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プロフィール
コメント数 900
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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41.  砕け散るところを見せてあげる 《ネタバレ》 「目に見えないし手も届かない。あるって言っても誰も信じてくれない、私の空のUFO」 清澄と玻璃が共有したこのUFOは、何だかとても心に残りました。ちょくちょく出てくる何だか子供騙しにも思えるCGの UFOは、普段なら失笑ものなんでしょうが、何故だかこの映画では笑えない、二人の心中を表すとても大事な心象風景となっていました。 「いつからか、玻璃のUFOはおれたちのUFOになっていた」 きっとUFO=不条理に降りかかってくる不幸、もやもやした感情、自分にまとわりつく悪環境、のようなものを指しているんだろう。そういう意味では私の頭上にもずっとUFOは浮かんでいる。 玻璃の喋りかたのせいか、話の進み方はとてもゆっくりしているのに、何故ここまで見入ってしまったんだろうか。一分数えてと言われたらきっちり一分を計り、おしるこのお餅をもらったことに素直に感動し、その優しさに素直に感謝し。。。玻璃の表現の一つひとつが微笑ましく沁み渡る。とても良い子だ。悲しいくらい。 玻璃の父、堤真一さんが出てきたあたりから話は急変する。鑑賞前に見たあらすじから、玻璃に何か後ろ暗い過去や猟奇的な一面でもあるのかと思ったら、そういう話ではなかった。 そして、父親の存在となぜか荒れきってる玻璃のクラスの雰囲気が少し唐突感はあった。父は何故あんなふうになってしまったのか、学校は全体的に落ち着いて見えたが何故あのクラスだけあんなことになっていたのか、もう少し背景を知りたい気がした。 おばあさんの件があってもまだ父を信じようとしていた玻璃も、お母さんのスーツケースとピアスを見つけた瞬間に父を信じようとしていた気持ちは嫌悪・憎しみに変わっていった。最終的にそれは殺意となるわけだが当然のことだと思えた。 事件のショックで記憶を失い一時は清澄と離れてしまったとは言え、二人がまた出会えてしかも結ばれたことは本当に嬉しかった。清澄は本当の玻璃はあの事件の日に置き去りになっていると表現していましたが、それでもなお二人が新しい二人として関係を始められたことに意味があると思う。人と人との深い心の結びつきや、人の心の醜さ・温もりなどを同時に感じる映画だった。タイトルの指すところがわかりにくいが、エンディングの歌もじっくり聴き入ることができて、じんときました。文句なく良作です。[インターネット(邦画)] 9点(2022-08-04 16:35:26)《改行有》

42.  まともじゃないのは君も一緒 《ネタバレ》 好きなシーンがふたつあります。秋本さん、君島さん、柳くんで突然恋愛話を繰り広げるシーン。もうひとつは宮本にひどい扱いを受けたのに無理矢理自分を納得させようとする秋元を本気で叱る大野さんのシーン。見てるこっちがなんだかあったかい気持ちになったり、なんだか泣きそうになったりしました。 「あんた誰?」と君島さんに言われ続けながらも人が人を好きになるメカニズムについて探り続ける秋本さんと、2人で思い出話にふける君島さんと柳くん。あんなに堂々と赤裸々に自分がその相手をどう好きになったのか語ることなんてこれからあるだろうか。語りたいなぁ。なんだか爽やかだし羨ましいとも感じた。 大野さんが秋本さんを叱るシーンも凄かった。それまではいかにも数学の人って感じの無機質な回答しかしてこなかった大野さんが「普通」というTHE・文系の概念に対して疑問を呈す。 「君の言ってる普通は何かを諦めるための口実なのか?」 「『普通はこうだから』とか『普通はそうじゃないから』とか、なんで自分で考えないんだよ!?」 効いたなぁ、、、このセリフ。 数学でも他の何かでもいいんですけど、何か一つにのめり込んだ人ってとにかくピュアで、その対象が何か他のことに及んでもそうやって育ってきた性質は変わらなくて、だからやっぱりピュアで。そういう人が何かについて意見を述べるときのパワーはすごいものがある。 だが、現実にはそんな人、、、いないんだよな。 昔大学時代に一人だけそんな人がいたけど、彼はどうしてるんだろう。なんかそんなことを思い出した映画でした。めっちゃ良い映画です。おすすめです。[インターネット(邦画)] 9点(2022-07-10 18:12:28)《改行有》

43.  君と100回目の恋 《ネタバレ》 恋愛映画としては正直よくあるものだなーという印象を受けました。が、ラストの歌と「このレコード、食べちゃっていいからね」が最後の最後でこの作品を深く、彩りのあるものにしてくれたと感じました。 まずは歌。個人的な好みですが、歌詞で聴かせる歌というのが大好きです。時かけの実写版みたいだなぁとなんとなく二番煎じ感で見ていたのですが、陸のノートで葵海を何度も死なせてしまっているのがわかった時、時間を戻せるレコードがあるのに陸の母は早くに亡くなっていることに気づいた時、そして葵海はやはり助からないという結末を迎えた時、とっくに二番煎じ感は無くなっていました。そういったストーリーを全て含んだ上でのラストのあの歌の歌詞は反則です。少し若者向けにラブコメ感やご都合主義がありましたがあえて深くは突っ込みますまい。ひとつのヒューマンドラマとして楽しめました。 そして「このレコード、食べちゃっていいからね」。最初このレコードもチョコレートで出来ていると分からなかったのですが、そのセリフでそうなんだと。かつて陸がやったチョコレートレコードのオマージュなのですが、亡くなった最愛の人からのメッセージなんて針で擦り切れるまで何度も何度も聞きたい、まして食べてしまうなんて出来るわけがない。そんなものをチョコレートで作るなんて、すごく残酷で、でもはっきり毅然とした「前を向け」というメッセージなんだなと思いました。 思えば今の世の中ってこれと全く真逆だと感じます。昔からある卒業アルバムや現像された写真などはいざ知らず、今は身の回りには途方もない容量の記録媒体やクラウドサービス、SNSなどが溢れ返り、人々は少しでも気になるものはすぐ写真や動画に撮りそれを保存し、誰かと共有する。きっと探せばかなり古いメールや写真のデータなどみなさん結構あるんではないでしょうか。 私たちはそういうものを保存して、所有して、なんだか財産が増えたような気になって安心する傾向があるように感じます。別にそれ自体が悪いことだとは思いません。そういう私もすぐ何かを写真で撮ったりするタイプなので。ですがこの映画はそうではなく、次々現れる出来事や人との出会いを、何十年も保管できるハードディスクに保存しておしまいにするのではなく、すぐ消えるチョコレートだと思って今すぐ全力で楽しみなさいと言っているように感じました。 本当にそんな意図で作られた映画かはわかりませんが、私はそんな意味で捉えて楽しむことができました。もし製作された監督さんなどの意図と違っていましたらすみません。あしからずご了承のほど。[インターネット(邦画)] 9点(2022-07-04 21:58:39)《改行有》

44.  罪の声 《ネタバレ》 なんて言えばいいんだろう。。。どこから書いていけばいいのかわかりませんが、とにかく見応えがあって、面白かった。まずはそこです。 原作は既読です。随分前に読んだきりですが。ですが個人的には映像化されたこちらのほうがより引き込まれました。物語自体もとても面白かったのですが、私が惹かれたのは小栗旬さん演じる記者=阿久津さんの記者としての姿勢でした。興味本位で人の人生を暴き立て書き立てる記者とは違い、彼は曽根俊也と接する中で記者としてのあり方に疑問を呈します。「あんたらは面白おかしく記事にして、でもこっちはどうなる?妻と子供もいるんです。子供の未来はどうなる?」 彼は元社会部の記者であり、事件の被害者の生の声を聞きながらも、それが他社を出し抜けるネタであるかどうか計算してしまう自分が嫌になり、社会部を辞め文化部へ。しかしこのギン萬事件をきっかけに再度記者としての自分を問い直す彼の姿を見ることが、この作品のもう一つの魅力でした。報道とは公正中立であるべきですが、かつ、取材対象に寄り添うことも両立できる記者なんていたらどれだけ良いだろう。阿久津さんはそんなことを思わせてくれました。曽根俊也が言うように、取材対象の娘を怖がらせてしまって、咄嗟に娘のことを慮り、嘘をついてその場を取りなす、そんな男ならとても好感が持てる。そんな人間ドラマが見れるという、それだけでも価値のある一作です。 利用して子供のその後の人生など顧みもせず、自分たちの所業を「正義」と言う曽根達雄に語りかける阿久津さんの言葉は重くもしかし痛快でした。本当に、こんな記者がいてくれれば良いなぁ、と思わずにはいられない映画でした。 そして、エンディング曲も素晴らしかったです。良い作品は、曲も作品に合っていて聴いていたくなりますね。[インターネット(邦画)] 9点(2022-06-10 01:02:04)《改行有》

45.  流浪の月 《ネタバレ》 舞台挨拶付きの上映というものを初めて観ました。観賞後に役者さんたちや監督さんから、用意されたセリフではない生の声が聴けるのはとても興味深かった。それも踏まえた上で感想を… 直後の舞台挨拶で、「まだ余韻も冷めやらぬ中…」と言っていましたが、本当に余韻を強く残す映画だと思いました。史は本当に小さい子しか愛せない男だったんだろうか。自分の持つ障害のことを最後嘆いていましたが、それが故に大人の女性に愛情を抱けないのか、そもそもそんなことは関係ないのか。ですが変な意味ではなく、少女の更紗を史が優しく接したり時に唇に触れてドキッとする様子はもう男女の仲だと言えるのではないだろうか。少なくとも彼らはお互いを必要としていて、お互いを尊重していて、更紗とリョウのような壊れた関係よりよっぽど健全だと思いました。ただ当時の更紗はまだ少女で、おばの家でそこの息子に悪戯されるような劣悪な環境だとしても、そのおばが保護者でありその管理下を離れて男性と一緒に住めばああなってしまう。自分も腫れ物に触れるような扱いを受け、相手の男性にもとても大きな社会的ダメージを与えてしまう。そう考えると本当に切ない話だと感じた。 個人的に、他人の人生にズカズカ入ってくる人は嫌いです。何の関係もない人の性癖をばかにしたり、誰かの過去をやたらとあげつらったり。その最たるものがマスコミで、私は彼らが嫌いです。最近はスマホでどこでもいつでも写真、ビデオ、録音ができるようになり、マスコミ予備軍みたいな人が溢れていることもかなり嫌。なんでみんなそんなに他人のことに首突っ込みたがるのか、よくそんな時間あるな。私は自分の興味ある人のことにしか時間は割けません。それでも手一杯なのに。 で、そんな私からしたらあんな風に報道されるのはあり得ない。週刊誌って全然読みませんが、あんな風にマンションのベランダや公園で座ってる写真も撮られるんですか?気持ち悪い。もっとみんな自分のことやってればいいのに。 少し現実的な話をすれば、更紗と史も少しうかつかな。リョウに史のお店もバレてる状態で史のお店に逃げ込んでもそりゃああなっちゃうよね。嫌がらせは論外ですが、あのリョウの感じだと刃物持って殴り込んできてもおかしくなかった。史も史で、事実とは違うとはいえ幼女趣味でマスコミにバシバシ写真撮られて住所も特定されてる状況で、あの子を預かっちゃいけないだろう。あの子を守る意味でもそこは考えて欲しかったな。 「君は君のものだ。」そのセリフが好きです。そして自分の所有権を手にした更紗が、「私は史のものだから。」と言うのもさらに好きなセリフです。良い映画でした。[映画館(邦画)] 9点(2022-05-24 21:24:53)《改行有》

46.  バブル(2022) 《ネタバレ》 「人魚姫」を現代風アニメに作り直したらこういう感じになりました、と言ったところでしょうか。泡の発想も人魚姫のストーリーから取ったのかな。最近テレビを有機ELに替えましたが、めちゃくちゃ綺麗な映像にまずはびっくりしました。そしてパルクール、個人的にとても興味があります。そんなことに挑める年齢ではありませんが、SASUKEくらいならやってみたい気持ちはある(笑)そんな映像美とパルクールを中心に構成される作品の躍動感は見ていてとても楽しい。なんとなく見始めたのが、結果最後まで見てしまいました。 ただ少しリアリティに欠けるとは思いました。バブルの中の東京は捨てられたとはいえ一応中に人間は普通に入れるし生活も不可能ではない。バトルクールなるパルクール遊びに興じる少年たちの遊び場になっているが、全く大人の介入がない世界なんてそうそう簡単に手に入るものなのか?別に泡に入っても害はないとわかればいくらでも人は入ってきそうなものだ。「葬儀屋」under takerがその立ち位置を担っていたのかもしれないけど、もっと無差別に人の出入りがあっても良いんじゃないかと思った。 そもそもあれだけある泡の中でなぜあの泡にだけ意思があって、それが形を成せたのか、なぜウタはヒビキの前に現れるまで5年も待たなければいけなかったのか。ひびきのピンチに咄嗟に助けようとしたからなど理由はつけられると思うが、そこはみている側にスッと落ちるようなディティールが欲しいと思いました。 とまあ色々述べはしましたが、上述のようにこの映画の映像美と躍動感は単純に凄まじいと思います。それだけでも見る価値はある。そこに何を見出すかはその人次第だが、少なくとも私は心が洗われたし気持ちの良い見応えのある話だと思いました。[インターネット(邦画)] 9点(2022-05-24 14:34:54)《改行有》

47.  きみの瞳(め)が問いかけている 《ネタバレ》 体にジーンとくる映画でした。人と人との出会いって本当にかけがえがなくて、あとで思うとあり得ないくらい幸福な出会いってあるよなぁと思わせる映画。もちろん出会いなんて人それぞれで、幸せな出会いがあればその逆もあるだろうし、この映画のように幸せな出会いがただ幸せのみの平坦なものではなく、その途中にあり得ないほどの谷底や壁がある時もあるでしょう。映画なので出来すぎた展開と言えばそれまでですが、それでも私はこの映画が好きだと言いたいです。 出来過ぎというか、一言だけ、いやそれはさすがに、と言いたくなったのは、明香里が男性に無警戒過ぎること。職場の上司に付きまとわれるような女性が、元々駐車場で働いていた年配の男性と2人でテレビを見たり、ちょっと仲良くなった「おじさん」を部屋まで呼んだりってちょっとあり得ない。明るい良い子だなとは思うが、家族や付き合ってる男性はこんな奔放な女の子、気が気じゃないだろうな(苦笑) ラスト、明香里は声と触覚でしか塁を知らず、塁は声で明香里に伝えられず、すくは自分の鼻でわかることを2人に伝えられず。当たり前のことだけど、目で見、耳で聞き、声を出し、直接触れたりにおいをかいだり、そういったコミュニケーションを取ることで人は人を知れるんだなと思いました(犬もいますが)。zoomなどでももちろん実際のコミュニケーションよりは難しく感じますし、LINEとかの文字だけのコミュニケーションなら尚更ですよね。改めて実感させられた気がしました。 シーガラスのくだり、とても好きです。 「ガラスもここまで削れたら誰も傷つけない。傷ついたことがある人は優しくなれる」[インターネット(邦画)] 9点(2022-04-15 23:03:21)《改行有》

48.  ルパン三世 お宝返却大作戦!!<TVM> 《ネタバレ》 ルパン感は90点。個人的にはとても好きな作品です!お宝返却大作戦と銘打ちながらもそこまでの過程は盗みとそれほど変わらず。作中次元も言っていましたが、むしろ盗むより返すほうが難易度は高そうですね。その中でも、盗んだ真実の口をコロコロ転がして戻したり、スーパーカーを展示されてるレプリカにぶつけてそのまま入れ替えるとか、アニメならではのコミカルな返し方はやはり見ていて楽しい。 最近、アニメや漫画の実写版をいくつか見たのですが、やはりアニメだからOKで楽しめる表現というものがあると思う。逆に実写だからこそ楽しめるものもあり、その二つはなかなか相容れないのではないかと思う次第です。合うものもあるかもしれませんが、なかなかレアケースな気がしますね。 デジカメで証拠写真を撮って送信というのも面白い。今では当たり前に思える技術ですが、これがやっていた2003年当時くらいだとまだデジカメや携帯カメラも出だしくらいで、撮ったものが自動ですぐ送信されるなんて画期的だったのでは。 相変わらずの次元のリボルバーへのこだわりや、ロシア美女の扱う銃が古い型だったり、ルパンのワルサーであったり、スパイアクションとして楽しめるというのもルパンシリーズの良い点ですね。 最後に、今回のお宝はああいう形のものだったわけですが、初めに書いたように個人的にはこういうお宝は大好きです。心に残る誰にも盗めないお宝って良いですよね。これを見てサグラダファミリアに興味を持ち、ガウディを知り、死ぬまでに行ってみたい場所の一つになりました。 ただ、トリックダイヤに群がるマフィアやチンピラはどの程度あのお宝のことを知ってダイヤを求めていたんでしょうね。ああいうお宝と知っていればあんな血生臭い連中はそもそも寄り付かなかったはずで。そりゃまあこれはルパンシリーズなんでああいう展開になるのはわかるんですが、その流れにちょっと無理やり感を感じてしまいました。 気になったのはそれくらいで、あとはとても好きな話です。ルパン好きなら是非オススメしたいですね。[インターネット(邦画)] 9点(2022-03-14 18:29:14)《改行有》

49.  レッド・ノーティス 《ネタバレ》 私事ですが、今ちょうど個人的にルパン三世シリーズを古い順から観てレビューをつけていっているところなのですが、久しぶりに洋画を観ようと何の気無しに観始めた映画がもうこれは実写版ルパン三世!!実写ながらもコミカルに軽快に立ち回る様はまさにルパン三世のそれでした。面白かった! 美術品泥棒とそれを追うICPOの刑事がメインで、さらにそこに不二子ちゃん的なキャラクターやルパンガール的美人女刑事も加わって、、、いやこれ本当にルパンの実写じゃないですよね?原作にモンキー・パンチがクレジットされてないのか探してしまいました(笑) ピンを一本抜いて工事現場の足場を崩すシーンとか、高級車に乗ってかっこよくエンジンを掛け、BGMも煽ってさあいくぞ!となった瞬間に事故って終了とか、ロケットランチャーをヘリの腹をくぐらせて回避するとか、観ていて楽しめる洋画の怪盗モノって感じです。なんだか出ているキャストの方々もみんなイキイキ楽しそうにやっているように見えるし、これは是非シリーズ化してほしいなあ。『アイズ・ワイド・シャット』や『ジュラシック・パーク』などちょこちょこ他の映画も引き合いに出して展開する会話も映画好きには嬉しいですね。「そうだ!ジェフ・ゴールドブラムだった!!」とか言ってる間に牛にドーンて、いや死ぬでしょ(笑) 世界の色んな場所をロケーションにして撮影しているのもまた観ていて面白い。もし知っている場所があったりしたらまた楽しくなるんでしょうね。・・・ありませんけど。そういう意味でももし次作があるんなら日本での撮影も期待してしまいますね。 オススメの映画です。Netflixでしか観られないのが少しもったいない気もします。[インターネット(字幕)] 9点(2022-02-18 20:07:02)《改行有》

50.  ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密<TVM> 《ネタバレ》 ルパン感は90点。前に何度も鑑賞したせいか見慣れた感や既視感が強くてとても見やすかったです。ルパンが古畑任三郎のモノマネをするっていうのも当時を思い出せて良いですね。古畑任三郎、面白かったなあと昔を振り返れました。 ララは近年では珍しい、快活で健気なとても良い子で、『カリオストロ』のクラリス以来じゃないかと思うようなできた子でした。不二子のようにお宝狙いでギラギラしているでも無く、裏の顔を持ってて最後にルパンや仲間たちを騙したりするのでも無く、ただ一族の復興を目指し何でも明るく前向きに受け止め、誰にでも分け隔て無く接することができる彼女の姿は、あらためて魅力的だと思いました。ルパンとの砂漠旅の道中の、その凜とした横顔は印象的です。 貞千代もキャラが立っていて良いですね。過去に五エ門と何があったかは深くは語られませんがどうやら五エ門は道を誤った元同門を粛清に来たようである。ところどころコミカルな絡みもある彼らですが、最後は真剣勝負。得意の鞭を切断され武器を失った貞千代は腰に帯びた刀で五エ門に応戦するのですが、その刀がなかなかの業物だったようで、なんと五エ門の斬鉄剣を折ってしまう。斬鉄剣を折るほどの達人・貞千代の勝利かと思いきや、あわれ自らが折った五エ門の剣が背中に刺さり、貞千代は崩れるのであった。 ただこの映画、金曜ロードショーなどで小さい子どもなども見ているであろう時間帯の中で(むしろ子どもがメインの視聴者層でしょうし)、当時としてはけっこう刺激的なシーンがいくつかありました。まあルパンシリーズでお色気シーンは約束のようなものですが、今のようにスマホなどで一人鑑賞では無く、お茶の間で家族みんなで見ていたとしたら・・・、けっこう困った家庭も多いんではないでしょうか。他のシリーズよりもこの『トワイライト』がそういう傾向が強いために、この作品好き、と言いにくいことがもったいない気はします。まあ私はもう大人なので、普通に評価しますね。[インターネット(邦画)] 9点(2022-02-09 19:32:59)《改行有》

51.  七つの会議 《ネタバレ》 全く予備知識がない状態で鑑賞してなんだか池井戸作品みたいだと思っていたら、池井戸作品でした(笑) はじめはノルマや会議偏重の会社気質を皮肉ったコメディテイストの映画なのかと思ってみていたらオリラジの藤森が出てきたりドーナツの無銭飲食とか、なんだかちょっとしたいちオフィスのいざこざを見せられて終わるのかと思いきや、いつの間にか八角さんを探る話になり、いつの間にかネジの話になり、いつの間にか大規模リコールを隠す大会社の隠蔽体質の話になっていました。 個人的にエンドクレジットでの八角さんの語りは最高でした。あんな粋なエンドクレジットならずっと見ていられる。いわく、このようなデータ偽装や隠蔽の問題が起きるのは、「会社の常識>世間の常識」「サムライ文化から来ている藩(会社)を守ろうとする日本人のDNA」が問題であってだからこういう問題は無くならない、というもの。語りに引き込まれました。実際、転職という文化があまり浸透せず、仕事を辞める(変える)人を、だから長続きしないやつ、とかこのくらいで辞めるな、とかいかにひとところで長く続けるかが美徳みたいなところが日本にはありますしね。私は全然組織に心酔するような会社人間ではありませんが、それでもやはり一つのことを続けること自体は大事だと思っています。それを周りにも求めたり、人の命より金、誰かの人生より会社、となってしまったらこの話のようになるんでしょうか。 家、車、家具、家電など、いまほとんどの人はお店やネットで売ってる顔も知らない誰かが作ったものを購入して、それに囲まれて生活しています。この映画のように本来リコール対象のものがきちんと発表されずに今家の中にあるのかも…なんて考えてしまったりして。でも資本主義の社会で生きるってことはそういうこととは切り離せないんだろうとかも思ったりして。森の中で仙人のように生活したりするなら別ですけどね。 野村萬斎さんのおかげで話に引き込まれ、とても楽しめ、また考えることができました。とても良い、オススメの作品です!![インターネット(邦画)] 9点(2022-01-09 00:22:49)《改行有》

52.  バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 昔から10数回観ているのに、なぜかレビューをしていなかった『バイオ2』改めて観てみました。私はやはり『1』と『2』が好きですね。アリスが超能力を使うことなく、銃火器や格闘などの純粋なアクションが格好いいので。今回『3』も同時に観ましたが、 ※以下、『3』のネタバレにもなりますので未見の方はご覧にならないようお気をつけください。 アリスが火を操ってカラスを全滅させたり、怪物の触手を目の前で止めたり相手を手を触れずに吹っ飛ばしたり、、、そういうのではないんだよなぁ。そこらへんが明確に『2』までとそれ以降で違うところですね。 本作は、ジルの登場シーンやネメシスvs S.T.A.R.Sなど、見どころが多くとても気に入っている映画です。英語の勉強にも使っていましたが、表現も分かりやすくて良いですね。ゾンビ好きなら一見の価値ありの映画です。[インターネット(字幕)] 9点(2021-11-22 10:28:30)《改行有》

53.  42~世界を変えた男~ 《ネタバレ》 いま当然となっているものでも昔はそうでなかった。あるいは何らかの歴史の上に成り立っている「いま」であった。そういうことを知ることができる映画でした。 自分が日本人だからか、それとも今の時代に生きているからなのか。黒人差別と言われてもピンとこないというのが正直なところです。まあ日本人にしてみれば白人も黒人もどちらも「外人」であってその感覚そのものに隔たりはありませんから。あえて「外人」と書きましたが日本人もある意味「外人」に対して偏見を持っていて、無意識もしくは無条件にそういう感覚を持っているという意味では黒人差別と通じるものがあるのかもしれません。 さて舞台は第2次世界大戦直後のアメリカ野球界。当時は野球選手と言えば全員白人というのが当たり前で、黒人選手など一人もいなかった。黒人は野球選手としてどころか社会から排斥されて不当な扱いばかり受けていた時代。黒人というだけで飛行機は無理やりキャンセルして白人に渡され、トイレやシャワー、その他公共施設も白人と同じものを使うことは許されなかった。そんな中で野球選手としてBranch Ricky(=Harrison Fordさん)に見いだされ、史上初めての黒人選手Jacky Robinsonが誕生するというお話。 万人に見せる映画なので一見きれいなドラマに仕上がっていますが、「実話に基づく」とはいえここで描かれた以上のこともたくさんあったんでしょうねえ。シンシナティとの試合で、純粋に野球が好きそうな白人の子供が、その父親がロビンソンを口汚く野次っているのを見て自分もそうすべきなのかなと逡巡した挙句、「この黒人やろう!出ていけ!」と野次を始めたのはショッキングでした。自分が日本人で、今の時代に生きているからその異常性がわかりますが、なんて悲しいことなんでしょうか。逆にいまのこの日本の社会の中で自分たちがそういうことをしていないか、子供たちにそんな差別意識の伝達をしていないのか、改めて思いをはせてみる良い機会となりました。 ただ上述のように万人向けの作りになっていたため、本当の黒人差別のひどさを知ることができたかというと少々物足りなかったか。例えばこれをその時代に生きた黒人の人に見てもらって、「これで当時の差別のひどさが十分伝わりますか」と聞けばおそらく不十分と言われるような気がする。少し鑑賞者のレートをあげてもよいからもっと踏み込んでほしかった。これを観た人全てが、黒人を卑下するあの言葉を使うことを心から忌避してしまう、そんな映画を。実際にこれを観た黒人の人の意見も聞いてみたいと思いました。[インターネット(字幕)] 9点(2021-09-07 15:10:19)《改行有》

54.  劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん 《ネタバレ》 かなり面白かったです!大杉漣さん演じるドラマverも観ていたので入り込みやすかったことも手伝って、すぐに世界観にハマれました。自分はあまり人とコミュニケーションを取るのが得意ではないタイプなので、いまいちこういうチャットで仲間を作るネットゲームというものの良さがよくわかりません。ゲームならリアルの友達とその場で盛り上がるやつか、それこそ一人でRPGをするかくらいなものです。ですが、そんな私でもこれを観ると少しやってみたくなりますね。 突然仕事を辞め、昔から距離があって理解し難かった父親とゲームを通して絆を作ろうという「光のお父さん計画」。息子は息子であることを隠しながら父親をゲーム内でサポートします。はじめは経験者である息子が父親のアドバイザーとして常に側で支えてあげる役割を果たしていたが、現実の仕事に悩む息子を、そうとは知らない父親が逆に支えてあげたり。父親は父親で相手が息子とは知らず家庭に対して父親がどう考えているかをゲームを通して知ってしまったり。決して一方的ではなく、相互に絆を作っていく過程が見ていてとても良かったですね。 どの話も良かったのですが、特にお茶漬けのエピソードと、娘の彼氏のお笑いライブを見に行くシーンはなんだかジーンときました。 最後、病院を抜け出した父親をネット内で見つけた時、もう息子はそこで自分が息子だとばらし病院に戻るよう説得するのかと思いました。「なんでそうしない!?」と心で叫ぶ自分もいて。ゲームどころじゃないだろうと。しかし、「ツインタニア」という敵に対して、ただのゲームの敵として以上の価値を見出している父親を止めることはできず、そのままバトルへ。正直バトル中はずっと「そんなこと親子でしてる場合じゃないだろう…」とイライラのような感情も沸いてきましたが、バトル勝利後の父親の語った想い、そしてようやくきちんと「息子」と出会い、約束を果たせたことに感動しました。結果オーライといったところですが、探して心配しまくった奥さんと娘は気が気じゃなかったでしょうね。 とても良かった。自信を持って人に勧められる映画です。[インターネット(邦画)] 9点(2021-08-13 02:48:13)《改行有》

55.  コンテイジョン 《ネタバレ》 2回目の鑑賞です。初めて観た時はもう10年近く前で、まさかその時はこんなに現実とリンクした映画になるなんて夢にも思わなかった。 映画の感染症はもちろんコロナではないし症状も違いますが、未知のウィルスに対する人々の恐怖や、対処の仕方がとてもリアルだった。専門家批判が起きたりWHOが何かに忖度して情報隠しをしてるんじゃないかとか、いくつかはコロナで実際にあったことと全く一緒で、Rノート係数の話など、映画がかなり入念に作り込まれたものなんだということを変に実感しました。作り込みで唯一気になったのは、感染が広がって咳き込む人を見て危ないと思うのに映画の中では医療関係者以外ほとんどマスクを付けないこと。まあこれは今だから言えることでお国柄の問題もあるかもですが。 感染症の、いわゆるパンデミックって、おそらく人がそれこそ機械のように完全に統制されたコントロール下で動くことができれば簡単に収まるんでしょうね。その考えの下で映画でも現実でも共通して思うことは、やっぱり人の心なんて完全に制御なんてできないんだなということ。自分のでもコントロールしきれてないのに、ましてや他人の行動なんて制御出来るわけがない。感染症を止めるためにまさに粉骨砕身で働いていたチーヴァー博士も、家族を助けたい一心で妻に内部情報をリークして公開情報より一足先に避難させようとする。そこにあるのは、「感染を止めたい、しかし家族を危険に晒させたくもない」といういたって真っ当な人間の考え方。人間がまともであればあるほど感染は止められないというジレンマを見た気がした。ワクチンにしても、理路整然と人々に順番に支給されるわけではない。奪い合いがあり、譲り合いがあり、騙し合いがある。形は違えど、今のコロナとそう変わらない状況に心がざわざわしながら鑑賞しました。 DAY1の描写はただただ見事。最後の最後で感染源・経路が明かされることで視聴者は感嘆しつつスッキリできましたが、これも今となっては現実に対する皮肉のようになってしまって映画の出来に対してではないモヤモヤを抱えながらのエンドクレジットとなりました。[インターネット(字幕)] 9点(2021-07-26 00:32:52)(良:1票) 《改行有》

56.  RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 《ネタバレ》 以前にも一度観たはずなのですが、ただただ感動してしまった。ジーンとさせようとしてるなーって何となく感じてるんですけどね。分かっててもジーンとしてしまう。それはもう仕方ない(笑) 一流企業に勤めセカセカと働くことに何の疑問も持たず生きてきて、それが友人の死と家族の状況の変化を受け一大決心をする49歳のおじさんの話。こんな歳のおじさんだからこそ魅力的な話の展開になっています。仕事仕事で家族も蔑ろにしていたら気持ちにも余裕がなかったのが、夢だったバタ電の運転士になってからはまるで憑き物が落ちたよう。家族ともゆったりとしかし誠実に向き合い、運転士の仕事にもまっすぐに取り組む。「仕事?楽しいよ。恥ずかしいくらいにな。」縁側で娘とスイカを頬張りながらこう答える父はなんだかとても格好良い。また中井貴一さんっていうのもぴったり合っていたので良かったんでしょう。あの歳でも精悍な佇まいで、地元の人にも愛されそうだ。 多少古い映画ですが、こんな田舎の牧歌的な地方電車ですら、時代の変遷も感じてしまった。少し遅れてくる乗客のために電車を待たせたり、乗客の荷物を運んであげて電車を止めてしまったら、失礼ながらこんな田舎の電車でもやはりあのくらい怒られるんですね。それにSNSも。当たり前ですが、なんだか昭和的に寛容に許されてきたことはもう許されなくなってきてるんだなーと感じてしまった。実生活でもそれはすごく実感することが多いですが、この時代・このロケーションですでにそうなっていたことに、いささかショックを受けました。そしてやはりこれは映画なので、中井貴一さん演じる筒井さんは地元の方の応援のおかげで事なきを得るんですが、実際は筒井さんと同程度の人が現実にいたとしてもああはならないだろうなとも思ってしまう。冒頭に書いたように分かってはいるんですが、そこはうまくいきすぎですよね。 ある程度それまでに稼いでいたり、奥さんが今バリバリ働いているから父親がこんな自由にできるんだろうとは思いますが、それを差し引いてもこの昔の夢を再度追いかける行動力や、仕事に真摯に向き合う姿勢は見習いたいと思いました。色々立ち帰るところを思い出せた映画となりました。[インターネット(邦画)] 9点(2021-07-17 01:35:05)《改行有》

57.  メランコリック 《ネタバレ》 思っていたよりずっと良い映画でした。 そして松本くんを演じていた磯崎義知さん。彼が抜群に良かったので印象に残りました。髪の毛マッキンキンでいかにもまともに仕事とかできなそうな彼ですが、人当たりはとても良くて、言葉は不器用ながらも周りのことをちゃんと考えて気遣いができる、好青年でした。鍋岡くんが殺しの仕事についてどんなに無知でどんなに使えない人だとわかっても彼は常に鍋岡くんを「和彦さん」と呼び敬意を忘れず接していました。最後、撃たれて怪我をした松本くんを必死になって助けたくなるのもわかります。プロフィールを見ると磯崎さんは武道の心得もあるとかで、作中のアクションも素人目からも動きが違うと思いました。いろんな要素が輝いている俳優さんという印象でした。これから注目したい。 舞台は銭湯。通常は普通の銭湯として営業してるそこは、深夜には殺し屋の殺人スペースとして借り出されている、というなんだか面白そうな設定。他だと、中身が設定についてきていない映画とかもあるんですが、これは設定と中身の雰囲気もバッチリ合っていました。松本くんと和彦くんが「黒い仕事」を終えた後に二人で肩を並べて銭湯の湯に浸かってる様はなんだかほっこりします。ロケーション、良いですよね。 そして、和彦くんの最後のナレーションが心に響きました。すごく共感できる、いい言葉でした。自分のための備忘録的に、ここに文面を起こしておきます。 「人生には何度か、一生これが続けばいいのにって思う瞬間がある。何もかもが完璧で、幸福で、この瞬間のために俺は生きてきたんだ。そう思える瞬間が、本当に何度か。そして僕たちはまさしく、その瞬間のためだけに生きてるんだと思う。その、何度か訪れる瞬間のためだけに。それで充分。うん、それで充分だと思う。」[インターネット(邦画)] 9点(2021-06-25 22:07:12)(良:2票) 《改行有》

58.  最強のふたり 《ネタバレ》 金持ち、貧乏、障害者、健常者。世間ではそういった要素ごとにバリア(障壁)があることが普通で、「人類みな平等」と世間では謳われているものの現実はそう言葉通りにいくわけではない。が、この二人の関係は見ていて心地良い。介護者と被介護者という関係でありながらお互いに気を使ってるようなところがなく、良くも悪くも明け透けに振る舞う。周りが聞いていてヒヤヒヤするような発言も二人の間ではストレートに届き、それを見ていた周囲も段々二人の相互理解を理解していく。そんな感じでした。 なぜこの二人はここまで「つながった」のでしょうか。それだけが最後までわからなかった。ドリスがフィリップのプライベートを垣間見たり、一緒に夜の散歩に出たり、段々と関係を積み重ねていって親密になっていったのはわかるんですが、「これ!」っていう出来事はなかったように思う。実話に基づいているということで、本当に映画で見たエピソードしかなかったのかもしれないし、実はもっと何かあったのかもしれない。車ぶっ飛ばして捕まったら「病院に急いでるんだよ!」はなんだか笑ってしまいましたが。でもあれ実際あったらたまったもんじゃないですね笑 結局フィリップが求めていたものはただ自分の世話をしていうことを聞いてくれる介護者ではなく、嫌がってるのに無理矢理文通相手と電話させたり、オーケストラを呼ぶような誕生日会でアースウィンドファイアーで踊り出すような「友人」だったんですね。ドリスの後に入った介護者の人が気の毒なくらい塩対応されてましたが、結局そういうことなんですよね。 世の中には肉体的・経済的・人間的な差が必ずあり、人と人は決して「平等」たりえないなと改めて思いましたが、人と人が「対等」になることは充分できるんじゃないか、そう思わせてくれた作品でした。[インターネット(字幕)] 9点(2021-06-14 22:17:04)(良:3票) 《改行有》

59.  孤狼の血 《ネタバレ》 原作既読です。読んだのは映画の後ですが。映画でイメージを作ってから本に入っていくことができました。その上で映画のほうのレビューをしていきますが、原作と比べるとだいぶ大上さんの悪さが誇張されてますね。原作では取調べ中に女とヤったりしないし、ビデオ押収できないからって放火とかしないし。やりかねないキャラといえばそうなのですが、「そこまでやる?」っていうのをことさら強調してる感じはありました。特に、取り調べてる女とヤるっていうのはちょっと不快感。女にだらしないという描写は原作にも無かったので、そこは蛇足というか単に大上さんを汚く描きたかっただけで、警官としてしかしヤクザと繋がりを持って制御するダークヒーロー的に立ち回る大上さんのイメージとはズレていたと感じました。 しかし新米刑事の日岡が大上との出会いからだんだん逞しくなっていく過程は見ていて面白かったしなんだか頼もしく思えた。映画の最初と最後では日岡役の松坂桃李さんの目付きも全然違い、大上の意志を受け継いだようでした。まあそれでも大上のキャラの強さにはまだ届きませんが。日岡が次作でどのように変わっているかが見所になりそうですね。大上のコピーのようになっているか、はたまた違う変貌を遂げるのか。楽しみです。 広島弁のヤクザ語、とでも言うのか、あのしゃべりでしかも嗄れてたりしたら聞き取るまで少し慣れが必要ですね。そういう意味でちょっとついていくのが大変な時がありました。全然話の筋とは関係ないですが、なんだか大学で一緒だった後輩の広島弁がひさしぶりに聞きたくなりました。[インターネット(邦画)] 9点(2021-06-12 14:36:30)(良:2票) 《改行有》

60.  グッド・ネイバー 《ネタバレ》 こういうミスリード系は宣伝の仕方、作り方からしてイラっとしますね。何がミスリードって、この映画のタイトル画面にグレイニーさんの顔とその真横にデカデカと「このジジイ、かなりヤバい」の文字。あらすじを読んでも「記録映像を撮ってたらイカれた老人が不可解な行動を取り始めて・・・」みたいな内容。製作したアメリカでもこういうテイストで宣伝したんでしょうか。それとも日本の配給会社の勝手な宣伝方法??内容は全く違う、イカれていたのは初めっから最後までずっと若者たちのほう。老人も確かに言葉が悪かったり近所の人に悪態をついたりして決して人当たりの良い人ではなかったですが、再生回数欲しさに「実験」と称して自分たちの暇つぶし・犯罪を正当化するこいつらよりはよっぽど良い。 そういうストーリーって宣伝はできなかったのか!?どんでん返しがしたいがためにわざわざこういう宣伝の仕方にしたのか!?理解ができない。とても不快感を覚える宣伝方法でした。 内容も不快感を覚えましたがそれはきちんと一つの作品として観ることができました。面白かった。近所で変人と呼ばれる老人の生活を見て、さらに見るだけでは飽き足らずいくつかの仕掛けをしてその反応も記録しようとするショーンとイーサンの二人の若者。老人の行動は彼らには奇異に見えるが実はその行動の裏にはこういう背景があったのだ・・・と視聴者には一つ一つ紐解かれてゆく。特に最後のベルの物語には泣きそうになります。イーサンが不意に鳴らしてしまっただけのあのベルの音に、「呼ばれた」、と思ってしまったんですね。ただのイタズラ好きの不法侵入の悪ガキの仕業とも知らずに・・・。 そしてラスト、法廷にて。日本でいうところのまさに「少年法」ですよね。「大人ならこうなる、裁判官個人の心証としてはこれくらいの罪になるがあいにく法がそれを許さない。未成年で初犯という事情を鑑み、〇〇という判決にする」とまあこういう感じ。○○にはかなり軽い罪が入ることはまだ映画を観ていない人が読んでも想像に難くない。 スマホやネットその周辺機器が普及し、多少お金をかければこの映画のようなことは比較的容易に出来るようになってしまった昨今。全ての犯罪をひっくるめて低年齢化してきたから「少年法改正を」などというつもりはありませんが、ことネット関連の犯罪に関してはその匿名性・陰湿性・加害者側の未熟性が強く出るものだと感じます。特に最後の加害者側の未熟性は別に未成年に限った話ではなく、そこそこの年齢がいった大人や老人でも同様にあること。思ったことは、いわゆる「ネット犯罪」というものにもっとスポットライトを当て、その匿名性を透明性に変える必要があるということ。まともな人はfacebook等で普通に実名出して生活していますからね。こんな不快で陰湿な事件が世の中から一つでも減ることを願います。映画としてはとても良かった。[インターネット(字幕)] 9点(2021-06-06 16:57:08)《改行有》

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