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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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41.  少女ムシェット 《ネタバレ》 貧しいことがまるで罪だと言わんばかりの世間の目。大人が課した少女の過酷な人生は、仮に小さな幸せが訪れたとしても不幸という大きな波にさらわれてしまう。野鳥が罠にかかってもがく。誰かが罠から外すという奇跡が訪れないかぎりこの野鳥の行く末はもう決まっている。どんなに抗おうとも無駄。弱い者の定め。どこかに少女の人生が好転する機会があっただろうかと再見してもやはり見当たらない。少女の人生は少女以外の罪深い大人たちと大人たちの作った社会によって決められているのだ。そのことを実に簡潔にして深く描いている。しかも少女の行動を通してのみで。少女は最後の最後に運命を捻じ曲げる。いや、ここでも彼女は自らの意思での行動を拒否しているのかもしれない。高いところから低いところへ転がるという現象に身を任せる。転がることにけして抵抗はしまい。これは運命なのだ。そう思って転がっているのだとしたら、キッツイなあ。映画はこの悲しい転がりを美しく映してしまう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-21 15:41:46)

42.  バルタザールどこへ行く ロバの憂いをおびた瞳が印象的。もちろんロバが演技をしているのではなくそう見えるようにしているのだ。これが演出というもの。ロバの歩く足元のアップが映される。道を変え、速度を変え、足が太くなり、、と次々とロバの歩く足元のアップが映される。冒頭シーンから数年後に舞台が移ったこととその数年の時間の重さを言葉以上に知らしめる。プロの俳優を嫌うブレッソンの映画をきっかけにこの世界に入った女優の一人で、後にゴダールのミューズとなるアンヌ・ヴィアゼムスキーの初々しさと初々しいからこそのエロスが淡々とした画面に潤いを与え、また全裸に剥かれた姿がいっそう痛々しく映される。と、ここまでは絶賛。例えばロバをこき使うという行動、女を手篭めにするという行動、金を盗むという行動こそを映像に置き換えるのがブレッソンの映画であって物語を映像に置き換えるものではないというのはよく解かるが、その物語がシンプルならそれでもいいのだが、これはちょっと散漫にすぎないか。よくわからない箇所がちらほらとあって困った。もちろん私の理解力にも問題があるのだろうが。父親の訴訟のいざこざも3度見てやっと(それでも漠然と)わかった。人殺し呼ばわりされてた酔っ払いのおっさんはいまだによくわからん。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-20 17:56:52)

43.  007は二度死ぬ 私が生まれた年の作品。この作品を面白い!笑える!と思えるのは日本人の特権だろう。特権なのだから存分に笑いましょう。当時の欧米人の日本のイメージがどういうものかを知る文化的資料にもなり得るかもしれない。日本人が世界的ヒット作品に出ているという優越感も得ることができるかもしれない。あるいはその違和感を楽しめるかもしれない。それ以外になにがある。いやあった。トヨタ2000GT。しかも本来あるはずのないオープンカー!って、なんでオープンよ。クローズドのほうがいいのに。だいたい正面からの画が少ないぞ。それからブロフェルドがついに登場!って、これまで頑なに姿を見せなかった謎の首領が出し惜しみなくフツウにいるよ。フツウにいすぎるよ。だいたいあの火山の基地はやりすぎだ。そうとうに金はかかってると思うがあれじゃ子供向け特撮怪獣ものだ。もしかしてリスペクトってやつ?[DVD(字幕)] 4点(2009-05-15 17:48:14)(良:1票)

44.  007/サンダーボール作戦 さすがに人気絶頂期だけに金かけてんなあ、派手だなあと。悪口じゃなく。これまでのチープ感が不満の一つでもあったわけだから。善悪ボンドガールもべっぴん。NATO爆撃機ごと核弾頭強奪というスパイ映画らしいスペクターの悪行もそのスケールのでかさも大満足。これこそが「007」。と思うところもあるんだけど、『ゴールドフィンガー』のレビューでも触れた現地諜報員の自害というスパイ映画ならあって当然の苦味がショーン・コネリーのいつもの緊張感ゼロのダンディぶりを常套とする「007」に合ってない。クライマックスの海中バトルも殺し殺される描写が動きがスローなぶん実に生々しい。「007」の最大のウリであるボンドのキャラが仇となる。無駄というか冗長なシーンも多々あり。でもまあ総じて「007」らしい映画だと思う。[DVD(字幕)] 5点(2009-05-14 15:10:51)

45.  007/ゴールドフィンガー 主題化が素晴らしいうえに一度聴いたらけして消えないインパクトを持っているため作品そのものも良かったような気にさせられる。べつに悪くはないのだが主題歌の荘厳さは作品には全く無い。とにかくボンドがへぼい。次回作『サンダーボール作戦』(ちょいネタバレあり)ではボンドの助手にすぎない現地諜報員が捕まったときには自害しているというのに、このボンド君てばレーザー光線がとりわけボンドにとっての大事な大事な部分を切り刻もうとしたときの嘘八百並べて必死に助かろうとするチキンぶりに唖然。かっこわる。そのくせそれでもダンディに振舞うってんだから笑うしかない。捕まってるのにこの緊張感の無さもボンドの有能さゆえの落ち着きというより危機意識の欠如したスケベ親父にしか見えん。だいたいその前のゴルフだってどっちもどっちの姑息なやり口。飛行部隊がみんな女ってのもその無意味なサービス精神に笑う。どうせならセクシー衣装にしろ。ガスをまく飛行機が上空を通過するだけで町中が眠ってしまうシーンだけ見るとコメディ映画にしか見えん。というかコメディなのか?これ。悪ふざけが過ぎるのか足りないのか、まあ中途半端ってこと。[DVD(字幕)] 5点(2009-05-13 16:59:38)(良:1票)

46.  007/ロシアより愛をこめて 『ドクター・ノオ』の陳腐なSFから一転、敵対するのがソ連であることだけでもかなりスパイ映画らしくなっている。といってもソ連を利用しているのはスペクターなのだが。続編であること、そしてこれからも続いてゆくシリーズであることを前提にしながらも1本のスパイ映画として上々の出来。前半のイスタンブールを舞台としたスパイ合戦は複雑なうえに「007」らしからぬ緊迫感を持っているが状況が緊迫感を持っているだけで演出でもっと緊迫感を煽ってもよさそう。アクションよりもサスペンスに重心を置いたのだろうがアクションが無いわけじゃない。ただそのアクションがイマイチ。見せ場のためのムリヤリな展開(ヘリ追跡やボートチェイス)を感じなくもなく、見せ場自体もこの作品ならではのものが乏しいようにも思う。それでもサスペンスの部分と随所に存在感を発揮する敵キャラが作品を向上させている。[DVD(字幕)] 6点(2009-05-12 12:41:21)

47.  007/ドクター・ノオ 私にとってのジェームズ・ボンドはロジャー・ムーアだった、というか「007」を大いに楽しんだ小学生から中学生の間ジェームズ・ボンドだったのはロジャー・ムーアだったんですが、やっぱりボンドはショーン・コネリーでしょ、とか言う大人たちの発言にショーン・コネリー版007に秘かに期待を膨らませてもいたわけです。おそらくはもっと本格スパイアクションだったのが回を進めるごとにお子様向けとまでは言わないが娯楽度が濃くなっていったのだろうと。と思って見たのが失敗だったのか。殺し屋三人組の淡々とした仕事ぶりが「本格」の期待を裏切らないオープニングを飾ってくれたが、ボンドのキャラは現実離れしたダンディさを纏い、ムーア版を超えるフェロモンをプンプンとさせて「本格」の「ほ」の字も見当たらない。ボギーをスケベにしただけじゃないか。しかもドクター・ノオのアジトへ入るとSFの世界が広がる。1962年という年代を考えればこのSF的展開こそが観客を興奮させたことは間違いないだろうし、ダンディなスケベというキャラもまた観客を魅了させたに違いない。そして子供時代に映画の楽しさを教えてくれた「007」の原型がここにあることも納得したうえで、やっぱり見せかけ重視の映画って古びるなあと。[DVD(字幕)] 4点(2009-05-11 18:31:19)

48.  秋日和 《ネタバレ》 小津の映画は基本喜劇のものが多く、これもその類。2年後の遺作となった『秋刀魚の味』のような3人のおじさんたちがシリアスなドラマを真面目顔で喜劇にしてしまう。杉村春子のように岡田茉莉子が快活にこのおじさんたちをギャフンと言わせるのがまた面白い。ところが単に笑ってばかりもいられない。完全喜劇じゃないので娘は結婚しても母はしない。披露宴後の「母一人の図」がなんとも寂しい。『晩春』の母娘バージョンだが、「父一人の図」の寂しさとはちと違う。父のそれは運命。しかしこの映画、母の場合は母が自ら「母一人の図」を選んでいる。世の常に習う父とは対照的にまるで何かに反抗するかのような、あるいは何か決心したかのような強さを秘めた「母一人の図」。この一癖がただならぬ。[DVD(邦画)] 7点(2009-03-09 17:40:12)

49.  おとうと(1960) 《ネタバレ》 姉というより母だ。父母それぞれの事情により姉が母とならざるを得ない状況が映される。その環境は同時に弟をわがまま放題の子供にしてゆく。姉はいっそう母になる。説明するほどのこともないから説明しない。状況の描写が的確にされているから説明がいらない。こういうことを普通にするのが巨匠といわれる人。しかし市川崑ゆえか岸恵子ゆえか、はたまた原作ものゆえか、姉が母ではなく女を見せるシーンがあるのだが、全く色気がないってのがどうも・・。映画的には弟への愛にエロティックさが現れても面白いかも。でもそれ以前に色気がなさすぎる。ラストの悲しい流れを断ち切るようなきりりとした動きは意表つかれました。弟がいなくてももう母でいることに慣れた自分を捨てられないってことなのか。[DVD(邦画)] 6点(2009-02-23 17:26:01)

50.  東京流れ者 車が勢いよくやってきて建物の前で止めるシーンがあってそれをその建物の上からワンカットで撮ってるんだけど、その止め方が全然建物に沿ってなくておもいっきり斜めなんだけどそれも計算づく。その斜めに止まった車がめちゃくちゃかっこよく画面に収まるのだ。構図のためにカメラを動かすのではなく被写体をその枠に持ってくる発想。奇抜なようで構図はきっちりきまる。ハチャメチャなようでちゃんと考えてる。清順映画が楽しいのは基本が出来た上での自由な発想にある。最後の決着をつけるシーンのピアノだけがポツンと置いてある不自然な空間がいかにも清順&木村威夫がやりそうな画づらでまたそそる。そこで渡が見せる半ば失笑もんのアクロバティックな銃撃戦がまたサイコー。印象的なシーンは他にもゴマンとある。書き出してたらキリがない。[映画館(邦画)] 7点(2009-01-27 14:14:32)(良:1票)

51.  砲艦サンパブロ 排外思想が激しさを増す中国を舞台に、その排外思想を生んだ元となる列強国のひとつでもあるアメリカ人の悲劇、などと書くと単純そうにも見えるが中国から利益を奪取する外国、そして自国のように堂々と存在する外国に対する憎しみを持つ中国人がいる反面、長らく在留する外国人を飯の種にする中国人もいるわけで、さらに中国国内が国民党軍と共産党による内戦状態であることによって非常に複雑な状況となっている。その複雑さは砲艦の機関室で仕事をする中国人との確執、対立、協調といった複雑な関係を見ても分かるとおり。この中でマックィーンが助手に抜擢する若い中国人とのジェスチャーによる会話が出てくるが、人種を超えて分かり合える可能性をロバート・ワイズは示唆しているのだと思う。歴史ものにありがちな中国人、アメリカ人という大きなくくりも無く、一人一人がそれぞれの事情と主張を持っていることをしっかりと描きこんでいるのも流石。国の利害を無視して人間としての正しさを全うしようとするヒーローが艦内で総スカンを食らうというのも痛々しいほどにリアル。3時間を越える長尺の中で見せ場は終盤に固まっているだけに前半は盛り上がりに欠けるが、このややこしい世界をここまで分りやすく描いていることに脱帽。長尺止むなしか。それにちゃんと長尺の倦怠をマックィーンの魅力で乗り越えている。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-22 17:07:11)(良:1票)

52.  天使の入江 《ネタバレ》 私はオープニングシーンにヤラレタ派。女が映されたかと思ったらあっという間に猛スピードでカメラが引いゆく。そこにミシェル・ルグランの感動的なピアノが乗っかる。確実に脳内に何か出ました。ただ、この音楽がこの後何度も何度も出てくるのにはちょっと辟易。音楽が大袈裟すぎて画が負けてる。 ルーレットは運が占める割合が大きいとはいえディーラーがどの位置で玉を離すかとかどこを狙っているかを読んでいくゲームなわけだが、この作品はそんなルーレットの魅力を見せようなどとはこれっぽっちも思ってない。もちろんそれが正解。病的なギャンブル狂の女がいるということを見せればそれでいいのだ。女と主人公の青年とはギャンブルに対する概念が違う。女にとってギャンブルはお金じゃない。「生」そのもの。ギャンブルをしているときだけ生きているのだ。だからそこから逃れることは出来るわけがない。その象徴がオープニングシーンなのだろう。それでもラスト、女は新たに生まれ変わるのだ。すでに聞き飽きた感動的な音楽と共に。もったいない。音楽は最初と最後だけでよかったのに。[映画館(字幕)] 6点(2008-12-04 14:59:28)

53.  シンシナティ・キッド 《ネタバレ》 若いギャンブラーが自信満々に登場すると、昨日書いた『ハスラー』のニューマンよろしく往々にして挫折というものが待っているものである。そこから起死回生するのが通常のパターン。ところがマックィーンは自信満々であってもイヤミではなく、クールな佇まいは延々と続くのだろうと思わせてくれる。画面に映っているのはキッドではなくマックィーンその人だ。だから挫折なんて考えられないのである。映画はまさにそのとおりに進み、マックィーンはマックィーンとして勝ち続ける。それでも映画になるのがマックィーンなのだ。と、思わせといてなんとも寂しい挫折で終わらせるという逆どんでん返し。なかなかお目にかからない展開だけにこれはこれでOKなのだが、如何せんマックィーンなもんだからイマイチ挫折感が伝わらないのが残念ではある。言葉少なくアクションも皆無の淡々としたポーカー映画の中でアン=マーグレットの生き生きとした存在が際立つ。サイテー女をここまで魅力的に演じられるのも珍しい。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-02 14:30:22)

54.  ハスラー 《ネタバレ》 ビリヤードのシーンはかっこいい。ワンカットでニューマンが続けざまにボールを落としていくシーンがあったけど相当練習したんだろうなあ。撞き方とかまたきまってんの。くわえタバコも様になる。目を見開いた顔はトム・クルーズそっくりで驚いた。 本当は自分が一番強いのだと信じきる我の強い若者が痛い目に合って大人になる・・なんていうありがちなお話ではあるんだけどそう言いきっちゃうほど単純でもないところがミソ。成長するターニングポイントはいきなりやってくる。数十時間に及ぶゲームで大敗するというカタチで。でもそんなことで成長できるほど現実は甘くない。次のポイントは女との出会いと女との生活。変わったように見えて変わらないのが作り物っぽくなくて良い。次のポイントが文字通りの痛い目。ここでようやく変わったと見せて実はここでも根本で変わらない。いや、なかなか深い。現実はなかなかドラマみたいにうまくいかないものなのだ。でも、、、、長いよ!!深いのはいいけど長いよ。[DVD(字幕)] 5点(2008-12-01 16:21:59)

55.  黄金の七人 子供の頃によくテレビで見ました。で、去年(だったか?)レンタル屋に並んでるのを発見して久しぶりに見たのですが、『黄金の七人』というタイトルが私の中でどうやら一人歩きしていたらしく、もっと「七人」がかっこよく活躍するイメージになっちゃってたのでちょいと拍子抜け。でも無駄のない分り易い展開と貫かれる軽いタッチは老若男女に受け入れられる娯楽作なのだとあらためて思わされた。いかにも60年代のシャバダバ系音楽(これはなんというジャンルなんだろう?)とファッションが作品に色を染める。このお洒落さとヒロインの過剰にならない(ファッションは過剰だけど)お色気とコメディがうまくかみ合っている。[DVD(字幕)] 6点(2008-11-06 11:47:30)

56.  バットマン(1966) 《ネタバレ》 ジョーカー、ペンギン、リドラー、キャットウーマンが手を組んだ。史上最強の敵を迎え撃つバットマンとロビンがお馴染みの歌に乗って颯爽とバットモービルで出動!単に演出がヘタクソなのかそれともギャグなのか判断しかねる微妙なラインを攻めてくる。セットも小道具もチープなのかギャグなのか判断しかねる微妙なラインを攻めてくる。バット梯子って・・(笑)しかも「BAT RADDER」って書いてあるだけのただの梯子なんですけど。でもみんな一生懸命に戦っている。ラストも意味なくビルの窓から帰るのだが、ロープ垂らして降りてゆくなら(しかもゆっくりと)普通に玄関から帰ればいいんじゃ・・・(笑)。いや~、脱力系バットマン。和ませてもらいました。[DVD(字幕)] 5点(2008-10-17 15:16:06)(笑:1票)

57.  熊座の淡き星影 《ネタバレ》 観終わってみると、名家の没落後を描いたものだし、家族の崩壊が描かれてもいるし、たしかにヴィスコンティの映画なのだが、なんか毛色が違う。モノクロだからか?それとも音楽のせい?妻の実家に到着するまでの洗練された明るくモダンな作風とその後の妖しく暗い展開のアンバランスさは狙ってのものだろうが、正直、思ってたのと違うといった拒否反応みたいなものを少し感じた。大きな屋敷はヴィスコンティ映画らしい絢爛豪華さは皆無でむしろ「没落後」なんだとはっきり解からせるかのように寂しい雰囲気で被われている。そしてモノクロの黒が触れられたくない過去の遺物を包むように全編を被う。物語は姉弟の再会シーンの妖しすぎる抱擁にただならぬ関係を露呈させながらも、亡き父を、そして亡き父がいた生活を愛するがゆえの母への憎悪という、物語の根底ともいえるキーワードによって真相と行く末を混乱させてゆく。この混乱がドキドキワクワクといったものではなくイライラに近いものなのだが、ヴィスコンティお得意のズームアップが、ここー!ここよー!!この表情を見て!!ここ大事よー!!!といちいち合図してくれるので、停滞ぎみの物語から離れようとするたびに引き戻されてしまい、いつのまにかえらいこっちゃな結末へとなだれ込む。これも狙い通りなのだろうか。あと、このクラウディア・カルディナーレはどうも美しくない。あきらかに目元に過剰なメイクがなされていて、ゆえに何か意味があるのだろうが、やりすぎのような・・。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-09-18 16:29:42)

58.  仮面/ペルソナ 《ネタバレ》 ベルイマンはもともとこの作品に「映画」というタイトルを考えていたが却下されたらしいのだが、言われてみれば一方が語り続け、もう一方が黙ってその語りを楽しむという構図は映画と観客そのものである。過去のベルイマン映画を模倣するように「奔放な夏」「情事」「堕胎」が思い出話として語られ、さらに「夫婦関係」「母性の欠如」が露呈され、ベトナム僧侶の焼身自殺のニュース映像やナチスSSと思われる男たちの前で手を上げる幼い少年の写真などはまさしく「沈黙する神」を象徴しており、極めつけは登場人物の名前が過去のベルイマン作品の登場人物の名前をつけられているという徹底ぶりをして映画が模倣されてゆく。意味なくカッコイイと思った実験性に富んだ冒頭部もフィルムのスタート部分が使われているし、少年の前に大画面と化した空間に人の顔がぼんやりと映し出されるシーンもやっぱり「映画」をモチーフにしている決定的シーンと言える。女優が観客となり現実と虚構が入れ替わる。これは経験をしていないのに経験をしたような気になる「映画」というものを映像で表現した映画である。たぶん。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-23 17:44:46)

59.  沈黙(1963) 「神の沈黙」三部作の最終作であるが、ここまでくると何が神の沈黙なのかさっぱり理解できない。もちろんこの作品が「神の沈黙」を描いていようがなかろうが映画の評価とは全く関係のないものなんだけど、この作品自体がいったい何を描きたかったのかがイマイチ掴めない。言語の通じない架空の国において姉はなんとか老給仕と身振り手振りで会話をする。姉は言葉の異なる者同士の架け橋役である翻訳者でもある。妹も言葉を使うことなくカフェのボーイと一夜を共にする。妹の息子は最初こそ老給仕の身振り手振りから逃げ出し、恐怖や疑念から意思疎通を拒むが、じきにいっしょに遊ぶまでになる。その一方で言葉は通じるのに全く意志の疎通が成されないのが姉と妹である。相手を理解せず、疑い、憎む。戦車が街にいきなり現れる終末感漂う世界観は姉妹のいざこざを「戦争」と結びつけているのか、反対に不安を煽る社会が姉妹を互いに反発させているということなのか。とにかくこの独特の終末ワールドだけはなかなかのインパクトを持っている。[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-07-16 12:54:38)

60.  冬の光 「神の沈黙」三部作の2本目。ベルイマンはこの作品によって作家としての劣等感から解放されたという。それまで創造の障害となっていたものが取り払われたからということらしい。創造の障害となっていたものとはおそらく宗教観だと思われる。作中の主人公は牧師でありながら『鏡の中にある如く』の作家同様にキリスト教的な神に疑問を持ち自らの神を作り出す。そこに牧師ゆえの葛藤がおこる。このウジウジ感が見苦しい。タイトルにもあるように光に気を使っているらしく、なんでも光で心情を表現しているとか聞いたことがあるが、私にはそこまではよく解からなかったんだけどたしかに美しい画であることは認められます。それでもお話が暗すぎる。全編で孤独に苛まれながら苦悶しているだけなんだから。[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-07-15 15:38:38)

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