みんなのシネマレビュー |
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661. 家族ゲーム 80年代の学校や家庭で浮き彫りにされていた問題点を、 風変わりな家庭教師を通して描いた風刺コメディー映画。 ストーリーはほとんど無いに等しいのだが、当時の何となく殺伐としたシラけた雰囲気を、 役者陣の飄々とした演技、独特の間、シニカルタッチの演出などでうまく表現している。 家庭教師役の松田優作は朴訥なキャラがハマったのか、本作で役者としての新境地を開いたが、 個人的には父親役の伊丹十三が良かった。今の若い人が観ても通じるんだろうか?[ビデオ(邦画)] 6点(2011-09-18 06:10:28)《改行有》 662. 暗闇でドッキリ 御存知クルーゾー警部の活躍?を描くコメディー映画。 ドリフのようなコントに、小ネタが満載と、ちょこちょこ笑わせてくれるのだが、 やっぱりピーター・セラーズの飄々としたキャラが一番の見所。 後半は多少飽きが来て、ラストも今イチだったけど、下ネタはほとんどないし、 まあ普通に楽しめる作品かと。[DVD(字幕)] 4点(2011-09-18 04:25:51)《改行有》 663. 白い肌の異常な夜 イーストウッドの出演作品としては異色作。 序盤の設定からして興味を惹くんだけど、そのあとの展開、 特に終盤からラストにかけてのお話の流れが非常に面白かった。 女教師、女生徒たちの心理状況がよく描かれていて、サスペンス・スリラーに近い印象かな。 それにしても、この頃のイーストウッドはホントにカッコいい。 そのカッコよさが、この作品のキーポイントになっております。[地上波(吹替)] 6点(2011-09-17 23:30:51)《改行有》 664. プレイス・イン・ザ・ハート 突然の夫の死に翻弄されながらも、逞しく生きる女性の姿を描いた作品。 主演女優さんの顔の弱々しい表情が、この未亡人の役柄にはピッタリ。 ヒロインの優しい性格というキャラを伏線にしたストーリーの流れがとてもいい。 お話に厚みを持たせるためか、サブストーリーに姉夫婦のエピソードを配しているが、 ラストでちゃんとまとめてはいるものの、こちらはちょっと浮きぎみ。 終盤はやや宗教色が濃くなったが、テーマは十分伝わるし、中々いい作品でした。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-09-17 16:54:31)《改行有》 665. ダーティハリー3 ハリーのキャラは相変わらず魅力たっぷりなんだけど、 本作では新人女性刑事のキャラが出てきて、これが今一つうまく流れていないような。 終盤の展開は無茶だし、ラストもこれはちょっと納得できない・・・というか後味が悪い。 もちろん、それなりに楽しめるアクション映画だとは思うけど。[DVD(字幕)] 4点(2011-09-17 06:09:41)《改行有》 666. 眼下の敵 アメリカの駆逐艦と、ドイツの潜水艦との息詰まる攻防を描いた作品。 勇敢で冷静沈着な二人の艦長の心理戦を中心に、 昔懐かしいレーダー作戦ゲームのような展開が面白い。 戦争=爽やか、というのも一見矛盾しているような作りの作品なのだが、 鑑賞後に心地よい余韻を残してくれるのは確か。 あの結末なら、戦争への虚しさなどももうほんの気持、前面に押し出してくれるとなお良かった。 お薦めのクラシック映画。[地上波(吹替)] 8点(2011-09-17 05:51:45)《改行有》 667. あにいもうと(1976) 室生犀星の原作を、70年代風にアレンジした作品。 全編を通して口は乱暴ながらも、ダメな妹を心配する兄の気持はよく伝わってくる。 ただ妹のほうの心情描写は説明不足で、彼女が何を考えてるのかさっぱりわからず。 秋吉久美子はその妹役を素でやっているのだと思うが、説明不足の脚本では非常にハマリ役。 かったるそうな演技を存分に見せ、「単に性格の問題か」と妙に納得してしまう。 ストーリー自体はまったく面白くないけど、役者のおかげで何となくまとまった印象の作品。[地上波(邦画)] 2点(2011-09-17 01:22:59)《改行有》 668. 借りぐらしのアリエッティ 序盤の設定と展開がとても面白いアニメ。 中盤以降からトーンダウンしちゃったけど、絵もきれいで観易いし十分楽しめた。 少年と小人のさりげない交流のシーンはいいと思うけど、 「滅びゆく種族」というコンセプトのほうは、もう少し厚みを出しても良かったのでは? 家政婦とお母さんのキャラと声が不快。特に家政婦のシーンは削ってほしかった。[ブルーレイ(邦画)] 5点(2011-09-17 00:16:09)《改行有》 669. 愛が微笑む時 「ゴースト~ニューヨークの幻」の大ヒットのあと、 洋画でも邦画でも、似たような設定の作品が乱発されたけど、これもその内の一本。 本作では友情が基本のストーリーかな。序盤の設定が少々甘かったり、 ゴーストが四人も登場するため、各エピソードの描写が分散ぎみで、 ちょい薄くなってしまったのが残念だけど、総体的には手堅くまとめているんじゃないかと。 ハートフル・コメディーという点では、まさにぴったりの内容で、 万人向けの楽しめる作品には仕上がっていると思う。[DVD(字幕)] 6点(2011-09-16 20:16:02)《改行有》 670. 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け 相変わらず寅さんが面白い。ゲストは宇野重吉と太地喜和子。 宇野重吉の画家役はハマリ役、太地喜和子はややオーバーアクションぎみの演技ながらも、 相変わらず魅力的な人。笑って、ちょっとほっくり、安心して鑑賞できて、 まさにキャラを楽しむ映画でした。[DVD(邦画)] 5点(2011-09-16 15:26:51)《改行有》 671. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 主人公の半生を描いた映画って、どうしても焦点がぼんやりしてしまって、 あまり好きじゃないんだけど、これは良かった。デニーロは相変わらずの役作りに加え、 演出、映像、音楽ともに、80年代の作品とは思えない完成度の高さ。 「ゴッドファーザー」を初めて観たときのような、そんな印象を受けた。 やっぱり男性向けの作品になるのかな。かなり長い映画だったけど、飽きることなく鑑賞できた。[ビデオ(字幕)] 7点(2011-09-16 05:03:27)《改行有》 672. ミザリー サイコ調サスペンスにストーカー要素を加えた作品で、公開当時は結構話題になっていた。 ストーリーは特別凝ったところはなく、今観るとオーソドックスに感じるかもしれないが、 ほとんど雪山の一軒家の中でお話が展開されるので、とても判り易い。 お話そのものより、やはりキャシー・ベイツが強く印象に残っていて、 どこにでもいる普通のオバさんのような役者さんが、映画の主役を張れるなんて、 向こうの映画は大したもんだと、感心したのを覚えている。密室劇のような設定なので、 心理サスペンスとしても楽しめる、お薦めの佳作。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-09-14 21:36:09)《改行有》 673. 遺産相続 遺産を巡り、内縁の妻 vs.本妻と、佐久間良子と小川真由美の、 女同士のバトルがたっぷり見れるかと思ったのに、佐久間良子は確かにヒロインだが、 もう一人の主役は野々村真だった。この人の役柄が軽くて、やたらうるさいうえに、 学芸会レベルの演技で、作品のクオリティーを大幅に引き下げている。 内容自体はそれほど悪くないと思うんだけど、オチは序盤で予想できちゃうし、 終盤はドタバタ人情劇に様変わりと、演出のひどさばかりがやたら目立つ作品だった。 他にいい役者さんも結構出てるのに、小川真由美は完全脇役でガックリ。 遺産相続というドロドロ劇をコミカルタッチで、という狙いはわかるんだけど、 結果的にはTVの2時間ドラマのよう。そういう感覚で鑑賞すれば、まあ楽しめる映画だとは思う。[ビデオ(邦画)] 2点(2011-09-14 16:01:50)《改行有》 674. 武士の家計簿 タイトルから連想できるとおり、目のつけどころの面白い映画。 前半はなかなか楽しめたのだが、後半からやけに湿っぽくなり、ちょっとガッカリ。 江戸末期に生きた一人の武士の生き様を描いているだけで、特別テーマらしきものもなさそう。 それでも当時の武士たちの生活様式を窺い知ることができて、それなりに満足できた作品だった。[DVD(邦画)] 4点(2011-09-14 07:16:02)(良:1票) 《改行有》 675. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 戦争の狂気を描いた作品。ストーリーは意外にしっかりしていて、 シリアスな展開でも十分観れるのだが、ブラック・コメディーにしたことで、 人間の奥底にある狂気さが、より浮き彫りにされていたように思う。 「ひょっとして戦争を起こす人達って、こんな感じなのかも」と思ったら、すごく怖くなった。 ラストはキューブリックらしい演出。面白かった。[DVD(字幕)] 7点(2011-09-14 01:10:57)《改行有》 676. 大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 子供向けの怪獣映画ということで、穴だらけのストーリーはもうしょうがないんだけど、 冒頭からガメラが出てきて、ギャオスが出現という流れは、もう少しどうにかならないものか。 ギャオスは強くて、造形もキャラもいい。セットも丁寧に作られている。 ただガキがとてもうるさくて、やたらしゃしゃり出てくるので、かなりイラついた。 「ガメラは子供の味方」か。いらぬ設定を作っちゃったね。[ブルーレイ(邦画)] 3点(2011-09-13 20:55:38)《改行有》 677. 別離(1939) 不倫を題材にした映画。古い映画なので、起承転結の承の部分は抜け落ちてます。 音楽を通じて二人の距離が近づいていくシーンや、原題の「間奏曲」がキーポイントと、 クラシック音楽を小道具代わりにした演出には、とてもセンスの良さを感じた。 バーグマンはうっとりするほど美しいし、全編に渡って流れる音楽は心地いいし、 彼女のピアノの先生はいい事言うわで、こりゃ不倫映画の最高傑作になるかなと思ったのだが。 ヒロインの描写はまったく問題ないのに、男性側の描写があまりにも薄っぺら。 特にあのラストでは誰も納得しないだろうし、せっかくいい感じできてたのに、 これじゃすべてが台無し。嗚呼もったいなや。邦題もいただけない。それらの点を除けば、 いいシーンはたくさんあるので、興味のある方はご鑑賞あれ。[DVD(字幕)] 4点(2011-09-13 16:37:22)《改行有》 678. しなの川 昭和初期の信濃川を舞台に、名家の娘の波乱に満ちた愛の遍歴と 彼女に思いを寄せる丁稚青年の心情を綴った作品。 映像から受ける雰囲気は古典的な純文学のようだが、昼メロ的な要素も多分に入っている。 気まぐれで我が儘なヒロインに翻弄される青年の姿が、何とも切ない。 いかにも現代っ子といった顔立ちの由美かおるは、そんなキャラのヒロインにはハマリ役。 この作品でも彼女の瑞々しいヌードは話題になった。格別に面白いという作品でもないが、 中々丁寧に作られており、当時の邦画としては良作の部類に入るのではないかと思う。 でも由美かおるは、相変わらず演技がうまくない。好きだからいいけど・・・。[地上波(邦画)] 4点(2011-09-13 08:02:43)《改行有》 679. いまを生きる 名門校に赴任した型破り教師と、生徒たちの交流を描いた作品。 夢と理想を声高に叫ぶ先生よりも生徒達、特に厳しいオヤジさんがいる息子の描写がいい。 ストーリー全体の流れを考えると、先生と生徒の信頼と絆を描きたかったのか、 型破り教師の主張がテーマなのか、どっちつかずで多少不明瞭な部分はある。 先生の言ってる事は決して間違っていないのだが、夢と理想を追い求めれば追い求めるほど、 それだけ自己責任やリスクも大きくなるのは当然の事。 そういった現実の厳しさを、後半からラストにかけて描くつもりだったのかな? できれば先生に導いてもらう展開にしてほしかったが、ベタになるよりはこれでよかったのかも。 映像がきれいで、作品自体の出来は悪くないです。[DVD(字幕)] 5点(2011-09-13 06:50:33)《改行有》 680. 追憶(1973) テーマ曲の美しい音楽をバックに、20年に渡る男女の恋の行方を描いたラブストーリー。 バーブラは今見てもやっぱり個性的な顔立ちで、頑固、激情型という劇中のキャラはハマり役。 レッドフォードはどこにでもいる普通のハンサム男でこれはこれでいいのだが、価値観が違う、 人間のタイプが違うというエピソードがたっぷり描かれているので、正直観ているのが辛かった。 二人の関係が危うくなると、ヒロインが妙に女っぽくなっちゃって、 そのあたりの描写はうまく描かれていると思う。ラストはさっぱりしていて良かったのだが、 男性の目からみると、ちょっと面倒くさい恋愛かなぁと。相手の女性に大きな魅力でもあれば、 わかっていても離れられないという男性心理もわかるんだけどね。そういった意味では、 バーブラはやはり微妙・・・でした。女性のほうが感情移入しやすい作品ではないかと思う。[DVD(字幕)] 5点(2011-09-13 03:44:54)《改行有》
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