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プロフィール
コメント数 2012
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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661.  山の郵便配達 《ネタバレ》 実直そのものの父親と、ラジオ音楽を手放さない現代っ子の息子プラス”次男坊”のわんこ。バランスのよいトリオが織り成す普遍的な親子の姿。父は大人になった息子に涙し、息子は背負った父の軽さに時の流れを知る。ベタといえばベタ。でも控えめな演出と広くて深くて圧倒的な中国の自然に中和された。 訥々と、村人らの素朴さを描きつつ、都市から帰ってこない若者と置き去りにされる祖母という現実や、親子で小声で役人批判をするといったビターな視点も交ぜてほのぼの一辺倒を避けている。 「いい話なんだろうなー」と予想しながら観て、やっぱり予想通りいい話で、なあんだと思いながらも涙が流れているのだった。ぐすっ。[DVD(字幕)] 7点(2017-05-17 23:18:40)《改行有》

662.  ラウンダーズ 《ネタバレ》 見どころはもちろん、緊迫のポーカー勝負の場面。ルールに詳しくなくても観る者をマットと一体化させて緊張を煽ってゆく演出がすごい。私は喉がからっからになりました。「マイク帰れ、帰るんだ!」とも叫びましたし。 悪友が巻き込んだトラブルをどう収めるのか、また将来をどう選択するのか、など主人公に課題を複数抱えさせ、きちんと全部回収した脚本も巧い。文句なしのラスト。温情溢れる老教授の存在は無くてはならないですし、プロのプレイヤーとしてクニッシュを置いたのも良い。彼は「欲を出さない」ことを基本理念に15年ものキャリアを誇り、マイクに”正しい”教示を与える。で、マイクは知っているのです。クニッシュも元カノも正しいということを。しかし才能を抱えるゆえに心の奥では「小さく稼ぐ」ことに納得がいっていない。敬意を抱く先輩プレイヤーの教えも、教授の示唆もマイクにとって逆に働くのが人生の綾というか、おもしろいなあと思います。 マット・デイモン、初々しいですねえ。賢いキャラがほんとにハマる人です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-10 23:55:00)《改行有》

663.  SHAME -シェイム- 《ネタバレ》 性交シーンが多く、しかもどぎつくて不道徳とも感じかねないけれども、この話の根っこにあるのは心の飢餓に苦しむ男の孤独である。心が不安定だと依存症になる場合がある。人により、アルコールだったりギャンブルだったり。この男はセックスだった。 キャスティングが容姿端麗なM・ファスベンダーで正解だった。画が生臭くならずに済むし、見た目とのギャップの大きさも強く印象に残る。かなりきわどい性描写もこなし、X-MEN俳優で終わるまい、というあっぱれな役者根性の持ち主とみた。 妹シシーを配した脚本が巧いと思う。シシーは男の映し鏡。欠落しているものが同じなので、自分を見ているみたいでイライラするのである。二人とも孤独で、空っぽだ。 男にとってセックスは渇望を満たすための行為。愛の行為ではないので、好きな女のことはどう抱けばいいのか分からない。この場面は深刻だ。深刻さを解消できぬまま、後半には彼のセックスは自己破壊にも近くなる。 兄妹の生い立ちがどういったものなのか描かれず、つらいまま話は終わってしまう。 男にはセラピーが絶対に必要だ。まだ希望はあると思う。妹が死にかけた時、初めて人間らしく動揺し、男は泣いた。なんとかして、彼が苦しみから抜けられますように。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-07 00:22:27)《改行有》

664.  ニック・オブ・タイム 《ネタバレ》 スタイリッシュ俳優ジョニー・デップを主人公に据え、画も綺麗な90年代の作品ながら、どこか80年代の野暮ったさを引きずるミョーな手触り。なんだろうこのヘンテコな感じは。 ギャングも海賊もできるJ・デップが今作では非力なおとーさんで、こんなに共感できるキャラクターのジョニデも珍しい。 何度がんばっても悪魔のように現われるウォーケンを知事の選対本部で見つけた時の、驚愕したジョニーのあほ面はまったくワタクシとシンクロしており、ハリウッドスターと同じ表情をするなど、実に稀有な体験でありました。 一般人の範囲内で精一杯奮闘するジョニデのMAXは知事に直訴の場面なのですが、それすら起死回生の一発とならず、(なんせ話しただけでしたな)主人公の一発大逆転を期待するこちらの思惑を外し続ける脚本。なんであんなにホテル従業員が協力的なのか、知事はなぜ警告されたのに手を打たないのか。そして何より皆がつっこむウォーケンへの「あんた自分でやりなはれ」 ・・等々、言いたいことはてんこ盛りなんだけど、結局でも面白かったような気がするんですよ。なんだろうこの変な感じ。[DVD(字幕)] 7点(2017-05-02 23:39:16)《改行有》

665.  フランティック サスペンスとしてのストーリー性はちょっと弱いんだけど、漂うポランスキーイズムが中毒性ありで、その上ハリソン・フォードの小器用ぶりが発揮されているというお得な二本立てであります。 異国の地で妻がいなくなり、言葉は通じないわ仏警察はヤル気ないわで孤立無援の中、タフガイぶりを捨て去って半べそ顔で奮闘するハリソンがとても共感するキャラを演じてます。これは意外。全裸でぶっ倒れるという余興もこなしております。えらいです。 そしてポランスキーの醸す独特の不安感ときたら。妻の最後の姿のショット、部屋の暗がりにぼうっと浮かぶ不穏な白いスーツケース。屋根の上での足場の定まらない危なっかしさ。画の一つ一つがこちらの平穏をかき乱すのに有効で、この雰囲気だけでも120分見入る値はありました。そう、ラストの妻と彼女の交差する赤いドレス。意味は無くともこの鮮烈なこと。[DVD(字幕)] 7点(2017-03-27 00:25:31)(良:1票) 《改行有》

666.  オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ 《ネタバレ》 ジャームッシュ健在、を印象付ける一本。気だるくて美しくてちょっとエスプリも効いていて。 タンジールの異国情緒も、デトロイトの廃れた佇まいもどちらも夜のショットの中に耽美的に切り取られていて魅力的だ。 ストーリーは淡々と、何世紀もの生を生きるヴァンパイアらの”日常”をつづり、一編の詩のよう。 静かな湖面に石を投げ込んだような、異端児エヴァの存在も光る。 主役二人が本物の吸血鬼っぽくてリアリティ有りまくり。いや本物は見た事ないけど。 あそれとドクター・ストレンジ・ラブの血を買ってましたね。ははは。大丈夫かな あんな風にイカレたら耽美どころじゃなくなっちゃうよね。[DVD(字幕)] 7点(2017-03-14 00:28:23)(良:1票) 《改行有》

667.  ザ・ベイ 《ネタバレ》 POV形式のパニック・ムービーものとしては、今まで観た中でも出色の出来。「手ブレ」もそこそこ抑えられてるし、各映像の繋ぎ方もなめらかで話がブツ切れにならず展開する。これって結構技量が要るんじゃないのかな。 いや怖かったです。寄生物のグロテスクなシーンも多い。海洋汚染と海水ろ過装置の不完全さ。鶏糞に含まれるステロイドによる異常発育とか、ノンフィクションとはいえ妙に説得力のあるワードが並び、ワタシは膝を抱えてがたがた震えました。 こういうディザスターものは幽霊ホラーと違って「こういうことが起こったらどうする?」と突きつけてくるので答えがみつからない限り動揺してしまう。竜巻とか大雪とかは自分なりに切り抜ける手段を見出しているけど(ほんまかいな)水はなあ。どうしよう怖いよう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-23 00:24:46)(笑:1票) 《改行有》

668.  インフォーマント! 《ネタバレ》 マット・デイモンの怪演のすんごいこと。彼のパブリックイメージから、マット=好青年との思い込みで観始めるとえらいことになる。M・デイモンの起用は観る者に目くらましをかける効果があっただろうな。すっかり騙された・・マークにもソダーバーグにも。 何しろこの男はおそらく良心の無いタイプの人格障害と思われる。周囲の人間はことごとく傷を負う。人を傷つけているのに良心が痛まないから、表情は平板で謝罪の言葉を並べながらけろりとしている。 この、”ああ言えばこう言う”輩に翻弄されるFBIのブライアン捜査官が私は気の毒で仕方なかった。FBIに同情することなんてほとんど無いのだが。いかにマークが怪物か。あまつさえ、出所後はまたどこぞの企業のCEOに納まってるとは空恐ろしい。 犯罪話なのに音楽はコミカルで全編軽いタッチで描かれる。マークが棲むのがそもそも清廉でもない巨大企業だからか。この男の素性と事件の全体像をちょっとずつ小出しにしてゆくソダーバーグ十八番の展開が見事に効いている。 ラストに明かされる、一番(?)大きい真実ときたら。あいつヅラだったのか。あーあ。こんなことにまで騙されるとは。ワタシもブライアンと一緒に引きこもりたくなっちゃった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-15 18:12:18)(良:1票) 《改行有》

669.  ハンナ・アーレント 《ネタバレ》 アイヒマンを”解り易く”糾弾しなかったことで世間から袋叩きにされるハンナ。60年当時であれば、ナチの禍々しい爪あとはまだ記憶に新しい頃だろう。ナチの幹部など吊るし上げて当然の風潮の中、ユダヤ人でありながら冷静にアイヒマン個人を観察し、悪というものの構造をひも解いた彼女の知性に驚嘆する。 ハンナが、世間がヒステリックに決め付けたような「冷酷な人間」ではないこともきちんと描かれた。病に倒れた夫を献身的に看病し、友人を失ったことには傷つく。読者からの抗議の手紙にも「傷つけたことを詫びる」ために返事を書く誠実さもある。 バルバラ・スコヴァの熱演もあって、ハンナ・アーレントという哲学者の生き様と当時の世相がとてもよく伝わった。 今の時代のブログ炎上どころの騒ぎではなかっただろう。しかし彼女はそんじょそこらの男たちが束になって悪口を言ってきても、ひるまずりりしく、勇者のごとく一人立つのだった。 信念を曲げないこと、発言する勇気と結果を引き受ける責任感。 こんな人がいたのだと、教えてもらった圧巻の120分であった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-05 00:54:04)(良:3票) 《改行有》

670.  ザ・ドア 交差する世界 《ネタバレ》 まず、ちょっと勘違いしていたのだけど、あのドアはタイムマシンではなくてパラレルワールド的な、隣の世界への扉だったのですね。だから5年前の自分を殺しても、現在の自分には影響が無いのね。いつ消滅するのかと思っちゃった。それでは話が展開しないわけですが。 ”そっくり”だけど”自分のじゃない”擬似家族の気持ち悪さがうまく醸し出されていると思いました。娘は気付いて懐かないし。ああそうなるのか、と変に納得しながら観ていたら、あの扉は他の人にも開かれていてすでに「先輩」がいるという驚きの展開であります。どうしても視野が主人公エリアになってますからこちらも。 生きるため自分を殺すって、どういう心理になるのかな。自殺とも違うし。そこらへんが描かれてなかったのが残念。 摩訶不思議なストーリーをこしらえたものですが、ラストの納まり方は奇跡的にベストな形になりました。子を失った夫婦二人が元の鞘に納まってつくねん、と庭に佇む。別世界で生きる娘の姿を心に抱いて。違うのは流れる時間のみ。 喪失に出会っても、乗り越えるより他に術はないのです。取り戻せないものへの、心の対処を不思議な筆致で描いた作品でありました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-17 00:08:02)(良:2票) 《改行有》

671.  殺し屋チャーリーと6人の悪党 人物ごとに描く時間をずらして、時系列を行ったり来たりするタイプのやつです。(正確にはなんという名称なのかなすいません)話が進むにつれて関係性が分かってきて、ああなるほどとなるアレ。今作の脚本も破綻無く、すべての案件を回収して締めていて上手いです。この手のプロットはすでにたくさん世に出ているので、またこれかと思うか面白いと思うかは人それぞれ。私は楽しめました。 かなり容赦なく人が死ぬけど、そこはコメディなので暗くも痛くもならない。一因としてはなんと言っても殺し屋をS・ペッグが演ったのが大きいです。非情なキャラクターなのに、彼独特のすっとぼけた面相と、培ったコメディアン演技の賜物で”ライトなたくさん死ぬ映画”となっています。 それと、オーストラリアのロケーションが内容に反して大変明るく綺麗なので、これまた人を食った印象を残します。なんでそんなに観られてないんだろ。おすすめですよ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-18 17:52:32)《改行有》

672.  フランシス・ハ 《ネタバレ》 フランシス、27歳。大柄、金髪、大股歩きのアメリカンガール。この、がさつで社交的で一生懸命夢を追う女の子は等身大のアメリカ女子なんだろうな。口コミでヒットする作品というのは、こういう「あるある」な魅力があるものです。生活環境は違えど、画面からあふれ出るリアリティに親近感わきまくり。 もうダンサーとしての可能性を探るにはほぼ期限が切れている年なのにあきらめきれない彼女。見てるこちらは「ああ~それは」とダメ出しの気分。聞かれてもいないのに恋愛観なんか披露しちゃったり、無駄遣い以外の何物でもないパリ旅行に思いつきで行っちゃったり、イタイとこ満載のフランシス。けれどキビシイ現実になんとか折り合いを付けながら、せっせと生きる彼女は”起き上がりこぼし”のようで、だんだん彼女を応援する気分になってくるのです。 必要以上にめげない。友人の助けで元気になれる。「メンタルがレズビアン」ぽいフランシスなので、ありきたりな結婚、家庭持ちみたいな展開は無さそう。私は彼女の幸せを祈る。 アメリカ映画のヒロインが「彼氏を作る」ことへの位置づけが低いってタイプは初めて観た。これがヒットしたというんだから、アメリカって国は裾が広い。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-13 18:28:46)《改行有》

673.  ビッグ・アイズ 《ネタバレ》 実話ものながら、夫の素性を小出しにしてゆく脚本が物語をサスペンスフルにしてて巧いと思いました。一組の夫婦がいて、絵の才能は妻が上で夫の方はプロモーションに長けていた。中盤までのこの視点が一気にひっくり返る、キャンバス上書き署名発覚の場面。真相に気づくエイミー・アダムスの「まさか」の表情は真に迫っており、私も震撼しました。留学どころか画家ですらなかったとは、まじかーと声に出ましたね。 夫は正真正銘の詐欺師だったわけだけど、とにかく社会が夫唱婦随の時代だもんなあ。教会の神父すら「夫に従え」とアドバイスするんだもんなあ。ダンナを疑うなんて夢にも考えなかったんだろうなあ。色々考えさせられる事件であります。 そしてクリストフ・ヴァルツが安定の仕事ぶりを発揮してます。実態がばれてからは、顔つきが山師そのもの。序盤の感じの良い友人~やり手のプロモーター、そして詐欺師の顔。一人の個人を演じながら、雰囲気だけを変えてゆく。見ごたえのあるベテランの名演技でありました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-05 17:20:54)《改行有》

674.  俺たちは天使じゃない(1989) 《ネタバレ》 演技巧者のデニーロとS・ペンがほんと上手くコミカルに話を回して心地よい。安心して笑って観られます。冬のカナダ国境近くのアメリカ片田舎という舞台柄、全体的に曇りがちの画のトーンは暗く、しかも修道院に逃げ込んじゃってるので明るく華やかになりようもないのに、とことん軽い仕上がりなのは脚本の力かな。 このころのデミ・ムーアはまだ可愛らしいなあとか、ジョン・C・ライリーは脇役キャリアを着々と築いているさなかだなあ、息の長い俳優さんだよなあとか、ちょっと前の映画を観ると色々雑感もよぎります。 外国映画の惜しい、というかツライところなのですが聾唖の少女が発する"convict",この単語のダブルミーニングを字幕翻訳で表すのはまず無理なことでありましょう。私もネット雑学でやっと知りました。しかしここは、作品の肝であるデニーロとペンの偽装がバレてしまうのか?という緊迫の場面であります。非英語圏の人間、さらにカソリックとプロテスタントの関係性に敏感ではない文化の者にとって瞬時に理解するのは不可能であるということは大変残念なことに思いました。字幕担当者もなんとかしたかっただろうなあ。惜しいなあ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-12 17:52:33)(良:1票) 《改行有》

675.  ロックンローラ 《ネタバレ》 ガイ・リッチー一流の一気収束展開が小気味良い脚本ではあるけれど、いかんせん前作「リボルバー」でぽしゃった後のリハビリ的な出来でして「ロック・ストック~」や「スナッチ」ほどのキレはありません。 人物描写は鮮やかで各キャラは立ちまくり、会話も粋で心地よい。だけど大きな失敗として、タイトルの影の主人公(なのか?)であるロックンローラーがこれ存在感非常に薄い。コイツの偽装死も柱の一つのはずが、G・バトラーやM・ストロング、T・ハーディやその他ロシア人といったアクの強い連中のどたばたの陰に隠れてしまっているので、終盤になってキーマンとして登場するも”待ってました”感が無いんですわ。 なにしろ観終わって一番印象に残ったことといえば、トム・ハーディにゲイを告白されたバトラーのパニックぶりと、その後の友情あふれる涙ぐましくも麗しいフォローぶりだったりする。いやここ、何度観返してもほのぼのと笑える。親友に恋情を抱くハーディが意外やゲイの芝居が巧いですし、つまりこの部分でもって点数が甘くなりました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-08 16:39:55)《改行有》

676.  フォックスキャッチャー 《ネタバレ》 生まれつきお金がありあまる環境で育つのって良くないな。”何でも手に入る”ということは”何も得られない”のと同じこと。 この富豪の男が真に欲しかったのは母親の承認だもの。レスリングへの。翻って自分自身への。でも彼女の死によって永遠に手に入らなくなってしまった。 模型機関車に続き、きっとレスリングにもまた飽きるだろう。欲しい欲しい、自分への承認が。お追従ではなく真の人間関係が。鉄仮面のような無表情の下で、しかしジョンは確かに叫び続けていて、S・カレルの怖く哀れな名演だった。 自分の欲するものを全て持っているデイヴ。人望もレスリングの技術も。心の奥底で煮えるような嫉妬心はモーツァルトに対するサリエリのよう。もう少し、物語に起伏があったらスポーツ版アマデウスとも呼ぶべき名作になったかな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-02 00:49:53)(良:1票) 《改行有》

677.  ミッドナイト・ガイズ 《ネタバレ》 オスカー俳優のオジサン(じいちゃん)たちが、揃いも揃って良い仕事をしています。もうさすがの一言。 なにしろ役の掴み方が的確だ。特にアル・パチーノ。彼の輝かしいキャリアは言うに及ばず、裏社会のボスや、一匹狼刑事や熱血弁護士等、次々とかっこ良い役を思い出せる。なのにああなんてこった、役者人生ここまで来てこんな役も引き受けるのだね。ちょっとくどいとも感じる下ネタも軽々とこなし、「人生の大半を裏社会の底辺でやってきました」という明るい開き直りの表情で、ただでさえ大きい目をけろりと見開いて「頭を撃ってくれよな」とウォーケンに頼む。バイアグラを一掴み飲んじゃうって、馬鹿にも程がある。(しかもなんか情けない)しかしこれが上手いんだー。アル・パチーノ!マイケル・コルレオーネなのに。 で そんなナサケない友人を見守るいぶし銀ウォーケンもまた巧い。パチーノに破天荒はまかせて、一歩引いた所で彼もまた窃盗の腕の一流なところを披露しちゃったりするわけですが。 ストーリーの流れ的に、ラストは大体予想通り。 「明日に向かって撃て」の哲学はじいちゃんになってやってもかっこ良くてシビレるものがあるのでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-09-18 18:08:27)(良:2票) 《改行有》

678.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 二作目以降長らく続いてきた「ゴジラ=怪獣映画」の流れを断って、初作品の哲学に立ち戻った21世紀版ゴジラであります。現代社会に破壊神が降り立ったら、のシチュエーションのもと描かれるのは主に人間ドラマ。今作では指揮トップに立つ役人や政治家の右往左往がメインで、硬直した組織の縛りっぷりであるとか、首相の暴走発言による混乱とか、やたら長い役職名とか現日本国民である我々は肌でデジャブを感じるリアリティである。前半のどたばたっぷりはとても面白い。私はくどくど会議が展開中の中盤までの方が好きである。 邦画の常として、主人公クラスは人気先行のタレントをおいて脇をベテランで固めるパターンにはもう慣れてはいる。本作もしかり。長谷川のおぼつかなさを支える柄本明であったり、特に巨災対チームの面々がそれはもう素晴らしい芝居っぷりで心躍らせて観ていたのだが、突然冬のオホーツク海並みの冷や水を浴びせられるのだった石原さとみに。米国政府のブレーンというよりイキった日本人にしか見えない。この人が口を開くたび下を向いてしまった。つらくて。未曾有の有事に際しているのに毎日髪をきっちり縦ロールにしてくる人材は大統領にはなれないと思う。ヒラリー・クリントンだって国務長官時代は髪なんかにかまっていられなかったと言っていた。 とはいえゴジラの造型は素敵でした。ゴジラサイドに立つ人間がいなかったことが残念でしたが。あ、そして生活に根ざした圧倒的な恐怖感という意味ではやはり一作目には及ばないような。映像が綺麗でシステマティックだからでしょうか。[映画館(邦画)] 7点(2016-08-28 18:47:26)(良:4票) 《改行有》

679.  ヴァージン・スーサイズ 《ネタバレ》 ”ガーリー映画”の旗手なんだそうでS・コッポラは。そんなジャンルがあるとは知らなかったが。女子映画といっても、女の子の心理を解き明かしてくれるような作品ではなかった。姉妹のうち焦点が当てられるのは四女のキルスティンのみで、他の3人(生存の)は完全にお飾り状態。もっとも、各人の性格まで丁寧に踏み込むと”若草物語”みたく健全なものになってしまうのかもしれん。それは監督の狙いと外れてしまうだろうし。 なんとなく感じたこの映画の凄いところは、少女の抱く漠とした不安や苛立ち、不穏な空気をすべて映像で伝えてきてること。画は大変綺麗だ。すごく良いカメラを使っているのかな。 金髪の美少女らはもちろん絵になるし美しいけれど、その明るさと対になっている暗さの方がじわじわと脳に来る。支配欲の強い母親の統べる家、その暗さ。なぜパーティを地下室で?レコードは焚書扱い。たちこめる煙。末娘が飛び降りた窓、柵。こわい。 冒頭から頻出する、木を枯らした毒。街そのものを汚染していた有毒な伏線が、ラストで彼らの大人への出立を覆う。緋色の映像で。この不吉なこと。 青春の残酷や潔癖、無理解、いろんなキーワードが言葉でなく、映像で流れ出る。詳細に語らなかったことでぼうっとした怖さの手触りのみが残った。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-07 23:47:55)《改行有》

680.  サン★ロレンツォの夜 《ネタバレ》 子供というのは未熟な生き物だ。あの”禁じられた遊び”のなかで墓の十字架を勝手に使ってマイワールドを作っていたように。6才の女の子にとって、戦時は非日常。夜中に村が爆破されるのをどこかわくわくしながら待ったり、財産を消失したおばさんがイヤリングを預けてくれたことで胸が躍ったりする。こういうコドモ感覚、私もかつて持っていた。遠い記憶の中に。 大人の感性で捉えると耐えられないほどの苦痛を、子供の「?」フィルターを通して酷さを緩和しているような描写の映画である。 しかし観賞している私はもう大人なので、あののどかで美しい麦畑で、厳かな聖堂で、何が起きたのか悲しいかな知っている。コドモ側の「イヤリングもらって嬉しい」、「米兵さんは風船をくれて親切」と並行して起きている大人側の苛烈な現実。あまりのギャップに心をどこに置けばいいのかわからなくなった。 少女は母になりわが子に語る。それはおとぎ話のようだけど、内包されたただならぬ事実をその子も長じるにつれて知るのだろう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-29 23:38:31)《改行有》

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