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プロフィール
コメント数 900
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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41.  秋刀魚の味(1962) 《ネタバレ》 時代を感じます。そりゃあそうだ。いま40歳の私よりも20歳年上のこの映画。しかもその映画を当時見ていた人たちとするなら、現在80代半ばくらいの人たちの時代向けに作られた映画ということだ。 恋愛結婚ではなく家庭同士で縁談としてまとめる、仕事の同僚がやたらと家庭内の縁談事情に口うるさく突っ込んでくる、女性に歳を聞いてズケズケと早く結婚しろとせっついてくる。すごいな、今の時代にはどれもない。そしてそのどれもが私の感覚では鬱陶しく煩わしく感じるものだった。やはり文化が違うんだな。そう思った。この頃はやはり家として縁談をまとめる、ということが大切にされていた時代なんだろうか。時代は感じたが、そんな時代の中にも抑圧されてきた女性たちの気持ちの鬱屈が見てとれた気がしました。劇中に出てくる女性は元気にバーを経営しているマダム以外、みな何かに不満そうであった。男たちはそんなことどこ吹く風という体であることもまた時代を感じる。想い人でない男性との見合いを承諾したあの様子を見て、「あー、納得してくれたみたいで良かった良かった」と安堵する父親と長男の会話は道化的で逆に失笑として笑ってしまった。あれのどこに納得した感があったんだろう。涙を流すまでもなく、路子が何かを訴えたいことはすぐわかるだろう。 それとも共通する点だが、男たちの傍若無人ぶりがすごい。この時代なら当たり前だろうが、男たちの「男は仕事、女は家事」の意識がすごい。ここまでやるか、と驚くくらい。そういった古い意識に抗い始めた女性たちの姿を見て、当時からそういう流れがあったことを知れたことは驚いたし興味深かった。 合わせて、若い女性の年齢を聞く時「3かい、それとも4かい?」というふうに20を省く言い方から、根底に20代で結婚するのが当然という風潮が感じられたり、「五万円」というのが今の貨幣価値だとどのくらいかすぐに換算できないあたりが、同じ国の話でありながら色々カルチャーショックでした。面白かったです。[インターネット(邦画)] 6点(2022-11-12 11:21:11)《改行有》

42.  宇宙でいちばんあかるい屋根 《ネタバレ》 近所のお兄さんへの憧れ、複雑な家庭環境、学校でのSNS絡みのゴタゴタ、など題材としては昨今よく見るもので特に真新しいとは思わないんですが、つばめと星ばあのやり取りが秀逸すぎて楽し過ぎた(笑)実際会ったこともない誰かと誰かのやり取りだけで笑ったのっていつぶりだろうか。とても楽しく、心が和むやり取りだった。 特に個人的な感想として、つばめがすごく大人だなぁと感じた。あの家、つばめの態度次第では崩壊してますよね。なのに父親はつばめの側に立ってる気配がほとんどなくて自分の都合と新しい奥さんと子供のことが優先のように思えて、そこがすごく違和感でした。母親のひばりと会ったと伝えた時ももっとなんか言うことなかったのか。つばめに対しても、自分の恋愛事情を棚に上げてやたらつばめの恋愛事情をいじろうとするが、自分の立場わかってるんだろうか?娘の立場なら普通不快ないじりでしかないことがわからないのかな。つばめ側にそれを受け入れてる様子もありませんでしたし。つばめの態度が軟化したことにかこつけて距離をつめにきたように見えた。なんか、ずっこい。あの父親だけ不満です。 桃井かおりさんの星ばあはとっても良かった。ぐだぐだとくだを巻きながら時々核心をつくそのしゃべりや、なぜか不思議なことができるところ、そして謎の包容力。見ていて安心できますね。登場シーンこそ不安だらけでしたけど(笑) 「屋根を見ればどんな人が住んでるか大体わかる」 ふとそれを思い出して周りの屋根を見てみました。意外と屋根なんて見ないもんですね。こんな色してたんだ、瓦かな、スレートかな、あの材質はどっちだろう、などよく見ると色々普段見えてないことがわかりました。 映画とかだとよく屋上のシートンとかありますが、現実にはなかなか屋上に行ける建物とかないもので…少し、憧れます。[インターネット(邦画)] 8点(2022-11-11 17:55:29)《改行有》

43.  アルプススタンドのはしの方 《ネタバレ》 とてもこだわりを感じる映画です。タイトルのとおり、アルプススタンドのはしを中心に映し続け、出演するのは数名の生徒と一人の先生、その他応援の生徒のみ。野球の試合であるにもかかわらず選手やグラウンドは一切映されません。出てくるのは名前のみ。相手の4番、松永くんと、こちらのエース園田くん、そしてヘタクソな努力家、矢野くん。名前しか出てこないにもかかわらず、この三人は驚くくらいキャラクターが立っていました。一瞬たりとも顔どころか姿も見せない、声すらもない、そんなままでここまで人を描くことができるのかと、感動を覚えました。素晴らしい映画です。 私も彼らのように「アルプススタンドのはしのほう」に陣取るタイプです。賑やかに応援するエリアを避け、やや静かな空間を見つけてそこを自分の居場所にする、そんなタイプ。そんなタイプの四人が集まって、「なんで野球だけ特別扱いなんだろう?」とか「送りバントって何?」とかあまり真剣に野球を見るでもなく応援するでも無かった。しかしそんな四人のうちの一人が先生の熱意に同調し、園田くんを応援する秀才・宮下さんもそれに続き、二番手ピッチャーを運命付けられて部を辞めた藤野も続き、最終的にみんな気づいたら声を張り上げて応援していた…。 ある意味グラウンドとスタンドは別世界なのかなと思いました。選手たちはグラウンド内で自分たちの闘いをするわけですが、スタンドのほうはある意味で試合そのものとは関係なく、そこにいる人たちがそれぞれ自分と野球、それと選手たちとの関わりを見つけそれを試合や選手に投影して楽しんだり応援するものなのかな、と。 私も正直野球の応援というのがそんなに好きではない。サッカーやバスケは学校をあげて応援なんて全国レベルの強豪校でもない限り無いのに、なんで野球だけは一回戦から、しかもそれほど強くも無い無名の学校でもみんなで応援に行くのが当たり前のような雰囲気があるんだろう、と、作中のセリフそのままのことを私も思ってたので、強く同調しました。この映画を見てもそのあたりの疑念を払拭はできませんが、でも頑張る誰かや好きな誰かを一生懸命応援するというのも良いもんだなと思いました。姿も声も聞こえてきませんが、矢野くん、最高です。[インターネット(邦画)] 8点(2022-11-08 21:12:41)《改行有》

44.  エンディングノート 《ネタバレ》 有名人でもなんでもない、一般のサラリーマンのおじさんの闘病記=エンディングノート。映画というよりドキュメントのような作りで、なので盛り上がらせようとか逆に静かにさせようとかいう演出のようなものはほとんどありません。がんになったお父さんのエンディングノートをその娘である次女が読み上げ、映像は次女が撮影したものを流して…という内容。仕事を定年退職した男が、その直後にがんを発症し、それにどう向き合っていくかを描いています。 自分は死に向き合ったことはまだありません。ので、この方の心情は測りかねますが、淡々と自分の死後のことを整理していくその様は、すでに覚悟を決めた人間の強さなのかと思いました。自分があと何をすべきか、残された人たちのために何を整理すべきか、何を残すか。とても落ち着いた向き合い方でした。演出のない映画だと書きましたが、この方の立ち居振る舞いは映画に出てくる俳優のように凛としたものでした。それまでの自分の人生を振り返り、反省すべきことを反省し、良かったことを良かったと認め、自らを整理する。すごいことだと思いましてが、でも逆に、死に直面した人間とは皆こういうふうになるのかと興味を持った面もあります。自分も何かのきっかけで自分の死を見た時、このようになれるのだろうか。 エンディングノートの内容を聞かれてひとこと、 「死ぬ前に教えるバカがあるか」 これは笑えました。 私もエンディングノートを作るかは分かりませんが、家族のための整理、さらに自分の人生の整理のため、似たようなことをしようか、そう思った作品でした。[インターネット(邦画)] 6点(2022-11-06 23:50:18)《改行有》

45.  ロスト・バケーション 《ネタバレ》 2時間オーバーの映画見るほどの時間とそれに伴う体力が無かったので、完全に上映時間の短さだけで選んだ映画。ある意味気楽に鑑賞できました。  内容もかつてからあるタイプのシチュエーションシャークパニック。もはや伝統芸。でもなんで、サメやゾンビなどのある種のカテゴリーは時代に関わらず人を引きつけるんでしょうね。ワンジャンルとして確立されているサメという素材について、少し、考えてしまいました。そしてなぜ日本にはサメ映画はないんだろう。  さて内容はというと、上述したような伝統的サメ映画。突然現れたサメに襲われ、とっさに近くの岩礁に避難し、その岩礁で様々なあーだこーだが起き、最終的にサメを退治する、と。ほんともう、お家芸。短い映画だけど、襲われた女性が医療学校に行ってて応急処置できる、とか荷物パクられるくだりとか、ちょこちょこ芸が細かい。GoProはなんで最初あそこまでムキになって拾おうとしたのかわからなかったですが、なるほど、そういう使い方ね。  しかしラスト、母の思い出の場所とは言え、あんなことがあった場所にまた行ってサーフィンするとか、正気の沙汰じゃないなとは思いました。[インターネット(邦画)] 6点(2022-11-06 12:07:18)《改行有》

46.  泣きたい私は猫をかぶる 《ネタバレ》 頼子ちゃんすごい良い子だ。あと、きなこも。彼女たちの優しさに少し癒される、そんな映画。 個人的に、無限大謎少女と呼ばれるムゲが再婚相手の母に言い放った言葉が正直過ぎてそれでいて確信をついていて心に刺さる。いわく; 「無理して笑って何が悪い。こっちはそうしたくてやってるんだ」 「再婚とか、子供が傷つくのわかってるだろ。それを何とか受け入れて平和に暮らそうとしてるのに、今度は無理して笑うな、だあ?」 最後のセリフの前に、「無遠慮に土足でズカズカ踏み込んできて」という一言が入りそうな勢いです。 これを言ってるムゲの顔が作中最も歪んでいましたが、私はこれは心の底からくる純粋な気持ちの発露だと感じました。だから、あんな苦々しい顔に描いてあげないで欲しかったな。いや本音だからこそ、なのか。 人生が嫌になったら猫として生きるかい?という映画。犬バージョンとか鳥バージョンとかあるのかな。あったらそちらも見たかった。 好きな人に出せる顔、出したい顔がある。双方は似てるようで全然違う。そういう意味ではまだこのムゲは想い人である日之出に対してあるがままを出せているように思うが。普通は、仲良くしたいけどなかなか距離を縮められない、話しかけられない、笑顔になれない、ということになるものだが。私もそうだ、本当に気になる人には思ったように距離を測れない。ほとんど近づけなくなる。本当は近づきたいのに。猫になる=仮面を被る、という二面性を表したおはなしなのかな。それにしてはムゲがエキセントリック過ぎて、上述したように普通の感覚では少し感情移入はしにくかったかな。[インターネット(邦画)] 6点(2022-11-04 08:14:43)《改行有》

47.  マスカレード・ナイト 《ネタバレ》 「ホテルに来るお客様はみな仮面を被っている」か。そうなるとこんな高級ホテルでさえラブホテルと変わらないななんて思ってしまう。むしろそういう目的であるとわかってる分まだラブホテルのほうが仮面は少ないかもしれない。今作は本当に仮面を被るマスカレード=仮面舞踏会さながらのイベントが木村拓哉さんと長澤まさみさん演じるホテルを舞台として行われる。こうなってくると逆に、前作はどのへんが「マスカレード」だったのか、少し考えてしまう。今作も、様々な客がホテルに無理難題をふっかけてきて…という設定は同じ。それぞれのストーリーを追いかけてちょっとごちゃごちゃするのも同じ。そういう意味ではあまり代わり映えはなかったかも。やたらと有名俳優のゴリ押し感は少し減ったかな。その分と言っては何だが、ホテル側vs警察側という構図が際立った本作であったように感じた。ホテルの主義はこう、警察の主義はこう、というのが終盤までずっと続きます。それも前回で既視感ではありますが、主役の二人がお互いの役割に歩み寄りを見せているような雰囲気が今作の見どころというか、変化の片鱗が見えました。  まあでも、別にこのホテルでなくても人間はみな仮面被りながら生活してますんでね。何を今さらと言った感はあります。職場だろうが学校だろうが、それぞれの場所でそれぞれの仮面をかぶってみんな暮らしている。仮面の種類も様々で、状況・相手によって使い分けて。そういった相手の画面を覗き観察しながらそれらを暴くことなくスマートに寛いでもらう、それがホテルマンの仕事なのか。よく分からないが。ただ、この映画観てホテルで働きたいと思う人は少ないだろうな。。。仮に月給50万超えてもやだわ。精神と私生活蝕まれそう。好きでないとやってらんない仕事だな。[インターネット(邦画)] 5点(2022-11-01 01:18:28)《改行有》

48.  おと・な・り 《ネタバレ》 薄すぎる壁で仕切られたアパートのお隣さん同士の物語。カメラマンの男とフラワーデザイナーの女の二人を繋ぐのは男の珈琲豆を挽く音と、女のフランス語の発声練習と、それ以外には生活で時々起きる出来事の音。  もう少しそれらを感じていたかったが、序盤から乱入(闖入?)してくるシンゴの彼女とやらのせいで雰囲気はめちゃくちゃに。人の部屋に強引に押し入りギャーギャー喚いて散らかして、、、聡に追い出された時はとてもせいせいしたのに、まさかの謝ってもう一度迎え入れる展開。なんで??あーもう、って感じです。なので中盤まではもう見ていられない、ひどい映画という印象でした。  しかし彼女が部屋を離れてからは文字通り落ち着いた展開に。聡はシンゴのことに関して段々落ち着きを取り戻していく一方、七緒のほうは変な男に騙され不穏な空気になっていく。そんなお互いの雰囲気の変化も隣同士には良くも悪くも伝わって、「風を集めて」を歌うまでの流れはけっこう好きです。  ずっと一緒だった隣人が実は故郷の同級生だったなんて展開は、好き嫌い分かれそうですね、私は嫌いじゃないですが。会えるかと思ってアパートへ駆けて行って、でもやっぱり留守で、あーもう会えないのかと思わせての、部屋で口笛吹いて待ってましたなんて、しかもそれで会えたなんて二人にとっては幸せすぎる展開ですね。  どうでもいいですが、シンゴ。名前だけで最後の最後まで本人は劇中に現れず、そこまで彼に関する情報だけはたくさん入ってくるのですが、いざ出てきたら聞いてたような繊細な感じが全然しない見た目通りのチンピラ風のにーちゃんでガッカリ。キャストとか、もしくは役作りがもっと何とかならなかったのかな。[インターネット(邦画)] 4点(2022-10-25 19:51:46)《改行有》

49.  いのちの停車場 《ネタバレ》  命の質、quality of lifeについて見せられる映画だった。病院の規定や国の法律なんかはさておき、患者にとって大事なものは何か、最優先すべきものはなんなのか、それらを考える良いきっかけになる映画だと感じた。  しかしそれとは別に、まほろば診療所のようなやり方は賛否ありそうだなとは感じます。医者でありながら医療行為は最優先とならない現場。在宅医療ってこういうもんなんだと誤解させる危うさはあると思います。ただこういう、可能な限り患者のこと、その意思を優先して治療にあたってくれる先生がいることは純粋にありがたいと思うし貴重な存在だ。ある意味現在の医療では、死の瞬間まで病院のベッドに横たわり機械に繋がれただただいのちの時を永らえさせることのみを目的とされているように思う。そして確かに、自分はそんなふうに生かされたいとは思えない。個人的に、もう自由に動けなくなった時点で死を選びたいと思っていますしそういう意味では安楽死に賛成派であるし。冗談めいたような雰囲気の中の他人との雑談でも似たようなことを言う人はいるが、実際本気でそう思ってる人とかどれくらいいるんだろう。なぜかそんなことを考えた。  面白い映画だとは言えない。咲和子先生や野呂青年の役柄がなんというか、極端に「映画!」って感じで逆に現実味がなかったこととか、病気の女の子と海に入るとか、美談にするにしても少しやり過ぎ感を感じる。だが社会のテーマのひとつとして勉強になったり考えを深める映画だとも思える。特に、治験での治療に文字通り命を賭けその甲斐もなく亡くなったプロ棋士の女性のエピソードは言葉を失い、泣いてしまった。そういう力がある映画だと思いました。  最後にもうひとつ。この映画はコロナ後の映画であるにもかかわらず、作中に登場したIT社長のエピソードは秀逸と感じた。彼はIT畑バリバリの凄腕社長であるにもかかわらず、決してリモートでの就業を是とはしない。あくまで直接現場に立つことを熱望する。その熱量のためか正直傲慢な面もあるが、どうやら社員からの信頼は厚いようだ。治療の見通しが立ちそのことを社員と共有しながら「すぐにそっちに乗り込んでやるから待ってろ」と檄を飛ばし社員たちは喝采で応える。。。胸が熱くなったシーンでした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-23 12:51:23)《改行有》

50.  太陽は動かない 《ネタバレ》  雰囲気は好きな映画なのですが、、、設定をうまく使いこなせてない映画、という印象でした。まずは最初の、「24時間以内に定時連絡をしないと体に埋め込まれた爆発物が爆発し死ぬ」という設定。それ誰にとってのメリット??AN通信の仕事の特性上、24時間以上連絡を取れなくなる状況とかわりと普通にありそうなのにその設定って…。現に、純粋に仕事に邁進しているエージェントの二人が定時連絡をしたくてもできない事態に。完全にあのルールが仕事の邪魔をしている。そんなルールならなり手も少ないだろう。なのに「試験に合格したらお前も胸に装置が埋め込まれる」なんて会話が成立してるのがあり得ないと思う。秘匿性という面でも人前であんな死なれ方したら組織としてもあまり喜ばしいことではないだろうに。考えれば考えるほどあのルールの意味がわかりませんでした。  ストーリーは一応、太陽光エネルギーの新しい技術をめぐっての情報戦、というシナリオは描かれているんですが、そんなんそっちのけで主役の鷹野くんの過去の話が結構な頻度で回想されます。ストーリーに深く関わるならまだしも、彼個人にそこまで尺をとって説明してあげる義理はあるのだろうか。比較的短めな作りの映画でしたが、全体的になんだかアニメの焼き直しのような、軽さや薄さが目立っていました。美男美女が頑張るアクションやそれっぽい背景説明、オシャレなロケーションで作り込んだ映画です。そういうのでキャーキャー言える人なら楽しいかも。私はそうではありませんが。  「明日のことなんて考えなくてもいい。ただ今日を、今日一日を生きることだけ考えろ」 何回も劇中で聞かされたので覚えてしまいました。私はいまはこれが響くメンタルではありませんがいつかこんなセリフを糧に頑張るようなことはあるかもしれませんね。私は明日への希望を糧に生きるタイプの人間ですが。[インターネット(邦画)] 5点(2022-10-21 07:38:24)《改行有》

51.  おくりびと 《ネタバレ》  昔一度観ているんですが、なぜだかレビューをしていなかった。自分ももう40で、前に観た時と印象も変わるかもしれないと、もう一度見直すことにしました。  結論から言うと、その予想は大当たりでした。前に観た時は広末涼子さん演じる妻の美香さんの行動や言動がしっくりこなかった部分があったんですが、いま観ると違和感なく受け止めることができた。 「夫は納棺師なんです」 このセリフが当時はなんだか唐突に思えてずっと引っかかっていた。けれど今ならスッと入ってくるセリフになっていました。納棺師という、少なくとも当時の世間からはさげすまされるような職に就いた夫をようやく認めた妻のセリフなんですね。ようやく腹に落ちました。  さらに、今回鑑賞して納棺師に対する職業差別のようなものが以前より増して気になりました。もう14年前の映画。さらに東北の地方ではああいう感覚はやはりいまだに残っているんでしょうか。この『おくりびと』という映画のフィルターを通して見たからか、なぜこの職業がここまで蔑まされているのか私にはピンと来ませんでした。最初のほうにあった腐乱死体の処理みたいなことも含まれてるからなのかも知れませんが、だから旧友に無視されたり、葬式の場であのように罵倒されたりするのでしょうか。あの感覚が、私にはピンと来ません。そういうことを訴えたい映画でもあると思いますが。  この、良くも悪くも個人の価値観や考え方がさまざまに溢れているこの時代に、納棺師、という職業が不当な差別を受けずに評価されてほしいと心から願います。  そして音楽がとても合っていました。チェロ奏者という設定は物語そのものや舞台の雰囲気ととてもよくマッチしていたと思います。音楽が久石譲さん、ということにはエンドクレジットまで気付かなかったんですが、終わって見てみて流石だなと思ってしまいました。間違いなく良作だと思います。改めて誰かに勧めたくなる映画でした。[インターネット(邦画)] 9点(2022-10-20 00:18:28)《改行有》

52.  あん 《ネタバレ》  見終わって、感想を考えるんだがなかなか適切な言葉が思い浮かばない。静かだが鮮烈な印象を残す映画だった。特に印象に残ったのはふたつ、どちらも徳江さんのシーンだが、まずはその手紙の一節; 「この世にあるものはすべて言葉を持っていると私は信じています」 ひたすら小豆の声を聴きあんを作る徳江さんの自然観に溢れるひとこと。隔離病棟に置かれた、という故もあるのだろうか、人も含め、あらゆる事象と関わりを持とうとし、そしてそれらを優しく慈しむ。全てが慈愛の時間だった。 あとは千太郎が施設を訪ねて出された塩昆布について、「これ、どうやって作るんですか」に対する徳江さんの、 「教えなーい」 は笑った。あんな無邪気で、爛漫で、意地悪で、愛らしいシーンがあるだろうか。笑えるのに泣けてくる、心からそう感じる一幕だった。  私は「らい病」というものにほとんど知識がありません。そのためどら春のオーナーや世間の人の排斥感は正直ピンとこない。でもそれでいいと思っている。いや勉強しろよ、というまこと正論なツッコミが聞こえてきそうですが、実際自分の身の回りでそういうケースがあって必要と感じたら学ぶ、でいいのかなと思っている。私はそれほど交友関係もないですが、誰かと人間関係を築く場合は基本的に自己責任だと考えている。その人がどこに住んでようがどんな見た目だろうが、その人が好きなら好きで、嫌いなら嫌い。それだけだ。その理由に病気や身体的特徴を述べたことはない。ましてや介護のようにその人の生活全般に関わらなければならないような関係ならまだわかるが。この映画のように「らい病だから」で避けられる感覚がピンとこないのはそのためだろう。こういう「ピンとこない」という感覚を私は大事にしたいと思う。無知ゆえなのかもしれませんが。それごと受け入れたい。[インターネット(邦画)] 9点(2022-10-17 22:34:51)(良:1票) 《改行有》

53.  雨を告げる漂流団地 《ネタバレ》  謎が謎のまま放置される系の映画なので、きちんと説明してくれない点は少し不満が残るかも。なぜ団地は漂流するのか?以前は一晩で戻れたのになぜ今回は戻れないのか?街の過去の建物も漂流してくるのはどうしてか?最後の漂流物の終着点のような場所は何なのか?のっぽくんの正体など語る必要のないこともあるが、きちんと語ってほしいこともある中、ほぼほぼ説明してくれない物語にやや不満です。アニメですし、小さい子供にもストーリーとしてなかなか受け入れ難いかなぁ。せっかくブタメンとかスマブラとか子どもの耳目を惹きつける要素があるのにもったいない。  キャラクターも少し特徴が弱い。ただ子供のように叫ぶだけの太志と中立的に周りを取り持つ護。金持ちわがまま娘とその秘書的なメガネの女の子。ストーリーに関わる部分は主に主役の2人(とのっぽ)でこなしてしまって、そうなると余計に後の4人のキャラが見えにくくなってました。変な話、このストーリーの大筋は後の4人がいなくても成り立ってしまう。  とまあ色々書きましたが話自体としてはとても好きなやつです。突如自分のいた団地が海上を漂流し始め、時々やってくる同じ漂流物は過去に自分の街から消えていったものだった、なんてとても想像を掻き立てられる。「思い出の建造物との邂逅」なんて素敵ですね。例えばこれが大人の話で、漂流してくる建物に自分の小学校とか昔住んでた家とか、そしてそこに住むのっぽくんのような精霊との関わりとかがあったりしたらまた面白いかもしれない。そこまで思い至って、何でこの話は子ども中心なのか少し疑問に思った。過去に想いを馳せるような話なら、大人までいかなくても高校生や大学生くらいでもよかったのに。製作の人と話す機会なんかがもしあれば色々聞いてみたくなる作品でした。[インターネット(邦画)] 6点(2022-10-14 04:17:28)《改行有》

54.  マトリックス レザレクションズ 《ネタバレ》  少し前に映画館での上映情報を掴み、タイミングが合えば鑑賞に行こうと思っていた映画。結局映画館での鑑賞は叶わなかったが今回晴れてNetflixの配信で鑑賞できることに。  見てみての感想だが、予告編からして続編というよりもこれまでの三作をなぞるような映画だなぁとは思ってたんですが、改悪された焼き直し感は否めないというのが正直な感想です。まずは主演の二人、キアヌ・リーブスさんとキャリー=アン・モスさん。二人とも三部作を演じた当初より流石にお年を召してらして、その時間経過は作中でもチラッと触れられますがやはりこちらもそこを意識します。そのせいか、マトリックスの魅力のひとつであるアクションシーンはだいぶ見劣りする結果に。最悪CGでもいいからもっと派手なアクションが見たかった。焼き直しだし地味だし、これで従来のマトリックスファンを楽しませる気だったのかと逆に問いたい。  あとは何だろう。ストーリーについて、ある程度三部作を見た者ならもっとついていけるかと思ったのだがあまり付いていけなかった。悪い意味でエヴァンゲリオン化してるように感じる。まだ従来のものは複雑な言葉を使いつつもそれを包括できる世界観があったのだが、今回はそれが感じられない。言葉だけ上滑りしてるように感じた。そして、面白くなかった。それが致命的だ。  やはりキャストによる違和感が大きい。主演二人の年齢について上述したが、かと言って他の新しいキャスト達が良かったかというとそうでもなかった。みな、これまでの『マトリックス』を見た人からは違和感を感じたのではなかろうか。やはり大ヒットした作品の続編を名乗る以上、これまでの良さやキャラクターの魅力は無視できないと感じる。そのこれまでの良さが『マトリックス』シリーズの場合、派手なアクションであったり世界観なのだが。語りに終始してしまったのは、文字通り、語るに落ちた、という印象です。  こういった種の映画にはいつも同じことを思ってしまうのですが、こういうシリーズものの話題作やその続編などは、とにかく見せたもの勝ちの興行収入の世界ではたぶん勝ってるほうなんでしょうね。別に手抜きの映画だとまでは思いませんが、どこか話題性に頼った製作に思えたのは少し見方がいじわるでしょうか。個人的意見です。あしからず。[インターネット(字幕)] 4点(2022-10-13 11:25:40)(良:1票) 《改行有》

55.  ヤクザと家族 The Family 《ネタバレ》  まさに『ヤクザと家族』でした。ここまでしっかりとタイトルで内容を表している映画なんてのも最近では珍しい。直球ですね。日本におけるヤクザのここ数十年の環境の変化をわかりやすく描いている。「ヤクザ」「暴力団」「反社」。呼称もさまざまだが彼らを取り巻く環境も激変したのであろう。翼のようなヤクザでもない半グレのような存在も台頭し、少なくともかつてのように一つの大きい組織が一帯を牛耳るといった状況はほぼ無くなってきているんだろう。  どうしても主役となる山本目線で描かれるため、ヤクザの立場を美化したものに映りがちだが、それだけに終盤元ヤクザであることがバレた山本に悪徳警官の大迫が言い放つひと言、 「お前らがやってきたこと考えりゃ当然の報いだろ」が響く。  作中では山本のヤクザとしての「仕事」はほとんど描かれない。せいぜい麻薬を売らない信条があるといった程度だが、やはりヤクザである以上誰かや何かを食い物にして生計を立てているはずで。柴崎組の「シノギ」が具体的にどういうものか知らないが、「道を極めた漢達」の仕事がどういうものなのか描いて欲しかった気持ちもある。まあそれを描くと柴崎組やその組長の見方もだいぶ変わってくるとは思うが。  でも、どうしてもこの手の映画はSNSの表現が過剰な気がします。いち地方に勤める市役所職員の家に元ヤクザが出入りしてるとか、仲良くピースサインしてる程度の画像があれほど拡散されるだろうか。よっぽど他にニュースがない平和な街なんだな、しきりにヤクザ同士の抗争が起こる割には。まあ単にああいう街だからヤクザ情報に敏感だということかもしれないけど。  「真っ当に生きたい」そう言いながらも安易に入れ墨を入れたり誰かと家族の契りを交わしたり、やはり先述の大迫刑事のセリフがどこかから聞こえてくる、そんな映画でした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-12 21:57:29)《改行有》

56.  哀愁しんでれら 《ネタバレ》  ジェットコースターのように感情を揺さぶってくる映画だった。まず冒頭の不幸の連続はすごい。祖父が倒れてからの、車の事故、飲酒運転、家が燃えて彼氏は職場の同僚とヤッていた、と。で、そこからの絵に描いたようなサクセスストーリー。大金持ちの医者を助けて彼と結婚。彼には父親の就職を世話してもらい、妹の勉強を見てもらい、豪華な家で幸せな生活を送る…。  ここまではゆったりと流れるだけのなんならコメディ調も入っているただの明るいドラマです。ここから少しずつ歪になっていくのですが…ヒカリは何歳の設定でしたっけ?10歳くらいかな。もっと幼いのかな。あの年齢であんな歪み方をするのか、怖いというか少し不思議な気持ちで眺めていた。筆箱は喜んだフリ?弁当を食べなかったのは何のため?実は小春が気に入らなかったのか、周りの注意を引くための演技なのか、イマイチ動機が分からなかった。  「良い親」像を求めてどうするということが中心に据えられている。母親とはこうあるべき、時には父親もこうあるべきという彼と彼の家の方針を叩き込まれる映画。後半はサイコパス的な、サスペンスのノリになってきました。どういう映画にしたいのかが分かりにくい映画でした。あと、何をもって『哀愁しんでれら』なのか。「女の子は全て、幸せになれるのかという漠然とした不安をずっと抱えている」というような決めつけじみた言い方もあまり好きではない。みんなそうだとは分からないし、その内容も様々だろう。まして女の子特有のものとも思えないし。何が言いたいのかよく分からないわりに、押し付けがましいストーリーだと感じた。他人のことをすぐクズだとかゴミだとか、聞いていて痛々しかった。ラスト、転校ではなくなぜあのような手段に落ち着くのか、映画だから派手に見せたかったという意図以外感じなかった。原作もあるんでしょうか、まあやはりあのあたりで、作り物だし派手に描こう的な意図がありありで、観てるこっちにはあまり響かなかったかな。医者の夫やヒカリがああなる背景などをもっと描いてほしかった。[インターネット(邦画)] 4点(2022-10-10 18:17:30)《改行有》

57.  追憶(2017) 《ネタバレ》  正統派な刑事サスペンスでした。短めの映画でしたが、その中でしっかり表現したいことが表現されていて過不足なく作られていたと感じました。  ネグレクトなど事情のある子どもを引き取って育てていた涼子とその引き取られた子どもである篤、悟、啓太たちの話。涼子に言い寄っていたヤクザの男を子どもたちが殺し、そこからなんとも言えない見えない重しを背負って彼らは生活を送ることになる。  起こるのは殺人事件で、映画なら珍しくもなんともない出来事なのだがその背景に過去の殺人や借金、さらには悟と会ってお金を貸した啓太の婚約者がかつて自分たちを育ててくれていた涼子さんの娘であることなどが事態をより複雑にする。それぞれの守りたい人のため彼らの口はどんどん固くなっていくのだった。『追憶』のタイトル通り過去にまつわる何かに追い立てられる人たちを描いた映画だった。  現実は人なんてだいたいもっと薄情で、昔は深い繋がりがあっても時間の経過とともにどんどんそれは希薄になり、大事な何かも失われていくものだ。この映画では忌まわしい記憶をずっと拭えなかったわけだが、ずっと忘れられないくらいの光輝く記憶を持ちたいと、逆に思った。[インターネット(邦画)] 6点(2022-10-05 18:39:43)《改行有》

58.  神様のカルテ 《ネタバレ》  そういえば私には、医者なんて素晴らしい肩書きの友人なんていませんが、彼ら医師から見てこの映画ってどう映ってるんでしょうか。綺麗事ばっかり言って、と映るのか、いやいややはりこの映画のように人に寄り添うことを第一にしないと、と映るのか。外科、内科、麻酔科、救急、はたまた医局の医師、そうでない医師、山村などの過疎地域に勤める医師など、色んな立場の医師の感想を聞いてみたいと思いました。  主役の栗原医師の極端な二面生活が描かれていました。私生活ではまるで明治時代のような旅館とそこに住むこれまた古風な友人たち。一方職場では医師として医療機器やPHSなどの現代機器に囲まれ日々職務に追われる生活。医師としての現代生活の葛藤を、我が家で弁舌な友人たちや妻と共にたっぷり思案にふける。奇妙ではありますが、なんとも彩りのある暮らしだなと感じました。  結局、患者、というか人とはたっぷり時間を共有してお互いを知ったり思い合ったり理解することが必要なんですね。私は大学病院が冷酷だとも、作中の本庄病院のようなところのほうが大学病院よりも優れているとも思いません。要は患者やその家族が何を求めるのかでどちらに行くか変わってくるだけの話だと思います。例えば私は病院は基本的に嫌いですし、この信濃病院のように怪我や病気だけ見て効率的にパッと直してくれる大病院はむしろ歓迎ですが、病院自体に行き場を求めたりそこに存在理由を見出すような人には本庄病院のようなところがいいのでしょう。もちろん、それで良いのかって色々賛否もありそうですけど、それはそれで議論したい人や考えを巡らせたい人はたっぷりやっていただければ良いと思います。  同じような理由で、大病院で研究に身を捧げるかはたまた田舎の病院でひたすら患者と共に生きていくか、その選択を迫られる栗原医師。私の仕事も、一生現場で生きるか管理職としての道を考えるかみたいな選択肢がたまに提示されることがありますが、絶対現場がいいと思っています。全然内容は違いますが、自分の境遇と重ねて見ることができました。まあ自分はそんな選択肢すら提示されませんが(笑)でも一生現場で悩みながらも楽しく好きなことをして過ごしたいと映画を観て思えました。  あまりキャストに感想を書かないタイプなのですが、出られていた中で池脇千鶴さんは、患者に医師に同僚に、それぞれに配慮ができるしっかり者の主任でありとても輝いていました。失礼ながら、あんなに可愛い顔をしながら主任という役がしっかりはまっていて、人間的な魅力を感じました。良かったです。  原作未読です。映画は『2』があることを先ほど知りました。続編があるつもりで見てなかったので、しばらくこの余韻は寝かせることにします。また気が向けばいずれ。。。[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-04 01:48:32)《改行有》

59.  タイトル、拒絶 《ネタバレ》  夜の仕事に就く人たちがすべて汚れてるとか下だとか、私はそういうの結構どうでもいいタイプなんですが、実際そこで働いている人たち自身の意識としてそういう感情を持ちやすいのかもしれないとは思いました。職業に貴賎はない、とか偉そうなことは言いませんが、自分の仕事が合う人合わない人、そういう仕事に属する人と合う人合わない人がいて当然だろうなと思っています。  伊藤沙莉さんの一人語りから始まるこの映画。自分が全然縁がない世界の話だからか、終始ピンとは来ませんでした。登場人物それぞれの人生の捉え方やそのバックボーンをひたすら見ていきますが、カノウ、マヒル、シホ、チカ、ハギオなどなど、、、特に誰にもなんとも思わなかった。仕事や人に縛られる必要は無いし、いくらでも変えることはできるよねとか思ってる私のような人間からしてみたらなぜ彼女ら彼らがあの世界にこだわるのかの方が意味不明だった。特にカノウは、搾取されることに本気で愚痴りながら離れようと思えば離れられるのにその世界に居続けるとか、意味がわからない。もう少し、誰かの内面やストーリーに踏み込んだ話なら何か思うところができたかもしれません。[インターネット(邦画)] 5点(2022-10-02 08:58:13)《改行有》

60.  リップヴァンウィンクルの花嫁 《ネタバレ》 どこから書けばよいのか。なんだか楽しかったことは覚えている。おそらくそれは、COCCOさん演じる、里中真白が出てきたあたりからだろう。長い映画の中、彼女の存在に目を奪われ続けた作品だった。  意思薄弱、と言って過言ではない皆川七海がネットを介して男と出会うところから物語は始まる。ネットで出会いを求める、と言うのが作中唯一の彼女の自発的な欲求の発露による行動だったかもしれない。それ以外は全て知らず、分からず、流されるだけの存在だった。物語を文字通り誘導するのは綾野剛さん演じる安室という一人の男。「なんでも屋」である彼は時に結婚式の出席者を演じ、時に良き相談者・理解者となり、時にこっそりと人を陥れもする。彼は作中の登場人物でありながらもさながら舞台裏の黒子のように、マリオネットの繰り手のように、七海を操り続ける。どういう目的かはわからないが、彼はランバラルの友人として七海に近づき、彼女にとって唯一の信頼できる人になっていった。彼にとっては彼女は金づるだったのか、暇つぶしのおもちゃだったのか、どうなのだろう。第三者から見れば安室の存在が七海にとって良さそうとはとても思えないのだが、七海は安室に全幅の信頼を置き、おかげで救われたと思っている。こういう場合、自分が七海の家族や友人だとしたら安室をどういう風に扱っていくべき何でしょうね。  徹底して七海がコロコロと転がされるのを眺める映画でした。上述したように、安室と七海の操り劇、といったふう。操られた七海が色々な場面をどのように転がっていくのかをただただ見ていた。そしてそれが1番艶々と輝いていたのが真白と過ごしていた時間だったと思う。真白の奔放な笑顔・声には本当に惹きつけられた。一度は雑踏で見失い、しかし屋敷で再会できたときの喜びは七海と同じくらい共有できた気がします。私も、リップヴァンウィンクルとつながってみたいと思いました。  安室の置き場所が定まらず映画としてどう評価するべきかが難しいのですが、ただ間違いなく言えるのは、自分の好きなものが全力で輝く姿を見ることは、とても心が喜ぶということ。映画を評価する言葉としては不適切かも知れませんが、それらがスクリーンに映し出されている間はそれだけで幸せでした。coccoとクラゲ、反則です。  あと真白の幸せの捉え方が響いた。 「この世界は幸せであふれている」 「私の幸せの限界はありんこより早くて」 「人の優しさや真心がそのままだと怖いから、だからお金で買うんだ」  それで10点はやりすぎかな。個人的評価です。あしからず。[インターネット(邦画)] 10点(2022-09-29 15:01:54)《改行有》

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