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プロフィール
コメント数 370
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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41.  鉄男 TETSUO 《ネタバレ》 この鉄は汚い鉄だなぁ・・・と思いました。メタリックな輝きはなく、使い古され、錆び付いた鉄です。鉄と生身の肉と血。ある朝、頬から飛び出た鉄くずを指で触った瞬間にほとばしった血飛沫に、鋭い映像的感性を感じました。基本的に大笑いしながら見ましたが、感性だけで突っ走っているので、途中でだれてきます。1時間程度の短めの作品ですけど、結構限界です。役者が皆いい味を出しているだけに、監督本人は出なくて良かったのではとも思います。[DVD(字幕)] 8点(2024-02-09 17:30:05)

42.  ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 《ネタバレ》 平日深夜から見るには長い作品で、1時間程度ずつ、日を変えて見たのですが、期せずして、幼少期、青年期、現在の3部がほぼ1時間ずつの構成になっていて、それにほぼ同期することができたので、こういう見方でも良かったかなと思いました。冒頭のシーンをすっかり忘れてしまっていましたが。映画を題材にした映画です。とてもハードルが高いと思うのですが、無理なく、力むことなく、それでいて映画らしい映画としてまとまっています。映画の歴史がある国ならではですね。地に足が着いていて、深みがあり、苦味もある作品です。南イタリアらしい明るく乾いた色合いもいいです。劇場版のほうが評価が高いようなので、機会があれば、そちらも見たいですね。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-25 17:53:20)

43.  ナイスの森 The First Contact 話題切替時にアイキャッチ的に挟まる漫才など、嫌がらせかというほど面白くないシーンがいくつかある以外は、総じて面白いと思いました。非現実的な設定と展開の中に、日常的にありがちな些細な出来事を織り交ぜて、じわじわと可笑しみやバカバカしさを感じさせることが、基本ラインとなっているようです。個人的には池脇千鶴が演技が上手いのに驚きました。温泉旅行3人娘のエピソードは結構好きなので、後半にも出番があれば良かったかなあと思いました。笑い以外の要素についても結構丁寧に描いているので、それは例えば、ちょっとしたところでにじみ出る色気であったり、不思議な踊りであったり、クリーチャーであったり、それらを節操なく混ぜ込んでいるので、人によって琴線に触れる部分が大きく異なりそうな作品ですね。2時間半の長丁場ですが、まったく退屈はしませんでした。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-25 17:26:50)

44.  21グラム 《ネタバレ》 最初の方、男優の顔の区別が付かなくて戸惑い、混乱しましたが、見てるうちに理解できるようになりました。ある事故に関わる複数の視点からのストーリーを時系列を細切れにしてシャッフリングしてます。よくある手法ですが、うまくはまっていて効果的だと思いました。3人の主役がそれぞれの役どころを見事に演じています。特にナオミ・ワッツが印象的でした。基本、向こうの人としては小作りな顔なのですが、いざとなると、顔の中心あたりの毛穴からオーラを発散させる鬼気迫る演技です。映像もディテールに凝っていて、食べ物を扱っているシーンのなんとなく小汚い感じとか結構好きです。あと、宗教に関しては、一歩引いた視点から見ていると言うか、牧師が声を張り上げているところとか、新興宗教っぽく感じられ、ちょっとした胡散臭さを感じさせるような演出が面白いと思いました。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-12 19:13:42)

45.  巨神兵東京に現わる 劇場版 《ネタバレ》 宮崎駿の「風の谷のナウシカ」に登場する巨神兵をフィーチャーした10分程度の短編特撮映画。劇場版として「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」と同時上映されたため、期せずして鑑賞しました。他作品の宣伝と区切りがないままの入りだったので、最初宣伝だと思ってみていたのですが、そうじゃなかったみたいです。CGを使わないことにこだわった特撮映像で、本編のヱヴァンゲリヲンよりも映像的に新鮮で驚きました。巨神兵が東京の空に覆い被さる異様な光景、その異様さはやはり実体だからこそ出る味があるのですね。建物が破壊されたときにしぶきが飛び散ったのが気持ちよかった。不条理が壮快だった。林原めぐみの台詞はなくてもよかった。[映画館(字幕)] 8点(2023-12-12 19:07:57)

46.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 怪獣パートは、大迫力で文句なく楽しめましたが、ドラマパートはいまいちノリきれず、大きく心を揺り動かされるまでには至りませんでした。舞台設定を太平洋戦争の終盤から戦後すぐの混乱期にしたことは、今までのゴジラシリーズにはないユニークな発想で、良い着眼だと思いました。これにより怪獣パートにおいては、今まで味わったことのないレトロと怪獣のコラボに浸ることができました。一方、ドラマパートについては、いくつかの要素が重なって、不自然さが目立ってしまったと思います。特に主人公とヒロイン以外のわき役たちには、わかりやすいキャラを大げさに演じることが求められていて、そのわざとらしさに没入感が削がれることが多かったです。役者に無駄な演技をさせる隙を与えなかった「シン・ゴジラ」の演出手法は正解だったのだなとの思いを強くしました。そこまで極端ではないにしても、役者の演技力に頼ることなく、解像度が高く、流れるように自然なプロットとシナリオをつくり上げるのが正攻法で、その土台があってこその役者の演技なんだなと気付かされた次第です。怪獣パートは10。[映画館(字幕)] 8点(2023-12-11 17:53:27)(良:1票)

47.  U・ボート ディレクターズ・カット版 《ネタバレ》 第二次世界大戦中のドイツ軍の潜水艦の中が舞台。時間のほとんどが潜水艦の中の映像で占められていて、息苦しさが伝わってきます。空軍のような派手さはなく、陸軍のような泥臭さもなく、深海に身を潜め、水圧におののきつつ耐える時間がジリジリと続き、ひとたび爆雷を受けると、逃げ場がないだけに、狭く細長い潜水艦の中を隊員とカメラが右往左往という迫真の臨場感です。しかし、潜水艦で水が入ってきたらアウトかと思うのですが、何度水が入ってきても、いずれは止まり、何事もなかったかのように潜行を続ける様に、「ええぃ、ドイツのUボートは化け物か?」と思ってしまいました。艦長のウスラ笑いがいいです。[DVD(字幕)] 8点(2023-11-22 17:51:36)

48.  変態村 《ネタバレ》 前知識を入れずに見たのですが、なかなかの良質なホラー映画でした。原題はCalvaire。ラテン語で“ゴルゴタの丘”の意味だそうです。「変態村」とは思い切った邦題を付けたものです(原作レイプ的な意味で)。愛情、独占欲が一線を越えて、狂気に豹変して、監禁という流れ、現実に起こりえる怖いシチュエーションは、映画「ミザリー」のようですし、周囲から隔絶された山村の村人全員が狂人という異常なシチュエーションは、ビデオゲーム「SIREN」のような、「どうあがいても、絶望」ですし、それらがうまいこと組み合わさっています。序盤の主人公の売女な人からのモテモテぶりも、何とも奇妙な味わいなのですが、その後主人公に起こる売女な人としてのモテモテぶりを暗示していて面白いです。終わり方は「ターミネーター2」を彷彿とさせます。[DVD(字幕)] 8点(2023-11-22 17:45:19)

49.  苺とチョコレート 《ネタバレ》 ハバナの街の雰囲気を満喫できたような気がします。スペイン植民地時代の石と煉瓦でできた南欧風の街並みが、長い年月、余り手が入れられることなく、朽ちながらも永らえていて、美しく装飾的でありながら、風化して、小汚く、埃っぽい。そこに人が混じり込んで都市生活が成り立っているところに、廃墟フェチというか、ちょっと廃れてるかも知れない街フェチとしては、グッと来るものがあります。見ている間は時代設定がよくわからなかったのですが、後で調べたところでは、80年代のようです。50年代のキューバ革命により、アメリカによる半植民地支配からは開放され、農村出身の主人公でも大学で学べるような環境になった反面、共産党独裁政権の弊害として、思想の自由が認められない社会になっているという問題意識のもとでつくられた作品のようです。内容的には、自由な表現を求める芸術家兼ホモセクシャルの青年と、政治を専攻する(共産主義を学ぶ)大学生兼作家志望の青年の話で、自由人vs優等生(共産主義下での従順)、オカマvsノンケが話の大きな軸になるなのですが、これに美人できっぷのいい自殺未遂癖のあるセクシーなおばちゃんが絡んできて、不思議な三角関係になることで、話がぐんと厚みが出て面白くなっているんですよね。頭の硬い体育会系共産党員青年もなかなか凛々しくて、作品を引き締めています。[DVD(字幕)] 8点(2023-10-31 19:03:37)

50.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 長年勤めた検察官を定年になった男が、持て余す時間を使って小説を書こうとするところから物語は始まります。小説のネタは、25年前に捜査にかかわった殺人事件。そして、映像は25年前に切り替わり、書かれつつある小説の内容(捜査の内容)をなぞっていくこととなります。犯人を捕まえた後に一悶着あり、主人公は、何者かに襲われることとなります。殺されてはたまらないと、気になっていた女性上司を置いて一人逃亡し、事件はそのままに。小説の終わり方としては、尻切れトンボで、別れのシーンも取って付けたような、お約束的感動シーンなのですが、事実に基づく以上、それ以上展開の仕様もないといったところです。小説世界から現実に戻り、やはりどこか気にかかるのか、当時の関係者の消息を確かめることに。そして25年を経て、事件の裏側に隠れた秘密を垣間見る・・・と言ったストーリーです。渋い、渋すぎる。大人による大人のためのサスペンス。主人公も渋いのですが、女性上司の魅力が何とも言えません。頭が良く芯が強くどっしりしてるのだけど、清楚な感じでもある、日本映画には出てこないタイプですね。映像もしっとりと落ち着いていて、それでいて、キビキビしたカメラ割りでテンポ良く進んでいく感じです。[DVD(字幕)] 8点(2023-10-12 18:49:30)

51.  悲しみのミルク 《ネタバレ》 冒頭。暗い画面の中、女性が口ずさむ子守歌のような歌が流れてきます。少し油断しながらも、字幕の歌詞を追っていると、少しずつ不穏な内容になっていきます。更に注意を傾けると、♪目の前で夫を殺され、夫から切り離したナニを口に突っ込まれつつ犯された、ナニは火薬の味がして苦かった♪~というような相当不穏な内容が混じってきます。老母が病床で内戦時の自分の経験を唄っていたのでした。その後すぐに老母は娘の前で息を引き取ります。母の恐怖の記憶を、母乳を通じて受け継いだ娘が主人公です。母親と同じ目に遭わない自衛手段として膣内にジャガイモを入れています。娘が暮らす貧民街(難民街)の住人は原住民の血が濃いのですが、この娘は端正で精悍な独特の魅力のある美人です。娘は亡くなった母親の埋葬費用を工面するために、リマの街の白人音楽家のお屋敷でメイドとして働くことになります。必要なお金を稼ぐまでの娘の周りの世界を追うことで、下層から見たペルー社会(人の営み、社会構造の歪み、内戦の傷などモロモロ)を、ゆったりとした流れで丁寧に描き出していきます。静かに深く、何とも言えない悲哀が心にしみ入ります。これまでペルーの気候風土などあまり考えたことがなかったのですが、映像を見ると結構ショッキングです。貧民街はリマの街から坂を登った丘陵部にあるのですが、緑が全く存在せず、背後の山々もすべてはげ山で自然の緑が見られません。リマの気候を調べてみると、東京より夏涼しく冬暖かく、曇りが多く湿度は高いが、雨がまったくと言っていいほど降らないようです(年間降水量:30mm程度、平均温度:18℃、平均湿度:87.1%)。砂漠なのに空がスカッと抜けずにどんよりしているのが停滞感を助長します。貧民街の緑のない埃っぽい殺伐とした景色が、植木の緑で覆われたリマの街の屋敷と対照的です。これが最後のシーンを引き立てています。[DVD(字幕)] 8点(2023-09-27 17:16:10)

52.  ザ・レイド 《ネタバレ》 役者たちはインドネシア人ですが、監督はイギリス人です。RAIDと言ってもハードディスクは関係なく、襲撃、ガサ入れという意味で、麻薬組織アジトに警察特殊火器戦術部隊(SWAT)がガサ入れする話です。麻薬組織は、高層マンションをアジトとしていて、多くの部屋に手下のチンピラが居住しているのですが、一般人も混じっています。漫画「殺し屋1」のヤクザマンションを彷彿とさせます。シンプルなバイオレンスアクションが、ここまでエキサイティングになるとは・・・驚きました。うれしい驚きです。リアルな痛さ、どす黒い血しぶきあり、銃撃戦あり、刃物、素手の格闘あり、重厚かつ多彩で、緊張が途切れることなく飽きることがありません。[DVD(字幕)] 8点(2023-09-27 17:07:09)

53.  七人の侍 《ネタバレ》 3時間半以上の大作ですが、面白くて一気に見てしまいました。長さを感じさせません。30軒やそこらの山奥の農村集落の狭い世界の話なのですが、とてもスケールが大きく感じられるところが魅力です。三船敏郎のオーバーな演技や、農民たちがどっと笑うところなど、必ずしもリアルとは言えないところもあるのですが、映像に妥協がなく密度が濃いので、安っぽくならないのですよね。[DVD(字幕)] 8点(2023-08-22 19:08:03)

54.  田園に死す 《ネタバレ》 鮮烈かつ強烈な映像イメージ。前衛的な舞台演劇的な記号は、人心に潜在する禍々しさを顕在化させつつ、日本的自然の深み広がりと融和して、何とも言えない郷愁をも誘います。現在の私を演じる菅貫太郎は、ピルロ風の二枚目で、画像も貼らずにの麻呂と同一人物とは思えませんでした。[DVD(字幕)] 8点(2023-08-03 20:09:30)

55.  ソナチネ(1993) 《ネタバレ》 北野武監督の作品はこれまでテレビ放映でしか見てなかったです。「その男、凶暴につき」は暴力描写がそこそこ面白いと思ったのですが、「キッズ・リターン」、「HANA-BI」は、どうもわざとらしさが気になって、それ以来、北野作品からは遠ざかっていました。結果的に本作品を見るのが随分と遅れてしまいました。時間が無限にない以上、作品を見る順番は本当に重要ですね。ショウアップされたお約束バイオレンスではなく、地味だけどエグく、感覚が麻痺した地点で生まれる狂気とおかしみを交えた暴力描写は「その男」の発展形でだと思います。命を張った抗争のさなかで、意図せずして訪れた沖縄の海辺での止まった時間、抜ける空が、ただれた心に沁み入ります。[DVD(字幕)] 8点(2023-08-03 20:02:01)

56.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 エグいバイオレンスと、緻密なシナリオ。原作が日本の漫画だということは聞いていたのですが、漫画の映像化作品にありがちな、これじゃない感はほとんど感じませんでした。原作漫画を知らないというのもありますが、映画作品として普通に完成度が高いと感じました。[DVD(字幕)] 8点(2023-07-28 18:47:59)

57.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 ユダヤ・ハンターの異名を持つナチス高官による捜索&虐殺を逃れて一人助かった少女による復讐劇と、バスターズと呼ばれるユダヤ人ナチス狩り部隊(仮想)によるヒトラー暗殺計画とが同時進行し、最後に両者が重なりクライマックスを迎えるという流れです。第1章のユダヤ・ハンターがフランスの酪農家を訪れるエピソードがとにかく素晴らしい出来です。これでぐっと映画の世界に引き込まれました。そして、その後の展開も悪くないのですが、終わり方がいまひとつのような気がしました。観客の予想を裏切ることと、印象的なシーンづくりに重きを置いたのでしょうが、もう少しシンプルに復讐劇に決着をつけた方が、感情的に盛り上がったような気がします。結果だけ見れば目的は達成されたのでしょうが、各々の思惑と行動、およびその結果が混然としてしまい、混乱とフラストレーションが残ってしまいました。[DVD(字幕)] 8点(2023-07-28 18:37:42)

58.  黒部の太陽 《ネタバレ》 石原裕次郎の遺志で長いことソフト化されず、見ることが困難だった作品です。高度経済成長期に電源不足に陥った関西電力の社運と関西経済の命運を賭けた一大プロジェクト黒四ダム建設を描いた大作です。三船敏郎は関電のプロジェクトの現場責任者。石原裕次郎は熊谷組の下請けの手配師の息子で設計技師。危険で無謀なダム建設に疑問を持ち、下請け手配師の親父とは犬猿の仲の石原裕次郎が、足が動かなくなった親父の代わりに現場の陣頭指揮を執り奮闘するという話です。3時間超という大作ですが、中だるみすることなく見れました。というかむしろ、時間が足らず描き切れていない感が残ります。工事だけでなく、発注者受注者間の腹の探り合い、腹を割った話、主人公の恋愛やら、家族の病死やら、盛りだくさん過ぎて時間が足りません。素晴らしかったのは、臨場感あふれるトンネル工事撮影です。破砕帯に近づき、支保工が音を立てて軋む場面、破砕帯にあたり、トンネル内を爆流が押し寄せる場面は圧巻です。撮影自体も結構ムチャしてそうで、高度経済成長期の狂気のようなものを感じ取れる気がします。主人公たちは死者を一人も出さないのが目標とか言っているのですが、人命確保のための体制がなってないというか、技術的な裏付けがなく、管理が杜撰で技術が稚拙で、これがせいぜい半世紀前の話というのに驚いてしまいます。隙間だらけの木矢板で山止めしているのが泣けてきます。この人命の軽い扱いは、大戦が影響しているように思います。戦後復興期は、独特の時代の狂気みたいなものを感じずにはいられないんですよね。[DVD(字幕)] 8点(2023-07-10 19:12:21)

59.  アンドロメダ・・・ 《ネタバレ》 半世紀前のSF映画ですが、ハードウェアのデザインがモダンで素晴らしいです。機能がそのままデザインに反映され、デザインが機能を語っていた古き良き時代ですね。多少野暮ったくても味があります。特に宇宙服のような手術服には、「その発想はなかったわ」といたく感動しました。物々しいディテールの積み重ねにワクワクしながら見ていましたが、終わり方は随分とあっけなかったです。[DVD(字幕)] 8点(2023-07-06 18:40:45)

60.  コーカサスの虜 《ネタバレ》 トルストイの原作は未読です。コーカサス地方とは黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス山脈周辺をいい、南コーカサス(山脈以南)が、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジアなど、ロシアから独立した国家から成るのに対し、北コーカサス(山脈以北)は、チェチェン共和国を含むロシア連邦に属する7つの共和国がひしめく地域です。調べたところによると、本作は150年前に書かれたトルストイの原作を下敷きに、舞台を現代の(当時の)チェチェン紛争に置き換えたもののようです。息子を捕虜にとられたチェチェン人が、捕虜交換で息子を奪還するために、ロシア軍に奇襲をかけ、若いロシア兵(主人公)とベテランのロシア兵の2人を捕虜にするという話で、山岳地帯のチェチェンの一村における捕虜生活と、脱走劇を追った内容です。腕に自信のあるベテラン兵士は、ヒヨッコ主人公を尊大にあしらうのですが、(これはこれで、軍隊の形式張った感じは全くなく、いやみがなく、面白いのですが)捕虜としては何ら変わらぬ立場上、関係が次第に微妙に変化していくところや、捕虜と、監禁主の娘や、看守役の男とのやりとりが、それぞれの立場を踏まえた上で、ごく自然に微妙に変化していくところなどが、取り立てて大きな感動があるわけではないものの、嘘臭さがなく、どこか暖かみがあり、楽しめるのですよね。見始めてすぐにいい映画だと安心できました。でもやはり、戦争なので、背中の後ろはすぐ死がある状況で。。。意外とあっけなく死んでしまうのも、下手に感動を演出していないところもいいです。[DVD(字幕)] 8点(2023-06-27 20:49:02)

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