みんなのシネマレビュー |
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661. 新・13日の金曜日 《ネタバレ》 平均点が大変低かったので期待していなかったのですが、悪くなかったです。というか良かったです。 登場キャラが多く、そのほとんどが殺されちゃうのでスラッシャーシーンが豊富。更には女の子のサービスカットも豊富。完結しちゃった13金シリーズを新しい形で復活させようと意気込みが伝わってくる作品です。 ただ、息子を殺された父親が、殺した犯人を放置で、それ以外の人たちを血祭りにあげていくってのはどうにも腑に落ちません。息子殺しのヴィクターを真っ先に的にかければ動機がはっきりしちゃうので、それを避けたかったのかもしれませんが。だとしたら無差別に殺して回るはっきりとした動機をラストに明かしてほしかったです。 この作品は13日のスピンオフ的立ち位置になりそう。 初代13日の金曜日が、『息子を殺された母親の復讐劇』で幕を開けたことを考えれば、今作のプロットはまさにその流れを汲むものだと言えそうです。 だとすると、PART6でまた元のジェイソンに戻したのは、あの太っちょ君にホッケーマスクをかぶせても、あまりにもイロモノすぎてホラーにはなりえないことが一番の要因だったりして。[DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 17:29:10)《改行有》 662. ナイトクローラー 《ネタバレ》 終始居心地の悪さを感じる映画。 主人公のルイスは登場時から狂気をはらんでいて、目的のためには手段を選ばない人物であることが窺えます。頭は良い。クレバーなものの見方をする一方で、ここぞというところの勝負強さ、度胸もある。彼の一挙手一投足から目が離せません。 ストーリーだけをなぞれば、人生のどん底にいた男が、努力と頭脳と執着心だけで成功していくサクセスストーリー。 ですが、普通のサクセスストーリーを見た後の幸福感や満足感みたいなものは微塵も感じられません。見ている側まで悪事の片棒を担がされたような変な後味が残ります。 この映画を見始めて、ルイスが暴走し始めたとき、彼が取り返しのつかない失敗を犯し、破滅する未来しか予感できなかったのです。でもルイスは失敗しない。最後まで成功し続けます。そのストーリー展開が意外と言えば意外。こーゆータイプの人間は大抵ラスト破滅するのに。 最後に会社として成功し、新入社員たちと共に会社専用のバンに乗り込んで街へ走り去っていくシーン。ここまできて、やっと変な緊張感から解放されたという安堵感を感じます。[DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 14:51:02)(良:1票) 《改行有》 663. ボックス!(2010) 《ネタバレ》 ピンポンがボクシングに変わっただけで、プロットがほぼいっしょ。 天才型。凡人だけど努力家。2人は幼馴染。カブちゃんを追いかけていたはずのユウちゃんは、いつの間にかカブちゃんを追い越してしまう。でもやっぱり最後はカブちゃんが、ユウちゃんでも倒せなかった天才を倒して幕を閉じる。 途中でカブちゃんがふてくされてボクシングをやめてしまうのはお約束。共通のライバルがいるのもお約束。ユウちゃんのほうが一目置かれてしまうのもお約束。応援してくれるマネージャーや先生やコーチがいるのもお約束。 お約束ばかりの青春サクセスストーリー。ですがそれが良いんではないですか。 へんに斜に構えられたり、やたら悲劇にされたりするよりかはよほど良いと思いますね。 中盤、あまりに子供じみたカブちゃんにイライラさせられるシーンがないこともないんですが、すぐに後半盛り返すので気になりません。 個人的にはマネージャーの死は要らない。そんな安直なお涙頂戴エピソード、この映画には相応しくない気がします。それだったら、ラストに2人がハワイでいっしょにお好み焼き屋を経営している姿を見せてくれたほうが、余程幸せな余韻が残ると思います。 2人ともボクシングから遠ざかってしまった後日談は寂しい限り。 もし『青春の一ページ』を強調したかったのだとしたら、それこそそんな後日談はバッサリカットしてしまっても良かったのではないでしょうか。[DVD(邦画)] 7点(2020-11-07 13:02:24)《改行有》 664. 30デイズ・ナイト2:ダーク・デイズ<OV> 《ネタバレ》 続編は見る気なかったのですが予告が面白そうでしたのでやっぱ観ることに。 リベンジものっぽかったので、スカッとできるかなと思いまして。 導入部分はサイコー。前作の生き残りステラ。復讐かつ吸血鬼撲滅の第一歩としての地道な講演活動。その講演に紛れ込んでいる吸血鬼を太陽光で文字通り炙り出す演出がかなり良い。 吸血鬼へのレジスタンスみたいなグループと合流してからは次第に物語は失速。いや、このレジスタンスみたいな組織が思っていたより大分しょぼいんです。人数も少ない。計画性もあるんだかないんだかよくわからない。なんだか期待はずれの連続なんです。 もちろんホラーとしては及第点です。悪くないです。ただ今作には復讐に燃えるバンパイアハンター御一行様とバンパイアの熾烈な戦いを期待したのですが、防戦一方、敗戦濃厚でちょっと暗すぎ。地下襲撃にしろ、船襲撃にしろ、無計画かつ無謀な戦いばかり挑んで仲間を失うばかり。こーゆー閉塞感を期待して見たわけじゃないんですよねー。ホラー、サスペンスとしては面白かったのですが、期待していたストーリー展開ではなかったなー。 VSリリスに関してはご都合主義も良いとこです。あれだけいた吸血鬼たちが一人も出てこないで、なぜかリリスとタイマン形式に。ちょっと不自然が過ぎませんか。 前作の感動的なラストを台無しにするオチもいかがなものか。 とまあ面白かったのは認めますが、見た後の満足感は正直いまいちなものでした。[DVD(字幕)] 7点(2020-11-07 01:11:34)《改行有》 665. 13日の金曜日・完結編 《ネタバレ》 このシリーズは全部見ていたつもりだったのですが、完結編だけ見ていなかったみたいです。 さすが完結編だけあって、過去最多の犠牲者数。更に、前半のエロシーンで結構尺を取られちゃったせいで、ジェイソンがかなり忙しそうでしたね。『こりゃあてきぱきやらんと、終わらんぞ』とジェイソンの心の声が聞こえてくるかのようです。 とゆうことで、今作のジェイソンの働きっぷりといったらもはや職人芸。流れ作業のようにかたっぱしから標的を片付けていきます。どうやらジェイソンはまたまた少しレベルが上がったようですね。マッチョ度、タッパ、過去最高。パワーも申し分なし。 それにしてもこのシリーズ、『遊びに来た若者』だけでなく、現地の人々も結構犠牲になるのが不思議。じゃあそこに住んでいて今まで無事だったのはなぜ?という素朴な疑問が浮かんできます。まあ、いいか。 今作は魅力的なおねーちゃんもいっぱい出てきますし、子供も戦います。妹の敵討ちの人も登場します。キャラも豊富なら、殺し方のバリエーションも豊富。ここまでの4作品の中では一番エンターテイメント性があるかもしれませんね。 とは言え、やはりこのクオリティに8点はつけづらいので『3』と同じ7点。でも個人的にはこちらのほうが面白かったです。[DVD(字幕)] 7点(2020-11-06 23:07:03)《改行有》 666. 13日の金曜日PART3 《ネタバレ》 子供の頃見たときはトラウマになるほど怖かった作品。おそらく当時は『最後1人になってしまう』というシチュエーションがたまらなく苦手だったんだと思う。終盤にみんな殺されちゃって、クリスとリックが戻ってきたときにはすでに2人だけ。異変に気付くも頼りのリックは早々と殺されちゃって、ジェイソンとタイマン。これが凄く怖かったのです。 今となってはベタですが、『いくらアウトローでもこんなやつらいねーよ。』ってゆうバイカー達にからまれ、その人たちが腹いせに車のガソリンを抜いちゃうのが伏線に。もしかするとこーゆー『ホラーの定石』みたいなもんは昔からあったのかもしれませんが、それを世に広く浸透させたのはこのシリーズかもしれません。だとしたらとても偉大なシリーズですね。 ジェイソンは少しレベルが上がったようです。 ジェイソンはデブオタクを倒した。 ジェイソンはLv.2になった。 ムキムキ度が2上がった。 身長が3上がった。 デブオタクは何かを落としたようだ。 ジェイソンはホッケーマスクを手に入れた。 今見ると怖さより懐かしさのほうが先に感じられちゃうのですが、子供の頃に見たときの衝撃そのままにこの点数。 最後湖から現れたジェイソンに襲われるシーンは頭がおかしくなったクリスの妄想ってことで良いのかな?[DVD(字幕)] 7点(2020-11-06 09:07:00)《改行有》 667. テラー トレイン(2008) 《ネタバレ》 幽霊系かと思ったらスラッシャー系。それもホステルタイプの理不尽サスペンス。旅人を誘っては列車に連れ込み、臓器を勝手に抜き取ってお客さんに移植しちゃう。怖い怖い。 とは言え、今作の主人公御一行様、ちょっと自業自得な側面があったりします。そもそも試合前に規則を破って夜遊びし、結果乗るはずだった電車に乗り遅れちゃったのが事の発端です。 一番かわいそうなのはコーチ。規則を破った人たちのために、乗るはずだった列車に乗れず、最初の犠牲者になっちゃうわけですから、この人だけマジでなにも悪くない。お悔やみ申し上げます。 この映画は『悪魔のいけにえ』や『ホステル』と同じで、9割はやられっぱなしバイオレンスなのでフラストレーションはたまります。ただし最後に復讐を遂げるので、一応のカタルシスが得られます。 ただ仲の良い女友達の一人がわけのわからん兵士たちに拉致られたままなのが後味が悪い。死んじゃった人たちはもう仕方がありませんが、生きている人は救ってほしいものです。 いっそ国際問題に発展させて、アメリカという国の力を使い、この違法な組織とどこぞの腐れ兵士達をまとめて粛清するくらいの面白さがあっても良かったかもしれません。[DVD(字幕)] 7点(2020-10-23 14:16:30)《改行有》 668. 13日の金曜日PART2 《ネタバレ》 ジェイソンLv.1って感じですね。 装備は『布の服』と『紙袋』。体はひょろひょろ。こいつなら勝てます。 特にジェイソンが姿を現してしまうと恐怖が半減しちゃいますね。姿が見えないときの緊張感はなかなかだと思います。 若者たちがキャンプ地に集まる。一人ずつジェイソンに殺される。これこそが13日の金曜日のストーリー。理由なんていらないんです。有無を言わさない殺人鬼のほうが恐怖を感じるものです。 『2』ではキャンプ地に集まってくる殺され要員が前作の倍以上に。ジェイソンがんばれって思っていたら、あれあれ、半数以上は街にくり出しちゃいました。そして惨劇を免れてしまいます。うーん、これは良くもあるし、悪くもあるなー。 ここで運命が分かれてしまう残酷さを感じられるのは良い。ですが多くの人が助かっちゃうので、肩透かし感は否めません。 それでも私はこの作品『1』より好きです。 ファイナルガールのジニーの登場シーン。車のエンジンがかかりません。この伏線に思わずニヤニヤ。これが『肝心なときにエンジンがかからない。』というホラー映画の常套手段の先駆けとなったのでしょうか。 このシーンを子供の頃見たときはいっしょになってめっちゃ焦ってハラハラした記憶があるんですが、今回はなんだか嬉しくなっちゃいました。[DVD(字幕)] 7点(2020-10-11 01:03:57)《改行有》 669. スペル 《ネタバレ》 コメディタイプのホラーとしては及第点。しっかり怖がらせながらも、鼻血ブーや悪霊のダンスでちょっと休憩。びびらせすぎない、悪ふざけし過ぎない。シリアスとユーモアのバランスが良い。これが中途半端と受け取られる場合もあるでしょうが・・・。 個人的にはしっかりホラーとしてドキドキしながら鑑賞し、それなりに楽しい時間を過ごしました。 ただ、『怖がらせる』というよりは『びっくりさせる』ことでそれを怖さと錯覚させるちょっと卑怯な感じ。そもそもアメリカ製のホラーはお化け屋敷的演出が多いんですが、今作は特にその傾向が強いように感じられます。 それから、グロいのは平気なんですが、気持ち悪いのはちょっと苦手。おばあさんの登場シーンとか。ハエinノーズとか。ハエinマウスとか。生理的な嫌悪感が半端ない。 批判を並べちゃいましたが、そんなことを含めながらも見ている間はずっと面白い。理屈抜きで楽しめる感じ。あまりに理不尽すぎる逆恨みに、運が悪すぎる主人公をずっと応援できたのが良かった。 他の人に呪いを押し付けることもできない主人公。大口案件を潰したライバルにさえ情けをかける主人公。気は強くとも根は優しい。そんな主人公が『ブス』という批評がある中、私はちょっと好みのタイプだったりするわけで。うん、かわいい。そんな主人公が死の呪いをかけられちゃうあまりに理不尽すぎる導入。そしてあまりにひどい数々の仕打ち。ラストくらいはハッピーエンドで終わっても良かったんじゃないかと思うわけです。こんな心優しいチャーミングな女性を地獄に落としてバッドエンディングにするような映画かね。バッドエンドが受け入れられる映画とそうでない映画がありますが、これは完全に後者。 あとついでに言うと、ボタンの入った封筒が車の中に置き去りになっちゃっているのは容易に想像できるわけですが、てっきり彼氏にボタンをあげたことになって、彼氏が犠牲になっちゃうのかと思っていましたが、そうならなかったのは逆に驚きです。[DVD(字幕)] 7点(2020-10-01 12:08:38)(良:1票) 《改行有》 670. ゾンビスクール! 《ネタバレ》 パニックものとして、ゾンビ映画として、なかなか面白い作品です。 評価が低かったのであまり期待はしていませんでしたが、悪くないんじゃないでしょうか。 最初はコメディ色強くてどーかなと思ったのですが、後半になるにつれて真面目に逃げよう、戦おう、協力しようという姿勢になっていくのが悪くないです。パニックが起きるまでがスピーディなのもプラス評価。三輪車こいでる女の子のシーンとか、恐怖演出もまあまあ。こーゆー作品でよくあるイライラさせられるような行動もそんなになく、考えて、走って、戦って、みんなよく頑張ったと思います。 惨殺シーンが序盤のみってのは、ゾンビファンからしたら物足りないところかもしれないですね。 私は『サバイバル』『脱出』『反撃』のカタルシスをゾンビ映画に求めるので、惨殺描写の少なさってのが、そこまで気にはならなかったです。 学校から脱出した後のひと悶着は正直蛇足。だったら学校内でのパニックエピソードを増やし、学校内でのサバイバルに徹したほうが良かったと思います。 あと内容とは関係ありませんが、個人的にイライジャ・ウッドのような有名な俳優さんが、こーゆーバリバリのB級映画に出演してくれることが結構好きだったりするので、その辺はプラス評価です。[DVD(字幕)] 7点(2020-09-28 01:28:25)(良:1票) 《改行有》 671. ケース39 《ネタバレ》 『エスター』が比較対象になるようですが、個人的には『オーメン』を思い出すオカルト作品。 ストーリーとしては保護対象者だった少女がすべての元凶というよくある話。少女が自身の幸せのために邪魔な人間を殺していくというのであれば、ドラマに深みが出るかもしれません。実際は、少女=悪魔みたいな設定で、少女は無関係な人間も無差別に殺していきます。しかも特別な理由はなさそうです。実の両親の兄弟姉妹でさえ皆殺しにしています。そんなことをすれば自分の身だって危うくなりそうなものですけどね。 最初の両親が実の両親にも関わらず、自分達やエミリーが『つなぎ』みたいな発言をしていたのが謎。わかるはずないんですけどね。 とまあつい粗探しをしてしまいましたが、オカルト系サスペンスとしてはなかなかの秀作。 『幻覚を見せる』『千里眼』このたった二つの能力だけで多種多様な恐怖演出の数々。終始飽きることなく楽しめます。 ですので、途中で少女が怪力を発揮したりするのは興が醒めます。ついでに言うと、ずっと少女の姿のままでいてほしいものです。終盤になるとちょいちょい悪魔の姿を見せるので興醒めです。アメリカ映画の悪い癖。なんでも視覚化しようとする。絶対少女のままのほうが怖くて不気味なのに。その姿のまま海に沈めてしまえば、変な後味の悪さだって感じることができたかもしれないのに。もったいない。それにこーゆーテイストでいくならバッドエンディングでも構わないと思いますよ。少女が次の里親のところでにっこり笑うところでエンディングにしたほうがこの映画のテイストに合っている気がしますけどね。[DVD(字幕)] 7点(2020-09-22 03:25:17)《改行有》 672. サブウェイ123 激突 《ネタバレ》 思っていたより面白かったです。ここでの評価が低かったので、どうかなと思っていたのですが。 オリジナルがあってこその低評価。なるほど。どうしてもリメイク作品は厳しい目で見られがちになるものですから、多少低評価になるのは致し方ないかもしれないです。 パニックムービーとしてもクライムムービーとしても及第点。これ単体で見れば悪くない作品じゃないでしょうか。 演出がパワー不足なのか、やや盛り上がりに欠ける気はします。ですが最初からずっと、それなりの緊張感を絶やすことなく、最後まで楽しませてくれます。 私怨をはらし、利益も追求する。激情家に見せてその実計算高い。そんなクレバーな人物を流石の演技力で魅せるトラヴォルタ。 一方、一般人でありながら、存在感のある主人公を見事に演じていたデンゼル・ワシントン。 この2人が主演を務めたからこその面白さもあるかもしれません。 面白けりゃなんでもよい私にとって、この作品とは相性が良かったみたいです。 唯一難点を挙げるなら、暴走する無人列車そっちのけでライダーの追跡をしちゃうガーバーはキャラに合っていない気がしました。違和感を感じます。人命最優先ではなかったのでしょうか。だったらすぐ本部と連絡をとって状況を説明するのが先決ではないかと思うのですがね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-09-19 09:07:49)《改行有》 673. 復讐捜査線 《ネタバレ》 緊張感あふれるサスペンス。メル・ギブソン世代なので、彼が頑張っているだけで嬉しい。 今作はエンターテイメント作品というにはストーリーは重いし暗い。タイトルに『復讐』の2文字が入っている以上は、なんらからの悲しいエピソードは予想されるのですが、それにしてもオープニングの悲劇はけっこう辛い。 ただ暗い話ながら、黒幕とは全員きっちりカタをつけるので、復讐のカタルシスは得られます。 そしてすべての真実は新聞社のもとへ。ラストにこのシーンがあるかどうかで見終わった後の感想がまるで変わってくるでしょう。 中盤までは謎ばかり。ヒントも少なめ。ですが最後は点と点がつながって線になり、画になり、ちゃんと全体像をきれいに見せてくれます。 かなり真面目に作られているので、その分ややテンポが犠牲になっている部分があるかもしれません。だれそうになることもしばしば。しかしだれそうになるとショッキングな事件が起きるので、緊張感が途切れることはありません。 小さい頃の娘の幻影がたびたび出てくるのが悲しい。これがドラマとして悲しさや深みを与えています。クレイブンの最期のときには娘が迎えに来てくれるのが救い。 政府側だったはずの証拠隠滅係みたいな人の最期が壮絶。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-09-10 13:33:36)《改行有》 674. 私の少女 《ネタバレ》 同性愛者という理由で田舎に左遷されたヨンナム警視。 母に捨てられ、継父と祖母に虐待を受けるドヒ。 ためらいながらも傷だらけのドヒを保護するヨンナム。 傷ついた者同士がお互い励ましあいながら新たな人生をスタートさせる?過酷な現実の中に、希望を見出すような物語?確かにそーゆーテイストはありますが、単純に心温まるドラマなんかではもちろんない。 表面的には牧歌的で人情味溢れる村。だけどそんな村に確かに存在する『偏見』『いじめ』『虐待』『不法滞在者』といった社会の闇。弱者が虐げられ、それを周囲の人間が見て見ぬふりをする社会。人の良さそうな警察のおっちゃんが、必要悪だと暗にほのめかすのが何気に怖い。 そんななか、自分の正義と信念を貫こうとするヨンナム。そして屈折した村人たちとは明らかに違う、公平で強く優しいヨンナムに惹かれるドヒ。 ですがそんな二人に『悪意』と『偏見』と『司法』が牙をむく。 更には、社会の底辺で生きてきたドヒの心には、既にモンスターが育っていた。それはドヒが過酷な環境を生きていくうえでもはや必然だったのかもしれません。 そんな救いようの無い話にふさわしく、ドヒに別れを告げるヨンナム。しかし若き警官がドヒのモンスターに気付いていることを知り、遂にドヒと共に生きていくことを決意するヨンナムに一抹の希望が垣間見えるラスト。 はっきり言って好きな映画とは言い難いです。 ですが、韓国映画は凄いと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2020-08-24 01:54:41)《改行有》 675. ウォッチメン 《ネタバレ》 『ウォッチメン』だけならまだしも『ミニッツメン』とやらまで過去にいたようで、その両方が冒頭の回想シーンに登場。これは混乱します。 『暗い』『グロい』は映画の味なのでまだ良い。 ですが『わかりにくい』『不親切』はだめでしょう。 特に『ヒーロー』やら『超能力』やらが存在する、まさに架空のSF世界であれば、その世界観の認識がとても大事。そこを断片的な映像情報の羅列で済ませて『はい、本編』はいささか不親切。もちろん本編のほうで説明不足の部分を補いながら進行してくれるのであれば問題ありませんが、本編は本編で謎の元ヒーロー殺しの謎でいっぱいいっぱい。 更にはまだコスチューム姿とヒーロー名さえ一致していないのに、元ヒーローの方々の本名までばんばん出る始末。覚えるのが大変です。 とまあ、文句ばかり言っちゃいましたが、じゃあ嫌いなのかというと、結構好きだったりします。こーゆーの。 規格外のDr.マンハッタン。No.2はオジマンディアス。この二人は人間離れしています。 ナイトオウル、ロールシャッハ、コメディアンが強さ的には横一列でしょうか。ラストがシルクスペクター。 結構強さのバランス感覚が良くて、見ていて確かに面白い。 黒幕はオジマンディアス。なのですが、全員が手法は違えど『平和』という同じベクトルを向いているのが救い。 最も正義に対して潔癖だったロールシャッハが、合理的平和を最優先するDr.マンハッタンによりその命を散らしてしまうのは衝撃的であると同時にとてもドラマチック。 そしてすべての真実が闇に葬られたかのようにみせかけて、ロールシャッハの手記が出版社のもとに届く結末。 真相が分かった今、もう一度最初から見てみたいとも思いますが、見返すにはちょっと時間が長すぎるのが欠点。 時間を長くしすぎている原因のひとつに、Dr.マンハッタンの哲学の講義があります。この辺りをばっさりカットして、もう少しテンポよくしてくれたら8点以上の価値があります。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-08-23 02:25:42)《改行有》 676. バタフライ・エフェクト3/最後の選択 《ネタバレ》 過去改変第3弾。今回の主人公は『火事の中から妹を助ける』『恋人の浮気相手の冤罪をはらそうとする。』『連続殺人鬼をとめようとする』と、不良な見た目とは真逆の善人ぶり。このシリーズって結構主人公が善人で優しいから好き。要領が悪くて全然うまくいかないんだけど、善意から行っていることなので全面的に応援したくなります。ですのでうまくいかないと、こっちもいっしょにやきもきするし、落ち込みもします。 正直3作品中一番整合性やらルールやらは曖昧。 クライマックスなんて、氷も風呂も電源コードもなしに過去に行っちゃって、いつの間にか何でもアリになっちゃってます。 まあいいですけどね。そのへんの杜撰さはこの際目をつぶりましょう。 そんな些細なことより、ストーリーとテイストが私好み。 両親を犠牲に、妹を助けたことで殺人鬼が生まれてしまうなんて最高です。 結局もう一度過去に戻り、最初の過去改変を無かったことに。未来をあるべき姿に戻します。 とは言え、いかれていたとはいえ、あれだけ自分を慕ってくれて助けてくれた妹を見捨てる決断はやはり切ない。いつも通りの切ない余韻を残しつつ、いつもとは違う味わいのハッピーエンド。 だからさ、最後の猟奇的な未来を予感させるエピソードはいらないのですよ。これを蛇足というのです。[DVD(字幕)] 7点(2020-08-16 02:20:13)《改行有》 677. バタフライ・エフェクト2 《ネタバレ》 かなりたたかれまくっている本作。個人的には結構面白かったです。 『過去改変』ってのに憧れがある自分としては、この設定はツボなんです。最後まで目が離せないくらいには面白いと思うのですがどうでしょう。 前作よりストーリーは簡潔。コンパクト。小粒な作品が好きな自分とは相性が良い。 2回目の過去改変エピソードは強引かもしれないですね。 大手取引相手との会食でうまくいったように見えたのに、その翌日には社長から破産を告げられる。いったい何がどーなっているのかさっぱり。何か見逃したのだろうか。 わけがわからぬまま、三度目の正直。クライマックスは前作同様愛する彼女との別れを選択。 正直前作は切なすぎるラストだったので、2作目はもっとお気楽ハッピーエンドにしちゃっても良かったんじゃないかと思える今日この頃。 [DVD(字幕)] 7点(2020-08-12 03:56:21)《改行有》 678. シュレック2 《ネタバレ》 シュレックがピノキオをさしおいて人間になっちゃう話。人間になったシュレックがどー見てもイケメンに見えないのですが、完全なるイケメンのモテメン設定。まあいいですけど。製作者は神ですし。 前作では『周囲からどう思われようが俺は俺。』みたいなシュレックのスタンスが好きだったのですが、今作ではフィオナのためにそんな自分を変えようとします。もちろんそれは1つの美しい愛の形。ですがその分前作にあったシュレックの開き直りとも居直りともとれる唯我独尊的魅力は薄くなってしまいました。 今作ではアクションがやや控えめなのもちと物足りない。 ですから個人的には『1』のほうが好きではあるのですが、これはこれで面白いのもまた事実。 シュレックとフィオナ姫が、何があってもお互いに対する思いやりを忘れないのがいいじゃないですか。 前作はつきあう前だったので、『ラブワ○ン的ハラハラ』がちゃんとあったのですが、言ってしまえば今作はフィーリングカップルの後日談。そんなハラハラはほとんどありません。でもそのぶん、二人の絆が感じられる今作は見ていて心地良いものがあります。 シュレックが『フィオナのためにイケメンになって父親に認めてもらう。』と決意。この流れは悪くない。ですがそのために薬を盗んじゃうのは良くない。応援も共感もしづらくなります。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2020-08-10 04:21:39)《改行有》 679. シュレック 《ネタバレ》 10年以上前に一度見たきり。久しぶりの再鑑賞。 テンポが良く、無駄が無く、やっぱりアニメは面白いですね。 難を言うなら浜ちゃんの関西弁吹替えのクセが強すぎるくらい。 とは言え、シュレックもフィオナもドンキーも、愛すべきキャラクターたちであることに変わりはありません。 最初はドンキーを煙たがり、フィオナに何の関心も示さなかったシュレックが、次第に二人と心を通わせていく様子が微笑ましい。 序盤こそ『ゲテモノ食いのシュレック』の紹介が気持ち悪くて仕方ありませんでした。特に『耳クソのローソク』は生理的にまいりました。ただゲテモノシリーズはオープニングにつめこみ、そこから先は王道のラブコメチックアドベンチャー、ソフトタッチな御伽噺として大変見やすく仕上がっています。 フィオナ姫がカンフーの使い手など、王道のキャラから少しだけはずす絶妙の匙加減。こーゆーの好き。 子供向けの映画。ですが『人はいつの間にか外見で差別しているものだ』という教育的メッセージがあるため、この映画の存在意義は意外と大きい。 おしゃべりロバ、外見にコンプレックスを持つシュレックやフィオナ姫、そして皆から恐れられるドラゴンも、心を開いてみれば皆仲良くなれたっていうのが心温まります。 すれ違いラブストーリーや、独裁者の退場はお約束。 アニメはこれで良い。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-08-06 13:57:24)《改行有》 680. ニンジャ・アサシン 《ネタバレ》 アメリカ人が作るニンジャ映画。全く期待せずに観賞。 うん、全然面白かったです。良かったのはスピード感あるアクション。そして容赦のないグロ描写。 B級映画だということをわきまえていて、いたってシンプルなストーリーにしてあることも好印象。 『現在』と『主人公の生い立ち=エリートニンジャができるまで』を交互に映すものの、わかりにくさは全くありません。違和感はめっちゃありますけどね。主人公が最初の指令を果たす雰囲気なんか、ちょっと『ニキータ』っぽくて好きです。 オープニングのVSヤクザ。コインランドリーでの謎の女ニンジャとのバトル。そして女ニンジャの死体が乾燥機の中でぐるぐる・・・。ホラーか。で、これは思っていた以上のハードアクションだと襟を正して鑑賞するも、ぶっ飛んでいたのはここまで。 もちろん、ハードアクションは続きますが、序盤の悪趣味なグロ描写は中盤以降やや控えめ。序盤ほどのインパクトはなくなってゆきます。 それでも普通のアクション映画と一線を画すのが、生々しい傷の数々。この作品は『痛み』をしっかり表現します。だからアクションにより一層の緊迫感が生まれます。気合が入っています。B級だと一笑に付せないクオリティです。 インパクトは序盤。好みのアクションは中盤の、車が行きかう中での逃亡アクション。 『近代兵器VSニンジャ』の戦いも見所。初戦はニンジャ軍団圧勝。2戦目は、ニンジャの里を急襲した警察組織が近代兵器を駆使してニンジャの里をライトアップ。ニンジャ軍団の地の利を封じ込め、近代兵器が圧勝するのがスカッとします。 唯一の難点は、仕方がないことなんですが、闇の中のアクションが多いこと。『見せ場』が見えづらい。多分それもわかっててやってるんでしょーけどね。 ちなみにミカの上司は敵とつながっている内通者だと思っていたので、最後まで味方だったのは逆に意外でした。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-07-26 03:38:12)《改行有》
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