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プロフィール
コメント数 1647
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
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41.  君の名は(1953) 《ネタバレ》 日本のドロドロ愛憎メロドラマの原点と言える三部作。今で言えばまるで韓流ドラマなその内容は、映画の題材としては幾分安っぽいような気もするが、奥様方の琴線にビンビン来るような要素が大量に、かつ巧みに織り交ぜられ(第一に戦争・嫁イビリ・望まぬ縁談といったよーな時代背景に特有な事柄と、第二に三角関係・望まぬ妊娠・病気だとかいった普遍的なドロドロ恋愛コンテンツ)大変に結構なドロドロ具合で確かに大ヒットしたのも頷ける内容。一点、昭和美人な岸恵子はともかく佐田啓二の後宮君がイマイチ格好良くない(見るからに優柔不断そうで頼りなさげ)と思うのは私だけでしょうか? 第一部については、やや取って付けな展開(後宮を想いながら何故浜口と結婚したのかとか、優しく親切だった浜口は何故マザコン・ジェラシー・クソ旦那に豹変したのか、等)も目立つが、終盤の佐渡でのシーンに向けグングン盛り上がるサマは中々に見事であり、普通に観入ってしまった。ただし、演技はだいぶん古臭く(淡島千景の明るい芝居は貴重な清涼剤だが)この点はさほど良いとは思われない。[DVD(邦画)] 7点(2019-12-07 18:11:21)《改行有》

42.  ボディ・スナッチャー/恐怖の街 《ネタバレ》 まあ、根本的に「白黒」のホラーって、今今に観てもその怖さって残念ながらほぼほぼ伝わらないかな~と思ったりもするのですケド、その中じゃあ今作って相当に「怖い」方だったな~って感覚は確かに在るのですよね。ロメロの『ドーン・オブ・ザ・デッド』前(かつ『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』後の時期)て、その後のヤツと違って多少理性が残ってる系のそーいう作品も在った様に記憶してまして、他だとそれこそ(コレもその頃なら)『ウィッカーマン』とか、それより少し前だと『地球最後の男』とか、この手の「見た目フツーの人間だケド人間じゃない or 人間を人間とも思ってない程に悪意の凝り固まった狂気の集団」とゆーのが、やっぱイチバンに怖い&シンプルに厄介だ…と常々思ってるのですね。経緯を確認すると今作、映画としては『地球最後の男』よりは先行ですが、原作小説的にはコレがテレコになってるみたいすね(マシスンの原作は1954年出版で、今作の原作小説『盗まれた街』は単行本化が1955年なので)。あと、私は観てる間には気が付きませんでしたが今作はその点、当時の社会的な共産主義・全体主義への恐怖とゆーのがバックボーンに在る作品ってコトなのでして、その辺も含めてこーいうのの「根っこ」を辿りに辿るってーと、結局そーいったモノに(全部)辿り着く…みたいなコトが見えて来る様な気もしますかね。また結局、リアルでない恐怖など(そもそも)恐怖ではねーのだから、その根っことゆーのは総て現実社会に根差したモノのハズなのだ…みたいなコトかと。 あと、今作で「逆に」面白いと思ったのが、別にコレは単に時代的・技術的なコトだとも思うのですケド、全体の質感として「如何に普段周りに在るモノだけで恐怖SFを撮れるか」みたいなつくり方をしてる様にも見えたのが寧ろちょっと面白かったのですね。またまた結局、その意味からも本当に「見た目は人間にしか見えない」って今作のモンスターとゆーのが、それがやっぱ「逆に怖い」という意味でも作中最も優れた「アイデア」だったと思うのですよね⇒重ね重ね、コレって困難を乗り越える為の単なる「工夫」の一つだったとは思ってますが。この「不可能を可能にする」ってのが本来のアイデアなんだ!としたらば(⇒要は「ゼロイチ」のコトだ、と)キョウビCGやら何やらで・誰でも何でもカンでも可能になっちゃってるってこの状況だと、根本的に本来的な「アイデア」なんてモ~湧いて来なくなっちゃうんじゃねーか…な~んて思ったりもするのですよね(⇒こんなん素人の杞憂に過ぎないってコトであってほしいですケドね)。[DVD(字幕)] 6点(2024-02-05 16:06:15)《改行有》

43.  楊貴妃 《ネタバレ》 『雨月物語』に文句など(ほぼ何一つ)無いのではありますが、一点だけ、コレをカラーで撮ってたらどーだったろうな…とは思ったのでして、で今作はワリと同時期のカラー作品、かつまた主演二人が京マチ子&森雅之+歴史もの+話の中身も(ある部分では)ごく似てる…と思って観始めました。全体の尺とかも同じ位なのですが、お話の内容自体のボリューム・密度という点では率直に今作の方がだいぶ軽めで、まあその二人の(恋だ愛だの)お話に限って観てゆくならナンとかならんコトもねーかな…という感じではありましたかね。 ただ、ゆーてココまでボンヤリした感じになってしまうなら寧ろ、皇帝と貴妃以外の人物(⇒安禄山はまだしも、ソレこそ楊国忠とか高力士・李林甫あたり)をもっと実態に即したエゲツない人物としてチャンと描写すれば好かったのではねーか…とも思いましたかね。あと、今作は全編セット撮影かと思うのですが、ソコで別に屋内のシーンは全然問題なかったとも思うのですが(美術面のクオリティやゴージャス感とかも)やっぱ歴史ものでもあるコトからしても多少スペクタクルな、とゆーか壮大・壮麗なシーン(デカい宮殿とか)が殆ど無かったのは、特に中国のお話としては少し痛かったかもな~と思いますね(正直あんまし中国の話に見えなくて)。[インターネット(邦画)] 6点(2023-02-26 16:52:07)《改行有》

44.  吸血鬼ドラキュラ 《ネタバレ》 『魔人ドラキュラ』の約30年後、再び映画界にクラシック・ホラーの大流行を巻き起こした(コチラも)歴史的作品…とのコトですが、驚ろ驚ろしい質感自体は前作から引き続きでしょーが諸々と技術的進歩は著しく、その「怖さ」自体は確実にこちらの方が上…という様にはまず思われますね。映画の尺とゆーのはあまり変わりませんが話自体の密度・テンポはだいぶ向上しており、かなり原作に近い展開に仕上がっているよーで単純にシナリオとして(今なお)面白く観れると思いました。ショック描写も(ルゴシの気品溢れる雰囲気に比しても)ハンサムではありますが無口、かつ(牙を剥いた)顔が単純に恐ろしい・野卑なクリストファー・リーがとにかくまずシンプルにおぞましいですし、荒事なシーンも結構豊富で(特にオーラス)その意味でもパワフルさとゆーのは前作とは比較にならないかと。個人的にはコッチの方が面白かったすね。 ただ一点思うのは、クリストファー・リーが…とかではなくて、やっぱ古典的吸血鬼ってのは今どき「弱点」が多すぎますよね。前作・今作ともにまず単なる十字架にすらかなり弱いですしニンニク等を仕掛ければ近くにも寄って来ないという描写にもなってますし、今作のオーラスなんて太陽一発で即死!てのはキョウビじゃちょっと呆気無さすぎ…と思ってまうのが正直なトコロすよね。個人的には現代でも尚ホラーモンスターとして活躍できるだけの十分なポテンシャルを備えるキャラだとは思うのですケド、他に強力なライバルも多い以上は古典的設定にこだわらないユニークで「柔軟な」描写の仕方、とゆーのは今後は必須なのかもな、と。[DVD(字幕)] 6点(2022-06-02 00:53:21)《改行有》

45.  天はすべて許し給う 《ネタバレ》 メロドラマとしてはコレもコテコテすね(オーラスで唐突に大怪我するトコなんて特に)。でも、2人とも(時代的なコトでしょーが)無闇にベタベタしたりしないので、その部分はむしろ品好く心地好く目に映ります(今や)。画づくりやジェーン・ワイマンのルックスも含め、全体的にそんな感じのごくエレガントな「美しさ」てのを湛えていてソコも確かに見ドコロでしょーが、面白いのはやはり子供2人や町の連中を交えてドロドロと陰湿な雰囲気になってゆく場面かと。キョウビ同じコトになっても流石にココまで悪い空気にはならないかとも思いますが、でも似た様なコトは発生し得るだろう…とある種分かり易く共感し易く、一方で社会倫理的な意味での向上としての「隔世の感」も覚えられる…てのも実は本作を観る価値ではないかな、と。重ねて、ジェーン・ワイマンの素晴らしき品格を含めて、今だに十分楽しめる映画だとは思いました。[DVD(字幕)] 6点(2022-06-01 21:54:55)

46.  亡霊怪猫屋敷 《ネタバレ》 シナリオの中核部分はごく典型的な因果応報的「怪談」ばなしとは言え、まずはカラーとモノクロを使い分けるアイデアがとても素晴らしかったすね。血腥い凄惨な過去パートでは竜胆寺小金吾の無表情な青白い顔(に流れる鮮血)が実に不気味でしたし、片や現代パートの化猫老婆も何処かモ~幽霊画の如き侘び寂びの風情をも纏って無彩色にごく寒々しく…と言いますか。どちらにせよ現代的ホラーの鋭い怖さ、とゆーよりはもっと脂汗の滲み出る様なジトっとした重い(和の趣き溢れる)恐ろしさが在った…といった感じで好かったな~と思います。クラシカルですが、これからの季節には決して観て損も無いかと。[インターネット(邦画)] 6点(2022-05-29 02:43:22)

47.  風と共に散る 《ネタバレ》 これまた、21世紀となってはちょっとモ~古臭すぎるとゆーか、観ていてあ~アレがコーなって、んでコレが…てなモンで総て手に取る様に次の展開が見えてしまう、つーかね。んで、これまたその中で善玉はごく唯の善玉で、悪者?はそれ以上にごくワルい様にしか立ち振る舞わない…とゆーか、その意味でもちょっとキョウビならモ~極端すぎる!というレベルで分かり易いってキャラ設定にはなってますよね。なので正直、演技的・シナリオ的な見ドコロとゆーのはオーラスのマリリーの場面に集約されるかな…とゆーのは確かにそう感じるコトではあります(いちおう、この演技でドロシー・マローンはオスカーを勝ち取っているのですし)。ただし、私は決してこーいう分かり易い古風なのが嫌いではないってのと、ゆーてその他キャストだってその古風な演技自体は決して悪くもなかったかとは思うのです。程好くコンパクトなコトも含めて、予定の無い昼下りの暇潰しとかには今だ十分使えるかと。ローレン・バコールだって流石のクール・ビューティではあるのですし(今作では美人な上に超・誠実な善人だし)。[DVD(字幕)] 6点(2022-05-27 00:19:24)

48.  鍵(1959) 《ネタバレ》 実は原作未読だが、高度にインモラルで倒錯的な内容が単純にかなり面白いと思った。そこへ来て今作、実際に直接的な「行為」の描写は無い、というのが映画の構成的にもひとつ素晴らしい。が、一方で映画としてはやはり少しパンチに欠ける、と言えるのも確かかなあ、と(いや、これはまだ私が「青い」だけ、というコトにも若干思われますが)。 俳優陣の緻密な演技はどれも相当に優れた仕事だった(特に、結構にクズ男な仲代達矢がエラいイケメンなのもあって存在感抜群)。京マチ子も流石の熟した色気だし、和風文芸映画として決して観て損ということはないのではないか。[インターネット(邦画)] 6点(2021-05-19 21:20:19)《改行有》

49.  モンパルナスの灯 《ネタバレ》 これは、地味にキッツイ映画ですね。。モディリアーニが非業の死を遂げるのは織り込み済な訳ですが、その予想された結末に更に人間の底知れぬ悪意を被せてくるという。ただ、それは生前のモディリアーニを決して認めることのなかった(そしてその死後は掌を反して賞賛している)我々「世間」というものに対する、ある種の批判的なメタファーである様にも一瞬ふと思われたり。 とは言え、描かれるモディリアーニ本人は最初から社会人としては完全に破綻しており、その面の彼には中々共感するという所までは至らない様にも思います。感情移入できるのはやはり、ジャンヌとの恋愛事象の方でしょう。男も女もとにかく見映えが史上最高クラスに美しいことを含め、どちらかというと付録にあたる恋愛映画としての見応えの方が意外にも優れていた印象を受けます(だからこそあの残忍なラストには、個人的には少しばかり期待を外した感と、物語全体に対する幾ばくかのアンマッチ感を覚えたのですが)。 ただ、美しすぎるのもそれはそれで、というか、特にジェラール・フィリップをただ美しく撮りすぎですかね。演技はまだともかく、終盤の彼には結核で死ぬ寸前の廃人、尾羽打ち枯らした人生の落伍者というものの雰囲気を、少なくとも見た目からは感じ取ることが出来ません。単純なメイクアップ技術の問題ではあるのでしょうが、そこが少しばかり残念にも思われます。[DVD(字幕)] 6点(2020-09-22 16:14:40)《改行有》

50.  また逢う日まで 《ネタバレ》 文学的で繊細で、率直に「軟弱」な主人公といい、コテコテのメロドラマ展開といい(その割に男女のシーンは他愛ないお喋りがタラタラと続く印象で、その意味でも古風)、加えてかなり古臭い演技など、現代に至っては「古典」と言うしかない恋愛映画だとは言える。ただ、件のキスシーンは実に見事な流れ&演出で非常に素晴らしいし(その後の展開で普通にキスシーンが有るのはやや勿体無い気もするが)、ラスト付近も十分に感涙もので、現代に至っても観る価値は十二分に思う。良作。[インターネット(邦画)] 6点(2019-12-18 22:33:39)

51.  君の名は 第三部 《ネタバレ》 悪役の浜口一家が突如善人側にブレたりするもんだからドロドロが更に激化してもはやカオス。観ていてかなり疲れるが、どーなることかとハラハラしながら観れる。ラストはハッピーエンドでホッとした。[DVD(邦画)] 6点(2019-12-07 18:13:46)

52.  フランケンシュタインの逆襲(1957) 《ネタバレ》 コレも結論的には正直、あまり好いつくりだとは思わなかったのですが、今作はハマー・フィルムのクラシック怪奇映画路線の嚆矢となった(コレまた)歴史的作品だ…てコトなのですよね。そーいや確かに映画自体の質は諸々と高い=凝ってるし、何より主役のピーター・カッシングは(また確実に)卓越した仕事をされていた…とは思うのです。しかしとにかくユニバーサル版=ボリス・カーロフ版とは「全く違う」お話&コンセプトになってしまっているので(⇒両方とも当然ホラーの範疇ではありますケド、更に細分化したら何ならジャンルとしても全然違うヤツ…てなモンで)、フランケンシュタインと言えばカーロフ!という現状に於いてはどーしたって違和感の方を強く感じてしまう人が多いかな…と思います(私も正にそーだったので、いずれ暫くのちに再見はしよーかと思ってます)。 重ねて、今作はピーター・カッシング主演の「サスペンス系」ホラーで、そしてフランケンは主役ではなくあくまで「舞台装置」の一つで、だから最大の見ドコロは彼の振舞いでもなくてカッシング演じるフランケン男爵&その盟友ポールとの関係性に生じる「サスペンスな緊迫感」なのであります。その点を踏まえて観てゆければ、ラストの余韻はきっと更に優れたモノになるのだと予想されます(⇒フランケンが特に大したコトもせず、唯々見た目が気色悪いダケ…とゆーのも然程気にならなくなるのかな、と)。私も重ね重ね、次はその様に観てゆきたいな、と。[インターネット(字幕)] 5点(2023-04-27 00:19:40)《改行有》

53.  白夫人の妖恋 《ネタバレ》 日本三大怪談の一つ『牡丹燈籠』は三遊亭圓朝作の落語作品だが、コレの原作は中国の怪奇小説『牡丹燈記』というヤツなのだそーで。んで、この映画の元ネタもまた中国の小説『白蛇伝』なのだケド、映画を観て第一に感じたのが「コレ『牡丹燈記』にソックリやな…」というコトなのでして、調べたらやはり『牡丹燈記』は『白蛇伝』の原作の一つだ、というコトらしーのです。ただ『白蛇伝』自体は(『牡丹燈記』とは違って)様々なバージョン違いが存在するというヤツらしく、ソレこそ怪談調のモノから純愛ものっポイのまで(時代や地域に応じて)色んなタイプがある…とのコトだそーです。その意味では、日本で観れる『白蛇伝』原作の映画も実は幾つか存在するよーですが、観比べたら意外にたぶんジャンルは様々…だったりするのかも知れませんね。 この映画は、どちらかとゆーと悲恋ものの系統とゆーか、製作者側が一番感情移入させたがっているのは恐らく山口淑子の白蛇サマだと思うのですね。しかし、コレも恐らく元ネタ(=種々の実際の『白蛇伝』)の要素をワリと真面目+素直にまんま取り込んでいるとゆーか、現代の一般的映画作品のシナリオと比べると率直に少~し所ドコロで一貫性を欠く様なきらいが在るとも思われるのですよね。観てゆくと結構お話の焦点が絞り切れない様な展開運びをしてゆくし、またキャラクターの観点からもやや取り留めが無い感じも覚えるのですね。白蛇サマがラスト付近では完全にメンヘラストーカー的な愛の亡者と化してゆく一方で、その彼女(+その手下の八千草薫演じる青ヘビの精)も中盤ではフツーにかなりキレキレな悪事もやらかしていくのですし、円谷英二を招聘した特撮映画だから…というダケなのかも知れませんがクライマックスの特撮シーンでの振舞いはモ~完全にバケモノのソレでありますし。結論を言うと少なくとも私にとっては絶対に恋愛対象には為り得ない…というキャラなのですよね(まあゆーて「異類婚姻譚」なんて皆そう…だとも思いますケド)。もう一点、前述どおり原作由来の要素を(注釈とか無しに)まんま放り込んでいる箇所が思いの外多い…ので、そーいった中華的概念(仙人とか道士とか)にある程度通じていないとそもそもワリと何が何だか分からない(≒用語がまずピンと来ない)という恐れも大いに在ったりもするかと。 しかし、また今作はかなり気合の入った作品でもあるらしく、映画として諸々のつくり込みの質は(コレも率直に)かなり高かったりします。オールスタジオ撮影のそのセットの豪華さ・煌びやかさは最初から最後まで実に素晴らしいですし、前述の特撮シーンも中々悪くないと思いました。何より、主要キャストの見映えの好さ+キャラにマッチしてる感じも相当にグッド・ジョブだったかと思います(山口淑子の美しくも凄み・思い詰めた感じを兼ね備える様子も好かったですし、八千草薫もこの上無く可憐で優れた緩衝材になっていましたし、んで池部良もシンプルに超・イケメンで私から見てもごく眼福でしたし)。中々評価自体の難しい映画なヤツかとも思いますが、個人的には観て損とまでは言わなくても好いかな…と思いました(暇潰しには十分…位なクオリティは余裕で備えているかと)。[インターネット(邦画)] 5点(2023-02-05 21:37:10)《改行有》

54.  監獄ロック 《ネタバレ》 うーん…お世辞にも面白いとは…… まあ、Wikiのエルヴィス本人の項でもズバリ「プレスリーの映画は駄作・凡作が多いことで知られている」とかって(十把一絡げに)ミもフタも無いコトが書かれてたりして、でも本作だって観てみればまァしゃーねーかな…って出来だという感じすね。映画『エルヴィス』を観た後だと更に尚更にそー感じますが、本作もエルヴィスがエルヴィスっぽい人を演じてるという(ダケの)ごく極めて在り来りな物語なのでして、そしてそのストーリー構成の在り方がこれまた超・古臭いとゆーか、やはり今どき「起承転結」なんていうフレームワークは(少なくともこんな在り来りな中身じゃあ)も~成立しない…というコトにも思えます。『エルヴィス』でもやった様に最初に一発「転」な魅せ場を持ってきて、その後で「起承」は後付けする、という構成の方が現代では圧倒的に多いとゆーのを逆に実感しましたね(コレも少なくとも、あまり中身の無いジャンルの作品なら尚のコトと)。とにかく、序盤三分の一はおろか半分以上も過ぎる迄まるで盛り上がりドコロがねーのですよね。楽曲はチョロチョロ入ってゆくのですがソレも(ソコまでは)カントリー・ブルース的なまろやかなヤツばっかなんで超・眠いですし、お目当ての”Jailhouse Rock”まではナンと実に1時間かかりますし、そしてそもそもロック調の曲は3か所くらいしか入らないのですよ(”Jailhouse Rock”も信じられないコトにかかるのは一回ダケだし)。コレなら映画チケット代でEPを買った方が確実に好い(好かった)と言えるでしょーね。 更にはまた、エルヴィス自身の演技力とても…その表面的な出来自体はともかく、終始ごくボンヤリした(キレの無い)演技しかしていない(できない?)ので、重ねて全体としても緊迫感の在る場面がマジで皆無なのですよ(助演の面々も多分エルヴィスに合わせてローテンションで演っちゃってるので)。結論、コレは如何に確実なる世紀の名曲を抱いている(音楽)映画だとは言え、これ以上の評価は嘘になりますね。サントラの方を大いにお勧め致しますです。[インターネット(字幕)] 4点(2022-08-16 23:13:47)《改行有》

55.  四谷怪談(1959) 《ネタバレ》 このジャンルにおける傑作『東海道四谷怪談』の方とまさかの同年同月に公開された…というコトらしいのですが、そんで客入りや評判は実際どーいうコトになったのか…とゆーのは正直気になるトコロですね。とりあえず、単純にホラー・怪談映画として(怖さ・恐ろしさを比較した場合には)確かにアッチには到底敵わない…てな感じではあります。両作品とも、いわゆる歌舞伎なんかの「原作」からはシナリオ的にもかなり調整が入っていると思われますが、今作ではとにかく伊右衛門のキャラが大きく変えられちゃってるとゆーか、結論的には全く悪人という感じですらないのですよね(悪事全般は取り巻きの方に任せ切りで)。ラストも結局、伊右衛門自らその悪漢どもを成敗した上でごくボンヤリと曖昧に終わってゆく…という感じであり、総じて「凄み」の程度が大きく劣るのです。取りも直さず、悪人が悪人らしくない⇒ソレに対する恨み辛みもどーも深みを欠く⇒怨念全開な恐怖シーンも少なからず薄味に…というコンセプト弱体化にも大いに繋がっちゃってる、と言いましょーかね。 逆に、ソコまで凄惨な話でもなく主役の長谷川一夫に対する悪感情もさほど覚えずにごく気楽なうちに観終われる…とゆーのがそもそも演出の大方針だったのかも知れませんケドね(ココまで来ると)。その意味では『東海道四谷怪談』てのは確実に「やりすぎ」とも捉えられ兼ねない過剰なハイレベル(時代を考えれば特に)ではあったので、2作は必ずしも客の取り合いになった…てなコトでもなかったのかも、なんて思ったりもね。[インターネット(邦画)] 4点(2022-06-02 22:21:14)《改行有》

56.  女吸血鬼 《ネタバレ》 Wikiに依れば本邦初の本格吸血鬼もの怪奇映画とのコトらしいのですね。で、おおまかな流れは西洋の吸血鬼物語をチャンとなぞっている…とも思われるのですが、細かい部分が妙にややっこしくて(かつその「効果」とゆーのが率直に微妙な様に思われて)ちょっとスッと頭に入ってこない…とゆーか(=な~んか無駄やないケ?と)。 まず、天草四郎伝説を下敷きに置いていながら、吸血鬼本人は天草四郎ではなくその家臣なのですよね。で、狙われる一家の方が天草四郎の血族なのですが、メインヒロインとしてソコの娘が居ながらも吸血鬼のターゲットはその母親の方で、なんと20年前に既にかどわかされていたのが今になって(姿はそのままで)戻ってきた…という。しかも、肝心の吸血鬼は吸血鬼ながら何故か若干「狼男」的とゆーか、ショックシーンで月光に照らされると凶暴化する…とゆーのにも(現代的な感覚からすると)ちょっと違和感を覚えますよね。他にも展開運び自体等もろもろと結構に支離滅裂ぎみで、そこら辺、やはり舶来のホラー的存在を我が国の「怪談」系映画に落とし込むのにかなり苦戦した…とゆーコトなのかな、と。 ただ、中でひとつ非常に面白かったのは、肝心のその本邦初の吸血鬼の由来…と言いますか。この男は島原の乱の最中にごく悲惨で禍々しい経緯を経て人から鬼に成り果てた、近年の日本の吸血鬼もので言うトコロの「真祖」とでも言うべき存在なのですよね(『HELLSING』なんかに見られるよーな)。ソコはやはり少し面白いとゆーかコレは実はごく日本的な捉え方なのかなとゆーか、ある種の「文化的差異」なのかも…という様にも思われました。つまり、日本の「怪談」ものにおけるホラーモンスターは「元・人間」だとゆーのが結構重要で、ソレが何故ヒトならざるモノに成ってしまったか…を描くコト自体をホラー要素として比較的重視するものなのかな、と(=最初から怪物だった or 血が呪われていた、とかは、やっぱあまりしっくり来ない…というコトなのかな、と)。[インターネット(邦画)] 4点(2022-05-30 23:50:10)《改行有》

57.  ティーズラマ 《ネタバレ》 「史上最低の映画とは?」となれば、ソレは多分『死霊の盆踊り』だろう…とゆーのが昨今の本邦ではもはや共通認識に成りつつあるかと思うのですが、個人的にはココには少しだけ違和感とでもゆーべきモノがあるのですね。つまり、あの映画は60年代アメリカで盛んにつくられた「ヌーディ・キューティ」と言われるポルノ映画の一作であり、要は「ハダカが映って(さえ)いればナンでも好い」という類の作品なのであって、かつ更に溯るコト50年代にはその「ヌーディ・キューティ」の原型たる「バーレスク映画」とゆーのもシコシコとつくられていた…とゆーのまで含めると、このコト自体は(『死霊の盆踊り』の知名度に比すれば)あまり世間でも知られていない事実だと言えるかと思います。要は結論、ヌーディ・キューティなら(或いはバーレスク映画なら)別にアレに限らずどれも大体あんな感じじゃねーのかね?(ソコまで大差は無いのでは?)というコトが言いたいのです。 本作はその「バーレスク映画」の中では比較的有名な作品で、ややカルト的な扱いもされている…とのコトですね。一重にソレは出演者のスペシャリティ、つまり50年代の伝説的ピンナップ・ガールことベティ・ペイジと、往年の伝説的バーレスク・パフォーマーことテンペスト・ストームが出演してるというコトに依るものです。とは言え、映画としての内容自体は前述どおり精々『死霊の盆踊り』並み…とでも言いますか、現代の視点からするとかな~り温めな…というモノではあるのですね(=コッチも所詮薄着のおねーさんがゆーてチンタラ踊ってるだけ…てなモンで)。そもそもバーレスクという文化自体、戦前までにはストリップ主体のエロティックなショーが主流になっていたというコトらしいのですが次第に規制を受けて衰退し、本作時点の50年代においてはバーレスクそのものがもはや「過去のもの」になりつつあった…てなコトだそーなのです。また50年代ではまだエロに対する全般的な規制自体も厳格なままであって、だからバーレスク映画はヌーディ・キューティに比べてもエロの面はかなり控えめな質感に留まっています。まず乳首は映りませんし、その他の肌の露出もだいぶ控えられています(特に下半身については、かなり分厚いパンティを履き込んでその上に布を一枚纏わせているのが標準、てな感じすかね)。その意味で言えば、オッパイはバルン!と全開で尻もTバックで丸出し!な『死霊の盆踊り』の方がエロ的な価値はハッキリ高いとまで言えるでしょう(少なくとも「表面的」には)。 ただ今回、実は『死霊の盆踊り』の方もYouTubeでリマスター版をレンタルして観直しました(画質がスゲー綺麗になっててビビりましたわ)。そこで2作を観比べてみると、確かに『死霊の盆踊り』の方はそれでも諸々と非常に出来が悪い、つまりは本作『ティーズラマ』は(規制が厳しい中で)可能な限り色々と「工夫」とゆーのを施そうとはしているのだな…というコトも確実に実感できたとは言えるのですよね。 何よりとにかく『死霊の盆踊り』とゆーのは異常なまでにメリハリとゆーのが無い映画だ、というコトなのですよ。個々の演者のパフォーマンスにしても最初から最後まで全く抑揚・盛上りやストーリーというものが無いと感じます。『ティーズラマ』ではパフォーマーは3分間の中で多少は踊りにもバリエーションを付けようという姿勢が垣間見えますし、そもそもストリップ宜しく(ランジェリーまでとは言え)段々と脱いでゆく…というストーリーが基本的にはあるものなのですが、『死霊の盆踊り』は何故か「最初から脱げるトコロまで脱いで出て来る」or「最初は服着てるケド次の瞬間全開になってる(=脱いでる過程を映さない)」という2パターンしかないのですよ(コレは率直に「何故だ?」と思いますね)。あとそもそも『死霊の盆踊り』では揃えたダンサーも皆似た様な体形、かつ全員最後はトップレスにTバック…とルックス面でもバリエーションが皆無です。『ティーズラマ』ではまずテンペスト・ストームが文字通りの爆乳を引っ提げた超ダイナミックな容貌にして、一方ではモデル体形の娘もチャンと居たり…とある程度のバリエーションがあります(ベティ・ペイジは絵に描いた様なボンキュッボン!で凄いクビレでした)。もう一つ、特にペイジとストームの両名はパフォーマンス中の表情や「品の作り方」が非常に多彩でココは確かに実に魅力的です(流石)。コレも『死霊の盆踊り』のおねーちゃん達がパフォーマンス中終始ごく微妙な表情をしているのとは違いが一目瞭然ですね。これぐらい、ある種コレを「本職」にしてるのなら当然のコトかとは思うのですが、ソレを『ティーズラマ』は多少は出来てるケド『死霊の盆踊り』は全然出来てない…とゆーのもまた間違い無いとは感じられましたのですね。[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2022-01-22 01:31:19)《改行有》

58.  勝負師(1958) 《ネタバレ》 ドストエフスキーの『賭博者』を原作・原案とする映画として、先に『大いなる罪びと』を観たトコロ、コレが予想以上に面白かったため、こちらはジェラール・フィリップ主演ということで観比べることにしたものです。今作の方が原作に忠実だということなのでしょうが、しかし賭博シーン以外の部分が率直にあまり面白くないというか、特に前半(=本題の賭博シーンに入るまで)は相当に退屈でしたね。 更に、賭博シーンに関してもハッキリ言って『大いなる罪びと』の方が盛上げ方・脚色の質という点で二回りは上ですね。特に、将軍の伯母に関するシーンの出来は雲泥です。『大いなる罪びと』の10年後の作品であることを考えれば、この進歩の無さは極めて残念だと言って全く過言ではないでしょう(カラーにしたから許してちょ!というコトなのであれば、そうは問屋が卸さねーよ、と)。 何より、肝心のジェラール・フィリップの出来もまるで冴えないです。まず見た目からして全く冴えてないというか、なんか老け込んでて干乾びてて瑞々しさが皆無、という感じで。同年の作品『モンパルナスの灯』ではあんなに美しかった彼が、これは一体どーしたことでしょうか(モノクロ・マジックというコトなのでしょうか)。とは言え、実際に彼は翌年にはガンで亡くなっています。本当に体調がすぐれなかった、それが故の本作の出来映え、というコトも、まま想像は出来るのですケドね。[DVD(字幕)] 4点(2021-05-24 21:45:27)《改行有》

59.  君の名は 第二部 《ネタバレ》 サブストーリーを織り交ぜながらドロドロと進行するが、発生する事象が現代の観点からすると軒並み平凡で工夫が無く、中々にダルい。完全に中弛みな第二部だが、最終章への期待は膨らむ。[DVD(邦画)] 4点(2019-12-07 18:12:04)

60.  怪物の花嫁 《ネタバレ》 ティム・バートン『エド・ウッド』を観る前に、この映画だけは絶対に観て欲しい。そうしないと、ランドー渾身の「ルゴシの名演技」シーンが理解できないからだ。実際、本作においても観るべきシーンは殆ど無いが(タコとかどーでもいいし)、件のルゴシのシーンは強烈に印象に残っている。個人的に、この手の大駄作を鑑賞する意味は反面教師、つまり良くない映画を観ることで良い映画の何が良いのかをより良く理解できるようになることだと思う。私はこの映画で、ダメなプロットにダメな演出、しかしそれさえも超越して画面を引き締め、観客の目を釘付けにする名演技・名優が存在することを大いに学んだのだ。若き日の私にとっては、生涯忘れられない作品となった。[DVD(字幕)] 3点(2020-02-04 14:12:07)

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