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プロフィール
コメント数 3929
性別 男性
年齢 53歳

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41.  現代やくざ 与太者の掟 「現代やくざ」というタイトルですが、菅原文太演じる主人公はむしろ古風なところのあるヤクザで、その彼が、仁義も何もあったもんじゃない現代的なヤクザ組織に立ち向かう、といった趣向の作品。 それにしてもまあ、様々な登場人物が次から次に、出るわ出るわ。仮釈放で出所した主人公が、電車内でスリに遭う、無賃乗車を疑われているところを通りすがりの男に助けられる、パチンコ屋では隣の台の刺青師のオッサンと知り合いになる、オッサンの元に刺青を入れにチンピラがやってくる・・・と、まさに次から次に脈絡なく人物が映画に登場し、ちゃんと彼らが皆、ストーリーに絡んでくるのが、スゴい。なかなか巧みな脚本、ではありますが、こんなペースで登場人物を増やし続けて、果たして無事に若山富三郎の登場まで辿り着けるかどうか。 菅原文太の出世作とも言われるだけあって、暴れ回る姿、その勢いは格別のものがありますが(いや、いつもこんな感じかな?)、山城新伍が追われるシーンなどで傾けられたカメラなどは、まるで深作欣二作品かと思わせる鋭さがあって、映画自体が勢いを感じさせます。 一方で、菅原文太が単身、殴り込みをかける決意をする場面、子分に対する厳しい表情が一種だけ和らぐあたりなどは人情味も感じさせ、こういう部分は降旗康男監督らしさ、なのかな、と。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-10 22:47:54)《改行有》

42.  昭和残侠伝 唐獅子仁義 冒頭、高倉健と池部良の対決からいきなり始まって「昭和残侠伝なのに?」と、ギョッとしますが、映画終盤にはちゃんと「確かに昭和残侠伝だわい」という展開になる。どうやったって、この運命から逃れることはできない二人、なんですなあ。 映画開始早々に池部良が死んでしまったら、そりゃマズいだろう、と思ってたら、当然のごとく死んではおらず、しかし対決の際に左腕を失って、いささかヤサぐれてしまってます。ヤサぐれても池部良なので、品があります。品があるので、多少、迫力には欠けます。 ひょんなことから、出所した高倉健と知り合いになる親分が、志村喬。セリフ回しがいささか覚束ないように思えて、大丈夫か?と一瞬思うものの、要するにコレ、任侠道のカッチリした喋り方ではなく、砕けた感じ、気さくな感じの表れなんですね。一見やさしそうな好々爺、だけど親分としての貫録はしっかりと垣間見せる。うん、でもやっぱりただの爺さんだ。 さらに、ちゃらんぽらんな待田京介が物語に絡みますが、これもまた、別の人懐っこさがあって。なにせ主人公ふたりが取っつきにくい雰囲気を漂わせまくってるので、周囲の人たちがユーモアと人情を醸し出してます。 で、藤純子。この作品、「三角関係モノ」であるはずなのですが、どういう訳か対立関係に至る事なく、三角形が見事な調和を成しているという、これはもはや、健全と言ってよいのか不健全と言ってよいのか。しかしこの三人なればこその、違和感の無さ。この違和感の無さに違和感を感じるかどうか、それが問題だ(笑)。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-05 10:25:52)《改行有》

43.  斬る(1962) 《ネタバレ》 冒頭、いきなり藤村志保が短刀を抜いてご乱心、という場面から始まり、このシーンが何を意味するかは映画が進むに従って明らかになっていくのですが、それはともかく、彼女の役名が「ふじこ」。確か「男はつらいよ」に出演した際の役名も「ふじこ」でしたよね。いくら苗字が藤村だからって、誰か彼女にちゃんとした役名を考えてあげておくれ。 この作品、70分少々のコンパクトな作りで、歳月があれよあれよという間に過ぎていく。多少、置いて行かれた感も無きにしも非ずですが、とにかくそういう作品です。脚本は新藤兼人。この時点で多少なりとも警戒してしまいます。。。 作品の中に「樹木」が再三、登場するのが、目を引きます。主に登場するのが梅の木、梅の枝。年月が経ち、また新たな春を迎えた、ということでもあり、また主人公の思い出にも繋がるのでしょうが、この梅が、さまざまな形で登場します。場合によっては凶器(!)にすらなっちゃう。 しかし梅だけではなくって、藤村志保が処刑されるシーンでは朽ちた木がそばにあり、はたまた雷蔵が養父と妹の復讐を果たす場面では周囲を枯れ木が点々と取り囲み、人外境そのものといった光景。 あるいは、実の父・天知茂の隠遁生活を囲む、森の緑。 主人公の人生に影響を及ぼした3人の女性、そして「父」の存在、そういったものを交えつつ、剣に生きた主人公の生涯と運命を描くには、この作品の短さは物足りなく中途半端な印象もありますが、見どころは多く、何より、思いつめたような雷蔵の表情が、映画によくマッチしています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-05 08:23:54)《改行有》

44.  進め!ジャガーズ 敵前上陸 ポップアートというものの定義が「そう呼ばなきゃ他に呼びようがないもの」だとしたら、この作品など、まさにその通りの作品です。 テキトーでメチャクチャで、なんか、楽しい。何の臆面も無く「続なんとかのガンマン」とか「なんとかピエロ」とかのパロディが展開され、果てはスポンサー企業の宣伝まで。自由過ぎる。 しかしそのデタラメさの背景には「戦争」というものが垣間見えて、戦争さえ終わればこんなにアホらしくてクダラないことだってできるんだ、という、条件付きの自由だったりもして。まだ、戦後、なんです。 そういえば、いつまで「戦後」が続くのか、などと言われてきたけど、気が付いたらあまりそういうことも言われなくなってきて。気が付いたらすでに「戦後」は終わってしまってた、ということなんだろうか。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-09 00:16:07)《改行有》

45.  網走番外地 南国の対決 「網走」に「南国」というミスマッチ感覚、これは要するに「行け!!南国アイスホッケー部」みたいなもんですかね。違うか。 今回の舞台は南国も南国、沖縄。北から南までを股にかけ、世間は狭いというか何というか。 だいぶギャング映画のテイストが入ってますが、日本刀振り回す任侠映画テイストもあり、さらには少年との交流、母子愛。これがまたエエ話なんです。 つまり、何でもアリのごった煮の世界。一種の治外法権。当時の沖縄が置かれた状況。とは何の関係もないと思うけど。 とにかくエエ話なんだから仕方がない。結構、シンミリさせられます。 と思ったら、終盤近く、例によってあのレジェンドが登場して爆笑を誘い(マジで笑った)、気持ちよくすべてをブチ壊しにしてくれます。素晴らしい。[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-09 00:12:36)《改行有》

46.  でっかいでっかい野郎 冒頭、男がひっくり返っていて、死んでいるのかと驚く女性、平気な坊さん。しかし倒れていた男が身動きして生きていることがわかると、今度は坊さんの方が驚く、というツカミ。 でもでも、さらに驚くのは男の正体で、なんとヒゲゴジラ。じゃなくって、ヒゲモジャの渥美清。いややっぱりヒゲゴジラなんじゃないか、これは。 このあたりのシーンから、のどかな光景の下に広がる町が見えて、いいんですねえ。この映画、随所に「いい光景」が登場します。 ストーリーはもう、あるのやら無いのやらの行き当たりばったり、最後はホントに唐突に終わります。このテキトーさが、いいんです。 さしずめ、男はつらいよエピソード0。寅さんも柴又に帰ってくるまでの若き日の放浪時代は、こんな感じだったんじゃないかと。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-07 22:33:28)《改行有》

47.  ごろつき(1968) 健さんがキックボクサーを目指す、という、ちょいと異色の映画。だけど結局は、任侠映画以上に任侠映画らしい展開に。このクライマックスの殴り込みの激しさと言い、健さんが自作の主題歌を歌うシーンと言い、なんだか健さんのヤクザ映画総決算みたいですが、実際はこの作品の後もまだまだヤクザ映画路線は続きます。 弟分の役に、菅原文太。ですが持ち前の眼光の鋭さの割りに、イイ人っぽい役柄で、菅原文太でもいいのだけど、何となく川谷拓ボンで見てみたいタイプの役でもあります。 それにしても、作中でもホメられてますけれど、健さん、実にいいカラダしてます。最初はヘタクソなところから、次第にキックボクシングが上達してくるところまで、小気味よい動きを見せてくれます。が、試合のシーンはさすがにもう少し、スピード感が欲しかった、かな。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-05 22:41:11)《改行有》

48.  イカリエ‐XB1 SFの「F」は、フィクションのFなのか、それともファンタジーのFなのか。しかしなるほど、科学で彩られた世界を突き詰めれば、機能美といったものをさらに飛び越えて、幻想味を帯びた不可思議の世界となっていく。それが「SF」というものの行き着く先なんでしようか。この作品も多分に幻想性を感じさせます。 電子音楽の使用だとか、ロボットの登場だとかは、先行作品として『禁断の惑星』を思い起こさせ、さらに本作からは『2001年宇宙の旅』への影響なども指摘されているのでしょうが、それよりもコレ、『エイリアン』への影響が大きそうな。 老朽化したノストロモの描写はさすが、『エイリアン』の独自性ですが、それでも宇宙船の中の光景に、本作の影響が見られそう(水のイメージまで!)。謎の宇宙船に遭遇し、内部に乗り込むとそこには死に絶えた遠い過去が封印されている。幸い、宇宙生物に襲われたりはしないものの、元の母船に戻ると早速、食事のシーンがあったりして。まるでコチラの作品の方が『エイリアン』をパクッたんじゃないかとすら思えてくる。んなアホな。 それにしてもこの作品、何に圧倒されるって、後半の孤独感というか寂寥感というか、異様な不安を感じさせられるんですよね。これは確かに、『2001年~』に通じるものかもしれないけれど、とにかく一体、この不安感はどこから来るものなのか。未来という「遠くの世界」に来てしまった不安であるのなら、まさにこれがSFの醍醐味、真骨頂と言えるのかも知れませぬ。 それにしても、フランス六人組のなかで、この時代まで名前を残すのがオネゲルだけだったとは(笑)。[インターネット(字幕)] 9点(2022-04-03 22:22:15)(良:1票) 《改行有》

49.  ギャング同盟 《ネタバレ》 内田良平と佐藤慶が「いかにもギャングです」というイデタチで仲間を集めていて、そのあまりにギャングな格好が、どうにもダサいのですが、ギャングなんだから仕方がない(笑)。集められる仲間というのがこれまたサエない面々なんですが、サエなくてもそれなりに味がある、ので仕方がない。ダサかろうがサエなかろうが、いやむしろそれ故に、スタイリッシュな作品になってます。 で、彼らは何ゆえに仲間を集めているのかというと、その目的が、巨大組織(?)の会長の誘拐。武装して組織に乗り込み、派手に部下どもを殺しまくって、首尾良く誘拐に成功。ついでに誘拐してきたのが会長の娘。これがまた、よく見ると小悪魔的な美人ちゃん。しかしさらによく見るとそれは、若き日の三田佳子。ああ、歳月は残酷。って、大きなお世話。 とにもかくにも誘拐に成功し、身代金をせしめようとするが、そこからがうまくいかない。敵に囲まれ、絶体絶命。映画は籠城モノの様相に。 そしてクライマックス。ひたすら銃撃戦、これでもかと銃撃戦。クルマに積まれたダイナマイト(中盤に一度登場、そのシーンが格好いい)もさらに戦いに加わって、ド派手に盛り上げます。 何というか、低予算ならではの荒々しさ、みたいなものがありますね。これは。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-29 22:30:30)《改行有》

50.  喜劇 急行列車 冒頭の東映マークが何かのマチガイではないかと思えるほど、のんびりまったり、松竹風味。 そしてあの懐かしき、のんびりまったり、国鉄テイスト。これじゃあ、民営化されちまう訳だ。 しかし一方で、列車内で妊婦が(お約束通り)産気づく場面では、「あと45分で次の停車駅です」などと言いながら、列車を走らせ続けたりして。なんで途中の通過駅に列車を止めないんだよ、と言いたくもなりますが、いや、正確な運行こそ、すべて。これぞ鉄道のロマン。 かどうかは知りませんけど、とにかく、長距離夜行列車が舞台ということで、変わりゆく景色が作品の魅力であります。さまざまな景色の中を、列車は走り続ける。 列車内のトラブルあれやこれや、といった内容で、小ネタが多く、まとまったストーリーはあるような無いような、ですが、その小ネタの積み重ねの中に、夫婦のあり方というものをそれとなく見せてくれます。 特急ではなく、あくまで急行。人生って、そういうもんでしょ、と。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-22 22:36:04)《改行有》

51.  男の顔は履歴書 男の顔は履歴書、だなんて言われても、とても私の顔なんぞまるで履歴書っぽくはないのだけど、これが安藤昇だとドンピシャ当て嵌まる。「現在」の顔は眼鏡にヒゲの典型的な中年オヤジ風、しかし頬の傷は間違いなく、彼の過去を語ってます。さらにはこの、冷たい眼光。この顔ならば、セリフが棒読みであればあるほど、かえって迫力が。 そこから場面は敗戦まもなくの、闇市へ。この後も時代がアチコチに飛び、さらには中途半端な独白が入ったりして、多少ヘンな映画ではあるのですが、それでもなお、独特の迫力が。 朝鮮人の一味の横暴なども描かれるけれど、登場人物それぞれが皆、それぞれの言い分、それぞれの思いがあって。あ、菅原文太はあまり無さそうですけどね。 クールな安藤昇の弟役に、伊丹十三。「ゆーとぴあ」かと思ったぞ。とくに言い分が多そうな役で、映画を盛り上げます。 でもって、映画にさらに迫力をもたらしているのが、例によって独特のローアングル。そしてクローズアップは、被写体が画面からはみ出んばかり、まさに、はみ出るかはみ出ないかの臨界状態。 クライマックスの銃撃戦、斬り合いも、もはや、尋常なものではなく、凄まじいエネルギーを放ってます。 ちょっと意外な、しかしこれしかないだろ、という絶妙のラスト。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-17 22:52:45)《改行有》

52.  ゼロの焦点(1961) これ以上短い「ゼロの焦点」は作れないんじゃないか、と思うくらいの細密充填構造。折りたためる部分は徹底して折りたたみ、コンパクトに仕上がってます。 ラストは定番中の定番(それともこの作品が元祖なのか?)、断崖絶壁の上。と言いたいところだけど、ラストというより、後半まるまる、といった感じ。これも映画をコンパクトに仕上げる工夫かもしれないけれど、それにしてもこの断崖の、見事な絶景ぶり。ロケーションの素晴らしさでもって、作品の素晴らしさが約束されたようなもんです。 原作は、松本清張の代表作の一つでありながら、社会派の要素が強く、ミステリとして読むと少々物足りない気もするんですけどね。映画はまた違った魅力を付け加えてくれました。[インターネット(邦画)] 7点(2022-03-10 23:02:35)(良:1票) 《改行有》

53.  スペシャリスト(1969) 主人公が一匹狼的なガンマン、規格外の存在、世俗のゴタゴタからは一線を画した男、異邦人・・・ ってのはいいんですけど、それを象徴するクライマックスが「大量のケツ」って。 気持ちはワカランでもないけど、イマイチ見栄えがしない・・・。[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-13 15:05:08)《改行有》

54.  太平洋奇跡の作戦 キスカ アリューシャン戦線についてはアッツ島玉砕ばかりが語られている印象で、私もこの英語が無ければキスカ島なんて、知らなかったかも。 戦争映画とは言え、撤退作戦を描いた作品。爆撃シーンが随所に挟まれるけれど、引き込まれるのはやっぱり、撤退作戦の行方。しかしまず、こんな極寒の地にも日本兵が送られてアメリカ軍と戦ってたんだなあ、という感慨こそ、この作品の映像がもたらす最大のインパクトかも知れません。 もちろん、大がかりなロケ撮影だけでなく、ミニチュアによる特撮もまた見せ場。というか、ミニチュアとの合成映像の巧みさが、とてつもなく効果を上げてます。 タイトルからして、作戦はどうせうまくいったんでしょ、という想像はつくものの、作戦の困難さにはヤキモキさせられて。その中で下される「決断」、これが映画を動かし、我々の心を動かす。 この後も泥沼のような戦局が続くとは言え、いったんは大団円。兵士たちの笑顔。たまにはこういう笑顔で終わる戦争映画があったって、いいじゃないですか。三船敏郎はハッキリとした笑顔を見せないものの、まるで笑みがこぼれるのをこらえるような、イイ表情で映画を締めくくってます。[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-06 12:58:37)《改行有》

55.  エレキの若大将 《ネタバレ》 邦衛さんがとても大学生に見えない、というのはさておき(年齢の問題以前に、学生には見えない「何か」がある。ような気がする)、今回は「エレキの若大将」、という、加山雄三ど真ん中のテーマ。 こういう、「私は何でもできます」的な顔をして、実際ホントに何でもできそうな若大将みたいなヒトが、どうもニガテです。さらにそれをまるで鼻にもかけずに当たり前のように何でもこなすもんだから、ますますニガテ。勿論、鼻にかけられても苦手な事に変わりないけど。 そんな若大将こと加山雄三が、映画の最初と最後はアメフト(アメラグ!)で活躍し、中盤はエレキで活躍しまくる、まさに加山雄三の魅力あふれる、彼の魅力以外には何もない映画。 ファンには、たまらんでしょうなあ。ニガテな人にとっても、別の意味でたまらん。 金銭的な事情から大学を去らざるを得ないか、と思いきや、まさに芸は身を救う、というヤツで、ハッピーエンド。なんだか実人生とも被ってるような。[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-30 13:16:55)《改行有》

56.  去年マリエンバートで この作品を見てると、何となくムンクの絵画を想い出しちゃったりします。例えばあの、「生命のダンス」の、生命感の無さ(笑)。 映画にしては人物の動きが乏しく(まるで調度の一つとして存在するような)、しかしカメラはその壮麗ながらも空虚な雰囲気の中を、緩やかに動き続けたりして、どこまでも、落ち着かない感覚。噛み合わない視線。 話によれば、一応は整合性みたいなものを内在しているらしく、謎解きをすれば出来なくは無い、というコトなのかも知れないけれど、私のような不真面目な人間には手に余るので、分析してみようなんて気は全く起こりません。例えば、セリーがいくら厳格なルールに基づく作曲技法であったとしても、それが聴き取れないのでは、如何ともし難いワケで・・・。 菊地秀行さんが著書(「怪奇映画ぎゃらりい」)の中で、怪奇映画ベスト100の一本としてこの作品を挙げてたような記憶が何となくあるのですが、確かにこの作品、そういう楽しみ方が一番楽しめるような気がします。[インターネット(字幕)] 7点(2022-01-30 10:34:16)(良:1票) 《改行有》

57.  5時から7時までのクレオ 自分はガンなのではないか、と不安を感じている女性歌手の、診断結果ご出るまでのひと時。 冒頭、占いで悪い相が出たもんで不安になっちゃいました、ってんだから、カルメンじゃあるまいし。イマイチ深刻さもなく、階段を降りる姿からは早くも不安の影が薄れてきて。 しかし機嫌良さそうにしてるのか、と思うと、何かにつけて縁起のよろしくないものを目撃し、またへコんでしまう。カエルを飲む人間ポンプのオジサン(←ヘタクソ)も、縁起が良くない部類に入るんですかねー。 本人は不安なんでしょうが、見てて何となく、笑ってしまう。ご愁傷さま。 さまざまな街の光景、人の姿が脈絡無く登場し、そうは言っても本人にとってはカウントダウンの真っ最中。というほどの切実さも無いのだけれど、些細な事物や出来事が画面に次々と現れるうちに、気がつくと時間が迫ってきて。 都会の生活って、こんなもんでしょ、、、?[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-29 12:26:18)(良:1票) 《改行有》

58.  ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗 アンチ巨人にとっては、地獄のようなひと時でした(笑)。 主人公の長島(←当時)茂雄を演じるは、これはもしかしてプリティ長嶋か?ってなワケは無くって、若き日の長嶋さんご本人。 本業の野球ですら大概、ハラハラさせられるのに、映画一本まるまる主人公を演じるなんて、もうハラハラしまくりで、見てて気が気じゃない。 という程でもなく、そりゃ本職の俳優には敵わないし、イチローほどの演技力も無いけれど、何だかノビノビと、楽しそうに演じてます。脇を固める王さんもまた、なかなかのもので、結局、演技の面で足を引っ張ってるのは、川上監督か・・・。 V9以前のジャイアンツですが、人気のほどがうかかえます。一種のお祭り映画。少年の不幸な事故死など、ドラマチックになりそうなエピソードを、織り込んだ直後にはほぼ忘れ去ってしまい、前年のペナントレースと日本シリーズが(こんな言い方、当時はしてなかっただろうけど)、そのまんま、描かれてます。 これって要するに、結果を知ってる昨夜の試合について、わざわざスポーツ紙を買って読んで、反芻する、みたいなもんですかね。 そう言ってしまうと身も蓋もないけれど、まさに「長嶋さん」だからこそイヤミがなく、「長嶋さん」だからこそ成立する映画。簡単なゴロをいかに難しく処理するかに情熱を傾けた、不世出の大スター。 しかしあの天覧試合の最後はやっぱり、「さよならファウル」だと思うのだけど(by村山)。[インターネット(邦画)] 5点(2022-01-23 21:37:38)(良:1票) 《改行有》

59.  人生劇場 続・飛車角 《ネタバレ》 前作の最後でまず間違いなく飛車角は死んだと思うのだけど、死体を確認するまでは油断するな、というワケで、実はちゃっかり生き残ってて服役中、という設定。 弟分にあたる存在が、前作の高倉健から長門裕之に代わっただけで、だいぶコミカルな感じが出てきますが、実際、映画の前半はコメディ調と言えそうな雰囲気。 だいたい、佐久間良子が気性の激しい女性の役、というのがいかにも無理があって、可笑しさに繋がってます。 ところが中盤からは舞台が満州となって、えらくぶっ飛んだオハナシになってきます。満州の地でも相変わらず着流し姿の鶴田浩二。ハッキリ言ってヘンですけど、でもシビれます。 なんだかだんだん、国際スパイ映画になっちゃうのじゃないか、というくらいのスケール感になってきますが、それでもあくまで、任侠モノ。 殴り込みとはひと味違うクライマックスで、ラストはちょっと感傷的に過ぎるかな、という気もしますが、でも、いいじゃないですか。 いやまさか、今度もまた、蘇ったりして・・・。[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-22 22:33:15)《改行有》

60.  ならず者(1964) またも香港ロケ、と聞くと、もしかして同年の作品『東京ギャング対香港ギャング』の余りフィルムで一本、でっち上げたのではないか、などと邪推をしてしまうのですが、おそらくそんなことは無くって、あのザラつきまくった映像は今回は見当たりません。 が、ロケならではの独特の雰囲気(どこかアヤしく、いかがわしさも感じさせる)、ってのは本作でもしっかり味わう事ができます。 特に今回は、香港から横浜、さらにはマカオ、という、ある意味フルコース。 主演の健さん、いかにもギャングです、という格好をした、一匹狼。まずは殺しを成功させるものの、思わぬ展開が待ち受ける。 基本、スマートでクールな役柄ではあるのですが、殴り合い取っ組み合いのシーンがなかなかに凄まじい。中国人の婆さんをシバキ上げる場面の容赦の無さ。丹波哲郎と殴り合う場面などもヒヤヒヤさせられます。終盤の乱闘の激しさもまた。 いや、この作品、カッコいいです。[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-21 23:00:02)《改行有》

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