みんなのシネマレビュー |
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581. パピヨン(1973) 脱獄ものというと、娯楽映画をイメージしてしまうが、友情に重きを置いた、 人間ドラマの要素が強い作品。原作では主人公は金庫破りで捕まり、 仲間内の様々な容疑を被せられたらしいのだが、本作ではそういったシーンは削除され、 主人公が刑務所に送還されてくる場面から始まる。「俺は無実だ!」とは語っているが、 真相はこちら側にはわからないので、そのあたりの描写を入れたほうが、 彼の行動にも説得力が出て、もっと感情移入ができたかと思う。 劇中でもキャラのまったく違う、マックイーンとホフマンの役者対決が見所。 静かながらも、火花を散らせるような熱い演技を見せてくれる。 ヒューマンドラマとしても、中々の良作。[DVD(字幕)] 7点(2011-09-24 23:28:30)《改行有》 582. オリエント急行殺人事件(1974) 列車オリエント号で起こった殺人事件に、名探偵ポワロが挑むミステリー。 原作自体の出来がいいのか、ストーリーが非常に面白い。登場人物がかなり多い作品だが、 列車の中という閉塞的な場所でお話が展開するので、場面があちこち飛ばず判り易かった。 (疲れていて集中力が散漫な時などは、お話に置いていかれる人もいるかも) もちろん細かいキャラ描写の不足や、事件が起きてから解決に至るまでが一直線過ぎる、 という弊害もあるにはあるのだが、これは限られた時間内ではもう仕方がないのかな、と。 ミステリーものとしてはあまり類を見ない、変わったラストが印象的でポイントが高い。 豪華列車での旅の雰囲気も味わえ、出演しているショーン・コネリー、E.バーグマン、 ジャクリーン・ビセットなどの大物俳優が、こちらの目を存分に楽しませてくれる。 お薦めのミステリー映画。[DVD(字幕)] 8点(2011-09-24 20:37:18)《改行有》 583. サスペリアPART2 ストーリーはサスペンス調で、ある殺人事件に巻き込まれた音楽家が その謎と真犯人を突き止めていくというもの。純粋なホラーではなく、 ミステリー映画にスリラーとスプラッターの要素を加えたような作品に仕上がっている。 この手の作品には珍しくお話がまとまっていて、鑑賞者の注意力が試されるようなトリックや、 恐怖心を煽る効果や演出などの工夫が随所に見受けられた。ただ古い映画なので映像が暗く、 出演者も地味なので、全体的にどうしてもあか抜けない印象を持ってしまう。 残酷なシーンの連続には、生理的に受けつけない人もかなりいるかと。 内容はまったく違うが、映画の雰囲気は「13日の金曜日」の「PART1」のような感じ。 普通のホラー映画並には十分楽しめる作品。[映画館(字幕)] 4点(2011-09-24 20:13:25)《改行有》 584. センチメンタル・アドベンチャー 自分の生き方を貫く伯父さんと、そんな彼を通して人生を学ぶ甥とのロードムービー。 大酒飲みでひねくれ者だが、結婚もせずに一流のカントリー歌手を目指している、 強くて優しいイーストウッドのキャラがいい。田舎町を舞台にしたシーンが多いので、 全般的にはほのぼの系に近く、映像も地味だけど、夢を追うことの素晴らしさ、 カッコいい男の生き様を教えてくれる映画だった。[地上波(吹替)] 5点(2011-09-24 19:42:10)《改行有》 585. スカーフェイス キューバ移民の一人の男が、暗黒街のボスにのし上がるまでの様を描いたドラマ。 彼の成功には、当然ながら多くのリスクも請け負っているわけで、 それなりの地位と富を手に入れても、癒えることのない孤独感、 悲しい男の生き様がたっぷりと表現されている。3時間半という長丁場もあり、 まさにパチーノの魅力満載の作品と言ったところだが、ちょっとエグいシーンや、 かなりきたない言葉が飛び交うので、女性の方は要注意。[DVD(字幕)] 6点(2011-09-24 19:21:45)《改行有》 586. 大逆転(1983) コメディータッチのストーリー映画だが、シナリオがよく練られていて中々面白い。 邦題通りの展開で、鑑賞後にスカッとするような心地よさを与えてくれる。 エディ・マーフィはこの時はまだ二番手扱いだが、主役のダン・エイクロイドを喰う 小気味いい演技を見せてくれた。お薦めのストーリーコメディー。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-09-24 11:01:47)《改行有》 587. お葬式 外国人がこの作品を観ても、どこが面白いのかわからないと思うけど、 日本の葬式に関わったことがある人なら、つい見入ってしまうに違いない。 知っていそうで知らない葬式のノウハウ、不思議な決まり事。 そこに集まった人達から垣間見える性格や人間性。とにかく目のつけ所が素晴らしい。 一見暗くなりがちな内容にコメディー色を加え、演出も最後まで飽きさせない工夫が窺える。 配役もアイドル俳優が出演しておらず、いわゆる"役者"と呼べるような人ばかりなので 安心して鑑賞できるはず。総体的に、監督のセンスの良さを感じさせてくれる作品。 ちなみに個人的に一番印象に残っている場面は、葬式のシーンより高瀬春奈の脇毛だった。[ビデオ(邦画)] 6点(2011-09-24 07:23:01)(良:1票) 《改行有》 588. フライトナイト2/バンパイヤの逆襲 前作から三年後、兄を殺された妹のバンパイヤが復讐にやってくるというお話。 吸血鬼ハンターの主人公たちは替わらず、「1」の雰囲気をそのまま踏襲している。 レディバンパイヤがきれいで、妖しい魅力を振りまいているのは結構なのだが、 内容も前作とほとんど同じ展開なので、ストーリー的な面白さは見出すことができなかった。 つまらない続編はよくあるパターンだが、万人向けの「1」だけ鑑賞していれば十分かと。[ビデオ(字幕)] 2点(2011-09-24 06:51:27)《改行有》 589. あの夏、いちばん静かな海。 北野監督の描くラブストーリーもの。 セリフを大方排除し、聴覚障害者の主人公とヒロインの心情を、ほぼ全編映像で表現。 あえて手話のシーンは削っており、久石譲の美しい音楽をバックに、 静かにゆったりと流れる絵が素晴らしい。これ、耳聞こえてんだろ、 というようなシーンもあるけど、まさに映画という仕上がりにびっくりした。 たけしは役者をやらせれば存在感はあるし、監督をやらせれば映画らしい映画を作る。 う~ん、大したものですな。[DVD(邦画)] 7点(2011-09-24 06:10:07)《改行有》 590. あした 「ふたり」に続く、新尾道3部作の第2作目。 この作品から、認知度はかなり減るのではないだろうか。 映像は相変わらず大林監督独特の雰囲気があるし、非常に期待感を持たせる設定なのだが、 登場人物たちが異様に多いので、状況設定を紹介することで手一杯、 ドラマ性が上っ面しか描かれておらず、どうにも感情移入ができない。 彼らは恋人や家族に、いったい何を伝えたくて帰ってきたのか? そこに焦点を当ててストーリーが展開されるわけだが、取り立ててグッとくるような波もなく、 終始盛り上がらないまま映画は終了してしまった。原作は読んでいないのでよくわからないが、 設定を大幅変更でもしない限り、映画化するにはちょっとキツかったのではないかと思う。[ビデオ(邦画)] 3点(2011-09-24 05:24:42)《改行有》 591. イレイザー(1996) ある情報局員の活躍を描いたアクション映画。サスペンスタッチの内容で、 派手なアクションもたっぷりあるのだが、主人公のキャラとしての魅力はあまり感じない。 シュワちゃん以外の役者がやってもそれなりに観れるだろうし、 そういった意味では安定感のある娯楽作品といった感じ。面白いことは面白いんだけど、 何か甘くないマスクメロンを食べているような感じ。シュワちゃんに飽きちゃってんだろうか。[ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-24 04:15:13)《改行有》 592. ボンデージ・エンジェル 人間のパワーを限界にまで引き出す特効薬。 その秘密を知るのは亡き博士の一人息子だけということで、 悪の結社が彼を襲うといったストーリーなんだけど、もうほとんど仮面ライダーのノリ。 戦闘員はボンデージを着た女戦士たちで、アクションがとてもヌルい。 息子のママ母でもあるセクシーな母ちゃんもボンデージを着出して、 終盤は完全にコワれちゃいました。くだらなくても面白ければいいんだけど、 エッチなシーンもほとんどなく、これじゃ目の保養にもならない。呆れを通り越して、 寂しささえ感じる始末。鑑賞した記憶を抹殺したくなるような映画だった。[ビデオ(字幕)] 1点(2011-09-24 03:36:32)《改行有》 593. エイリアン4 「3」のラストから200年後・・・って、前作より娯楽性は強くなったものの、 設定があまりにも強引過ぎて引いてしまった。ここまでくるとリプリーとエイリアンは、 まるで一生の伴侶。どうしてリプリーにそこまでこだわるのか、さっぱりわからない。 シガニー・ウィーバーもかなり歳を取ったし、エイリアンは「2」で爆破させた惑星で 生まれたわけではないのだから、いくらでもお話は作れるはず。 主役はあくまでエイリアンだということを忘れてしまっているように思える。 リプリー関係のエピソードを抜けば、スピード感があり、娯楽映画としての出来は悪くない。[ビデオ(字幕)] 4点(2011-09-24 02:42:21)《改行有》 594. セントラル・ステーション 少年と初老の女性との交流を描いたロードムービー。 ストーリーそのものより、ヒロインのキャラが非常に個性的でいい。 いかにも独身のオバさんといった感じで粗野でひねくれ者、 もう世間など一切信用していないといった彼女が、ふと見せる人間臭い一面。 少年との旅の中でヒロインが徐々に変わっていく過程は、下手な感動実話より面白い。 お涙頂戴ではないラストもグッド。映像や演出などは可もなく不可もなくだけど、 お薦めの佳作。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-09-23 21:33:29)《改行有》 595. 隣人は静かに笑う 派手なシーンがなく、淡々とストーリーが進むので、 サスペンス好きの人でも多少とっつきにくい部分があるかもしれないけど、 脚本自体は非常によく書けていると思う。主人公の鬱陶しいほどの暑苦しいキャラも、 鑑賞の途中から抱いていた大きな矛盾点も、すべてラストのための伏線だったとは。 してやられたという作品だった。CGをふんだんに使用したヒーロー映画もいいが、 たまにはこういうしっかりした脚本の映画にも、お金をかけてほしいものである。 やや強引な導入部や隣人との絡みなどに多少演出の悪さは感じるが、中々の佳作。 邦題はちょっとよくないね。[地上波(吹替)] 6点(2011-09-23 18:22:20)《改行有》 596. 菊次郎の夏 やくざな中年男と小学生との、ひと夏の交流を描いたロードムービー。 たけしのキャラは笑えるし、映画全体の雰囲気も悪くはないのだが、ストーリーの中身が薄い。 主人公も小学生も、"母親"が大きなキーポイントになっているにも拘らず、あっさりと素通り。 そのため、「変なおじちゃんと楽しい夏休みを過ごしました」といった、 単なる結果報告になってしまっている。ベタにならない程度にはもう少し掘り下げてくれないと。 その代わりが、たけし軍団の小ギャグ集ではちょっとキツい。 音楽は素晴らしかったが、楽曲の良さに頼っている、といった印象の作品だった。[地上波(邦画)] 4点(2011-09-23 10:40:09)《改行有》 597. 蝶の舌 スペイン内戦を背景に、ひ弱な少年と老教師の交流を描いたドラマ。 主人公の少年がナインティナインの岡村君に似ていて、非常に親しみやすいのだが、 それ以上に老教師役の俳優さんが良かった。顔から優しさが滲み出ているようなキャラで、 それだけにラストのシーンが映える。タイトルの「蝶の舌」はテーマとしての深みはないが、 小道具代わりとしてラストで中々うまい使われ方をしている。欠点を挙げれば、 主人公の成長にも焦点を当てているのか、老教師とのシーンが思ったより少なかったこと。 少年のキャラづけに、家庭環境や生活環境を描くのは当然のことだとしても、 ちょっと余計なシーンが多過ぎる。そこに目を瞑れば、良く出来た作品ではある。[地上波(字幕)] 6点(2011-09-23 07:10:01)《改行有》 598. オーロラの彼方へ 簡単なあらすじだけ聞くと、完全なSFファンタジーものといった印象だが、 オーロラの科学現象、SFタイムパラドックス、サスペンス、親子愛と、 いろいろな要素が含まれており、鑑賞者を飽きさせない作りになってます。 ただしお話が各要素に分散されている傾向があって、ちょっと作り過ぎかなという感もあり。 それでも一番描きたかったであろう親子愛のテーマは、しっかり伝わるのではないかと。 特に若い人にお薦めの映画。[DVD(字幕)] 5点(2011-09-23 06:03:47)《改行有》 599. アザーズ お話は割と淡々と進むのだが、ヒネリやオチが効いているため、 全体的には良く出来た印象を与えるゴシックホラー。登場人物が少なく、 映像がお屋敷内中心なので判り易い反面、ちょっと重苦しい雰囲気あり。 中盤から終盤にかけてもうひと工夫、ふた工夫あると、さらに良くなったと思う。[地上波(字幕)] 6点(2011-09-23 04:06:02)《改行有》 600. ムーラン・ルージュ(2001) 豪華絢爛という言葉がぴったりのセットに衣装、 ファンタジー色の強い演出に色彩効果も抜群で、独特の世界観は確立しているけど、 ちょっとごちゃごちゃし過ぎの感あり。音楽はどこかで聞いたようなラブソングばかりで、 かなり取っつき易いものの、当然のことながらオリジナル性は感じられなかった。 主役の男優さんは中々良かったけど、ニコールの方は可もなく不可もなく。 最近のミュージカル映画は、普通の役者さんたちが演じているケースが多くて、 よくがんばってるなぁとは思うのだが、やっぱりちょっと物足りなさを感じてしまう。 その分、豪華な雰囲気ときれいな映像で、釣り合いは取れているのかな? そういった意味では、女性のほうが高評価を入れそうな作品ではないかと思う。[DVD(字幕)] 5点(2011-09-22 19:17:16)(良:1票) 《改行有》
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