14:19:30)

53.  まぼろしの市街戦 《ネタバレ》 精神病院の患者たちは楽しそうだし、ドイツ軍とイギリス軍は打ち合いであっという間に全滅しちゃうしで、かなり大袈裟に前者を支持する姿勢は喜劇だからもちろんいいわけで、実際面白かったのですが、喜劇のわりにメッセージがしつこいというか重々しいというか、、。もうちっとカラッとした感じにしてくれたほうが良かったんですが。例えばルビッチの『生きるべきか死ぬべきか』はその反ナチス性が良かったわけではなく、間といいテンポといい絶妙で単純に楽しくって面白いから好きなんだけど、この『まぼろしの市街戦』は面白さはじゅうぶんあるのになーんかマジメっつうか、、。いや、良かったですよ。だから7点なんです。私にとっては高い評価のつもりなんですが、今のところ8点が最低点なもんでちょっと言い訳がましいレビューになってしまいました。[ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-20 15:56:18)

54.  トパーズ(1969) 冒頭、ある屋敷から3人の家族が出てくる。それを追う様にして男が出てくる。スリリングな尾行、陶芸品の工房からのアイディアの効いた脱出劇、アメリカ大使館の救出劇、と、ここまでほとんど会話無し。で、これ以上ないほどの美しいオレンジ色に染まった空をバックにワシントンに向かって飛び立つ飛行機。これぞ映画ではないか!と思ったのですが、なんと一般的にはヒッチコックの駄作と言われてるんですか?これ。どうやら私は映画を見る目が無いらしい。たしかにヒッチコックらしいかどうかで言えば、らしくないかもしれないけど、面白かったんだけどなぁ。主役に華がないのはエンターテイメント映画としては減点かもしれないけど、本来表立たないスパイなわけだから華が無いのはある意味リアルだし、一人にスポットライトを当てないのは、さまざまな国とさまざまな人が絡むサスペンスを広い視野で見て捉えているからじゃないのかなぁ。カリン・ドールが床に倒れるシーンの美しさなんてかなり小まめな細工をしていると思われるし、複雑なスパイ合戦もわかりやすく見せてると思うんだけどなぁ。初めて観たのがちょうどこの手のシリアスなスパイ映画が好きだったころ(ポラックの『コンドル』とかも好き)だったからなのかなぁ。[DVD(字幕)] 7点(2007-11-13 13:01:46)(良:1票)

55.  華岡青洲の妻 出だしからいかにも文芸作品!って感じがして、なんとなーく重ーい空気が最初から最期まで充満してて好みではないのだが、屋内シーンがほとんどの中、登場人物それぞれの顔に当てられる照明が抜群に良く、とくに高峰秀子と若尾文子のツーショット時のそれは白眉。モノクロだからこの強い光が映えるわけだが、増村監督のモノクロ作品の中でも随一ではあるまいか。嫁姑のけしてあからさまではない激しい戦いは市川雷蔵と同様に見て見ぬふりをしたいのだが、一種崇高さをも漂わすその戦いぶりと、その時代の女たちの悲しすぎる宿命には目を見張らずにはおれない。増村に抱く勝手なイメージだともっと泥臭いドラマ(良い悪いは別にして)を想像してしまうのだが、この作品でちょっとイメージが変わった。ちょっとだけね。[ビデオ(邦画)] 7点(2007-11-01 13:41:52)

56.  赤い天使 舞台を戦場にしているのにエッチなほうにエッチなほうにもってゆくのがなんとも嬉しいのだけど、若尾文子って増村作品に限らずけっこう艶っぽいイメージのわりにおっぱいとか絶対見せないでやんの。あるんだろうけど私は見たことない。まあそれは置いといて、エッチな描写もしつつも、戦場の過酷さには一切手を抜いていなくて、暑苦しく誇りっぽい画面に展開される荒っぽい手術シーンや機械的に感情無く死体と怪我人を振り分けるシーンや体の一部を失くした軍人たちが呻き声とともにひしめき合う画づらの圧倒的な悲壮感とグロテスク感は凄まじいものがある。だからこそ若尾文子のまわりだけがまるで異空間のようになる軍医と看護婦のメロドラマがなんともいえない気色悪さを出していてかえって魅力的なのだと思う。後半の「西はいやです」「上官からの命令だ」「いやです」とかコスプレシーンの気色悪さといったら!なんといっても増村監督が後にテレビでやった「スチュワーデス物語」のノリですから。[DVD(邦画)] 7点(2007-10-26 11:16:41)

57.  飛べ!フェニックス 《ネタバレ》 飛行機が不時着するまでのほんの数分の冒頭部で搭乗者全員のキャラを見せているのが凄い。内二人はオープニングクレジット後には死体になっているのですが、顔は映らない。手だけ映る。それでも誰が死んだのかがその手と共に映されるギターの弦と「プレイボーイ」の表紙で判明できるようになっている。この冒頭部の極めて簡潔かつ的確な人物描写はその後のドラマにも影響し、苛立ちと不安が助長する理不尽な言動や行動に説得力を与えている。悲壮感が充満するドラマも映画のタイトルからおおよその結末を予想できるようになっているので、ひたすらそのシーンを待ち、ついにやってきたそのシーンに「待ってました!」とばかりにお約束の爽快感を味わう。それでも手放しに大喜びしていいものなのかと思わせる後味の悪いエピソードも挿入されているところがアルドリッチらしい。[ビデオ(字幕)] 7点(2007-08-09 11:40:22)(良:1票)

58.  すべてが狂ってる カメラが人物を追い、すれ違った人物にターゲットを変え、出会う人物にまたターゲットを変え、という長回しのなか、街中を自由に動き回るカメラが、そして流れるジャズがヌーヴェル・ヴァーグの模倣の象徴。大人になりきれない若い男女の破天荒な行動と愛が、そして当時の風俗描写が大島渚の『青春残酷物語』に端を発した松竹ヌーヴェル・ヴァーグの模倣の象徴。清順の映画に見えない。今や誰も真似の出来ない独自の映像美学を持つ清順がいとも簡単にヌーヴェル・ヴァーグを真似ることが出来るのは、基本がしっかりしているからなのだろう。そしてヌーヴェル・ヴァーグを高く評価するからこその模倣なのだろう。そのなかで面白いのはちょい役の吉永小百合の存在。ぜんぜん物語に絡まない。体を男の快楽のために提供することに慣らされた少女たちとは対照的ないいところのお嬢さんの存在は、環境の格差というものを見せているのかもしれないし、誰もが汚れを知らない純粋さを持っていたことの象徴として映されたのかもしれない。でも監督は鈴木清順。ただ使ってくれと言われたから使っただけかもしれない。[映画館(邦画)] 7点(2007-07-11 15:39:32)(良:1票)

59.  しとやかな獣 《ネタバレ》 ほとんどのシーンが団地の一室という舞台劇風な作りでありながら、カメラは部屋から部屋へ所狭しとアングルを変え、メインの画では高度成長期の日本の風景が常に窓の外に、画面の奥に映され続けることで映画たらんとしている。会話が多いが全く飽きがこない。それどころか面白さが途切れずに持続する。強烈に赤い夕日を浴びて延々と踊り狂うシーンはインパクトありすぎ!自分たちでは止められない狂った世界の象徴。そして破綻を予告する雨。破綻を知る山岡久乃の視線。一人勝ち逃げを予言していた若尾文子の良心の呵責。それでもやはり勝ち逃げするのだろうその冷静な妖艶ぶり。うーん、たまらん。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-11 12:02:22)

60.  エヴァの匂い ただ発される匂いだけで男を虜にし惑わせ腑抜けにする。としか説明しようがない。というのもこの魔性の女の性格が最悪だから。横柄だし高飛車だしわがままだし可愛くないし年くってるし。だから翻弄される男がよけいに哀れでしょうがない。どこに惚れるのか不明なのだが、この作品はあえてそこに触れない。女の素性をくどくど説明しないし、実はこんな可愛いところがあるのだとも言わないし、男の情愛にほだされて心変わりするなんてこともない。その堂々とした悪女ぶりが、嘘や虚栄心や後悔で塗り固められた男には魅力的なのだろう。モノクロで映される寒空の屋外風景が、そして流れるジャズが大人の、しかもかなりおしゃれな雰囲気を出している。室内の画はひたすら美しい。[DVD(字幕)] 7点(2007-05-09 10:39:52)

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