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41. 空母いぶき 《ネタバレ》 レビュワーにしか見られない点数評価があってその基準だと0点じゃなく2点なのかな。退屈はしない。あまりのひどさに身悶えするからである。魚雷を発射する敵潜の乗員150人を殺さないために迎撃できなかった最後の魚雷を身を挺して防ぐ護衛艦。その敵潜水艦を魚雷で攻撃しないで体当たりする自衛隊の潜水艦。味方の命より敵の命を重んじるこのメンタリティは2019年の封切り時に一般的なものだったろうか?自分の感覚では想像できないレベルの発想である。平和日本とはこれほどの奇怪な存在なのだろうか。 それと、近代兵器をなめすぎてるよな。空母から発艦したらすぐ探知されるようじゃステルス機とかじゃないだろ。対艦ミサイルだろうが、魚雷だろうが、空対空ミサイルだろうが、簡単に回避できないし、当たれば致命的損害を受けるんだよ。つまり、味方がたくさん死ぬんだよ。そいつらはみんな知り合いなんだよ。発射されたらもうそこで重大危機なんだよ。冒頭から12発ミサイル撃たれて一発当たってもうそれで戦争なんだよ。いぶきは本当はもうそこで戦闘不能なんだよ。気合で進んで敵潜が避けるとかどんな根拠でそうなるのかなー。すでにこの段階でこの映画には絶望した。でも、途中で観ないとかは作った人にさすがに失礼だから最後まで観た。 護衛艦が攻撃されたのに記者会見しないことを勧める閣僚とか、自社の記者を乗船させてるのに燃えている空母が何の船かわからない編集部の人たちとか、たくさんサンタの靴を作らなきゃいけないのに手書きカード入れてるコンビニオーナーとかほかにも綺羅星のようにわからんキャラクターが続々登場します。ツイッターのコメントなんかもセンスがないよなー。 まあ、いいや。ツッコミどころには事欠かない。しかし、楽しくはない。あまりの無理解に怒りすら感じる。採点基準なんかどうでもいい。信念を以て採点する。0点。[インターネット(邦画)] 0点(2022-02-24 23:17:39)(良:1票) 《改行有》 42. 彼らが本気で編むときは、 《ネタバレ》 可もなく不可もないというわけでもないが、5点で。 内容は悪くない。子役の女の子は素晴らしい。何通りもの泣き方をする。話の展開も自然。異様な嫌い方をする人も出てくるが、まああり得ないわけではない。母親が帰ってきて女の子の取り合いをするシーンはかなり良い。 でもなー、私がBL的な部分にどうしても違和感感じちゃう年齢だからかな。生田と桐谷のBLとか想像しちゃうとどうもダメだ。生田が結婚みたいなことを言うと桐谷が「引き受けますよ。」みたいなことを言うんだけどこれって愛情表現としてありなのかな。わからん。この後ミッドナイトスワンが日本アカデミーを受賞するわけだがトランスジェンダーを単体で扱ったか、カップルにしたのかというのも微妙に影響したかも。しかし、プロの役者というのはすごいものだ。生田は十分にこの難しい役をしっかりこなしていた。 編み物がもつストレス解消効果は面白かったが、正直このタイトルは失敗だと思う。どうしても「舟を編む」を連想してしまい、損をしたと思う。108本編むにしてもそれは本人が編むべきではないのか?「編むときは」の「ときは」も良くわからん。 映画館と書いたが実際は公民館での上映会でコロナ対策で換気のため外の明かりが入ってくるひどい状態で画面も小さかった。それを割り引いての評価です。ご了承ください。[映画館(邦画)] 5点(2022-02-23 23:15:41)《改行有》 43. アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 なかなか面白かったです。史実をうまい具合に変えた作品ですが、かなりうまくできています。 金剛代艦計画は存在していましたが、現在知られている二案とも戦艦の計画です。ですから、これを空母と戦艦にしたのはフィクションです。戦艦なら対米戦争、空母なら戦争回避という前提で話は進みますが、無論そこには何の根拠もありません。しかし、これを話の基本に据えたことでうまく物語は進行してゆきます。戦艦建造を防止するため留学を辞め、山本五十六に請われて到底無理と思われる短期間での建造費用の見積もりに挑む天才青年。そこに立ちはだかる軍事機密の壁。わずかに見える突破口も無理だとあきらめた瞬間に起きる奇跡。それを察知したかのように届く期間短縮の知らせ。天才のひらめき。見積もりの成功。しかし、それさえも論破され強行される戦艦建造。だが、その戦艦建造には全く思いもよらない意義があったのだ。 この最後の戦艦の意義が泣ける。冒頭のシーンが思い返され感謝の思いに心が震える。傑作とまでは言えないが、胸が熱くなる。8点。 史実に追加。金剛代艦計画は海軍軍縮状況下で検討されたもので直接大和とは関係ありません。あと、自分の知る限りでは戦時中、戦艦大和の存在は秘密とされており、国民の戦意に影響を与えるものではなかったと思います。[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-23 18:02:14)《改行有》 44. 風立ちぬ(2013) 過去、日本は貧しく遅れていました。みんなで一生懸命努力しました。しかし、その努力の先に待っていたものは敗戦でした。きっと、少し努力の方向がずれてしまったのでしょう。明治維新で開国したころの欧米との科学技術の違いを思うときそれから70年ぐらいで国産兵器で欧米と肩を並べる処まで来たのは奇跡と言えます。黒船に腰を抜かした民族が世界最大の戦艦大和を建造しました。欧州から購入するだけだった航空機も世界レベルのものを生み出しました。戦闘機においては96艦戦、爆撃機では96陸攻がその嚆矢でしょう。 物理学を研究したその先に原爆がありその実現に向け研究を重ねてい湯川秀樹がいたように飛行機に夢をかけ戦闘機を設計した堀越二郎もいたのです。欧米へのキャッチアップに成功した96艦戦は幸福な機体ですが、負け戦の前面に立たされたゼロ戦はつらいことになりました。結果にとらわれずその努力をあの時代性の中で表現できたこの作品、9点ですかね。素晴らしい作品だと思います。[地上波(邦画)] 9点(2021-09-23 01:18:01)《改行有》 45. 竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 突っ込めばきりがないかもしれないが、もうあの駅のシーンが物凄くツボに来たのでこの点数。やっぱりあれは田舎だからありなんだよね。いくら純で良いセリフでも東京のラブホテルでやられたんじゃ嫌悪感しかないから。 そうあと、助けるの連呼もまいったね。泣けたよ。だって、彼の言う通りなんだもの。鈴ちゃんは対決したけど、感謝してもらえたけど多分何も解決していないと思う。でも、そこに危機があって対応して解決できた雰囲気は作品的に必要なんだよな。作品的に必要だから入っているシーンにあまり妥当性を感じないものが結構あった。みなさんもいろいろ言っているけど自分はお母さんが川で死ぬところからして疑問だったよ。ライフジャケット付けていれば死なないんじゃないかな。それでも死ぬなら女の子も助からないでしょ。彼女ほどの経験があれば命綱とか持っていかないのかな? でも、まあいい。楽しかった。次の日は心が軽かった。駅のシーンのおかげだ。8点献上。[映画館(邦画)] 8点(2021-09-20 20:58:48)《改行有》 46. メンフィス・ベル(1990) 《ネタバレ》 映像きれいだし、青春の光と影みたいな感じで好感が持てる作品でした。爆撃機の内部も良く見えたし、装備なんかの使い方も面白かった。欧州戦線最初の25ミッションクリアした機の実話を元にした作品だそうで、つまり欧州の戦略空軍最初期の作戦行動が舞台になっています。このころは無差別爆撃は犯罪行為で米軍も昼間精密爆撃をしていました。被害は大きく戦果は上がらず、長距離護衛戦闘機が登場するまで悲惨な状態でした。無差別爆撃で一般市民が犠牲になったのは英空軍の夜間爆撃ともっと後期に行われた日本への爆撃になります。 大戦に参加した米国軍部隊の中で最も損害が大きかったのはこの時期の米爆撃部隊だっとも言われています。戦争ですから殺し合いですから双方に死者が出るわけです。そんな過酷さが映像表現として保存され、再発の防止になれば何よりです。[地上波(吹替)] 7点(2021-05-23 21:52:14)《改行有》 47. 頭上の敵機 《ネタバレ》 うまくいっていない部署に単身乗り込んで立ち直らせる。それがどんな困難か、あきらめたことのある身にはグレゴリー・ペックに物凄い憧れを感じる。しかし、その改革の功罪を一身に背負うとなれば、そのストレスたるや想像を絶する。落伍する僚機を援護するため編隊を崩した機長を叱責する、怒る方も辛いよな。 それでも理由とかきっかけではなく何故か急に改革に共感が集まり方針は徹底され士気は上がる。だが過酷な任務に損害が出て、戦死者も増える。「それが戦争だ。」そう言い捨てるけれど心は愛する部下へ哀惜の念と自分が信じて鍛えてきた方針への疑念に苛まれていたはずだ。この映画のこの描写の当否に部下を死地に送り込む命令を出したことがない我々はコメントする資格はない。なぜなら、そのストレスの過酷さを知らないからだ。逆に戦争の記憶がまだ生々しい時期に制作されたこの映画にその精神状態を学ぶべきだ。 敢えて「メンフィス・ベル」と比べると当時の雰囲気が分かって面白い。爆撃機が進入してくるシーンの荒々しい操縦に驚くし、被害を受けた航空機の救助に向かう地上要員の緊張感に共感する。乗員の負傷だってちょっと場所が違う。全く学ぶべきところが多い名画中の名画だと思う。[CS・衛星(字幕)] 10点(2021-05-23 16:33:31)(良:1票) 《改行有》 48. 哀愁 《ネタバレ》 恋愛を悲しく切なくするにはどんな仕組みが必要なのかを考える。愛し合う二人にどんな障害がありうるのか。愛しているゆえに出来てしまった障害こそが美しく心揺さぶる。この映画に描かれた物語こそがこの条件に当てはまる。 最高の恋人に激しく求婚され周囲からも祝福されながらも絶望と困窮のために身を落としたヒロインが求婚を受け入れられずに自殺してしまう。こんな悲劇があるのでしょうか。まあ、今の日本で女性の共感があるのかどうかは未知数ですが。 しかし、ロバート・テイラーかっこいいな。井上順は真似していたかも。字幕じゃビビアン・リーは踊り子だけどバレリーナなんだね。「伊豆の踊子」とは大違いだ。そして最大の疑問は何でこの映画で結構重要な扱いのラッキーアイテムがビリケンさんなの?[CS・衛星(字幕)] 10点(2021-05-23 14:50:13)《改行有》 49. パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 アメリカ以外でのアカデミー賞作品という事で非常に関心を以て拝見いたしました。見た直後はどこが評価されたか疑問しかありませんでしたが、2時間で韓国社会の持つ特質を描いたあたりが受賞の所以ですかね。 一番の盛り上がりが主人の一家が外出した隙に家族で宴会するシーンでしたが、いきなり帰ってきた主人にばれないように掃除するんですかど。あんな掃除じゃ全然きれいになりません。それでも主人は気が付かない。私は絶対ばれると思ってその後の展開を固唾をのんで待っていたので肩透かしを食いました。ああ、そういう作品なんだなと思いました。演出表現と筋書きがリンクしていないなと。しらけましたね。 でも、韓国社会の経済的分断や朝鮮戦争の今も残る生々しい傷跡、騙したり脅したりなんでも相手を出し抜ければそれでオーケー的な社会文化なんかはよく描けていたのでまあ、西洋文明的には違和感があって面白いのは事実。[映画館(字幕)] 7点(2021-05-16 10:13:10)《改行有》 50. グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 良くも悪くも韓国文化を感じさせる作品。日本ならやられてもやられてもけなげに怪獣に立ち向かう自国軍隊が警備しかしない。それ故主人公が個人の資格で立ち向かうけれど軍隊はその足を引っ張る存在。まあ、これがアメリカだと軍隊が強力すぎて怪獣に生き残るための特殊能力が必要になるんだけど。w 人間関係も家族が最優先。社会への貢献とか全くテーマにならないでそれが当然感がこれでもかとスクリーンから伝わってくる。家族の次に大事なのは現金ですね。そこには社会的な信頼感を全然感じない。だもんで、多分日本人が観ると物語の展開に違和感を感じて物語に没入できない人も出ると思う。 冒頭の怪獣登場シーンはよかったな。いつの間にか登場して自然に近づいてきて自然に殺戮が始まっている。そのスピード感が逆にリアリティを感じさせてくれました。 この一作を以て韓国文化を論じるのはちと早計だとは思いますが、日本人には絶対作れない映画でしょうね。[インターネット(字幕)] 6点(2021-05-07 22:37:11)《改行有》 51. 騙し絵の牙 非常に面白かったです。マイナスの一点はタイトル。これは「騙し」じゃないと思うな。普通に色々なことがいろいろな人の思惑で起きているだけで、そこにはそれほどの意図を感じない。だから良いんだ。ずっと伏線入れながらストレスフルに展開して、最後に種明かしみたいな逆転を入れるハリウッド作品には嫌悪感しか感じないから。騙す側の手間暇、綱渡り的なタイミングを考えると非現実すぎるよ。そんなハリウッド的展開を予感させるタイトル失敗だと思う。 出版社内部の主導権争い面白かったし、若手女性編集者の能力表現もさすがだった。変な間の悪いシーンもなくキレキレで退屈しなかったし、セリフも粋な感じだった。みんな芝居上手いし、言う事なし。大泉の曲者ぶりも良かった。筋書きも妥当性が高く自然だったし、地味になっていたロック系の音楽も効果的だった。 もう一回見てもいいと感じさせる快作。[映画館(邦画)] 9点(2021-05-04 17:26:31)(良:1票) 《改行有》 52. アルプスの若大将 《ネタバレ》 子供のころに見ました。最近、衛星で放送されたので再見しましたが、とにかく楽しい。青春が輝いていました。女の子はかわいいし、若大将はさわやかだ。お父さんは面白いし、おばあちゃんは素敵の一語。そして、もうこの人なしにこのシリーズはない、青大将、田中邦衛。加山雄三よりも大事な存在じゃないかとまで思います。こんなキャラクター、ありえない。存在にリアリティがある分、Mrビーン以上だね。むろん、若大将の全く嫌みのないさわやかなモテ男ぶりも素晴らしいです。 しかしだ、映画のヒットのご褒美で行ってきたような冒頭のヨーロッパロケとあまりにお手盛りの最後のスキー選手権はいただけない。特に選手権はクライマックスとして盛り上がるところだけに辛い。 それでも大学生活が楽しく、歌も素敵な感じなので8点献上します。 あとキャストのところにイーデス・ハンソンさんの名前も欲しいな。自分たちの世代じゃ知らない人はいない外タレの草分け的存在ですから。[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-05-04 11:32:15)《改行有》 53. えんとつ町のプペル 《ネタバレ》 頭悪い映画だなあと思いました。 テーマとして「下を見るな、前を向け」ってのがあって、主人公がクライマックスでこの言葉に励まされて危機を克服するんだけど、このシーンを作り出してゆく過程がどうも気に入らない。クライマックスは熱気球の原理で空中に浮かぶ古い昔に移民に使われた船の船首に装備されたクレーンが爆弾に絡んで主人公がそれを外しに行くシーンなんだけど、まず主人公の見かけが10歳以下で明らかにとてもそんな重いクレーンのフックを片手で外す力がない。それに大体熱気珠の原理で空中に浮かぶにしても古い鋼鉄製の船はあまりに重くて無理感半端ない。しかも発進シーンなんか固定された杭を戦いの中で外していくんだけどいくら異世界とはいえその浮力にはあきれるばかり。さらに言えば件の船にしてもなんで船首にクレーンついてるのって疑問が浮かぶ。この手の装備のある船って海底ケーブルを敷設する船ぐらいしか知らない。この世界でこの装備がなんで必要なのかどうも納得いかない。 つまり、クライマックスのシーンを作るためにすべての不自然さが準備されたとしか思えないんだよな。創作作品なんだから一切噓をつくなとは言わないよ。でも、それは最小限にして欲しいんだ。高々あの程度のシーンのために数々の嘘をつかなけりゃ準備できないとしたら俺はこいつどんだけ頭悪いんだよって思ちゃう。 でもさ、絵がきれいだったり、ヒロイン的存在の母親が車椅子だったり。ゴミ人間のコアが空から落ちてくるアイデアとか良かったから0点じゃないよ。車椅子のヒロインって斬新でよかったよ。それに既に今日の日本のアニメは映像だけで見に行く価値がある。脚本が良ければ鬼滅みたいなメガヒットになるだけのレベルにあると思ってます。[映画館(邦画)] 5点(2021-05-04 11:13:35)《改行有》
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